JP2013057558A - 時計用文字板および時計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の時計用文字板は、平面視した際に複数個のマイクロレンズ111が規則的に配置されたマイクロレンズ層11と、複数個の構成単位を有する繰り返し模様を備えた装飾層12とを備え、平面視した際に、マイクロレンズ層11と装飾層12とが重なり合うものであり、装飾層12は、隣り合う構成単位間のピッチが互いに異なる領域を有するものであることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
従来、時計用文字板としては、高級感のある外観を得るために、一般に、金属材料で構成されたものが用いられてきたが、従来の時計用文字板では、表現することのできる外観の範囲が限られており、需要者のニーズに十分に対応することができなかった。
例えば、立体感のある外観を呈する文字板を備えた時計に対するニーズは大きく、模様等のパターンと透明塗膜とを交互に複数形成して積層化した時計用文字板が提案されている(特許文献1参照)。
本発明の時計用文字板は、平面視した際に複数個のマイクロレンズが規則的に配置されたマイクロレンズ層と、
複数個の構成単位を有する繰り返し模様を備えた装飾層とを備え、
平面視した際に、前記マイクロレンズ層と前記装飾層とが重なり合うものであり、
前記装飾層は、隣り合う前記構成単位間のピッチが互いに異なる領域を有するものであることを特徴とする。
これにより、立体感に溢れる外観を呈する時計用文字板を提供することができる。
これにより、時計用文字板の美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、当該時計用文字板を平面視した際の隣り合う前記マイクロレンズの中心を直線で結んだ場合に、当該直線により複数個の正三角形が規則的に配置されたものとなり、
当該時計用文字板を平面視した際の隣り合う前記繰り返し模様の中心を直線で結んだ場合に、当該直線によって複数個の三角形が配置されたものとなることが好ましい。
これにより、時計用文字板の美的外観を特に優れたものとすることができる。
当該時計用文字板を平面視した際の隣り合う前記繰り返し模様の中心を直線で結んだ場合に、当該直線によって複数個の台形が配置されたものとなることが好ましい。
これにより、時計用文字板の美的外観を特に優れたものとすることができる。
これにより、時計用文字板の中心から外周部に向かって奥行きが増しているように観察者に視認させることができる(例えば、ドーム型の形状を有するものとして視認させることができる)。
これにより、時計用文字板の外周部から中心に向かって奥行きが増しているように観察者に視認させることができる(例えば、すり鉢状の形状を有するものとして視認させることができる)。
これにより、時刻の視認性を特に優れたものとしつつ、時計用文字板の外観を特に優れたものとすることができ、実用品としての実用性と、装飾品としての美的外観とを、より高いレベルで両立することができる。
これにより、立体感に溢れる外観を呈する時計用文字板を備えた時計を提供することができる。
本発明によれば、立体感に溢れる外観を呈する時計用文字板を提供すること、また、前記時計用文字板を備えた時計を提供することができる。
時計用文字板を備えた時計を提供することができる。
まず、本発明の時計用文字板の好適な実施形態について説明する。
<時計用文字板>
(第1実施形態)
図1は、本発明の時計用文字板の第1実施形態を示す平面図(マイクロレンズ層を構成するマイクロレンズと装飾層を構成する繰り返し模様との配置の関係を説明するための平面図)、図2は、図1に示す時計用文字板の断面図である。図1(後述する図3も同様)中、上側が時計用文字板の中心部側であり、下側が時計用文字板の外周側であるものとする。なお、本明細書で参照する図面は、構成の一部を誇張して示したものであり、実際の寸法等を正確に反映したものではない。
時計用文字板1は、マイクロレンズ層11が装飾層よりも観察者側(外表面側)に配されるようにして用いられるものである。
マイクロレンズ層11は、複数個のマイクロレンズ111が規則的に配置されたものである。
図1に示す構成では、時計用文字板1を平面視した際の隣り合うマイクロレンズ111の中心を直線で結んだ場合に、当該直線によって複数個の三角形が規則的に配置されたものとなるように、複数個のマイクロレンズ111が配置されている。これにより、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
