JP2013062268A - 粉体圧延装置及び圧延シートの製造方法 - Google Patents

粉体圧延装置及び圧延シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】幅方向両端部の膜厚の増大を抑制し膜厚精度を向上させた圧延シートを製造する。
【解決手段】 回転軸が平行で互いに逆向きに回転する一対のロール4A,4Bと、前記一対のロール上に設けられたホッパー6と、前記一対のロールの両端部にかかる前記粉体の圧力を低減させる低減構造100a,100bとを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ロール間で粉体を圧延成形する粉体圧延装置及びこの装置を用いた圧延シートの製造方法に関するものである。
小型で軽量、且つエネルギー密度が高く、繰り返し充放電が可能なリチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタ等の電気化学素子は、環境対応からも今後の需要の拡大が見込まれている。リチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が大きく携帯電話やノート型パソコン等の分野で利用されており、電気二重層キャパシタは、急激な充放電が可能でパソコン等のメモリバックアップ小型電源として利用されている。また、金属酸化物や導電性高分子の表面の酸化還元反応(疑似電気二重層容量)を利用するリチウムイオンキャパシタもその容量の大きさから注目を集めている。これら電気化学素子は、用途の拡大や発展に伴い、低抵抗化、大容量化、機械的特性の向上等でより一層の性能向上が求められている。
電極化学素子の作製方法である粉体圧延技術の一つとして、ロール加熱式直接粉体圧延方法が従来より知られている。かかる粉体圧延方法を実施するための粉体圧延装置は、水平且つ平行に一対の圧延ロールを配置すると共に、圧延ロール間の上部に設けられたホッパー内に投入された粉体を、圧延ロールの回転で圧延ロール間に引き込んで連続的に圧延シートを製造する(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−303395号公報
しかしながら、粉体圧延装置により粉体を圧延して圧延シートを製造する場合には、一対のロールの両端部近傍、即ちホッパー内のサイド板近傍に粉体の流動が集中し圧延シートの幅方向の両端部に膜厚の増大部分が発生するという問題があった。
本発明の目的は、幅方向両端部の膜厚の増大を抑制し膜厚精度を向上させた圧延シートを製造する粉体圧延装置及びこの装置を用いた圧延シートの製造方法を提供することである。
本発明者は、上記目的を達成するために検討した結果、一対のロールの両端部における粉体の高さを低くし、この部分にかかる粉体の圧力を低減させることによって、膜厚精度を向上させた圧延シートが得られることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
本発明によれば、
(1) 回転軸が平行で互いに逆向きに回転する一対のロールと、前記一対のロール上に設けられたホッパーと、前記一対のロールの両端部にかかる前記粉体の圧力を低減させる低減構造とを備えることを特徴とする粉体圧延装置、
(2) 前記ホッパーは、前記一対のロールの両端部にそれぞれ設けられたサイド板を備え、前記低減構造は、前記サイド板の下部に設けられた前記ポッパーの外側に屈曲した屈曲部を備えることを特徴とする(1)記載の粉体圧延装置、
(3) 前記ホッパーは、前記一対のロールの両端部にそれぞれ設けられたサイド板を備え、前記低減構造は、前記サイド板の下部に設けられた前記ホッパーの内側に屈曲した屈曲部を備えることを特徴とする(1)記載の粉体圧延装置、
(4) 前記ホッパーは、前記一対のロールの両端部にそれぞれ設けられたサイド板を備え、前記低減構造は、前記ホッパー内の前記サイド板の下部に設けられた凸部を備えることを特徴とする(1)記載の粉体圧延装置、
(5) 前記低減構造は、前記ホッパー内の前記一対のロール間の上部であって前記サイド板の近傍にそれぞれ配置された棒状部材を備えることを特徴とする(1)記載の粉体圧延装置、
(6) 前記サイド板の近傍にそれぞれ配置された前記棒状部材の間に、更に少なくとも1つの棒状部材を備えることを特徴とする(5)記載の粉体圧延装置、
(7) 前記ホッパーは、前記一対のロールの両端部にそれぞれ設けられたサイド板を備え、前記低減構造は、前記サイド板の内側にそれぞれ更に設けられたサイド板を備えることを特徴とする(1)記載の粉体圧延装置、
(8) (1)〜(7)の何れかに記載の粉体圧延装置を用いて、前記ホッパーから供給された前記粉体を前記一対のロールで圧延し圧延シートを製造することを特徴とする圧延シートの製造方法、
が提供される。
本発明によれば、幅方向両端部の膜厚の増大を抑制し膜厚精度を向上させた圧延シートを製造することができる。
