JP2013067100A - 積層体、積層体の製造方法、平板、及び、被覆金属線 - Google Patents

積層体、積層体の製造方法、平板、及び、被覆金属線 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂層と金属層との接着強度が極めて高い積層体、その製造方法、並びに、上記積層体を用いた平板及び被覆金属線を提供する。
【解決手段】変性ポリテトラフルオロエチレンからなる樹脂層、及び、金属層を有し、上記変性ポリテトラフルオロエチレンは、低級アルコールの存在下にテトラフルオロエチレンを重合することにより得られることを特徴とする積層体。
【選択図】なし

Description

本発明は、積層体、積層体の製造方法、平板、及び、被覆金属線に関する。
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、優れた耐薬品性、耐侯性、機械的強度等を有することから、種々の分野において成形体として利用されている。
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の重合方法は、懸濁重合法と水性分散(乳化)重合法の二種類がある。水性分散重合法で得られるラテックスは、ポリマー微粒子を凝集させて乾燥して粉末(ファインパウダー)とし、主に液状潤滑剤を混合させて行うペースト押出成形により加工される。
特許文献1には、ペースト押出性を改善するために、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)により相異なる割合に変性させた粒子殻部と粒子最殻部とを有する変性テトラフルオロエチレン重合体が提案されている。
しかしながら、このようなテトラフルオロエチレン重合体(PTFE)からなる含フッ素ポリマーは、本来接着力が低く、含フッ素ポリマーと他の材料(基材)とを直接接着させることは困難であった。とりわけ、金属基材と接着させる場合、基材の種類や積層方法により接着力がばらつきやすく、接着性の信頼性が不十分であることが多かった。
特開昭51−36291号公報
本発明は、テトラフルオロエチレン重合体(PTFE)からなる樹脂層と金属層との接着強度が極めて高い積層体、その製造方法、並びに、上記積層体を用いた平板及び被覆金属線を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、変性ポリテトラフルオロエチレンからなる樹脂層、及び、金属層を有し、上記変性ポリテトラフルオロエチレンは、低級アルコールの存在下にテトラフルオロエチレンを重合することにより得られることを特徴とする積層体である。
上記金属層に対する樹脂層の接着力が、20N/3inch以上であることが好ましい。上記金属層は、銅、アルミ、鉄、銀、及び、ステンレス鋼からなる群より選択される少なくとも1種の金属からなることが好ましい。
本発明はまた、上述の積層体からなることを特徴とする平板でもある。
本発明はまた、上述の積層体からなることを特徴とする被覆金属線でもある。
本発明はまた、樹脂層及び金属層を有する積層体の製造方法であって、低級アルコールの存在下にテトラフルオロエチレンと変性モノマーとを重合して変性ポリテトラフルオロエチレンを調製する工程、及び、得られた変性ポリテトラフルオロエチレンをペースト押出成形により金属層上に樹脂層を形成する工程を有することを特徴とする積層体の製造方法でもある。
本発明はまた、樹脂層及び金属層を有する積層体の製造方法であって、低級アルコールの存在下にテトラフルオロエチレンと変性モノマーとを重合して変性ポリテトラフルオロエチレンを調製する工程、及び、得られた変性ポリテトラフルオロエチレンを用いて樹脂シートを形成し、前記樹脂シートと金属層とを積層して熱プレス加工する工程を有することを特徴とする積層体の製造方法でもある。
本発明はまた、樹脂層及び金属層を有する積層体の製造方法であって、金属層上に、変性ポリテトラフルオロエチレンを散布する工程、散布された変性ポリテトラフルオロエチレンをローラで圧延して被覆層を形成する工程、及び、上記被覆層を焼成して樹脂層を形成する工程を有することを特徴とする積層体の製造方法でもある。
本発明者らは、特定の方法により調製した変性ポリテトラフルオロエチレンにより樹脂層を形成することで、金属層との接着強度が格段に向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の積層体は、樹脂層が低級アルコール存在下での重合により得られる変性ポリテトラフルオロエチレンからなるため、金属層との接着性に優れるという特性を有している。
本発明は、変性ポリテトラフルオロエチレンからなる樹脂層、及び、金属層を有する積層体である。
本発明の積層体において、樹脂層を構成する変性ポリテトラフルオロエチレンは、低級アルコール存在下にテトラフルオロエチレンを重合することにより得られる。
このような特定の方法により得られた変性ポリテトラフルオロエチレンを使用して樹脂層を形成するため、従来有する耐薬品性、耐侯性、機械的強度等の特性に加えて、金属層との接着性に優れた積層体とすることができる。
