JP2013071405A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイパブレードに付着したインクによる汚れを低減したインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】被記録媒体にノズル面からインクを吐出して記録を行う記録ヘッドと、前記ノズル面に対して下方に略垂直に配置されて、前記ノズル面に付着しているインクを拭き取る拭取部を上端部に有するワイパブレードを備えたインクジェット記録装置であって、前記ワイパブレードは下端部に下方へ突出するように延設される突出部を有し、前記突出部は、上下方向に対して直交する方向における一端部と他端部との間隔が、下方へ向かうほど小さくなることを特徴とする。
【選択図】図11

Description

本発明は、記録ヘッドのノズル面に付着したインクを拭き取るワイパブレードを備えたインクジェット記録装置に関する。
従来、被記録媒体に記録ヘッドのノズル面からインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置がある。インクジェット記録装置では、記録ヘッドのノズル面に不要なインクが付着すると、インクの吐出に悪影響を与えるため、ワイパブレードを用いて記録ヘッドのノズル面に付着したインクを拭き取ることが行われている。
例えば、特許文献1に記載されたインクジェット記録装置には、複数の記録ヘッドが水平方向に並べて配置されている。ワイパブレードは、その複数の記録ヘッドが並べられた領域全体の幅を有していた。即ち、ワイパブレードは、水平方向にある程度の長形状をしている。その複数の記録ヘッドに対してワイパブレードが移動され、1本のワイパブレードが、複数の記録ヘッドのノズル面に付着したインクを一度に拭き取る。拭き取り時には、記録ヘッドのノズル面(下面)にワイパブレードの上端部を摺動させる構成が開示されている。
特開2006−35658号公報
記録ヘッドのノズル面をワイパブレードで拭き取ったインクはワイパブレードの上端部に付着し、ワイパブレードに付着したインクは重力に従い下方へ流れる。拭き取ったインクがワイパブレードのインク拭き取り方向の表面に付着していたりすることなどにより、ワイパブレードの表面をインクは水平方向に広がることがある。ワイパブレードの下端部は、水平方向に一直線状の端面であるため、ワイパブレードの下端部の水平方向のあらゆる箇所で、インクがワイパブレードから流れ落ちる可能性がある。
そのため、ワイパブレードの下端部の水平方向のあらゆる箇所からインクが流れ落ちて装置内部に付着すると、例えば、ユーザがワイパブレードの交換などのメンテナンス作業のために装置内部に手を入れたときに、インクで汚れてしまうおそれがあった。
本発明は、ワイパブレードに付着したインクによる汚れを低減したインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1発明のインクジェット記録装置は、被記録媒体にノズル面からインクを吐出して記録を行う記録ヘッドと、前記ノズル面に対して下方に略垂直に配置されて、前記ノズル面に付着しているインクを拭き取る拭取部を上端部に有するワイパブレードを備えたインクジェット記録装置であって、前記ワイパブレードは下端部に下方へ突出するように延設される突出部を有し、前記突出部は、上下方向に対して直交する方向における一端部と他端部との間隔が、下方へ向かうほど小さくなることを特徴とする。
第2発明のインクジェット記録装置は、上記第1発明に加えて、前記被記録媒体に対して前記記録ヘッドを副走査方向に移動させるヘッド移動機構と、前記ワイパブレードを支持して前記ノズル面に対して相対移動させるワイパ駆動機構と、前記記録ヘッドのノズル面に対向可能な位置に設けられ、前記ワイパブレードに対しては当該ワイパブレードの下方において対向可能な位置に設けられ、前記ノズル面から印刷対象に描画することなく排出されたインクを受け取るパージキャップと、前記パージキャップと前記ノズル面とを相対的に接近又は離間させる接近離間機構を備え、前記ワイパブレードが前記ノズル面を拭き取る場合に、前記ヘッド移動機構は、前記記録ヘッドを前記パージキャップに対向させ、前記接近離間機構は、前記キャップと前記ノズル面とを離間させ、前記ワイパ駆動機構は、前記ワイパブレードを前記ノズル面と前記パージキャップの間に移動させたときに、前記突出部が前記パージキャップの上方に配置されるように移動させることを特徴とする。
第3発明のインクジェット記録装置は、上記第2発明に加えて、前記記録ヘッドは複数設けられ、前記パージキャップは前記記録ヘッドに対応して、前記記録ヘッドと同数設けられ、前記突出部は前記パージキャップに対応して、前記パージキャップと同数設けられ、前記ワイパブレードが前記ノズル面を拭き取る場合に、前記ヘッド移動機構は、複数の前記ヘッドをそれぞれの前記記録ヘッド毎に対応する複数の前記パージキャップの上方へ移動させ、前記ワイパ駆動機構は、前記ワイパブレードを複数の前記記録ヘッドの前記ノズル面と複数の前記パージキャップの間に移動させたときに、複数の前記突出部のそれぞれが対応する前記パージキャップの上方に配置されるように移動させることを特徴とする。
第4発明のインクジェット記録装置は、上記第1発明に加えて、前記ノズル面に対して前記ワイパブレードを相対移動させるワイパ駆動機構を備え、前記ワイパ駆動機構は、前記ワイパブレードが前記ノズル面を拭き取る場合に、前記ワイパブレードが拭き取り移動方向の上流側に位置するように前記ワイパブレードを支持し、前記突出部は、前記突出部の下端部から前記拭き取り移動方向とは逆方向の上方に向かって傾斜するガイド面を有することを特徴とする。
