以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
図1は、本発明の実施の形態におけるプリントシステムの全体概要を示す図である。図1を参照して、プリントシステム1は、それぞれがネットワーク3に接続された複合機(以下、「MFP」という)100,100A,100Bと、パーソナルコンピュータ(以下「PC」という)400,401,402と、携帯情報装置200と、無線局5を含む。
なお、図ではネットワーク3に、画像形成装置として3台のMFP(Multi Function Peripheral)100,100A,100Bが接続される例を示しているが、MFPの数はこれに限定されるものではなく、1台以上であればよい。また、MFP100,100A,100Bに代えて、画像を形成する機能を備えた装置であれば、例えば、ファクシミリ、プリンタ等であってもよい。
ネットワーク3は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワーク3は、LANに限らず、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Networks)を用いたネットワーク等であってもよい。さらに、ネットワーク3は、インターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)に接続されている。このため、MFP100,100A,100CおよびPC400〜402各々は、ネットワーク3を介して互いに通信可能であり、インターネットに接続されたコンピュータと通信可能である。また、ネットワーク3は、インターネットに接続されている。このため、MFP100,100A,100BおよびPC400〜402それぞれは、インターネットに接続されたサーバーと通信が可能である。
携帯情報装置200は、電子ペーパー等、または、スマートホンなどの通信機能を備えたPDAである。ここでは、携帯情報装置200を、スマートホンとする場合を例に説明する。携帯情報装置200は、携帯電話用基地局と無線で通信することにより携帯電話網に接続し、通話が可能である。また、携帯情報装置200は、無線LAN機能を備えている。
ネットワーク3には無線局5がさらに接続される。無線局5は、ネットワーク3の中継装置であり、無線LAN通信機能を備えた携帯情報装置200と通信して、携帯情報装置200をネットワーク3に接続する。このため、携帯情報装置200は、ネットワーク3に接続された、MFP100,100A,100Bとデータの送受信が可能である。
PC400〜402は、一般的なコンピュータである。PC400〜402各々は、ユーザーにより使用され、アプリケーションプログラムを実行することにより、アプリケーションデータを生成する。アプリケーションプログラムは、文書を編集する文書編集プログラム、画像を編集する画像編集プログラム、表示データを編集する表データ編集プログラム、データベースを生成するデータベース生成プログラム、インターネットブラウザプログラムを、含む。
本実施の形態におけるプリントシステム1においては、携帯情報装置200は、それに記憶されたデータを、MFP100,100A,100Bのいずれかに送信し、MFP100,100A,100Bのいずれかにデータの画像を形成させることができる。携帯情報装置200が記憶するデータは、PC400〜402からダウンロードしたアプリケーションデータであってもよいし、携帯情報装置200にインターネットブラウザプログラムがインストールされている場合には、インターネットに接続されたサーバーからダウンロードしたWebデータであってもよい。Webデータは、マークアップ言語で記述されたデータである。この場合、携帯情報装置200に、MFP100,100A,100Bそれぞれを制御するためのドライバプログラムがインストールされていてもよい。この場合には、携帯情報装置200は、MFP100,100A,100Bに、アプリケーションデータまたはWebデータを変換したプリントデータを送信する。また、MFP100,100A,100BそれぞれにアプリケーションデータまたはWebデータを解釈可能なアプリケーションプログラムがインストールされている場合には、携帯情報装置200はMFP100,100A,100Bに、アプリケーションデータまたはWebデータを送信する。
MFP100,100A,100Bは、ハードウエア構成は同じであってもよく異なっていてもよいが、少なくとも画像データに基づいて紙などの用紙に画像を形成するための画像形成部を備えている。MFP100,100A,100B各々が有するハードウエア構成は同じではない場合があるが、ここではMFP100が、他のMFP100A,100Bの少なくとも1つが有する構成を有している場合を例に説明する。
