JP2013056841A - タイトジャンクション形成促進剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】皮膚バリア機能向上、消化粘膜機能維持、アレルゲン侵入抑制などに好適なタイトジャンクション(TJ:Tight Junction)形成促進剤、並びに、当該成分を含有する皮膚外用剤の提供。
【解決手段】シソ科ハナハッカ属エンメイソウ(別名:ヒキオコシ)より得られる植物抽出物、更には、ポリメタクリロイルリジン、ポリグルコシルエチルメタクリレ−トなどの生体類似構造を有するポリマ−及びコポリマ−を含有するTJ形成促進剤、並びに、前記成分を含有する皮膚外用剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、化粧料(但し、医薬部外品を含む)等に好適な、新規なタイトジャンクション(TJ:Tight junction)形成促進剤、並びに、該TJ形成促進剤を含有する皮膚外用剤に関する。前記TJ形成促進剤は、皮膚外用剤に含有することにより皮膚バリア機能を高めることが出来る。
生体と外界を隔絶する皮膚は、身体内部の水分蒸散を抑制すると共に、細菌をはじめとする異物の体内侵入を防ぐなどの物質透過を抑制する皮膚バリア機能を有する。これまでの皮膚バリア機能に関する研究においては、角層形状との関連性が注目され、角層細胞の形状や分布を指標とし皮膚バリア機能の説明がなされてきた。しかしながら、正常な形状の角化細胞を有している場合でも皮膚バリア機能が低いこと、更には、皮膚バリア機能において重要な役割を果たすとされる角層をテ−プストリッピングにより除去しても経表皮水分蒸散量(TEWL:Transepidermal water loss)が上昇しない人がいること(例えば、非特許文献1を参照)などの事実が明らかとなり、角層形状及び分布のみにより皮膚バリア機能を十分に説明することは困難となってきた。近年、皮膚バリア機能を説明するために、タイトジャンクション(TJ:Tight junction)に注目が集まり新たな皮膚バリア機能の作用機序が提唱されている。
TJは、細胞の周囲にベルト状に存在し、隣り合った細胞同士を密着させ隙間を塞ぐと共に、連続的に細胞を繋ぎ止める役割を果たしている。表皮の顆粒層に存在し細胞同士を密着させるTJは、水や物質が細胞間隙を透過するのを防ぎ、バリア機能を維持するために重要な役割を果たしている(例えば、非特許文献2、非特許文献3を参照)。さらに、皮膚バリア機能は、表皮・顆粒層におけるオクル−ディン、クロ−ディン1、クロ−ディン4等のTJを構成する蛋白質の存在及びその機能に関する研究が進んだことにより、より詳細なメカニズムが解明されてきている。また、TJには、前述の物理的な皮膚バリア機能に加え、TJを介する物質の移送調節に関わる生物活性、例えば、カルシウムイオン透過性を調節しイオン分布の均衡を保つことによる表皮細胞の分化・成熟作用、更には、肌状態に影響を及ぼすことなど皮膚への様々な作用が明らかにされている(例えば、非特許文献4を参照)。さらに、表皮顆粒層以外に存在するTJとしては、消化管の粘膜上皮細胞、血管内皮細胞等のTJが報告されている。かかるTJの構造的な破壊はTJ機能低下に繋がり有害物質の透過性を高めるため、消化管におけるアレルゲンなどの有害物質の侵入を許し、消化管障害、アレルギ−性疾患等を引き起こすことが知られている。
近年、TJ機能の解明と共にTJ機能を変化させる成分に関する研究も盛んに行われている。TJ機能を向上させる成分としては、TJ形成促進作用を有するガングリオシドのアレルゲン侵入抑制作用(例えば、特許文献1を参照)、消化管ホルモンの消化管粘膜機能維持作用(例えば、特許文献2を参照)、核酸のTJ形成促進作用(例えば、特許文献3を参照)、トコフェロ−ル誘導体のTJ形成促進作用(例えば、特許文献4を参照)、スイカズラ科スイカズラ属キンギンカより得られる植物抽出物のTJ形成促進作用(例えば、特許文献5を参照)などが報告されている。しかしながら、これまで見出されたTJ機能向上作用を有する成分は、期待される様な効果が得られなかったり、製剤中の安定性、安全性、経済面などに課題を有し、いまだ満足のいくもではなかった。
一方、生体類似構造を有するポリマ−及びコポリマ−は、高い保湿作用を有する高分子であり(例えば、特許文献6を参照)、化粧料等に保湿剤として配合されている。この様な生体類似構造を有するポリマ−及びコポリマ−としては、ポリグルコシルエチルメタクリレ−ト、ポリメタクリロイルリジン、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・ブチルメタクリレ−トコポリマ−或いはメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・ステアリルメタクリレ−トコポリマ−等のポリマ−又はコポリマ−が存在する。前記の生体類似構造を有するポリマ−及びコポリマ−には、保湿作用、損傷した皮膚バリアに代わりバリア層を構築し皮膚バリア機能を物理的に補完する作用(例えば、特許文献7)は知られているが、かかる成分にTJ形成促進作用が存することは発明者の知る限り報告されていなかった。また、前記の生体類似構造を有するポリマ−及びコポリマ−は、その高い水溶性のため皮膚投与する場合には長時間保持させることが難しく、期待された効果が十分に得られないなどの課題が存在した。
本発明者等は、シソ科ヤマハッカ属エンメイソウより得られる植物抽出物、更には、前記植物抽出物と生体類似構造を有するポリマ−及びコポリマ−よりなる成分に、優れたTJ形成促進作用が存することを見出した。本発明者の知る限り、シソ科ヤマハッカ属エンメイソウより得られる植物抽出物、更には、前記植物抽出物と生体類似構造を有するポリマ−又はコポリマ−を含有する成分にTJ形成促進作用が存することは知られていない。本願発明のTJ形成促進剤は、期待される効果が得られていない、製剤中の安定性、経済性等の従来のTJ形成促進剤が有する課題を解決した新たなTJ形成促進剤として期待出来る。
特開平08−109133号公報 特開平08−268908号公報 特開平09−030978号公報 特開2007−210948号公報 特開2009−269900号公報 特開2005−008592号公報 特開2007−308382号公報
Skin Res. Technol., 7, 40−48(2001) Biocimica et Biophysica Acta(BBA) Biomembranes,1788(4),813−819(2009) J. Cell. Biol.,156,1099−1111(2002) Biochem. Biophys. Res Commun.,381(2),171−175(2009)
