JP2013071178A - 歪矯正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】形状が複雑な部品であっても、ワークの物性を反映した適正な押し込み量を設定する。
【解決手段】第1のワーク曲げ工程においてワークに加わる応力(せん断応力)を測定し、このときの応力τ1と、物性の異なる複数のサンプルの応力曲線とに基づいて、ワークに近い物性を有するサンプルを特定し、このサンプルに関する矯正曲線を選択する。
【選択図】図2

Description

本発明は、軸部品等のワークを押し込んで曲げを施すことにより、ワークの歪を矯正する歪矯正方法に関する。
自動車等に用いられる金属製の軸部品(例えばトランスミッションのシャフト)は、通常、機械特性の改善を図るために熱処理(焼入れ、焼戻しなど)が施される。この熱処理により軸部品に歪が生じるため、熱処理後に歪を矯正する必要がある。
一般的な軸部品の歪矯正は、(1)軸部品の歪を測定した後、(2)予め取得した押し込み量と歪矯正量との関係式(矯正曲線)に基づいて押し込み量を決定し、(3)決定した押し込み量の分だけ軸部品を押し込むことにより行われる。そして、軸部品の歪が所定の範囲内となるまで、(1)〜(3)が繰り返される。
しかし、一般に、軸部品の物性は製造ロット間でばらつきがあるため、各ロットの軸部品を一種類の矯正曲線に基づいて押し込み量を決定すると、押し込み量を適正に設定できない恐れがある。例えば特許文献1に示されている歪矯正方法では、ワークの歪特性を複数の領域(高剛性、中間剛性、低剛性)に区分し、各領域に対応する矯正曲線を予め演算装置に記憶させ、実際にワークを押し込んだ時の押し込み量と歪矯正量の組み合わせから当該ワークが何れの領域に属するかを決定し、決定された領域に対応する矯正曲線を選択している。
また、軸部品に複数回の曲げを施す場合、曲げを施すたびに加工硬化が生じて軸部品の物性が変化する。例えば特許文献1に示されている歪矯正方法では、加工硬化に起因する矯正曲線の変化に対応するために、押し込み回数に応じた補正係数を押し込み量に掛けることで、押し込み量を補正している。尚、物性とは、ワークの物理的性質のことであり、例えば、外径、R部の曲率、表面粗さなどの形状に関するデータや、表面硬度、あるいは硬化層深さなどのデータで表される。
特開平10−286624号公報
しかし、例えばCVTに組み込まれるシーブシャフトなど、形状が複雑な軸部品の場合、上記特許文献1の歪矯正方法のように押し込み量及び歪矯正量に基づいて分類する方法では、ワークの物性を反映した矯正曲線を選択することができず、適正な押し込み量を設定できない恐れがある。また、加工硬化によるワークの物性の変化は単純ではなく、押し込み量に押し込み回数に応じた補正係数を掛けるだけでは適正に補正されない恐れがある。ワークに対する押し込み量が適正でないと、押し込み量が過大となってワークに破断が生じたり、押し込み量が過小となって押し込み回数が増えてタクトタイムが長くなる。
以上のような問題は、軸部品だけでなく、歪を矯正する必要のあるワーク(特に長尺部材)であれば同様に生じる。
上記のような事情に鑑み、形状が複雑な部品であっても、ワークの物性を反映した適正な押し込み量を設定することを、本発明が解決すべき技術的課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、ワークを押し込んで曲げを施すことにより、ワークの歪を矯正する歪矯正方法であって、ワークに関する押し込み量と歪矯正量の関係を示す基本矯正曲線、物性の異なる複数のサンプルに関する押し込み量と応力の関係を示す応力曲線、及び、各サンプルに関する押し込み量と歪矯正量の関係を示す矯正曲線を記憶する記憶工程と、ワークの初期歪量δ1を測定する第1の歪測定工程と、基本矯正曲線と初期歪量δ1とに基づいて、押し込み量X1を決定する第1の押し込み量決定工程と、押し込み量X1の分だけワークを押し込むと共に、ワークに加わる応力τ1を測定する第1のワーク曲げ工程と、第1のワーク曲げ工程を施した後のワークの歪量δ2を測定する第2の歪測定工程と、複数のサンプルの応力曲線と応力τ1とに基づいて、ワークに対応するサンプルを特定し、当該サンプルに関する矯正曲線を選択する矯正曲線選択工程と、矯正曲線選択工程で選択した矯正曲線と歪量δ2とに基づいて、ワークに施す押し込み量X2を決定する第2の押し込み量決定工程と、押し込み量X2の分だけ前記ワークを押し込む第2のワーク曲げ工程とを備えた歪矯正方法を提供する。
