JP2015044235A - 歪矯正機 - Google Patents

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貴昭 上田
清 金森
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清 金森
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Abstract

【課題】 本発明は、矯正具の移動量の目標値の演算処理を簡単にして矯正工程時間を短縮して矯正作業の能率向上を図りつつ、適正な矯正量で軸の矯正が行うことを課題とする。【解決手段】 軸(6)の所定箇所における歪量を計測する歪計測装置(7)と、軸(6)に接触させた矯正具(29)を更に軸(6)側へ移動させて軸(6)を矯正する矯正装置(9)と、歪計測装置(7)が計測した歪量に基づいて矯正具(29)の移動量の目標値を演算する演算装置とを備え、演算装置は、歪量に応じて算出される歪量対応値に、歪量に関係なく設定された固定値を加えて、前記目標値を演算する構成とした歪矯正機とした。【選択図】図2

Description

この発明は、矯正具によりワークである軸を押圧して軸の歪を矯正する歪矯正機の技術分野に属する。
軸の所定箇所における歪量を計測する歪計測装置と、軸に接触させた矯正具を更に軸側へ移動させて軸を矯正する矯正装置と、歪計測装置が計測した歪量に基づいて矯正具の移動量の目標値を演算する演算装置とを備え、演算装置は、歪量に応じて算出される歪量対応値に、他の箇所の歪量から求められる補正値を加えて、前記目標値を演算する構成とした歪矯正機がある(特許文献1参照)。
特開2004−322185号公報
本発明は、矯正具の移動量の目標値の演算処理を簡単にして矯正工程時間を短縮して矯正作業の能率向上を図りつつ、適正な矯正量で軸の矯正が行うことを課題とする。
上記課題を解決するために、次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1に係る発明は、軸(6)の所定箇所における歪量を計測する歪計測装置(7)と、軸(6)に接触させた矯正具(29)を更に軸(6)側へ移動させて軸(6)を矯正する矯正装置(9)と、歪計測装置(7)が計測した歪量に基づいて矯正具(29)の移動量の目標値を演算する演算装置とを備え、演算装置は、歪量に応じて算出される歪量対応値に、歪量に関係なく設定された固定値を加えて、前記目標値を演算する構成とした歪矯正機とした。
また、請求項2に係る発明は、軸(6)の同一箇所に対して矯正装置(9)が複数回の矯正を行う構成とし、同一箇所に対する矯正回数に応じて前記目標値を補正する構成とした請求項1に記載の歪矯正機とした。
また、請求項3に係る発明は、矯正装置(9)が複数回矯正を行うときの上限回数を設定し、軸(6)の同一箇所に対して上限回数を超えて矯正を行わない構成とした請求項1又は請求項2に記載の歪矯正機とした。
また、請求項4に係る発明は、歪計測装置(7)が計測した歪量が所定以上のときは、矯正装置(9)による矯正を行わない構成とした請求項1から請求項3の何れか1項に記載の歪矯正機とした。
また、請求項5に係る発明は、歪計測装置(7)が軸(6)の複数箇所の歪量を計測し、矯正具(29)が歪量の大きい箇所から順に矯正する構成とした請求項1から請求項4の何れか1項に記載の歪矯正機とした。
また、請求項6に係る発明は、歪計測装置(7)が軸(6)の複数箇所の歪量を計測すると共に、矯正具(29)が前記複数箇所で軸(6)を矯正する構成とし、前記複数箇所を任意に設定可能な構成とした請求項1から請求項5の何れか1項に記載の歪矯正機とした。
また、請求項7に係る発明は、軸(6)の両端を支持する各々の支持部材のうち少なくとも一方の支持部材を軸方向に押圧して軸を押圧する押圧ばね(26)を設けた請求項1から請求項6の何れか1項に記載の歪矯正機とした。
また、請求項8に係る発明は、歪計測装置(7)又は矯正装置(9)には、軸(6)に発生するクラックを検出するクラック検出装置(30)を設けた請求項1から請求項7の何れか1項に記載の歪矯正機とした。
