JP2013059738A - ろ布走行型フィルタープレスにおける付着ろ布の引き剥し方法並びに引き剥し装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ろ布26の仮想移動圏内にろ布26の上昇限位置を検知する検知装置LS1と、ろ布26の下降限位置を検知する検知装置LS2と、ろ布走行上昇限位置より若干上位に剥離用検知装置LS3をフロントフレーム2に配設し、剥離用検知装置LS3の検知信号により作動するろ布駆動用電動機8を接続して、ろ布26,26間に生成したケーキを排出する時に、若干ろ布26を上昇させた後に、ろ布26を降下させるもので、ろ板5に付着するろ布26を確実に引き剥がした後に、ろ布26を降下させることができる。
【選択図】 図7
Description
ろ板間に一対のろ布を配設して、ろ布の上端部を駆動チェーンに連結し、ろ板の前後のろ布の下端部をリターンロールに掛け回し駆動チェーンの他端に連結するろ布走行型フィルタープレスは、特許文献1に開示されているように公知である。
特許文献1のろ布の吊設装置は、ろ過中のろ布が前後のろ板に締付けられ原液の圧入圧で固液分離するため、開板しても一方のろ板に付着した状態となりやすい。特にろ布のシール漏れを防ぐためにろ板の周縁部に目止め加工を施したろ布や、ろ板の片方に圧搾脱水するためのダイアフラムを配設したろ布は、ろ板への付着が頻繁に発生する。
ろ布がろ板に付着した状態で、ろ布を下方に走行させるため駆動輪を回転させると、駆動チェーンに連結する上部ろ布芯金が下降し、下部ろ布芯金は上昇する。ろ布はろ板に付着しているため下降しないが、ろ板下方のリターンロールに掛け回したろ布は緩みを持たせており、ろ布張りの緩みなど各部の緩みがろ板上部の駆動輪に集約され、駆動チェーンがたくれる。その結果、駆動チェーンに緩みが発生して駆動輪から外れ、或は駆動チェーンの駒飛びが起きるトラブルが発生する。
この発明は、ろ布とろ板の付着に基づく駆動輪に巻き掛けた駆動チェーンのたくれ、緩みを防止して、駆動輪からの外れ、或は駆動チェーンの駒飛びが起きるトラブルを解消するろ布走行型フィルタープレスにおける付着ろ布の引き剥し方法、並びに引き剥し装置を提供する。
ケーキ排出のろ布下降の初期に、ろ布張りの緩みなど各部の緩みがろ板上部の駆動輪に集約されることがないので、駆動チェーンのたくれ、緩みが発生する恐れがなく、駆動チェーンの駒飛びが起きる等のトラブルを発生させることがなく、ろ板に付着したろ布を引き剥がすことができる。
図2はフィルタープレスのろ布駆動装置の要部平面図であって、リアーフレーム3に正逆転可能なろ布駆動用電動機8が載置してあり、左右に延設したろ布駆動用電動機8の駆動軸9がベアリングユニット10,10に支架されて、リアーフレーム3の両端部の架台11,11に配設したギアケース12,12に連結している。
並列したろ板5・・・の両肩部に沿って配設したスライドシャフト13,13がリアーフレーム3のギアケース12に連結されて、他端がフロントフレーム2の架台14に配設したベアリングユニット15に軸支している。
ろ布駆動用電動機8を駆動して、スライドシャフト13を正逆転させる。
図1に示す並列したろ板5・・・の上部に沿って配設したスライドシャフト13にろ板5の肩部に立設した一方の上部ブラケット17にベベルギア(図示せず)を内設したスライドメタル18を摺動可能に配設している。
ろ板5の上部ブラケット17に配設するスライドメタル18は、並列した前後のろ板5,5に、左右交互に配設している。
ろ板5の両肩部に立設した上部ブラケット17,17に支架したろ布駆動軸19がスライドメタル18を介してスライドシャフト13に連動連結してあり、ろ布駆動軸19の両端部に駆動輪20,20を嵌着している。