上記のように、本発明の歪矯正方法では、第1のワーク曲げ工程においてワークに加わる応力(せん断応力)を測定し、このときの応力τ1と、物性の異なる複数のサンプルの応力曲線とに基づいて、ワークに近い物性を有するサンプルの応力曲線を特定する。このように、ワークに加わる応力τ1に基づいてサンプルを特定することで、より物性の近いサンプルの矯正曲線を選択することができる。こうして選択した矯正曲線を用いてワークの押し込み量X2を決定することで、ワークの物性を反映した適正な押し込み量を決定することができる。
上記の歪矯正方法は、第2のワーク曲げ工程においてワークに加わる応力τ2を測定すると共に、第2のワーク曲げ工程を施した後のワークの歪量δ3を測定する第3の歪測定工程をさらに設け、歪量δ3が所定の範囲内となるまで、矯正曲線選択工程、第2の押し込み量決定工程、第2のワーク曲げ工程、及び、第3の歪測定工程を繰り返すこともできる。このようにワーク曲げ工程を繰り返す場合、曲げを施すたびにワークの物性が変化するが、直前のワーク曲げ工程で測定した応力τ2に基づいて矯正曲線を選択し直すことで、当該ワーク曲げ工程を施す直前のワークの物性を反映した押し込み量を設定することが可能となる。
矯正曲線選択工程において利用する複数のサンプルに関する応力曲線は、降伏点までの領域(すなわち弾性変形領域)よりも、降伏点以降の領域(すなわち塑性変形領域)において明確な差が生じることが多い。従って、第1のワーク曲げ工程において、降伏点を超えるまで、すなわち塑性変形するまでワークを押し込めば、矯正曲線選択工程において、複数のサンプルの応力曲線と第1のワーク曲げ工程でワークに加わる応力τ1とを降伏点以降の値で対比することができる。これにより、ワークの物性に近いサンプルの選択が容易となるため、適正な矯正曲線を選択することができ、その後の第2の押し込み量決定工程において決定する押し込み量X2の信頼性をさらに高めることができる。
ワークに加わる応力は、ワークの最も脆弱な部分(例えば、最小径部)で測定することが好ましい。しかし、通常、ワークの最脆弱部の応力を直接測定することはできないため、例えばワークを支持するワーク受け台に加わる荷重と、ワークの最脆弱部の断面積とから、最脆弱部に加わる応力を算出する。このとき、ワークを支持する複数のワーク受け台に、それぞれ荷重を測定する測定器を設ければ、ワークの最脆弱部に最も近いワーク受け台に加わる荷重に基づいて応力を算出することができるため、最脆弱部に加わる応力値の信頼性を高めることができる。
以上のように、本発明の歪矯正方法によれば、形状が複雑な部品であっても、ワークの物性を反映した適正な押し込み量を設定して、ワークの破断を防止できると共に、歪矯正のタクトタイムを短縮できる。
歪矯正装置の側面図である。 本発明の一実施形態に係る歪矯正方法のフロー図である。 上記歪矯正方法の第1の押し込み量決定工程で使用される基本矯正曲線を示すグラフである。 上記歪矯正方法の矯正曲線選択工程で使用される、複数のサンプルに関する応力曲線を示すグラフである。 上記矯正曲線選択工程で選択されたサンプルの矯正曲線を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に、ワークWの歪矯正を行う歪矯正装置1を示す。ワークWは長尺部材であり、例えば軸部品、具体的にはトランスミッションシャフト、さらに具体的にはCVTのシーブシャフトである。ワークWは、鍛造成形された後、表面に熱処理(例えば浸炭焼き入れ)が施されている。この熱処理により、ワークWにはピッチ方向(軸方向)に湾曲した歪が生じており、この歪を図1の歪矯正装置1で矯正する。この歪矯正装置1は、ワークWを軸心周りに回転させるセンター2と、ワークWを押し込むポンチ3と、ポンチ3の押し込み力に対抗してワークを支持するワーク受け台4と、ワークWに関してポンチ3の反対側に配置された変位測定器5と、ポンチ3の押し込みやセンター2の回転を制御する制御部6とを主に備える。