本発明は、この様な状況下において為されたものであり、皮膚バリア機能向上、消化粘膜機能維持、アレルゲン侵入抑制などに好適な、新規なTJ形成促進剤を提供することを課題とする。また、前記TJ形成促進剤を皮膚外用剤に含有させることにより、皮膚の顆粒層におけるTJ形成を促進作用による皮膚バリア機能向上効果を有する皮膚外用剤を提供することを目的とする。
この様な状況に鑑みて、本発明者等は、TJ形成促進作用を有する新規なTJ形成促進剤を求め鋭意努力を重ねた結果、シソ科ハナハッカ属エンメイソウ(別名:ヒキオコシ)より得られる植物抽出物、更には、前記植物抽出物と生体類似構造を有するポリマ−及びコポリマ−を含有するTJ形成促進剤が優れたTJ形成促進作用を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明は以下に示す通りである。
<1> シソ科ヤマハッカ属エンメイソウ(別名:ヒキオコシ)から得られる植物抽出物を含有することを特徴とする、タイトジャンクション(TJ:Tight Junction)形成促進剤。
<2> 1)シソ科ヤマハッカ属エンメイソウから得られる植物抽出物と、2)生体類似構造を有するポリマ−又はコポリマ−を含有することを特徴とする、<1>に記載のTJ形成促進剤。
<3> 前記の生体類似構造を有するポリマ−又はコポリマ−が、ポリメタクリロイルリジン、ポリグルコシルエチルメタクリレ−ト、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・ブチルメタクリレ−トコポリマ−、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・ステアリルメタクリレ−トコポリマ−、及び/又はその塩から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする、<1>又は<2>に記載のTJ形成促進剤。
<4> TJ形成促進作用が、経上皮細胞電気抵抗値(TER:Transepithelial electronic resistance)を向上せしめる作用であることを特徴とする、<1>〜<3>の何れかに記載のTJ形成促進剤。
<5> <1>〜<4>の何れかに記載のTJ形成促進剤を含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
<6> 肌荒れ予防又は改善用であることを特徴とする、<5>に記載の皮膚外用剤
<7> 化粧料(但し、医薬部外品を含む)であることを特徴とする、<5>又は<6>に記載の皮膚外用剤。
<8> 更に、好ましい製剤成分を含有することを特徴とする、<5>〜<7>の何れかに記載の皮膚外用剤。
<9> 1)シソ科ヤマハッカ属エンメイソウから得られる植物抽出物と、2)ポリグルコシルエチルメタクリレ−ト、ポリメタクリロイルリジン、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・ブチルメタクリレ−トコポリマ−及びメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・ステアリルメタクリレ−トコポリマ−から選択される1種乃至は2種以上とを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
本発明によれば、新規なTJ形成促進剤を提供することが出来る。かかるTJ形成促進剤は、皮膚バリア機能向上、消化管障害、アレルギ−性疾患等の予防又は改善に有効である。また、前記TJ形成促進剤を含有する皮膚外用剤は、TJ形成促進剤の優れたTJ形成促進作用によりシワ、乾燥肌、日焼け肌、老化肌の予防又は改善に
有効である。
本発明のTJ形成促進剤(シソ科ハナハッカ属エンメイソウより得られる植物抽出物)のTJ形成促進作用評価(TER値測定)結果に関する図である。 本発明のTJ形成促進剤の角層重層離度評価の染色角層細胞の拡大像に関する図である。 本発明のTJ形成促進剤の角層重層剥離度評価結果に関する図である。
<本発明のTJ形成促進剤>
本発明のTJ形成促進剤は、シソ科ハナハッカ属エンメイソウより得られる植物抽出物、更には、前記植物抽出物と生体類似構造を有するポリマ−又はコポリマ−を含有することを特徴とするTJ形成促進剤である。TJは、皮膚の細胞の周囲にベルト状に存在し、隣り合った細胞同士を密着させ隙間を塞ぐと共に、連続的に細胞を繋ぎ止めることにより、水や物質が細胞間隙を透過するのを防ぎ、有害物質が透過するのを防ぐために重要な役割を果たしている。また、TJと同様の細胞間接着装置として、アドヘレンスジャンクション(AJ: Ad junction)の存在が知られている。本発明のTJ形成促進剤は、前述のTJ形成促進作用を有する成分のほか、AJ形成促進作用を有する成分、更には、前記の両作用を有する成分が包含される。本発明のTJ形成促進剤は、前記のTJ及び/又はAJ形成促進作用を有する成分であれば特段の限定なく適用することが出来る。本発明のTJ形成促進剤としては、シソ科ハナハッカ属エンメイソウより得られる植物抽出物、更には、前記植物抽出物と生体類似構造を有するポリマ−又はコポリマ−よりなるTJ形成促進剤が好適に例示出来、前記の生体類似構造を有するポリマ−又はコポリマ−としては、、ポリメタクリロイルリジン、ポリグルコシルエチルメタクリレ−ト、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・ブチルメタクリレ−トコポリマ−及びメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・ステアリルメタクリレ−トコポリマ−、及び/又はその塩から選択される1種乃至は2種以上が好適に例示出来る。前記の生体類似構造を有するポリマ−又はコポリマ−の内、特に、メタクリロイルリジン及び/又はその塩が好ましい。これは、シソ科ハナハッカ属エンメイソウより得られる植物抽出物とポリメタクリロイルリジン及び/又はその塩を含有するTJ形成促進剤が、特に優れたTJ形成促進作用を有するためである。本発明のTJ形成促進剤は、優れたTJ形成促進作用を有し、皮膚バリア機能向上、消化粘膜機能維持、アレルゲン侵入抑制、細菌による感染症、敗血症、多臓器不全等の症状又は疾患に有効であり、かかる症状又は疾患の予防又は改善に適用することが出来る。特に、本発明のTJ形成促進剤を含有する皮膚外用剤は、優れたTJ形成促進作用により皮膚バリア機能向上による肌荒れ予防又は改善効果、シワ形成の予防又は改善、日焼け肌、老化肌の予防又は改善効果が期待出来る。また、本発明のシソ科ハナハッカ属エンメイソウより得られる植物抽出物よりなるTJ形成促進剤は、優れたTJ形成促進作用を有し、生体類似構造を有するポリマ−又はコポリマ−と共存することによりTJ形成促進作用が相加又は相乗的に増強される。
