JP2013060834A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】機関の自動停止による燃費向上と同自動停止による再生処理の開始遅れの抑制とを好適に行うことのできる内燃機関の排気浄化装置を提供する。
【解決手段】自動停止が行われるエンジン1には、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタ32が備えられている。制御装置25は、機関の暖機が完了するとフィルタ32の再生処理の実行を許可する。そして、制御装置25は、機関水温が所定の判定温度以下のときには機関の自動停止の実行を禁止する。その判定温度は、フィルタ32に堆積した粒子状物質の堆積量が多いほど高くされる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動停止が行われる内燃機関の排気浄化装置に関するものである。
所定の停止条件が成立したときに自動停止を行い、所定の始動条件が成立したときに自動始動を行う内燃機関が知られている。例えば特許文献1に記載の内燃機関では、車両の停止中に自動停止を行い、車両の発進時に自動始動を行う、いわゆるアイドリングストップ制御を行うようにしている。この特許文献1に記載の装置では、機関水温が所定温度以下のとき、アイドリングストップの実行を禁止するようにしている。
特開2004−176602号公報
他方、内燃機関の排気通路に設けられる排気浄化装置として、排気中のPM(Particulate Matter:粒子状物質)を捕集するフィルタを備える装置が知られている。この排気浄化装置では、フィルタに捕集されたPMの量が増大するにつれて同フィルタの圧力損失が増大し、機関出力等に悪影響を与えるようになる。そこで、フィルタに堆積したPMの量が予め設定された量に達すると、フィルタの温度を高めることで捕集されたPMを燃焼させる、いわゆる再生処理が行われる。
この再生処理では、排気系への燃料添加等によって排気の温度が高められることによりフィルタの温度が昇温される。ここで、機関の暖機が完了する前は排気の温度が低いため、再生処理によるフィルタの昇温が進みにくい。そこで、機関の暖機が完了するとフィルタの再生処理の実行が許可される。
ところで、上述したような機関の自動停止が行われると燃費は向上するが、機関の暖機は進みにくくなるため、再生処理の実行が許可されるタイミングが遅くなり、同再生処理の開始遅れが生じやすくなる。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、機関の自動停止による燃費向上と同自動停止による再生処理の開始遅れの抑制とを好適に行うことのできる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、自動停止が行われる内燃機関に適用されて、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタを備え、機関の暖機が完了すると前記フィルタの再生処理の実行が許可される内燃機関の排気浄化装置であって、機関水温が所定の判定温度以下のときには前記自動停止の実行を禁止するとともに、前記判定温度を前記フィルタに堆積した粒子状物質の堆積量に応じて可変設定することを要旨とする。
同構成では、機関水温が所定の判定温度以下のときには機関の自動停止の実行を禁止するようにしている。従って、機関水温が比較的低い機関の暖機途中では、上記判定温度が高いほど自動停止は禁止されやすくなり、機関の暖機が促進される。一方、同判定温度が低いほど自動停止は実行されやすくなり、燃費の向上が図られる。このように判定温度を変更することで燃費を優先させたり、暖機を優先させる、つまり再生処理の開始遅れの抑制を優先させたりすることができる。
ここで、同構成では、再生処理の優先度と密接に関係するPMの堆積量に応じて判定温度を可変設定するようにしている。そのため、再生処理の開始遅れの抑制を優先させるという再生処理の優先度が高いとき、つまり暖機の優先度が高いときには、自動停止が禁止されやすいように判定温度を比較的高い温度に設定することが可能になる。一方、再生処理の優先度が低いとき、つまり暖機の優先度が低いときには自動停止が実行されやすいように判定温度を比較的低い温度に設定して燃費を優先させることが可能になる。従って、同構成によれば、機関の自動停止による燃費向上と同自動停止による再生処理の開始遅れの抑制とを好適に行うことができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記堆積量が多いほど前記判定温度は高くされることを要旨とする。
