JP2013055784A - 耐雷設備のダメージ評価方法、耐雷設備のダメージ評価装置、変圧器のダメージ評価方法、変圧器のダメージ評価装置 - Google Patents

耐雷設備のダメージ評価方法、耐雷設備のダメージ評価装置、変圧器のダメージ評価方法、変圧器のダメージ評価装置 Download PDF

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Abstract

【課題】落雷による耐雷設備や変圧器のダメージを評価する。
【解決手段】耐雷設備のダメージ評価方法であって、管理区40内に設けられた電柱10に対する耐雷設備30の構成比率を表したモデルを作成するモデル作成ステップと、各管理区40に落雷する雷の大きさを決定する決定ステップと、前記各モデルに対して雷を落とすシミュレーションを実行することにより、各管理区40について落雷により各耐雷設備が処理する処理エネルギー量を計算する計算ステップとを含み、前記計算ステップにて計算した前記処理エネルギー量に基づいて各管理区40の耐雷設備30のダメージを評価する。
【選択図】図5

Description

本発明は、耐雷設備、変圧器のダメージの評価方法に関する。
従来より、配電設備の耐雷対策として、配電設備に耐雷設備が設置されている。この耐雷設備は、過去の落雷数や耐雷設備の雷事故数などに基づいて、経験的に、または、統計的に落雷の頻度が高い地域に対して、より多く配電設備に配置されている。
例えば特許文献1のように、過去の落雷数や配電線雷事故数や現状の耐雷設備の施設状況などから、耐雷設備の施設状況の変更に伴って、将来起こりうる配電線雷事故数の変化を定量的に予測し、耐雷設備を配備する方法がある。
特開2008−217541号公報
ところで、耐雷設備は、雷電流の通過に伴って処理するエネルギー、すなわち内部で熱に変わるエネルギーによりダメージを受ける。そのため、ダメージの大きい耐雷設備や変圧器を優先して取り替えることが求められている。
本発明では、落雷による耐雷設備や変圧器のダメージの評価を行うことを目的としている。
本発明は、耐雷設備のダメージ評価方法であって、予め設定された各単位領域について、単位領域内に設けられた電柱に対する耐雷設備の構成比率を表したモデルを作成するモデル作成ステップと、各単位領域に落雷する雷の大きさを落雷計測装置のデータに基づいて決定する決定ステップと、前記モデル作成ステップで作成された各モデルに対して、前記決定ステップに決定した大きさの雷を落とすシミュレーションを実行することにより、各単位領域について、落雷により各耐雷設備が処理する処理エネルギー量を計算する計算ステップと、を含み、前記計算ステップにて計算した前記各耐雷設備の処理エネルギー量に基づいて、各単位領域の耐雷設備のダメージを評価する。
本発明の実施態様として以下の構成とすることが好ましい。
・前記計算ステップにおいて雷を落とすシミュレーションを、落雷位置を変えて、複数回行うと共に、各回について前記各耐雷設備のダメージを、前記処理エネルギーの大きさに基づいて機能不良、ストレス、健全のいずれかに判定することにより、各耐雷設備について機能不良と判定された機能不良判定回数、ストレスと判定されたストレス判定回数、健全と判定された健全判定回数を算出し、前記機能不良判定回数が1回以上である場合に、その単位領域について耐雷設備のダメージを機能不良と評価し、前記機能不良判定回数がゼロで、かつストレス判定回数が1回以上である場合に、その単位領域について耐雷設備のダメージをストレスと評価し、前記機能不良判定回数とストレス判定回数が双方ともゼロ回である場合に、その単位領域について耐雷設備のダメージを健全と評価する。
・前記計算ステップで算出した前記機能不良判定回数、前記ストレス判定回数を、各単位領域における前記配電設備の密度、及び前記落雷計測装置の雷撃頻度のデータに基づいて補正する補正ステップを備え、前記補正ステップにて求めた補正後の機能不良判定回数に基づいて機能不良と評価された耐雷設備について機能不良の程度を評価し、補正後のストレス判定回数に基づいて、ストレスと評価された耐雷設備についてストレスの程度を評価する。
本発明は、耐雷設備のダメージ評価装置であって、予め設定された各単位領域について、単位領域内に設けられた電柱に対する耐雷設備の構成比率を表したモデルを作成するモデル作成部と、各単位領域に落雷する雷の大きさを落雷計測装置のデータに基づいて決定する決定部と、前記モデル作成ステップで作成された各モデルに対して、前記決定ステップに決定した大きさの雷を落とすシミュレーションを実行することにより、各単位領域について、落雷により各耐雷設備が処理する処理エネルギー量を計算する計算部と、を含み、前記計算部にて計算した前記各耐雷設備の処理エネルギー量に基づいて、各単位領域の耐雷設備のダメージを評価する。
本発明の実施態様として、以下の構成が好ましい。
