JP2013059545A - 熱中症警戒システム - Google Patents

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Abstract

【課題】所定の地域においていずれかの建物にて熱中症が発生した場合に、他の建物にて熱中症が発生することを好適に予防できる熱中症警戒システムを提供する。
【解決手段】分譲地10においては熱中症警戒処理を行う熱中症警戒システムが構築されている。熱中症警戒システムは、各建物11のホームサーバ21とスマートセンタ25の管理サーバ26とを有している。各ホームサーバ21は、それぞれの建物11において人が熱中症になったか否かを判定し、熱中症になった人がいる場合、環境改善処理を行うとともに管理サーバ26への通知処理を行う。管理サーバ26は、熱中症が発生した建物11についての熱中症発生環境へのなりやすさに基づいて、他の建物11のいずれかを警戒対象に設定し、警戒対象とした建物11において熱中症注意情報を報知する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱中症警戒システムに関するものである。
住宅等の建物において、人の健康管理を行うことができる健康管理システムが提案されている。例えば、ユーザの体温等の生体情報を取得するとともに、その生体情報に基づいてユーザの健康状態を判定し、さらにその健康状態に基づいて建物内の設備機器の運転を制御してユーザの健康維持を図るようにしたり、知人宅や病院への通報を行ったりする技術が提案されている(例えば特許文献1)。
また一方で、近年では、夏場等において熱中症の発生件数が増加する傾向にあり、健康管理のための一技術として熱中症の発生を監視する技術も提案されている。例えば、屋外の温度や湿度を監視し、その監視結果に基づいて熱中症発生の注意情報を所定の登録ユーザ等に携帯電話のメール等により発信する技術がある。
特開2009−240661号公報
ところで、上述したとおり熱中症発生の注意情報がメール等により発信される従来技術では、屋外が高温多湿であって熱中症発生の可能性が高い所定環境になると、注意情報が各登録ユーザに一様に発信されるものとなっており、例えば、高齢者など体力が弱まっている人を基準に熱中症発生の可能性が判断される。また、最近では、建物内にいる人についても熱中症発生の可能性が指摘されているが、その建物内にいる人に対して熱中症発生の注意情報を発信する際、熱中症発生の可能性は例えば築後年数が大きい古い建物(家屋)を基準に判断されると考えられる。
ここで、屋外が高温多湿の環境となっている状況下において、古い建物では、熱中症発生の可能性が高まっているのに対し、高気密・高断熱化されている近年の建物では、熱中症発生の可能性がさほど高くないといった事態が生じることが考えられる。かかる場合、高気密・高断熱の建物内にいる人にとっては、熱中症発生の注意情報が発信されたとしても、熱中症予防への関心が高められないことがあると考えられる。したがって、仮に異常な気温上昇等により高気密・高断熱の建物を含む全建物で熱中症発生の可能性が高まる状況になった場合に、高気密・高断熱の建物内での人の熱中症予防が不十分になることが懸念される。
本発明は、所定の地域においていずれかの建物にて熱中症が発生した場合に、他の建物にて熱中症が発生することを好適に予防できる熱中症警戒システムを提供することを主たる目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。
第1の発明の健康管理システムは、所定の警戒地域に設けられた複数の建物について熱中症の発生を警戒する熱中症警戒システムであって、前記複数の建物の各々において当該建物内にいる人が熱中症になっているか否かを判定する熱中症判定手段と、前記複数の建物の各々について熱中症の発生可能性の高い所定の熱中症発生環境へのなりやすさを定めておき、前記複数の建物のいずれかにおいて前記熱中症判定手段により熱中症発生の旨が判定された場合に、その熱中症発生の旨が判定された建物の前記熱中症発生環境へのなりやすさの情報に基づいて、他の建物のいずれかにおいて熱中症注意情報を報知させる報知手段と、を備えることを特徴とする。
熱中症は、気温や湿度等の屋外環境に応じてその発生確率が変わり、高温多湿になるほど発生確率が高まると考えられるが、警戒地域において各々個別に構築されている複数の建物を想定すると、それら各建物の構造や仕様等によっては屋外環境が同じであっても熱中症発生の可能性の高い環境(熱中症発生環境)になりやすい建物かそうでない建物かが相違する。例えば、木造在来構造か鉄骨構造かといった建物構造(建築構法)の違いや、屋根、外壁等の断熱構造に応じて、熱中症発生環境になりやすい建物かそうでない建物かが相違すると考えられる。換言すれば、各建物の構造や仕様が同等であれば、建物において熱中症発生環境へのなりやすさが同等であるとみなすことが考えられる。
第1の発明ではこの点に着眼し、複数の建物の各々について熱中症発生環境へのなりやすさを定めておき、複数の建物のいずれかにおいて熱中症発生の旨が判定された場合に、該熱中症発生の旨が判定された建物の熱中症発生環境へのなりやすさの情報に基づいて、他の建物のいずれかにおいて熱中症注意情報を報知させるようにした。これにより、いずれかの建物で熱中症が発生してしまった場合において、それ以外の全建物について一様に熱中症警戒のための報知処理が実施されるのではなく、各建物での熱中症発生環境へのなりやすさ(言うなれば熱中症発生の可能性)を考慮して熱中症警戒のための報知処理が適宜実施される。そしてこれにより、それ以後の熱中症発生の増加が抑制される。このとき、実際に熱中症が発生した建物よりも熱中症発生環境になりにくい建物においては不要な情報報知がなされないことになり、それゆえに、情報報知がなされた建物では熱中症予防に対する関心が一層高められることとなる。その結果、所定の地域においていずれかの建物にて熱中症が発生した場合に、他の建物にて熱中症が発生することを好適に予防できる。