センター2は、ワークWの軸心を軸方向両側から支持し、図示しない回転駆動部によりワークWを軸心周りに回転駆動するものである。センター2には図示しない角度センサが設けられ、これによりワークWの回転角度を検知し、ワークWを任意の回転角度で停止させることができる。
ポンチ3は、ワークWを軸方向と直交する方向から押し込むものであり、図示例ではワークWの上方にポンチ3が配置され、このポンチ3でワークWを下方に押し込む。ポンチ3はワークWの軸方向(図中左右方向)に可動とされ、これによりワークWの任意の軸方向位置を押し込むことができる。また、ポンチ3を軸方向に移動させることで、ワークWの軸方向に離隔した複数箇所を押し込むこともできる。
ワーク受け台4は、ポンチ3による押圧箇所の軸方向両側に設けられ、図示例ではワークWの軸方向両端部を下方から支持する位置に設けられる。各ワーク受け台4には、ワークWに加わる応力を測定するための荷重測定器7が設けられる。具体的には、荷重測定器7は、ポンチ3でワークWを押し込んだときに各ワーク受け台4に加わる荷重を測定するものであり、この荷重が制御部6に伝達され、荷重測定器7から伝達された荷重とワークWの最脆弱部(例えば最小径部)の断面積とから、最脆弱部に加わるせん断応力が算出される。また、各ワーク受け台4には、ワーク受け台4の振動を検知する振動センサ8(例えばAEセンサ)が設けられ、この振動センサ8によりワークWの表面における亀裂や破損の有無を検出する。振動センサ8が亀裂や破損の発生が検出されたら、その信号が制御部6に伝達され、当該ワークが不良品として排出される。
変位測定器5は、例えば差動トランス等の変位センサであり、ワークWの軸方向と直交する方向(図1の上下方向)の変位を測定するものである。変位測定器5でワークWの外周面の変位を測定しながら、ワークWを回転させることにより、ワークWの歪量(振れ回り量)が測定できる。具体的には、変位測定器5とワークWとの最大距離と最小距離との差を歪量として測定する。また、変位測定器5をワークWの外周面の変位を測定しながら、ポンチ3によりワークWを下方に押し込むことにより、ポンチ3による押し込み量を測定することができる。
制御部6は、センター2の回転駆動部、ポンチ3の駆動部、変位測定器5、荷重測定器7、及び振動センサ8に接続される。変位測定器5、荷重測定器7、及び振動センサ8からの信号が制御部6にフィードバックされ、これらの信号に基づいてポンチ3の押し込み、及びセンター2の回転が制御される。
以下、本発明の実施形態に係る歪矯正方法を説明する。この歪矯正方法は、上記構成の歪矯正装置1を用い、図2に示すフロー図に従って行われる。
(0)記憶工程
制御部6に、(ア)ワークWに関する押し込み量X’と歪矯正量δ’の関係を示す基本矯正曲線、(イ)物性の異なる複数のサンプルに関する押し込み量Xと応力τの関係を示す応力曲線、及び、(ウ)各サンプルに関する押し込み量Xと歪矯正量δの関係を示す矯正曲線を記憶させる。尚、この記憶工程は、各ロットの最初に1度だけ行えばよく、各ロットの2個目以降のワークに対しては、後述の第1の歪測定からスタートすればよい。
(ア)の基本矯正曲線は、ワークWを押し込み量X’で押し込んだときに矯正される歪矯正量δ’(永久歪量)を表すものである。この基本矯正曲線は、ワークWの押し込み量X’と歪矯正量δ’とのおおよその関係が示されていればよく、例えばワークWの歪―応力曲線に基づいて近似的に取得した一次式(図3参照)を用いることができる。
(イ)の応力曲線は実験的に取得したものであり、具体的には、物性の異なる複数のサンプルに対して押し込み試験を行い、このときの押し込み量Xと、サンプルの所定箇所(例えば最小径部)に加わる応力τとの関係を表すものである。本実施形態では、図4に示すように、物性の異なる3種類のサンプルA〜Cに関する応力曲線を取得し、各応力曲線が制御部6に記憶される。
(ウ)の矯正曲線は実験的に取得したものであり、具体的には、上記の各サンプルA〜Cに対して押し込み試験を行い、押し込み量Xで押し込んだ時の歪矯正量δ(永久歪量)を表すものである。この矯正曲線は、各サンプルA〜Cについて取得され、図5にそのうちの一つを示す。
(1)第1の歪測定工程
熱処理を施した後のワークWをセンター2にセットして軸心周りに回転させ、このときのワークWの初期歪量δ1(振れ回り量)を変位測定器5で測定する。この初期歪量δ1が制御部6に伝達される。
(2)第1の押し込み量決定工程