図2は、MFPの外観を示す斜視図である。図2を参照して、MFP100は、自動原稿搬送装置(以下「ADF」という)10と、画像読取部20と、画像形成部30と、給紙部40と、後処理部45と、操作パネル9と、を含む。
ADF10は、原稿給紙トレイ11上にユーザーによりセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に画像読取部20のプラテンガラス上に設定された所定の原稿読取位置まで搬送し、画像読取部20により原稿画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ上に排出する。ADF10は、原稿給紙トレイ11の近傍に配置されたセンサー11Aを有し、センサー11Aは、原稿給紙トレイ11に携帯情報装置200が載置されたことを検出する。
ADF10は、画像読取部20の上側に開閉自在に設置される。画像読取部20は原稿を載置可能なプラテンガラスを有し、ADF10が開状態のときに、プラテンガラスが露出する。ユーザーは、ADF10が開状態のときに、プラテンガラス上に原稿を載置することができる。
画像読取部20は、プラテンガラス上にユーザーにより画像が形成された面を下向きにして載置された原稿、または、ADF10により原稿読取位置に搬送されてきた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である画像データに変換して、画像形成部30に出力する。画像読取部20は、プラテンガラスの近傍に配置されたセンサー20Aを有し、センサー20Aは、プラテンガラス上に携帯情報装置200が載置されたことを検出する。
給紙部40は、用紙を蓄積する3つの給紙トレイ43A、43B,43Bと、ユーザーにより用紙が載置された用紙を蓄積する手差トレイ41と、を含む。給紙部40は、給紙トレイ43A、43B,43B、および手差トレイ41のうち、印刷条件により定まるものに蓄積された用紙を、1枚ずつ搬送し、画像形成部30に供給する。ここでは、給紙部40が給紙トレイ43A、43B,43Bのうち印刷条件により定まるものに蓄積された用紙を、1枚ずつ搬送し、画像形成部30に供給する機能を内部供給機能といい、給紙部40が手差トレイ41に蓄積された用紙を、1枚ずつ搬送し、画像形成部30に供給する機能を外部供給機能という。給紙部40は、手差トレイ41の近傍に配置されたセンサー41Aを有し、センサー41Aは手差トレイ41に携帯情報装置200が載置されたことを検出する。
画像形成部30は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、外部から受信された画像データ、または、画像読取部20から入力される画像データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施し、データ処理後の画像データ、または外部から受信されるプリントデータに基づいて、給紙部40により搬送される用紙に画像を形成する。
後処理部45は、画像形成部30から画像が形成された用紙が供給され、画像形成部30から供給される1以上の用紙を1つの束にまとめ、所定の処理を実行し、排紙する。後処理部45は、差込ユニット、パンチユニット、ソートユニット、ステープルユニット、折り処理ユニット、断裁ユニットを備える。後処理部45は、PI(ポストインサータ)トレイ51と、PIトレイ47の近傍に配置されたセンサー47Aと、を備える。PIトレイ47は、ユーザーにより載置された用紙を蓄積する。センサー47Aは、PIトレイ47に携帯情報装置200が載置されたことを検出する。
差込ユニットは、画像形成部30から供給される1以上の用紙のうち印刷条件で定まる順番の用紙の後に、PIトレイ47に蓄積された用紙を挿入し、1つの束にまとめる。パンチユニットは、1以上の用紙の束をまとめてパンチ穴を開ける処理を実行する。ソートユニットは、画像形成部30から順に供給される用紙を、複数の束に分類する。ステープルユニットは、1以上の用紙の束をまとめてステープル針を打ち込む処理を実行する。折り処理ユニットは、1以上の用紙の束をまとめて折り曲げる処理を実行する。断裁ユニットは、1以上の用紙の束をまとめて切断する処理を実行する。
センサー11A、20A,41A,47Aは、例えば、近接センサーである。近接センサーは、誘導形、静電容量形、超音波形、光電形、磁気形のいずれを用いてもよい。センサー11A、20A,41A,47Aそれぞれは、携帯情報装置200を検出する場合にON信号を出力し、携帯情報装置200を検出していない場合にOFF信号を出力する。
図3は、MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図3を参照して、MFP100は、メイン回路101と、ファクシミリ部122と、通信制御部123と、を含む。メイン回路101は、自動原稿搬送装置(ADF)10と、画像読取部20と、画像形成部30と、給紙部40と、後処理部45と、センサー11A,20A,41A,47Aと、に接続されている。