第2の発明では、前記報知手段は、前記複数の建物のいずれかにおいて前記熱中症判定手段により熱中症発生の旨が判定された場合に、前記熱中症発生環境へのなりやすさが同等の他の建物において熱中症注意情報を報知させる。
熱中症発生環境へのなりやすさが同等(所定の同等範囲内)である2以上の建物について言えば、そのうちいずれかの建物で熱中症が発生すると、それ以外の建物でも熱中症発生の可能性が高まっていると考えられる。この点、第2の発明によれば、いずれかの建物において熱中症が発生した場合に、未だ熱中症が発生していない建物であっても熱中症発生の可能性が高まっている建物について熱中症注意情報が報知される。これにより、熱中症発生環境へのなりやすさが同等である複数の建物において連続して熱中症が発生してしまうということを回避できる。
例えば、メーカが同じである建物、建物構造(建築構法)が同じである建物、断熱構造が同じである建物のいずれかである場合に、各建物を、熱中症発生環境へのなりやすさが同等の建物として定めておくことが考えられる。
なお、複数の建物のいずれかにおいて熱中症発生の旨が判定された場合に、熱中症発生環境へのなりやすさが同等の他の建物において熱中症注意情報を報知させることに加え、熱中症発生した建物よりも熱中症発生環境になりやすい他の建物においても熱中症注意情報を報知させる構成としてもよい。
第3の発明では、前記熱中症発生環境へのなりやすさは、建物ごとの建築仕様に基づいて定められている。
第3の発明によれば、建築仕様によって決まる熱中症発生環境へのなりやすさを建物ごとに精度良く定めることができる。これにより、熱中症注意情報を好適に報知することができる。
なお、建築仕様には、建築構法、断熱構造、間取り、屋根形状など複数の要素が含まれており、これら要素の少なくともいずれかに基づいて、建物ごとに熱中症発生環境へのなりやすさが定められていることが好ましい。
第4の発明では、前記熱中症発生環境へのなりやすさは、建物ごとの日当たりに関する立地条件に基づいて定められている。
第4の発明によれば、日当たりによって決まる熱中症発生環境へのなりやすさを建物ごとに精度良く定めることができる。これにより、熱中症注意情報を好適に報知することができる。
なお、日当たりに関する立地条件には、高層建物との位置関係や、建物周囲の樹木との位置関係など複数の要素が含まれ、これら要素の少なくともいずれかに基づいて、建物ごとに熱中症発生環境へのなりやすさが定められていることが好ましい。
第5の発明では、前記警戒地域の各建物については、前記熱中症発生環境へのなりやすさに基づいて複数のグループがあらかじめ定められており、前記報知手段は、前記熱中症発生の旨が判定された建物と同じグループに属する建物において前記熱中症注意情報を報知させる。
第5の発明によれば、警戒地域のいずれかの建物にて熱中症が発生した場合に、その建物が属するグループの建物にて熱中症注意情報が報知されるため、グループ内において熱中症が多発することを抑制できる。
特に、熱中症発生環境へのなりやすさが同程度の建物が同一グループに属するようにグループ分けされていれば、熱中症発生環境へのなりやすさが同等の建物において熱中症が多発することを抑制できる。
第6の発明では、前記熱中症判定手段により前記熱中症発生の旨が判定された場合に、その熱中症の重症度を判定する手段を備え、前記報知手段は、前記警戒地域において前記熱中症注意情報を報知させる建物を前記重症度に基づいて選択するものである。
熱中症が発生した際、それが重症である場合は軽症である場合に比べて、熱中症発生の可能性が高くなっている建物が多数存在すると考えられる。これに対して、第6の発明によれば、発生した熱中症が重度である場合に、軽度である場合に比べて多くの建物にて熱中症注意情報を報知することが可能となる。これにより、重度の熱中症が発生した旨が警戒地域において十分に周知されていないことや、情報報知が不要な建物に軽度の熱中症発生に伴う熱中症注意情報が報知されて熱中症予防に関する関心が低下するということを回避できる。
第7の発明では、前記警戒地域の各建物内に人がいるか否かを判定する手段と、前記報知手段により前記熱中症注意情報が報知される建物のうち人がいると判定された建物については、前記熱中症発生環境を改善するための環境改善処理を行い、同報知される建物のうち人がいないと判定された建物については、前記環境改善処理を行わない環境改善手段と、を備えている。
第7の発明によれば、建物内に人がいないにもかかわらず環境改善処理が行われるということを回避できる。つまり、人がいない建物において環境改善処理が行われることで不都合が生じるということを回避できる。
第8の発明では、前記環境改善手段は、前記警戒地域において空調装置を有する建物を対象として、前記空調装置に冷房運転を行わせる処理を前記環境改善処理として行うものである。
第8の発明によれば、熱中症発生の可能性が高い建物について、空調装置の冷房運転により熱中症の発生を未然に防ぐことができる。しかも、人がいない建物については冷房運転が行われないため、空調装置の冷房運転が単にエネルギの浪費になってしまうということを回避できる。