第5発明のインクジェット記録装置は、上記第4発明に加えて、前記ワイパ駆動機構は、前記ワイパブレードが前記ノズル面を拭き取る場合に、前記ワイパブレードが拭き取り移動方向の上流側に位置するように前記ワイパブレードを支持する支持部を有し、前記突出部の前記下端部は、前記支持部の下部よりも下方へ突出していることを特徴とする。
第6発明のインクジェット記録装置は、上記第2発明又は第4発明に加えて、前記ワイパ駆動機構は、前記支持部の上部に前記ワイパブレードに並列して設けられる溝部を有することを特徴とする。
第1発明のインクジェット記録装置は、前記ワイパブレードは下端部に下方へ突出するように延設される突出部を有し、前記突出部は、上下方向に対して直交する方向における一端部と他端部との間隔が、下方へ向かうほど小さくなる。そのため、ワイパブレードの上端部の拭取部でノズル面を拭き取ってワイパブレードに付着したインクが、ワイパブレードの上端部から下方へ移動する際に水平方向へ広がっても、ワイパブレードの下端部から流れ落ちる箇所を規制して、インクによる汚れを低減することができる。
第2発明のインクジェット記録装置は、上記第1発明に加えて、前記ワイパブレードが前記ノズル面を拭き取る場合に、前記ヘッド移動機構は、前記記録ヘッドを前記パージキャップの上方へ移動させ、前記接近離間機構は、前記パージキャップと前記ノズル面とを離間させ、前記ワイパ駆動機構は、前記ワイパブレードを前記ノズル面と前記パージキャップの間に移動させたときに、前記突出部が前記パージキャップの上方に配置されるように移動させる。そのため、ワイパブレードが記録ヘッドのノズル面を拭き取るときに、ワイパブレードの突出部がパージキャップの上方に配置されるので、ワイパブレードの突出部からインクをパージキャップに落下させ、インクによる汚れを低減することができる。
第3発明のインクジェット記録装置は、上記第2発明に加えて、前記記録ヘッドは複数設けられ、前記パージキャップは前記記録ヘッドに対応して、前記記録ヘッドと同数設けられ、前記突出部は前記パージキャップに対応して、前記パージキャップと同数設けられる。そして、前記ワイパブレードが前記ノズル面を拭き取る場合に、前記ヘッド移動機構は、複数の前記ヘッドをそれぞれの前記記録ヘッド毎に対応する複数の前記パージキャップの上方へ移動させ、前記ワイパ駆動機構は、前記ワイパブレードを複数の前記記録ヘッドの前記ノズル面と複数の前記パージキャップの間に移動させたときに、複数の前記突出部のそれぞれが対応する前記パージキャップの上方に配置されるように移動させる。
記録ヘッドが複数設けられる場合に、記録ヘッドに対応させてパージ手段は複数設けられており、ワイパブレードの突出部もパージキャップの数と同じだけ設けている。そのため、例えば、1箇所の突出部にインクが集中して1つのパージキャップに一度に大量にインクが落下してパージキャップからあふれ出たりすることを防止して、複数の突出部から分散して各パージキャップにインクを落下させ、インクによる汚れを低減することができる。
第4発明のインクジェット記録装置は、上記第1発明に加えて、前記ワイパ駆動機構は、前記ワイパブレードが前記ノズル面を拭き取る場合に、前記ワイパブレードが拭き取り移動方向の上流側に位置するように前記ワイパブレードを支持し、前記突出部は、前記突出部の下端部から前記拭き取り移動方向とは逆方向の上方に向かって傾斜するガイド面を有する。仮に、ワイパブレードの側部などを伝ってワイパ駆動機構にインクが流れてしまった場合、ワイパ駆動機構の下部にインクが流れ込んでワイパ駆動機構を伝ってインクが落下するおそれがある。ガイド面を有することで、ワイパ駆動機構に流れ込んだインクをワイパブレードの突出部に誘導して、インクの流れ落ちる箇所を規制して、インクによる汚染を低減することができる。
第5発明のインクジェット記録装置は、上記第4発明に加えて、前記ワイパ駆動機構は、前記ワイパブレードが前記ノズル面を拭き取る場合に、前記ワイパブレードが拭き取り移動方向の上流側に位置するように前記ワイパブレードを支持する支持部を有し、前記突出部の前記下端部は、前記支持部の下部よりも下方へ突出している。そのため、ワイパ駆動機構の下部にインクが流れ込んでしまっても、ガイド面によりワイパブレードの突出部に効率よく集約してインクの流れ落ちる箇所をより確実に規制し、インクによる汚れを低減することができる。
第6発明のインクジェット記録装置は、上記第2発明又は第4発明に加えて、前記ワイパ駆動機構は、前記支持部の上部に前記ワイパブレードに並列して設けられる溝部を有する。そのため、ワイパブレードの側面からインクが支持部に流れ落ちたとしても、支持部に流れ落ちたインクがワイパ駆動機構全体へ広がることを抑制することができる。これにより、突出部に効率よくインクを集約して、ワイパブレードの下端部からインクの流れ落ちる箇所を規制して、インクによる汚染を低減することができる。
本発明の一実施形態のインクジェット記録装置の外観を表した斜視図である。 記録ヘッドの側面を表した図である。 記録ヘッドの底面図である。 メンテナンスユニットの斜視図である。 メンテナンスユニットの側面図である。 第1揺動部材の斜視図である。 第1摺動部材の斜視図である。 第2摺動部材の斜視図である。 第2揺動部材の斜視図である。 第1揺動部材、第1摺動部材、第2摺動部材、第2揺動部材を組み付けたワイパ駆動機構を示す側面図である。 第1ワイパブレードを模式的に示す正面図である。 図11の第1ワイパブレードにおけるインクが流れる軌跡の例を示す模式図である。 図13(A)は図11の第1ワイパブレードをA−A線で切断した断面図、図13(B)は第1ワイパブレードの別例の断面図である。 第1ワイパブレードと第2ワイパブレードがノズル面を拭き取るときの軌跡を示す模式図である。 図15(A)〜図15(C)はワイパブレードの変形例を示す模式図である。 図15のワイパブレードの変形例におけるインクが流れる軌跡の例を示す模式図である。
