JP5513348B2 - 落雷被害予測装置、方法およびプログラム - Google Patents

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本発明は、落雷被害予測装置、方法およびプログラムに関し、特に、落雷による設備の故障状況を予測する落雷被害予測装置、方法およびプログラムに関する。
落雷による設備の故障(以下、「雷害故障」という。)が発生した場合、特に故障した設備が使用中であった場合は、迅速な対応が強く要望される。雷害故障に対して即時に対応するためには、修復に対応する要員や補修部品の確保が必要であるが、自然現象である落雷の発生頻度は、地域や時期によって大きく異なるといった特徴があるため、修復に対応する要員や補修部品を落雷の発生頻度に応じて効率よく確保することは困難であった。
従来より、雷害故障の発生時の後、直ちに故障した設備の修理を実施するための要員の確保や補修部品の準備を可能とするために、所定の領域における落雷頻度と設備密度とを考慮した任意期間における雷害故障の発生を予測する技術が知られている(特許文献1,2)。
特開2008−15620号公報 特開2009−15450号公報
しかしながら、特許文献1,2に開示されている従来の技術では、所定の領域における落雷頻度と設備密度とを考慮して雷害の発生場所や故障規模を予測することにより補修部品や保守要員の確保を実施する技術であって、後述する雷の特性を考慮した雷害の発生や故障規模を予測するものではない。
すなわち、落雷は、高い所(周囲範囲の中で相対的に背の高い物や場所)に発生する可能性が高いという性質を有しているが、特許文献1,2に開示されている従来の技術は、このような雷の特性を考慮していない。
さらに、落雷による雷サージの伝搬ルートは、地上に露出している電線の距離や、ある領域内に露出している電線の密度と深い関係があるが、特許文献1,2に開示されている従来の技術は、このような雷サージの伝搬ルートを考慮していない。
その結果、特許文献1,2に開示されている従来の技術による雷害故障の発生頻度の予測結果は、雷の特性を考慮されていないといった問題があった。
そこで本発明は、上述した課題を解決するために、雷の特性を考慮して雷害故障の発生頻度および故障規模を予測することにより、従来よりも高精度な雷害故障の発生頻度や故障規模の予測を行うことを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明は、少なくとも落雷の発生頻度と発生位置に関する落雷データを記憶する落雷データベースと、少なくとも通信サービスの提供エリアの位置と前記提供エリア内に配置された設備の総数に関する設備データを記憶する設備データベースと、少なくとも前記設備の故障率に関する故障データを記憶する故障データベースと、少なくとも前記提供エリアの地形を表す地形データを記憶する地形データベースと、前記落雷データと前記設備データとから前記提供エリア毎の落雷の発生頻度を表す落雷頻度情報を取得する落雷頻度情報取得部と、前記設備データから前記設備の総数と前記設備の設置位置とを前記提供エリア毎に表すサービスエリア情報を取得するサービスエリア情報取得部と、前記設備データ、前記故障データ、および前記地形データから前記提供エリアの地形の起伏に伴う前記設備の故障率の変化を表す地形起伏影響情報を取得する地形起伏影響情報取得部と、前記落雷頻度情報、前記サービスエリア情報、および前記地形起伏影響情報に基づいて前記提供エリアにおける前記設備の落雷による故障頻度を表す雷害故障頻度情報を導出する導出部とを備えることを特徴とする。
また、本発明における前記導出部は、前記落雷頻度情報から前記提供エリアにおける所定単位期間当たりの落雷回数を表す落雷密度(Ld2)と、前記サービスエリア情報から前記提供エリアの所定単位領域当たりの設備の密度を表す配置密度(Nt2)と、前記サービスエリア情報と前記地形起伏影響情報とから前記設備の設置位置における海抜高度の変動に伴う故障率の影響度を表す地形起伏影響度(Re2)とを導出し、前記提供エリアにおける前記設備の落雷による故障回数の予測値である雷害故障密度(Nd2)を導出するための予測式
Nd2=k2×Nt2a×Ld2b×Re2c
(ここで、k2は、前記設備の雷耐性を示す係数、a,b,cは、0.3<a,b,c<1。)
に前記配置密度(Nt2)と前記落雷密度(Ld2)と前記地形起伏影響度(Re2)とを代入して演算することにより、前記雷害故障密度(Nd2)を導出しても良い。
また、本発明における前記落雷データは、落雷発生数,落雷発生時刻,落雷発生位置情報,落雷規模を表すデータを含み、前記設備データは、前記提供エリア内に配置された前記設備の総数を表すデータおよび前記設備の設置位置を表すデータを含み、前記故障データは、前記設備の故障発生回数,故障箇所,故障原因を含む故障履歴を設備毎に表すデータおよび前記設備の故障回数と設置位置との関係に関する統計データを含み、前記地形データは、前記提供エリアの各地点における海抜高度を表すデータおよび前記提供エリア毎の平均海抜高度を表すデータを含み、前記落雷頻度情報取得部は、前記落雷データベースから前前記落雷データを、前記設備データベースから記設備データを取得して前記落雷頻度情報を生成し、前記サービスエリア情報取得部は、前記設備データベースから前記設備データを取得して前記サービスエリア情報を生成し、前記地形起伏影響情報取得部は、前記設備データベースから前記設備データを、前記故障データベースから前記故障データを、前記地形データベースから前記地形データを取得して、前記地形起伏影響情報を生成しても良い。