第9の発明では、前記環境改善手段は、前記警戒地域において窓サッシの開閉が可能な窓開閉装置を有する建物を対象として、前記窓開閉装置に前記窓サッシを開放させる処理を前記環境改善処理として行うものである。
第9の発明によれば、熱中症発生の可能性が高い建物について、窓サッシの開放に伴って外気による通気が行われることで熱中症の発生を未然に防ぐことができる。しかも、人がいない建物については窓サッシが開放されないため、窓サッシを開放させたことが建物の防犯性低下を招いてしまうという事態を回避できる。
熱中症警戒システムの構成を示す概略図。 建物の概略構成図。 ホームサーバによる建物設備制御処理の処理手順を示すフローチャート。 管理サーバによる熱中症警戒処理の処理手順を示すフローチャート。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明を、分譲地に適用した熱中症警戒システムとして具体化している。図1は熱中症警戒システムの構成を示す概略図である。
図1において、分譲地10は宅地を複数有しており、それら宅地には住宅等の建物11がそれぞれ構築されている。本実施形態の分譲地10においては、複数の住宅メーカにより各々構築された建物11が混在しているものとしており、各建物11には、建物設備の動作制御を行うホームサーバ21がそれぞれ設けられている。また、分譲地10においていずれかの宅地には、管理棟などのスマートセンタ25が構築されており、スマートセンタ25には制御手段としての管理サーバ26が設けられている。ホームサーバ21及び管理サーバ26は、CPUや各種メモリからなるマイクロコンピュータを含んでそれぞれ構成されている。
分譲地10においては、夏期等において各建物11内にて熱中症になる人が多発することを抑制するために熱中症警戒処理を行う熱中症警戒システムが構築されている。熱中症警戒システムは、各ホームサーバ21及び管理サーバ26を含んで構成されている。各ホームサーバ21は通信線を介して管理サーバ26に接続されており、管理サーバ26に対する信号の送受信が可能となっている。なお、本実施形態では、熱中症警戒システムにおいて分譲地10全体を警戒地域としている。
建物11の構成について図2を参照しつつ説明する。図2は建物11の概略構成図であり、建物11の電気的な構成を示すブロック図を含む図である。
図2に示すように、建物11には、屋内空間の温度を検出する温度検出手段としての温度センサ31と、屋内空間の湿度を検出する湿度検出手段としての湿度センサ32と、人の生体情報を検出する生体情報検出手段としての生体センサ33と、人が熱中症になった場合に押圧操作するための熱中症ボタン34と、屋内空間における温度分布に関する情報を取得する赤外線カメラ35とが設けられている。
屋内空間における温度や湿度は環境情報に含まれており、それら環境情報を検出するセンサ31,32は環境情報検出手段に相当する。また、生体情報には、体温や体表面温度、発汗量、脈拍数などが含まれており、生体センサ33としては、体の表面に貼り付けるタイプのセンサや、腕時計など身に着ける携帯機に内蔵されているセンサ、ベッドなどの寝具に内蔵されているセンサなどがある。赤外線カメラ35は、環境情報としての屋内空間の温度分布に加えて、生体情報としての体表面温度を検出することが可能となっている。つまり、体表面温度は生体センサ33だけでなく赤外線カメラ35によっても検出することが可能となっている。この場合、赤外線カメラ35は生体情報検出手段に相当する。
建物11には、建物11以外の外部施設や携帯電話等との通信が可能な通信装置41と、報知動作を行う報知装置42と、屋内空間の空調を行うエアコン等の空調装置43と、外気による屋内空間の通気を行う通気装置44とが設けられている。報知装置42は、報知音を出力するスピーカと報知画面を表示する表示モニタとを含んで構成されている。空調装置43は、暖房運転及び冷房運転に加えて除湿運転を行うことが可能となっている。通気装置44は、窓部のサッシ戸を開閉する電気式の窓開閉装置とサッシ戸を施錠する電気式の施錠装置とを含んで構成されている。屋内空間については、通気装置44によりサッシ戸が開放されることで外気による通気(通風)が行われる。
ホームサーバ21には、温度センサ31、湿度センサ32、生体センサ33、熱中症ボタン34、赤外線カメラ35が接続されており、それらセンサ31〜33、熱中症ボタン34、赤外線カメラ35は検出信号をホームサーバ21に対して出力する。ホームサーバ21は、それら検出信号から生体情報を取得する。ここで、ホームサーバ21は、赤外線カメラ35により検出された体表面温度を示す部分が動いているか否かを判定することで、人が動いているか否かを判定し、動いていない状態が所定時間以上継続した場合に、その人の意識がないという情報を生体情報として取得する。
ホームサーバ21には、通信装置41、報知装置42、空調装置43、通気装置44がアクチュエータとして接続されており、ホームサーバ21は、指令信号を出力することにそれらアクチュエータの動作制御を行う。
通信装置41は、電話回線などの公衆回線網に接続されており、その公衆回線網を通じて病院や消防署などの外部施設と通信可能となっている。通信装置41は、1〜数m程度の近距離を通信エリアとして腕時計や携帯電話等の携帯機との無線通信が可能とされており、ホームサーバ21は、携帯機が建物11内に存在している場合、換言すれば携帯機を所持する人が建物11内に存在している場合に、通信装置41を介して携帯機のID情報を取得するとともに、そのID情報に基づいて認証処理を行い、携帯機の携帯者を特定する。つまり、通信装置41と携帯機との通信は、人が携帯機を携帯し且つ建物11内にいる場合に限って可能となっており、携帯者を特定することが、建物11内にいる人を特定することになる。