請求項1に係る発明によると、矯正具29の移動量の目標値を、歪量に応じて算出される歪量対応値に、歪量に関係なく設定された固定値を加えて演算するので、前記固定値により矯正具29による矯正を解除したときの軸6の復元(戻り)に対応でき、前記目標値の演算処理も簡単で矯正工程時間を短縮して矯正作業の能率向上を図りつつ、適正な矯正量で軸6の矯正が行え、軸6の矯正を高精度で行える。
請求項2に係る発明によると、請求項1に係る発明の効果に加えて、軸6の同一箇所に対して矯正装置9が複数回の矯正を行うことにより、同一箇所に対して徐々に矯正することができ、矯正による軸6のクラックの発生等の損傷を防止できる。また、矯正回数に応じて前記目標値を補正することにより、目標を超えて矯正することを防止しながら、所望の矯正量を得ることができ、軸6の矯正を高精度で行える。
請求項3に係る発明によると、請求項1又は請求項2に係る発明の効果に加えて、軸6の同一箇所に対して上限回数を超えて矯正を行わない構成としたので、過度に多数回矯正することを防止でき、軸6のクラックの発生等の損傷を防止できる。また、前記上限回数の設定により、所望の矯正量に矯正不可能な軸に対して何度も矯正することで無駄に矯正作業を行うことを防止し、矯正作業を能率良く行える。
請求項4に係る発明によると、請求項1から請求項3の何れか1項に係る発明の効果に加えて、歪計測装置7が計測した歪量が所定以上のときは、矯正装置9による矯正を行わない構成としたので、歪量が大きくて所望の矯正量に矯正不可能な軸6に対して無駄に矯正作業を行うことを防止し、矯正作業を能率良く行える。
請求項5に係る発明によると、請求項1から請求項4の何れか1項に係る発明の効果に加えて、歪計測装置7が軸6の複数箇所の歪量を計測し、矯正具29が歪量の大きい箇所から順に矯正する構成としたので、先に歪量の小さい箇所を矯正した後に歪量の大きい箇所を矯正することで、後の矯正量が大きい箇所の矯正の影響で先に矯正した箇所に歪を発生させることを抑え、先に矯正した箇所を再度矯正するようなことを抑制でき、所望の矯正量で矯正できると共に、矯正作業を能率良く行える。
請求項6に係る発明によると、請求項1から請求項5の何れか1項に係る発明の効果に加えて、歪量の計測及び矯正を行う複数箇所を任意に設定できるので、ワークである軸6の種類や構造に対応して適切な箇所で矯正することができ、矯正を適正に行える。
請求項7に係る発明によると、請求項1から請求項6の何れか1項に係る発明の効果に加えて、押圧ばね26により軸6を押圧するので、軸6の支持に適正な押圧力を維持でき、過大な押圧力により軸6に歪を発生させることを防止できる。
請求項8に係る発明によると、請求項1から請求項7の何れか1項に係る発明の効果に加えて、クラック検出装置30により軸6に発生したクラックを検出でき、クラック発生後に無駄に矯正作業を行うことを防止できる。また、歪計測装置7又は矯正装置9を移動させながら軸6の複数箇所で歪計測又は矯正するときには、共通のクラック検出装置30で複数箇所のクラックの有無を検出できる。
一部省略した歪矯正機を示す正面図 一部省略した歪矯正機を示す側面図 第一の支持部を示す断面正面図 第二の支持部を示す断面正面図
この発明の実施の一形態を、以下に説明する。尚、以下の実施の形態は、あくまで実施の一形態であって、特許請求の範囲を拘束するものではない。
歪矯正機1は、複数本の支持脚2により支持される架台3上に、矯正作業空間を囲む作業フレーム4を設けている。前記矯正作業空間内には、ワークとなる軸6を横向き姿勢で支持する軸支持装置5と、軸6の側方から該軸6の所定箇所における歪量を計測する歪計測装置7と、軸6の上方から矯正具29を接触させ更に軸6側へ移動させて軸6を矯正する矯正装置9とを設けている。作業フレーム4の上部の前側には、制御装置を備える操作盤10を設けている。尚、ワークとなる軸6は、中途部に複数(3箇所)のクランクピンを有するエンジンクランクシャフトとして説明するが、他の軸(例えば伝動軸等)でもよい。