以下、本発明のインクジェット記録装置の一実施形態について図面を参照して説明する。図1において、本実施形態のインクジェット記録装置1は、具体的には、Tシャツ等の布帛を被記録媒体としてインクジェット方式により印刷を行う布帛印刷装置である。
インクジェット記録装置1は、左右方向(図1のX軸方向)を長手方向とする略直方体形状の筐体2を有している。筐体2の下部の略中央に、前後方向(図1のZ軸方向)に向かう2本のレール3A、3Bが列設されている。2本のレール3A、3Bは、筐体2の垂直方向に立ち上げられた基部7にそれぞれ支持されている。レール3A,3Bの上部には、レール3A,3Bに沿って筐体2の前後方向に移動可能な平板状のプラテン支持台(図示外)が設けられている。そして、プラテン支持台の上端には、取り換え可能なプラテン5が固定されている。
プラテン5は、平面視において、筐体2の前後方向を長手方向とする略長方形状の板体であり、その上面に、例えばTシャツなどの布帛からなる被記録媒体を水平に載置するためのものである。また、プラテン支持台に支持されたトレー4は、ユーザがTシャツ等をプラテン5に載置する際に、Tシャツのそで等が筐体2の底面に落ちないように保護するためのものである。そして、プラテン支持台を移動させるためにレール3A,3Bが設けられたプラテン駆動機構6の後端部には図示しないプラテン駆動モータが設けられる。このプラテン駆動モータの駆動によって、プラテン支持台がレール3A,3Bに沿って筐体2の前後方向に移動する。
筐体2の前後方向の略中央であって筐体2の両側面間には、キャリッジ20の移動を案内するためのガイドレール9が架設されている。キャリッジ20は、後述のように8つの記録ヘッド21A〜21Hを搭載している。そして、ガイドレール9の右端付近に設けられたキャリッジモータ19の駆動によって、キャリッジ20がガイドレール9に沿って筐体2の左右方向に往復移動する。
具体的には、キャリッジ20は、副走査方向に沿って掛け渡された駆動ベルト111に固定されており、キャリッジモータ19が駆動ベルト111を駆動することにより、キャリッジ20が副走査方向(図1のX軸方向)に往復移動する。なお、このキャリッジモータ19はDCモータであり、ガイドレール9に設けられたリニアエンコーダ(図示外)からの出力に基づき、キャリッジ20の位置検出が行われる。キャリッジ20は本発明のヘッド移動機構に相当する。
記録ヘッド21A〜21Hは、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ホワイトに対応して8つ設けられている。なお、本実施形態ではシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック(以下、CMYKとする)に対応する4つの記録ヘッド21E〜21Hが副走査方向(図1のX軸方向)に並設され、ホワイトに対応する4つの記録ヘッド21A〜21Dが副走査方向に並設され、記録ヘッド21A〜21Dと記録ヘッド21E〜21Hが走査方向(図1のZ軸方向)に対向して設けられる。
そして、キャリッジ20には、各色の記録ヘッド21A〜21Hを各々駆動する図示しない駆動回路基板が8個設けられている。なお、8つの記録ヘッド21A〜21Hは、各々の構成は同様であるので、記録ヘッド21Aについて以下説明する。
記録ヘッド21Aは、図3に示すように、インクを吐出するためのノズルが形成された領域221を備えている。本実施形態ではノズルは128個である。そして、各ノズルは、各々個別に駆動される圧電アクチュエータ(図示外)が設けられており、ノズルから下向きに、インクの液滴が噴射されるように制御される。
また、記録ヘッド21Aは、図2に示すように、略長方形の板状のベースプレート24に固定されている。また、記録ヘッド21Aは、インクを収容するサブタンク25が設けられ、サブタンク25の上端部には、インク供給口26が備えられる。
さらに、記録ヘッド21Aは、ヘッド駆動基板27と、各々、フレキシブルプリント基板28を介して電気的に接続されている。なお、ヘッド駆動基板27には、放熱のためのヒートシンク29が設けられている。
また、記録ヘッド21Aのノズルが形成された領域221の周囲には、略長方形の板状に形成されノズルが形成された領域221を保護し、ノズル面22をパージするときの後述のパージキャップ43との密着性を高めるためのクラッシュプレート23が設けられている(図3参照)。
このクラッシュプレート23は、記録ヘッド21Aのノズルが形成された領域221より一回り大きく形成されており、フランジ部を有している。記録ヘッド21A〜21Dと記録ヘッド21E〜21Hがそれぞれ対向するフランジ部の前端は上方へ折り曲げられて折曲部231が形成される。これにより、後述のワイパブレードがノズル面22を拭き取るときに、後述の第1ワイパブレード63と第2ワイパブレード93の先端がクラッシュプレート23の端部に摺接して削れるのを防止することができる。
一方、図1のように、インクジェット記録装置1の左側面(図1のX軸負側)には、各インクを収容した8つのインクカートリッジ31を着脱可能に収容するためのインク収容部30が設けられている。各インクカートリッジ31と、各記録ヘッド21A〜21Hのインク供給口26とは図示しないインク供給用チューブによってそれぞれ連結され、インク供給用チューブを介してインクカートリッジ31から記録ヘッド21A〜21Hへインクが供給される。
キャリッジ20がガイドレール9の左端に移動した位置であるメンテナンス位置の下方には、メンテナンスユニット40が設けられている。以下、メンテナンスユニット40について説明する。
(メンテナンスユニットについて)