本発明で使用する変性ポリテトラフルオロエチレン(変性PTFE)は、非溶融加工性を有し、テトラフルオロエチレン(TFE)と変性モノマーとの共重合反応において、連鎖移動剤として低級アルコールを添加して得られたものである。
上記変性ポリテトラフルオロエチレンは、低級アルコールの存在下にテトラフルオロエチレン(TFE)と変性モノマーとを共重合して得られる変性ポリテトラフルオロエチレンであることが好ましい。
より具体的には、水性媒体中、水溶性含フッ素分散剤の存在下、変性モノマーを反応系に仕込み、TFEとの共重合反応を開始し、重合すべきTFEの少なくとも80%が消費された後、反応系に、連鎖移動剤である低級アルコールを導入することが好ましい。
上記変性モノマーとしては、下記一般式(1):
C=CFO(CFn1 (1)
(式中、Xは、水素原子又はフッ素原子を表し、n1は、1〜6の整数を表す。)で表されるフルオロ(アルキルビニルエーテル)、下記一般式(2):
Figure 2013067100
(式中、X及びXは、同一若しくは異なって、水素原子又はフッ素原子を表し、Yは、−CR−を表し、R及びRは、同一若しくは異なって、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のフルオロアルキル基を表す。)で表されるビニルヘテロ環状体、及び、下記一般式(3):
CX=CX(CFn2F (3)
(式中、X、X及びXは、水素原子又はフッ素原子を表し、少なくとも1つはフッ素原子を表す。n2は、1〜5の整数を表す。)で表されるフルオロオレフィンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記一般式(1)で表されるフルオロ(アルキルビニルエーテル)としては、n1が1〜4であるものが好ましく、n1が3以下であるものがより好ましい。
上記一般式(1)で表されるフルオロ(アルキルビニルエーテル)としては、また、Xがフッ素原子であるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)が好ましい。
上記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)としては、例えば、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)〔PMVE〕、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)〔PEVE〕、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)〔PPVE〕、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)〔PBVE〕等が挙げられる。
上記一般式(2)で表されるビニルヘテロ環状体としては、例えば、X及びXがフッ素原子であるものが好ましく、また、R及びRが炭素数1〜6のフルオロアルキル基であるものが好ましい。
上記一般式(2)で表されるビニルヘテロ環状体としては、X及びXがフッ素原子、R及びRがパーフルオロメチル基であるパーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール〔PDD〕が好ましい。
上記一般式(3)で表されるフルオロオレフィンとしては、HFPが好ましい。
上記変性ポリテトラフルオロエチレンの調製において、上記変性モノマーは、変性剤として使用される。
変性モノマーは、反応開始時から存在していることが好ましく、反応の開始前に必要量を一括して反応系に仕込むか、あるいは一部を反応開始前に反応系に仕込み、残りを反応中に分割して又は連続的に反応系に追加仕込みしてよい。なぜなら、最終的な一次粒子の形状は反応初期の粒子形状の影響が大きいため、反応開始時から変性剤が存在する必要があるからである。
上記変性ポリテトラフルオロエチレンを製造する方法においては、上記TFEと上記変性モノマーとの重合反応において、反応によって消費される全TFEの80%以上、好ましくは80〜97%、更に好ましくは85〜95%が反応した時点で反応系に連鎖移動剤である低級アルコールを添加するとよい。
上記低級アルコールとしては、炭素数1〜7のアルコールが好ましく、炭素数1〜4のアルコールがより好ましく、メタノールが更に好ましい。上記低級アルコールは、直鎖のものでもよいし、分岐していてもよい。
低級アルコールの添加量は、得られる変性PTFEの質量に対して、水性媒体の0.005〜0.1質量%が好ましい。添加量が少なすぎると、変性の効果が不充分となるおそれがある。上記添加量は、0.007質量%以上がより好ましく、0.07質量%以下がより好ましい。
低級アルコールの添加時期が早すぎると、連鎖移動反応による重合速度低下部分が増え生産性が低下する。また、生成ポリマーの特性の面からみると、分子量が低い部分が多くなり、ファインパウダー全体の機械的性質の低下や耐熱性の悪化を招くおそれがある。一方、添加時期が遅すぎると、接着力が不充分になったり、フィブリル化特性抑制の効果が十分に得られず、十分なHRR押出性が得られなかったりするおそれがある。
重合反応は、通常TFE自体のガス圧によって0.5〜3.9MPa、好ましくは0.9〜3.0MPaの範囲の圧力に保ちながら進行させる。