本発明のTJ形成促進剤としては、TJ形成促進作用を有する成分であれば特段の限定なく適用することが出来る。また、本発明のTJ形成促進剤には、TJ形成促進作用を有する成分のほか、AJ形成促進作用を有する成分、更には、両作用を有する成分が包含される。本発明のTJ形成促進剤が有するTJ形成促進作用は、TJ及び/又はAJ形成促進作用が評価可能である評価系においてTJ及び/又はAJ形成促進作用が認められるものであれば特段の限定なく適用することが出来る。本発明のTJ形成促進剤が有するTJ形成促進作用評価系の内、好ましいものとしては、例えば、Kurasawa M. et. al.,Biochemical and Biophysical Reseach Communications,381,171−175(2009)に記載の3次元表皮モデル又は生体皮膚を用いたビオチン標識拡散トレ−サ−による細胞間物質移動確認法、培養細胞シ−トを用いたFITC-dextran細胞間物質透過試験法、フリ−ズフラクチャ−法によるTJストランド観察によるストランドの出来具合で機能を類推する方法、更には、特開2007−174931号公報に記載の経上皮細胞電気抵抗値(TER:transepithelical electronic resistance)を測定する方法等が好適に例示出来る。前述のTJ及び/又はAJ形成促進作用評価系は、操作の簡便性や測定精度等の面から、FITC-Dextran透過性試験法、経上皮細胞電気抵抗値(TER値)を測定する方法が好ましい。また、本発明のTJ形成促進剤としては、前記のTJ形成促進作用評価によりTJ形成促進作用が認められる成分であれば特段の限定なく適用することが出来るが、後述する実施例1に記載の「本発明のTJ形成促進剤を用いたTJ形成促進作用評価(TER値測定試験)」においてTJ形成促進作用を有する成分が特に好ましい。かかるTJ形成促進作用評価系においてTJ形成促進作用を有する成分とは、コントロ−ル群に比較し、被験物質添加によりTER値の上昇が認められる成分、より好ましくは、TER値が50Ω・cm以上のTER値の上昇が認められる成分、さらに好ましくは、TER値が200Ω・cm以上のTER値の上昇が認められる成分が好適に例示出来る。
また、前述のTJ及び/又はAJの形成促進作用の評価方法によれば、支持体上で構築した表皮角化細胞層膜における細胞間物質移動の程度を、細胞間物質透過性又は経上皮細胞電気抵抗値(TER値)の測定などにより確認し、細胞間物質移動の程度が、被験物質非存在下に比して、被験物質存在下で抑制された場合、表皮角化細胞層膜のTJ及び/又はAJが緻密に構築されていると判断される。また、本発明のTJ形成促進剤をin vivoの皮膚に適応した場合には、かかる作用を以って、角層又は表皮顆粒層の物質透過抑制作用が向上し、皮膚バリア機能向上による肌荒れ予防又は改善効果、シワ形成の予防又は改善、日焼け肌、老化肌の予防又は改善効果が期待出来る。
本発明のTJ形成促進剤の作用機序としては、例えば、Experimental Dermatology,16,P324(2007)に記載の顆粒層に存在するオクル−ディン、クロ−ディン1、クロ−ディン4等のタイトジャンクション構成タンパク質発現促進作用、J.Invest.Dermatol.,127,P782(2007)に記載の低分子量GタンパクRac1、極性タンパクaPKC等の活性化によるTJタンパク質配列調整作用などの直接的なTJ形成促進作用のほか、特開2011−093830号に記載の温度感受性受容体(TRPV4:Transient receptor potential vanilloid)活性化作用などの間接的なTJ形成促進作用等が推定される。
<本発明のTJ形成促進剤のシソ科ハナハッカ属エンメイソウより得られる植物抽出物>
本発明のTJ形成促進剤は、シソ科ハナハッカ属エンメイソウより得られる植物抽出物、更には、前記植物抽出物と生体類似構造を有するポリマ−又はコポリマ−を含有することを特徴とするTJ形成促進剤である。ここで本発明の植物抽出物とは、抽出物自体、抽出物の分画、精製した分画、抽出物乃至は分画、精製物の溶媒除去物の総称を意味する。
本発明のTJ形成促進剤であるシソ科ハナハッカ属エンメイソウより得られる植物抽出物に付いて述べる。シソ科ハナハッカ属エンメイソウは、別名、ヒキオコシとも呼ばれ、日本、朝鮮半島を原産地とする多年草であり、日本においては、本州、四国、九州の乾いた日の当たる山野に自生する。また、消化不良、食欲不振、腹痛、胃痙攣などの症状を改善するとされ、漢方薬などに生薬として配合される。本発明のシソ科ハナハッカ属エンメイソウより得られる植物抽出物の作製に用いる部分としては、植物体の何れの部分も使用可能であり、全草、地上部、葉、花、蕾、樹皮、木幹、根などが好適に例示出来る。本発明のシソ科ハナハッカ属エンメイソウより得られる植物抽出物は、日本に於いて自生又は生育された植物、漢方生薬原料などとして販売される日本産のものを用い植物抽出物を作製することも出来るし、丸善株式会社、一丸ファルコス株式会社などの植物抽出物を扱う会社より販売されている市販の植物抽出物を購入し、使用することも出来る。また、抽出に際しては、植物体、地上部又は木幹部は予め、粉砕或いは細切して抽出効率を向上させるように加工することが好ましい。植物抽出物は、植物体、地上部乃至はその乾燥物1質量に対して、溶媒を1〜30質量部加え、室温であれば数日間、沸点付近の温度であれば数時間浸漬する。浸漬後は、室温まで冷却し、所望により不溶物を除去した後、溶媒を減圧濃縮するなどにより除去することが出来る。しかる後、シリカゲルやイオン交換樹脂を充填したカラムクロマトグラフィ−などで分画精製し、所望の植物抽出物を得ることが出来る。
前記抽出溶媒としては、極性溶媒が好ましく、水、エタノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、ブタノ−ルなどのアルコ−ル類、1,3−ブタンジオ−ル、ポリプロピレングリコ−ルなどの多価アルコ−ル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチルエ−テル、テトラヒドロフランなどのエ−テル類から選択される1種乃至は2種以上が好適に例示出来る。
本発明のシソ科ハナハッカ属エンメイソウより得られる植物抽出物を含有するTJ形成促進剤は、皮膚外用剤全量に対し0.01質量%〜10質量%、より好ましくは、0.05質量%〜7質量%、さらに好ましくは、0.1〜5質量%含有させることがより好ましい。これは、シソ科ハナハッカ属エンメイソウより得られる植物抽出物を含有するTJ形成促進剤の含有量が、少なすぎるとTJ及び/又はAJ形成促進作用を奏さない傾向が存在し、多すぎても、効果が頭打ちになる傾向を示すため、この系の自由度を損なう場合が存するためである。また、かかるTJ形成促進剤は、上皮細胞におけるTJ及び/又はAJ形成促進に対し優れた作用を有するほか、標的部位への集積性及び選択性に優れ、高い安全性及び安定性を有するために、医薬、食品、化粧料(但し、医薬部外品を含む)などへの使用が好ましい。さらに、本発明の皮膚外用剤において、TJ及び/又はAJ形成促進剤を、皮膚バリア機能向上、肌荒れ改善、抗老化用以外の作用を目的に配合した場合であっても、前記TJ形成促進剤を含有する皮膚外用剤が、TJ及びAJ形成促進作用による皮膚バリア機能向上効果を発揮する場合は、本願発明の構成と効果を充足するので、本発明の技術的範囲に属する。