実施の形態に係る粉体圧延装置を上方から見た斜視図である。 実施の形態に係るホッパーのサイド板の形状を示す図である。 実施の形態に係るホッパーのサイド板の形状を示す図である。 実施の形態に係るホッパーのサイド板の形状を示す図である。 実施の形態に係るホッパー内の棒状部材を示す図である。 実施の形態に係るホッパー内の棒状部材を示す図である。 実施の形態に係るホッパーの構造を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係る粉体圧延装置及び圧延シートの製造方法について説明する。図1は実施の形態に係る粉体圧延装置を上方から見た斜視図、図2は実施の形態に係る粉体圧延装置を側面から見た概略図である。なお、図2においては、ロール4B、ホッパー6のロール4B側の側壁の図示を省略している。
粉体圧延装置2は、回転軸が水平かつ平行に配列され近接部ではそれぞれ下向きに回転する一対のロール4A,4Bにより構成される圧縮ロール4を備えている。一対のロール4A,4Bの上部に形成されているホッパー6には粉体8が貯槽されている。
一対のロール4A,4Bの両端部には、ホッパー6を構成するサイド板10a,10bが位置している。サイド板10a,10bのサイド板下部100a,100bは、一対のロール4A,4Bのそれぞれの外周に対応する円弧形状部を有しており、図2に示すように、一対のロール4A,4Bの軸方向外側にそれぞれ屈曲している。
圧縮ロール4のロール4A,4Bはそれぞれ図1に示す矢印方向へ回転することにより粉体8を咬み込み、粉体8をロール4A,4Bにより圧延し圧延シート20を製造する。ここで圧縮ロール4のロール4A,4Bはそれぞれモータ等により駆動されることにより回転するが、ロール4A,4Bの回転速度はそれぞれ自在に変更することができる。また圧縮ロール4は粉体の種類、性質に応じて冷却、加温等の温度調節を行うことができる温度調節機構を備えている。温度調節機構としては、ロール4A,4Bの内部に配置された熱媒を使用する方法、直接伝熱線等で加温する方法等が挙げられる。
一対のロール4A,4Bの両端部上には、一対のロール4A,4Bの軸方向外側に屈曲したサイド板下部100a,100bが位置していることから、この部分における粉体8の高さ(垂直方向における粉体の蓄積高さ)が低くなり、一対のロール4A,4Bの両端部に、粉体8の自重によりかかる圧力を減少させることができる。即ち、サイド板下部100a,100bは圧力低減構造として機能する。従って、一対のロール4A,4Bにより粉体8を咬み込み圧延シート20を製造する際に圧延シート20の幅方向両端部における膜厚の増大を防止することができ、圧延シート20の幅方向における膜厚を均一にすることができる。
ホッパー6内に貯槽される粉体8としては、例えば電極活物質を含む複合粒子が挙げられる。粉体8として電極活物質を含む複合粒子を用いる場合は、得られる圧延シートは、電極材料から成る電極層として用いることができる。
本発明に用いる複合粒子は、電極活物質及び結着材を含み、必要に応じてその他の分散剤、導電材および添加剤を含んでもよい。
複合粒子をリチウムイオン二次電池の電極材料として用いる場合、正極用活物質としては、リチウムイオンを可逆的にドープ・脱ドープ可能な金属酸化物が挙げられる。かかる金属酸化物としては、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、燐酸鉄リチウム、燐酸マンガンリチウム、燐酸バナジウムリチウム、バナジン酸鉄リチウム、ニッケル− マンガン− コバルト酸リチウム、ニッケル− コバルト酸リチウム、ニッケル− マンガン酸リチウム、鉄− マンガン酸リチウム、鉄−マンガン− コバルト酸リチウム、珪酸鉄リチウム、珪酸鉄− マンガンリチウム、酸化バナジウム、バナジン酸銅、酸化ニオブ、硫化チタン、酸化モリブデン、硫化モリブデン、等を挙げることができる。なお、上記にて例示した正極活物質は適宜用途に応じて単独で使用してもよく、複数種混合して使用してもよい。
さらに、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン、ポリキノンなどのポリマーが挙げられる。これらのうち、リチウム含有金属酸化物を用いることが好ましい。
なお、リチウムイオン二次電池用正極の対極としての負極の活物質としては、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素、活性炭、熱分解炭素などの低結晶性炭素(非晶質炭素)、グラファイト(天然黒鉛、人造黒鉛)、カーボンナノウォール、カーボンナノチューブ、あるいはこれら物理的性質の異なる炭素の複合化炭素材料、錫やケイ素等の合金系材料、ケイ素酸化物、錫酸化物、バナジウム酸化物、チタン酸リチウム等の酸化物、ポリアセン等が挙げられる。なお、上記に例示した電極活物質は適宜用途に応じて単独で使用してもよく、複数種混合して使用してもよい。
リチウムイオン二次電池電極用の電極活物質の形状は、粒状に整粒されたものが好ましい。粒子の形状が球形であると、電極成形時により高密度な電極が形成できる。
リチウムイオン二次電池電極用の電極活物質の体積平均粒子径は、正極、負極ともに通常0.1〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、より好ましくは0.8〜20μmである。
リチウムイオン二次電池用電極活物質のタップ密度は、特に制限されないが、正極では2g/cm以上、負極では0.6g/cm以上のものが好適に用いられる。