上記変性ポリテトラフルオロエチレンは、水性分散重合法によって製造することができる。すなわち、重合反応は、水性媒体中、水溶性含フッ素分散剤の存在下で、攪拌しながら、重合開始剤を用いて行われる。
水溶性含フッ素分散剤としては、例えば、
一般式(4): Z(CFCOOH (4)
(式中、Zは水素原子、フッ素原子又はトリフルオロメチル基を表し、aは6〜10の整数を表す)、
一般式(5): Cl(CFCFCl)CFCOOH (5)
(式中、bは2〜6の整数を表す)、
一般式(6): (CFCF(CFCF)cCOOH (6)
(式中、cは2〜6の整数を表す)、
一般式(7): F(CFO(CFRCFO)CFRCOOH (7)
(式中、Rはフッ素原子またはトリフルオロメチル基を表し、dは1〜5の整数を表し、eは1〜5の整数を表す)
で表される含フッ素有機酸もしくはそれらのアンモニウム塩又はアルカリ金属塩(例えば、カリウム塩、ナトリウム塩)等が挙げられる。
また、上記水溶性含フッ素分散剤として、一般式(8):
CFOCF(CF)CFOCF(CF)COOX (8)
(式中、Xは水素原子、NH又はアルカリ金属原子を表す。)、及び、一般式(9):
CFCFOCFCFOCFCOOX (9)
(式中、Xは水素原子、NH又はアルカリ金属原子を表す。)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を挙げることができる。
水溶性含フッ素分散剤としては、特に、一般式: C2f+1COOR’又は CO(CF(CF)CFO)gCF(CF)COOR’(式中、fは6〜9の整数を表し、gは1又は2を表し、R’はアンモニウム基又はアルカリ金属原子を表す。)
で示される塩が好ましい。
水溶性含フッ素分散剤の重合反応系への仕込みは、種々の方法で行うことができ、例えば、反応開始前に水溶性含フッ素分散剤全量を一括して反応系に仕込んでもよく、あるいは得られる変性PTFE粒子の粒子径を制御する目的で特公昭44−14466号公報に記載されているような分割仕込みを行ってもよい。
水溶性含フッ素分散剤の使用量は、その分散剤の種類と目標とする変性ポリテトラフルオロエチレンの一次粒子径にもよるが、一般に、反応に用いる水性媒体に対して、0.02〜0.3質量%であることが好ましい。
重合開始剤としては、TFEの重合において従来から使用されているものが使用できる。例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩、ジコハク酸パーオキサイド、ジグルタル酸パーオキサイドなどの水溶性有機過酸化物またはこれらを組み合わせて使用することができる。
重合開始剤の使用量は、重合温度と目標とする標準比重(SSG)に応じて適宜選択する。重合温度は、10〜95℃の範囲から選択可能であるが、例えば、上記過硫酸塩や水溶性有機過酸化物を使用する場合、重合温度は60〜90℃が好ましい。なぜなら、開始剤量が比較的少量で大きな反応速度が得られ、またSSGの調整が容易だからである。また、例えば、40℃以下の低温で反応を行う場合には、上記過硫酸塩に亜硫酸塩や酸性亜硫酸塩等の還元剤を加えてレドックス系にしてもよい。
また、必要に応じて、反応系の分散安定剤として、実質的に反応に不活性な反応条件下で液状の炭素数12以上の炭化水素化合物を、水性媒体100質量部当たり2〜10質量部程度使用することもできる。また、反応中のpHを調整するために緩衝剤として、例えば炭酸アンモニウム、リン酸アンモニウムなどを添加してもよい。
重合反応は、生成したポリマーラテックスの濃度が20〜45質量%になった時点で攪拌を停止し、系外にモノマーを放出して終了させる。
上記重合反応後、凝析を行い、乾燥させることにより、変性ポリテトラフルオロエチレン粒子を得ることができる。
凝析は、通常ポリマーラテックスを10〜20質量%のポリマー濃度になるように水で希釈し、攪拌機付きの容器中で反応中の攪拌よりも激しく攪拌して行う。この時、必要に応じてpHを調整したり、メタノール、アセトン等の水溶性有機化合物、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム等の無機塩や塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸等を凝析促進剤として添加して攪拌を行ってもよい。また、インラインミキサー等を使用して連続的に凝析を行ってもよい。
さらに、凝析前や凝析中に、着色のための顔料や導電性付与、機械的性質改善のための充填剤を添加することもできる。
乾燥は、通常凝析で得られた湿潤粉末をあまり流動させない状態で、熱風などの加熱手段を用いて行うが、減圧・真空と組み合わせてもよい。乾燥温度は、ポリマーの融点より低い温度であればよいが、通常100〜250℃の範囲が適している。
乾燥温度が高いと、得られる変性PTFEのペースト押出圧力が高くなる傾向がある。
上記変性ポリテトラフルオロエチレンは、変性モノマー単位含有量が0.02〜0.3質量%であることが好ましい。
上記変性モノマー単位含有量は、0.03質量%以上であることがより好ましく、0.2質量%以下であることがより好ましい。
