JP5982755B2 - 時計用文字板の製造方法 - Google Patents
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従来、時計用文字板としては、高級感のある外観を得るために、一般に、金属材料で構成されたものが用いられてきたが、従来の時計用文字板では、表現することのできる外観の範囲が限られており、需要者のニーズに十分に対応することができなかった。
しかしながら、このような時計用文字板では、時計用文字板の厚み以上の立体感を表現することができず、また、厚さの制限から、時計用文字板自体の厚さを極端に大きくすることも困難であるため、上記のようなニーズに十分に応えることができなかった。特に、腕時計のような携帯時計に適用される文字板では、特に、時計全体としての厚みについての制約が大きく、立体感に溢れた外観の実現が極めて困難であった。
また、従来においては、異なる立体感を表現した複数種の時計用文字板を製造するためには、異なる成形型を準備する等の必要があり、多品種生産には向かないという問題があった。
本発明の時計用文字板の製造方法は、平面視した際に複数個のマイクロレンズが規則的に配置されたマイクロレンズ層を準備するマイクロレンズ層準備工程と、
複数個の構成単位が規則的に配置された繰り返し模様を備えた装飾層を、前記マイクロレンズ層を平面視した際に前記マイクロレンズ層の前記マイクロレンズと前記装飾層の前記繰り返し模様とが少なくとも一部において重なり合うように、前記マイクロレンズ層のレンズ面とは反対側の面側に配する装飾層設置工程とを有し、
前記時計用文字板を平面視した際の隣り合う前記マイクロレンズの中心を直線で結んだ場合に、当該直線によって複数個の正三角形が規則的に配置されたものとなり、
前記時計用文字板を平面視した際の隣り合う前記繰り返し模様の中心を直線で結んだ場合に、当該直線によって複数個の正三角形ではない二等辺三角形が規則的に配置されたものとなることを特徴とする。
これにより、立体感に溢れる外観を呈する時計用文字板を製造することができる方法、特に、異なる外観を呈する複数種の時計用文字板を効率よく製造することができる製造方法を提供することができる。また、マイクロレンズ層と装飾層との相対的な角度の調整により、時計用文字板の外観の調整を、より好適に行うことができる。
複数個の構成単位が規則的に配置された繰り返し模様を備えた装飾層を、前記マイクロレンズ層を平面視した際に前記マイクロレンズ層の前記マイクロレンズと前記装飾層の前記繰り返し模様とが少なくとも一部において重なり合うように、前記マイクロレンズ層のレンズ面とは反対側の面側に配する装飾層設置工程とを有し、
前記時計用文字板を平面視した際の隣り合う前記マイクロレンズの中心を直線で結んだ場合に、当該直線によって複数個の正方形が規則的に配置されたものとなり、
前記時計用文字板を平面視した際の隣り合う前記繰り返し模様の中心を直線で結んだ場合に、当該直線によって複数個の正方形ではない長方形が規則的に配置されたものとなることを特徴とする。
これにより、立体感に溢れる外観を呈する時計用文字板を製造することができる方法、特に、異なる外観を呈する複数種の時計用文字板を効率よく製造することができる製造方法を提供することができる。また、マイクロレンズ層と装飾層との相対的な角度の調整により、時計用文字板の外観の調整を、より好適に行うことができる。
これにより、時計用文字板の外観をより立体感に溢れるものとすることができ、時計用文字板の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、マイクロレンズ層と装飾層との相対的な角度の調整により、時計用文字板の外観の調整を、より好適に行うことができる。
これにより、時計用文字板の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、マイクロレンズ層と装飾層との相対的な角度の調整により、時計用文字板の外観の調整を、より好適に行うことができる。
これにより、時計用文字板の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、マイクロレンズ層と装飾層との相対的な角度の調整により、時計用文字板の外観の調整を、より好適に行うことができる。