複合粒子をリチウムイオンキャパシタの電極材料として用いる場合、正極用活物質としては、アニオンおよび/またはカチオンを可逆的にドープ・脱ドープ可能な活性炭、ポリアセン系有機半導体(PAS)、カーボンナノチューブ、カーボンウィスカー、グラファイト等が挙げられる。好ましい電極活物質は活性炭、カーボンナノチューブである。
なお、リチウムイオンキャパシタ用正極の対極としての負極の活物質としては、リチウムイオン二次電池用負極活物質として例示した材料をいずれも使用することができる。リチウムイオンキャパシタ用電極に用いる電極活物質の体積平均粒子径は、通常0.1〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、更に好ましくは0.8〜20μmである。
リチウムイオンキャパシタ電極活物質として活性炭を用いる場合、活性炭の比表面積は、30m/g以上、好ましくは500〜3,000m/g、より好ましくは1,500〜2,600m/gである。比表面積が約2,000m/gまでは比表面積が大きくなるほど活性炭の単位重量あたりの静電容量は増加する傾向にあるが、それ以降は静電容量は然程増加せず、かえって電極合材層の密度が低下し、静電容量密度が低下する傾向にある。また、活性炭が有する細孔のサイズは電解質イオンのサイズに適合していることがリチウムイオンキャパシタとしての特徴である急速充放電特性の面で好ましい。従って、電極活物質を適宜選択することで、所望の容量密度、入出力特性を有する電極合材層を得ることができる。
複合粒子を電気二重層キャパシタの電極材料として用いる場合、正極活物質および負極活物質としては、リチウムイオンキャパシタ用正極活物質として例示された材料をいずれも使用することができる。
複合粒子に用いられる結着材としては、前記電極活物質を相互に結着させることができる化合物であれば特に制限はない。好適な結着材は、溶媒に分散する性質のある分散型結着材である。分散型結着材として、例えば、シリコン系重合体、フッ素含有重合体、共役ジエン系重合体、アクリレート系重合体、ポリイミド、ポリアミド、ポリウレタン等の高分子化合物が挙げられ、好ましくはフッ素系含有重合体、共役系ジエン重合体およびアクリレート系重合体、より好ましくは共役ジエン系重合体およびアクリレート系重合体が挙げられる。
共役ジエン系重合体は、共役ジエンの単独重合体もしくは共役ジエンを含む単量体混合物を重合して得られる共重合体、またはそれらの水素添加物である。前記単量体混合物における共役ジエンの割合は通常40重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上である。共役ジエン系重合体の具体例としては、ポリブタジエンやポリイソプレンなどの共役ジエン単独重合体;カルボキシ変性されていてもよいスチレン・ブタジエン共重合体(SBR)などの芳香族ビニル・共役ジエン共重合体;アクリロニトリル・ブタジエン共重合体(NBR)などのシアン化ビニル・共役ジエン共重合体;水素化SBR、水素化NBR等が挙げられる。
アクリレート系重合体は、一般式(1):CH=CR−COOR(式中、Rは水素原子またはメチル基を、Rはアルキル基またはシクロアルキル基を表す。Rはさらにエーテル基、水酸基、リン酸基、アミノ基を有していてもよい。)で表される化合物由来の単量体単位を含む重合体、具体的には、一般式(1)で表される化合物の単独重合体、または前記一般式(1)で表される化合物を含む単量体混合物を重合して得られる共重合体である。一般式(1)で表される化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、および(メタ)アクリル酸トリデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等のエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸等のカルボン酸含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル等のフッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸リン酸エチル等のリン酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等のアミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル;等が挙げられる。
これら(メタ)アクリル酸エステルは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、および(メタ)アクリル酸n―ブチルやアルキル基の炭素数が6〜12である(メタ)アクリル酸アルキルエステルがより好ましい。これらを選択することにより、電解液に対する膨潤性の低くすることが可能となり、サイクル特性を向上させることができる。
さらに、アクリレート系重合体は、たとえば、2つ以上の炭素−炭素二重結合を有するカルボン酸エステル類、芳香族ビニル系単量体、アミド系単量体、オレフィン類、ジエン系単量体、ビニルケトン類、複素環含有ビニル化合物などの、共重合可能な単量体を共重合することもできる。また、α,β−不飽和ニトリル化合物や酸成分を有するビニル化合物を共重合することもできる。