上記変性モノマー単位含有量は、赤外吸収バンドの吸収値(ピーク高さ)の比から算出して得ることができる。具体的には、例えば、変性モノマーが、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)の場合、ポリテトラフルオロエチレン中の、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)に由来するパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)単位の量として、赤外吸収バンドの995cm−1の吸収値(ピーク高さ)と935cm−1の吸収値との比に0.14の係数を乗じて得ることができる。
上記変性ポリテトラフルオロエチレンは、標準比重(SSG)が2.150〜2.220であることが好ましい。
標準比重(SSG)は、2.155以上がより好ましく、2.210以下がより好ましい。
なお、標準比重(SSG)は、ASTM D 4895−89に準拠した方法で得ることができる。
上記変性ポリテトラフルオロエチレンは、融点が、300℃以上であることが好ましく、310℃以上であることがより好ましい。上限は特に限定されないが、380℃であってよい。
上記融点は、示差走査熱量測定(DSC)の方法により得られる値である。
上記変性ポリテトラフルオロエチレン(粒子)の平均一次粒子径は、0.1〜0.5μmであることが好ましい。
上記平均一次粒子径は、変性ポリテトラフルオロエチレン水性分散液を固形分0.15質量%に調整してセルに入れ、550nmの光を入射したときの透過率と、透過型電子顕微鏡写真により定方向径を測定して算出した数平均一次粒子径との相関を検量線にまとめ、得られた検量線と各試料について測定した上記透過率とから得られる値である。
上記樹脂層は、更に、添加剤を含有していてもよい。上記添加剤としては、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、グラファイトウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー、マグネシウムウィスカー、ホウ酸マグネシウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、硫酸カルシウムウィスカー、酸化亜鉛ウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、アルミナウィスカー、炭化珪素ウィスカー、窒化珪素ウィスカー、ウォラスナイト、ゾノライト、セピオライト、石膏繊維、スラグ繊維などの繊維状の強化剤、カーボン粉末、グラファイト粉末、炭酸カルシウム粉末、タルク、マイカ、クレイ、ガラスビーズ等の無機充填剤、ポリイミド樹脂などの耐熱性樹脂、さらに二硫化モリブデンのような固体潤滑剤やその他の着色剤、難燃剤など通常使用される無機または有機の充填剤を挙げることができる。
上記添加剤の含有量は、通常、樹脂層中1〜30質量部%であることが好ましい。
上記樹脂層の厚みは、本発明の積層体の用途に応じて適宜選択すればよいが、一般に、0.01〜2mmであることが好ましい。
本発明の積層体は、更に金属層を有する。
上記金属層は、銅、アルミ、鉄、銀及びステンレス鋼(SUS)からなる群より選択される少なくとも1種からなる金属基材であることが好ましい。
上記金属層の形状は、特に限定されず、板状であってもよく、線状であってもよい。具体的には、上記金属層としては、例えば、金属板又は金属線が挙げられる。
上記金属層は、使用する金属材料、形状に応じて、公知の方法で形成することができる。
また、上記金属層として、市販の金属基材を使用してもよい。
上記金属層は、表面処理がされていてもよい。表面処理をすることにより、樹脂層との接着性をより高めることができる。表面処理の方法は、一般に公知の方法であればよく、例えば、特開2000−319472号公報に開示される樹脂組成物で金属層の表面を被覆する方法等を挙げることができる。
本発明の積層体は、上述した変性ポリテトラフルオロエチレンからなる樹脂層と金属層とからなり、その層間の接着強度が高いものである。
本発明の積層体において、上記金属層に対する樹脂層の接着力は、20N/3inch以上であることが好ましい。
上記接着力は、MIL C−17に準拠した方法により得られる値である。
本発明の積層体は、例えば、板状である場合、樹脂層と金属層との接着力(剥離強度)が0.10kN/m以上であることが好ましく、0.15kN/m以上であることがより好ましい。
上記接着力は、JIS K6854−3−1999に準拠した方法により得られる値である。このような本発明の積層体からなる平板もまた本発明の一つである。
また、本発明の積層体は、例えば、金属層が線状である場合、樹脂層で被覆された被覆金属線とすることができる。このような被覆金属線は、芯線密着強度が0.5kgf/3inch以上とすることができる。上記芯線密着強度は、MIL C−17に準拠した方法により得られる値である。このような本発明の積層体からなる被覆金属線もまた本発明の一つである。