また、本発明にかかる落雷被害予測装置において、少なくとも前記提供エリア内に敷設された通信線の種別と位置と距離とに関する通信線データを記憶する通信線データベースと、前記通信線データから前記提供エリア内に施設された通信線のうち地上に露出しているメタルケーブルの距離に関する地上メタルケーブル情報を取得する地上メタルケーブル情報取得部とを更に備え、前記導出部は、前記落雷頻度情報、前記サービスエリア情報、前記地形起伏影響情報、および前記地上メタルケーブル情報に基づいて、前記提供エリアにおける前記設備の落雷による故障頻度を表す雷害故障頻度情報を導出しても良い。
また、本発明における前記導出部は、前記落雷頻度情報から前記提供エリアにおける所定単位期間当たりの落雷回数を表す落雷密度(Ld2)と、前記サービスエリア情報から前記提供エリアの所定単位領域当たりの設備の密度を表す配置密度(Nt2)と、前記サービスエリア情報と前記地形起伏影響情報とから前記設備の設置位置における海抜高度の変動に伴う故障率の影響度を表す地形起伏影響度(Re2)と、前記地上メタルケーブル情報から前記提供エリアの所定単位領域当たりに敷設されたメタルケーブルのうち地上に露出しているメタルケーブルの総距離を表す地上メタルケーブル総距離(Cd2)を導出し、前記提供エリアにおける前記設備の落雷による故障回数の予測値である雷害故障密度(Nd2)を導出するための予測式
Nd2=k2×Nt2d×Ld2e×Re2f×Cd2g
(ここで、k2は、前記設備の雷耐性を示す係数、d,e,f,gは、0.3<d,e,f,g<1。)
に前記配置密度(Nt2)と前記落雷密度(Ld2)と前記地形起伏影響度(Re2)と地上メタルケーブル総距離(Cd2)とを代入して演算することにより、前記雷害故障密度(Nd2)を導出しても良い。
また、本発明における前記地形起伏影響度(Re2)は、式
Re2=Ft(NtA−MA)
(ここで、Ftは前記設備の設置位置の高度の1m当たりの故障率の変化量を表し、NtAは前記提供エリアに配置された前記設備の設置位置の平均海抜高度を表し、MAは前記提供エリアの平均海抜高度を表す。)
を演算することにより導出しても良い。
また、本発明における前記導出部によって導出される前記雷害故障頻度情報は、前記提供エリアにおける特定の期間に発生する落雷による前記設備の故障回数の前記提供エリア毎の推定結果を表す故障回数情報を含み、前記導出部は、前記故障回数情報に基づいて前記提供エリア内における前記設備の保守計画に関する保守計画情報を導出しても良い。
本発明によれば、通信サービスの提供エリアにおける落雷頻度と、設備の配置密度と、設備の設置された地形起伏に応じた故障率の影響度とに基づいて、落雷の特性を考慮した提供エリア内の設備の雷害故障頻度を予測することができる。
また、本発明によれば、落雷頻度、設備収容密度、設備の設置された地形起伏に応じた故障率の影響度に加え、通信サービスの提供エリアにおいて地上に露出している通信線の総距離に基づいて、落雷の特性を考慮した提供エリア内の設備の雷害故障頻度と雷害故障の発生規模とを予測することができる。
したがって、落雷の特性を考慮した雷害の発生頻度および発生規模の予測結果が求められることによって、従来よりも高精度に雷害故障の発生頻度や故障規模の予測を行うことができる。
本発明の第1の実施の形態にかかる落雷被害予測装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態にかかる落雷被害予測装置による雷害故障密度の予測動作を概念的に説明する図である。 第1の実施の形態にかかる落雷被害予測装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態にかかる落雷被害予測装置の構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態にかかる落雷被害予測装置による雷害故障密度の予測動作を概念的に説明する図である。 第2の実施の形態にかかる落雷被害予測装置の動作を示すフローチャートである。
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態を説明する。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態にかかる落雷被害予測装置は、通信サービスの提供エリア(以下、単に「提供エリア」という。)に配置された設備の雷害故障の発生頻度を、その設備が設置されている提供エリアの平均海抜高度や設備の設置位置の海抜高度を考慮して予測するものである。
本実施の形態にかかる落雷被害予測装置の構成を示すブロック図を図1に、本実施の形態にかかる落雷被害予測装置100による雷害故障の発生頻度の予測機能を概念的に説明する図を図2に示す。以下、本実施の形態にかかる落雷被害予測装置100の構成および機能について、図1,2を参照して説明する。
図1、2に示すように、落雷被害予測装置100は、落雷データベース111と、設備データベース112と、故障データベース113と、地形データベース114と、落雷頻度情報取得部121と、サービスエリア情報取得部122と、地形起伏影響情報取得部123と、導出部130とから構成されている。
落雷データベース111は、少なくとも落雷の発生頻度と発生位置に関する落雷データを記憶するデータベースである。本実施の形態において、落雷データベース111は、あるエリアにおける落雷発生数の実績を表すデータや発生した落雷毎に落雷発生時刻と落雷発生位置情報と落雷規模とを関連付けたデータを落雷データとして記憶。
このような落雷データは、一般に公開されている気象情報の落雷に関する情報に基づいて取得することができる。
設備データベース112は、少なくと提供エリアの位置と提供エリア内に配置された設備の総数に関する設備データを記憶するデータベースである。本実施の形態において、設備データベース112は、提供エリアの位置を表すデータや提供エリア内に配置された設備の総数や設備の設置位置を表すデータを設備データとして記憶する。