アクリレート系重合体中における(メタ)アクリル酸エステル単位の含有割合は、好ましくは50〜95重量%であり、より好ましくは60〜90重量%である。(メタ)アクリル酸エステル単位の含有割合を上記範囲とすることにより、電極とした際における柔軟性を向上させることができ、割れに対する耐性を高いものとすることができる。
α,β−不飽和ニトリル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−ブロモアクリロニトリルなどが挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが好ましく、アクリロニトリルがより好ましい。
アクリレート系重合体中におけるα,β−不飽和ニトリル化合物単位の含有割合は、通常0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜30重量%、より好ましくは1〜20重量部の範囲である。α,β−不飽和ニトリル化合物単位の含有割合を上記範囲とすることにより、結着材としての結着力をより高めることができる。
酸成分を有するビニル化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸が好ましく、メタクリル酸、イタコン酸がより好ましく、特に、メタクリル酸とイタコン酸とを併用して用いることが好ましい。
アクリレート系重合体における酸成分を有するビニルモノマー単位の含有割合は、好ましくは1.0〜10重量%であり、より好ましくは1.5〜5.0重量%である。酸成分を有するビニルモノマー単位の含有割合を上記範囲とすることにより、スラリーとした際における安定性を向上させることができる。
分散型結着材の形状は、特に制限はないが、粒子状であることが好ましい。粒子状であることにより、結着性が良く、また、作製した電極の容量の低下や充放電の繰り返しによる劣化を抑えることができる。粒子状の結着材としては、例えば、ラテックスのごとき結着材の粒子が水に分散した状態のものや、このような分散液を乾燥して得られる粒子状のものが挙げられる。
分散型結着材の体積平均粒子径は、好ましくは0.001〜100μm、より好ましくは10〜1000nm、さらに好ましくは50〜500nmである。分散型結着材粒子の平均粒子径を上記範囲とすることにより、スラリーとした際における安定性を良好なものとしながら、得られる電極としての強度及び柔軟性が良好となる。
結着材の量は、電極活物質100重量部に対して、乾燥重量基準で通常は0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜20重量部、より好ましくは1〜15重量部である。結着材の量がこの範囲にあると、得られる電極合材層と集電体との密着性が充分に確保でき、かつ、内部抵抗を低くすることができる。
複合粒子には、前述のように必要に応じて分散剤を用いてもよい。分散剤の具体例としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系ポリマー、ならびにこれらのアンモニウム塩またはアルカリ金属塩、アルギン酸プロピレングリコールエステルなどのアルギン酸エステル、ならびにアルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸塩、ポリアクリル酸、およびポリアクリル酸(またはメタクリル酸)ナトリウムなどのポリアクリル酸(またはメタクリル酸)塩、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリカルボン酸、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、各種変性デンプン、キチン、キトサン誘導体などが挙げられる。これらの分散剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。中でも、セルロース系ポリマーが好ましく、カルボキシメチルセルロースまたはそのアンモニウム塩もしくはアルカリ金属塩が特に好ましい。これらの分散剤の使用量は、本発明の効果を損ねない範囲であれば格別な限定はないが、電極活物質100重量部に対して、通常は0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部、より好ましくは0.8〜2重量部の範囲である。
複合粒子には、前述のように必要に応じて導電材を用いてもよい。導電材の具体例としては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、及びケッチェンブラック(アクゾノーベル ケミカルズ ベスローテン フェンノートシャップ社の登録商標)などの導電性カーボンブラックが挙げられる。これらの中でも、アセチレンブラックおよびケッチェンブラックが好ましい。
導電材の体積平均粒子径は、電極活物質の体積平均粒子径よりも小さいものが好ましく、その範囲は通常0.001〜10μm、好ましくは0.05〜5μm、より好ましくは0.01〜1μmである。導電材の体積平均粒子径がこの範囲にあると、より少ない使用量で高い導電性が得られる。これらの導電材は、単独でまたは二種類以上を組み合わせて用いることができる。