・上記耐雷設備のダメージ評価装置では、前記計算部において雷を落とすシミュレーションを、落雷位置を変えて、複数回行うと共に、各回について前記各耐雷設備のダメージを、前記処理エネルギーの大きさに基づいて機能不良、ストレス、健全のいずれかに判定することにより、各耐雷設備について機能不良と判定された機能不良判定回数、ストレスと判定されたストレス判定回数、健全と判定された健全判定回数を算出し、機能不良判定回数が1回以上ある場合に、その単位領域について耐雷設備のダメージを機能不良と評価し、機能不良判定回数がゼロで、かつストレス判定回数が1回以上である場合に、その単位領域について耐雷設備のダメージをストレスと評価し、機能不良判定回数とストレス判定回数が双方ともゼロ回である場合に、その単位領域について耐雷設備のダメージを健全と評価する。
・前記計算部で算出した前記機能不良判定回数、前記ストレス判定回数を、各単位領域における前記配電設備の密度、及び前記落雷計測装置の雷撃頻度のデータに基づいて補正する補正部を備え、前記補正部にて求めた補正後の機能不良判定回数に基づいて機能不良と評価された耐雷設備について機能不良の程度を評価し、補正後のストレス判定回数に基づいて、ストレスと評価された耐雷設備についてストレスの程度を評価する。
本発明は、変圧器のダメージ評価方法であって、予め設定された各単位領域について、単位領域内に設けられた電柱に対する変圧器の構成比率を表したモデルを作成するモデル作成ステップと、各単位領域に落雷する雷の大きさを落雷計測装置のデータに基づいて決定する決定ステップと、前記モデル作成ステップで作成された各モデルに対して、前記決定ステップに決定した大きさの雷を落とすシミュレーションを実行することにより、各単位領域について、落雷により、前記各変圧器の一次ブッシングに加わる一次ブッシング電圧を計算する計算ステップと、を含み、前記計算ステップにて計算した前記各変圧器の一次ブッシング電圧に基づいて、各単位領域の変圧器のダメージを評価する。尚、一次ブッシング電圧とは変圧器の一次ブッシングに加わる電圧を意味する。
本発明の実施態様として、以下の構成が好ましい。
・前記計算ステップにおいて雷を落とすシミュレーションを、落雷位置を変えて、複数回行うと共に、各回について前記各変圧器のダメージを、前記一次ブッシング電圧の大きさに基づいて、ストレス、健全のいずれかに判定することにより、各変圧器についてストレスと判定されたストレス判定回数、健全と判定された健全判定回数を算出し、前記ストレス判定回数が1回以上である場合に、その単位領域について変圧器のダメージをストレスと評価し、前記ストレス判定回数がゼロ回である場合に、その単位領域について変圧器のダメージを健全と評価する。
・前記計算ステップで算出した前記ストレス判定回数を、各単位領域における前記変圧器の密度、及び前記落雷計測装置の雷撃頻度のデータに基づいて補正する補正ステップを備え、前記補正ステップにて求めた補正後のストレス判定回数に基づいて、ストレスと評価された変圧器についてストレスの程度を評価する。
本発明は、変圧器のダメージ評価装置であって、予め設定された各単位領域について、単位領域内に設けられた電柱に対する変圧器の構成比率を表したモデルを作成するモデル作成部と、各単位領域に落雷する雷の大きさを落雷計測装置のデータに基づいて決定する決定部と、前記モデル作成ステップで作成された各モデルに対して、前記決定ステップに決定した大きさの雷を落とすシミュレーションを実行することにより、各単位領域について、落雷により、前記各変圧器の一次ブッシングに加わる一次ブッシング電圧を計算する計算部と、を含み、前記計算部にて計算した前記各変圧器の一次ブッシング電圧に基づいて、各単位領域の変圧器のダメージを評価する。
本発明の実施態様として、以下の構成が好ましい。
・前記計算部において雷を落とすシミュレーションを、落雷位置を変えて、複数回行うと共に、各回について前記各変圧器のダメージを、前記一次ブッシング電圧の大きさに基づいて、ストレス、健全のいずれかに判定することにより、各変圧器についてストレスと判定されたストレス判定回数、健全と判定された健全判定回数を算出し、前記ストレス判定回数が1回以上である場合に、その単位領域について変圧器のダメージをストレスと評価し、前記ストレス判定回数が双方ともゼロ回である場合に、その単位領域について変圧器のダメージを健全と評価する。
・前記計算部で算出した前記ストレス判定回数を、各単位領域における前記変圧器の密度、及び前記落雷計測装置の雷撃頻度のデータに基づいて補正する補正部を備え、前記補正部にて求めた補正後のストレス判定回数に基づいて、ストレスと評価された変圧器についてストレスの程度を評価する。
本発明によれば、耐雷設備、変圧器のダメージの評価を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る配電系統の概略図 管理区の区分を示す図 図2に示した管理区を拡大した模式図 耐雷設備のダメージ評価システム1の電気的構成を示すブロック図 耐雷設備のダメージ評価システム1の処理を示すフローチャート 図3に示す管理区の標準化モデルを示す図 耐雷設備のダメージの評価結果をまとめた図表 耐雷設備のダメージの評価結果を地図上に色分けして表した図 他の実施形態に係る変圧器の説明図
一実施形態について図1から図8を参照しつつ説明する。
1.配電系統の概略説明