このような設備データは、通信サービスを提供する通信事業者によって設置された設備の配置状況と地図データとに基づいて取得することができる。
故障データベース113は、少なくとも、設備の故障履歴や設備の故障率に関する故障データを記憶するデータベースである。本実施の形態において、故障データベース113は、設備の故障発生回数,故障箇所,故障原因といった故障履歴を設備毎に表すデータや設備の故障回数と設置位置との関係に関する統計データを故障データとして記憶する。
このような故障データは、通信事業者による設備の保守点検情報と地図データとに基づいて、設備の設置位置の海抜高度の変動と設備の故障率の変化との関係を統計的に表したデータに基づいて取得することができる。
地形データベース114は、少なくとも提供エリアの地形を表す地形データを記憶するデータベースである。本実施の形態において、地形データベース114は、提供エリアの各地点における海抜高度を表すデータや提供エリア毎の平均海抜高度を表すデータを地形データとして記憶する。
このような地形データは、海抜高度を表すデータを含んだ地図データと提供エリアの位置情報とに基づいて取得することができる。
なお、上記の落雷データベース111、設備データベース112、故障データベース113、地形データベース114は、それぞれ独立したデータベースとしても良いが、一つのデータベース上に統合された構成としても良い。
落雷頻度情報取得部121は、落雷データベース111に記憶されている落雷データと設備データベース112に記憶されている設備データとに基づいて、提供エリアと落雷の発生頻度とを関連付けた落雷頻度情報を取得する機能部である。
本実施の形態において、落雷頻度情報取得部121は、図2に示すように、落雷データベース111と設備データベース112とから落雷データと設備データとを読み出し、読み出した落雷データに含まれる落雷発生数と落雷発生位置を表すデータと、読み出した設備データに含まれる提供エリアの位置を表すデータとから、提供エリアの位置と落雷発生位置とを対応させることにより提供エリア毎の落雷の発生数を表す情報を求め、この求めた情報を落雷頻度情報として取得する。
サービスエリア情報取得部122は、設備データベース112に記憶されている設備データに基づいて、設置されている設備の総数と設置位置とを提供エリア毎に表したサービスエリア情報を取得する機能部である。
本実施の形態において、サービスエリア情報取得部122は、図2に示すように、設備データベース112から設備データを読み出し、この設備データに含まれる提供エリア内に配置された設備の総数を表すデータと設備の設置位置を表すデータと、提供エリアの位置を表すデータとを提供エリア毎に選別することにより、提供エリア毎に設置されている設備の総数と設置位置とを表す情報を求め、この求めた情報をサービスエリア情報として取得する。
地形起伏影響情報取得部123は、設備データベース112に記憶されている設備データ、故障データベース113に記憶されている故障データ、および地形データベース114に記憶されている地形データに基づいて、提供エリアの地形の起伏に伴う設備の故障率の変化を表す地形起伏影響情報を取得する機能部である。
本実施の形態において、地形起伏影響情報取得部123は、図2に示すように、設備データベース112と故障データベース113と地形データベース114とから設備データと故障データと地形データとを読み出し、設備データに含まれる提供エリア内に配置された設備の総数および設備の設置位置を表すデータと、故障データに含まれる設備の設置位置の海抜高度の変動と設備の故障率の変化との関係を統計的に表したデータと、地形データに含まれる提供エリアの海抜高度を表すデータや提供エリア毎の平均海抜高度を表すデータとから、提供エリア内に配置された設備の設置位置の平均海抜高度と提供エリアの平均海抜高度の変動と設備の故障率の変動との関係を解析することにより、提供エリア毎の地形の起伏に伴う設備の故障率の変化を表す情報を求め、この求めた情報を地形起伏影響情報として取得する。
導出部130は、落雷頻度情報取得部121によって取得された落雷頻度情報と、サービスエリア情報取得部122によって取得されたサービスエリア情報と、地形起伏影響情報取得部123によって取得された地形起伏影響情報とに基づいて、提供エリアにおける設備の落雷による故障頻度を表す雷害故障頻度情報を導出する機能部である。
なお、上述した各機能部は、CPU(中央演算装置)やメモリなどの記憶装置、インターフェースからなるコンピュータ(ハードウェア)にコンピュータプログラム(ソフトウェア)をインストールすることによって実現され、上述した各機能部は、上記のコンピュータの各種ハードウェア資源と上記コンピュータプログラムとが協働することによって実現される。
また、上記のコンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体や記憶装置に格納された状態で提供されても良く、電気通信回線を介して実現されても良い。
ここで、導出部130の構成について、図1および図2を参照してさらに詳しく説明する。図1,2に示すように、導出部130は、故障密度予測導出部131と予測情報導出部132とから構成されている。
故障密度予測導出部131は、図2に示すように、落雷頻度情報取得部121によって取得された落雷頻度情報から提供エリアにおける所定単位期間当たりの落雷回数を表す落雷密度(Ld2)と、サービスエリア情報取得部122によって取得されたサービスエリア情報から提供エリアの所定の単位領域当たりの設備の密度を表す配置密度(Nt2)と、サービスエリア情報と地形起伏影響情報取得部123によって取得された地形起伏影響情報とから設備の設置位置における海抜高度の変動に伴う故障率の影響度を表す地形起伏影響度(Re2)とを導出する。導出した落雷密度(Ld2),配置密度(Nt2),地形起伏影響度(Re2)を用いて、故障密度予測導出部131は、提供エリアにおける設備の落雷による所定の単位期間当たりの故障回数の予測値である雷害故障密度(Nd2)を導出する。