これらの導電材の使用量は、本発明の効果を損ねない範囲であれば格別な限定はないが、電極活物質100重量部に対して、好ましくは0.1〜50重量部、より好ましくは0.5〜15重量部、さらに好ましくは1〜10重量部である。導電材の含有割合を上記範囲とすることにより、得られる電気化学素子の電気容量を高く保ちながら、内部抵抗を十分に低減することが可能となる。
複合粒子は、電極活物質、結着材および必要に応じ添加される前記導電材等他の成分を用いて造粒することにより得られ、少なくとも電極活物質、結着材を含んでなるが、前記のそれぞれが個別に独立した粒子として存在するのではなく、構成成分である電極活物質、結着材を含む2成分以上によって一粒子を形成するものである。具体的には、前記2成分以上の個々の粒子の複数個が結合して二次粒子を形成しており、複数個(好ましくは数個〜数十個)の電極活物質が、結着材によって結着されて粒子を形成しているものが好ましい。
複合粒子の形状は、流動性の観点から実質的に球形であることが好ましい。すなわち、複合粒子の短軸径をL、長軸径をL、L=(L+L)/2とし、(1−(L−L)/L)×100の値を球形度(%)としたとき、球形度が80%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。
ここで、短軸径Lおよび長軸径Lは、走査型電子顕微鏡写真像より測定される値である。
複合粒子の体積平均粒子径は、通常0.1〜1000μm、好ましくは1〜200μm、より好ましくは30〜150μmの範囲である。複合粒子の体積平均粒子径をこの範囲にすることにより、所望の厚みの電極合材層を容易に得ることができるため好ましい。
なお、複合粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(たとえば、SALD−3100;島津製作所製)にて測定し、算出される体積平均粒子径である。
また、複合粒子としての構造は特に限定されないが、結着材が複合粒子の表面に偏在することなく、複合粒子内に均一に分散する構造が好ましい。
複合粒子の製造方法は特に限定されないが、次に述べる二つの製造方法によって複合粒子を容易に得ることができる。
複合粒子の第一の製造方法は、流動層造粒法である。流動層造粒法は、結着材、および必要に応じて導電材、分散剤やその他の添加剤を含有するスラリーを得る工程、加熱された気流中に電極活物質を流動させ、そこに前記スラリーを噴霧し、電極活物質同士を結着させると共に乾燥する工程を有するものである。以下、流動層造粒法について説明する。
(流動層造粒法)
先ず結着材、および必要に応じて導電材、分散剤やその他の添加剤を含有するスラリーを得る。スラリーを得るために用いる溶媒として、最も好適には水が用いられるが、有機溶媒を用いることもできる。有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどのアルキルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのアルキルケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム等のエーテル類;ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPということがある。)、ジメチルイミダゾリジノン等のアミド類などが挙げられるが、アルキルアルコール類が好ましい。水よりも沸点の低い有機溶媒を併用すると、流動造粒時に、乾燥速度を速くすることができる。また、水よりも沸点の低い有機溶媒を併用すると、結着材の分散性又は溶解型樹脂の溶解性が変わると共に、スラリーの粘度や流動性を溶媒の量又は種類によって調製できるので、生産効率を向上させることができる。
スラリーを調製するときに使用する溶媒の量は、スラリーの固形分濃度が、通常は1〜50重量%、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%の範囲となるような量である。溶媒の量がこの範囲にあるときに、結着材が均一に分散するため好適である。
結着材、必要に応じて導電材、分散剤やその他の添加剤を溶媒に分散又は溶解する方法又は手順は特に限定されず、例えば、溶媒に結着材、導電材、分散剤やその他の添加剤を添加し混合する方法、溶媒に分散剤を溶解した後、溶媒に分散させた結着材(例えば、ラテックス)を添加して混合し、最後に導電材やその他の添加剤を添加して混合する方法、溶媒に溶解させた分散剤に導電材を添加して混合し、それに溶媒に分散させた結着材を添加して混合する方法などが挙げられる。混合の手段としては、例えば、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、顔料分散機、らい潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサーなどの混合機器が挙げられる。混合は、通常、室温〜80℃の範囲で、10分〜数時間行う。