同構成によれば、機関の暖機途中において、PMの堆積量が多く再生処理の優先度が高いときほど自動停止は禁止されやすくなるため、上記作用効果を好適に得ることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記堆積量が所定の量を超えたときには、前記フィルタの再生を促すために警報を発する警告器を備え、前記堆積量が前記所定の量を超えた後の前記判定温度は、前記堆積量が前記所定の量を超える前の前記判定温度よりも高くされることを要旨とする。
同構成によれば、PMの堆積量が所定の量を超えた後の上記判定温度は、PMの堆積量が同所定の量を超える前の上記判定温度よりも高くされるため、PMの堆積量が所定の量を超えた後では自動停止が禁止されやすくなり、同自動停止の実行頻度が低くなる。
ここで同構成では、判定温度が変更されたことにより自動停止の実行頻度が低くなっているときには、上記警告器による警告が発せられる。従って、当該排気浄化装置を備える車両の運転者等に、現在、自動停止の実行頻度が低くなっている理由がフィルタの再生処理を優先させているためであることを知らせることができる。
なお、同構成での警報としては、光や音、あるいは振動等による警報を行うことができる。
本発明にかかる内燃機関の排気浄化装置の第1実施形態について、これが適用される内燃機関及びその周辺構成を示す概略図。 同実施形態におけるアイドリングストップの禁止処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態におけるPM堆積量と禁止温度との関係を示すグラフ。 第2実施形態におけるアイドリングストップの禁止処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態におけるPM堆積量と禁止温度との関係を示すグラフ。
(第1実施形態)
以下、この発明にかかる内燃機関の排気浄化装置をディーゼルエンジンの排気浄化装置に具体化した第1実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
図1に示すように、エンジン1には複数の気筒#1〜#4が設けられている。シリンダヘッド2には複数の燃料噴射弁4a〜4dが取り付けられている。これら燃料噴射弁4a〜4dは各気筒#1〜#4の燃焼室に燃料を噴射する。また、シリンダヘッド2には、外気を気筒内に導入するための吸気ポートと燃焼ガスを気筒外へ排出するための排気ポート6a〜6dとが各気筒#1〜#4に対応して設けられている。
燃料噴射弁4a〜4dは、高圧燃料を蓄圧するコモンレール9に接続されている。コモンレール9はサプライポンプ10に接続されている。サプライポンプ10は燃料タンク内の燃料を吸入するとともにコモンレール9に高圧燃料を供給する。コモンレール9に供給された高圧燃料は、各燃料噴射弁4a〜4dの開弁時に同燃料噴射弁4a〜4dから気筒内に噴射される。
吸気ポートにはインテークマニホールド7が接続されている。インテークマニホールド7は吸気通路3に接続されている。この吸気通路3内には吸入空気量を調整するための吸気絞り弁16が設けられている。
排気ポート6a〜6dにはエキゾーストマニホールド8が接続されている。エキゾーストマニホールド8は排気通路26に接続されている。
排気通路26の途中には、排気成分を浄化する触媒装置30が設けられている。この触媒装置30の内部には、排気の流れ方向に対して直列に酸化触媒31及びフィルタ32が配設されている。
酸化触媒31には、排気中のHCを酸化処理する触媒が担持されている。また、フィルタ32は、排気中のPM(粒子状物質)を捕集する部材であって、多孔質のセラミックで構成されており、排気中のPMは多孔質の壁を通過する際に捕集される。
また、シリンダヘッド2には、酸化触媒31やフィルタ32に添加剤として燃料を供給するために燃料添加弁5が設けられている。この燃料添加弁5は、燃料供給管27を介して前記サプライポンプ10に接続されており、同燃料添加弁5からは第4気筒#4の排気ポート6d内に向けて燃料が噴射される。この噴射された燃料は、排気とともに酸化触媒31やフィルタ32に到達する。なお、燃料添加弁5の配設位置は、排気系にあって触媒装置30の上流側であれば適宜変更するも可能である。
この他、エンジン1には排気還流機構(以下、EGR装置という)が備えられている。このEGR装置は、吸入空気に排気の一部を導入することで気筒内の燃焼温度を低下させてNOxの発生量を低減させる装置である。この装置は吸気通路3と排気通路26とを連通するEGR通路13、同EGR通路13に設けられたEGR弁15、EGRクーラ14等により構成されている。EGR弁15はその開度を調整することにより排気通路26から吸気通路3に導入される排気の還流量、すなわちEGR量EKを調整する。EGRクーラ14はEGR通路13内を流れる排気の温度を低下させる。またEGR弁15にはEGR弁開度センサ22が配設されており、このEGR弁開度センサ22によりEGR弁15の開度、すなわちEGR弁開度EAが検出される。EGR弁15の開度は、機関運転状態に基づいて設定されるEGR率に対応した開度となるように制御される。なお、EGR率が高いほどEGR弁15の開度は大きくされ、これによりEGR量EKは増大される。ちなみに、EGR率とは、「気筒内に流入するEGR量/(気筒内に流入する新気量+気筒内に流入するEGR量)」で求められる値である。