第1の歪測定工程で測定した初期歪量δ1と、予め制御部6に記憶された基本矯正曲線とに基づいて、第1のワーク曲げ工程における押し込み量X1を決定する。このとき、ワークWを押し込みすぎて逆方向の歪が生じてしまうと、逆方向からワークを押し込む必要が生じ、これによりワークWが非常に脆くなってしまう。一方、ワークWが降伏点を超えるまで押し込まないと、ワークWに塑性変形が生じず、後述の矯正曲線選択工程におけるサンプルの関係式との対比が困難となる。従って、押し込み量X1は、基本矯正曲線に初期歪量δ1を代入して得られる押し込み量X1’よりも小さく、且つ、降伏点を超える範囲で決定される。尚、本歪矯正方法では、図2に示すように、少なくとも2回のワーク曲げ工程(第1のワーク曲げ工程及び第2のワーク曲げ工程)を有するため、必ずしも第1のワーク曲げ工程でワークの歪を目標範囲内となるまで矯正する必要はない。このため、第1のワーク曲げ工程における押し込み量X1’を決定するための基本矯正曲線に要求される精度はそれ程高くないため、上述のように、一次式で近似した簡略なものを採用することができる。
(3)第1のワーク曲げ工程
次に、センター2によりワークWを回転させて、初期歪量δ1が生じている箇所が上向きとなるように配置する。そして、ワーク受け台4でワークWの軸方向両端部を下方から支持しながら、ポンチ3を下降させて、第1の押し込み量決定工程で決定した押し込み量X1の分だけワークWを下方に押し込む。このとき、荷重測定器7によりワーク受け台4に加わる荷重を測定し、この荷重のデータが制御部6に伝達され、ワークWの最脆弱部におけるせん断応力τ1が求められる。せん断応力τ1は、ワークWをポンチ3で押し込んでいる間、連続的に測定される。
尚、本実施形態では、複数のワーク受け台4のそれぞれに荷重測定器7が設けられているため、ワークWの最脆弱部の場所によって、何れの荷重測定器7の測定結果を採用するかを決定する。例えば、ワークWの最脆弱部が、図1中右寄りの最小径部W1である場合、図1中右側のワーク受け台4に設けられた荷重測定器7の測定結果を採用する。この他、ワークWの最脆弱部の場所によって、図1中左側のワーク受け台4に設けられた荷重測定器7の測定結果を採用したり、各荷重測定器7の測定結果の平均値を採用したりすることもできる。
また、ワークWをポンチ3で押し込んでいる間、振動センサ8でワーク受け台4の振動を検知することで、ワークWの亀裂や破損の発生を検知することができる。尚、振動センサ8はポンチ3側に設けることもできるが、図1に示すようにワーク受け台4側に設けることで、ポンチ3の駆動のノイズ等を除去することができる。また、振動センサ8を各ワーク受け台4に設け、何れの振動センサ8で振動が検知されたかによって、亀裂等の発生箇所を推定することができる。
(4)第2の歪測定工程
次に、再びワークWを軸心周りに回転させ、このときのワークWの歪量δ2を変位測定器5で測定する。この歪量δ2が制御部6に伝達される。そして、歪量δ2が許容範囲内であれば、歪矯正工程が完了する。歪量δ2が許容範囲を超えていれば、下記の矯正曲線選択工程を行う。
(5)矯正曲線選択工程
制御部6に記憶した複数のサンプルA〜Cに関する応力曲線(図4参照)と、第1のワーク曲げ工程で取得したワークWの押し込み量X1及び応力τ1とから、ワークWに最も物性の近いサンプルを特定する。このとき、各サンプルの応力曲線は、降伏点eまでは差があまり大きくないため、この領域(弾性領域)で対比してもワークWがどのサンプルに最も近いかを特定することが困難である。そこで、上記のように、ワークWを降伏点を超えるまで押し込んで、降伏点e以降の領域(塑性領域)で各サンプルの応力曲線とワークWの応力τ1とを対比することで、ワークWに物性の近いサンプルを特定しやすくなる。例えば、第1の曲げ工程において連続的に取得した応力τ1の応力曲線から、(a)押し込み量X1及びそのときの応力、(b)ワークWの降伏点における押し込み量及び応力、(c)弾性領域におけるワークWの応力曲線の傾きを取得し、これらを各サンプルの応力曲線と対比して、ワークWと最も近いサンプルを特定する。こうして特定したサンプルの矯正曲線を選択する。
(6)第2の押し込み量決定工程