次に電極活物質を流動化させ、そこに前記スラリーを噴霧して、流動造粒する。流動造粒としては、流動層によるもの、変形流動層によるもの、噴流層によるものなどが挙げられる。流動層によるものは、熱風で電極活物質を流動化させ、これにスプレー等から前記スラリーを噴霧して凝集造粒を行う方法である。変形流動層によるものは、前記流動層と同様であるが、層内の粉体に循環流を与え、かつ分級効果を利用して比較的大きく成長した造粒物を排出させる方法である。また、噴流層によるものは、噴流層の特徴を利用して粗い粒子にスプレー等からのスラリーを付着させ、同時に乾燥させながら造粒する方法である。本発明における複合粒子の製造方法としては、この3つ方式のうち流動層又は変形流動層によるものが好ましい。
噴霧されるスラリーの温度は、通常は室温であるが、加温して室温以上にしたものであってもよい。流動化に用いる熱風の温度は、通常70〜300℃、好ましくは80〜200℃である。
以上の製造方法によって、電極活物質、結着材および必要に応じて導電材、分散剤やその他の添加剤を含む複合粒子が得られる。
複合粒子の第二の製造方法は、噴霧乾燥造粒法である。以下に説明する噴霧乾燥造粒法によれば、本発明の複合粒子を比較的容易に得ることができるため、好ましい。以下、噴霧乾燥造粒法について説明する。
(噴霧乾燥造粒法)
まず、電極活物質、結着材を含有する複合粒子用スラリーを調製する。複合粒子用スラリーは、電極活物質、結着材、ならびに必要に応じて添加される導電材を、溶媒に分散又は溶解させることにより調製することができる。なお、この場合において、結着材が分散媒としての水に分散されたものである場合には、水に分散させた状態で添加することができる。
複合粒子用スラリーを得るために用いる溶媒としては、通常、水が用いられるが、水と有機溶媒との混合溶媒を用いてもよい。この場合に用いることができる有機溶媒としては、たとえば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルキルアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のアルキルケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム等のエーテル類、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン等のアミド類等が挙げられる。これらのなかでも、アルコール類が好ましい。水と、水よりも沸点の低い有機溶媒とを併用することにより、噴霧乾燥時に、乾燥速度を速くすることができる。また、これにより、複合粒子用スラリーの粘度や流動性を調整することができ、生産効率を向上させることができる。
また、複合粒子用スラリーの粘度は、室温において、好ましくは10〜3,000mPa・s、より好ましくは30〜1,500mPa・s、さらに好ましくは50〜1,000mPa・sの範囲である。複合粒子用スラリーの粘度がこの範囲にあると、噴霧乾燥造粒工程の生産性を上げることができる。
また、本発明においては、複合粒子用スラリーを調製する際に、必要に応じて、分散剤や界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、ノニオニックアニオン等の両性の界面活性剤が挙げられるが、アニオン性又はノニオン性界面活性剤で熱分解しやすいものが好ましい。界面活性剤の配合量は、正極活物質100重量部に対して、好ましくは50重量部以下であり、より好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部である。
電極活物質、結着材、ならびに必要に応じて添加される導電材を溶媒に分散又は溶解する方法又は順番は、特に限定されない。また、混合装置としては、たとえば、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、顔料分散機、らい潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、ホモミキサー、プラネタリーミキサー等を用いることができる。混合は、通常、室温〜80℃の範囲で、10分〜数時間行う。
次いで、得られた複合粒子用スラリーを噴霧乾燥して造粒する。噴霧乾燥は、熱風中にスラリーを噴霧して乾燥する方法である。スラリーの噴霧に用いる装置としてアトマイザーが挙げられる。アトマイザーとしては、回転円盤方式と加圧方式との二種類の装置が挙げられ、回転円盤方式は、高速回転する円盤のほぼ中央にスラリーを導入し、円盤の遠心力によってスラリーが円盤の外に放たれ、その際にスラリーを霧状にする方式である。回転円盤方式において、円盤の回転速度は円盤の大きさに依存するが、通常は5,000〜30,000rpm、好ましくは15,000〜30,000rpmである。円盤の回転速度が低いほど、噴霧液滴が大きくなり、得られる複合粒子の平均粒子径が大きくなる。回転円盤方式のアトマイザーとしては、ピン型とベーン型が挙げられるが、好ましくはピン型アトマイザーである。ピン型アトマイザーは、噴霧盤を用いた遠心式の噴霧装置の一種であり、該噴霧盤が上下取付円板の間にその周縁に沿ったほぼ同心円上に着脱自在に複数の噴霧用コロを取り付けたもので構成されている。複合粒子用スラリーは噴霧盤中央から導入され、遠心力によって噴霧用コロに付着し、コロ表面を外側へと移動し、最後にコロ表面から離れ噴霧される。一方、加圧方式は、複合粒子用スラリーを加圧してノズルから霧状にして乾燥する方式である。