なお、ホームサーバ21は記憶部を有しており、その記憶部には、建物11の住人やその他の登録者について人の年齢や性別、身体的特徴、人ごとにその人にとっての各種生体情報の正常値などがID情報に対応させて記憶されている。ホームサーバ21は、建物11内にいる人を特定した場合に、その人に関する各種情報を記憶部から読み出すようになっている。
ここで、人は屋外にいる場合だけでなく、建物11内にいる場合でも高温多湿の環境下にいると熱中症になりやすいと考えられる。建物内の環境は、屋外の温度や湿度、日射量、風の強さなど屋外環境によって変化するが、構造や仕様等が異なる建物11同士では、屋外環境が同じであっても熱中症発生の可能性の高い環境(以下、熱中症発生環境という)へのなりやすさが異なると考えられる。一方、構造や仕様等が同じ建物11同士では、熱中症発生環境へのなりやすさが同等であると考えられる。なお、熱中症発生環境へのなりやすさは、熱中症発生の可能性に相当する。
そこで、熱中症警戒システムにおいては、建物11内において熱中症発生環境へのなりやすさを建物11ごとにあらかじめ定めておき、熱中症発生環境へのなりやすさに基づいて分譲地10内の建物11をグループ分けしている。なお、熱中症は高温多湿になるほど発生確率が高めると考えられるため、建物11内の温度及び湿度が両方とも所定の基準値以上となった環境を熱中症発生環境とする。したがって、温度及び湿度が上昇しやすい建物11は、熱中症発生環境になりやすい建物11ということになる。
図1に示すように、熱中症警戒システムにおいて各建物11は、グループ分けされることでAグループ、Bグループ、Cグループのいずれかに属しており、これらグループは、熱中症発生環境になりにくい順にAグループ、Bグループ、Cグループとされている。
熱中症発生環境へのなりやすさは、建物11の建築仕様や、建物11における日当たりに関する立地条件などに基づいて定められるものである。建物11の建築仕様には、建物メーカ、建築構法、断熱構造、間取り、屋根形状、階層数、構造体や断熱材の材料など複数の要素が含まれており、これら要素の少なくとも1つに基づいて熱中症発生環境へのなりやすさが定められている。また、日当たりに関する立地条件には、高層建物との位置関係や、建物周囲の樹木との位置関係、隣接する道路との位置関係など複数の要素が含まれており、これら要素の少なくとも1つに基づいて熱中症発生環境へのなりやすさが定められている。
分譲地10において、建物メーカなど建築仕様に含まれる全ての要素が互いに同じ建物11が複数ある場合、それら建物11は熱中症発生環境へのなりやすさが同等であるとして同じグループに属している。一方、建物メーカが同じ建物11同士でも、建物メーカ以外の要素の少なくとも1つが異なることで熱中症発生環境へのなりやすさが異なっていれば異なるグループに属している。
例えば、同じ建物メーカでも、屋根形状が異なることで建物内における熱のこもり方が異なる建物11同士は、異なるグループに属している。具体的には、陸屋根については屋根下に通気部があってもそれだけでは屋根裏空間にこもった熱が屋外に放出されるとは限らないが、切妻や寄棟など傾斜屋根については棟部に通気部があれば屋根裏空間にこもった熱が屋外に放出されやすい。このため、仮に陸屋根の建物11がCグループに属しているとすれば、傾斜屋根の建物11は、Cグループよりも熱中症発生環境になりにくいAグループ又はBグループに属することになる。
建築仕様に基づく熱中症発生環境へのなりやすさが同等である建物11同士でも、日当たりに関する立地条件が異なることで熱中症発生環境へのなりやすさが異なっていれば異なるグループに属している。さらに、建築仕様及び日当たりに関する立地条件に基づく各熱中症発生環境へのなりやすさが共に同等である建物11同士はもちろん同じグループに属しているが、それら各熱中症発生環境へのなりやすさがそれぞれ異なっていても、総合的な熱中症発生環境へのなりやすさが同等である建物11同士は同じグループに属している。
なお、建築仕様に基づく熱中症発生環境へのなりやすさが同等である建物11同士について、一方の建物11は日当たりが良くて他方の建物11は日当たりが良くない場合、日当たりが良い方の建物11がBグループに属しているとすれば、日当たりが良くない方の建物11は、Bグループよりも熱中症発生環境になりにくいAグループに属することになる。
ちなみに、立地条件については、日当たりに加えて風通しに基づいて熱中症発生環境へのなりやすさが定められていてもよい。例えば、建築仕様及び日当たりに関する立地条件に基づく総合的な熱中症発生環境へのなりやすさが同等であっても、風通しに関する立地条件に基づく熱中症発生環境へのなりやすさが異なる建物11同士は、異なるグループに属している。
管理サーバ26について説明すると、管理サーバ26は記憶部を有しており、グループ分けに関する情報はその記憶部に記憶されている。つまり、各建物11のそれぞれがいずれかのグループに属していると登録されており、その登録情報が記憶部に登録されている。管理サーバ26は、分譲地10のいずれかの建物11において人が熱中症になった場合に、その熱中症の重症度や建物11のグループ分けに応じていずれかの建物11を処理対象に設定し、処理対象の建物11に対して、熱中症が発生したことを報知したり屋内環境を改善したりする熱中症警戒処理を実行する。