図1は、配電系統の概略図である。配電系統は、電力系統より送られる電力を各需要家に配電するものであり、電柱10、配電線11、架空地線12、引込線、変圧器21、開閉器22などから構成されている。変圧器21は、配電線11を介して6600Vの高電圧で供給された電力を、例えば100Vまたは200Vに降圧して一般家庭や事業所に供給するものである。また、開閉器22はスイッチの働きをするものであって、配電線11に流れている電流を導通、遮断するものである。なお、電柱10、配電線11、変圧器21、開閉器22が本発明の配電設備に相当する。
また、配電系統には、落雷などによって発生する過電圧などから機器を保護するために、例えば避雷器31や耐雷PC(Primary Cutout)32や耐雷ホーン33などの耐雷設備30が取り付けられている。尚、耐雷ホーン33は、避雷器31及び耐雷PC32が設置されていない電柱10に取り付けられている。
避雷器31は、雷及び回路の開閉などに起因する衝撃過電圧に伴う電流を大地に分流することによって過電圧を制限して電気設備の絶縁を保護し、かつ続流を短時間に遮断して、電路の正規状態を乱すことなく、現状に回復する機能を持つ装置である(日本工業規格 C4608)。
耐雷PC32は、変圧器一次側に配置されるプライマリーカットアウトに避雷素子を内蔵した機器であり、避雷器31と同様の過電圧による保護対象を柱上変圧器に限定した装置である。耐雷ホーン33は、雷による過電圧によって、腕金を介して短絡回路が形成された場合の続流を遮断することで電線の断線を防止する装置である。
2.管理区
図2は、管理区の区分を示す図である。管理区40は、配電設備や耐雷設備30を管理する際の、一つのまとまりを示すものであり、この実施例では、管理区の1区間を1km×1kmとしている。
図3は、図2中の実線で囲まれた管理区40−Nを拡大した模式図である。図3は、単線結線図によって図示されており、各電柱10は、配電線11によりそれぞれ接続され、電気的に接続されている。尚、符号40は管理区を総称するものとする。また、管理区40−Nと記載した場合、添え字の「−N」は管理区の番号を示す。
3.落雷計測装置
落雷計測定装置(図略)は、落雷に伴って発生する電磁波を多地点で計測して、落雷した位置、雷電流の大きさ、落雷した時間などの落雷情報を算出する装置である。尚、この種の装置を開示するものとして、特開2003−294824号公報がある。
4.電気的構成
図4は、本実施形態における耐雷設備のダメージ評価システム1の電気的構成を示すブロック図である。耐雷設備のダメージ評価システム1は、耐雷設備評価部100と、キーボードやマウスなどのデータ入力部200と、記憶部300と、表示部400とによって構成される。耐雷設備のダメージ評価システム1は、落雷による耐雷設備30のダメージを管理区単位で評価するものである。
耐雷設備評価部100は、モデル作成部101と、決定部102と、計算部103と、判定部104と、補正部105と、評価部106とから構成される。
記憶部300には、落雷計測装置にて計測した落雷に関するデータ301や、管理区のデータ302が記憶されている。管理区のデータ302とは、管理区に設置された配電設備のデータや耐雷設備のデータである。
5.耐雷設備のダメージ評価方法
次に、図5に示す耐雷設備のダメージ評価システム1のフローチャートを参照しつつ説明する。
ユーザがデータ入力部200に耐雷設備評価部100の開始コマンドを入力すると、まず、管理区が1つ選択され、選択された管理区について標準化モデルを作成する処理が、管理区のデータ302に基づいて、モデル作成部101にて行われる(S10)。標準化モデルとは、管理区内に配置された電柱10に対する耐雷設備30や変圧器21の構成比率を表したモデルである。本実施形態では、図6に示すように、配電線11を3条10径間、電柱10の数を11本に設定しており、標準化モデルとして、3条の配電線11を支持する11本の電柱10に対して、構成比率に応じて耐雷設備30を割り当てたモデルが生成される。尚、図6では、3条の配電線11を便宜上1本にして図示している。
例えば、N番目の管理区40−Nには、電柱10が16本あるのに対して、避雷器31は3箇所、耐雷PC32は3箇所設置されている。このため、避雷器31の構成比率は「0.2」、耐雷PC32の構成比率は「0.2」となる。また、変圧器21は5箇所設置されているので、変圧器21の構成比率は「0.3」となる。また、架空地線12は4径間に架設されているので、構成比率は「0.3」となる。
従って、図6に示すようにN番目の管理区40−Nの標準化モデルは、10A〜10Kの11本の電柱と、2箇所の避雷器31と、2箇所の耐雷PC32と、3箇所の変圧器21(2箇所は耐雷PC32付き、1箇所は耐雷PC32なし)と、3径間の架空地線12から構成されるモデルとなる。また、耐雷ホーン33は避雷器31及び耐雷PC32が取り付けられていない電柱10に取り付けられ、7箇所の耐雷ホーン33が取り付けられる。尚、図6中の点線は架空地線を示し、実線は配電線を示す。