また、エンジン1は排気圧を利用して気筒に導入される吸入空気を過給するターボチャージャ11を備えている。吸気側タービンと吸気絞り弁16との間の吸気通路3には、このターボチャージャ11の過給により温度が上昇する吸入空気の温度を低下させるため、インタークーラ18が備えられている。
エンジン1には、機関運転状態を検出するための各種センサが取り付けられている。例えば、エアフロメータ19は吸気通路3内の吸入空気量GAを検出する。絞り弁センサ20は吸気絞り弁16の開度である絞り弁開度TAを検出する。酸化触媒31の排気下流側に設けられた第1温度センサ33は、酸化触媒31を通過した直後の排気の温度である第1排気温度Thiを測定する。酸化触媒31の排気下流側に設けられたフィルタ32の排気下流側に設けられた第2温度センサ34は、フィルタ32を通過した直後の排気の温度である第2排気温度Thoを検出する。機関回転速度センサ23はクランクシャフトの回転速度、すなわち機関回転速度NEを検出する。アクセルセンサ24はアクセルペダルの踏み込み量、すなわちアクセル操作量ACCPを検出する。水温センサ40は、エンジン1の冷却水の温度である機関水温THWを検出する。空燃比センサ21は排気の空燃比λを検出する。
これら各種センサの出力は制御装置25に入力される。この制御装置25は、中央処理制御装置(CPU)、各種プログラムやマップ等を予め記憶した読出専用メモリ(ROM)、CPUの演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)、タイマカウンタ、入力インターフェース、出力インターフェース等を備えたマイクロコンピュータを中心に構成されている。そして、この制御装置25により、例えば、燃料噴射弁4a〜4dの燃料噴射量制御や燃料噴射時期制御、サプライポンプ10の吐出圧力制御、吸気絞り弁16を開閉するアクチュエータ17の駆動量制御、EGR弁15の開度制御、燃料添加弁5の噴射制御等、エンジン1の各種制御が行われる。また、制御装置25は、フィルタ32に捕集されたPMを燃焼させるフィルタの再生処理等といった各種の排気浄化制御を行う。そして、制御装置25には、所定の条件が成立したときに点灯されるDPFランプ100が接続されている。
フィルタ32の再生処理は周知であるため、以下では、その概要を説明する。この再生処理では、機関運転状態等に基づいてフィルタ32のPM堆積量PMsが推定される。そして推定されたPM堆積量PMsが所定の第1判定値PMs1を超えると、PM再生の要求が行われる。こうしたPM再生要求があると、燃料添加弁5から添加剤として燃料が噴射される。この噴射された燃料は酸化触媒31で酸化され、この酸化熱によって排気が昇温される。酸化触媒31にて昇温された排気がフィルタ32に流れ込むと、同フィルタ32の温度上昇が促進されてPMの再生可能温度に達し、これによりフィルタ32に捕集されたPMは、酸化されたり燃焼されたりして減少していく。こうした昇温処理を通じてフィルタ32に捕集されたPMが減少していき、PM堆積量PMsが所定の値にまで低下すると、燃料添加弁5からの燃料添加が終了されて、フィルタ32の再生処理は終了する。なお、機関の暖機が完了する前は排気の温度が低いため、上記再生処理によるフィルタ32の昇温が進みにくい。そこで、上記再生処理の実行は、機関の暖機が完了してから許可される。
また、制御装置25は、エンジン1の自動停止及び自動始動制御を行う。この自動停止及び自動始動制御も周知であるため、以下では、その概要を説明する。自動停止制御では、車速が「0」であって、アクセルペダルが踏み込まれていないときに、エンジン1が自動的に停止される。また、自動始動制御では、自動停止の実行中において機関水温THWが第1判定温度THs1以上であって、かつアクセルペダルが踏み込まれると、エンジン1が自動的に再始動される。なお、再始動時の機関水温が低すぎると、機関始動に時間がかかり車両の速やかな発進等が妨げられるおそれがある。そこで、上記第1判定温度THs1としては、機関の暖気完了を判定できる第3判定温度THs3(例えば70°C程度)よりも低い温度であって、再始動を速やかに行うことが可能な温度(例えば15°C程度)の値が設定されている。