軸支持装置5は、軸6の一端側を支持する第一の支持部11と、軸6の他端側を支持する第二の支持部12とを備えている。第一の支持部11は、軸6の一端を装着する第一のチャック部材13と、第一のチャック部材13を駆動回転させる軸回転モータ14とを備え、第一の基体15に第一のチャック部材13を回転自在に支持すると共に、第一の基体15の上側に軸回転モータ14を固着した構成となっている。軸回転モータ14からの動力は、伝動ベルト16及びプーリ17を介して第一のチャック部材13に伝動される構成となっている。架台3上には第一の基体15を軸方向にスライドさせるスライドレール18を設けており、第一の基体15の下部に設けたリニアガイド19がスライドレール18上をスライドすることで第一の基体15ひいては第一のチャック部材13が軸6方向に移動する構成となっている。また、リニアガイド19をスライドさせる空気圧式のスライド用シリンダ20を設けている。また、リニアガイド19に下方から圧接するロック機構21を設けており、このロック機構21によりリニアガイド19とスライドレール18とのガタを無くす構成となっている。尚、第一のチャック部材13は、軸6の軸心上に設けた第一のセンタ支持軸22と、第一のセンタ支持軸22に固定されたフランジの適宜位置に取り付けた支持ピン23とにより、軸6の一端を支持する構成となっている。
第二の支持部12は、軸6の他端を装着する第二のチャック部材24を備え、第二の基体25に第二のチャック部材24を回転自在に支持した構成となっている。第二のチャック部材24は、軸6の軸心上に設けた第二のセンタ支持軸により構成され、第二のセンタ支持軸を軸6の他端部のセンタ穴に挿入して軸を支持する構成となっている。第一の支持部11と同様に、架台3上には第二の基体25を軸6方向にスライドさせるスライドレール18を設けており、第二の基体25の下部に設けたリニアガイド19がスライドレール18上をスライドすることで第二の基体25ひいては第二のチャック部材24が軸6方向に移動する構成となっている。また、リニアガイド19をスライドさせる空気圧式のスライド用シリンダ20を設けており、このスライド用シリンダ20から圧縮スプリングである押圧ばね26を介して第二の基体25をスライドさせる構成となっている。また、リニアガイド19に下方から圧接するロック機構21を設けており、このロック機構21によりリニアガイド19とスライドレール18とのガタを無くす構成となっている。
従って、各々のスライド用シリンダ20の作動により、第一の基体15及び第二の基体25を所望の位置までスライドさせて各々のロック機構21によりロックし、第一のチャック部材13及び第二のチャック部材24により軸6を支持する。よって、第一のチャック部材13及び第二のチャック部材24は、軸の両端を支持する各々の支持部材となる。
歪計測装置7は、歪矯正機1の背面側部分(軸6の正面とは反対側(背面側))に複数個(4個)左右に並べて配列され、軸6の外面に接触して軸心からの寸法を検出するための検出子27を備え、デジタルセンサにより前記寸法を高精度に測定する構成である。歪計測装置7は、架台3に固着される構成である。尚、検出子27がエンジンクランクシャフトにおいて軸6の断面が真円形状であるクランクジャーナル部分に接触するべく、歪計測装置7の左右位置を設定している。従って、軸回転モータ14の駆動により軸6を1度毎回転させ歪計測装置7により軸6の外面の軸心からの寸法を計測する。このとき、計測寸法と所望の寸法との差が歪量となる。上例では軸6を1度毎回転させて歪量を計測する構成としたが、軸回転モータ14の駆動により軸6を連続的に回転させながら連続的に歪量を計測する構成としてもよい。
尚、左右方向の移動を案内する左右移動用スライドレールにより歪計測装置7の左右位置を変更したり、架台3に歪計測装置7の取付部を左右に多数配列して歪計測装置7の左右取付位置を変更できる構成としたりして、歪計測装置7が歪量を計測する軸6の箇所を変更できる構成とすることができる。無論、上述した複数個の歪計測装置7のうちの一部の歪計測装置7のみ取り付ける構成とし、その取付位置の切替により歪量を計測する箇所を変更する構成としてもよい。
矯正装置9は、作業フレーム4の上部から下方の軸に向けて吊り下げられて支持されており、作業フレーム4に設けた矯正装置用スライドレール28により左右に移動可能に設けられている。下端部には矯正具29を設けており、油圧シリンダにより矯正具29が下降して該矯正具29の下端を軸6の外面に押し当てて軸6を矯正する構成となっている。
