JP5775399B2 - 耐雷設備のダメージ評価方法、耐雷設備のダメージ評価装置、変圧器のダメージ評価方法、変圧器のダメージ評価装置 - Google Patents
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Description
・前記計算ステップにおいて雷を落とすシミュレーションを、落雷位置を変えて、複数回行うと共に、各回について前記各耐雷設備のダメージを、前記処理エネルギーの大きさに基づいて機能不良、ストレス、健全のいずれかに判定することにより、各耐雷設備について機能不良と判定された機能不良判定回数、ストレスと判定されたストレス判定回数、健全と判定された健全判定回数を算出し、前記機能不良判定回数が1回以上である場合に、その単位領域について耐雷設備のダメージを機能不良と評価し、前記機能不良判定回数がゼロで、かつストレス判定回数が1回以上である場合に、その単位領域について耐雷設備のダメージをストレスと評価し、前記機能不良判定回数とストレス判定回数が双方ともゼロ回である場合に、その単位領域について耐雷設備のダメージを健全と評価する。
・上記耐雷設備のダメージ評価装置では、前記計算部において雷を落とすシミュレーションを、落雷位置を変えて、複数回行うと共に、各回について前記各耐雷設備のダメージを、前記処理エネルギーの大きさに基づいて機能不良、ストレス、健全のいずれかに判定することにより、各耐雷設備について機能不良と判定された機能不良判定回数、ストレスと判定されたストレス判定回数、健全と判定された健全判定回数を算出し、機能不良判定回数が1回以上ある場合に、その単位領域について耐雷設備のダメージを機能不良と評価し、機能不良判定回数がゼロで、かつストレス判定回数が1回以上である場合に、その単位領域について耐雷設備のダメージをストレスと評価し、機能不良判定回数とストレス判定回数が双方ともゼロ回である場合に、その単位領域について耐雷設備のダメージを健全と評価する。
・前記計算ステップにおいて雷を落とすシミュレーションを、落雷位置を変えて、複数回行うと共に、各回について前記各変圧器のダメージを、前記一次ブッシング電圧の大きさに基づいて、ストレス、健全のいずれかに判定することにより、各変圧器についてストレスと判定されたストレス判定回数、健全と判定された健全判定回数を算出し、前記ストレス判定回数が1回以上である場合に、その単位領域について変圧器のダメージをストレスと評価し、前記ストレス判定回数がゼロ回である場合に、その単位領域について変圧器のダメージを健全と評価する。
・前記計算部において雷を落とすシミュレーションを、落雷位置を変えて、複数回行うと共に、各回について前記各変圧器のダメージを、前記一次ブッシング電圧の大きさに基づいて、ストレス、健全のいずれかに判定することにより、各変圧器についてストレスと判定されたストレス判定回数、健全と判定された健全判定回数を算出し、前記ストレス判定回数が1回以上である場合に、その単位領域について変圧器のダメージをストレスと評価し、前記ストレス判定回数が双方ともゼロ回である場合に、その単位領域について変圧器のダメージを健全と評価する。
1.配電系統の概略説明
図1は、配電系統の概略図である。配電系統は、電力系統より送られる電力を各需要家に配電するものであり、電柱10、配電線11、架空地線12、引込線、変圧器21、開閉器22などから構成されている。変圧器21は、配電線11を介して6600Vの高電圧で供給された電力を、例えば100Vまたは200Vに降圧して一般家庭や事業所に供給するものである。また、開閉器22はスイッチの働きをするものであって、配電線11に流れている電流を導通、遮断するものである。なお、電柱10、配電線11、変圧器21、開閉器22が本発明の配電設備に相当する。
図2は、管理区の区分を示す図である。管理区40は、配電設備や耐雷設備30を管理する際の、一つのまとまりを示すものであり、この実施例では、管理区の1区間を1km×1kmとしている。
落雷計測定装置(図略)は、落雷に伴って発生する電磁波を多地点で計測して、落雷した位置、雷電流の大きさ、落雷した時間などの落雷情報を算出する装置である。尚、この種の装置を開示するものとして、特開2003−294824号公報がある。
図4は、本実施形態における耐雷設備のダメージ評価システム1の電気的構成を示すブロック図である。耐雷設備のダメージ評価システム1は、耐雷設備評価部100と、キーボードやマウスなどのデータ入力部200と、記憶部300と、表示部400とによって構成される。耐雷設備のダメージ評価システム1は、落雷による耐雷設備30のダメージを管理区単位で評価するものである。
次に、図5に示す耐雷設備のダメージ評価システム1のフローチャートを参照しつつ説明する。