このように本実施形態のエンジン1では、いわゆるアイドリングストップ制御が行われるのであるが、特定の条件が成立するときには、機関の自動停止であるアイドリングストップの実行を禁止するようにしている。
以下、図2及び図3を参照して、アイドリングストップの禁止処理についてその手順を説明する。なお、本処理は、制御装置25によって所定周期毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されるとまず、上述したようなPM再生要求があるか否かが判定され(S100)、PM再生要求がないときには(S100:NO)、アイドリングストップの実行が許可されて(S140)、本処理は一旦終了される。
一方、PM再生要求があるときには(S100:YES)、現在のPM堆積量PMsに基づいて禁止温度THsが設定される(S110)。この禁止温度THsは、アイドリングストップを禁止するか否かを判定する閾値であり、機関水温THWが禁止温度THsよりも低いときには、アイドリングストップの実行が禁止される。そして、図3に示すように、禁止温度THsは、PM堆積量PMsが多いほど高くなるように可変設定される。
より詳細には、PM堆積量PMsが上記第1判定値PMs1に達するまでは、禁止温度THsとして上記第1判定温度THs1に設定される。また、PM堆積量PMsが上記第1判定値PMs1よりも多い第2判定値PMs2に達した以降は、禁止温度THsとして上記第3判定温度THs3が設定される。そして、PM堆積量PMsが上記第1判定値PMs1と第2判定値PMs2との間にあるときは、禁止温度THsとして上記第1判定温度THs1と上記第3判定温度THs3との間の温度である第2判定温度THs2(例えば40°C程度)が設定される。
こうしてPM堆積量PMsに基づき禁止温度THsが設定されると、現在の機関水温THWが禁止温度THsよりも低いか否かが判定され(S120)、機関水温THWが禁止温度THs以上のときは(S120:NO)、アイドリングストップの実行が許可されて(S140)、本処理は一旦終了される。
一方、機関水温THWが禁止温度THsよりも低いときは(S120:YES)、アイドリングストップの実行が禁止されて(S130)、本処理は一旦終了される。
次に、本実施形態の作用を説明する。
上述したアイドリングストップが行われると燃費は向上するが、機関の暖機は進みにくくなる。ここで、フィルタ32の再生処理は、機関の暖機が完了していることを1つの条件としているため、アイドリングストップが行われると再生処理の実行が許可されるタイミングが遅くなり、同再生処理の開始遅れが生じやすくなる。
そこで本実施形態では、機関水温THWが禁止温度THsよりも低いときにはアイドリングストップの実行を禁止するようにしている。従って、機関水温THWが比較的低い機関の暖機途中では、禁止温度THsが高いほど自動停止は禁止されやすくなり、機関の暖機が促進される。一方、禁止温度THsが低いほど自動停止は実行されやすくなり、燃費の向上が図られる。このように禁止温度THsを変更することで燃費を優先させたり、暖機を優先させる、つまり再生処理の開始遅れの抑制を優先させたりすることができる。
ここで、PM堆積量PMsが多くなるにつれてフィルタ32の再生処理の優先度は高くなる。そして、上記禁止温度THsは、再生処理の優先度と密接に関係するPM堆積量PMsに応じて可変設定される。より詳細には、PM堆積量PMsが多いほど禁止温度THsは高くされることにより、エンジン1の暖機途中において、PM堆積量PMsが多く再生処理の優先度が高いときほど自動停止は禁止されやすくなる。
このように再生処理の開始遅れの抑制を優先させるという再生処理の優先度が高いとき、つまり暖機の優先度が高いときには、自動停止が禁止されやすいように禁止温度THsが比較的高い温度に設定される。
一方、再生処理の優先度が低いとき、つまり暖機の優先度が低いときには自動停止が実行されやすいように禁止温度THsが比較的低い温度に設定されて燃費が優先される。従って、アイドリングストップによる燃費向上とアイドリングストップによる再生処理の開始遅れの抑制とが、再生処理の優先度合に応じて適切に行われる。
以上説明したように、本実施形態によれば、次の効果を得ることができる。
(1)機関水温THWが禁止温度THsよりも低いときにはアイドリングストップの実行を禁止するようにしており、その禁止温度THsをPM堆積量PMsに応じて可変設定するようにしている。より詳細には、PM堆積量PMsが多いほど禁止温度THsは高くなるように可変設定するようにしている。従って、アイドリングストップによる燃費向上とアイドリングストップによる再生処理の開始遅れの抑制とを、再生処理の優先度合に応じて好適に行うことができるようになる。
(第2実施形態)