上記の矯正曲線選択工程で選択した矯正曲線と、上記の第2の歪測定工程で測定した歪量δ2とから、第2のワーク曲げ工程における押し込み量X2を決定する。このとき、第1のワーク曲げ工程により矯正した歪量δ3(=δ1−δ2)を考慮する必要がある。すなわち、図5に示す矯正曲線のうち、既に矯正された歪量δ3に対応する押し込み量X3’と、第2の歪測定工程で測定された歪量δ2を矯正するための押し込み量X2’との差が、次に押し込むべき押し込み量X2(=X2’−X3’)となる。尚、必要であれば、逆方向への歪を確実に防止するため、X2に安全率(<1)を掛けた値を第2のワーク曲げ工程における押し込み量としてもよい。
(7)第2のワーク曲げ工程
センター2によりワークWを回転させて、初期歪量δ2が生じている箇所が上向きとなるように配置する。そして、上記で決定した押し込み量X2の分だけポンチ3でワークWを押し込んでワークWに曲げを施すことにより、ワークWの歪を矯正する。このとき、上記の第1のワーク曲げ工程と同様に、荷重測定器7によりワーク受け台4に加わる荷重を測定し、この荷重のデータが制御部6に伝達され、ワークWの最脆弱部における応力τ2が求められる。
(8)第3の歪測定工程
そして、ワークWを軸心周りに回転させ、このときのワークWの歪量δ3を変位測定器5で測定する。この歪量δ3が所定の範囲内であれば、歪矯正工程が終了する。一方、歪量δ3が所定の範囲を越えていれば、この歪量が所定範囲内となるまで上記の工程(5)〜(8)が繰り返される。
以上のように、ワークWを押し込んだときの応力に基づいて、ワークWの物性に近いサンプルのサンプルの矯正曲線を選択することで、ワークWの物性を反映した押し込み量を決定することができる。また、ワークWに対する曲げ工程を繰り返して行う場合、ワークWに曲げを施す度に加工硬化によりワークWの物性が変化するが、上記(5)〜(8)の工程を繰り返すことで、各曲げ工程の後に適正な矯正曲線が改めて選択されるため、各曲げ工程で変形させた後のワークに応じた適正な矯正曲線を選択できる。
1 歪矯正装置
2 センター
3 ポンチ
4 ワーク受け台
5 変位測定器
6 制御部
7 荷重測定器
8 振動センサ
W ワーク

Claims (2)

  1. ワークを押し込んで曲げを施すことにより、前記ワークの歪を矯正する歪矯正方法であって、
    前記ワークに関する押し込み量と歪矯正量の関係を示す基本矯正曲線、物性の異なる複数のサンプルに関する押し込み量と応力の関係を示す応力曲線、及び、前記各サンプルに関する押し込み量と歪矯正量の関係を示す矯正曲線を記憶する記憶工程と、
    前記ワークの初期歪量δ1を測定する第1の歪測定工程と、
    前記基本矯正曲線と前記初期歪量δ1とに基づいて、押し込み量X1を決定する第1の押し込み量決定工程と、
    前記押し込み量X1の分だけ前記ワークを押し込むと共に、前記ワークに加わる応力τ1を測定する第1のワーク曲げ工程と、
    第1のワーク曲げ工程を施した後の前記ワークの歪量δ2を測定する第2の歪測定工程と、
    前記複数のサンプルの応力曲線と前記応力τ1とに基づいて、前記ワークに対応するサンプルを特定し、当該サンプルに関する矯正曲線を選択する矯正曲線選択工程と、
    前記矯正曲線選択工程で選択した矯正曲線と前記歪量δ2とに基づいて、前記ワークに施す押し込み量X2を決定する第2の押し込み量決定工程と、
    前記押し込み量X2の分だけ前記ワークを押し込む第2のワーク曲げ工程とを備えた歪矯正方法。
  2. 前記第2のワーク曲げ工程において前記ワークに加わる応力τ2を測定し、前記第2のワーク曲げ工程を施した後の前記ワークの歪量δ3を測定する第3の歪測定工程をさらに設け、前記歪量δ3が所定の範囲内となるまで、前記矯正曲線選択工程、前記第2の押し込み量決定工程、前記第2のワーク曲げ工程、及び、前記第3の歪測定工程を繰り返す請求項1記載の歪矯正方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015044235A (ja) * 2013-08-29 2015-03-12 井関農機株式会社 歪矯正機
JP2015174106A (ja) * 2014-03-14 2015-10-05 ジヤトコ株式会社 ワークの曲がり矯正方法

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