また、矯正装置9には、軸6に発生するクラックを検出するクラック検出装置30を設けている。このクラック検出装置30は、超音波(AE波)により軸6のクラックを検出する構成となっている。尚、クラックを検出したときは、作業フレーム4の上側に設けたクラック検出表示パネル31によりクラックの検出及びクラックの程度を表示して作業者に知らせる構成となっている。
そして、制御装置内には、歪計測装置7が計測した歪量に基づいて矯正具29の移動量の目標値を演算する演算装置を備えている。演算装置は、軸回転モータ14の駆動により軸を回転させて複数の歪計測装置7により各計測箇所において計測した寸法の最大値に基づいて歪量を演算し、各計測箇所における矯正具29の押し込み量すなわち矯正具29の移動量の目標値を演算する。具体的には、歪量をx、矯正具29の移動量の目標値をyとすると、y=ax+bの演算式により演算する。尚、a及びbは定数であり、aは歪量に対応する補正係数、bは歪量に関係なく設定された固定値となる。従って、axが歪量に応じて算出される歪量対応値となり、矯正具29の移動量の目標値yは、歪量に応じて算出される歪量対応値(ax)に、歪量に関係なく設定された固定値bを加えて求められる。尚、前記補正係数a及び前記固定値bは、各計測箇所において各々異なる値に設定可能である。また、矯正装置9は、矯正しても歪量が所望の範囲に収まらないとき、軸6の同じ箇所で複数回矯正動作を行う構成であるが、前記固定値bは、矯正回数が増えるごとに小さく変更され、矯正回数に応じて異なる値に設定される。尚、同じ計測箇所において、前記補正係数aは、矯正回数に拘らず一定である。一例としては、補正係数aを5、固定値bを0.8〜0.9に設定することができる。一般的に、矯正後の軸6の復元を考慮すると、矯正具29の移動量の目標値yは、歪量よりも大きい値となる。
従って、作業者が、軸6を矯正作業空間内に入れて軸6の一端側を第一のチャック部材13の第一のセンタ支持軸22と支持ピン23とに合わせ、操作盤のスタートスイッチを操作すると、各々のスライド用シリンダ20が作動して第一の基体15及び第二の基体25を所定の位置まで移動し、第一の基体15及び第二の基体25をロック機構21により固定する。このとき、押圧ばね26により軸6の押圧力を所定に維持でき、適正な押圧力で軸6を支持して過度な押圧力により軸6に歪を発生させることを防止している。その後、自動的に、軸回転モータ14により軸6を回転させると共に、複数の歪計測装置7により各々の計測箇所において同時に歪量を計測する。そして、制御装置に入力された各箇所の歪量を比較し、歪量が大きい箇所から順に矯正装置9が左右移動して矯正することになる。各々の箇所における矯正装置9による矯正においては、先ず軸回転モータ14により軸6を回転させて歪計測装置7で計測した軸心からの寸法の最大値の部分を上方の矯正具29側にし、歪計測装置7で計測した歪量に基づいて油圧シリンダにより軸6の外面に接触する位置まで矯正具29を素早く下降させ、その後、演算装置で演算される矯正具29の移動量の目標値yに基づいて油圧シリンダにより矯正具29をゆっくりと下降させて矯正する。そして、矯正具29が上昇して戻り、軸回転モータ14により軸6を回転させて矯正した箇所の歪量を歪計測装置7で計測し、歪量が所望の範囲に収まっていれば矯正装置9が次の箇所での矯正を行い、歪量が所望の範囲を超えていれば該歪量に基づき矯正具29の移動量の目標値yを演算し、この目標値yに基づいて矯正装置9が再度矯正を行う。この同一箇所での複数回の矯正は上限回数を3回に設定しており、同一箇所で3回繰り返して行っても歪量が所望の範囲を超えていれば、操作盤10の矯正不可表示ランプを点灯させて作業者に矯正が不可能であることを告知すると共に、当該軸6の矯正を中止する。そして、作業者が操作盤10の終了スイッチを操作することにより、ロック機構21の作動を解除して第一の基体15及び第二の基体25の固定を解除し、各々のスライド用シリンダ20により第一の基体15及び第二の基体25を作業開始前の位置まで移動させる。これにより、作業者が、不良品である軸6を歪矯正機1から取り出すことができる。尚、各々の箇所で矯正を行って歪量が所望の範囲に収まったときも、作業者が操作盤10の終了スイッチを操作して、上述と同様に第一の基体15及び第二の基体25を作業開始前の位置まで移動させ、良品となった軸6を歪矯正機1から取り出す。