標準化モデルが作成されると、決定部102により後述する計算部103のシミュレーションに用いられる雷電流Iの大きさが管理区40−Nごとに決定される(S20)。具体的には、落雷計測装置の計測したデータ301に格納されている過去の落雷のデータから、管理区40−Nの過去の落雷による雷電流の中央値が雷電流Iとなる。ここで、中央値とは、過去の落雷により管理区40−Nに発生した雷電流Iの全ての値を、高い電流値から小さい電流値へ順に並べ、その並べられた電流値の中央にある値をいう。
雷電流Iの大きさが決定されると、計算部103によって、標準化モデルを模擬した回路(以下、「模擬回路」という)に対して、雷電流Iを入力して、模擬回路内を雷電流Iがどのように伝搬してゆくか、シミュレーションを行う。なお、模擬回路の終端は、終端抵抗によりインピーダンスマッチングされている。
そして、本シミュレーションでは、雷電流Iの伝搬に伴って、模擬回路の各耐雷設備30に対してどの程度の雷電流Iが通過するかを、計算部103によって、例えば公知の技術であるEMTP(Electro−Magnetic Transients Program)を用いて算出し、標準化モデル上の耐雷設備30に対する処理エネルギー量が算出される(S30)
ここで、処理エネルギー量とは、耐雷設備30を通過する電流によって、その耐雷設備30の内部で熱損失したエネルギー量である。例えば、処理エネルギーは、落雷により各耐雷設備30を通過する雷電流Iの乗数と各耐雷設備30の内部抵抗値の積を、時間積分した値となる。
そして、本実施形態では、このような雷電流Iの入力を、10C、10F、10Iの3本の電柱に対して個々に行い、各回について、模擬回路の各耐雷設備30に発生する処理エネルギー量を算出する。その後、算出した処理エネルギー量を閾値と比較することにより、判定部104によって、各耐雷設備30のダメージをそれぞれ判定する(各耐雷設備30の個別評価)。
この実施形態では閾値として、耐雷設備30の公称放電エネルギーと放電耐量エネルギーの2つの閾値を用いることとしている(公称放電エネルギー<放電耐量エネルギー)。
公称放電エネルギーは、公称放電電流を波高値とする雷インパルス波形の瞬時値電流の乗数と各耐雷設備30の内部抵抗値の積を、時間積分した値である。尚、JEC203避雷器参照すると、公称放電電流は次のように定義されている。避雷器の公称放電電流とは、避雷器の保護性能並に自復性能を表現するために用いる放電電流の規定値であって、所定波形の雷インパルス電流の波高値で表示する。
放電耐量エネルギーは、放電耐量を波高値とする雷インパルス波形の瞬時値電流の乗数と各耐雷設備30の内部抵抗値の積を、時間積分した値である。尚、JEC203避雷器参照すると、避雷器の放電耐量とは、避雷器に実質上の障害を起こすことなく、所定の回数を反復して流すことができる、所定波形の放電電流波高値の最大限度をいう。
そして、算出された処理エネルギーを、上記した2つの閾値を比較した結果、算出された処理エネルギーが公称放電エネルギー以下であった場合、その耐雷設備30は「健全」と判定される。また、算出された処理エネルギーが、公称放電エネルギー超過、放電耐量エネルギー以下であった場合、この耐雷設備30は「ストレス」と判定される。また、算出された処理エネルギーが、放電耐量エネルギー超過であった場合、この耐雷設備30は「機能不良」と判定される。
尚、この実施例では、閾値の一例に、公称放電エネルギーと放電耐量エネルギーを用いたが、それ以外の閾値を用いることも技術的には可能である。
このような判定を、標準化モデルの全耐雷設備30に対して行うことで、模擬回路の各耐雷設備30のダメージの度合いが、「健全」、「ストレス」、「機能不良」のいずれかに判定される。そして本実施形態では、耐雷設備30のダメージを判定する処理を合わせて、各耐雷設備の種類ごとに、健全と判定された「健全判定回数」、ストレスと判定された「ストレス判定回数」、機能不良と判定された「機能不良判定回数」が算出される。
尚、この実施形態では、一の管理区に対して雷を落とすシミュレーションを電柱の位置を変えて3回行っており、上記した各判定回数(すなわち、健全判定回数、ストレス判定回数、機能不良判定回数)は、3回のシミュレーションにて判定された回数の合計値である。この例では、シミュレーションの回数を3回としているが、これは一例であり、それ以外の回数でも無論よい。
さて、図7は、3回のシミュレーションにより得られた各耐雷設備30の判定回数をまとめたものであり、例えば、管理区40−1では、耐雷PC32について、「健全判定回数」が「54回」となり、「ストレス判定回数」が「0回」となり、「機能不良判定回数」が「0回」となっている。
また、避雷器31について、管理区40−1では、「健全判定回数」が「25回」となり、「ストレス判定回数」が「2回」となり、「機能不良判定回数」が「0回」となっている。なお、避雷器31における、「健全判定回数」、「ストレス判定回数」、「機能不良判定回数」は、耐雷PC32と同様に求められる。
また、耐雷ホーン33について、管理区40−1では、「健全判定回数」が「35回」となり、「ストレス判定回数」が「1回」となり、「機能不良判定回数」が「0回」となっている。尚、耐雷ホーン33における、「健全判定回数」、「ストレス判定回数」、「機能不良判定回数」は、耐雷PC32と同様に求められる。
