JP5333945B2 - フィルタープレスにおけるろ板開閉異常検出装置並びに制御方法 - Google Patents
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また、ベベルギアの摺動距離は、ろ板の枚数が増えて装置が大型化する程長くなるが、その太さはろ板の厚み、ろ板の開板ピッチ等でベベルギアの大きさが制限され、むやみに大きくすることができない。
具体的には、摺動部に異物が噛み込むことで摩擦抵抗が増大し、その結果、軸方向に作用するスラスト荷重の増加を検知するので、摺動部がかじりによって完全に動かなくなる前に運転を停止することができる。
したがって、摺動部に関連する機器の損傷を未然に防止でき、部品破損や分解修理、さらには長期間に亘る運転停止のリスクを軽減できる。定期的なメンテナンスだけでなく、摺動抵抗の増加をリアルタイムに検知できるので、臨時に摺動部を確認(異物の除去)することで、機器破損のリスクを低減できる。移動するろ板の数に影響を受けることがなく、精度のよい検知が可能である。
複数のろ板列の上方に、このろ板列に沿ってスライドシャフト9を設けてあり、スライドシャフト9には、ろ布7を吊設するベベルギアスライド10を軸方向に摺動自在に嵌入している。スライドシャフト9には軸方向の荷重を計測するための検出装置11を配設している。
リアーフレーム3には油圧シリンダー12を支架し、油圧シリンダー12を伸長させてムーバブルヘッド13をフロントフレーム2方向に押圧することによりろ板5を閉板し、閉板したろ板5,5間のろ過室8に原液を供給すれば、ろ液はろ布7を通過して外部に排出される。ろ布7で捕捉された固形物はケーキ層を形成しながら脱水される。
脱水終了後、油圧シリンダー12を収縮してろ板5を開板する。連結リンク41によって決められた所定の間隔で、各ろ板5を一斉に開板することができる。そして、ろ布駆動機14を作動させて、ろ布7を下降走行させながら脱水ケーキを排出するようにしている。
図2、3に示すように、フロントフレーム2両肩部に立設した一対のブラケット15,15に軸受16を介してスライドシャフト9を回動自在に支持している。ろ板5の開閉板移動の際に、スライドシャフト9に発生するスラスト荷重Fは軸受16を介してブラケット15にかかり、ブラケット15がスライドシャフト9の軸方向に撓む。このブラケット15に検出器17を配設し、ブラケット15の撓み量から荷重を検出している。
本実施例では検出器17に荷重変換器17を用いて、ブラケット15が撓む際に発生する荷重を検出しているが、スライドシャフト9を分割し、その分割面に検出器17を連結して、スライドシャフト9に発生するスラスト荷重Fを直接検出しても良い。
その力が軸受16を介してスライドシャフト9を支持しているブラケット15に伝達し、フロントフレーム2との固定部15bを支点にブラケット15が軸方向に撓む。ブラケット15とサポート18に橋架している荷重変換器17がブラケット15の撓みを検知し、撓み量からスライドシャフト9のスラスト荷重Fをリアルタイムに検出する。荷重変換器17で検出したスラスト荷重Fの電気信号は、フロントフレーム2上に設置しているターミナルボックス20を介して制御装置39に送信される。
スライドシャフト9にかじりや焼き付きが発生し、異常な摺動抵抗により荷重変換器17で検出したスラスト荷重Fが予め設定した開閉板基準値OF,CFよりも大きい場合は、警報を発するとともに、ろ板5の開閉板移動を停止するよう指示を出す。具体的には、ろ板5の開閉板移動を作動させる油圧シリンダー12の油圧ポンプ40の停止を実行する。尚、ろ板5の開閉板移動を電動機により作用させるフィルタープレス1については、電動機の停止を実行する。
ろ板5を移動させる油圧シリンダー12又は電動機の負荷を検知する方法は、移動するろ板5の枚数の変化に伴って負荷が変動するので、精度のよい検知ができないが、本願発明は、スライドシャフト9に発生する軸方向の荷重を計測するので、精度のよい検知が行えるものである。