ここで、落雷密度(Ld2)、配置密度(Nt2)、地形起伏影響度(Re2)、雷害故障密度(Nd2)について、以下に、さらに詳しく説明する。
<落雷密度(Ld2)について>
落雷密度(Ld2)は、該当する提供エリアにおいて、予め定められた単位期間当たりの落雷回数を表すものである。例えば、春期(3月〜6月),夏期(6月〜9月),秋期(9月〜12月),冬期(12月〜3月)と単位期間を設定した場合、故障密度予測部131は、夏期として設定した単位期間に該当の提供エリアに発生した落雷回数を落雷頻度情報から求め、夏期における落雷密度(Ld2)として導出する。
<配置密度(Nt2)について>
配置密度(Nt2)は、提供エリア内の予め定められた単位領域当たりの設備の密度を表すものである。例えば、提供エリア内に設置されている設備の総数がSであり、提供エリア内の予め定められた単位領域内に設置されている設備の総数がTである場合、配置密度(Nt2)は、T/Sで表されるものである。
<地形起伏影響度(Re2)について>
地形起伏影響度(Re2)は、該当する提供エリア内に設置されている設備の設置位置の海抜高度の平均値と該当する提供エリアの海抜高度の平均値との差分による設備の故障率の変化量とすることができ、以下の(式1)によって表すことができる。故障密度予測導出部131は、下記の(式1)を演算することによって地形起伏影響度(Re2)を導出する。
Re2=Ft(NtA−MA) ・・・(式1)
ここで、Ftは設備の設置位置の高度の1m当たりの故障率の変化量を表し、NtAは提供エリアに配置された設備の設置位置の平均海抜高度を表し、MAは提供エリアの平均海抜高度を表す。
<雷害故障密度(Nd2)について>
雷害故障密度(Nd2)は、該当する提供エリアにおいて、予め定められた単位期間当たりの設備の故障回数を表すものであり、以下の(式2)によって表すことができる。故障密度予測導出部131は、下記の(式2)に導出した配置密度(Nt2),落雷密度(Ld2),地形起伏影響度(Re2)のそれぞれ代入して演算することにより、雷害故障密度(Nd2)を導出する。
Nd2=k2×Nt2a×Ld2b×Re2c ・・・(式2)
ここで、k2は、前記設備の雷耐性を示す係数、a,b,cは、0.3<a,b,c<1である。また、k2で表される前記設備の雷耐性を示す係数は、設置されている設備に対応して予め定められた値である。乗数a,b,cは、上述した各データベースに記憶されている各種データに基づいて解析的に定まる値であり、それぞれ配置密度(Nt2),落雷密度(Ld2),地形起伏影響度(Re2)の重み付けを行う。
導出部130の予測情報導出部132は、特定の単位期間および特定の単位領域毎の故障密度予測導出部131による雷害故障密度(Nd2)の算出結果を、提供エリアにおいて特定の期間に発生する落雷による設備の故障回数の推定結果を表す故障回数情報として導出する。導出した故障回数情報に基づいて、予測情報導出部132は、提供エリア内における設備の保守計画に関する保守計画情報を導出する。
例えば、図2に示すように、予測情報導出部132は、導出した故障回数情報に基づいて、雷害故障の修理の対応に必要な要員数(以下、単に「要員数」という。)を表す情報や、要員数と期間とを関連付けた情報や、要員数と派遣先とを関連付けた情報といった保守計画情報を導出する。
次に、本実施の形態にかかる落雷被害予測装置100の動作について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。
図3に示すように、落雷被害予測装置100の落雷頻度情報取得部121,サービスエリア情報取得部122,地形起伏影響情報取得部123は、落雷データベース111に記憶されている落雷データ,設備データベース112に記憶されている設備データ,故障データベース113に記憶されている故障データ,地形データベース114に記憶されている地形データを取得し、落雷頻度情報取得部121によって落雷頻度情報を、サービスエリア情報取得部122によってサービスエリア情報を、地形起伏影響情報取得部123によって地形起伏影響情報をそれぞれ生成して取得する(S101)。
故障密度導出部131は、落雷頻度情報取得部121によって取得された落雷頻度情報から落雷密度(Ld2)を導出し、サービスエリア情報取得部122によって取得されたサービスエリア情報から配置密度(Nt2)を導出し、サービスエリア情報と地形起伏影響情報取得部123によって取得された地形起伏影響情報から地形起伏影響度(Re2)を導出する(S102)。
落雷密度(Ld2)と配置密度(Nt2)と地形起伏影響度(Re2)とが導出されると、故障密度導出部131は、導出した落雷密度(Ld2)と配置密度(Nt2)と地形起伏影響度(Re2)とを用いて、該当する提供エリアにおける所定の単位期間当たりの設備の故障回数の推定、すなわち、雷害故障密度(Nd2)を導出する(S103)。
故障密度導出部131によって雷害故障密度(Nd2)が導出されると、予測情報導出部132は、特定の単位期間および特定の単位領域毎の雷害故障密度(Nd2)の算出結果を、提供エリアにおいて特定の期間に発生する落雷による設備の故障回数の推定結果を表す故障回数情報として導出する(S104)。
故障回数情報が導出されると、予測情報導出部132は、導出された故障回数情報に基づいて、設備の保守管理に必要な要員数、要員数と必要期間とを関連付けた情報、要員数と派遣先とを関連付けた情報といった保守計画情報を導出する(S105)。