噴霧される複合粒子用スラリーの温度は、通常は室温であるが、加温して室温より高い温度としてもよい。また、噴霧乾燥時の熱風温度は、通常80〜250℃、好ましくは100〜200℃である。噴霧乾燥法において、熱風の吹き込み方法は特に制限されず、たとえば、熱風と噴霧方向が横方向に並流する方式、乾燥塔頂部で噴霧され熱風と共に下降する方式、噴霧した滴と熱風が向流接触する方式、噴霧した滴が最初熱風と並流し次いで重力落下して向流接触する方式等が挙げられる。
なお、噴霧方法としては、電極活物質、結着材を有する複合粒子用スラリーを、一括して噴霧する方法以外にも、結着材および必要に応じてその他添加剤を含有するスラリーを、流動している電極活物質に噴霧する方法も用いることができる。粒子径制御の容易性、生産性、粒子径分布が小さくできる、などの観点から、複合粒子の成分等に応じて最適な方法を適宜選択すればよい。
乾式成形法により製造される電極合材層は、上述した複合粒子を含んでなる。複合粒子は、単独で又は必要に応じて他の結着材やその他の添加剤を含有させることで、目的の物性を有する電極合材層を得ることができる。電極合材層中に含有される複合粒子の含有量は、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。
必要に応じて用いられる他の結着材としては、たとえば、上述した複合粒子に含有される結着材を用いることができる。複合粒子は、すでに結着材を含有しているため、電極合材層を製造する際に、他の結着材を別途添加する必要はないが、複合粒子同士の結着力をより高めるために他の結着材を添加してもよい。また、他の結着材を添加する場合における該他の結着材の添加量は、複合粒子中の結着材との合計で、電極活物質100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。また、その他の添加剤としては、水やアルコールなどの成形助剤等が挙げられ、これらは、本発明の効果を損なわない量を適宜選択して加えることができる。
この実施の形態に係る粉体圧延装置2においては、一対のロール4A,4Bの幅方向両端部の膜厚の増大を抑制し膜厚精度を向上させた圧延シート20を製造することができる。
なお、粉体8から圧延シート20を圧延成形する際に、バックアップ基材の一面または両面に圧延シートの圧延成形を行ってもよい。ここで、バックアップ基材としては、薄いフィルム状の基材であればよく、通常、厚さ1μm〜1000μm、好ましくは5μm〜800μmである。バックアップ基材としては、アルミニウム、銅、ステンレス、鉄などの金属箔または紙、天然繊維、高分子繊維、布帛、高分子樹脂フィルムなどが挙げられ、目的に応じて適宜選択することができる。高分子樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂フィルム、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリ塩化ビニル、アラミドフィルム、PEN、PEEK等を含んで構成されるプラスチックフィルム、シート等が挙げられる。また、バックアップ基材の表面には塗膜処理、穴あけ加工、バフ加工、サンドブラスト加工及び/又はエッチング加工等の処理が施されていても良い。バックアップ基材表面に接着剤等を塗布した基材は、シート状粉体を強固に保持することができるため、特に好ましい。
また、前述したように、粉体8として電極活物質を含む複合粒子を用い、圧延シートとして電極材料から成る電極層を製造する場合に、得られる電極層の厚みとしては、好ましくは10〜1000μm、より好ましくは20〜500μmである。
また、上述の実施の形態においては、ホッパー6を構成するサイド板10a,10bのサイド板下部100a,100bが、一対のロール4A,4Bの軸方向外側にそれぞれ屈曲しているが、図3に示すように、ホッパー6を構成するサイド板11a,11bのサイド板下部110a,110bが、一対のロール4A,4Bの軸方向内側にそれぞれ屈曲するようにしてもよい。なお、図3においては、ロール4B、ホッパー6のロール4B側の側壁の図示を省略している。この場合においては、一対のロール4A,4Bの両端部上に、一対のロール4A,4Bの軸方向内側に屈曲したサイド板下部110a,110bが位置していることから、サイド板からロール軸方向内側に向かって粉体の流動が発生することで、一対のロール4A,4Bの両端部に、粉体8の自重によりかかる圧力を減少させることができる。即ち、サイド板下部110a,110bは圧力低減構造として機能する。従って、一対のロール4A,4Bにより粉体8を咬み込み圧延シート20を製造する際に圧延シート20の幅方向両端部における膜厚の増大を防止することができ、圧延シート20の幅方向における膜厚を均一にすることができる。