メイン回路101は、中央演算装置(CPU)111と、CPU111の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)112と、CPU111が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)113と、表示部114と、操作部115と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)116と、データ通信制御部117と、外部記憶装置118と、GPSセンサー119と、を含む。
CPU111は、RAM112、ROM113、表示部114、操作部115、HDD116、データ通信制御部117、外部記憶装置118およびGPSセンサー119とそれぞれ接続され、メイン回路101の全体を制御する。また、CPU111は、ファクシミリ部122、通信制御部123、ADF10、画像読取部20、画像形成部30、給紙部40、後処理部45と接続され、MFP100の全体を制御する。
表示部114は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electro Luminescence Display)等の表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部115は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。操作部115は、表示部114の表示面に設けられ、表示面中でユーザーにより指示された位置を検出するタッチパネルを含む。
データ通信制御部117は、MFP100をネットワーク3に接続するためのインターフェースである。CPU111は、データ通信制御部117を介して、携帯情報装置200、他のMFP100A,100BおよびPC400〜402との間で通信し、データを送受信する。さらに、データ通信制御部117は、ネットワーク3を介してインターネットに接続された他のコンピュータと通信し、データを送受信可能である。
外部記憶装置118は、CD−ROM118Aが装着される。CPU111は、外部記憶装置118を介してCD−ROM118Aにアクセス可能である。CPU111は、外部記憶装置118に装着されたCD−ROM118Aに記録されたプログラムをRAM112にロードして実行する。なお、CPU111が実行するプログラムは、CD−ROM118Aに記録されたプログラムに限られず、HDD116に記憶されたプログラムをRAM112にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワーク3に接続された他のコンピュータが、MFP100のHDD116に記憶されたプログラムを書き換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、MFP100が、ネットワーク3に接続された他のコンピュータからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD116に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
通信制御部123は、CPU111をPSTN7に接続するためのモデムである。MFP100には、PSTN7における電話番号が予め割り当てられており、PSTN7に接続されたファクシミリ装置からMFP100に割り当てられた電話番号に発呼があると、通信制御部123がその発呼を検出する。通信制御部123は、発呼を検出すると通話を確立し、ファクシミリ部122に通信させる。
ファクシミリ部122は、PSTN7に接続され、PSTN7にファクシミリデータを送信する、またはPSTN7からファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部122は、受信したファクシミリデータを、HDD116に記憶するとともに、画像形成部30でプリント可能なプリントデータに変換して、画像形成部30に出力する。これにより、画像形成部30は、ファクシミリ部122により受信されたファクシミリデータを用紙にプリントする。また、ファクシミリ部122は、HDD116に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTN7に接続されたファクシミリ装置に送信する。
GPSセンサー119は、GPS(Global Positioning System)衛星から受信される電波に基づいて、MFP100の現在位置を検出する。GPSセンサー119は、検出した現在位置を示す位置情報をCPU111に出力する。