このように、本実施の形態によれば、通信サービスの提供エリアにおける落雷頻度と、設備の配置密度と、設備の設置された地形起伏に応じた故障率の影響度とに基づいて、落雷の特性を考慮した提供エリア内の設備の雷害故障頻度を予測することができる。
よって、落雷の特性を考慮した雷害の発生頻度の予測結果が求められることによって、従来よりも高精度に雷害故障の発生頻度の予測を行うことができる。
また、予測結果に基づいて通信サービスの提供エリア毎に雷害故障の危険度の順位付けを行った雷害故障発生危険度リストを作成することができ、従来よりも効率的で効果的な通信サービスにおける設備の保守計画を構築することが可能となる。
[第2の実施の形態]
近年の通信サービスにおける通信線は、一般的に、メタルケーブルと光ケーブルの2種類に分類される。このような通信線のうち、光ケーブルは導電体でないため落雷の影響を受ける可能性が低いが、メタルケーブルは導電体であるため、落雷の影響を受ける可能性が高い。また、地下に敷設された場合は、光ケーブルとメタルケーブルの双方とも落雷の影響を受ける危険性が低い。
そこで、本発明の第2の実施の形態にかかる落雷被害予測装置は、地上に露出して敷設されているメタルケーブルの総距離を考慮することで設備の雷害故障の発生頻度を予測するために、第1の実施の形態において説明した落雷被害予測装置100に、通信サービスの提供エリア内に敷設された通信線に関するデータを記憶する通信線データベースと、地上に露出しているメタルケーブルの位置と距離に関する情報を取得する構成を追加したものである。
本実施の形態にかかる落雷被害予測装置の構成を示すブロック図を図4に、本実施の形態にかかる落雷被害予測装置200による雷害故障の発生頻度の予測機能を概念的に説明する図を図5に示す。以下、本実施の形態にかかる落雷被害予測装置200の構成および機能について、図4,5を参照して説明する。
なお、第1の実施の形態において説明した落雷被害予測装置100の構成要素と同一の構成および機能を有するものには、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
落雷被害予測装置200は、図4に示すように、落雷データベース111と、設備データベース112と、故障データベース113と、地形データベース114と、通信線データベース215と、落雷頻度情報取得部121と、サービスエリア情報取得部122と、地形起伏影響情報取得部123と、地上メタルケーブル情報取得部224と、導出部230とから構成されている。
通信線データベース215は、少なくとも提供エリア内に敷設された通信線の種別、位置、距離に関する通信線データを記憶するデータベースである。本実施の形態において、通信データベース2215は、提供エリア内の地上に敷設された通信線の種別と敷設された位置情報と敷設された通信線の距離とを関連付けたデータを通信線データとして記憶する。
このような通信線データは、通信サービスを提供する通信事業者および工事請負事業者によって敷設された通信線の配置状況を表す情報と地図データとに基づいて取得することができる。
地上メタルケーブル情報取得部224は、地上通信線データベース215に記憶されている通信線データに基づいて、提供エリア内に敷設された通信線のうち、地上に露出しているメタルケーブルの位置と距離に関する地上メタルケーブル情報を取得する機能部である。
本実施の形態において、地上メタルケーブル情報取得部224は、図5に示すように、通信線データベース215から通信線データを読み出し、この通信線データに含まれる提供エリア内の地上に敷設された通信線の種別と敷設された位置情報と敷設された通信線の距離とを関連付けたデータから、通信線の種別がメタルケーブルであり、地上に露出されて敷設されているメタルケーブルの位置と距離を表す情報を求め、この求めた情報を地上メタルケーブル情報として取得する。
導出部230は、落雷頻度情報取得部121によって取得された落雷頻度情報と、サービスエリア情報取得部122によって取得されたサービスエリア情報と、地形起伏影響情報取得部123によって取得された地形起伏影響情報と、地上メタルケーブル情報取得部224によって取得された地上メタルケーブル情報とに基づいて、提供エリアにおける設備の落雷による故障頻度を表す雷害故障頻度情報を導出する機能部である。
なお、上述した各機能部は、CPU(中央演算装置)やメモリなどの記憶装置、インターフェースからなるコンピュータ(ハードウェア)にコンピュータプログラム(ソフトウェア)をインストールすることによって実現され、上述した各機能部は、上記のコンピュータの各種ハードウェア資源と上記コンピュータプログラムとが協働することによって実現される。
また、上記のコンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体や記憶装置に格納された状態で提供されても良く、電気通信回線を介して実現されても良い。
ここで、導出部230の構成について、図4および図5を参照してさらに詳しく説明する。図4,5に示すように、導出部230は、故障密度予測導出部231と予測情報導出部232とから構成されている。
故障密度予測導出部231は、図5に示すように、落雷頻度情報から落雷密度(Ld2)、サービスエリア情報から配置密度(Nt2)と、サービスエリア情報と地形起伏影響情報とから地形起伏影響度(Re2)、地上メタルケーブル情報取得部224によって取得された地上メタルケーブル情報から提供エリアの所定の単位領域当たりに敷設されているメタルケーブルのうち地上に露出しているメタルケーブルの総距離を算出し、算出した距離を表すデータを地上メタルケーブル総距離(Cd2)として導出する。