以下、この発明にかかる内燃機関の排気浄化装置をディーゼルエンジンの排気浄化装置に具体化した第2実施形態について、図4及び図5を参照して説明する。
第1実施形態では、禁止温度THsとして第1〜第3判定温度という3段階の判定温度を設定するようにしたが、本実施形態ではより簡易的に2段階の判定温度を設定している。また、図2に示した第1実施形態での禁止処理に新たな処理ステップを追加するようにしている。以下、こうした第1実施形態との相異点を中心に、本実施形態を説明する。
図4に、本実施形態でのアイドリングストップの禁止処理についてその手順を示す。なお、本処理も、制御装置25によって所定周期毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されるとまず、上述したようなPM再生要求があるか否かが判定され(S100)、PM再生要求がないときには(S100:NO)、アイドリングストップの実行が許可されて(S140)、本処理は一旦終了される。
一方、PM再生要求があるときには(S100:YES)、現在のPM堆積量PMsが上記第2判定値PMs2を超えているか否かが判定される(S200)。
そして、PM堆積量PMsが同第2判定値PMs2を超えているときには(S200:YES)、現在のPM堆積量PMsが、PM再生要求がなされる第1判定値PMs1よりも多くなっており、再生処理を優先して行う必要があると判断される。なお、PM堆積量PMsが第2判定値PMs2を超える状況とは、例えばPM堆積量PMsが上記第1判定値PMs1に達した段階で種々の条件が整わなかったことにより再生処理が行われなかった場合などが挙げられる。そして、ステップS200にて肯定判定されるときには、フィルタ32の再生を促すために警報を発する警告器が作動される。より具体的には上記DPFランプが点灯される(S210)。
こうしてDPFランプが点灯されたり、あるいはステップS200で否定判定されると、現在のPM堆積量PMsに基づいて禁止温度THsが設定される(S110)。この禁止温度THsも、アイドリングストップを禁止するか否かを判定する閾値であり、機関水温THWが禁止温度THsよりも低いときには、アイドリングストップの実行が禁止される。そして、図5に示すように、禁止温度THsは、PM堆積量PMsが多いときにはそうでないときに比較して高くなるように可変設定される。
より詳細には、PM堆積量PMsが上記第2判定値PMs2に達するまでは、禁止温度THsとして上記第1判定温度THs1に設定される。そして、PM堆積量PMsが同第2判定値PMs2に達した以降は、禁止温度THsとして、第1判定温度THs1よりも高い上記第3判定温度THs3が設定される。
こうしてPM堆積量PMsに基づき禁止温度THsが設定されると、現在の機関水温THWが禁止温度THsよりも低いか否かが判定され(S120)、機関水温THWが禁止温度THs以上のときは(S120:NO)、アイドリングストップの実行が許可されて(S140)、本処理は一旦終了される。
一方、機関水温THWが禁止温度THsよりも低いときは(S120:YES)、アイドリングストップの実行が禁止されて(S130)、本処理は一旦終了される。
次に、本実施形態における特有の作用を説明する。
まず、PM堆積量PMsが第2判定値PMs2を超えた後の上記禁止温度THs(=第3判定温度THs3)は、PM堆積量PMsが第2判定値PMs2を超える前の禁止温度THs(第1判定温度THs1)よりも高くされる。そのため、PM堆積量PMsが第2判定値PMs2を超えた後ではアイドリングストップが禁止されやすくなり、同アイドリングストップの実行頻度が低くなる。
ここで、PM堆積量PMsが第2判定値PMs2を超えるとDPFランプ100が点灯されるため、禁止温度THsが変更されたことによりアイドリングストップの実行頻度が低くなっているときには、DPFランプ100による警告が発せられることになる。従って、当該排気浄化装置を備える車両の運転者等に、現在、アイドリングストップの実行頻度が低くなっている理由がフィルタ32の再生処理を優先させているためであることを知らせることができる。そのため、アイドリングストップが行われるエンジン1でアイドリングストップの実行頻度が低下すると、運転者等に対して違和感を与えるおそれがあるが、本実施形態ではそのようなときにDPFランプ100が点灯しているため、運転者等が感じる違和感を低減させることも可能になる。
以上説明したように、本実施形態によれば、上記(1)に準ずる効果に加えて、さらに次の効果を得ることができる。