<本発明のTJ形成促進剤の生体類似構造を有するポリマ−又はコポリマ−>
本発明のTJ形成促進剤は、シソ科ハナハッカ属エンメイソウより得られる植物抽出物、更には、前記植物抽出物と生体類似構造を有するポリマ−又はコポリマ−を含有することを特徴とするTJ形成促進剤である。また、前記生体類似構造を有するポリマ−又はコポリマ−としては、ポリメタクリロイルリジン、ポリグルコシルエチルメタクリレ−ト、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・ブチルメタクリレ−トコポリマ−及びメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・ステアリルメタクリレ−トコポリマ−及び/又はその塩から選択される1種乃至は2種以上であることが好ましく、特に、ポリメタクリロイルリジン及び/又はその塩であることが好ましい。ここで本発明のTJ形成促進剤である生体類似構造を有するポリマ−又はコポリマ−の内、ポリメタクリロイルリジン、ポリグルコシルエチルメタクリレ−ト、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・ブチルメタクリレ−トコポリマ−及びメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・ステアリルメタクリレ−トコポリマ−及び/又はその塩に付いて述べる。前記生体類似構造を有するポリマ−又はコポリマ−の部分構造としては、例えばホスホリルコリン残基、グルコ−ス残基などの糖残基、リジン残基等のアミノ酸残基が好適に例示出来、かかる部分構造を保持する基体としては、メタアクリル酸乃至はそのエステル或いはアミド、アクリル酸乃至はそのエステル或いはアミド、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルアルコ−ル等のモノマ−を重合乃至は共重合させたポリマ−が好適に例示出来、かかるポリマ−の内、好ましいものを具体的に挙げれば、ポリ(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、(メタ)アクリル酸ブチル・メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、(メタ)アクリル酸ステアリル・メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンなどの(メタ)アクリル酸(C1−30)アルキルと(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとの共重合体、ポリ(メタ)アクリロイルオキシエチルグルコ−ス、ポリ(メタ)アクリロイルリジン等の(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成モノマ−とするポリマ−乃至はコポリマ−が好ましく例示出来る。
本発明の生体類似構造を有するポリマ−乃至はコポリマ−は、アクリル酸又はメタクリル酸より、塩化チオニル等を反応させて誘導されるアクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリドを、アルカリ存在下、所望により、トリメチルシリル基、トリフェニルメチル基などの保護基を有していても良い、糖、アミノ酸、リン脂質乃至はリン脂質類似体に反応させ、所望により、保護基を脱保護して、アクリル酸乃至はメタクリル酸の側鎖に生体類似部分を導入し、これを他のモノマ−と共に重合することにより得ることが出来る。重合は、好適には窒素気流下行い、重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等が好適に例示出来る。また、本発明の生体類似構造を有するポリマ−又はコポリマ−には市販品も存し、かかる市販品を購入し利用することも出来る。前記の生体類似構造を有するポリマ−又はコポリマ−の内、市販されているポリマ−又はコポリマ−としては、ポリグルコシルオキシエチルメタクリレ−ト(日本精化株式会社製、「p−GEMA−s」)、ポリメタクリロイルリジン(岐阜シェラック株式会社製、「PMリジン」)、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(日本油脂株式会社製「リピデュア−C」)、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチルコポリマ−(日本油脂株式会社製、「リピデュア−PMB」)及びメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ステアリルコポリマ−(日本油脂株式会社製、「リピデュア−S」)が知られている。本発明の生体類似構造を有するポリマ−又はコポリマ−は、唯一種を選択しシソ科ハナハッカ属エンメイソウより得られる植物抽出物と共に含有させることも出来るし、二種以上を選択し前記植物抽出物と組み合わせて含有させTJ形成促進剤とすることも出来る。特に、ポリメタクリロイルリジンは、シソ科ハナハッカ属エンメイソウより得られる植物抽出物と共に含有することにより優れたTJ形成促進効果を発揮する。さらに、本発明のシソ科ハナハッカ属エンメイソウより得られる植物抽出物と生体類似構造を有するポリマ−又はコポリマ−を含有するTJ形成促進剤を含有する皮膚外用剤は、優れたTJ形成促進作用による皮膚バリア機能向上による肌荒れ予防又は改善効果、シワ形成の予防又は改善、日焼け肌、老化肌の予防又は改善効果が期待出来る。また、本発明の生体類似構造を有するポリマ−又はコポリマ−皮膚外用剤中における好ましい含有量は、総量で皮膚外用剤全量に対して、0.05〜8質量%であり、より好ましくは0.1〜5質量%である。
<本発明の皮膚外用剤>
本発明の皮膚外用剤は、前述のTJ形成促進剤、若しくは、1)シソ科ヤマハッカ属エンメイソウから得られる植物抽出物と、2)ポリメタクリロイルリジン、ポリグルコシルエチルメタクリレ−ト、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・ブチルメタクリレ−トコポリマ−及びメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・ステアリルメタクリレ−トコポリマ−及び/又はその塩から選択される1種乃至は2種以上を含有する皮膚外用剤であることを特徴とする。本発明の皮膚外用剤は、前述のTJ形成促作用を有する成分を含有することにより優れたTJ形成促進作用による優れたTJ形成促進作用による皮膚バリア機能向上による肌荒れ予防又は改善効果、シワ形成の予防又は改善、日焼け肌、老化肌の予防又は改善効果が期待出来る。