導出した落雷密度(Ld2),配置密度(Nt2),地形起伏影響度(Re2),地上メタルケーブル総距離(Cd2)を用いて、故障密度予測導出部231は、提供エリアにおける設備の落雷による所定の単位期間当たりの故障回数の予測値である雷害故障密度(Nd2)を導出する。
ここで、地上メタルケーブル総距離(Cd2)を考慮した雷害故障密度(Nd2)について、以下に、さらに詳しく説明する。
<地上メタルケーブル総距離(Cd2)を考慮した雷害故障密度(Nd2)について>
地上メタルケーブル総距離(Cd2)は、提供エリア内の予め定められた単位領域に敷設されているメタルケーブルのうち、地上に露出されて敷設されているメタルケーブルの総距離を表すものであり、このような地上メタルケーブル総距離(Cd2)を考慮した
雷害故障密度(Nd2)は、該当する提供エリア内における雷害規模を考慮し、かつ、予め定められた単位期間当たりの設備の故障回数を推定するものである。
上記の雷害規模を考慮した雷害故障密度(Nd2)は、以下の(式3)によって表すことができる。故障密度予測導出部231は、下記の(式3)に導出した配置密度(Nt2),落雷密度(Ld2),地形起伏影響度(Re2),地上メタルケーブル総距離(Cd2)それぞれを代入して演算することにより、雷害故障密度(Nd2)を導出する。
Nd2=k2×Nt2d×Ld2e×Re2f×Cd2g ・・・(式3)
ここで、k2は、前記設備の雷耐性を示す係数、d,e,f,gは、0.3<d,e,f,g<1である。また、k2で表される前記設備の雷耐性を示す係数は、設置されている設備に対応して予め定められた値であり、乗数d,e,f,gは、上述した各データベースに記憶されている各種データに基づいて解析的に定まる値である。さらに、乗数d,e,f,gは、それぞれ配置密度(Nt2),落雷密度(Ld2),地形起伏影響度(Re2),地上メタルケーブル総距離(Cd2)の重み付けを行う。
導出部230の予測情報導出部232は、特定の単位期間および特定の単位領域毎の故障密度予測導出部231による雷害故障密度(Nd2)の算出結果を、提供エリアにおいて雷害規模を考慮し、かつ、特定の期間に発生する落雷による設備の故障回数の推定結果を表す故障回数情報として導出する。導出した故障回数情報に基づいて、予測情報導出部232は、提供エリア内における設備の保守計画に関する保守計画情報を導出する。
例えば、図2に示すように、予測情報導出部132は、導出した故障回数情報に基づいて、雷害故障の修理の対応に必要な要員数を表す情報や、要員数と期間とを関連付けた情報や、要員数と派遣先とを関連付けた情報や、雷害規模に応じた保守部品に関する情報といった保守計画情報を導出する。
次に、本実施の形態にかかる落雷被害予測装置200の動作について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
図6に示すように、落雷被害予測装置200の落雷頻度情報取得部121,サービスエリア情報取得部122,地形起伏影響情報取得部123,地上メタルケーブル情報取得部224は、落雷データベース111に記憶されている落雷データ,設備データベース112に記憶されている設備データ,故障データベース113に記憶されている故障データ,地形データベース114に記憶されている地形データ,通信線データベース215に記憶されている通信線データを取得し、落雷頻度情報取得部121によって落雷頻度情報を、サービスエリア情報取得部122によってサービスエリア情報を、地形起伏影響情報取得部123によって地形起伏影響情報を、地上メタルケーブル情報取得部224によって地上メタルケーブル情報をそれぞれ生成して取得する(S201)。
故障密度導出部231は、落雷頻度情報取得部121によって取得された落雷頻度情報から落雷密度(Ld2)を導出し、サービスエリア情報取得部122によって取得されたサービスエリア情報から配置密度(Nt2)を導出し、サービスエリア情報と地形起伏影響情報取得部123によって取得された地形起伏影響情報から地形起伏影響度(Re2)を導出し、地上メタルケーブル情報取得部224によって取得された地上メタルケーブル情報から地上メタルケーブル総距離(Cd2)を導出する(S202)。
落雷密度(Ld2)と配置密度(Nt2)と地形起伏影響度(Re2)と地上メタルケーブル情報(Cd2)とが導出されると、故障密度導出部231は、導出した落雷密度(Ld2)と配置密度(Nt2)と地形起伏影響度(Re2)と地上メタルケーブル情報(Cd2)とを用いて、該当する提供エリアにおける雷害規模を考慮し、かつ、所定の単位期間当たりの設備の故障回数の推定、すなわち、雷害規模を考慮した雷害故障密度(Nd2)を導出する(S203)。
故障密度導出部231によって雷害規模を考慮した雷害故障密度(Nd2)が導出されると、予測情報導出部232は、特定の単位期間および特定の単位領域毎の雷害故障密度(Nd2)の算出結果を、提供エリアにおいて雷害規模を考慮し、かつ、特定の期間に発生する落雷による設備の故障回数の推定結果を表す故障回数情報として導出する(S204)。
故障回数情報が導出されると、予測情報導出部232は、導出された故障回数情報に基づいて、設備の保守管理に必要な要員数、要員数と必要期間とを関連付けた情報、要員数と派遣先とを関連付けた情報、雷害規模に応じた保守部品に関する情報といった保守計画情報を導出する(S205)。
このように、本実施の形態によれば、落雷頻度、設備収容密度、設備の設置された地形起伏に応じた故障率の影響度に加え、通信サービスの提供エリアにおいて地上に露出している通信線の総距離に基づいて、落雷の特性を考慮した提供エリア内の設備の雷害故障頻度と雷害故障の発生規模とを予測することができる。