これにより、時計用文字板の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、マイクロレンズ層と装飾層との相対的な角度の調整により、時計用文字板の外観の調整を、より好適に行うことができる。
これにより、時計用文字板の外観をより立体感に溢れるものとすることができ、時計用文字板の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、マイクロレンズ層と装飾層との相対的な角度の調整により、時計用文字板の外観の調整を、より好適に行うことができる。
これにより、時計用文字板の外観をより立体感に溢れるものとすることができ、時計用文字板の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、マイクロレンズ層と装飾層との相対的な角度の調整により、時計用文字板の外観の調整を、より好適に行うことができる。
これにより、時刻の視認性を特に優れたものとしつつ、時計用文字板の外観を特に優れたものとすることができ、実用品としての実用性と、装飾品としての美的外観とを、より高いレベルで両立することができる。
まず、本発明の時計用文字板の製造方法の好適な実施形態について説明する。
<時計用文字板の製造方法>
図1は、本発明の時計用文字板の製造方法の好適な実施形態を示す断面図、図2は、本発明の時計用文字板の製造の用いることのできるマイクロレンズ層(マイクロレンズ基板)の一例を示す平面図、図3は、本発明の時計用文字板の製造の用いることのできるマイクロレンズ層(マイクロレンズ基板)の他の一例を示す平面図、図4は、装飾層における繰り返し模様の配置の一例を示す平面図、図5は、装飾層における繰り返し模様の配置の他の一例を示す平面図である。なお、本明細書で参照する図面は、構成の一部を誇張して示したものであり、実際の寸法等を正確に反映したものではない。
上記のように、マイクロレンズ層11は、平面視した際に複数個のマイクロレンズ111が規則的に配置されたものである。
図2に示す構成では、時計用文字板1を平面視した際の隣り合うマイクロレンズ111の中心を直線で結んだ場合に、当該直線によって複数個の三角形が規則的に配置されたものとなるように、複数個のマイクロレンズ111が配置されている。これにより、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
特に、図2に示す構成では、前記三角形が正三角形である。これにより、時計用文字板1の美的外観をさらに優れたものとすることができる。また、後に詳述する装飾層設置工程におけるマイクロレンズ層11と装飾層12との相対的な角度の調整により、時計用文字板1の外観の調整を、より好適に行うことができる。
特に、図3に示す構成では、前記四角形が正方形である。これにより、時計用文字板1の美的外観をさらに優れたものとすることができる。また、後に詳述する装飾層設置工程におけるマイクロレンズ層11と装飾層12との相対的な角度の調整により、時計用文字板1の外観の調整を、より好適に行うことができる。
マイクロレンズ層11の屈折率(絶対屈折率)は、1.500以上1.650以下であるのが好ましく、1.550以上1.600以下であるのがより好ましい。これにより、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
また、マイクロレンズ基板(マイクロレンズ層)11の形状、大きさは、特に限定されず、通常、製造すべき時計用文字板1の形状、大きさに基づいて決定される。なお、図示の構成では、マイクロレンズ基板11は、平板状をなすものであるが、例えば、湾曲板状等をなすものであってもよい。
装飾層設置工程においては、マイクロレンズ層11を平面視した際にマイクロレンズ層11と装飾層12とが重なり合うように、装飾層12を配置する。そして、装飾層12が備える繰り返し模様121の前記構成単位は、マイクロレンズ111と同種の配置を、装飾層12の面内の所定方向に圧縮または延伸した配置を有するものである。