次に、S40では全管理区40について、模擬回路によるシミュレーション及び模擬回路の各耐雷設備に関するダメージ判定を終了したか、判定される。全管理区について判定を終えていない場合(S40:NO)、処理はS10に戻る。そのため、全ての管理区40について耐雷設備30のダメージの判定が実行されるまで、S10→S20→S30→S40を繰り返すループ処理が行われる。
全ての管理区40について耐雷設備30のダメージが判定されると、S40にてYESされ、処理はS50に移行する。
S50では、補正部105により以下の補正が行われる。具体的には、予め設定された補正係数を、「ストレス判定回数」、「機能不良判定回数」に対してそれぞれ乗算する。ここで、補正係数とは電柱10に対する雷の落ち易さを相対値で表したものであり、雷撃頻度αと電柱密度βの積で表される。
雷撃頻度αは、管理区における落雷の襲来頻度である。一管理区の落雷数及び全管理区の落雷数は落雷計測装置によってカウントされている。従って、落雷計測装置の計測したデータ301を参照することで、落雷頻度αを算出することが出来る。例えば、全管理区40の落雷合計数が100発であり、管理区40−2の落雷の数が6発であれば、その管理区40−2の雷撃頻度は、0.06となる。尚、落雷頻度αの算出方法は、上記のように全管理区40の落雷合計数を基準にするものの他に、各管理区40−Nの落雷数の最大値を基準にして算出することも可能である。また、各管理区40−Nの落雷数を雷撃頻度αとすることも可能である。
電柱密度βとは、各管理区40−Nに設置された電柱10の設置本数の割合である。例えば、全管理区40のうち、電柱10の最大本数が50本であるとする。この場合、管理区40−2の電柱10の本数が39本であれば、管理区40−2の電柱密度は0.78となる。尚、電柱密度βの値が大きくなるほど、落雷する確率も大きくなる。
そして、管理区40−1であれば、雷撃頻度αが「0.12」、電柱密度βが「0.06」であることから、補正係数は「0.007」となる。従って、補正部105による補正により、管理区40−1の避雷器31のストレス判定回数は「2回」から「0.01」に補正され、耐雷ホーン33のストレス判定回数は「2回」から「0.01」に補正される。このような判定回数の補正が、他の管理区40−Nについても同様に行われる。
そして、S50に続くS60では、管理区単位で各耐雷設備のダメージの度合いが評価される(耐雷設備30の全体評価)。
具体的には、補正前の機能不良判定回数が1回でもあれば、その管理区40−Nの耐雷設備30は、「機能不良」と評価される。また、補正前の機能不良判定回数がゼロ回で、かつストレス判定回数が1回でもあれば、その管理区40−Nの耐雷設備30は、「ストレス」と評価される。そして、補正前の機能不良判定回数とストレス判定回数が双方ともゼロ回の場合には、その管理区40−Nの耐雷設備30は、「健全」と評価される。このようなダメージの評価が、耐雷設備30の種類ごとにそれぞれ行われる。
例えば、図7に示すように、耐雷PC32について、管理区40−1であれば、機能不良判定回数とストレス判定回数がいずれも0回であることから「健全」と判定される。また、管理区40−2であれば、機能不良判定回数が0回、ストレス判定回数が11回であることから、「ストレス」と判定される。また、管理区40−3であれば、機能不良判定回数とストレス判定回数がいずれも0回であることから、「健全」と判定される。同様に避雷器31、耐雷ホーン33についても、各管理区単位で、ダメージの度合いがそれぞれ判定される。
また、耐雷設備30のダメージの度合いが、「ストレス」、「機能不良」と判定された管理区では、さらに、「ストレス」の程度と、「機能不良」の程度とが求められる。ここでは、「ストレス」の程度の算出例を説明するが、「機能不良」の程度の算出例も同じである。
具体的には、補正後のストレス判定回数(補正係数乗算後のストレス判定回数)に、予め設定された第一閾値と第二閾値と(第一閾値>第二閾値)を比較して、「ストレス」の程度をランク分けする。尚、第一閾値及び第二閾値は、各管理区の補正後のストレス判定回数の分布を考慮して、管理区を3つの階層(A〜Cランク:C→B→Aの順にストレス大)に概ね均等に分類出来るように、補正後のストレス判定回数の分布に基づいて決定される。
例えば、耐雷PC32について、第一閾値の値が0.6、第二閾値の値が0.3に決定されたとする。今、図7に示すように、管理区40−1〜40−3のうち、管理区40−2は、耐雷PC32のダメージの度合いが「ストレス」と判定されている。従って、管理区40−2の耐雷PC32について、ストレスの程度がランク分けされる。具体的には、管理区40−2の耐雷PC32は、補正後のストレス判定回数が「0.51」回であることから、ストレスはBランクとなる。
同様に、避雷器31について、第一閾値の値が0.5、第二閾値の値が0.2に決定されたとする。今、図7に示すように、管理区40−1〜40−3のうち、管理区40−1と管理区40−2の2つの管理区は、避雷器31のダメージの度合いが「ストレス」と判定されている。従って、管理区40−1、40−2の避雷器31について、ストレスの程度がランク分けされる。具体的には、管理区40−1の避雷器31は、補正後のストレス判定回数が「0.01」回であることから、ストレスはCランクとなる。また、管理区40−2の避雷器31は、補正後のストレス判定回数が「0.14」回であることから、ストレスはCランクとなる。