よって、落雷の特性を考慮しかつ雷害規模を考慮した雷害の発生頻度の予測結果が求められることによって、従来よりも高精度に雷害故障の発生頻度や故障規模の予測を行うことができる。
また、予測結果に基づいて通信サービスの提供エリア毎に雷害故障の危険度の順位付けを行った雷害故障発生危険度リストの作成や、雷外規模に対応した保守部品の在庫管理を行うことができ、従来よりも効率的で効果的な通信サービスにおける設備の保守計画を構築することが可能となる。
雷害故障に迅速に対応するための保守要員の管理や保守部品の管理といった保守計画を構築する落雷被害保守管理システムにおける落雷被害予測装置として利用可能である。
100,200…落雷被害予測装置、111…落雷データベース、112…設備データベース、113…故障データベース、114…地形データベース、215…通信線データベース、121…落雷頻度情報取得部、122…サービスエリア情報取得部、123…地形起伏影響情報取得部、224…地上メタルケーブル情報取得部、130,230…導出部、131,231…故障密度予測導出部、132,232…予測情報導出部。

Claims (10)

  1. 少なくとも落雷の発生頻度と発生位置に関する落雷データを記憶する落雷データベースと、
    少なくとも通信サービスの提供エリアの位置と前記提供エリア内に配置された設備の総数に関する設備データを記憶する設備データベースと、
    少なくとも前記設備の故障率に関する故障データを記憶する故障データベースと、
    少なくとも前記提供エリアの地形を表す地形データを記憶する地形データベースと、
    前記落雷データと前記設備データとから前記提供エリア毎の落雷の発生頻度を表す落雷頻度情報を取得する落雷頻度情報取得部と、
    前記設備データから前記設備の総数と前記設備の設置位置とを前記提供エリア毎に表すサービスエリア情報を取得するサービスエリア情報取得部と、
    前記設備データ、前記故障データ、および前記地形データから前記提供エリアの地形の起伏に伴う前記設備の故障率の変化を表す地形起伏影響情報を取得する地形起伏影響情報取得部と、
    前記落雷頻度情報、前記サービスエリア情報、および前記地形起伏影響情報に基づいて前記提供エリアにおける前記設備の落雷による故障頻度を表す雷害故障頻度情報を導出する導出部と
    を備えることを特徴とする落雷被害予測装置。
  2. 請求項1に記載された落雷被害予測装置において、
    前記導出部は、前記落雷頻度情報から前記提供エリアにおける所定単位期間当たりの落雷回数を表す落雷密度(Ld2)と、前記サービスエリア情報から前記提供エリアの所定単位領域当たりの設備の密度を表す配置密度(Nt2)と、前記サービスエリア情報と前記地形起伏影響情報とから前記設備の設置位置における海抜高度の変動に伴う故障率の影響度を表す地形起伏影響度(Re2)とを導出し、前記提供エリアにおける前記設備の落雷による故障回数の予測値である雷害故障密度(Nd2)を導出するための予測式
    Nd2=k2×Nt2a×Ld2b×Re2c
    (ここで、k2は、前記設備の雷耐性を示す係数、a,b,cは、0.3<a,b,c<1。)
    に前記配置密度(Nt2)と前記落雷密度(Ld2)と前記地形起伏影響度(Re2)とを代入して演算することにより、前記雷害故障密度(Nd2)を導出することを特徴とする落雷被害予測装置。
  3. 請求項1または2に記載された落雷被害予測装置において、
    前記落雷データは、落雷発生数,落雷発生時刻,落雷発生位置情報,落雷規模を表すデータを含み、
    前記設備データは、前記提供エリア内に配置された前記設備の総数を表すデータおよび前記設備の設置位置を表すデータを含み、
    前記故障データは、前記設備の故障発生回数,故障箇所,故障原因を含む故障履歴を設備毎に表すデータおよび前記設備の故障回数と設置位置との関係に関する統計データを含み、
    前記地形データは、前記提供エリアの各地点における海抜高度を表すデータおよび前記提供エリア毎の平均海抜高度を表すデータを含み、
    前記落雷頻度情報取得部は、前記落雷データベースから前前記落雷データを、前記設備データベースから記設備データを取得して前記落雷頻度情報を生成し、
    前記サービスエリア情報取得部は、前記設備データベースから前記設備データを取得して前記サービスエリア情報を生成し、
    前記地形起伏影響情報取得部は、前記設備データベースから前記設備データを、前記故障データベースから前記故障データを、前記地形データベースから前記地形データを取得して、前記地形起伏影響情報を生成することを特徴とする落雷被害予測装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載された落雷被害予測装置において、
    少なくとも前記提供エリア内に敷設された通信線の種別と位置と距離とに関する通信線データを記憶する通信線データベースと、
    前記通信線データから前記提供エリア内に施設された通信線のうち地上に露出しているメタルケーブルの距離に関する地上メタルケーブル情報を取得する地上メタルケーブル情報取得部とを更に備え、
    前記導出部は、前記落雷頻度情報、前記サービスエリア情報、前記地形起伏影響情報、および前記地上メタルケーブル情報に基づいて、前記提供エリアにおける前記設備の落雷による故障頻度を表す雷害故障頻度情報を導出することを特徴とする落雷被害予測装置。
  5. 請求項4に記載された落雷被害予測装置において、