本発明の皮膚外用剤は、通常皮膚に外用で投与されるものであれば特段の限定なく適応することが出来、医薬部外品を含有する化粧料、皮膚外用医薬、皮膚外用雑貨等が好ましく例示出来る。これらの中で特に好ましいものは、化粧料である。かかる化粧料としては、例えば、化粧料などのロ−ション、乳液、エッセンス、クリ−ム、パック化粧料、洗顔化粧料、クレンジング化粧料等が好ましく例示出来る。更にその剤形としては、化粧料の領域で知られているものであれば特段の限定はなく、ロ−ション製剤、水中油乳化製剤、油中水乳化製剤、複合エマルション乳化製剤、ベシクル分散剤形等に好ましく例示出来、特に、油中水乳化剤形、ベシクル分散剤形が好ましい。かかる製剤は、肌荒れ予防又は改善効果、皮膚外用剤としての安定性又は安全性に優れる。
本発明の皮膚外用剤においては、前記の成分以外に通常皮膚外用剤で使用されている任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリ−ブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワ−油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パ−ム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコ−ル、ステアリルアルコ−ル、イソステアリルアルコ−ル、ベヘニルアルコ−ル、オクチルドデカノ−ル、ミリスチルアルコ−ル、セトステアリルアルコ−ル等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコ−ル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコ−ル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロ−ルプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロ−ルプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエ−テル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコ−ン油等の油剤類;脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノ−ルアミンエ−テル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレ−ト、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコ−ル脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコ−ル等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエ−テル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエ−ト、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレ−ト等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレ−ト等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコ−ルモノオレ−ト、POEジステアレ−ト等)、POEアルキルエ−テル類(POE2−オクチルドデシルエ−テル等)、POEアルキルフェニルエ−テル類(POEノニルフェニルエ−テル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエ−テル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエ−テル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;ポリエチレングリコ−ル、グリセリン、1,3−ブチレングリコ−ル、エリスリト−ル、ソルビト−ル、キシリト−ル、マルチト−ル、プロピレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、ジグリセリン、イソプレングリコ−ル、1,2−ペンタンジオ−ル、2,4−ヘキサンジオ−ル、1,2−ヘキサンジオ−ル、1,2−オクタンジオ−ル等の多価アルコ−ル類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、;表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパ−ル剤類;レ−キ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤、;桂皮酸系紫外線吸収剤、;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノ−ル、イソプロパノ−ル等の低級アルコ−ル類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテ−ト、ビタミンB6ジオクタノエ−ト、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロ−ル、β−トコフェロ−ル、γ−トコフェロ−ル、ビタミンEアセテ−ト等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示できる。これらの成分を常法に従って処理することにより、製造することが出来る。
本発明の皮膚外用剤には、TJ形成促進剤の優れたTJ形成促進作用による皮膚バリア機能向上による肌荒れ予防又は改善効果、シワ形成の予防又は改善、日焼け肌、老化肌の予防又は改善効果が期待出来る。本発明の皮膚外用剤が有するかかる効果を有効に発揮させるためには、前記効果を高める製剤成分を含有することが好ましい。この様な成分としては、例えば、有機変性粘土鉱物が例示出来る。ここで有機変性とは、粘土鉱物の一部に有機化合物の一部を共有結合乃至はイオン結合を介して強固乃至は緩やかな結合を生ぜしめ、有機化合物の性質の一部乃至は全部を粘土鉱物に付与させることを意味し、この様な変性としては4級アミン基と粘土鉱物のアニオン部分を結合させる方法、カルボキシル基と粘土鉱物のカチオン部分を結合させる方法等が例示出来、4級アミン基と粘土鉱物のアニオン部分を結合させる方法が特に好ましく例示出来る。