(1)耐雷設備30は、配電系統を構成する配電設備や他の耐雷設備30と電気的に繋がっていることから、落雷に伴うダメージを求めるには、電気的に繋がった配電設備や耐雷設備30の影響を考慮することが必要となる。そこで、本実施形態では、管理区毎に標準化モデル、すなわち模擬回路を作成して、落雷により雷電流Iが、模擬回路をどのように伝搬してゆくのか、シミュレーションを行うようにした。このようにすれば、電気的に繋がった配電設備や耐雷設備30の影響を考慮した上で、各耐雷設備30の処理エネルギー(雷電流Iの通過に伴って各耐雷設備が処理する処理エネルギー)を計算することが可能となる。そのため、耐雷設備30のダメージの度合いを精度よく評価することが可能となる。また、管理区毎に耐雷設備30のダメージを評価することができるので、管理区毎にダメージの大きい耐雷設備30から交換時期を決定することが可能となる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、ダメージの評価対象として、耐雷設備30を例示したが、変圧器21を評価対象にしてもよい。
11…高圧配電線
21…変圧器
30…耐雷設備
31…避雷器
32…耐雷PC
33…耐雷ホーン
40…管理区
100…耐雷設備評価部
101…モデル作成部
102…決定部
103…計算部
104…判定部
105…補正部
106…評価部
301…落雷計測装置のデータ
302…管理区のデータ
Claims (12)
- 耐雷設備のダメージ評価方法であって、
予め設定された各単位領域について、単位領域内に設けられた電柱に対する耐雷設備の構成比率を表したモデルを作成するモデル作成ステップと、
各単位領域に落雷する雷の大きさを落雷計測装置のデータに基づいて決定する決定ステップと、
前記モデル作成ステップで作成された各モデルに対して、前記決定ステップにて決定した大きさの雷を落とす雷撃シミュレーションを、落雷位置を変えて複数回実行することにより、各単位領域について、各回の落雷により各耐雷設備が処理する処理エネルギー量として各耐雷設備が内部で熱損失したエネルギー量を計算する計算ステップと、を含み、
前記複数回の雷撃シミュレーションにより各単位領域の耐雷設備が受けるダメージを、前記複数回の雷撃シミュレーションにより各耐雷設備が内部で熱損失するエネルギー量に基づいて評価する耐雷設備のダメージ評価方法。 - 前記計算ステップにおいて、前記複数回の雷撃シミュレーションにより各単位領域の各耐雷設備が受けるダメージを、各耐雷設備が内部で熱損失したエネルギー量の大きさに基づいて、機能不良、ストレス、健全のいずれかに判定することにより、各単位領域の耐雷設備について機能不良と判定された機能不良判定回数、ストレスと判定されたストレス判定回数、健全と判定された健全判定回数を算出し、
前記機能不良判定回数が1回以上である場合に、その単位領域について耐雷設備のダメージを機能不良と評価し、
前記機能不良判定回数がゼロで、かつストレス判定回数が1回以上である場合に、その単位領域について耐雷設備のダメージをストレスと評価し、
前記機能不良判定回数とストレス判定回数が双方ともゼロ回である場合に、その単位領域について耐雷設備のダメージを健全と評価することを特徴とする請求項1に記載の耐雷設備のダメージ評価方法。 - 前記計算ステップで算出した前記機能不良判定回数、前記ストレス判定回数を、各単位領域における配電設備の密度、及び前記落雷計測装置の雷撃頻度のデータに基づいて補正する補正ステップを備え、
前記補正ステップにて求めた補正後の機能不良判定回数に基づいて機能不良と評価された耐雷設備について機能不良の程度を評価し、補正後のストレス判定回数に基づいて、ストレスと評価された耐雷設備についてストレスの程度を評価する請求項2に記載の耐雷設備のダメージ評価方法。 - 耐雷設備のダメージ評価装置であって、
予め設定された各単位領域について、単位領域内に設けられた電柱に対する耐雷設備の構成比率を表したモデルを作成するモデル作成部と、
各単位領域に落雷する雷の大きさを落雷計測装置のデータに基づいて決定する決定部と、
前記モデル作成部で作成された各モデルに対して、前記決定部にて決定した大きさの雷を落とす雷撃シミュレーションを、落雷位置を変えて複数回実行することにより、各単位領域について、各回の落雷により各耐雷設備が処理する処理エネルギー量として前記各耐雷設備が内部で熱損失するエネルギー量を計算する計算部と、を含み、
前記複数回の雷撃シミュレーションにより各単位領域の耐雷設備が受けるダメージを、前記複数回の雷撃シミュレーションにより各耐雷設備が内部で熱損失するエネルギー量に基づいて評価する耐雷設備のダメージ評価装置。 - 前記計算部において、前記複数回の雷撃シミュレーションにより各単位領域の各耐雷設備が受けるダメージを、各耐雷設備が内部で熱損失したエネルギー量の大きさに基づいて、機能不良、ストレス、健全のいずれかに判定することにより、各単位領域の耐雷設備について機能不良と判定された機能不良判定回数、ストレスと判定されたストレス判定回数、健全と判定された健全判定回数を算出し、