なお、各建物11のホームサーバ21は建物設備制御処理を実行し、建物11において人が熱中症になったか否かを判定する処理は建物設備制御処理にて行う。この場合、ホームサーバ21、温度センサ31、湿度センサ32、生体センサ33、熱中症ボタン34及び赤外線カメラ35が熱中症判定手段を構成しており、ホームサーバ21、管理サーバ26及び報知装置42が報知手段を構成している。ちなみに、各センサ31〜33、熱中症ボタン34が熱中症検出手段に相当し、ホームサーバ21は環境改善手段に相当する。
ここでは、ホームサーバ21が実行する建物設備制御処理、及び管理サーバ26が実行する熱中症警戒処理について説明する。
まず、ホームサーバ21の建物設備制御処理について、図3のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、ホームサーバ21は建物設備制御処理を所定周期で繰り返し実行する。また、ホームサーバは、認証処理や赤外線カメラ35の撮影画像に基づいて建物11内での人の有無を判定し、人が建物11内にいることを条件に建物設備制御処理を実行する。さらに、その人に関する情報(年齢や各種生体情報の正常値など)を記憶部から読み込む。
図3においてステップS101では、熱中症ボタン34の検出信号に基づいて、熱中症ボタン34が押圧操作されたか否かを判定し、熱中症患者本人又はその家族などにより熱中症ボタン34が押圧操作された場合、熱中症になった人がいるとしてステップS112に進む。なお、熱中症ボタン34には、熱中症の重症度を示す軽度、中度、重度の3つのボタンが設けられており、熱中症ボタン34の検出信号には熱中症の重症度に関する情報も含まれている。この場合、熱中症になった人がいることに加えて、その人の重症度も検出信号に基づいて取得することになる。
ここで、熱中症になった人がいても、その人しか建物11内にいない場合には、意識を失うことなどによりボタン操作ができない可能性がある。このため、熱中症ボタン34の押圧操作が行われていなくても、ステップS102〜S111にて、生体情報に基づいて熱中症になった人がいるか否かを判定する判定処理を行う。
ステップS102では、建物11内が熱中症の発生しやすい環境(熱中症発生環境)になっているか否かを判定する。ここでは、温度センサ31及び湿度センサ32の検出信号に基づいて、屋内空間の温度が所定温度(例えば30℃)以上、且つ湿度が所定湿度(例えば70%)以上になっているか否かを判定し、温度が所定温度以上であり且つ湿度が所定湿度である場合、高温多湿になっているとして、ステップS103に進む。なお、例えば温度が所定温度よりも低くても第2所定温度(例えば27℃)以上である場合、湿度が前記所定湿度よりも高い第2所定湿度(例えば90%)以上であれば、熱中症の発生しやすい環境になっているとする。
ステップS103では、建物11内にいる人の体温が所定の高温域(例えば40℃以上)であるか否かを判定し、ステップS104では、体表面温度が所定の高温域(例えばその人にとっての正常範囲から高温側へ外れた値)にあるか否かを判定し、ステップS105では、発汗があるか否かを判定する。体温及び体表面温度がいずれも高温域にあり、発汗がない場合、ステップS106に進み、重度の熱中症であると判定する。一方、体温及び体表面温度がいずれも高温域にあっても発汗がある場合は、体調不良ではあっても熱中症ではないとしてそのまま本建物設備制御処理を終了する。
体温が高温域にあって体表面温度が高温域にない場合(ステップS104がNO判定の場合)、ステップS107に進み、体表面温度が所定の低温域(例えばその人にとっての正常範囲から低温側へ外れた値)にあるか否かを判定する。体表面温度が低温域にある場合、ステップS108に進み、中度の熱中症であると判定する。体表面温度が低温域にない場合、すなわち正常域にある場合、体調不良ではあっても熱中症ではないとしてそのまま本建物設備制御処理を終了する。
体温が高温域にない場合(ステップS103がNO判定の場合)、ステップS109にて、発汗が多量(例えばその人にとっての正常範囲から多量側へ外れた値)であるか否かを判定し、ステップS110にて、体温が正常域(例えばその人にとっての正常範囲内)にあるか否かを判定する。発汗が多量であって体温が正常域にある場合、ステップS111に進み、軽度の熱中症であると判定する。一方、発汗が多量でない場合や、体温が低温域にある場合には、体調不良ではあっても熱中症ではないとしてそのまま本建物設備制御処理を終了する。
ステップS112では、建物内の環境を熱中症発生環境から改善させるために環境改善処理を行う。ここでは、熱中症の重症度に合わせて空調装置43及び通気装置44を運転させ、それによって屋内空間の環境改善を図る。例えば、熱中症が軽度なら、通気装置44に窓部のサッシ戸を開放させ、建物内の通気を促すことで体感温度を下げる。中度なら、空調装置43に冷房運転を行わせ、建物内の温度を下げることで高温の状態を解消する。重度なら、空調装置43に冷房運転及び除湿運転を行わせ、建物内の温度及び湿度を下げることで高温多湿の状態を解消する。また、ここでは、環境改善処理に加えて、熱中症患者に対する処置の方法や手順を報知装置42により音声や表示画像にてアドバイスする処理を行う。