    前記導出部は、前記落雷頻度情報から前記提供エリアにおける所定単位期間当たりの落雷回数を表す落雷密度(Ld2)と、前記サービスエリア情報から前記提供エリアの所定単位領域当たりの設備の密度を表す配置密度(Nt2)と、前記サービスエリア情報と前記地形起伏影響情報とから前記設備の設置位置における海抜高度の変動に伴う故障率の影響度を表す地形起伏影響度(Re2)と、前記地上メタルケーブル情報から前記提供エリアの所定単位領域当たりに敷設されたメタルケーブルのうち地上に露出しているメタルケーブルの総距離を表す地上メタルケーブル総距離(Cd2)とを導出し、前記提供エリアにおける前記設備の落雷による故障回数の予測値である雷害故障密度(Nd2)を導出するための予測式
    Nd2=k2×Nt2d×Ld2e×Re2f×Cd2g
    (ここで、k2は、前記設備の雷耐性を示す係数、d,e,f,gは、0.3<d,e,f,g<1。)
    に前記配置密度(Nt2)と前記落雷密度(Ld2)と前記地形起伏影響度(Re2)と地上メタルケーブル総距離(Cd2)とを代入して演算することにより、前記雷害故障密度(Nd2)を導出することを特徴とする落雷被害予測装置。
  6. 請求項2または5に記載された落雷被害予測装置において、
    前記地形起伏影響度(Re2)は、式
    Re2=Ft(NtA-MA)
    (ここで、Ftは前記設備の設置位置の高度の1m当たりの故障率の変化量を表し、NtAは前記提供エリアに配置された前記設備の設置位置の平均海抜高度を表し、MAは前記提供エリアの平均海抜高度を表す。)
    を演算することにより導出されることを特徴とする落雷被害予測装置。
  7. 請求項2乃至6のいずれかに記載された落雷被害予測装置において、
    前記導出部によって導出される前記雷害故障頻度情報は、前記提供エリアにおける特定の期間に発生する落雷による前記設備の故障回数の前記提供エリア毎の推定結果を表す故障回数情報を含み、
    前記導出部は、前記故障回数情報に基づいて前記提供エリア内における前記設備の保守計画に関する保守計画情報を導出することを特徴とする落雷被害予測装置。
  8. コンピュータが、落雷データベースに記憶された落雷の発生頻度と発生位置に関する落雷データと、設備データベースに記憶された、通信サービスの提供エリアの位置と前記提供エリア内に配置された設備の総数に関する設備データとから前記提供エリア毎の落雷の発生頻度を表す落雷頻度情報を取得するステップと、
    コンピュータが、前記設備データから前記設備の総数と前記設備の設置位置とを前記提供エリア毎に表すサービスエリア情報を取得するステップと、
    コンピュータが、前記設備データ、故障データベースに記憶された前記設備の故障率に関する故障データ、および地形データベースに記憶された前記提供エリアの地形を表す地形データから前記提供エリアの地形の起伏に伴う前記設備の故障率の変化を表す地形起伏影響情報を取得するステップと、
    コンピュータが、前記落雷頻度情報、前記サービスエリア情報、および前記地形起伏影響情報に基づいて前記提供エリアにおける前記設備の落雷による故障頻度を表す雷害故障頻度情報を導出するステップとを備え、
    前記雷害故障頻度情報を導出するステップは、前記落雷頻度情報から前記提供エリアにおける所定単位期間当たりの落雷回数を表す落雷密度(Ld2)と、前記サービスエリア情報から前記提供エリアの所定単位領域当たりの設備の密度を表す配置密度(Nt2)と、前記サービスエリア情報と前記地形起伏影響情報とから前記設備の設置位置における海抜高度の変動に伴う故障率の影響度を表す地形起伏影響度(Re2)とを導出し、前記提供エリアにおける前記設備の落雷による故障回数の予測値である雷害故障密度(Nd2)を導出するための予測式
    Nd2=k2×Nt2a×Ld2b×Re2c
    (ここで、k2は、前記設備の雷耐性を示す係数、a,b,cは、0.3<a,b,c<1。)
    に前記配置密度(Nt2)と前記落雷密度(Ld2)と前記地形起伏影響度(Re2)とを代入して演算することにより、前記雷害故障密度(Nd2)を導出することを特徴とする落雷被害予測方法。
  9. 請求項8に記載された落雷被害予測方法において、
    コンピュータが、通信線データベースに記憶された、前記提供エリア内の地上に敷設された通信線の位置と距離に関する通信線データから前記提供エリア内に施設された通信線のうち地上に露出しているメタルケーブルの距離に関する地上メタルケーブル情報を取得するステップとを更に備え、
    前記雷害故障頻度情報を導出するステップは、前記落雷頻度情報から前記提供エリアにおける所定単位期間当たりの落雷回数を表す落雷密度(Ld2)と、前記サービスエリア情報から前記提供エリアの所定単位領域当たりの設備の密度を表す配置密度(Nt2)と、前記サービスエリア情報と前記地形起伏影響情報とから前記設備の設置位置における海抜高度の変動に伴う故障率の影響度を表す地形起伏影響度(Re2)と、前記地上メタルケーブル情報から前記提供エリアの所定単位領域当たりに敷設されたメタルケーブルのうち地上に露出しているメタルケーブルの総距離を表す地上通信ケーブル総距離(Cd2)を導出し、前記提供エリアにおける前記設備の落雷による故障回数の予測値である雷害故障密度(Nd2)を導出するための予測式
    Nd2=k2×Nt2d×Ld2e×Re2f×Cd2g
    (ここで、k2は、前記設備の雷耐性を示す係数、d,e,f,gは、0.3<d,e,f,g<1。)
    に前記配置密度(Nt2)と前記落雷密度(Ld2)と前記地形起伏影響度(Re2)と地上メタルケーブル総距離(Cd2)とを代入して演算することにより、前記雷害故障密度(Nd2)を導出することを特徴とする落雷被害予測方法。
  10. コンピュータに、請求項8または9に記載された落雷被害予測方法を実行させることを特徴とする落雷被害予測プログラム。
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