特に、本実施形態では、前記三角形が正三角形である。これにより、時計用文字板1の美的外観をさらに優れたものとすることができる。
マイクロレンズ111のピッチ(時計用文字板1を平面視した際のピッチ)PMLは、50μm以上500μm以下であるのが好ましく、60μm以上300μm以下であるのがより好ましい。これにより、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。なお、本発明において、マイクロレンズのピッチとは、隣り合うマイクロレンズについて、時計用文字板を平面視した際のそれぞれの中心点を結ぶ距離のことをいう。
マイクロレンズ層11の屈折率(絶対屈折率)は、1.500以上1.650以下であるのが好ましく、1.550以上1.600以下であるのがより好ましい。これにより、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
なお、図示の構成では、マイクロレンズ111は、略半球状をなすものであり、平面視した際の形状が円形をなす球面レンズであるが、マイクロレンズ111の形状は、特に限定されるものでなく、例えば、平面視した際の形状が俵型形状(略楕円形状、長円形状)や、略三角形状、略四角形状、略六角形状等をなすものであってもよい。
また、マイクロレンズ基板11は、いかなる方法で成形されたものであってもよいが、マイクロレンズ基板11の製造方法としては、例えば、圧縮成形、押出成形、射出成形、光造形、2P法等が挙げられる。また、マイクロレンズ基板11は、例えば、マイクロレンズ111を有していない板状部材に、インクジェット法等の液滴吐出法により、マイクロレンズ111の構成材料を含む液状材料を吐出することにより、マイクロレンズ111を形成して得られたものであってもよい。また、マイクロレンズ111は、オフセット印刷、グラビア印刷等の各種印刷法を用いて形成されたものであってもよい。印刷法を用いてマイクロレンズを形成した場合、マイクロレンズ基板11の生産コストを抑制することができる点で有利である。なお、本発明では、マイクロレンズ基板が有するマイクロレンズのうち少なくとも一部は平面視した際の形状が円形状のものでなくてもよく、例えば、楕円形状をなすものであってもよい。また、複数のマイクロレンズは、それぞれが独立したものであっても、隣り合うもの同士がつながったものであってもよい。
装飾層12は、複数個の構成単位を有する繰り返し模様121を備えたものである。
このような装飾層12をマイクロレンズ層11とともに有することにより、光の干渉(モアレ)を視覚的に使用し、立体感に溢れる外観を呈する時計用文字板1を提供することができる。特に、観察者の錯覚を利用するにより、時計用文字板1の厚みを、現実の厚み以上のものとして、観察者に認識させることができることができる。
なお、繰り返し模様121のピッチの方がマイクロレンズ111のピッチよりも小さい場合には模様が沈んで見え、一方、繰り返し模様121のピッチの方がマイクロレンズ111のピッチよりも大きい場合には模様が浮かんで見える。
繰り返し模様121の構成単位は、マイクロレンズ111と同種の配置、および/または、装飾層12の面内の所定方向に圧縮または延伸した配置を有するものである。これにより、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
繰り返し模様121は、いかなる材料で構成されたものであってもよく、例えば、各種顔料、各種染料等の着色剤や、金属材料を含む材料で構成されたものであってもよい。また、繰り返し模様121は、樹脂材料を含む材料で構成されたものであってもよい。これにより、繰り返し模様121のマイクロレンズ基板11に対する密着性を特に優れたものとすることができる。
また、図示の構成では、マイクロレンズ層(マイクロレンズ基板)11と装飾層12とが密着している。これにより、マイクロレンズ111と繰り返し模様121との距離を一定に保つことができ、時計用文字板1の外観を安定的に優れたものとすることができる。
また、基板上に形成された膜に対してエッチング処理を施し、残存した部分を、繰り返し模様としてもよい。