粘土鉱物を変性させる4級アミノ基を有する化合物としては、特に限定されるわけではないが、クオタニウムと称される化合物が例示される。クオタニウムとは、低分子の置換第4級アンモニウム塩であって、国際基準化粧品原材料(INCI)に登録された化粧料原料が好ましい。さらに、粘土鉱物を変性させる4級アミノ基を有する化合物は、クオタニウム化合物のなかでも、従来の皮膚外用剤に含有されるクオタニウム化合物であることが好ましい。従来の皮膚外用剤で使用されているクオタニウム化合物としては、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド等が好ましく例示される。ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド等は、粘土鉱物とともに安定な油中水乳化構造を形成することができるので好ましい。
一方、4級アミノ基を有する化合物で変性される粘土鉱物(未変性粘土鉱物)としては、従来の皮膚外用剤に含有される粘土鉱物であれば特段の限定無く使用することができる。従来の皮膚外用剤に含有される粘土鉱物としては、スメクタイト系のヘクトライト、ベントナイトやモンモリロナイト;カオリナイト;イライト;マリ−ン粘土鉱物(海泥);デザ−トロ−ズ粘土鉱物;パスカライトなどが好ましく挙げられる。これらのうち、油中水乳化構造を安定化させることができるベントナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト又はカオリナイトが好ましく例示される。
本発明の皮膚外用剤に含有される4級アミノ基を有する化合物で変性された粘土鉱物の製造方法の一例を以下に説明する。前記未変性粘土鉱物を分散媒に分散させる。該分散剤は水系の溶媒であることが好ましく、水であってもよい。分散未変性粘土鉱物を含む分散液に、さらに4級アミノ基を有する化合物を加え、よく撹拌する。4級アミノ基を有する化合物は、水に溶解されて加えられてもよい。加えられる4級アミノ基を有する化合物の量は、分散未変性粘土鉱物の量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%であることがより好ましい。この様な構成を取ることにより、乳化系において、好ましい使用感を呈するためである。撹拌後、分散質を濾取し、脱水、乾固することにより本発明における変性粘土鉱物を得ることができる。あるいは、分散質を濾取することなく、減圧濃縮することにより分散剤を除去して乾固させることにより、本発明における変性粘土鉱物を得ることもできる。得られた変性粘土鉱物は、好ましくは所望のサイズ(粒径が1〜1000μmであることが好ましい)に粉砕され、本発明の皮膚外用剤に含有される。
本発明における変性粘土鉱物は、前述したように調製して使用されることもできるが、市販されているものを使用することもできる。市販されている変性粘土鉱物には、化粧料などの皮膚外用剤などとして用いられているものもある。市販されている変性粘土鉱物としては、例えば、エレメンティス社より「ベントン38V」の名称で販売されている、ジメチルジステアリルアンモニウム変性ヘクトライトなどが好ましく例示される。
本発明の皮膚外用剤においては、かかる成分は0.5〜10質量%好ましく含有され、より好ましくは1〜5質量%含有される。かかる成分は、前記の含有量の範囲において、乳化剤として働くと同時に、その塗布時の使用感において、その延展、塗擦時の摩擦係数の変化パターンにより、塗布されている人に心地よさを感じさせる。
本発明の皮膚外用剤には、TJ形成促進剤の優れたTJ形成促進作用による皮膚バリア機能向上による肌荒れ予防又は改善効果、シワ形成の予防又は改善、日焼け肌、老化肌の予防又は改善効果が期待出来る。本発明の皮膚外用剤が有するかかる効果を有効に発揮させるためには、前記効果を高める製剤成分を含有することが好ましい。かかる成分としては、α,ε−ビス(γ−N−(炭素数10〜30)アシルグルタミル)リジンが好適に例示出来る。かかる成分はフリ−体を含有することも出来るし、塩の形で含有することも出来る。これらの塩としては、皮膚外用剤で使用されるものであれば、特段の限定無く使用でき、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、トリエタノ−ルアミン塩、モノエタノ−ルアミン塩等の有機アミン塩、リジン塩、アルギン酸塩等の塩基性アミノ酸塩等が好適に例示出来る。アシル基は炭素数10〜30のものであることを特徴とする。この様なアシル基は、直鎖であっても、分岐構造を有していても、環状構造を有していても良く、飽和脂肪族であっても、不飽和脂肪族であっても良い。アシル基の具体例としては、例えば、デカノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ベヘノイル基、イソステアロイル基、オレオイル基、リノロイル基等が例示でき、これらの中ではラウロイル基が特に好ましい。又、α,ε−ビス(γ−N−(炭素数10〜30)アシルグルタミル)リジンは2つのアシル基を有するが、かかる2つのアシル基は、同じであっても、異なっていても良い。α,ε−ビス(γ−N−(炭素数10〜30)アシルグルタミル)リジンは、例えば、次のような手順で製造することが出来る。即ち、グルタミン酸をトリエチルアミンなどのアルカリの存在下、アシルクロリドと反応させてN−アシルグルタミン酸を得る。しかる後に、モル比2:1でリジンと、DCC等のペプチド合成試薬の存在下縮合させることにより、製造することが出来る。斯くして得られた反応生成物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィ−などで精製することができる。シリカゲルカラムクロマトグラフィ−の溶出溶媒としては、クロロホルム−メタノ−ル混液系が好ましく例示出来る。かかる成分を含有した皮膚外用剤は、ベシクル分散剤形を形成することにより皮膚外用剤中に安定にTJ形成促進剤を配合することが出来、かかる皮膚外用剤は、優れた肌荒れ予防又は改善効果を発揮する。
前記の様な方法によってα,ε−ビス(γ−N−(炭素数10〜30)アシルグルタミル)リジンを製造し用いることも出来るが、α,ε−ビス(γ−N−(炭素数10〜30)アシルグルタミル)リジンには既に市販されているものが存し、かかる市販品を購入し利用することもできる。この様な市販品としては、「ペリセアL−30」(旭化成株式会社製;α,ε−ビス(γ−N−ラウロイルグルタミル)リジン)が好適に例示出来る。斯くして得られたα,ε−ビス(γ−N−(炭素数10〜30)アシルグルタミル)リジンは、二分子膜を形成しやすい特性を有し、安定性に優れるベシクルを形成する。かかるベシクルは表皮の細胞の膜構造と近似した物性を有するため、皮膚透過性に優れる。加えて脂質二重膜間に有効成分を保持する作用に優れる。これは該脂質二重膜自身に両親媒性が存するためである。又、この様な作用を発揮するためには、α,ε−ビス(γ−N−(炭素数10〜30)アシルグルタミル)リジンから選択される1種又は2種以上を総量で、ベシクル全量に対し、下限値として好ましくは1質量%、より好ましくは5質量%、上限値として好ましくは50質量%、より好ましくは10質量%含有する。かかる成分が多すぎても、少なすぎても安定なベシクルが形成しない場合が存するためである。