なお、環境改善処理には、窓部にシャッタ装置が取り付けられている建物11についてシャッタ装置を通気状態に移行させる処理が含まれていてもよい。この場合、シャッタ装置は、複数のスラットからなるシャッタカーテンと、シャッタカーテンを収納可能なシャッタケースとを有している。シャッタカーテンは閉鎖状態と開放状態とに移行可能となっており、シャッタカーテンが閉鎖状態にある場合、スラットは開閉可能となっている。シャッタカーテンが開放状態にある場合、及びシャッタカーテンが閉鎖状態にあってもスラットが開状態にある場合、シャッタ装置が通気状態にあることになる。
ステップS113では、建物11内にて人が熱中症になったこと及びその重症度を管理サーバ26に通知する。また、熱中症患者がいることを病院や消防署などの外部施設に通報する。
次に、管理サーバ26の熱中症警戒処理について、図4のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、管理サーバ26は熱中症警戒処理を所定周期で繰り返し実行する。
図4においてステップS201では、いずれかの建物11のホームサーバ21から熱中症発生の通知があったか否かを判定する。通知があった場合、ステップS202に進み、熱中症発生の通知をしたホームサーバ21及びその建物11を特定するとともに、熱中症が発生した建物11の所属グループを特定する。ステップS203では、熱中症の重症度が軽度であるか否かを判定し、軽度である場合に、ステップS204に進み、熱中症が発生した建物11が属するグループの他の各建物11を警戒対象に設定し、軽度の熱中症が発生した旨を警戒対象の各ホームサーバ21に通知する。ここでは、熱中症が発生した建物11が有する熱中症発生環境へのなりやすさに基づいて、分譲地10における他の建物11のいずれを警戒対象に設定するのかを判定していることになる。
熱中症の重症度が軽度でない場合、ステップS205に進み、重症度が中度であるか否かを判定する。そして、中度である場合に、ステップS206に進み、熱中症が発生した建物11が属するグループ、及びそのグループよりも熱中症発生環境になりやすいグループの各建物11を警戒対象に設定し、中度の熱中症が発生した旨を警戒対象の各ホームサーバ21に通知する。
熱中症の重症度が軽度及び中度のいずれでもない場合、重度であるとしてステップS207に進み、全てのグループの各建物11(すなわち全建物11)を警戒対象に設定し、重度の熱中症が発生した旨を全ホームサーバ21に通知する。
例えば図1に示すように、建物a1,a2によりグループAが構成され、建物b1,b2によりグループBが構成され、建物c1,c2によりグループCが構成されており、グループBの建物b1において人が熱中症になったと仮定する。この場合、重症度が軽度であれば、Bグループの建物b1ではない建物b2が警戒対象に設定される。また、重症度が中度であれば、Bグループの建物b2に加えて、Aグループの各建物a1,a2が警戒対象に設定され、重症度が重度であれば、建物b1を除くすべての建物a1,a2,b2,c1,c2が警戒対象に設定される。
ここで、警戒対象に設定された建物11のホームサーバ21が実行する制御処理について説明する。
ホームサーバ21は、管理サーバ26から他の建物11にて熱中症発生の通知を受けたか否かを判定し、通知を受けた場合に、認証処理や赤外線カメラ35の撮影画像に基づいて建物11内における人の有無を判定する。そして、人がいると判定した場合に、熱中症への注意を喚起する熱中症注意情報を報知する報知処理を行う。熱中症注意情報には、分譲地10のいずれかの建物11にて熱中症になった人がいることを通知する情報、当建物11においても熱中症発生の可能性が高まっていることを通知する情報、熱中症予防を促す情報、現在の屋内環境を改善するための手順や方法をアドバイスする情報のうち少なくとも1つが含まれている。また、ここでは、報知処理に加えて、環境改善処理(図3のステップS112の処理)を行う。環境改善処理では、空調装置43及び通気装置44を運転させ、それによって屋内空間の環境改善を図り、ひいては、人が熱中症になることを未然に防ぐ。
一方、建物11内に人がいないと判定した場合には、熱中症注意情報の報知処理及び環境改善処理を行わない。これにより、住人等が不在であるにもかかわらず熱中症注意情報が報知されることや、空調装置43が運転されること、窓部が開放されることを回避できる。これにより、熱中症注意情報の報知音が騒音になってしまうことや、空調装置43によってエネルギを浪費すること、窓部によって建物11の防犯性が低下することを回避できる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
分譲地10のいずれかの建物11において人が熱中症になってしまったとしても、その建物11の熱中症発生環境へのなりやすさに基づいて、未だ熱中症が発生していない他の建物11のいずれかが警戒対象に設定され、警戒対象とされた建物11においては熱中症注意情報が報知される。このため、いずれかの建物11において熱中症が発生してしまった場合において、それ以外の全建物11について一様に熱中症警戒のための報知処理が実施されるのではなく、各建物11での熱中症発生環境へのなりやすさを考慮して前記報知処理が適宜実施され、それによって、それ以後の熱中症発生の増加が抑制される。この場合、実際に熱中症が発生した建物11よりも熱中症発生環境になりにくい建物11においては不要な情報報知がなされないことになり、それゆえに、情報報知がなされた建物11では熱中症予防に関する関心が一層高められることとなる。その結果、所定の地域においていずれかの建物11にて熱中症が発生した場合に、他の建物11にて熱中症が発生することを好適に予防できる。