以下の説明では、図3に示すように、マイクロレンズ基板11において隣り合うマイクロレンズ111の中心を直線で結んだ場合に当該直線によって複数個の正方形が規則的に配置されたものとなるようにマイクロレンズ111が配置されており、かつ、図5に示すように、装飾層12において隣り合う繰り返し模様121の中心を直線で結んだ場合に、当該直線によって複数個の正方形ではない長方形が規則的に配置されたものとなるように繰り返し模様121が配置されている場合について代表的に説明する。
また、基板上に形成された膜に対してエッチング処理を施し、残存した部分を、繰り返し模様としてもよい。
繰り返し模様121の構成単位は、図示の構成では円形状をなすものであるが、いかなる形状のものであってもよく、例えば、多角形状、楕円形状、星型形状、アルファベット等の文字のほか、漫画のキャラクター等のより複雑な形状をなすものであってもよい。
本発明の時計用文字板は、上述したような方法を用いて製造されたものである。このような時計用文字板は、立体感に溢れる外観を呈するものである。
時計用文字板は、マイクロレンズ層が装飾層よりも観察者側(外表面側)に配されるようにして用いられるものである。
次に、上述したような本発明の時計用文字板を備えた本発明の時計について説明する。
本発明の時計は、上述したような本発明の時計用文字板を有するものである。上述したように、本発明の時計用文字板は、立体感に溢れる外観を呈するものであり、特に、観察者の錯覚を利用するにより、時計用文字板の厚みを、現実の厚み以上のものとして、観察者に認識させることができるものであり、装飾性(美的外観)に優れたものである。また、装飾層12等の材料の選択等により、上記のような優れた外観を確保しつつ、時計用文字板1全体としての光透過性を優れたものとすることができる。このため、このような時計用文字板を備えた本発明の時計は、ソーラー時計としての求められる要件を十分に満足することができる。なお、本発明の時計を構成する時計用文字板(本発明の時計用文字板)以外の部品としては、公知のものを用いることができるが、以下に、本発明の時計の構成の一例について説明する。
図12に示すように、本実施形態の腕時計(携帯時計)100は、胴(ケース)82と、裏蓋83と、ベゼル(縁)84と、ガラス板(カバーガラス)85とを備えている。また、ケース82内には、前述したような本発明の時計用文字板1と、太陽電池94と、ムーブメント81とが収納されており、さらに、図示しない針(指針)等が収納されている。時計用文字板1は、太陽電池94と、ガラス板(カバーガラス)85との間に設けられており、マイクロレンズ層11が、ガラス板(カバーガラス)85側を向くように配置されている。
ムーブメント81は、太陽電池94の起電力を利用して、指針を駆動する。
図12中では省略しているが、ムーブメント81内には、例えば、太陽電池94の起電力を貯蔵する電気二重層コンデンサー、リチウムイオン二次電池や、時間基準源として水晶振動子や、水晶振動子の発振周波数をもとに時計を駆動する駆動パルスを発生する半導体集積回路や、この駆動パルスを受けて1秒毎に指針を駆動するステップモーターや、ステップモーターの動きを指針に伝達する輪列機構等を備えている。
太陽電池94は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を有する。そして、太陽電池94で変換された電気エネルギーは、ムーブメントの駆動等に利用される。
太陽電池94は、例えば、非単結晶シリコン薄膜にp型の不純物とn型の不純物とが選択的に導入され、さらにp型の非単結晶シリコン薄膜とn型の非単結晶シリコン薄膜との間に不純物濃度の低いi型の非単結晶シリコン薄膜を備えたpin構造を有している。
胴82とベゼル84とは、プラスチックパッキン88により固定され、ベゼル84とガラス板85とはプラスチックパッキン89により固定されている。
また、胴82に対し裏蓋83が嵌合(または螺合)されており、これらの接合部(シール部)93には、リング状のゴムパッキン(裏蓋パッキン)92が圧縮状態で介挿されている。この構成によりシール部93が液密に封止され、防水機能が得られる。
なお、上記の説明では、時計の一例として、ソーラー電波時計としての腕時計(携帯時計)を挙げて説明したが、本発明は、腕時計以外の携帯時計、置時計、掛け時計等の他の種類の時計にも同様に適用することができる。また、本発明は、ソーラー電波時計を除くソーラー時計や、ソーラー電波時計を除く電波時計等、いかなる時計にも適用することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記のようなものに限定されるものではない。