本発明の積層体は、例えば、コイル線、電線、ケーブル、ワイヤー線等に好適に利用できる。中でも、高周波伝送ケーブルとして好適である。上記高周波伝送ケーブルとしては、同軸ケーブル、携帯基地局アンテナ内の配線、モーター、トランス、コイルに使用する巻線等が挙げられる。
上記高周波伝送ケーブルは、例えば、特開2001−357729号公報に記載の方法、特開平9−55120号公報に記載の方法等、公知の方法により製造することができる。
上記同軸ケーブルは、一般に、内部導体、絶縁被覆層、外部導体層及び保護被覆層が芯部より外周部に順に積層することからなる構造を有する。上記構造における各層の厚さは特に限定されないが、通常、内部導体は直径約0.1〜3mmであり、絶縁被覆層は、厚さ約0.3〜3mm、外部導体層は、厚さ約0.5〜10mm、保護被覆層は、厚さ約0.5〜2mmである。
また、本発明の積層体は、強固な接着性が要求されるモーターコイル線、プッシュプルケーブルに用いられるワイヤー線としても好適に適用できる。
モーターコイル線としては、例えば、自動車用モーター、ロボット用モーター等の各種モーターに使用するモーターコイル線を挙げることができる。
プッシュプルケーブルは、自動変速機、機械的ラッチ、油圧バルブ制御操作等、多くの装置に使用されるケーブルであり、本発明の積層体は、プッシュプルケーブル用のワイヤー線として好適に利用できる。
本発明の積層体を製造する方法としては、低級アルコールの存在下にテトラフルオロエチレンと変性モノマーとを重合して変性ポリテトラフルオロエチレンを調製する工程、及び、金属層上に、上記変性ポリテトラフルオロエチレンをペースト押出成形して樹脂層を形成する工程を有する積層体の製造方法が挙げられる。
低級アルコールの存在下にテトラフルオロエチレンと変性モノマーとを重合して変性ポリテトラフルオロエチレンを調製する工程は、上述した変性ポリテトラフルオロエチレンの製造方法と同様の方法により行うことができる。
金属層上に、変性ポリテトラフルオロエチレンをペースト押出成形して樹脂層を形成する工程は、具体的には、上記変性ポリテトラフルオロエチレンと押出助剤とからなる混合物を調製し、該混合物を押出機に充填し、予備成形を行った後、金属層上に該混合物を押出成形し、得られた押出成形物を焼成するとよい。
上記押出助剤としては、一般に公知のものであれば、特に限定されず、例えば、炭化水素油等を挙げることができる。
上記押出助剤の添加量は、10〜17質量%であることが好ましい。
混合物の調製は、変性ポリテトラフルオロエチレンと押出助剤とをガラスビン等の中で混合し、1〜24時間熟成させるとよい。
予備成形は、1〜5MPaで行うことが好ましく、2〜4MPaで行うことがより好ましい。
押出成形の押出温度は、低すぎると、季節変動があったり、又は、高押出圧になるおそれがあり、高すぎると、助剤蒸散のおそれがある。このため、押出温度は、40℃以上が好ましく、100℃以下が好ましい。
押出圧力は、5〜70MPaであることが好ましく、20〜50MPaであることがより好ましい。
押出成形物の焼成は、350〜500℃で0.5分〜1時間行うことが好ましく、380〜410℃で1〜10時間行うことがより好ましい。
このような方法により、金属層と樹脂層との接着性に優れた本発明の積層体を好適に製造することができる。
このような、低級アルコールの存在下にテトラフルオロエチレンと変性モノマーとを重合して変性ポリテトラフルオロエチレンを調製する工程、及び、得られた変性ポリテトラフルオロエチレンを金属層上にペースト押出成形して樹脂層を形成する工程を有する積層体の製造方法もまた、本発明の一つである。
また、本発明の積層体を製造する別の方法として、低級アルコールの存在下にテトラフルオロエチレンと変性モノマーとを重合して変性ポリテトラフルオロエチレンを調製する工程、及び、得られた変性ポリテトラフルオロエチレンを用いて樹脂シートを形成し、上記樹脂シートと金属層とを積層して熱プレス加工する工程を有する積層体の製造方法が挙げられる。このような積層体の製造方法もまた本発明の一つである。
低級アルコールの存在下にテトラフルオロエチレンと変性モノマーとを重合して変性ポリテトラフルオロエチレンを調製する工程は、上述した変性ポリテトラフルオロエチレンの調製方法と同様の方法により行うとよい。
得られた変性ポリテトラフルオロエチレンを用いて樹脂シートを形成する方法としては、上記変性ポリテトラフルオロエチレンを含む押出成形物を圧延してシート状に成形する方法が挙げられる。
上記変性ポリテトラフルオロエチレンを含む押出成形物の作製は、上述と同様に、変性ポリテトラフルオロエチレンと押出助剤とからなる混合物を調製し、該混合物を押出機に充填し、予備成形を行った後、該混合物を押出成形して行うとよい。
押出成形物の圧延は、特に限定されず、一般に公知の方法で行えばよく、例えば、圧延ロールを用いて行う方法が挙げられる。
得られた樹脂シートと金属層との熱プレス加工は、金属層の素材、樹脂層の厚み等に応じて適宜設定するとよいが、例えば、350〜420℃で、10〜70MPaで行うとよい。
また、本発明の積層体を製造する別の方法として、金属層上に、変性ポリテトラフルオロエチレンを散布する工程、散布された変性ポリテトラフルオロエチレンをローラで圧延して被覆層を形成する工程、及び、上記被覆層を焼成して樹脂層を形成する工程を有する積層体の製造方法が挙げられる。このような積層体の製造方法もまた本発明の一つである。