いずれかの建物11にて熱中症が発生した場合、その建物11と熱中症発生環境へのなりやすさが同等の建物11が警戒対象に設定される。すなわち、熱中症が発生した建物11と同じグループに属している他の建物11が警戒対象に設定される。この場合、未だ熱中症が発生していない建物11であっても、既に熱中症が発生した建物11と熱中症発生の可能性が同等なほど高まっている建物11について熱中症注意情報が報知されるため、熱中症発生環境へのなりやすさが同等である複数の建物11において連続して熱中症が発生してしまうということを回避できる。
熱中症発生環境へのなりやすさは、建物11ごとの建築仕様や日当たりに関する立地条件などに基づいて定められているため、警戒対象に設定する建物11を精度良く選択することができる。これにより、熱中症発生の可能性が高くなっている建物11であるにもかかわらず熱中症注意情報が報知されないという不都合や、熱中症発生の可能性が極めて低くなっている建物11であるにもかかわらず熱中症注意情報が報知されてしまうという不都合を回避できる。
警戒対象に設定される建物11は、既に発生した熱中症の重症度に基づいて設定されるため、熱中症が重度である場合、軽度である場合に比べて多くの建物11にて熱中症注意情報を報知することが可能となる。これにより、重度の熱中症が発生した旨が分譲地10において十分に周知されていないことや、情報報知が不要な建物11に軽度の熱中症発生に伴う熱中症注意情報が報知されて熱中症予防に関する関心が低下するということを回避できる。
警戒対象に設定された建物11については、熱中症注意情報の報知処理に加えて環境改善処理が行われるため、空調装置43の冷房運転により屋内空間の温度を下げることや、通気装置44の窓サッシ開放により屋内空間の通気を行うことが可能となり、熱中症発生環境を熱中症が発生しにくい環境に改善することができる。しかも、警戒対象に設定された建物11のうち人が不在の建物11については、環境改善処理が行われないため、人がいないにもかかわらず冷房運転や窓開放が行われることを回避できる。これにより、単にエネルギの浪費になることや、建物11の防犯性が低下することを回避できる。つまり、環境改善処理が、未だ熱中症が発生していない建物11での状況が考慮されて実施されるため、人がいないなど建物11において環境改善処理が行われることで不都合が生じるということを回避できる。
[他の実施形態]
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)警戒地域としての分譲地10において、警戒対象はグループ単位ではなく、建物11ごとに個別に設定されていてもよい。要は、分譲地10においてグループは定められていなくてもよい。例えば、管理サーバ26が、熱中症が発生した建物11の位置を特定し、その建物11からの離間距離が所定距離以下の建物11を警戒対象に設定するという構成とする。また、管理サーバ26は、各建物11について人の有無を判定し、人がいる全ての建物11を警戒対象に設定してもよい。さらに、各建物11について屋内の温度や湿度といった環境情報を取得し、屋内環境が許容範囲を超えている建物11を警戒対象に設定してもよい。
(2)熱中症発生環境へのなりやすさは、各建物11の使用目的に応じて定められてもよい。例えば、建物11が住宅として使用されている場合、建物11が事務所として使用されている場合とは異なる熱中症発生環境へのなりやすさとされる構成とする。なお、建物11が住宅として使用されている場合、家族構成に応じて熱中症発生環境へのなりやすさが定められてもよい。例えば、高齢者や幼児、子供が住んでいる建物11と、高齢者や幼児、子供が住んでいない建物11とで熱中症発生環境へのなりやすさを異なるレベルに設定する。
(3)熱中症発生環境へのなりやすさは、時間の経過に合わせて変更されてもよい。例えば、築15年の建物11は、その建物11が築3年の時に比べて熱中症発生環境になりやすいとする。また、熱中症発生環境へのなりやすさは時間帯に合わせて変更されてもよい。例えば、昼間に比べて夜間は熱中症発生環境になりにくいとする。また、朝日が当たる位置にある建物11については、午後の方が午前よりも熱中症発生環境になりにくいとする。同様に、夕日が当たる位置にある建物11については、午前の方が午後よりも熱中症発生環境になりにくいとする。
(4)建物11がいずれのグループに所属するのかは、管理サーバ26やホームサーバ21により設定されてもよい。例えば、管理サーバ26が、所定のグループに属している建物11を時間帯や季節に合わせて変更する構成とする。
(5)分譲地10においていずれかの建物11にて熱中症が発生した場合に、熱中症注意情報の報知を、その建物11と熱中症発生環境へのなりやすさが同等の建物11ではなく、なりやすさが異なる建物11において行ってもよい。例えば、管理サーバ26が、熱中症が発生した建物11が属するグループの他の建物11を警戒対象に設定せずに、他のグループのいずれかに属する各建物11を警戒対象に設定する。この場合、熱中症が発生した建物11よりも熱中症発生環境になりやすい建物11を警戒対象に設定し、その建物11について熱中症注意情報の報知を行うことが可能となる。
(6)熱中症警戒システムの警戒地域は、近隣のいくつかの建物11が集まった範囲とされていてもよく、地区や集落、市町村単位とされていてもよい。分譲地10を警戒地域とする場合、その地域内に構築されている各建物11は、新築時期が比較的近く、またメーカが限られると考えられることから、建物構造や断熱構造が類似したものになっている可能性が高いのに対し、自治体や集落を警戒地域とする場合、その地域内に構築されている各建物11は、新築時期(築後年数)や断熱構造等がまちまちであると考えられる。この場合、自治体や集落を警戒地域として本発明のシステムを適用するのであれば、建物11ごとに、新築時期(築後年数)に基づいて熱中症発生環境へのなりやすさを定めておくとよい。