尚、歪計測装置7が矯正が不可能である所定の限界値以上の歪量を計測したときは、前述と同様に、操作盤10の矯正不可表示ランプを点灯させて作業者に矯正が不可能であることを告知すると共に、当該軸6の矯正作業を中止する。また、矯正装置9による矯正動作中にクラック検出装置30により当該矯正箇所及び当該矯正箇所の周辺部分における軸6のクラックの有無を検出し、クラックの発生を検出したときは、上述と同様に、操作盤10の矯正不可表示ランプを点灯させて作業者に矯正が不可能であることを告知すると共に、当該軸6の矯正作業を中止する。
尚、前述では、新たな矯正箇所における初回の矯正では、矯正前に複数箇所で同時に計測した歪量に基づいて矯正を行うが、他の箇所での矯正によって当該矯正箇所においても歪量が若干変化している可能性があるので、矯正直前に歪計測装置7により再度歪量を計測する構成としてもよい。また、クラック検出装置30によるクラックの検出は、矯正装置9による矯正動作中以外でも、例えば複数の歪計測装置7による歪量の計測中や矯正装置9による矯正作業が終了したときなどに、軸回転モータ14により軸6を回転させながら行ってもよい。また、同一箇所での矯正の上限回数は、矯正する軸6の種類(エンジンクランクシャフト以外の軸等)に対応させて任意に設定可能な構成としてもよい。更に、矯正具29の移動量の目標値yを演算する演算式における補正係数a及び固定値bは、矯正する軸6の種類に対応して、矯正回数における設定も含めて、任意に設定できる構成となっている。また、矯正する軸6の種類に対応させて、第一のチャック部材13及び第二のチャック部材24を交換するが、各々のスライド用シリンダ20による第一の基体15及び第二の基体25の移動位置を任意に設定できる構成としてもよい。これに合わせて、ロック機構21によるロック溝をリニアガイド19の複数箇所に設け、ロック機構21による第一の基体15及び第二の基体25の固定位置を複数位置の中から選択できる構成としてもよい。また、歪計測装置7により歪量を計測し矯正装置9により矯正する箇所の位置だけでなく、箇所数も任意に設定できる構成としてもよい。
以上により、この歪矯正機1は、軸(6)の所定箇所における歪量を計測する歪計測装置(7)と、軸(6)に接触させた矯正具(29)を更に軸(6)側へ移動させて軸(6)を矯正する矯正装置(9)と、歪計測装置(7)が計測した歪量に基づいて矯正具(29)の移動量の目標値を演算する演算装置とを備え、演算装置は、歪量に応じて算出される歪量対応値に、歪量に関係なく設定された固定値を加えて、前記目標値を演算する構成としている。
よって、矯正具29の移動量の目標値を、歪量に応じて算出される歪量対応値に、歪量に関係なく設定された固定値を加えて演算するので、前記固定値により矯正具29による矯正を解除したときの軸6の復元(戻り)に対応でき、前記目標値の演算処理も簡単で矯正工程時間を短縮して矯正作業の能率向上を図りつつ、適正な矯正量で軸6の矯正が行え、軸6の矯正を高精度で行える。
また、軸(6)の同一箇所に対して矯正装置(9)が複数回の矯正を行う構成とし、同一箇所に対する矯正回数に応じて前記目標値を補正する構成としている。
よって、軸6の同一箇所に対して矯正装置9が複数回の矯正を行うことにより、同一箇所に対して徐々に矯正することができ、矯正による軸6のクラックの発生等の損傷を防止できる。また、矯正回数に応じて前記目標値を補正することにより、目標を超えて矯正することを防止しながら、所望の矯正量を得ることができ、軸6の矯正を高精度で行える。
また、矯正装置(9)が複数回矯正を行うときの上限回数を設定し、軸(6)の同一箇所に対して上限回数を超えて矯正を行わない構成としている。
よって、軸6の同一箇所に対して上限回数を超えて矯正を行わない構成としたので、過度に多数回矯正することを防止でき、軸6のクラックの発生等の損傷を防止できる。また、前記上限回数の設定により、所望の矯正量に矯正不可能な軸に対して何度も矯正することで無駄に矯正作業を行うことを防止し、矯正作業を能率良く行える。