メンテナンスユニット40は、図4及び図5のように、パージキャップ43A〜43Hをノズル面22に対して接近又は離間させる方向に移動させる接近離間機構45と、第1ワイパブレード63と第2ワイパブレード93を支持して、ノズル面22に対して相対移動させるワイパ駆動機構50を備える。接近離間機構45とワイパ駆動機構50は後述する。
メンテナンスユニット40は金属板のフレーム部材201を有し、略直方体形状である。フレーム部材201は、図4のように、右側(図4のZ軸正側)上部に前ガイド軸保持板202を備え、左側(図4のZ軸負側)上部に後ガイド軸保持板203を備えている。そして、前ガイド軸保持板202と後ガイド軸保持板203の間に、一対のガイド軸204A,204Bが架設される。
メンテナンスユニット40は、図1のように、キャリッジ20がガイドレール9の左端のメンテナンス位置に移動したときに、各記録ヘッド21A〜21Hに各々対向する位置に、パージキャップ43A〜43Hを備えている。本実施形態では、図4に示すように、8つの記録ヘッド21A〜21Hと同数の8つのパージキャップ43A〜43Hが、それぞれの記録ヘッド21A〜21Hに対向可能なように配置されている。
具体的には、4つのパージキャップ43A〜43Dが副走査方向(図4のX軸方向)に並置され、4つのパージキャップ43E〜43Hが副走査方向に並置されると共に、パージキャップ43A〜43Dとパージキャップ43E〜43Hが走査方向(図4のZ軸方向)に対向して配置される。
パージキャップ43A〜43Hは、図示しない吸引ポンプにより、記録ヘッド21A〜21Hのノズル面22に密着しているときにインクの吸引を行い、ノズル面22からのインクを受け取る。このように、パージキャップ43A〜43Hは、ノズル面22のノズルから印刷対象に描画することなく排出されたインクを受け取る。なお、印刷が行われないときにはパージキャップ43A〜43Hで記録ヘッド21A〜21Hのノズル面22が覆われ、インクの乾燥が防止される。
また、パージキャップ43A〜43Hの下方には、図5のように、インク受部249が設けられ、ブレードクリーナ(図示せず)と後述のワイパブレードから落下したインクは、インク受部249を介して、インク受部249に連結される廃液チューブ250を介して図示しないインク回収用の廃液タンクへ回収される。なお、ブレードクリーナはインク吸収性の高いスポンジを有し、ワイパブレードがヘッドを拭き取るときに移動する進行方向の上流側に設けられる。ワイパブレードはブレードクリーナに摺接して、ノズル面22から拭き取ったインクがブレードクリーナにより拭き取られる。
(接近離間機構について)
次に、図4及び図5を用いて、接近離間機構45について説明する。パージキャップ43A〜43Hは、ガイド軸204A,204Bと各々直交する方向にパージキャップ43A〜43Hを上下に移動させる上下ガイド板210により保持されている。
また、図5に示すように、上下ガイド板210の側面には、上下方向に長い長孔211,212が形成され、長孔211,212には、フレーム部材201に凸設された軸205,206が摺動可能に各々係合している。
接近離間機構45は、キャップ駆動モータ240が設けられ、キャップ駆動モータ240の軸には、ギア241が設けられている。また、フレーム部材201には、軸244に軸支された大ギア242が設けられ、大ギア242はギア241に噛合している。
さらに、大ギア242には、円形の偏心溝カム243が固着され、軸244を軸心として、大ギア242の回転に同期して回転するようになっている。偏心溝カム243の側面には、円形のカム溝245が形成される。カム溝245には、アーム246に設けられたカムフォロア部238が摺動する。アーム246は、軸247により軸支され、アーム246の他端部は、軸248により、上下ガイド板210の側面の長孔211,212との間に接続される。
そのため、キャップ駆動モータ240の駆動により偏心溝カム243が回転されると、上下ガイド板210がアーム246により上下に摺動されて、それに伴い、パージキャップ43A〜43Hが上下方向へ移動する。これにより、パージキャップ43A〜43Hが記録ヘッド21A〜21Hのノズル面22に対して接近または離間させる方向に移動可能となっている。即ち、キャップ駆動モータ240などにより、パージキャップ43A〜43Hと、記録ヘッド21A〜21Hのノズル面22とを、接近または離間させる。
(ワイパ駆動機構について)
続いて、図4及び図6〜図9を用いて、ワイパ駆動機構50について説明する。ワイパ駆動機構50は、図4のように、第1ワイパブレード63と第2ワイパブレード93を支持して、記録ヘッド21A〜21Hのノズル面22に対して、後述のように第1ワイパブレード63と第2ワイパブレード93をZ軸方向及びY軸方向へ相対移動させる。
ワイパ駆動機構50は、図4及び図10のように、ガイド軸204A,204Bに対して、摺動する第1摺動部材53と第2摺動部材54、また、第1摺動部材53に連結される第1揺動部材52と第2摺動部材54に連結される第2揺動部材55を有している。これらの部材は、上方から第1揺動部材52、第1摺動部材53、第2摺動部材54、第2揺動部材55の順に組みつけられている。
まず、第1揺動部材52は、図6のように、本体部521の前後方向(図6のZ軸方向)に沿って2つの側壁部523を有しており、2つの側壁部523は対向している。側壁部523の後方(図6のZ軸負方向)端部には、カムフォロア部64が左右方向に貫通して設けられる。カムフォロア部64は細長い略円柱形状であり、右側(図6のX軸負側)の端部が側壁部523から大きく突出している。なお、この右側の端部が後述の第1溝カム56の経路溝56aに嵌入する(図10参照)。
側壁部523には揺動支持孔525が形成されている。第1揺動部材52は、揺動支持孔525を支点として後方(図6のZ軸負方向)側に偏重している。また、2つの側壁部523の前方(図6のZ軸正方向)端部にはブレード支持部522が架設されている。ブレード支持部522は上端の2箇所に溝部527A、527Bを有している。溝部527A、527Bの間に並列して第1ワイパブレード63が配置される。なお、ブレード支持部522は、本発明の支持部に相当する。第1ワイパブレード63の詳細構成については後述する。