また、警戒地域において警戒対象とされる建物11は、中高層のビルや集合住宅であってもよい。
(7)管理サーバ26は、各建物11について人の有無を判定し、人がいない建物11については警戒対象に設定しなくてもよい。この場合、人がいない建物11について不要な熱中症注意情報が報知されるということを回避できる。
(8)上記実施形態では、熱中症警戒システムにおいて管理サーバ26が警戒対象設定手段(熱中症警戒処理のステップS204の処理)を有していたが、各建物11のホームサーバ21のいずれかが警戒対象設定手段を有していてもよい。また、熱中症注意情報の報知処理や環境改善処理はホームサーバ21ではなく管理サーバ26が行ってもよい。要は、熱中症警戒システムには、管理サーバ26及び各ホームサーバ21の少なくとも1つが制御手段として含まれていればよい。
(9)ホームサーバ21は、通信装置41を介して管理サーバ26と通信可能になっていてもよい。この場合、管理サーバ26が通信機能を有していること、又は管理サーバ26に通信装置が電気的に接続されていることが好ましい。
10…警戒地域としての分譲地、11…建物、21…熱中症判定手段及び報知手段を構成するとともに環境改善手段としてのホームサーバ、26…報知手段を構成する管理サーバ、31…熱中症判定手段を構成する温度センサ、32…熱中症判定手段を構成する湿度センサ、33…熱中症判定手段を構成する生体センサ、34…熱中症判定手段を構成する熱中症ボタン、35…熱中症判定手段を構成する赤外線カメラ、42…報知手段を構成する報知装置、43…空調装置、44…窓開閉装置としての通気装置。

Claims (9)

  1. 所定の警戒地域に設けられた複数の建物について熱中症の発生を警戒する熱中症警戒システムであって、
    前記複数の建物の各々において当該建物内にいる人が熱中症になっているか否かを判定する熱中症判定手段と、
    前記複数の建物の各々について熱中症の発生可能性の高い所定の熱中症発生環境へのなりやすさを定めておき、前記複数の建物のいずれかにおいて前記熱中症判定手段により熱中症発生の旨が判定された場合に、その熱中症発生の旨が判定された建物の前記熱中症発生環境へのなりやすさの情報に基づいて、他の建物のいずれかにおいて熱中症注意情報を報知させる報知手段と、
    を備えることを特徴とする熱中症警戒システム。
  2. 前記報知手段は、前記複数の建物のいずれかにおいて前記熱中症判定手段により熱中症発生の旨が判定された場合に、前記熱中症発生環境へのなりやすさが同等の他の建物において熱中症注意情報を報知させることを特徴とする請求項1に記載の熱中症警戒システム。
  3. 前記熱中症発生環境へのなりやすさは、建物ごとの建築仕様に基づいて定められていることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱中症警戒システム。
  4. 前記熱中症発生環境へのなりやすさは、建物ごとの日当たりに関する立地条件に基づいて定められていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱中症警戒システム。
  5. 前記警戒地域の各建物については、前記熱中症発生環境へのなりやすさに基づいて複数のグループがあらかじめ定められており、
    前記報知手段は、前記熱中症発生の旨が判定された建物と同じグループに属する建物において前記熱中症注意情報を報知させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱中症警戒システム。
  6. 前記熱中症判定手段により前記熱中症発生の旨が判定された場合に、その熱中症の重症度を判定する手段を備え、
    前記報知手段は、前記警戒地域において前記熱中症注意情報を報知させる建物を前記重症度に基づいて選択するものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の熱中症警戒システム。
  7. 前記警戒地域の各建物内に人がいるか否かを判定する手段と、
    前記報知手段により前記熱中症注意情報が報知される建物のうち人がいると判定された建物については、前記熱中症発生環境を改善するための環境改善処理を行い、同報知される建物のうち人がいないと判定された建物については、前記環境改善処理を行わない環境改善手段と、
    を備えていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の熱中症警戒システム。
  8. 前記環境改善手段は、前記警戒地域において空調装置を有する建物を対象として、前記空調装置に冷房運転を行わせる処理を前記環境改善処理として行うものであることを特徴とする請求項7に記載の熱中症警戒システム。
  9. 前記環境改善手段は、前記警戒地域において窓サッシの開閉が可能な窓開閉装置を有する建物を対象として、前記窓開閉装置に前記窓サッシを開放させる処理を前記環境改善処理として行うものであることを特徴とする請求項7又は8に記載の熱中症警戒システム。
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