また、本発明において、マイクロレンズ層におけるマイクロレンズの配置パターンと、装飾層における繰り返し模様の配置パターンとの組み合わせは、前述した実施形態で例示したものに限定されるものではない。
また、前述した実施形態では、マイクロレンズ層が、マイクロレンズとして凸レンズを備えるものである場合について代表的に説明したが、マイクロレンズは、装飾層の設けられた面側で焦点を結ぶものであればよく、凹レンズであってもよい。
また、前述した実施形態では、マイクロレンズを備えるマイクロレンズ層と、繰り返し模様を備える装飾層とが、密着した構成である場合について代表的に説明したが、マイクロレンズ層と装飾層とは、密着していなくてもよい。
Claims (9)
- 平面視した際に複数個のマイクロレンズが規則的に配置されたマイクロレンズ層を準備するマイクロレンズ層準備工程と、
複数個の構成単位が規則的に配置された繰り返し模様を備えた装飾層を、前記マイクロレンズ層を平面視した際に前記マイクロレンズ層の前記マイクロレンズと前記装飾層の前記繰り返し模様とが少なくとも一部において重なり合うように、前記マイクロレンズ層のレンズ面とは反対側の面側に配する装飾層設置工程とを有し、
前記時計用文字板を平面視した際の隣り合う前記マイクロレンズの中心を直線で結んだ場合に、当該直線によって複数個の正三角形が規則的に配置されたものとなり、
前記時計用文字板を平面視した際の隣り合う前記繰り返し模様の中心を直線で結んだ場合に、当該直線によって複数個の正三角形ではない二等辺三角形が規則的に配置されたものとなることを特徴とする時計用文字板の製造方法。 - 平面視した際に複数個のマイクロレンズが規則的に配置されたマイクロレンズ層を準備するマイクロレンズ層準備工程と、
複数個の構成単位が規則的に配置された繰り返し模様を備えた装飾層を、前記マイクロレンズ層を平面視した際に前記マイクロレンズ層の前記マイクロレンズと前記装飾層の前記繰り返し模様とが少なくとも一部において重なり合うように、前記マイクロレンズ層のレンズ面とは反対側の面側に配する装飾層設置工程とを有し、
前記時計用文字板を平面視した際の隣り合う前記マイクロレンズの中心を直線で結んだ場合に、当該直線によって複数個の正方形が規則的に配置されたものとなり、
前記時計用文字板を平面視した際の隣り合う前記繰り返し模様の中心を直線で結んだ場合に、当該直線によって複数個の正方形ではない長方形が規則的に配置されたものとなることを特徴とする時計用文字板の製造方法。 - 前記時計用文字板における前記マイクロレンズのレンズ面から前記装飾層の表面までの距離が100μm以上1000μm以下である請求項1または2に記載の時計用文字板の製造方法。
- 前記マイクロレンズの焦点距離が100μm以上1000μm以下である請求項1ないし3のいずれかに記載の時計用文字板の製造方法。
- 前記マイクロレンズのピッチが50μm以上500μm以下である請求項1ないし4のいずれかに記載の時計用文字板の製造方法。
- 前記繰り返し模様の前記構成単位のピッチが40μm以上550μm以下である請求項1ないし5のいずれかに記載の時計用文字板の製造方法。
- 前記マイクロレンズの焦点距離をL0[μm]、前記時計用文字板における前記マイクロレンズのレンズ面から前記装飾層の表面までの距離をL1[μm]としたとき、0.5≦L1/L0≦1.5の関係を満足する請求項1ないし6のいずれかに記載の時計用文字板の製造方法。
- 前記マイクロレンズのピッチをPML[μm]、前記繰り返し模様の構成単位のピッチをPR[μm]としたとき、0.5≦PR/PML≦1.5の関係を満足する請求項1ないし7のいずれかに記載の時計用文字板の製造方法。
- 前記時計用文字板を平面視した際に、時字が設けられていない部分の少なくとも一部に、前記装飾層の前記繰り返し模様および前記マイクロレンズ層の前記マイクロレンズが設けられており、時字が設けられている部分には、前記装飾層の前記繰り返し模様および/または前記マイクロレンズ層の前記マイクロレンズが設けられていない請求項1ないし8のいずれかに記載の時計用文字板の製造方法。
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