第1摺動部材53は、図7において、本体部531の中央にラック72を備える。本体部531は前方(Z軸正方向)に伸びた腕部532を備えており、腕部532の前方と本体部531の後方(Z軸負方向)には、それぞれ下方(Y軸負方向)に折れ曲がった4つの摺動支持部534を有している。この4つの摺動支持部534には、それぞれ摺動孔535が設けられる。
摺動孔535には、ガイド軸204A、204Bが挿通されて、これにより、第1摺動部材53がガイド軸204A,204Bに沿って摺動可能に設けられる(図4参照)。また、腕部532はそれぞれが対向している側から上方に折れ曲がる揺動支持部538を有している。揺動支持部538には、第1揺動部材52の揺動支持孔525にそれぞれ嵌合する突状の揺動支持部539が設けられる。
第2摺動部材54は、図8において、本体部541の中央にラック82を備えている。また、本体部541は前後方向(図8のZ軸方向)に伸びて並列に配置された2つの腕部542を備える。腕部542は、それぞれの前端(図8のZ軸正方向)と後端(図8のZ軸負方向)に、上方(図8のY軸正方向)に折れ曲がった4つの摺動支持部544を有する。4つの摺動支持部544には、図4のガイド軸204A,204Bが挿通可能な摺動孔545が各々形成されている。
また、腕部542の前方内側には上方に折れ曲がる揺動支持部548がそれぞれ設けられ、揺動支持部548には後述の第2揺動部材55に設けられた2つの揺動支持孔557に嵌合可能な突状の揺動支持点549が設けられている(図9参照)。
第2揺動部材55は、図9において、本体部551は、前後方向(図9のZ軸方向)に沿って2つの側壁部552を有しており、2つの側壁部552は対向して配置される。側壁部552は、各々前方(図9のZ軸正方向)に前支持部554と、その後方(図9のZ軸負方向)に後支持部556が立設される。2つの前支持部554の上端部にはブレード支持部558が架設されている。ブレード支持部558は上端の2箇所に溝部559A、559Bを有している。溝部559A、559Bの間に並列して第2ワイパブレード93が配置される。なお、第2ワイパブレード93の構成については後述する。
後支持部556の上方には揺動支持孔557が形成されている。第2揺動部材55は、揺動支持孔557を支点として後方側に大きく偏重している。また、側壁部552の後方(図9のZ軸負方向)には、カムフォロア部94が左右方向(図9のX軸方向)に貫通して設けられる。カムフォロア部94は、全体が細長い略円柱形状であり、右側(図9のX軸正側)が側壁部552から大きく突出している。なお、この右側の端部が後述の第2溝カム57の経路溝57aに嵌入する(図10参照)。これらのワイパ駆動機構50の動作については、後述する。
(ワイパブレードの構成について)
続いて、第1ワイパブレード63と第2ワイパブレード93の詳細構成について説明する。本実施形態では、図4において、第1ワイパブレード63が記録ヘッド21A〜21Dのノズル面22を拭き取り、第2ワイパブレード93が記録ヘッド21E〜21Hのノズル面22を拭き取る。
従って、第1ワイパブレード63は、拭き取り対象の4つの記録ヘッド21A〜21Dのノズル面22に対して下方に略垂直にブレード支持部522に支持されて、4つの記録ヘッド21A〜21Dのノズル面22と同数の4つの突出部631A〜631Dが第1ワイパブレード63の下端部に設けられている。
同様に、第2ワイパブレード93は、拭き取り対象の4つの記録ヘッド21E〜21Hのノズル面22に対して下方に略垂直にブレード支持部558に支持されて、4つの記録ヘッド21E〜21Hのノズル面22と同数の4つの突出部931E〜931Hが第2ワイパブレード93の下端部に設けられている。なお、第1ワイパブレード63と第2ワイパブレード93は同様の構成であるので、以下第1ワイパブレード63の構成について説明する。
第1ワイパブレード63は、図11のように、上端部638に記録ヘッド21A〜21Dのノズル面22に付着したインクを拭き取るための拭取部635を備える。また、第1ワイパブレード63は、本体表面637の平面部を介して、下端部639に下方へ突出するように延設される4つの突出部631A〜631Dを有している。なお、突出部631B〜631Dは突出部631Aと同様の構成であるので、以下、突出部631Aについて説明する。
突出部631Aは、左側(図11のX軸負側)の一端部632と右側(図11のX軸正側)の他端部633の間隔が下方へ向かうほど小さく形成されている。例えば、一端部632と他端部633の間隔は、突出部631Aの下方に配置される先端部634に近いほど小さく、間隔L1,L2,L3の順に小さくなっている。なお、ここでの一端部632と他端部633は上下方向(図11のY軸方向)に対して直行する方向の一端と他端である。
そのため、図12のように、例えば、第1ワイパブレード63の拭取部635で、記録ヘッド21A〜21Dのノズル面22のインクを拭き取る場合、第1ワイパブレード63の上端部638から下方へ向かってインクMが流れ落ちる。このとき、記録ヘッド21A〜21Dは第1ワイパブレード63の幅方向(X軸方向)に並置されており、複数の記録ヘッド21A〜21Dの下面のノズル面22を第1ワイパブレード63の拭取部635で一度に拭き取る。また、第1ワイパブレード63には既に拭き取ったインクが付着しているなどの表面状態によって、インクは拭取部635から本体表面637の平面部を伝い、下方へ向かって広がって落下していく。