また、同様に、耐雷ホーン33について、第一閾値の値が0.7、第二閾値の値が0.3に決定されたとする。今、図7に示すように、管理区40−1〜40−3とも、耐雷ホーン33のダメージの度合いが「ストレス」と判定されている。従って、管理区40−1〜40−3の耐雷ホーン33について、ストレスの程度がランク分けされる。具体的には、補正後の各管理区40−1〜40−3の耐雷ホーン33のストレス判定回数は、それぞれ「0.01」回、「0.56」回、「1.18」回であることから、管理区40−1の耐雷ホーン33のストレスはCランクとなり、管理区40−2の耐雷ホーン33のストレスはBランクとなり、管理区40−3の耐雷ホーン33のストレスはAランクとなる。
このように、本実施形態では、「機能不良」や「ストレス」をランク分けするので、ランクを参照することで、「機能不良」と判定された耐雷設備30を有する管理区が複数ある場合に、どの管理区40−Nから耐雷設備の交換を行うのか、優先順位を簡単に決定できる。また、同様に、「ストレス」に判定された耐雷設備30を有する管理区が複数ある場合に、どの管理区40−Nから耐雷設備の交換を行うのか、優先順位を簡単に決定できる。
次に、各管理区40−Nの耐雷設備30のダメージの判定結果の表示方法について説明する。この実施形態では、図8に示すように判定結果を色の違いで表したダメージ判定マップを、表示部400に表示することで各耐雷設備30のダメージの判定結果を表示する。
具体的には、評価部106によって、「健全」と判定された管理区40−Nは白色で表示され、「ストレス」と判定された管理区40−Nは黄色で表示され、「機能不良」と判定された管理区40−Nは赤色で表示される。尚、図8中では、密度が濃いドットは赤色を示し、密度が低いドットは黄色を示す。また、このダメージ判定マップは耐雷設備30の種類ごと、すなわち避雷器31、耐雷PC32、耐雷ホーン33についてそれぞれ作成される。
また、この実施形態では、「ストレス」に分類された耐雷設備30を対象にストレス階層マップが作成され、また、「機能不良」に分類された耐雷設備30を対象として、機能不良階層マップが作成される。
具体的には、ストレス階層マップであれば、ストレスの程度がAランクと判定された管理区40−Nは黄色で表示され、ストレスの程度がBランクと判定された管理区40−NはAランクの黄色より薄い黄色で表示され、ストレスの程度がCランクと判定された管理区40−Nは、Bランクの黄色より薄い黄色で表示される。尚、このストレス階層マップは耐雷設備30の種類ごと、すなわち避雷器31、耐雷PC32、耐雷ホーン33についてそれぞれ作成される。また、同様に、機能不良階層マップについても耐雷設備30の種類ごと、すなわち避雷器31、耐雷PC32、耐雷ホーン33についてそれぞれ作成される。
6.本実施形態の耐雷設備のダメージ評価方法の効果
(1)耐雷設備30は、配電系統を構成する配電設備や他の耐雷設備30と電気的に繋がっていることから、落雷に伴うダメージを求めるには、電気的に繋がった配電設備や耐雷設備30の影響を考慮することが必要となる。そこで、本実施形態では、管理区毎に標準化モデル、すなわち模擬回路を作成して、落雷により雷電流Iが、模擬回路をどのように伝搬してゆくのか、シミュレーションを行うようにした。このようにすれば、電気的に繋がった配電設備や耐雷設備30の影響を考慮した上で、各耐雷設備30の処理エネルギー(雷電流Iの通過に伴って各耐雷設備が処理する処理エネルギー)を計算することが可能となる。そのため、耐雷設備30のダメージの度合いを精度よく評価することが可能となる。また、管理区毎に耐雷設備30のダメージを評価することができるので、管理区毎にダメージの大きい耐雷設備30から交換時期を決定することが可能となる。
(2)模擬回路に対する雷電流の伝搬の仕方や、各耐雷設備を通過する雷電流の大きさは、耐雷設備30の配置や設置数が同じであっても、落雷位置により異なる。そのため、落雷位置が相違すると、雷電流の通過に伴って耐雷設備30が処理する処理エネルギーの大きさも当然に異なる。したがって、落雷位置の相違により、耐雷設備30のダメージの判定結果が変わる恐れがある。この点を鑑み、本実施形態の耐雷設備のダメージ評価システム1では、模擬回路に雷を落とすシミュレーションを、落雷位置を変えて複数回(具体的には、3回)行って、各回についてそれぞれ処理エネルギーの大きさを求め、その上で耐雷設備のダメージを評価する。このようにすれば、落雷位置の相違による評価結果の相違は生じ難いので、耐雷設備30のダメージの判定結果精度を高めることが可能となる。
