JP2013060258A - スクリュー搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コンベアの搬送速度がスクリュー本体の搬送速度より卓越し、折曲ガイドをスクリュー本体の直交方向に向けて移動可能に設置し、スクリュー本体の入口部の谷径を他の部位より小径に形成して、折曲ガイドとの間に対向距離の等しい搬送空間を形成した。
【選択図】図1
Description
図8を参照して説明すると、従来のスクリュー搬送装置はらせん状のスクリュー70と、該スクリュー70に並設した直線ガイド73とを具備している。
スクリュー70はその全長に亘って形成したらせん状の羽根71と、羽根71の間に形成したらせん溝72とを有する。
らせん溝72は被搬送物74を収容可能な谷径d2と山径d1を有し、スターホイール75へ向けた被搬送物74の供給速度と供給間隔が漸増するように、そのリードとピッチが形成されている。
谷径d2と山径d1はスクリュー70の全長に亘ってそれぞれ等しい。
<1>スクリュー70のらせん溝72の溝幅Aを、基本的に被搬送物74の径B(横断寸法)に合わせて形成してあるため、一本のスクリュー70で搬送できる被搬送物74の寸法範囲がきわめて小さい。
図9を参照して詳しく説明する。同図のスクリュー70は直径Xの被搬送物74Sを搬送するためのもので、このスクリュー70で直径2Xの被搬送物74Lの搬送に兼用しようとした場合を例にすると、直径2Xの被搬送物74Lを搬送するためにはらせん溝72を斜線で示した範囲を広げる必要があるが、溝幅を広げると、直径Xの被搬送物74Sの密着した周面間に入り込むための入口部側のらせん状の羽根71(ねじ山)が削り取られてなくなってしまい、直径Xの被搬送物74Sを引き離すことができなくなる。つまり被搬送物74Sの搬送が不能となる。
被搬送物74の兼用率は最小径の被搬送物74Sの密着した周面の間に入れるらせん状の羽根71の始端側が、被搬送物74を滞留させるることができる山高さを維持できる範囲となる。
スクリュー70の谷径d2と山径d1の寸法等により兼用率が若干変わるが、従来は兼用率が最大で1.4倍が限界とされていた。
<2>一台のマシンで異なる径の被搬送物74を取り扱えれば、多種少数生産への対応性がよくなる。
上記した<1>の理由から、一台のマシンで異なる径の被搬送物74に対応するには、径の異なる被搬送物74に対応した複数サイズのスクリュー70を保有すればよいが、パーツコストが嵩む問題と保管スペース確保の問題がある。
さらに、スクリュー70の交換に多くの時間と労力を要し、その間はマシンの運転停止を強いられて運転効率が悪くなるといった問題もある。
<3>スクリュー兼用率を高める手段として、らせん溝72の溝幅Aを被搬送物74の径Bに対して大きめに形成する方法が試みられている(特許文献2)。
この方法は、らせん溝72と被搬送物74との間に大きな隙間(A−B)を生じるため、搬送中において被搬送物74が前後に傾倒したり、小刻みな揺れを繰り返したりする。被搬送物74に傾倒や小刻みな揺れを生じると、被搬送物74の供給精度に悪影響を及ぼすだけでなく、被搬送物74の損傷原因となる。
上述した理由から、らせん溝72の溝幅Aを大きくすることには限界がある。
<4>従来のスクリューは兼用率が低いだけでなく、兼用タイプのスクリューは搬送速度も低速を強いられ、被搬送物74の搬送処理効率が悪かった。
生産効率を向上するためには、被搬送物74の搬送速度の高速化に対応可能で、かつスクリュー兼用率をさらに増大させる技術の提案が求められている。
<1>スクリューの兼用率の向上と、搬送速度の高速化の両立を図ること。
<2>多種少数生産の対応性に優れること。
<3>低コスト化を図ること。
本願の第2発明は、前記第1発明において、前記スクリュー本体は入口部を小径に形成した異径軸と、入口部を除いた異径軸の外周面に形成したらせん状の羽根とにより構成し、前記異径軸は入口部の範囲に亘って形成した小径軸と、前記他の部位に亘って形成した大径軸とにより構成し、前記小径軸と大径軸との間に段差面を形成し、前記大径軸の外周面と羽根の側面との間に一定溝幅のらせん溝を形成したことを特徴とする。