本実施形態において、インクMが第1ワイパブレード63の本体表面637上の平面部を広がっても、一例として2点差線でインクMが流れる軌跡を示すように、下端部に形成された突出部631A〜631Dの表面、一端部632、他端部633の表面や側面を伝って、インクが突出部631A〜631Dの先端部634に集約される。そのため、インクMが第1ワイパブレード63の下端部から流れ落ちる箇所を規制して、インクによる汚染を低減することができる。
また、本実施形態では、第1ワイパブレード63は4つの突出部631A〜631Dを備え、第2ワイパブレード93も4つの突出部931E〜931Hを備えている。このように、ワイパブレードに突出部が複数設けられることで、ノズル面を拭き取ったインクを複数の突出部に分散させながらインクが流れ落ちる箇所を規制することができる。特に、ワイパブレードが拭き取る記録ヘッドのノズル面が複数ある場合には、一度に大量のインクが一つの突出部に集約されるのを防止することができる。これにより、インクによる汚れを軽減することができる。
また、第1ワイパブレード63は、第1ワイパブレード63がノズル面22を拭き取る場合に、第1ワイパブレード63がブレード支持部522に対して拭き取り移動方向の上流側に位置するように保持されている。第1ワイパブレード63の拭き取り移動方向は、図13において、Z軸負方向であるので、ブレード支持部522よりも第1ワイパブレード63がZ軸負側に配置されている。第1ワイパブレード63がブレード支持部522に対して、拭き取り移動方向の上流側に配置されることで、第1ワイパブレード63で拭き取ったインクMがブレード支持部522に付着するのを防止して、本体表面637を伝ってスムーズにインクMを突出部631Aへ集約することができる。
なお、第2ワイパブレード93は、ノズル面22を拭き取る場合の拭き取り移動方向が図9のZ軸正方向である。第2ワイパブレード93は、ブレード支持部558に対してZ軸正側に支持される。
そして、図13(A)において、突出部631Aは下端部から拭き取り移動方向とは逆方向(図13(A)のZ軸正方向)の上方に向かって傾斜するガイド面636を有する。仮に、第1ワイパブレード63の側部641(図6参照)などを伝ってブレード支持部522の下方へインクMが流れ込んでしまった場合、ブレード支持部522の下端部を伝ってインクMが広がり、思わぬ箇所からインクMが落下するおそれがある。このため、ブレード支持部522に流れ込んだインクを、ガイド面636を伝って突出部631Aの先端部634側へ誘導可能である。ブレード支持部522の下端部をインクが水平方向に広がるよりも、ガイド面636が形成されていると、インクMがガイド面636を伝って下方の突出部631Aへ流れやすい。これにより、インクの流れ落ちる箇所を規制して、インクによる汚染を低減することができる。
なお、このガイド面636は、図13(A)のように、ブレード支持部522の下端部に隣接するように設けられていてもよいし、図13(B)のように、ブレード支持部522から下方へ延設されるように垂下面640を介するように設けられてもよい。ワイパ駆動機構50のスペースやインクの粘性や表面張力等によって、ガイド面636の長さを変更したり、垂下面640を介してガイド面636へインクを誘導するなど適宜調整可能である。
また、ブレード支持部522には、図11のように、溝部527A,527Bが形成されている。これにより、第1ワイパブレード63の側部からインクがブレード支持部522に流れたとしても、ブレード支持部522上が平面の場合よりも溝部527A,527Bを有することで、ブレード支持部522上にインクが広がりにくくなる。そのため、インクによる汚染を低減することができる。
(ワイパ駆動機構の動作について)
次に、図10を用いて、ワイパ駆動機構50が有する第1揺動部材52,第1摺動部材53,第2摺動部材54,第2揺動部材55の動作について説明する。第1摺動部材53と第2摺動部材54がガイド軸204Aとガイド軸204Bに挿通されており、前後方向(図10のZ軸方向)に摺動可能である。
メンテナンスユニット40のフレーム部材201には、第1溝カム56が設けられる(図5参照)。第1揺動部材52のカムフォロア部64の突出部分は、第1溝カム56の経路溝56aに嵌入される。同様に、第1溝カム56が設けられた側と対向するフレーム部材201には、第2溝カム57が設けられる。第2揺動部材55のカムフォロア部94の突出部分は、第2溝カム57の経路溝57aに嵌入される。
そして、ピニオン59が、減速歯車101,102を介してモータ103に連結している。ピニオン59は、第2摺動部材54の本体部541に形成した長孔518を貫通して配置され(図8参照)、ピニオン59の上端部が第1摺動部材53の下面に設けたラック72と同じ高さに配置される。第1摺動部材53、第2摺動部材54のそれぞれラック72,82がピニオン59に噛み合っており、モータ103の正転と逆転を切り替えた回転駆動によって第1摺動部材53、第2摺動部材54がそれぞれ前後方向に移動する。
第1摺動部材53が前後方向に移動すると、第1揺動部材52の揺動支持孔525が揺動支持点539と係合されているため、第1揺動部材52は揺動支持点539を中心として第1溝カム56の経路溝56aに沿って揺動される。
同様に、第2摺動部材54が前後方向に移動すると、第2揺動部材55の揺動支持孔557が第2摺動部材54の揺動支持点549と係合されているため、第2揺動部材55は揺動支持点549を中心として第2溝カム57の経路溝57aに沿って揺動される。これにより、第1揺動部材52に支持された第1ワイパブレード63と、第2揺動支持部材55に支持された第2ワイパブレード93は以下のように前後方向及び上下方向に移動する。
(ワイパブレードの動作について)
続いて、図14において、記録ヘッド21A〜21Dのノズル面22を拭き取るときの第1ワイパブレード63の動きと、記録ヘッド21E〜21Hのノズル面22を拭き取るときの第2ワイパブレード93の動作について説明する。