また、歪計測装置(7)が計測した歪量が所定以上のときは、矯正装置(9)による矯正を行わない構成としている。
よって、歪計測装置7が計測した歪量が所定以上のときは、矯正装置9による矯正を行わない構成としたので、歪量が大きくて所望の矯正量に矯正不可能な軸6に対して無駄に矯正作業を行うことを防止し、矯正作業を能率良く行える。
また、歪計測装置(7)が軸(6)の複数箇所の歪量を計測し、矯正具(29)が歪量の大きい箇所から順に矯正する構成としている。
よって、歪計測装置7が軸6の複数箇所の歪量を計測し、矯正具29が歪量の大きい箇所から順に矯正する構成としたので、先に歪量の小さい箇所を矯正した後に歪量の大きい箇所を矯正することで、後の矯正量が大きい箇所の矯正の影響で先に矯正した箇所に歪を発生させることを抑え、先に矯正した箇所を再度矯正するようなことを抑制でき、所望の矯正量で矯正できると共に、矯正作業を能率良く行える。
また、歪計測装置(7)が軸(6)の複数箇所の歪量を計測すると共に、矯正具(29)が前記複数箇所で軸(6)を矯正する構成とし、前記複数箇所を任意に設定可能な構成としている。
よって、歪量の計測及び矯正を行う複数箇所を任意に設定できるので、ワークである軸6の種類や構造に対応して適切な箇所で矯正することができ、矯正を適正に行える。
また、軸(6)の両端を支持する各々の支持部材のうち少なくとも一方の支持部材を軸方向に押圧して軸を押圧する押圧ばね(26)を設けている。
よって、押圧ばね26により軸6を押圧するので、軸6の支持に適正な押圧力を維持でき、過大な押圧力により軸6に歪を発生させることを防止できる。
また、歪計測装置(7)又は矯正装置(9)には、軸(6)に発生するクラックを検出するクラック検出装置(30)を設けている。
よって、クラック検出装置30により軸6に発生したクラックを検出でき、クラック発生後に無駄に矯正作業を行うことを防止できる。また、歪計測装置7又は矯正装置9を移動させながら軸6の複数箇所で歪計測又は矯正するときには、共通のクラック検出装置30で複数箇所のクラックの有無を検出できる。

Claims (8)

  1. 軸(6)の所定箇所における歪量を計測する歪計測装置(7)と、軸(6)に接触させた矯正具(29)を更に軸(6)側へ移動させて軸(6)を矯正する矯正装置(9)と、歪計測装置(7)が計測した歪量に基づいて矯正具(29)の移動量の目標値を演算する演算装置とを備え、演算装置は、歪量に応じて算出される歪量対応値に、歪量に関係なく設定された固定値を加えて、前記目標値を演算する構成とした歪矯正機。
  2. 軸(6)の同一箇所に対して矯正装置(9)が複数回の矯正を行う構成とし、同一箇所に対する矯正回数に応じて前記目標値を補正する構成とした請求項1に記載の歪矯正機。
  3. 矯正装置(9)が複数回矯正を行うときの上限回数を設定し、軸(6)の同一箇所に対して上限回数を超えて矯正を行わない構成とした請求項1又は請求項2に記載の歪矯正機。
  4. 歪計測装置(7)が計測した歪量が所定以上のときは、矯正装置(9)による矯正を行わない構成とした請求項1から請求項3の何れか1項に記載の歪矯正機。
  5. 歪計測装置(7)が軸(6)の複数箇所の歪量を計測し、矯正具(29)が歪量の大きい箇所から順に矯正する構成とした請求項1から請求項4の何れか1項に記載の歪矯正機。
  6. 歪計測装置(7)が軸(6)の複数箇所の歪量を計測すると共に、矯正具(29)が前記複数箇所で軸(6)を矯正する構成とし、前記複数箇所を任意に設定可能な構成とした請求項1から請求項5の何れか1項に記載の歪矯正機。
  7. 軸(6)の両端を支持する各々の支持部材のうち少なくとも一方の支持部材を軸方向に押圧して軸を押圧する押圧ばね(26)を設けた請求項1から請求項6の何れか1項に記載の歪矯正機。
  8. 歪計測装置(7)又は矯正装置(9)には、軸(6)に発生するクラックを検出するクラック検出装置(30)を設けた請求項1から請求項7の何れか1項に記載の歪矯正機。
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