本願の第3発明は、前記第1発明または第2発明において、前記折曲ガイドは少なくともガイド面の一部にスクリュー本体の軸心に対して傾斜する傾斜ガイドを形成したことを特徴とする。
本願の第4発明は、前記スクリュー本体は小径軸の搬送方向上流側にテーパ軸を一体に形成したことを特徴とする。
<1>折曲ガイドをスクリュー本体の直交方向に向けて移動可能に設置するとともに、スクリュー本体の入口部の谷径を他の部位より小径に形成して、折曲ガイドとの間に対向距離の等しい搬送空間を形成するだけで、スクリューの兼用率の向上と、被搬送物の搬送速度の高速化の両立を図ることができる。
<2>一台のスクリュー搬送装置で異径の被搬送物を安定して搬送できて、多種少数生産の対応性に優れる。
<3>スクリュー本体の交換が不要であるので、多数のスクリュー本体を保管する必要もなくなり、装置の低コスト化が図れる。
<4>折曲ガイドをスライド調整するだけで異形の被搬送物へ変更できるから、変更に要する時間を大幅に短縮できて、生産効率の低下を回避できる。
<5>スクリュー本体の小径軸の搬送方向上流側にテーパ軸を一体に形成すれば、被搬送物が扁平形や角形であっても、被搬送物の噛み込みを防止して円滑に搬送することができる。
図1にスクリュー搬送装置10の平面モデル図を示し、図2にその横断面図を示し、図3にコンベアを省略したスクリュー搬送装置10の平面モデル図を示す。
本例では便宜上、被搬送物74が断面円形を呈する場合について説明するが、被搬送物74の断面形状に楕円形や多角形等の公知の形状を含むものである。
スクリュー本体20は異径軸21と、異径軸21の周面に形成されたらせん状の羽根25とよりなり、スクリュー本体20の左方から右方へ向けて順に入口部20a、変速部20bおよび出口部20cを形成している。
入口部20a、変速部20bおよび出口部20cの各長さは、スクリュー搬送装置10の使途に応じて適宜選択可能である。
以下にスクリュー本体20の各部について詳説する。
従来のスクリュー本体はらせん溝の谷径がスクリュー本体の全長に亘って同径であったが、本発明ではスクリュー本体20のらせん溝26の入口側の谷径を異径に形成する。
すなわち、本発明では入口部20aの範囲に亘って形成した小径軸21aと、変速部20bおよび出口部20cの範囲に亘って形成した大径軸21bとにより異径軸21を構成する。
小径軸21aはその軸径d3が均一であり、大径軸21bもその軸径d4が均一である。
すなわち、本発明では、小径軸21aと大径軸21bの間の段差面21cで被搬送物74を滞留させ(進行を遅らせる)、この間に被搬送物74をスクリュー本体20の軸心と直交する方向に変位させて、密着した被搬送物74の周面間にらせん状の羽根25を入り込ませるようにした。
換言すれば小径軸21aと大径軸21bの間の段差面21cの形成範囲に亘り径が漸増変化していて、被搬送物74を小径軸21aから大径軸21bへ円滑に移行できるようになっている。
「径が漸増変化する」とは、テーパ面を意味するものではなく、その外周面が軸心との平行性を保ったまま拡径する面を意味する。
換言すれば、被搬送物74の径の影響を受けずに隣接して供給される被搬送物74を搬送方向と直交する方向へずらして引き離すようにすることでスクリュー本体20の兼用率を高めるためである。
スクリュー本体20の入口部20aは小径軸21aの周面に羽根がなく、小径軸21aのみで構成する。
らせん状の羽根25の山径d5は、始端部を除いて変速部20bおよび出口部20cの範囲に亘ってそれぞれ均一である。
大径軸21bの外周面と羽根25の側面との間には、谷径d4の連続したらせん溝26が形成されている。
らせん溝26の谷径d4は、変速部20bおよび出口部20cの範囲に亘ってそれぞれ均一である。