上部吊設装置21aは、ろ板5の両肩部に立設された一対の上部ブラケット22,23と、これらに支架されたろ布駆動軸24と、ろ布駆動軸24の一端に連結され一方の上部ブラケット22に支架されたスライドギアハウジング19と、ろ布駆動軸24の両端部に嵌着された一対のスプロケット25とを備える。
上部ブラケット22は、ろ板5の一方の肩部に圧入された補強金26に取付ボルト27で止着されており、この上部ブラケット22の上端に、スライドギアハウジング19が支持されている。
スライドギアハウジング19を介してスライドシャフト9を支持する上部ブラケット22は、補強金26が圧入されていることにより十分な剛性を得たろ板5の肩部に立設されているので、ろ板5の開閉動作の際にスライドシャフト9とベベルギアスライド10との間に発生する摺動抵抗による繰返し荷重が掛かっても、上部ブラケット22と補強金26との間、補強金26とろ板5の肩部との間の締結部品が緩むことがなく、上部吊設装置21aの剛性が維持される。
スライドギアハウジング19及びこれを支持する上部ブラケット22,23は、閉板時に隣り合うろ板5の間で互いに干渉しないように、並列するろ板5の左右の肩部に交互に配設されている。このとき、各ろ板5のろ布駆動軸24のスプロケット25は、同一直線上に並ぶ。
尚、上部ブラケット22,23には、吊設された後述のろ布7の駆動チェーン32をガイドするチェーンガイドローラ25aが、ろ板5の下端には、同じく駆動チェーン32をガイドする金属板を折り曲げて形成したチェーンガイドプレート25bがそれぞれ設けられている。
このろ布駆動機14を駆動させることにより、左右のスライドシャフト9及びこれに連結させたすべてのろ布駆動軸24を所定量回転させて、並列したろ板5間のろ布7を一斉に昇降させることができる。
一対のろ布7の上方中央部には原液の給液板37が挟持されている。給液板37には、前面から後面に貫通する原液供給路37aと、この原液供給路37aの下側内周面から給液板37の下端に貫通する給液路37bとが設けられている。
ろ布7の上部ろ布芯金34に連結された駆動チェーン32は、前方のろ板5のろ布駆動軸24のスプロケット25に掛けまわされ、ろ板5の前面側に垂下される。垂下された駆動チェーン32は、チェーンガイドローラ25a及びチェーンガイドプレート25bに案内されてろ板5のシール面5a及びろ過床6に略平行に延び、ろ板5下部の2本のリターンロール30に掛けまわされたろ布7の下部ろ布芯金35に連結される。ここで、各ろ布7の下部ろ布芯金35は、駆動チェーン32のタイトナーボルト36に固定された吊金具38に係止されている。
並列したろ板5を閉板すると、前後のろ板5の凹所5bに、ろ布7に止着された給液板37が挟持され、一対のろ布7が前後のろ板5のろ過床6に張設されて、それらの間にろ過室8が画成される。
一対のろ布7,7のうち前方側のろ布7を、ろ布7の前方にあるろ板5の後方側のリターンロール30に巻き掛けて、そのろ布7の下部ろ布芯金35をろ板5の前面側に垂下した駆動チェーン32の下端に連結された吊金具38に係止する。また、ろ板5とその前列のろ板5との間に同様に垂下された一対のろ布7の後方側のろ布7をろ板5の前方側のリターンロール30に巻き掛けて、そのろ布7の下部ろ布芯金35を吊金具38に係止する。
この吊金具38の構成によれば、ろ布7の交換・取外し点検等の際にも、上述のようにろ布7の吊設・取外しを並列したろ板5の側方から容易に行うことができる。
並列したろ板5,5間のすべてのろ布7を一斉に走行させて、ろ布7間のケーキを自動的に排出するので、ケーキの排出操作の所要時間が短縮される。
ろ布7がリターンロール30において反転する際に、ろ布7の原液側ろ過面に向けて、洗浄管31から洗浄水を噴射する。これによりろ布7の目詰まりを解消することができる。このときノズル31aからはリターンロール30に向けて洗浄水を噴射する。これによりリターンロール30に付着した汚泥を洗い流すことができる。