図4は、携帯情報装置のハードウエア構成の概要を示すブロック図である。図4を参照して、携帯情報装置200は、携帯情報装置200の全体を制御するためのCPU211と、カメラ212と、データを不揮発的に記憶するフラッシュメモリ213と、通話部215と接続された無線通信部214と、情報を表示する表示部216と、ユーザーの操作の入力を受け付ける操作部217と、無線LANインターフェース(I/F)218と、GPSセンサー219と、傾き検出センサー221と、を含む。
無線通信部214は、電話通信網に接続された携帯電話用基地局と無線通信する。無線通信部214は、携帯情報装置200を電話通信網に接続し、通話部215を用いた通話を可能とする。無線通信部214は、携帯電話用基地局から受信した無線信号を復調した音声信号を復号して通話部215に出力する。また、無線通信部214は、通話部215から入力される音声を符号化し、携帯電話用基地局に送信する。通話部215は、マイクおよびスピーカを備え、無線通信部214から入力される音声をスピーカから出力し、マイクから入力される音声を無線通信部214に出力する。さらに、無線通信部214は、CPU211により制御され、携帯電話用基地局を介してデータを送受信し、例えば、携帯情報装置200をインターネットに接続する。
カメラ212は、レンズおよびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー等の光電変換素子を備え、レンズで集光した光をCMOSセンサーに結像し、CMOSセンサーは受光した光を光電変換して画像データをCPU201に出力する。
表示部216は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD等の表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや,外部から受信されたデータ等を表示する。操作部217は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。また、操作部217は、表示部216に重畳して設けられ、表示部114の表示面中でユーザーにより指示された位置を検出するタッチパネルを含む。
無線LANI/F218は、無線局5と通信し、携帯情報装置200をネットワーク3に接続するためのインターフェースである。携帯情報装置200は、無線LANI/F218を介してMFP100,100A、100BまたはPC400〜402と通信することができ、データの送受信が可能である。
GPSセンサー219は、GPS衛星から受信される電波に基づいて、携帯情報装置200の現在位置を検出する。GPSセンサー219は、検出した現在位置を示す位置情報をCPU211に出力する。
傾き検出センサー221は、携帯情報装置200本体(構造体)に固定されており、本体の傾きを検出する。傾き検出センサー211は、ジャイロセンサーおよび/または加速度センサーである。傾き検出センサー211は、表示部216の表示面が向く方向(表示面から延びる法線方向)を基準方向とし、基準方向と重力方向とのなす角度を、傾きとして検出する。傾き検出センサー221は、検出した傾きをCPU211に出力する。
図5は、MFPが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。図5に示す機能は、MFP100,100A,100Bそれぞれが備えるCPU111が、ROM113、HDD116またはCD−ROM118Aに記憶された画像形成プログラムを実行することにより、CPU111に形成される機能である。ここでは、MFP100が備えるCPU111の機能を例に説明する。
図5を参照して、MFP100が備えるCPU111は、携帯情報装置200を検出する装置検出部51と、携帯情報装置200の位置を検出する位置検出部53と、携帯情報装置200の方向を取得する方向取得部55と、動作条件を設定する設定部57と、携帯情報装置200からデータを受信するデータ受信部59と、動作条件に従って、データに基づいて用紙に画像を形成する画像形成制御部67と、合成部61と、画像読取部20を制御する原稿読取制御部63と、後処理部45を制御する排紙制御部65と、を含む。
装置検出部51は、MFP100と同じ位置に存在する携帯情報装置200を検出する。具体的には、データ通信制御部117は、位置送信要求を所定時間間隔でデータ通信制御部117に送信させる。後述するように、携帯情報装置200は、位置送信要求を受信すると、接続要求を返信するので、装置検出部51は、携帯情報装置200が送信する接続要求をデータ通信制御部117が受信すると、接続要求を取得する。接続要求は、後述するように携帯情報装置200の位置を示す位置情報を含む。装置検出部51は、GPSセンサー119から入力される位置情報で示されるMFP100の現在位置と、接続要求に含まれる位置情報で示される携帯情報装置200の現在位置とが、同じ位置か否かを判断する。ここで、同じ位置とは、2つの現在位置が、予め定められた所定の距離の範囲内に含まれる場合をいう。また、所定の距離の範囲は、GPSセンサー119により検出されるMFP100の現在位置の誤差、およびGPSセンサー219により検出される携帯情報装置200の現在位置の誤差の範囲内に含まれる場合を含む。装置検出部51は、2つの位置が同じと判断する場合、接続要求を送信してきた携帯情報装置200を識別するための装置識別情報を方向取得部55およびデータ受信部59に出力するとともに、位置検出指示を位置検出部53に出力する。