図3を参照してらせん溝26の溝幅Aと被搬送物74の関係について説明する。
符号74Lは搬送可能な最大径B1の被搬送物を示し、符号74Sは搬送可能な最小径B2の被搬送物を示す。
らせん溝72の溝幅Aはらせん溝72の全長に亘って変化し、搬送可能な最大径B1の被搬送物74Lは勿論のこと、最小径B2の被搬送物74Sも収容可能な寸法と深さを有している。
図1,2において、コンベア40の上方にはスクリュー本体20と平行に折曲ガイド30が配置されている。
スクリュー本体20と向かい合って配置された折曲ガイド30は、スクリュー本体20の入口部20aから出口部20cの受け渡しポジションの手前まで伸びている板製や棒製のガイド部材で、スクリュー本体20との対向面には折曲ガイド30の左方から右方へ向けて順に入口ガイド31、傾斜ガイド32、出口直線ガイド33を連続して形成している。
折曲ガイド30はスクリュー本体20の直交方向に向けてスライド移動が可能で、被搬送物74の径に応じて折曲ガイド30とスクリュー本体20との対向距離を調節することができる。
折曲ガイド30はスクリュー本体20の異径軸21の軸径変化に対応したガイド面を有している。
図3を参照して折曲ガイド30のガイド面について詳しく説明する。
本例では、入口ガイド31と出口直線ガイド33は共にスクリュー本体20の軸心と平行であり、傾斜ガイド32はスクリュー本体20の軸心に対して傾斜角θを介して傾斜していて、これらの連続したガイド31〜33が被搬送物74のガイド面として機能する。
折曲ガイド30とスクリュー本体20との相対的な位置関係について説明すると、折曲ガイド30の入口ガイド31はスクリュー本体20の入口部20aの搬送方向上流側に位置し、傾斜ガイド32はスクリュー本体20の入口部20aから変速部20bの始端部にかけて対向して位置し、出口直線ガイド33はスクリュー本体20の変速部20bに対向して位置する。
また折曲ガイド30とスクリュー本体20の対向間隔について説明すると、入口ガイド31と入口部20aとの間隔L1と、出口直線ガイド33と変速部20bとの間隔L2はほぼ等しく形成してあって、スクリュー本体20と折曲ガイド30との間で被搬送物74を円滑に搬送できるようになっている。
図1,2に示すように、コンベア40は一方向へ向けて回転する公知のコンベアである。
本発明では、異径の被搬送物74の搬送に対応するため、コンベア40の搬送速度が、スクリュー搬送装置10の搬送速度に対して僅かに速く設定されている。
コンベア40の搬送速度をスクリュー本体20の搬送速度より卓越するように速度差を設けたのは、らせん状の羽根25の移送側(下流側)の側面に被搬送物74を当接させた状態を維持して、被搬送物74の傾倒やガタツキを防止するためである。
つぎにスクリュー搬送装置10による異径の被搬送物74の搬送方法について説明する。
図1において、スクリュー搬送装置10が運転を開始すると、コンベア40に搭載されて直進する被搬送物74は、被搬送物74の径に合わせて予めスライド調整済の折曲ガイド30とスクリュー本体20の入口側の搬送空間に達する。
この間、後行する被搬送物74はスクリュー本体20の段差面21cに滞留される。
らせん溝26に収容された先行する被搬送物74は折曲ガイド30の出口直線ガイド33にガイドされて図面右方へ搬送される。
本発明では、図3で説明したようにスクリュー本体20の入口側の軸を異径に形成するとともに、この異径軸21の径差に対応するように折曲ガイド30の一部に傾斜ガイド32を形成してある。
したがって、大径サイズの被搬送物74(74L)から小径サイズの被搬送物74(74S)へ変更する場合には、図5に示すように、小径サイズの被搬送物74に合わせて折曲ガイド30をスクリュー本体20の接近方向に平行移動するだけの簡単な操作を行うだけで、異径の被搬送物74(74S)の供給が可能となる。
したがって、被搬送物74の高速搬送が可能となる。
したがって、パーツコストの問題や保管スペースの問題も解消できる。