まず、キャリッジ20がガイドレール9の左端のメンテナンス位置に移動して、記録ヘッド21A〜21Hのノズル面22を各々パージキャップ43A〜43Hの真上に移動させる(図4参照)。このとき、パージキャップ43A〜43Hは、上述の接近離間機構45によりノズル面22から離間するように下方へ移動される。
そして、第1ワイパブレード63と第2ワイパブレード93は、次のように、記録ヘッド21A〜21Hのノズル面22のインクを拭き取る。以下、第1ワイパブレード63と第2ワイパブレード93が記録ヘッド21Aと21Eを拭き取る場合を説明する。なお、その他の記録ヘッド21B〜21D,記録ヘッド21F〜21Hの拭き取り動作についても同様であるので図示を省略する。
図14において、第1ワイパブレード63は、第I位置から第IV位置までを往路として移動し、第IV位置から第I位置を復路として移動する。まず、第1位置から第III位置において、第1ワイパブレード63は、記録ヘッド21Aのノズル面22より下方に配置され、第1ワイパブレード63の拭取部635とノズル面22は離間している。第1ワイパブレード63は、第III位置から第IV位置までの区間で記録ヘッド21Aに接近し、拭取部635がノズル面22を摺接できる高さまで移動する。
そして、第1ワイパブレード63は、第IV位置から第V位置までの区間においては、第1ワイパブレード63の拭取部635が記録ヘッド21Aのノズル面22のインクを拭き取りながら移動する。このとき、第1ワイパブレード63が記録ヘッド21Aとパージキャップ43Aの間を移動すると、突出部631Aはちょうどパージキャップ43Aの上方へ配置される(図11参照)。
これにより、拭取部635に付着して突出部631Aへ集約されたインクは、下方に配置されるパージキャップ43Aへ落下する。このとき、第1ワイパブレード63は、第IV位置から第V位置までの区間においては、直立してノズル面22に対して下方に略垂直な姿勢を維持しまたまま摺動し、他の区間では傾斜する姿勢となる。なお同様に、第1ワイパブレード63に備えられた他の突出部631B〜631Dは対応するパージキャップ43B〜43Dの上方に配置され、下方に配置されるパージキャップ43B〜43Dへ拭き取ったインクが落下する。
そして、第1ワイパブレード63は、第V位置から第I位置の区間においては、インク吸収性の高いスポンジからなるブレードクリーナ(図示せず)の表面に傾斜姿勢で摺接し、ノズル面22から拭き取ったインクがブレードクリーナにより拭き取られる。なお、第1ワイパブレード63がブレードクリーナに摺接したときに、既にインクがブレードクリーナにある程度吸収されているときは、第1ワイパブレード63の表面に付着したインクが十分に拭き取られずに、ブレードクリーナに摺接した第1ワイパブレード63表面にインクが広がって残ることがある。このような場合であっても、第1ワイパブレード63の突出部631A〜631Dによりワイパブレードの下端部から流れ落ちる箇所を規制して、インクによる汚れを低減することができる。
また、第1ワイパブレード63は、各区間において、ノズル面22に対して略垂直であったり、傾斜したりする姿勢となるが、これらの姿勢は適宜変更することができる。
次に、第2ワイパブレード93は、第I′位置から第IV′位置までを往路として移動し、第IV′位置から第I′位置の区間を復路として移動する。往路において、第1ワイパブレード63と第2ワイパブレード93は互いに接近するように移動する。復路において、第1ワイパブレード63と第2ワイパブレード93は互いに離間するように移動する。第2ワイパブレード93の動作は往路と復路において、第1ワイパブレード93と同様であるので、動作の説明は省略するが、第1ワイパブレード93に備えられた突出部931E〜931Hは対応するパージキャップ43E〜43Hの上方に配置され、下方に配置されるパージキャップ43E〜43Hへ拭き取ったインクが落下する。
以上説明した本実施形態では、第1ワイパブレード63に4つの突出部631A〜631Dが設けられ、第2ワイパブレード93に4つの突出部931E〜931Hが設けられている。しかしながら、図15(A)のワイパブレード73の突出部731のように、1つのワイパブレードに対して1つの突出部が設けられていてもよいし、各ワイパブレード毎に異なる数の突出部が設けられていてもよい。図16(A)のインクMの軌跡の例示のように、ワイパブレード73に突出部731が設けられることで、拭取部で拭き取ったインクMを突出部731Mに集約できる。これにより、インクが落下する箇所を規制して汚れを軽減することができる。
また、第1ワイパブレード63の4つの突出部631A〜631Dはそれぞれ同じ形状であり、第2ワイパブレード93の4つの突出部931E〜931Hはそれぞれ同じ形状である。しかしながら、図15(B)のワイパブレード83の突出部831A,831B,831Cのように、ワイパブレードに設けられる突出部はそれぞれの形状が異なっていてもよいし、突出部の長さが異なっていてもよい。この場合においても、図16(B)に示すインクMの軌跡の例のように、ワイパブレード83の上端部からインクMが下方へ流れ落ちて、突出部831A、831B、831Cに集約されて、インクが落下する箇所を規制することができる。これにより、インクによる汚染を軽減することができる。
加えて、突出部の長さや形状は、インクの表面張力や粘度、メンテナンスユニット内部のスペースなどにより適宜変更可能である。その他、図15(C)のワイパブレード123のように、突出部121は先がとがらずに、平面であったり曲面であっても良い。例えば、図16(C)に示すインクMの軌跡のように、インクMはワイパブレード123の表面や下端部の側面を伝って突出部121へ集約される。インクが落下する箇所を規制することにより、インクが落下する箇所を規制して汚染を軽減することができる。