ろ板5の両端下部に垂下した下部ブラケット21,21に一対のリターンロール22,22が支架してあり、リターンロール22の下方近傍に洗浄水パイプ23を配設している。ろ板5の中央部にろ過床5aを形成して、上方中央部に原液供給口24と下部両端にろ液排出口25を開口している。
ろ布間のケーキを排出する時に、図2に示すろ布駆動用電動機8を正転させてスライドシャフト13を回転し、ろ板5の肩部の上部ブラケット17,17に支架したろ布駆動軸19に駆動力を伝達する。ろ板5の上部のろ布駆動軸19に嵌着した駆動輪20,20に掛け回した駆動チェーン35,35を回動させて、駆動チェーン35,35に吊設するろ布26,26を降下させてケーキを排出する。その後、ろ布駆動用電動機8を逆転してろ布26を上昇させ、ろ板5のろ過床5aの前面に復帰させる。
また、他方の検知用架台38には、検知装置LS1の上方に剥離用検知装置LS3を支架している。剥離用検知装置LS3は、ろ布26を下降する前にろ板5からろ布26を確実に剥離させるために、一旦ろ布26を上昇させる上限位置を検知する。
リミットスイッチLS2は、ろ板5,5間を開板してろ布26,26に生成したケーキを排出した後の一方のろ布26の下端に止着した下部ろ布芯金30の位置を検知して、ろ布26が所定の位置に下降しているか判断する。具体的には、リミットスイッチLS2をろ布26の仮想移動圏内に延設し、下部ろ布芯金30がリミットスイッチLS2に当接したことを検知して下降限位置を判断する。
ろ板5,5間を開板してろ布26,26間に生成したケーキを排出する時に、5〜100mm上方に一旦ろ布26を上昇させる。その際、一方のろ板5に付着しているろ布26は、上方に引っ張られながらろ板5から引き剥がされる。リミットスイッチLS3は、ろ布26,26を吊設する上部ろ布芯金28の位置を検知して、ろ布が所定の位置に上昇しているか判断する。具体的には、リミットスイッチLS3をろ布26の仮想移動圏内に延設し、上部ろ布芯金28がリミットスイッチLS3に当接したことを検知して上昇限位置を判断する。リミットスイッチLS3の検知信号を、リアーフレーム3に載置した正逆転可能なろ布駆動用電動機8に送信し、正逆転を切り替えてろ布26を下降させてケーキを排出する。
なお、剥離用検知装置LS3は必要に応じてリアーフレーム3、あるいはろ板5に配設してもよい。また、本実施例ではろ布26の位置検知に接触型のリミットスイッチを用いているが、非接触型の近接センサーを用いても構わない。
A.まず、一対のろ布26,26間に生成させたケーキを剥離するために、並列したろ板5・・・を開板する。その際、ろ布26は圧入開始位置に上昇している。
B.ろ布26,26間に生成したケーキの剥離工程を開始する。
C.ケーキ剥離工程の開始条件として、検知装置LS1がONであることを確認してからケーキ剥離工程を開始する。
D.検知装置LS1がONであれば、剥離工程開始となり、ろ布駆動用電動機8を逆転駆動する。
F.ろ布26を吊設する上部ろ布芯金28が検知装置SL1より若干上部に配設する剥離用検知装置SL3の検知杆を押上げて当接を検知し、検知信号をろ布駆動用電動機8に送信する。
G.剥離用検知装置SL3の検知信号により、ろ布駆動用電動機8が正転駆動を開始する。ろ板5,5に付着している状態でろ布26,26を降下させると、ろ布張りの緩みなど各部の緩みがろ板5上部の駆動輪20に集約され、駆動チェーン35のたくれ、緩みが発生して駆動輪20からの外れ、或は駆動チェーン35の駒飛びが起きるトラブルが発生する恐れがある。しかし、ろ布26を僅かに上昇させて、ろ板に付着したろ布26を確実に引き剥がした後に、ろ布26を降下させるので、駆動輪20に噛み合わせた駆動チェーン35のたくれ、緩みが発生しない。