このようにろ板5から外すことなく洗浄を行うことができるので、ろ過効率を低下させることなくフィルタープレス1の連続運転が可能となる。
ろ板5を開板する際には、油圧シリンダー12を収縮させ、ろ板5をリアーフレーム3側に移動させる。その際の摺動抵抗により、スライドシャフト9はリアーフレーム3側にスラスト荷重Fを受ける。そのスラスト荷重Fがブラケット15に伝達し、荷重変換器17にて約−0.5kNのスラスト荷重Fを検出している。
警報とともに運転が停止すれば摺動部の確認を行い、異物の除去、摩擦軽減剤の塗布等を行い、再度運転を再開する。
したがって、部品の破損・交換等により脱水機を長期間に亘って運転停止にすることがなく、安定した運転を行うことができる。
また、ケーキの排出操作の所要時間が短縮できるろ布走行型フィルタープレスであるので、大容量・高圧搾に対応できる有用な脱水機となるものである。
5 ろ板
7 ろ布
9 スライドシャフト
10 ベベルギアスライド
11 検出装置
15 ブラケット
17 検出器,荷重変換器
17a 検出部
17b 本体
18 サポート
39 制御装置
F スラスト荷重
CF 閉板基準値
OF 開板基準値
Claims (5)
- 開閉自在に並列した複数のろ板(5…)列の上方にスライドシャフト(9)を設け、ろ板(5)上部に配設したベベルギアスライド(10)をスライドシャフト(9)に軸線方向にのみ移動自在に嵌入し、各ろ板(5)間に設けたろ布(7)をベベルギアスライド(10)に連動連結し、スライドシャフト(9)を回転させることによってろ布(7)を上下に走行するようにしたろ布走行型フィルタープレスにおいて、
スライドシャフト(9)の一端に、ろ板(5…)列の開閉移動時にスライドシャフト(9)に作用するスラスト荷重(F)を検出する検出装置(11)と、
スラスト荷重(F)と予め設定した基準値(OF、CF)とを比較し、
スラスト荷重(F)の値が基準値(OF、CF)を超えた時に、ろ板(5)の開閉移動を停止させる制御装置(39)を備えることを特徴とするフィルタープレスにおけるろ板開閉異常検出装置。
- 上記スライドシャフト(9)の一端をフィルタープレス(1)のフロントフレーム(2)に立設したブラケット(15)に軸支し、このブラケット(15)に検出器(17)を配設したことを特徴とする請求項1に記載のフィルタープレスにおけるろ板開閉異常検出装置。
- 上記検出器(17)が荷重変換器(17)であり、荷重変換器(17)の検出部(17a)をブラケット(15)に配設すると共に、フロントフレーム(2)にサポート(18)を立設し、サポート(18)に荷重変換器(17)の本体(17b)を配設したことを特徴とする請求項2に記載のフィルタープレスにおけるろ板開閉異常検出装置。
- 上記スライドシャフト(9)を軸方向に分割し、分割面に検出器(17)を挿入連結したことを特徴とする請求項1に記載のフィルタープレスにおけるろ板開閉異常検出装置。
- 開閉自在に並列した複数のろ板(5…)列の上方にスライドシャフト(9)を設け、ろ板(5)上部に配設したベベルギアスライド(10)をスライドシャフト(9)に軸線方向にのみ移動自在に嵌入し、各ろ板(5)間に設けたろ布(7)をベベルギアスライド(10)に連動連結すると共に、スライドシャフト(9)の一端に、ろ板(5…)列の開閉移動時にスライドシャフト(9)に作用するスラスト荷重(F)を検出する検出装置(11)と、スラスト荷重(F)に基づいてろ板(5)の開閉移動を制御する制御装置(39)とを備えたろ布走行型フィルタープレスにおいて、
検出装置(11)により検出したスライドシャフト(9)に作用するスラスト荷重(F)と、予め設定した基準値(CF,OF)とを比較し、スラスト荷重(F)の値が基準値(CF,OF)を超えた時に、ろ板(5)の開閉移動を停止させることを特徴とするフィルタープレスにおけるろ板開閉異常検出装置の制御方法。
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