前記機能不良判定回数が1回以上である場合に、その単位領域について耐雷設備のダメージを機能不良と評価し、
前記機能不良判定回数がゼロで、かつストレス判定回数が1回以上である場合に、その単位領域について耐雷設備のダメージをストレスと評価し、
前記機能不良判定回数と前記ストレス判定回数が双方ともゼロ回である場合に、その単位領域について耐雷設備のダメージを健全と評価することを特徴とする請求項4に記載の耐雷設備のダメージ評価装置。 - 前記計算部で算出した前記機能不良判定回数、前記ストレス判定回数を、各単位領域における配電設備の密度、及び前記落雷計測装置の雷撃頻度のデータに基づいて補正する補正部を備え、
前記補正部にて求めた補正後の機能不良判定回数に基づいて機能不良と評価された耐雷設備について機能不良の程度を評価し、補正後のストレス判定回数に基づいて、ストレスと評価された耐雷設備についてストレスの程度を評価することを特徴とする請求項5に記載の耐雷設備のダメージ評価装置。 - 変圧器のダメージ評価方法であって、
予め設定された各単位領域について、単位領域内に設けられた電柱に対する変圧器の構成比率を表したモデルを作成するモデル作成ステップと、
各単位領域に落雷する雷の大きさを落雷計測装置のデータに基づいて決定する決定ステップと、
前記モデル作成ステップで作成された各モデルに対して、前記決定ステップにて決定した大きさの雷を落とす雷撃シミュレーションを、落雷位置を変えて複数回実行することにより、各単位領域について、各回の落雷により、前記各変圧器の一次ブッシングに加わる一次ブッシング電圧を計算する計算ステップと、を含み、
前記複数回の雷撃シミュレーションにより各単位領域の変圧器が受けるダメージを、前記複数回の雷撃シミュレーションにより各変圧器の一次ブッシングに加わる一次ブッシング電圧に基づいて評価する変圧器のダメージ評価方法。 - 前記計算ステップにおいて、前記複数回の雷撃シミュレーションにより各単位領域の各変圧器が受けるダメージを、各変圧器の前記一次ブッシング電圧の大きさに基づいて、ストレス、健全のいずれかに判定することにより、各単位領域の変圧器についてストレスと判定されたストレス判定回数、健全と判定された健全判定回数を算出し、
前記ストレス判定回数が1回以上である場合に、その単位領域について変圧器のダメージをストレスと評価し、
前記ストレス判定回数がゼロ回である場合に、その単位領域について変圧器のダメージを健全と評価することを特徴とする請求項7に記載の変圧器のダメージ評価方法。 - 前記計算ステップで算出した前記ストレス判定回数を、各単位領域における前記変圧器の密度、及び前記落雷計測装置の雷撃頻度のデータに基づいて補正する補正ステップを備え、
前記補正ステップにて求めた補正後のストレス判定回数に基づいて、ストレスと評価された変圧器についてストレスの程度を評価することを特徴とする請求項8に記載の変圧器のダメージ評価方法。 - 変圧器のダメージ評価装置であって、
予め設定された各単位領域について、単位領域内に設けられた電柱に対する変圧器の構成比率を表したモデルを作成するモデル作成部と、
各単位領域に落雷する雷の大きさを落雷計測装置のデータに基づいて決定する決定部と、
前記モデル作成部で作成された各モデルに対して、前記決定部にて決定した大きさの雷を落とす雷撃シミュレーションを、落雷位置を変えて複数回実行することにより、各単位領域について、各回の落雷により落雷により、前記各変圧器の一次ブッシングに加わる一次ブッシング電圧を計算する計算部と、を含み、
前記複数回の雷撃シミュレーションにより各単位領域の各変圧器が受けるダメージを、前記複数回の雷撃シミュレーションにより各変圧器の一次ブッシングに加わる一次ブッシング電圧に基づいて評価する変圧器のダメージ評価装置。 - 前記計算部において、前記複数回の雷撃シミュレーションにより各単位領域の各変圧器が受けるダメージを、各変圧器の前記一次ブッシング電圧の大きさに基づいて、ストレス、健全のいずれかに判定することにより、各単位領域の変圧器についてストレスと判定されたストレス判定回数、健全と判定された健全判定回数を算出し、
前記ストレス判定回数が1回以上である場合に、その単位領域について変圧器のダメージをストレスと評価し、
前記ストレス判定回数が双方ともゼロ回である場合に、その単位領域について変圧器のダメージを健全と評価することを特徴とする請求項10に記載の変圧器のダメージ評価装置。 - 前記計算部で算出した前記ストレス判定回数を、各単位領域における前記変圧器の密度、及び前記落雷計測装置の雷撃頻度のデータに基づいて補正する補正部を備え、
前記補正部にて求めた補正後のストレス判定回数に基づいて、ストレスと評価された変圧器についてストレスの程度を評価することを特徴とする請求項11に記載の変圧器のダメージ評価装置。
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