H.ろ布26のろ布走行上昇限位置を検知する検知装置SL1にろ布26を吊設する上部ろ布芯金28が当接するが、この時は、検知装置LS1の作動如何にかかわらず、ろ布26は降下させる。
J.検知装置LS2の検知信号により、ろ布駆動用電動機8が逆転駆動を開始する。
K.ろ布駆動用電動機8の逆転駆動によりろ板5,5間のろ布26,26を上昇させる。
L.ろ布26の上昇限位置を検知する検知装置LS1にろ布26を吊設する上部ろ布芯金28を当接させて検知杆を押上げる。検知装置LS1からの検知信号によりろ布駆動用電動機8が停止する。その際、ろ布26は圧入開始位置に上昇している。
M.ケーキ剥離工程を完了する。その後、閉板、原液圧入、脱水工程へと移行し、脱水後、Aに戻る。
従って、この発明は、ろ布走行型フィルタープレスを使用する上水汚泥、下水汚泥、或いは、産業排水汚泥等に適用できる。
3 リアーフレーム
5 ろ板
8 ろ布駆動用電動機
20 駆動輪
22 リターンロール
26 ろ布
28 上部ろ布芯金
30 下部ろ布芯金
35 駆動チェーン
37,38 検知用架台
LS1,LS2 検知装置(リミットスイッチ)
LS3 剥離用検知装置(リミットスイッチ)
Claims (3)
- 開閉自在に並列したろ板(5,5)間に一対のろ布(26,26)を配設し、ろ布(26,26)を吊設する上部ろ布芯金(28)をろ板(5)の上方の駆動輪(20)に巻き掛けた駆動チェーン(35)に連結し、ろ布(26)の下縁部をろ板(5)の下方のリターンロール(22,22)に巻き掛けてろ布(26,26)の下端に止着する下部ろ布芯金(30,30)を駆動チェーン(35)の他端に連結してろ布(26)を昇降自在に吊設するフィルタープレスにおいて、ろ布(26,26)間に生成したケーキを排出する時に、若干ろ布(26)を上昇させて、ろ板(5)に付着するろ布(26)を引き剥がした後に、ろ布(26)を降下させてケーキを排出することを特徴とするろ布走行型フィルタープレスにおける付着ろ布の引き剥し方法。
- 開閉自在に並列したろ板(5,5)間に一対のろ布(26、26)を配設し、ろ布(26,26)を吊設する上部ろ布芯金(28)をろ板(5)の上方の駆動輪(20)に巻き掛けた駆動チェーン(35)に連結し、ろ布(26)の下縁部をろ板(5)の下方のリターンロール(22,22)に巻き掛けてろ布(26,26)の下端に止着する下部ろ布芯金(30,30)を駆動チェーン(35)の他端に連結してろ布(26)を昇降自在に吊設するフィルタープレスにおいて、ろ布(26)の圧入開始位置より上方に剥離用検知装置(LS3)を配設し、剥離用検知装置(LS3)の検知信号により作動するろ布駆動用電動機(8)を接続して、ろ布(26,26)間に生成したケーキを排出する時に、一旦ろ布(26,26)を上昇させた後に、ろ布(26)を吊設する上部ろ布芯金(28)を剥離用検知装置(LS3)により検知して、ろ布駆動用電動機(8)を逆転させてろ布(26)を降下させることを特徴とするろ布走行型フィルタープレスにおける付着ろ布の引き剥し装置。
- 前記フロントフレーム(2)に検知用架台(38)を立設し、検知用架台(38)にろ布(26)の圧入開始位置を検知する検知装置(LS1)より5mm〜100mm上方に剥離用検知装置(LS3)を支架し、ケーキ排出前にろ布(26)を若干上昇させることを特徴とする請求項2に記載のろ布走行型フィルタープレスにおける付着ろ布の引き剥し装置。
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