位置検出部53は、携帯情報装置200が載置された位置を検出する。センサー11A,20A,41A,47Aのうち出力信号がON信号に変化したものに基づいて、携帯情報装置200がユーザーにより載置された位置を検出する。位置検出部53は、センサー11Aの出力信号がONに変化する場合、原稿給紙トレイ11に携帯情報装置200が載置されたと判断し、原稿給紙トレイ11を識別するための位置識別情報を設定部57に出力する。位置検出部53は、センサー20Aの出力信号がONに変化する場合、画像読取部20が備えるプラテンガラスに携帯情報装置200が載置されたと判断し、画像読取部20が備えるプラテンガラスを識別するための位置識別情報を設定部57に出力する。位置検出部53は、センサー41Aの出力信号がONに変化する場合、手差トレイ41に携帯情報装置200が載置されたと判断し、手差トレイ41を識別するための位置識別情報を設定部57に出力する。位置検出部53は、センサー47Aの出力信号がONに変化する場合、PIトレイ47に携帯情報装置200が載置されたと判断し、PIトレイ47を識別するための位置識別情報を設定部57に出力する。
方向取得部55は、装置検出部51から携帯情報装置200の装置識別情報が入力される。方向取得部55は、データ通信制御部117を介して装置識別情報で特定される携帯情報装置200に、方向要求信号を送信する。後述するように携帯情報装置200は、方向要求信号を受信すると、携帯情報装置200の表示面が向く方向を示す方向情報を返信するので、方向取得部55は、データ通信制御部117が携帯情報装置200から受信する方向情報を取得する。方向取得部55は、取得された方向情報を設定部57に出力する。
設定部57は、位置検出部53から位置識別情報が入力され、方向取得部55から方向情報が入力される。設定部57は、位置基準設定部71と、変更部73と、を含む。位置基準設定部71は、位置検出部53から入力される位置識別情報および方向取得部55から入力される方向情報に対応して予め定められた動作条件を設定し、設定した動作条件を変更部73に出力する。具体的には、位置基準設定部71は、位置識別情報が画像読取部20が備えるプラテンガラスを特定する場合、動作条件として表示ページ印刷条件を設定する。表示ページ印刷条件は、動作条件のうち画像形成の対象となるデータを、表示ページに限定する条件であり、その他の動作条件、例えば画像形成枚数等を定める動作条件は予め定められたデフォルト値が設定される。表示ページは、データに含まれる1以上のページのうち携帯情報装置200に表示されているページである。
表示ページ印刷条件は、単一印刷条件と、連続印刷条件とを含む。位置基準設定部71は、方向取得部55から入力される方向情報を参照して、動作条件として、単一印刷条件と、連続印刷条件とのいずれか一方を設定する。位置基準設定部71は、方向情報が重力方向を示す場合、動作条件として単一印刷条件を設定し、方向情報が重力方向以外の方向を示す場合、動作条件として連続印刷条件を設定する。
なお、方向情報が重力方向を示す場合とは、方向情報で特定される方向が、重力方向を含む所定の範囲の方向を含む。所定の範囲は、MFP100の設置状態により画像読取部20が備えるプラテンガラスが地面に対して並行でない場合があり、MFP100が設置される場合に許容される傾き角度と、携帯情報装置200が備える傾き検出センサー221の検出精度による誤差を考慮して決定される。
位置基準設定部71は、位置識別情報が原稿給紙トレイ11を特定する場合、動作条件として全ページ印刷条件を設定する。全ページ印刷条件は、動作条件のうち画像形成の対象となるデータを、データに含まれるすべてのページに特定する条件であり、その他の動作条件、例えば画像形成枚数等を定める動作条件は予め定められたデフォルト値が設定される。
位置基準設定部71は、位置識別情報が手差トレイ41を特定する場合、動作条件としてオーバーレイ印刷条件を設定する。オーバーレイ印刷条件は、動作条件のうち画像形成の対象となるデータを、画像読取部20が出力する画像データに、携帯情報装置200が表示している表示ページの画像を合成したデータに特定する条件であり、その他の動作条件、例えば画像形成枚数等を定める動作条件は予め定められたデフォルト値が設定される。