具体的には、まず、変性ポリテトラフルオロエチレン、及び、湿潤剤を含む樹脂組成物を調製し、上記混合物を金属層上に散布する。次いで、ローラで圧延して金属層上に一様な厚さの樹脂組成物からなる被覆層を形成する。そして、金属層と被覆層とからなる積層物を150〜250℃の乾燥炉内に放置し、被覆層を乾燥させて、湿潤剤を除去する。その後、上記積層物を350〜420℃の温度に加熱された加熱炉に入れて焼成を行い、金属層と樹脂層とを有する本発明の積層体を製造することができる。
上記変性ポリテトラフルオロエチレンは、上述した変性ポリテトラフルオロエチレンの調製方法と同法の方法により調製するとよい。
上記被覆層の乾燥後、所定の厚さになるように、被覆層を20〜60MPaの圧力下で再度ローラ加圧してもよい。
また、焼成後、樹脂層の寸法ばらつきを調整するために、再度ローラで加圧してもよい。
このような方法により、金属層と樹脂層との接着性に優れた本発明の積層体を好適に製造することができる。
湿潤剤は押出助剤とおなじであってよい。
本発明の積層体は、上述した構成からなるものであるため、樹脂層と金属層との接着性に優れる。このような本発明の積層体は、電線や、モーターコイル線、プッシュプルケーブルに用いられるワイヤー線等の種々の用途に好適に適用することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
本実施例及び比較例において、以下の方法にて測定を行った。
(平均一次粒子径)
ポリテトラフルオロエチレン分散液を固形分0.15質量%に調製してセルに入れ、550nmの光を入射したときの透過率と、透過型電子顕微鏡写真により定方向径を測定して算出した数平均一次粒子径との相関を検量線にまとめ、得られた検量線と各試料について測定した上記透過率とから決定した。
(変性剤含有量)
ポリテトラフルオロエチレン中の、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)に由来するパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)単位の量として、赤外吸収バンドの995cm−1の吸収値(ピーク高さ)と935cm−1の吸収値との比に0.14の係数を乗じて得られる値(質量%)を用いた。
(標準比重(SSG))
ASTM D 4895−89に準拠して作製されたサンプルを用い、水中置換法によって測定した。
(ペースト押出試験(RR1600))
ASTM D 4895に準拠した押出機を用いた。まず、ポリテトラフルオロエチレン粉末50.00gと押出助剤である炭化水素油(商品名:アイソパーG、エクソン化学社製)10.25gとをガラスビン中で混合し、室温(25±2℃)で1時間熟成した。
つぎに押出機のシリンダーに上記混合物を充填し、シリンダーに挿入したピストンに5.7MPaの負荷を加えて1分間保持したのち、直ちに室温においてラム速度20mm/分でオリフィスから押出した。押出操作で圧力が平衡状態になる時点の荷重(N)をシリンダー断面積で除した値を押出圧力(MPa)とした。
(剥離試験方法)
得られた積層体を幅25mmに切断し、一端をT型に曲げて剥離して剥離試験用の試験片とした。
JIS K6854−3−1999のT型剥離試験方法に基づき、島津(株)製テンシロン万能試験機を用い、室温下、クロスヘッドスピード50mm/minで測定し、面積法による平均剥離強度を求めた。
(芯線密着強度)
MIL C−17により芯線密着強度を測定した。被覆76mmを12.3mm/minで引き抜く際の引張り力である。
製造例1 変性ポリテトラフルオロエチレン(変性PTFE)の合成
内容量6Lを有し、撹拌機及び温度調節用ジャケット付きのステンレススチール(SUS316)製のオートクレーブに、脱イオン水2960g、パラフィンワックス120g及び分散剤としてパーフルオロオクタン酸アンモニウム0.6gを仕込んだ。次いでオートクレーブを70℃まで加熱しながら、窒素ガスで3回、テトラフルオロエチレン〔TFE〕ガスで2回系内を置換して酸素を除いた。その後、TFEガスで内圧を0.73MPaにし、280rpmで撹拌を行い、内温を70℃に保った。
次にパーフルオロプロピルビニルエーテル(PPVE)を3.0g、続いて脱イオン水20gに溶解したジコハク酸パーオキサイド(DSP)240mgと脱イオン水20gに溶解した過硫酸アンモニウム(APS)10.1mgとを注入し、オートクレーブの内圧を0.78MPaにした。反応の全過程において、反応が進行するに従ってオートクレーブの内圧が低下したので、常に0.78MPaに保つようにTFEを連続的に供給した。重合開始剤を添加してから反応で消費されたTFEが135gに達した時点でパーフルオロオクタン酸アンモニウム2.4gを追加し、更に消費されたTFEが1080gに達した時点でメタノール0.3gを追加した。TFEの消費量が1350gになった時点でTFEの供給を止め、撹拌を停止した。オートクレーブ内のガスを常圧まで放出した後で内容物を取り出し反応を終了した。
得られた変性PTFE水性分散液の固形分は、30.7質量%であり、平均一次粒子径は0.24μmであった。