また、前記のベシクル分散剤形の皮膚外用剤においては、ベシクル分散系を好適に採用するため、該ベシクルの会合を抑制する作用を有することから、リン脂質乃至はセラミドを含有することが好ましい。リン脂質としては、レシチン、ホスファチジルグリセロ−ル、ホスファチジルイノシト−ル、ホスファチジルエタノ−ルアミン、ホスファチジルセリン或いはそれらのリゾ体が好ましく、リゾレシチンが特に好ましい。かかる成分には、市販品が存し、かかる
市販品を購入し利用することもできる。例えば、「レシノ−ルSH50」(日本サーファクタント工業株式会社製)等を例示することができる。セラミドとしてはタイプ1〜7 の何れもが好適に利用でき、タイプ2乃至はタイプ3が特に好ましい。この様なセラミドとしては、市販のものが存し、かかる市販品を購入して利用することができる。この様な市販品としては、タイプ3のセラミドとしては、コスモファ−ム社製の「Ceramide III」、「Ceramide IIIA」、「Ceramide IIIB」等が存し、タイプ2のセラミドとしては、高砂香料工業株式会社製の「Ceramide TIC-100」が存し、その他のタイプのセラミドとしては、タイプ6 の「Ceramide VI」(コスモファ−ム社製)、タイプ1 の「Phytoceramide I」(コスモファ−ム社製)等が好適に例示できる。かかる成分は、ベシクルの安定性を向上させる作用を有するが、この様な作用を発現するためには、かかる成分の総量を、前記α,ε−ビス(γ−N−(炭素数10〜30)アシルグルタミル)リジンの総量に対して1:1〜1:100の質量比になるように含有せしめるのが好ましく、皮膚外用剤全量に対しては、下限値として、好ましくは、0.0005質量%、より好ましくは、0.1質量%であり、更に好ましくは0.5質量%である。上限値としては、好ましくは、10質量%、より好ましくは5質量%であり、更に好ましくは1質量%である。これは量が少なすぎるとベシクルの安定性を保てない場合が存し、多すぎても、ベシクル中に収まりきれずに不溶物として析出が生じる場合が存するからである。又、観点を変えて、セラミドの皮膚外用剤への配合を考えると、セラミドは結晶性の高い物質であり、通常の乳化系においては、その配合の上限は、0.05質量%であると言われており、最も多くのセラミドを含有できるポリグリセリン脂肪酸エステルと多価アルコ−ルの液晶乳化系でもその上限は0.3質量%であると言われている。これに対して、本発明の皮膚外用剤の好ましい形態であるベシクル
分散系においては、セラミドを0.5質量%以上、結晶を析出させることなく含有させることもできる。
以下に、実施例を挙げて、本発明について、更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
<試験例1: 本発明のTJ形成促進剤を用いたTJ形成促進作用評価(TER値測定試験)>
凍結正常ヒト表皮角化細胞(NHEK)(倉敷紡績株式会社製)を解凍し、0.15mM−Ca2+含有培養液(Humedia−KG2:倉敷紡績株式会社製)にて、37℃、50%二酸化炭素雰囲気下にて培養した。この正常ヒト表皮角化細胞(NHEK)をMillicell Tissue Culture Plate(ミリポア社製)にコ−ニング社製トランズウェル(直径12mm、ポリエチレンテレフタレ−ト0.4μmポア)をセットし、上層0.5ml、下層1.5mlの前記培養液を入れ、1×10cells/cmで播種し、さらに72時間培養した。コンフルエントになったことを確認し、1.45mM−Ca2+含有−Humedia−KG2培地に交換し、その後24時間培養した。その後、本発明のTJ形成促進剤であるシソ科ハナハッカ属エンメイソウより得られる植物抽出物を含有する培養液に交換して、培養を継続し、一定時間後にTER(Transepitherial Electrical Resistance)値(Ω・cm)を測定する。また、本発明のTJ形成促進剤を含有しない培養液にて培養したサンプルをコントロ−ル(図1中、ベヒクルコントロ−ルと記載)とし、TER値を測定する。また図1中、本発明のTJ形成促進剤のシソ科ハナハッカ属エンメイソウより得られる植物抽出物の濃度は、(v/v%)で表示する。結果を図1に示す。図1において、縦軸は、TER値(Ω・cm)、横軸は、測定時間を表す。尚、本発明のシソ科ハナハッカ属エンメイソウより得られる植物抽出物は、一丸ファルコス株式会社より購入した植物抽出物を使用した。
図1の結果より、本発明のTJ形成促進剤であるシソ科ハナハッカ属エンメイソウより得られる植物抽出物には、顕著なTER値の上昇が認められた。本発明のシソ科ハナハッカ属エンメイソウより得られる植物抽出物は、優れたTJ形成促進作用を有する。また、同様の実験操作によりシソ科ハナハッカ属エンメイソウより得られる植物抽出物とポリメタクリロイルリジンを含有するTJ形成促進剤にも添加前に比較し添加後に顕著なTER値の上昇が認められた。
<試験例2: 本発明のTJ形成促進剤の肌荒れ改善作用評価>
健常男性5名を被験者とし、前腕内側の肘屈側部中心から4cm離れた位置に、被験者の前腕内側部に試験部位を3箇所設定した。1部位は直径1.5cmの円とし、各部位の間隔は1.0cmとした。0.5%SDS溶液を50μLしみ込ませたパッチテスト用絆創膏(鳥居薬品)を各試験部位に24時間貼付し、人工肌あれモデルを作成した。SDSパッチ除去後、試験部位に残ったSDSを流水にて洗い流し、ダブルブラインドにて割付けた試験サンプルを1日2度(朝、夜)、3日間塗布した。試験サンプルは4wt/wt%エンメイソウ抽出物in 10wt/wt%エタノ−ル、3wt/wt%ポリメタクリロイルリジンin 10wt/wt%エタノ−ル、4wt/wt%エンメイソウ抽出物+3wt/wt%ポリメタクリロイルリジン混合物in 10wt/wt%エタノ−ル、10wt/wt%エタノ−ル(ベヒクルコントロ−ル)を用いた。
試験サンプルの有効性は、角層状態にて確認した。試験最終日に粘着テ−プにて各試験部位から皮膚表面の角層細胞をストリッピング採取した。得られた角層細胞を粘着テ−プごと1.0wt/v%ゲンチアナバイオレット0.5wt/v%ブリリアントグリ−ンに12分浸漬して染色し、流水にて余分な染色液を洗浄した。染色角層細胞の拡大像を顕微鏡にて取得し、角層機能や肌荒れ状態と相関する重層剥離度(J. Soc. Cosmet. Chem. Jpn., 32, 33-442)を目視にて判定した。結果を図2及び図3に示す。図3は、図2の結果をスコア化した結果を示した図である。角層細胞がより薄く均一に剥がれているほど角層機能が高く肌が良好な状態であることを示す。ベヒクルコントロ−ルに比較して、エンメイソウ抽出液、ポリメタクリロイルリジンは角層状態が改善されていた。エンメイソウ抽出物ポリメタクリロイルリジンの混合物では、さらに良好な結果であった。