また、図4に示すように、ホッパー6を構成するサイド板12a,12bのそれぞれの内壁の下部に円柱状の凸部120a,120bを設けてもよい。ここで凸部120a,120bの形状は三角柱、四角柱等形状は適宜選択可能である。なお、図4においては、ロール4B、ホッパー6のロール4B側の側壁の図示を省略している。これら場合においても一対のロール4A,4Bの両端部上には、サイド板12a、12bに設けられた凸部120a、120bが位置していることから、この部分における一対のロール4A,4Bの両端部に圧力を作用させる粉体8の高さが低くなり、一対のロール4A,4Bの両端部に、粉体8の自重によりかかる圧力を減少させることができる。即ち、凸部120a,120bは圧力低減構造として機能する。従って、一対のロール4A,4Bにより粉体8を咬み込み圧延シート20を製造する際に圧延シート20の幅方向両端部における膜厚の増大を防止することができ、圧延シート20の幅方向における膜厚を均一にすることができる。
また、図5に示すように、ホッパー6を構成するサイド板10a,10bのそれぞれの近傍の一対のロール4A,4B間の上部に棒状部材30a,30bを配置してもよい。なお、図5においては、ロール4B、ホッパー6のロール4B側の側壁の図示を省略している。また後述の図6においても同様である。この場合においても一対のロール4A,4Bの両端部上には、棒状部材30a,30bが位置していることから、この部分における一対のロール4A,4Bの両端部に圧力を作用させる粉体8の高さが低くなり、一対のロール4A,4Bの両端部に、粉体8の自重によりかかる圧力を減少させることができる。即ち、棒状部材30a,30bは圧力低減構造として機能する。ここで、棒状部材30a,30bの上下方向の位置を変更することにより一対のロール4A,4Bの両端部に圧力を作用させる粉体8の高さを変更することができるため、圧延シート20の幅方向の両端部における膜厚を調整することができる。従って、一対のロール4A,4Bにより粉体8を咬み込み圧延シート20を製造する際に圧延シート20の幅方向両端部における膜厚の増大を防止することができ、圧延シート20の幅方向における膜厚を均一にすることができる。
更に、図6に示すように、棒状部材30a,30bの間に、棒状部材30c〜30eを配置してもよい。この場合においては、棒状部材30a〜30eのそれぞれの上下方向の位置を変更することにより一対のロール4A,4Bに圧力を作用させる粉体8の高さを部分的に変更することができ、圧延シート20の幅方向における膜厚を部分的に調整することができる。従って、一対のロール4A,4Bにより粉体8を咬み込み圧延シート20を製造する際に圧延シート20の幅方向における膜厚を均一にすることができる。
また、図7に示すように、ホッパー6を構成するサイド板10a,10bのそれぞれの内側にサイド板32a,32bを更に設け、サイド板32aと32bの間の粉体8の高さに比較して、サイド板10aとサイド板32a、サイド板10bとサイド板32bの間の粉体8の高さを低くするようにしてもよい。なお、図7においては、ロール4B、ホッパー6のロール4B側の側壁の図示を省略している。この場合においても一対のロール4A,4Bの両端部上における粉体8の高さが低くなり、一対のロール4A,4Bの両端部に、粉体8の自重によりかかる圧力を減少させることができる。従って、一対のロール4A,4Bにより粉体8を咬み込み圧延シート20を製造する際に圧延シート20の幅方向両端部における膜厚の増大を防止することができ、圧延シート20の幅方向における膜厚を均一にすることができる。
2…粉体圧延装置、4…圧縮ロール、4A,4B…ロール、6…ホッパー、8…粉体、10a,10b…サイド板、100a,100b…サイド板下部

Claims (8)

  1. 回転軸が平行で互いに逆向きに回転する一対のロールと、
    前記一対のロール上に設けられたホッパーと、
    前記一対のロールの両端部にかかる前記粉体の圧力を低減させる低減構造と
    を備えることを特徴とする粉体圧延装置。
  2. 前記ホッパーは、前記一対のロールの両端部にそれぞれ設けられたサイド板を備え、
    前記低減構造は、前記サイド板の下部に設けられた前記ホッパーの外側に屈曲した屈曲部を備えることを特徴とする請求項1記載の粉体圧延装置。
  3. 前記ホッパーは、前記一対のロールの両端部にそれぞれ設けられたサイド板を備え、
    前記低減構造は、前記サイド板の下部に設けられた前記ホッパーの内側に屈曲した屈曲部を備えることを特徴とする請求項1記載の粉体圧延装置。
  4. 前記ホッパーは、前記一対のロールの両端部にそれぞれ設けられたサイド板を備え、
    前記低減構造は、前記ホッパー内の前記サイド板の下部に設けられた凸部を備えることを特徴とする請求項1記載の粉体圧延装置。
  5. 前記低減構造は、前記ホッパー内の前記一対のロール間の上部であって前記サイド板の近傍にそれぞれ配置された棒状部材を備えることを特徴とする請求項1記載の粉体圧延装置。
  6. 前記サイド板の近傍にそれぞれ配置された前記棒状部材の間に、更に少なくとも1つの棒状部材を備えることを特徴とする請求項5記載の粉体圧延装置。
  7. 前記ホッパーは、前記一対のロールの両端部にそれぞれ設けられたサイド板を備え、
    前記低減構造は、前記サイド板の内側にそれぞれ更に設けられたサイド板を備えることを特徴とする請求項1記載の粉体圧延装置。
  8. 請求項1〜7の何れか一項に記載の粉体圧延装置を用いて、前記ホッパーから供給された前記粉体を前記一対のロールで圧延し圧延シートを製造することを特徴とする圧延シートの製造方法。
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