また、装飾層12の形状、大きさは、特に限定されず、通常、製造すべき時計用文字板1の形状、大きさに基づいて決定される。なお、図示の構成では、装飾層12は、平板状をなすものであるが、例えば、湾曲板状等をなすものであってもよい。
図3は、本発明の時計用文字板の第2実施形態を示す平面図(マイクロレンズ層を構成するマイクロレンズと装飾層を構成する繰り返し模様との配置の関係を説明するための平面図)である。以下、第2実施形態の時計用文字板について、前記実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項の説明は省略する。
本実施形態の時計用文字板1では、時計用文字板1を平面視した際の隣り合うマイクロレンズ111の中心を直線で結んだ場合に、当該直線により複数個の正方形が規則的に配置されたものとなっており、時計用文字板1を平面視した際の隣り合う繰り返し模様121の中心を直線で結んだ場合に、当該直線によって複数個の台形が配置されたものとなっている。このように、本発明においては、マイクロレンズおよび繰り返し模様の配置パターンは、第1実施形態で説明したようなものに限定されず、本実施形態のような配置パターンであっても、前述したのと同様な効果が得られる。また、本実施形態のような配置パターンであると、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
次に、上述したような本発明の時計用文字板を備えた本発明の時計について説明する。
本発明の時計は、上述したような本発明の時計用文字板を有するものである。上述したように、本発明の時計用文字板は、立体感に溢れる外観を呈するものであり、特に、観察者の錯覚を利用するにより、時計用文字板の厚みを、現実の厚み以上のものとして、観察者に認識させることができるものであり、装飾性(美的外観)に優れたものである。また、装飾層12等の材料の選択等により、上記のような優れた外観を確保しつつ、時計用文字板1全体としての光透過性を優れたものとすることができる。このため、このような時計用文字板を備えた本発明の時計は、ソーラー時計としての求められる要件を十分に満足することができる。なお、本発明の時計を構成する時計用文字板(本発明の時計用文字板)以外の部品としては、公知のものを用いることができるが、以下に、本発明の時計の構成の一例について説明する。
図4に示すように、本実施形態の腕時計(携帯時計)100は、胴(ケース)82と、裏蓋83と、ベゼル(縁)84と、ガラス板(カバーガラス)85とを備えている。また、ケース82内には、前述したような本発明の時計用文字板1と、太陽電池94と、ムーブメント81とが収納されており、さらに、図示しない針(指針)等が収納されている。時計用文字板1は、太陽電池94と、ガラス板(カバーガラス)85との間に設けられており、マイクロレンズ層11が、ガラス板(カバーガラス)85側を向くように配置されている。
ムーブメント81は、太陽電池94の起電力を利用して、指針を駆動する。
図4中では省略しているが、ムーブメント81内には、例えば、太陽電池94の起電力を貯蔵する電気二重層コンデンサー、リチウムイオン二次電池や、時間基準源として水晶振動子や、水晶振動子の発振周波数をもとに時計を駆動する駆動パルスを発生する半導体集積回路や、この駆動パルスを受けて1秒毎に指針を駆動するステップモーターや、ステップモーターの動きを指針に伝達する輪列機構等を備えている。
また、ムーブメント81は、図示しない電波受信用のアンテナを備えている。そして、受信した電波を用いて時刻調整等を行う機能を有している。
太陽電池94は、例えば、非単結晶シリコン薄膜にp型の不純物とn型の不純物とが選択的に導入され、さらにp型の非単結晶シリコン薄膜とn型の非単結晶シリコン薄膜との間に不純物濃度の低いi型の非単結晶シリコン薄膜を備えたpin構造を有している。
胴82とベゼル84とは、プラスチックパッキン88により固定され、ベゼル84とガラス板85とはプラスチックパッキン89により固定されている。
また、胴82に対し裏蓋83が嵌合(または螺合)されており、これらの接合部(シール部)93には、リング状のゴムパッキン(裏蓋パッキン)92が圧縮状態で介挿されている。この構成によりシール部93が液密に封止され、防水機能が得られる。
なお、上記の説明では、時計の一例として、ソーラー電波時計としての腕時計(携帯時計)を挙げて説明したが、本発明は、腕時計以外の携帯時計、置時計、掛け時計等の他の種類の時計にも同様に適用することができる。また、本発明は、ソーラー電波時計を除くソーラー時計や、ソーラー電波時計を除く電波時計等、いかなる時計にも適用することができる。