得られた変性PTFE水性分散液を脱イオン水で固形分濃度が約15質量%となるように希釈し、凝固するまで激しく撹拌して凝析し、得られた凝集物を145℃で18時間乾燥した。凝集物を乾燥した後、得られた変性PTFE粉末中のPPVE単位含有量を測定したところ、0.141質量%であった。また、標準比重(SSG)は2.169であった。
また、得られた変性PTFE粉末のRR1600でのペースト押出圧力は45.9MPaであった。
製造例2 変性PTFEの合成
製造例1において、メタノール0.3gをエタン0.12gとした以外は、製造例1と同様にして重合を行い、変性PTFEを合成した。
得られた変性PTFE水性分散液の固形分は、31.1質量%であり、平均一次粒子径は0.24μmであった。
また、得られた変性PTFE粉末中のPPVE単位含有量を測定したところ、0.136質量%であった。また、標準比重(SSG)は2.170であった。
また、得られた変性PTFE粉末のRR1600でのペースト押出圧力は47.6MPaであった。
製造例3 変性PTFEの合成
製造例1において、メタノール0.3gをエタノール0.23gとし、パーフルオロプロピルビニルエーテル(PPVE)3.0gを2.0gとした以外は、製造例1と同様にして重合を行い、変性PTFEを合成した。
得られた変性PTFE水性分散液の固形分は、29.9質量%であり、平均一次粒子径は0.24μmであった。
また、得られた変性PTFE粉末中のPPVE単位含有量を測定したところ、0.081質量%であった。また、標準比重(SSG)は2.176であった。
また、得られた変性PTFE粉末のRR1600でのペースト押出圧力は67.2MPaであった。
実施例1
製造例1で得られた変性PTFE粉末50.00gと、押出助剤である炭化水素油(商品名:アイソパーG、エクソン化学社製)10.25gとをガラスビン中で混合し、室温(25±2℃)で1時間熟成した。
次に、シリンダー(内径25.4mm)付きの押出しダイ(絞り角30°で、下端にオリフィス(オリフィス直径:1.27mm、オリフィス長:2mm)を有する)に、得られた混合物を充填し、シリンダーに挿入したピストンに5.7MPaの負荷を加えて1分間保持した。その後、直ちに室温において、ラム速度20mm/分で上記混合物をオリフィスから押出しロッド状物を得た。押出後半において圧力が平衡状態になる部分のロッド状物をサンプルとして取り出した。
得られたロッド状物を圧延してシート状に成形した。得られたシートを70℃で12時間、更に210℃で10分間加熱して押出助剤を除き、PTFEシートを得た。
得られたPTFEシートを、2枚の金属板[長さ150mm、幅50mm、厚さ60μmの脱脂したアルミ箔(昭和電工(株)製A1N30H−H18)]の間に挟み、380℃に設定したプレス機にセットし、3.0MPaで5分間加圧した。その後、冷水で急激に冷却し、厚みが約30μmのPTFEシートが金属板に接着した積層体を得た。得られた積層体の剥離強度は0.52kN/mであった。
実施例2
金属板として、長さ150mm、幅50mm、厚さ18μmの脱脂した銅箔(福田金属箔粉工業(株)製CF−T9HTE)を用いた以外は実施例1と同様にして、積層体を得た。得られた積層体の剥離強度は、0.22kN/mであった。
実施例3
製造例1で得られた変性PTFE粉末1000gと、押出助剤としてアイソパーG(エクソン化学社製)205gとを混合し、室温(25±2℃)で12時間放置した。
この助剤混合粉を用いて、芯線(SUS線0.203mmの19本より)に対して、φ50mmシリンダーでペースト押出成形を行った。1.190mm内径の金型で押し出したところ、押出圧力は、55MPaであった。
押出成形後、成形物を200℃に設定した乾燥炉で乾燥し、次いで、380℃に設定した焼成炉で焼成を行い、外径1.13mmのフッ素樹脂被覆SUS線を得た。
樹脂被覆を引き抜こうとしたが、樹脂−金属線間が接着しており、樹脂が破壊するほど強く接着していた。
実施例4
製造例1で得られた変性PTFE粉末1000gと、押出助剤としてアイソパーG(エクソン化学社製)205gとを混合し、室温(25±2℃)で12時間放置した。
この助剤混合粉を用いて、芯線(φ1.0mmの銅線)に対して、φ50mmシリンダーを用いてペースト押出成形を行った。1.190mm内径の金型で押し出したところ、押出圧力は、50MPaであった。
押出成形後、成形物を200℃に設定した乾燥炉にて乾燥し、次いで、380℃に設定した焼成炉で焼成を行い、外径1.15mmのフッ素樹脂被覆裸銅線を得た。
樹脂被覆を引き抜こうとしたが、樹脂−金属線間が接着しており、樹脂が破壊するほど強く接着していた。
実施例5
製造例1で得られた変性PTFE粉末1000gと、押出助剤としてアイソパーM(エクソン化学社製)290gとを混合し、室温(25±2℃)で12時間放置した。
この助剤混合粉を用いて、シリンダサイズ90mmの予備成形機を用いて予備成形を行った後、φ50mmシリンダーにてペースト押出成形を行った。押出金型内径は、φ16mmであった。押し出し直後に成形物を70℃の温水へ入れ加熱し、押出しビードを得た。この押出ビードを用いて、φ500mm圧延ロールにて、厚み1mm、幅100mmのシートを作った。圧延ロール速度は2m/secであった。