(3)また、本実施形態では、電柱10の密度α及び雷撃頻度βの補正係数を、「ストレス」と判定された耐雷設備30のストレス判定回数と、「機能不良」と判定された耐雷設備30の機能不良判定回数に対してそれぞれ乗算する。そして、その判定回数に補正係数を乗算した値を用いて、判定部104によって、設定された閾値と比較することで、各耐雷設備30の「ストレス」の程度及び「機能不良」の程度を求める。これにより、各耐雷設備30の「ストレス」の程度及び「機能不良」の程度は、実際の管理区における配電設備の密度や、落雷の襲撃頻度を考慮された値となり、この値によって、各耐雷設備30の「ストレス」の程度及び「機能不良」の程度の評価が行われる。このため、耐雷設備30の「ストレス」の優劣、及び耐雷設備30の「機能不良」の優劣の評価の精度を高めて行うことができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、ダメージの評価対象として、耐雷設備30を例示したが、変圧器21を評価対象にしてもよい。
変圧器21が評価対象の場合には、次のようにダメージ評価を行う。まず、耐雷設備30の場合と同様に、管理区40−Nの標準化モデルをそれぞれ作成する。次に、作成した標準化モデルに対して雷を落とすシミュレーションを実行して、各変圧器21の一次ブッシング21Bに加わる一次ブッシング電圧Vを計算する。そして、計算した一次ブッシング電圧Vに基づいて、各変圧器21のダメージ評価を行う。具体的には、一次ブッシング電圧Vが耐電圧(閾値)を超過していれば、その変圧器21は、「ストレス」と判定し、超過していなければ、「健全」と判定する。そして、「ストレス」と判定されたストレス判定回数、「健全」と判定された健全判定回数を算出し、ストレス判定回数が1回以上である場合に、その管理区40−Nについて変圧器21のダメージを「ストレス」と評価し、ストレス判定回数がゼロ回である場合に、その管理区40−Nについて変圧器21のダメージを「健全」と評価する。尚、一次ブッシング電圧Vとは、金属ケース21Aと一次ブッシング21Bの先端との間に加わる電圧のことである(図9参照)。
10…電柱
11…高圧配電線
21…変圧器
30…耐雷設備
31…避雷器
32…耐雷PC
33…耐雷ホーン
40…管理区
100…耐雷設備評価部
101…モデル作成部
102…決定部
103…計算部
104…判定部
105…補正部
106…評価部
301…落雷計測装置のデータ
302…管理区のデータ

Claims (12)

  1. 耐雷設備のダメージ評価方法であって、
    予め設定された各単位領域について、単位領域内に設けられた電柱に対する耐雷設備の構成比率を表したモデルを作成するモデル作成ステップと、
    各単位領域に落雷する雷の大きさを落雷計測装置のデータに基づいて決定する決定ステップと、
    前記モデル作成ステップで作成された各モデルに対して、前記決定ステップに決定した大きさの雷を落とすシミュレーションを実行することにより、各単位領域について、落雷により各耐雷設備が処理する処理エネルギー量を計算する計算ステップと、を含み、
    前記計算ステップにて計算した前記各耐雷設備の処理エネルギー量に基づいて、各単位領域の耐雷設備のダメージを評価する耐雷設備のダメージ評価方法。
  2. 前記計算ステップにおいて雷を落とすシミュレーションを、落雷位置を変えて、複数回行うと共に、各回について前記各耐雷設備のダメージを、前記処理エネルギーの大きさに基づいて機能不良、ストレス、健全のいずれかに判定することにより、各耐雷設備について機能不良と判定された機能不良判定回数、ストレスと判定されたストレス判定回数、健全と判定された健全判定回数を算出し、
    前記機能不良判定回数が1回以上である場合に、その単位領域について耐雷設備のダメージを機能不良と評価し、
    前記機能不良判定回数がゼロで、かつストレス判定回数が1回以上である場合に、その単位領域について耐雷設備のダメージをストレスと評価し、
    前記機能不良判定回数とストレス判定回数が双方ともゼロ回である場合に、その単位領域について耐雷設備のダメージを健全と評価することを特徴とする請求項1に記載の耐雷設備のダメージ評価方法。
  3. 前記計算ステップで算出した前記機能不良判定回数、前記ストレス判定回数を、各単位領域における前記配電設備の密度、及び前記落雷計測装置の雷撃頻度のデータに基づいて補正する補正ステップを備え、
    前記補正ステップにて求めた補正後の機能不良判定回数に基づいて機能不良と評価された耐雷設備について機能不良の程度を評価し、補正後のストレス判定回数に基づいて、ストレスと評価された耐雷設備についてストレスの程度を評価する請求項2に記載の耐雷設備のダメージ評価方法。
  4. 耐雷設備のダメージ評価装置であって、
    予め設定された各単位領域について、単位領域内に設けられた電柱に対する耐雷設備の構成比率を表したモデルを作成するモデル作成部と、
    各単位領域に落雷する雷の大きさを落雷計測装置のデータに基づいて決定する決定部と、
    前記モデル作成ステップで作成された各モデルに対して、前記決定ステップに決定した大きさの雷を落とすシミュレーションを実行することにより、各単位領域について、落雷により各耐雷設備が処理する処理エネルギー量を計算する計算部と、を含み、
    前記計算部にて計算した前記各耐雷設備の処理エネルギー量に基づいて、各単位領域の耐雷設備のダメージを評価する耐雷設備のダメージ評価装置。