<製造例1:本発明の皮膚外用剤の製造方法1>
表1及び表2に示す処方に従い、「本発明のTJ形成促進剤」を含有する油中水乳化剤形(化粧料)の皮膚外用剤を製造した。即ち、イ、ロ、ハの成分をそれぞれ80℃に加温し、イの中にニを加えて溶解させ、混練してゲルを形成させ、これにロを加え希釈し、これに攪拌下徐々にハを加えて乳化し、攪拌冷却し、本発明の皮膚外用剤である、油中水乳化剤形の化粧料1及び化粧料2を作製した。さらに、「本発明のTJ形成促進剤」を水に置換した比較例1を作製した。下記化粧料は、「本発明のTJ形成促進剤」の質量%に応じ「水」を適量加え、全体の質量%が100質量%となる様に調製した。
Figure 2013056841
Figure 2013056841
<製造例2:本発明の皮膚外用剤の製造方法2>
以下の表3及び表4に示す処方に従い、本発明のベシクル分散剤形の皮膚外用剤(化粧料3、4)を作製した。即ち、イ、ロの成分をそれぞれ70℃に加熱し、一様に溶解せしめ、撹拌下イに徐々にロを加え、ベシクル分散剤形の皮膚外用剤(化粧料3、4)を得た。また、本発明の「TJ形成促進剤」を「水」に置換した比較例2を作製した。下記化粧料は、「本発明のTJ形成促進剤」の質量%に応じ「水」を適量加え、全体の質量%が100質量%となる様に調製した。
Figure 2013056841
Figure 2013056841
<試験例3: 本発明の皮膚外用剤の肌荒れ改善試験1>
パネラ−を使用し、油中水乳化剤形の化粧料1、2及び比較例1、ベシクル分散剤形の化粧料3、4及び比較例2に付いて、テ−プストリッピングによって作成した肌荒れモデルでの、肌荒れ改善作用を評価した。即ち、左右の前腕に1cm×1cmの部位を6つずつ作成し、経皮的散逸水分量(TEWL)をインテグラル社製の「テヴァメ−タ−」で計測した後、テ−プストリッピングを各部位15回行い、再びTEWLを計測した。その後、一日二度(朝、夜)検体を50μL塗布し、この作業を6日間続け、7日目に再度TEWLを計測した。最初の日のテ−プストリッピング後TEWL値から7日目のTEWL値を減じた値を、最初の日のテープストリッピング後TEWL値よりテ−プストリッピング前TEWL値を減じた値で除し、100を乗じてTEWL改善率(%)を算出した。n数は15とした。結果を表5に示す。これより、本発明の皮膚外用剤は肌荒れ改善作用に優れることがわかる。
Figure 2013056841
<製造例3:本発明の皮膚外用剤の製造方法3、肌荒れ試験評価2>
表6に記載の処方に従い有機粘土鉱物によらない油中水乳化剤形であるジグリセリン脂肪酸エステルとマルチト−ルによる油中水乳化剤形の化粧料(比較例3)を作製した。比較例3に関し実施例3に記載の方法に従い肌荒れ改善作用評価したとこころ、TEWL改善率(%)は、56%であった。比較例3は、化粧料1に比較し肌荒れ改善作用が顕著に低かった。
Figure 2013056841
<製造例4:本発明の皮膚外用剤の製造方法4、肌荒れ改善作用評価3>
製造例2に記載の化粧料3の処方中、「ペリセアL−30」を「デカグリセリンモノオレ−ト」に置換した比較例4を作製した。化粧料3は、ベシクル分散剤形の皮膚外用剤であったのに対し、比較例4は、ベシクルを形成しない乳化剤形の皮膚外用剤であった。比較例4に関し、実施例3に記載の方法に従い肌荒れ改善作用を評価したところ、TEWL改善率は、51%であった。比較例4は、化粧料3に比較し肌荒れ改善作用が顕著に低かった。
本発明は、化粧料などの皮膚外用剤に応用出来る。

Claims (9)

  1. シソ科ヤマハッカ属エンメイソウ(別名:ヒキオコシ)から得られる植物抽出物を含有することを特徴とする、タイトジャンクション(TJ:Tight Junction)形成促進剤。
  2. 1)シソ科ヤマハッカ属エンメイソウから得られる植物抽出物と、2)生体類似構造を有するポリマ−又はコポリマ−を含有することを特徴とする、請求項1に記載のTJ形成促進剤。
  3. 前記の生体類似構造を有するポリマ−又はコポリマ−が、ポリメタクリロイルリジン、ポリグルコシルエチルメタクリレ−ト、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・ブチルメタクリレ−トコポリマ−、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・ステアリルメタクリレ−トコポリマ−、及び/又はその塩から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のTJ形成促進剤。
  4. TJ形成促進作用が、経上皮細胞電気抵抗値(TER:Transepithelial electronic resistance)を向上せしめる作用であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のTJ形成促進剤。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載のTJ形成促進剤を含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
  6. 肌荒れ予防又は改善用であることを特徴とする、請求項5に記載の皮膚外用剤
  7. 化粧料(但し、医薬部外品を含む)であることを特徴とする、請求項5又は6に記載の皮膚外用剤。
  8. 更に、好ましい製剤成分を含有することを特徴とする、請求項5〜7の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
  9. 1)シソ科ヤマハッカ属エンメイソウから得られる植物抽出物と、2)ポリグルコシルエチルメタクリレ−ト、ポリメタクリロイルリジン、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・ブチルメタクリレ−トコポリマ−及びメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・ステアリルメタクリレ−トコポリマ−から選択される1種乃至は2種以上とを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016108270A (ja) * 2014-12-05 2016-06-20 花王株式会社 化粧料
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