加えて、本実施形態の突出部631A〜631Dは対応するパージキャップ43A〜43Dと同数の4つ設けられ、突出部931E〜931Hは対応するパージキャップ43E〜43H同数の4つ設けられているが、突出部はパージキャップの数と異なっていてもよい。例えば、パージキャップが本実施形態のように4つある場合であっても、図15(A)のように、ワイパブレード73は4つのうちのパージキャップのうちいずれか1つに対応する突出部731が1つ設けられているだけでもよい。この場合、インクは突出部731に集約されて、対応する1つのパージキャップへ落下する。
さらに、突出部はパージキャップへ対応していない箇所に設けられていてもよい(図16(C)参照)。この場合についても、突出部を設けることでワイパブレードの下端部からインクが落下する箇所を規制して、インクによる汚れを軽減することができる。
また、本実施形態では、突出部631A〜631Dの先端部634とガイド面636はブレード支持部522の下端部よりも下方に配置されているが、ブレード支持部522の下端部よりも上方に配置されていてもよい。加えて、ブレード支持部522に設けられる溝部527A,527Bの大きさや形状は本実施形態に限定されず、ブレード支持部の強度やインクの粘性などにより適宜変更可能である。なお、ブレード支持部522には必ずしも溝部527A,527Bが形成されていなくてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他にも本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 インクジェット記録装置
20 キャリッジ
21A〜21H 記録ヘッド
22 ノズル面
40 メンテナンスユニット
43A〜43H パージキャップ
45 接近離間機構
50 ワイパ駆動機構
63 第1ワイパブレード
93 第2ワイパブレード
631A〜631D,931E〜931H 突出部

Claims (6)

  1. 被記録媒体にノズル面からインクを吐出して記録を行う記録ヘッドと、前記ノズル面に対して下方に略垂直に配置されて、前記ノズル面に付着しているインクを拭き取る拭取部を上端部に有するワイパブレードを備えたインクジェット記録装置であって、
    前記ワイパブレードは下端部に下方へ突出するように延設される突出部を有し、
    前記突出部は、上下方向に対して直交する方向における一端部と他端部との間隔が、下方へ向かうほど小さくなることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記被記録媒体に対して前記記録ヘッドを副走査方向に移動させるヘッド移動機構と、
    前記ワイパブレードを支持して前記ノズル面に対して相対移動させるワイパ駆動機構と、
    前記記録ヘッドのノズル面に対向可能な位置に設けられパージのために前記ノズル面からのインクを受け取るパージキャップと、
    前記パージキャップを前記ノズル面に対して接近又は離間させる方向に移動させる接近離間機構を備え、
    前記ワイパブレードが前記ノズル面を拭き取る場合に、
    前記ヘッド移動機構は、前記記録ヘッドを前記パージキャップの上方へ移動させ、
    前記接近離間機構は、前記パージキャップを前記ノズル面から離間させる方向に移動させ、
    前記ワイパ駆動機構は、前記ワイパブレードを前記ノズル面と前記パージキャップの間に移動させたときに、前記突出部が前記パージキャップの上方に配置されるように移動させることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記記録ヘッドは複数設けられ、
    前記パージキャップは前記記録ヘッドに対応して、前記記録ヘッドと同数設けられ、
    前記突出部は前記パージキャップに対応して、前記パージキャップと同数設けられ、
    前記ワイパブレードが前記ノズル面を拭き取る場合に、
    前記ヘッド移動機構は、複数の前記ヘッドをそれぞれの前記記録ヘッド毎に対応する複数の前記パージキャップの上方へ移動させ、
    前記ワイパ駆動機構は、前記ワイパブレードを複数の前記記録ヘッドの前記ノズル面と複数の前記パージキャップの間に移動させたときに、複数の前記突出部のそれぞれが対応する前記パージキャップの上方に配置されるように移動させることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記ノズル面に対して前記ワイパブレードを相対移動させるワイパ駆動機構を備え、
    前記ワイパ駆動機構は、前記ワイパブレードが前記ノズル面を拭き取る場合に、前記ワイパブレードが拭き取り移動方向の上流側に位置するように前記ワイパブレードを支持し、
    前記突出部は、前記突出部の下端部から前記拭き取り移動方向とは逆方向の上方に向かって傾斜するガイド面を有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記ワイパ駆動機構は、前記ワイパブレードが前記ノズル面を拭き取る場合に、前記ワイパブレードが拭き取り移動方向の上流側に位置するように前記ワイパブレードを支持する支持部を有し、
    前記突出部の前記下端部は、前記支持部の下部よりも下方へ突出していることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記ワイパ駆動機構は、前記支持部の上部に前記ワイパブレードに並列して設けられる溝部を有することを特徴とする請求項2又は請求項4に記載のインクジェット記録装置。
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