  5. 前記計算部において雷を落とすシミュレーションを、落雷位置を変えて、複数回行うと共に、各回について前記各耐雷設備のダメージを、前記処理エネルギーの大きさに基づいて機能不良、ストレス、健全のいずれかに判定することにより、各耐雷設備について機能不良と判定された機能不良判定回数、ストレスと判定されたストレス判定回数、健全と判定された健全判定回数を算出し、
    前記機能不良判定回数が1回以上である場合に、その単位領域について耐雷設備のダメージを機能不良と評価し、
    前記機能不良判定回数がゼロで、かつストレス判定回数が1回以上である場合に、その単位領域について耐雷設備のダメージをストレスと評価し、
    前記機能不良判定回数と前記ストレス判定回数が双方ともゼロ回である場合に、その単位領域について耐雷設備のダメージを健全と評価することを特徴とする請求項4に記載の耐雷設備のダメージ評価装置。
  6. 前記計算部で算出した前記機能不良判定回数、前記ストレス判定回数を、各単位領域における前記配電設備の密度、及び前記落雷計測装置の雷撃頻度のデータに基づいて補正する補正部を備え、
    前記補正部にて求めた補正後の機能不良判定回数に基づいて機能不良と評価された耐雷設備について機能不良の程度を評価し、補正後のストレス判定回数に基づいて、ストレスと評価された耐雷設備についてストレスの程度を評価することを特徴とする請求項5に記載の耐雷設備のダメージ評価装置。
  7. 変圧器のダメージ評価方法であって、
    予め設定された各単位領域について、単位領域内に設けられた電柱に対する変圧器の構成比率を表したモデルを作成するモデル作成ステップと、
    各単位領域に落雷する雷の大きさを落雷計測装置のデータに基づいて決定する決定ステップと、
    前記モデル作成ステップで作成された各モデルに対して、前記決定ステップに決定した大きさの雷を落とすシミュレーションを実行することにより、各単位領域について、落雷により、前記各変圧器の一次ブッシングに加わる一次ブッシング電圧を計算する計算ステップと、を含み、
    前記計算ステップにて計算した前記各変圧器の一次ブッシング電圧に基づいて、各単位領域の変圧器のダメージを評価する変圧器のダメージ評価方法。
  8. 前記計算ステップにおいて雷を落とすシミュレーションを、落雷位置を変えて、複数回行うと共に、各回について前記各変圧器のダメージを、前記一次ブッシング電圧の大きさに基づいて、ストレス、健全のいずれかに判定することにより、各変圧器についてストレスと判定されたストレス判定回数、健全と判定された健全判定回数を算出し、
    前記ストレス判定回数が1回以上である場合に、その単位領域について変圧器のダメージをストレスと評価し、
    前記ストレス判定回数がゼロ回である場合に、その単位領域について変圧器のダメージを健全と評価することを特徴とする請求項7に記載の変圧器のダメージ評価方法。
  9. 前記計算ステップで算出した前記ストレス判定回数を、各単位領域における前記変圧器の密度、及び前記落雷計測装置の雷撃頻度のデータに基づいて補正する補正ステップを備え、
    前記補正ステップにて求めた補正後のストレス判定回数に基づいて、ストレスと評価された変圧器についてストレスの程度を評価することを特徴とする請求項8に記載の変圧器のダメージ評価方法。
  10. 変圧器のダメージ評価装置であって、
    予め設定された各単位領域について、単位領域内に設けられた電柱に対する変圧器の構成比率を表したモデルを作成するモデル作成部と、
    各単位領域に落雷する雷の大きさを落雷計測装置のデータに基づいて決定する決定部と、
    前記モデル作成ステップで作成された各モデルに対して、前記決定ステップに決定した大きさの雷を落とすシミュレーションを実行することにより、各単位領域について、落雷により、前記各変圧器の一次ブッシングに加わる一次ブッシング電圧を計算する計算部と、を含み、
    前記計算部にて計算した前記各変圧器の一次ブッシング電圧に基づいて、各単位領域の変圧器のダメージを評価する変圧器のダメージ評価装置。
  11. 前記計算部において雷を落とすシミュレーションを、落雷位置を変えて、複数回行うと共に、各回について前記各変圧器のダメージを、前記一次ブッシング電圧の大きさに基づいて、ストレス、健全のいずれかに判定することにより、各変圧器についてストレスと判定されたストレス判定回数、健全と判定された健全判定回数を算出し、
    前記ストレス判定回数が1回以上である場合に、その単位領域について変圧器のダメージをストレスと評価し、
    前記ストレス判定回数が双方ともゼロ回である場合に、その単位領域について変圧器のダメージを健全と評価することを特徴とする請求項10に記載の変圧器のダメージ評価装置。
  12. 前記計算部で算出した前記ストレス判定回数を、各単位領域における前記変圧器の密度、及び前記落雷計測装置の雷撃頻度のデータに基づいて補正する補正部を備え、
    前記補正部にて求めた補正後のストレス判定回数に基づいて、ストレスと評価された変圧器についてストレスの程度を評価することを特徴とする請求項11に記載の変圧器のダメージ評価装置。
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