例えば、本発明の時計用文字板、時計では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。例えば、各種印刷法により形成された印刷部を有するものであってもよい。また、マイクロレンズ層および/または装飾層の表面には、少なくとも1つの層が設けられていてもよい。このような層は、例えば、時計用文字板の使用時等において除去されるものであってもよい。
また、前述した実施形態では、マイクロレンズ層には、同一のパターンで(一定のピッチで)マイクロレンズが設けられている場合について代表的に説明したが、マイクロレンズ層は、マイクロレンズの配置パターンの異なる複数の領域を有するものであってもよい。また、装飾層は、繰り返し模様の構成単位の形状が異なる複数の領域を有するものであってもよい。また、隣り合うマイクロレンズのピッチ、配置等は連続的に変化するものであってもよい。
また、前述した実施形態では、マイクロレンズ層が、マイクロレンズとして凸レンズを備えるものである場合について代表的に説明したが、マイクロレンズは、装飾層の設けられた面側で焦点を結ぶものであればよく、凹レンズであってもよい。
Claims (8)
- 平面視した際に複数個のマイクロレンズが規則的に配置されたマイクロレンズ層と、
複数個の構成単位を有する繰り返し模様を備えた装飾層とを備え、
平面視した際に、前記マイクロレンズ層と前記装飾層とが重なり合うものであり、
前記装飾層は、隣り合う前記構成単位間のピッチが互いに異なる領域を有するものであることを特徴とする時計用文字板。 - 前記繰り返し模様の前記構成単位は、前記マイクロレンズと同種の配置、および/または、前記装飾層の面内の所定方向に圧縮または延伸した配置を有するものである請求項1に記載の時計用文字板。
- 請求項1または2に記載の時計用文字板において、
当該時計用文字板を平面視した際の隣り合う前記マイクロレンズの中心を直線で結んだ場合に、当該直線により複数個の正三角形が規則的に配置されたものとなり、
当該時計用文字板を平面視した際の隣り合う前記繰り返し模様の中心を直線で結んだ場合に、当該直線によって複数個の三角形が配置されたものとなる時計用文字板。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の時計用文字板において、
当該時計用文字板を平面視した際の隣り合う前記マイクロレンズの中心を直線で結んだ場合に、当該直線により複数個の正方形が規則的に配置されたものとなり、
当該時計用文字板を平面視した際の隣り合う前記繰り返し模様の中心を直線で結んだ場合に、当該直線によって複数個の台形が配置されたものとなる時計用文字板。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の時計用文字板において、
前記マイクロレンズのピッチをPML[μm]、前記繰り返し模様の構成単位のピッチをPR[μm]としたとき、当該時計用文字板を平面視した際に、当該時計用文字板の中心から外周部に向かってPML−PRの値が漸増する領域を有している時計用文字板。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の時計用文字板において、
前記マイクロレンズのピッチをPML[μm]、前記繰り返し模様の構成単位のピッチをPR[μm]としたとき、当該時計用文字板を平面視した際に、当該時計用文字板の中心から外周部に向かってPML−PRの値が漸減する領域を有している時計用文字板。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載の時計用文字板において、
当該時計用文字板を平面視した際に、時字が設けられていない部分の少なくとも一部に、前記装飾層の前記繰り返し模様および前記マイクロレンズ層の前記マイクロレンズが設けられており、時字が設けられている部分には、前記装飾層の前記繰り返し模様および/または前記マイクロレンズ層の前記マイクロレンズが設けられていない時計用文字板。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の時計用文字板を備えたことを特徴とする時計。
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