このシートをφ100mmに切断し、φ100mmの0.05mm厚みの銅箔を両面につけて340℃5分間100kg/cmでプレスすることでCu−PTFE−Cuの積層板を得た。得られた積層体の剥離強度は、0.52kN/mであった。
実施例6
製造例3で得られた変性PTFE粉末を使用した以外は、実施例2と同様にして、積層体を得た。得られた積層体の剥離強度は0.17kN/mであった。
比較例1
製造例2で得られた変性PTFE粉末を用いて成形されたPTFEシートを用いた以外は実施例1と同様にして、積層体を得た。得られた積層体の剥離強度は、0.12kN/mであった。
比較例2
製造例2で得られた変性PTFE粉末を用いて成形されたPTFEシートを用いた以外は実施例2と同様にして、積層体を得た。得られた積層体の剥離強度は、0.04kN/mであった。
比較例3
製造例2で得られた変性PTFE粉末1000gと、押出助剤としてアイソパーG(エクソン化学社製)205gとを混合後、室温(25±2℃)で12時間放置した。
この助剤混合粉を用いて、芯線(SUS線0.203mmの19本より)に対して、φ50mmシリンダーにてペースト押出成形を実施した。
1.190mm内径の金型で押し出したところ、押出圧力は、55MPaであった。押出成形後、200℃に設定した乾燥炉で乾燥させ、次いで、380℃に設定した焼成炉にて焼成させた後、外径1.13mmのフッ素樹脂被覆SUS線を得た。得られたSUS線の芯線密着強度は0.23kgf/3inchであった。
比較例4
製造例2で得られた変性PTFE粉末1000gと、押出助剤としてアイソパーG(エクソン化学社製)205gとを混合し、室温(25±2℃)で12時間放置した。
この助剤混合粉を用いて、芯線(φ1.0mmの銅線)に対して、φ50mmシリンダーにてペースト押出成形を実施した。
1.190mm内径の金型で押し出したところ、押出圧力は、50MPaであった。押出成形後、200℃に設定した乾燥炉で乾燥させ、次いで、380℃に設定した焼成炉にて焼成を行い、外径1.15mmのフッ素樹脂被覆裸銅線を得た。
得られた銅線の芯線密着強度は0.29kgf/3inchであった。
比較例5
製造例2で得られた変性PTFE粉末1000gに、押出助剤として、アイソパーM(エクソン化学社製)290gとを混合し、室温(25±2℃)で12時間放置した。
その後、シリンダサイズ90mmの予備成形機で予備成形を行い、成形を行った。内径がφ16mmの金型を用いて押出した。押し出し直後に70℃の温水へ入れ加熱した。得られた押出ビードを用いて、φ500mm圧延ロールにて、厚み1mm、幅100mmのシートを作った。圧延ロールの速度は2m/secであった。
このシートをφ100mmに切断し、φ100の0.05mm厚みの銅箔を、シート両面につけて、340℃5分間100Kg/cmでプレスし、Cu−PTFE−Cuの積層板を作った。得られた積層体の剥離強度は0.12kN/mであった。
本発明の積層体は、電線や、モーターコイル線、プッシュプルケーブルに用いられるワイヤー線等に好適に適用することができる。

Claims (8)

  1. 変性ポリテトラフルオロエチレンからなる樹脂層、及び、金属層を有し、
    前記変性ポリテトラフルオロエチレンは、低級アルコールの存在下にテトラフルオロエチレンを重合することにより得られる
    ことを特徴とする積層体。
  2. 金属層に対する樹脂層の接着力が、20N/3inch以上である請求項1記載の積層体。
  3. 金属層は、銅、アルミ、鉄、銀、及び、ステンレス鋼からなる群より選択される少なくとも1種の金属からなる請求項1又は2記載の積層体。
  4. 請求項1、2又は3記載の積層体からなることを特徴とする平板。
  5. 請求項1、2又は3記載の積層体からなることを特徴とする被覆金属線。
  6. 樹脂層及び金属層を有する積層体の製造方法であって、
    低級アルコールの存在下にテトラフルオロエチレンと変性モノマーとを重合して変性ポリテトラフルオロエチレンを調製する工程、及び、
    得られた変性ポリテトラフルオロエチレンをペースト押出成形により金属層上に樹脂層を形成する工程を有する
    ことを特徴とする積層体の製造方法。
  7. 樹脂層及び金属層を有する積層体の製造方法であって、
    低級アルコールの存在下にテトラフルオロエチレンと変性モノマーとを重合して変性ポリテトラフルオロエチレンを調製する工程、及び、
    得られた変性ポリテトラフルオロエチレンを用いて樹脂シートを形成し、前記樹脂シートと金属層とを積層して熱プレス加工する工程を有する
    ことを特徴とする積層体の製造方法。
  8. 樹脂層及び金属層を有する積層体の製造方法であって、
    金属層上に、変性ポリテトラフルオロエチレンを散布する工程、散布された変性ポリテトラフルオロエチレンをローラで圧延して被覆層を形成する工程、及び、
    上記被覆層を焼成して樹脂層を形成する工程を有する
    ことを特徴とする積層体の製造方法。
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