位置基準設定部71は、位置識別情報がPIトレイ47を特定する場合、動作条件として差込印刷条件を設定する。差込印刷条件は、動作条件のうち画像形成の対象となるデータを、画像読取部20が出力する画像データと、携帯情報装置200が表示している表示ページのページデータとに特定するとともに、画像読取部20が出力する画像データと、携帯情報装置200が表示している表示ページのページデータとを画像形成する順番を定める条件であり、その他の動作条件は予め定められたデフォルト値が設定される。その他の動作条件は、携帯情報装置200が表示している表示ページの画像を形成した用紙を挿入する位置等を定める動作条件を含む。
変更部73は、位置基準設定部71から入力される動作条件を、ユーザーにより操作部115に入力される操作に従って変更し、変更後の動作条件を、データ受信部59、合成部61、原稿読取制御部63および排紙制御部65に出力する。具体的には、位置基準設定部71から入力される動作条件を変更可能に表示する設定画面を、表示部114に表示し、ユーザーが操作部115を用いて、設定画面に表示された動作条件を変更する操作を入力すれば、入力された操作に従って動作条件を変更する。
データ受信部59は、装置検出部51から装置識別情報が入力され、変更部73から動作条件が入力される。データ受信部59は、データ通信制御部117を制御して、装置識別情報で特定される携帯情報装置に、表示ページ送信要求または全ページ送信要求のいずれかを送信する。データ受信部59は、表示ページ要求部75と、全ページ要求部77と、を含む。全ページ要求部77は、動作条件が、全ページ印刷条件に設定されている場合、全ページ送信要求を送信する。全ページ送信要求を受信する携帯情報装置200は、後述するように、表示ページを含むデータを返信するので、全ページ要求部77は、データ通信制御部117が携帯情報装置200から受信するデータを取得し、取得されたデータを画像形成制御部67に出力する。
表示ページ要求部75は、動作条件が、全ページ印刷条件以外の表示ページ印刷条件、オーバーレイ印刷条件および差込印刷条件のいずれかの場合、表示ページ送信要求を送信する。表示ページ送信要求を受信する携帯情報装置200は、後述するように、表示ページのページデータを返信するので、表示ページ要求部75は、データ通信制御部117が携帯情報装置200から受信するページデータを取得する。
表示ページ要求部75は、動作条件が、表示ページ印刷条件のうち連続ページ印刷条件が設定されている場合、複数の送信要求を連続して送信する。表示ページ要求部75は、データ通信制御部117が携帯情報装置200からページデータを受信した後に、次の表示ページ送信要求を送信する。携帯情報装置200は、後述するように、表示ページ送信要求を受信した後に表示ページが切り換えられることを条件に、切換後の表示ページのページデータを送信するので、表示ページ要求部75は、データ通信制御部117が携帯情報装置200からページデータを受信するごとに、ページデータを取得する。
表示ページ要求部75は、動作条件が表示ページ印刷条件、差込印刷条件のいずれかの場合、取得されたページデータを画像形成制御部67に出力する。また、表示ページ要求部75は、動作条件がオーバーレイ印刷条件の場合、取得されたページデータを合成部61に出力する。
原稿読取制御部63は、変更部73から入力される動作条件が、差込印刷条件またはオーバーレイ印刷条件の場合、画像読取部20を制御し、画像読取部20に原稿を読み取らせる。画像読取部20は、原稿を読み取って、画像データを出力するので、原稿読取制御部63は、画像読取部20から取得される画像データを取得する。
原稿読取制御部63は、動作条件がオーバーレイ印刷条件の場合、取得された画像データを合成部61に出力する。合成部61は、表示ページ要求部75から表示ページのページデータが入力され、原稿読取制御部63から1以上の画像データが入力される。合成部61は、1以上の画像データそれぞれを、表示ページのページデータの画像と合成することにより合成データを生成する。合成部61は、1以上の画像データにそれぞれ対応する1以上の合成データを画像形成制御部67に出力する。これにより、原稿の画像に表示ページの画像を合成した合成画像が用紙に形成される。
原稿読取制御部63は、動作条件が差込印刷条件の場合、取得された画像データを、差込印刷条件で定まるタイミングで、画像形成制御部67に出力する。原稿読取制御部63は、複数枚の原稿を読み取る場合、複数の画像データを、差込印刷条件で定まるタイミングで、画像形成制御部67に出力する。
画像形成制御部67は、変更部73から動作条件が入力され、データ受信部59からデータまたはページデータが入力され、合成部61から合成データが入力され、原稿読取制御部63から原稿を読み取った画像データが入力される。画像形成制御部67は、画像形成部30を制御して、動作条件に従って用紙に画像を形成する。具体的には、動作条件が全ページ印刷条件の場合、データ受信部59から携帯情報装置200により表示されているページを含むデータが入力される。画像形成制御部67は、データに含まれる1以上のページの画像を用紙に形成する。これにより、データに含まれる全ページの画像を形成した用紙が、後処理部45に搬送される。