(2)PM堆積量PMsが第2判定値PMs2を超えたときには、フィルタ32の再生を促すために警報を発するDPFランプ100を備えるようにしている。そして、PM堆積量PMsが第2判定値PMs2を超えた後の禁止温度THsは、PM堆積量PMsが第2判定値PMs2を超える前の禁止温度THsよりも高くなるようにしている。従って、禁止温度THsが変更されたことにより自動停止の実行頻度が低くなっているときには、当該排気浄化装置を備える車両の運転者等に、現在、自動停止の実行頻度が低くなっている理由がフィルタ32の再生処理を優先させているためであることを知らせることができるようになる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・上述した第1判定温度THs1、第2判定温度THs2、及び第3判定温度THs3の具体的な温度は一例であり、適宜変更することができる。
・第1実施形態において、PM堆積量PMsが第2判定値PMs2を超えたとき、あるいはPM堆積量PMsが第1判定値PMs1を超えたときに、DPFランプ100を点灯させるようにしてもよい。
・第2実施形態では、PM堆積量PMsが第2判定値PMs2を超えたとき、DPFランプ100を点灯させることにより、フィルタ32の再生を促すための警報を発するようにした。この他、音や振動等によって警報を発するようにしてもよい。
・第1実施形態では禁止温度THsが3段階に変更されるようにし、第2実施形態では2段階に変更されるようにしたが、より多くの段数に変更されるようにしてもよい。また、階段状ではなく、PM堆積量PMsに応じて連続的に禁止温度THsが変更されるようにしてもよい。
・機関の自動停止制御として、車速が「0」のときに実行されるアイドリングストップ制御を行うようにした。この他、例えば内燃機関と電動機とを備えるハイブリット車両のように、車速が「0」以外のときでも機関を自動停止させるものにも本発明は同様に適用することができる。
・フィルタ32の昇温を図るための燃料を燃料添加弁5から供給するようにした。この他、燃料噴射弁4a〜4dによるポスト噴射(メイン噴射の実行時期から遅れた時期に再度行われる燃料噴射)を実行することで、フィルタ32の昇温を図るようにしてもよい。また、燃料添加弁5による燃料供給とポスト噴射による燃料供給と併用するようにしてもよい。
・上記添加剤はエンジン1の燃料であったが、これと同様な作用が得られる添加剤であればどのようなものでもよい。
・触媒装置30内に配設される触媒やフィルタの数は任意にすることができる。例えば、フィルタ32のみを備えているものでも本発明は同様に適用することができる。
・酸化触媒31の代わりにNOx浄化触媒を備えるようにしてもよい。
・上記エンジン1は、直列4気筒の内燃機関であったが、その他の気筒数や気筒配列を備える内燃機関の排気浄化装置にも、本発明は同様に適用することができる。
1…エンジン、2…シリンダヘッド、3…吸気通路、4a〜4d…燃料噴射弁、5…噴射ノズル、6a〜6d…排気ポート、7…インテークマニホールド、8…エキゾーストマニホールド、9…コモンレール、10…サプライポンプ、11…ターボチャージャ、13…EGR通路、14…EGRクーラ、15…EGR弁、16…スロットル弁、17…アクチュエータ、18…インタークーラ、19…エアフロメータ、20…スロットル開度センサ、21…空燃比センサ、22…EGR弁開度センサ、23…機関回転速度センサ、24…アクセルセンサ、25…制御装置、26…排気通路、27…燃料供給管、30…触媒装置、31…酸化触媒、32…フィルタ、33…第1温度センサ、34…第2温度センサ、40…水温センサ、100…DPFランプ。

Claims (3)

  1. 自動停止が行われる内燃機関に適用されて、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタを備え、機関の暖機が完了すると前記フィルタの再生処理の実行が許可される内燃機関の排気浄化装置であって、
    機関水温が所定の判定温度以下のときには前記自動停止の実行を禁止するとともに、前記判定温度を前記フィルタに堆積した粒子状物質の堆積量に応じて可変設定する
    ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記堆積量が多いほど前記判定温度は高くされる
    請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記堆積量が所定の量を超えたときには、前記フィルタの再生を促すために警報を発する警告器を備え、
    前記堆積量が前記所定の量を超えた後の前記判定温度は、前記堆積量が前記所定の量を超える前の前記判定温度よりも高くされる
    請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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