さらに折曲ガイド30のスライド調整は短時間で行えるから、マシンの運転停止時間を非常に短縮できて運転効率への影響が少なくて済む。
図3に示すように、スクリュー本体20の兼用率は、基本的に異径軸21の大径軸21bと小径軸21aの軸径差(d4−d3)、及び最大径、最小径の比率によるリード構成等により求められる。
例えば、小径軸21aの軸径を40mm、大径軸21bの軸径を65mmとした場合、被搬送物74Lの最大径B2は80mm、被搬送物74Sの最小径B2は40mmとなって、スクリュー本体20の兼用率を2.0にすることができる。
したがって、スクリューの兼用率の向上を図ることが可能となる。
らせん溝72の収容形状は、搬送可能な最大径B1と最小径B2の被搬送物74L、74Sを収容して搬送可能な形状であればよい。
すなわち、本例におけるスクリュー本体20は異径軸21と、異径軸21の周面に形成されたらせん状の羽根25とにより構成し、異径軸21を構成する小径軸21aの終端と大径軸21bの始端との間に、被搬送物74を滞留させてスクリュー本体20の直交方向に向けて変位させるための段差面21cを形成していて、この段差面21cの終端部かららせん状の羽根25の形成を開始している。
テーパ軸22の左方の最大径は小径軸21aより大きく、テーパ軸21dの右方の最小径は小径軸21aと等しい。
スクリュー本体20の入口部に相当する異径軸21の始端側にテーパ軸22がないと、スクリュー本体20の軸心と平行に供給した被搬送物74の先端側が入口部の小径軸21aの箇所で外方へせり出してガイドとの間で噛み込んでしまうおそれがある。
被搬送物74をスクリュー本体20の向心方向へ向けて傾けて供給すれば、被搬送物74の先端側が入口部の小径軸21aの箇所で外方へせり出すのを防止でき、これにより折曲ガイド30との間で被搬送物74の噛み込みを防止して円滑に搬送することができる。
20・・・・・スクリュー本体
20a・・・・入口部
20b・・・・変速部
20c・・・・出口部
21・・・・・異径軸
21a・・・・小径軸
21b・・・・大径軸
21c・・・・段差面
22・・・・・テーパ軸
25・・・・・らせん状の羽根
26・・・・・らせん溝
30・・・・・折曲ガイド
31・・・・・入口ガイド
32・・・・・傾斜ガイド
33・・・・・出口直線ガイド
40・・・・・コンベア
Claims (4)
- 複数の被搬送物を搭載するコンベアの上方に配置し、外周面にらせん溝を有するスクリュー本体と、前記コンベアの上方で、該スクリュー本体と対向して配置した折曲ガイドとを具備し、スクリュー本体のらせん溝内に被搬送物を収容して搬送するスクリュー搬送装置であって、
コンベアの搬送速度がスクリュー本体の搬送速度より卓越し、
前記折曲ガイドを前記スクリュー本体の直交方向に向けて移動可能に設置し、
前記スクリュー本体の入口部の谷径を他の部位より小径にした異径軸を形成し、
前記異径軸の間に被搬送物を滞留させる段差面を形成したことを特徴とする、
スクリュー搬送装置。 - 前記スクリュー本体は入口部を小径に形成した異径軸と、入口部を除いた異径軸の外周面に形成したらせん状の羽根とにより構成し、前記異径軸は入口部の範囲に亘って形成した小径軸と、前記他の部位に亘って形成した大径軸とにより構成し、前記小径軸と大径軸との間に段差面を形成し、前記大径軸の外周面と羽根の側面との間に一定溝幅のらせん溝を形成したことを特徴とする、請求項1に記載のスクリュー搬送装置。
- 前記折曲ガイドは少なくともガイド面の一部にスクリュー本体の軸心に対して傾斜する傾斜ガイドを形成したことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のスクリュー搬送装置。
- 前記スクリュー本体は小径軸の搬送方向上流側にテーパ軸を一体に形成したことを特徴とする、請求項2または請求項3に記載のスクリュー搬送装置。
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