画像形成制御部67は、動作条件が表示ページ印刷条件の場合、データ受信部59からページデータが入力される。画像形成制御部67は、画像形成部30を制御して、動作条件に従ってページデータの画像を用紙に形成する。また、画像形成制御部67は、動作条件が表示ページ印刷条件の場合、ADF10が開放状態であっても、画像形成部30を制御して、動作条件に従ってページデータの画像を用紙に形成する。このため、ユーザーは、ADF10を開放した状態で、画像を形成させることができる。
画像形成制御部67は、動作条件が表示ページ印刷条件のうち単一印刷条件の場合は、1つのページデータが入力されるので、1つのページデータの画像を1枚の用紙に形成する。これにより、1つのページデータの画像を形成した1枚の用紙が、後処理部45に搬送される。画像形成制御部67は、動作条件が表示ページ印刷条件のうち連続印刷条件の場合は、複数のページデータが順に入力されるので、複数のページデータの画像それぞれを用紙に形成する。これにより、複数のページデータの画像を形成した複数枚の用紙が、後処理部45に搬送される。
画像形成制御部67は、動作条件が合成印刷条件の場合、合成部61から合成データが入力される。画像形成制御部67は、画像形成部30を制御して、動作条件に従って合成データの画像を用紙に形成する。画像形成制御部67は、合成部61から複数の合成データが入力される場合、複数の合成データそれぞれの画像を用紙に形成する。これにより、複数の合成データの画像を形成した複数枚の用紙が、後処理部45に搬送される。
画像形成制御部67は、動作条件が差込印刷条件の場合、原稿読取制御部63から画像データが入力され、データ受信部59からページデータが入力される。画像形成制御部67は、動作条件に従って、画像データの画像およびページデータの画像を用紙に形成する。画像データの画像と、ページデータの画像とを形成する順番は、動作条件によって定まる。これにより、原稿を読み取って得られる画像データの画像を形成した用紙と、表示ページの画像を形成した用紙とが、動作条件で定める順番で、後処理部45に搬送される。
排紙制御部65は、動作条件に従って、後処理部45を制御する。具体的には、動作条件に差込印刷が設定されている場合には差込ユニットを制御して、PIトレイ47に蓄積された用紙を挿入する。また、動作条件にパンチ加工が設定されている場合にはパンチユニットを制御して、複数の用紙の束にパンチ穴を開ける処理を実行する。動作条件に並べ替え指示が設定されている場合にはソートユニットを制御して、画像形成部30から順に供給される用紙を、複数の束に分類する。動作条件にステープル加工が設定されている場合にはステープルユニットを制御して、複数の用紙の束をまとめてステープル針を打ち込む処理を実行する。動作条件に折指示が設定されている場合には、折り処理ユニットを制御して、1以上の用紙の束をまとめて折り曲げる処理を実行する。さらに、動作条件に裁断指示が設定されている場合には、断裁ユニットを制御して、1以上の用紙の束をまとめて切断する処理を実行する。
図6は、携帯情報装置が備えるCPUが有する機能の一例を示す図である。図6に示す機能は、携帯情報装置200が備えるCPU211が、フラッシュメモリ213に記憶された連携プログラムを実行することにより、CPU211に形成される機能である。図6を参照して、携帯情報装置200が備えるCPU211は、ユーザーによる切換指示を受け付ける切換指示受付部251と、表示部216の表示を制御する表示制御部253と、ページ単位送信部255と、表示ページ要求受信部257と、同期部259と、全ページ要求受信部261と、データ送信部263と、現在位置を検出する現在位置検出部265と、検出された位置を示す位置情報を送信する位置情報送信部267と、表示部216の表示面が向く方向を検出する方向検出部269と、検出された方向を示す方向情報を送信する方向情報送信部271と、を含む。
現在位置検出部265は、GPSセンサー219と接続され、携帯情報装置200の現在位置を検出する。現在位置検出部265は、GPSセンサー219が出力する位置情報を取得することにより、携帯情報装置200の現在位置を検出する。現在位置検出部265は、取得された位置情報を位置情報送信部267に出力する。
位置情報送信部267は、無線LANI/F218を制御し、MFP100から位置送信要求を受信したか否かを判断する。位置情報送信部267は、無線LANI/F218が位置送信要求を受信すると、現在位置検出部265から入力される位置情報を、無線LANI/F218を介して、MFP100に返信する。
方向検出部269は、傾き検出センサー221と接続され、携帯情報装置200の方向を検出する。方向検出部269は、傾き検出センサー221が出力する傾きが所定の範囲内か否かを判断する。傾き検出センサー221が出力する傾きは、表示部216の表示面が向く方向を基準方向とし、基準方向と重力方向とのなす角度を示すので、傾きが所定の範囲内の場合は、表示部216の表示面が重力方向を向く場合である。方向検出部269は、傾き検出センサー221が出力する傾きが所定の範囲内ならば重力方向を示す方向情報を方向情報送信部271に出力し、傾き検出センサー221が出力する傾きが所定の範囲内でなければ重力方向以外の方向を示す方向情報を方向情報送信部271に出力する。
方向情報送信部271は、無線LANI/F218を制御し、MFP100から方向要求信号を受信したか否かを判断する。方向情報送信部271は、無線LANI/F218が方向要求信号を受信すると、方向検出部269から入力される方向情報を、無線LANI/F218を介して、MFP100に返信する。
表示制御部253は、表示部216を制御し、フラッシュメモリ213に記憶されたデータの画像を表示する。具体的には、ユーザーが操作部217を操作してフラッシュメモリ213に記憶されたデータを指定する操作を検出すると、ユーザーにより指定されたデータをフラッシュメモリ213から読み出し、読み出されたデータの画像を表示部216に表示させる。データは、複数ページを有する場合があり、表示制御部253は、データに含まれる複数ページのうちからユーザーにより指定されたページの画像を表示する。また、後述する切換指示受付部251からページ切換指示が入力される場合は、データに含まれる複数ページのうちページ切換指示に含まれるページ識別情報で特定されるページの画像を表示する。表示制御部253は、表示部216に表示しているページのページデータをページ単位送信部255に出力する。ページデータは、フラッシュメモリ213に記憶されたデータのうち、そのデータに含まれる複数ページそれぞれに相当する部分である。
切換指示受付部251は、ユーザーが操作部217に入力する操作であって、表示部216に表示されているページの画像を切り換える操作を検出すると、ページ切換指示を表示制御部253および同期部259に出力する。ページ切換指示は、データに含まれる複数ページのうち1つを特定するページ識別情報を含む。ページ識別情報は、例えばページ番号である。例えば、操作部217が送りボタンと戻りボタンとを備える場合、切換指示受付部251は、ユーザーが送りボタンを指示する操作を入力すれば、表示部216に表示されているページを次のページに切り換えるページ送り指示を受け付け、ユーザーが戻りボタンを指示する操作を入力すれば、表示部216に表示されているページより前のページに切り換えるページ戻り指示を受け付ける。切換指示受付部251は、ページ送り指示を受け付ける場合、それまで表示部216に表示されていたページより1つ後のページを特定するページ識別情報を含むページ切換指示を表示制御部253および同期部259に出力し、ページ戻り指示を受け付ける場合、それまで表示部216に表示されていたページより1つ前のページを特定するページ識別情報を含むページ切換指示を表示制御部253および同期部259に出力する。
表示ページ要求受信部257は、無線LANI/F218を制御し、MFP100から表示ページ送信要求を受信したか否かを判断する。表示ページ要求受信部257は、無線LANI/F218が表示ページ送信要求を受信すると、同期部259に表示ページ送信要求を受信したことを示す受信通知信号を出力する。
同期部259は、切換指示受付部251からページ切換指示が入力され、表示ページ要求受信部257から受信通知信号が入力される。同期部259は、表示ページ要求受信部257から最初の受信通知信号が入力さる場合、送信指示をページ単位送信部255に出力する。同期部259は、表示ページ要求受信部257から2回目以降の受信通知信号が入力さる場合、切換指示受付部251からページ切換指示が入力されることを条件に、送信指示をページ単位送信部255に出力する。
ページ単位送信部255は、同期部259から送信指示が入力されることに応じて、表示制御部253から入力されるページデータを、無線LANI/F218を介して、MFP100に送信する。ページ単位送信部255は、同期部259から送信指示が入力されるごとに、換言すれば、ユーザーが表示部216に表示されているページの画像を切り換える操作を操作部217に入力するごとに、表示制御部253から入力されるページデータを、MFP100に送信する。表示制御部253は、ユーザーが表示部216に表示されているページの画像を切り換える操作を操作部217に入力するごとに、表示するページを切り換えるので、ユーザーが表示部216に表示されているページを切り換えるごとに、切り換えられた後に表示されているページのページデータが、MFP100に送信される。
全ページ要求受信部261は、無線LANI/F218を制御し、MFP100から全ページ送信要求を受信したか否かを判断する。全ページ要求受信部261は、無線LANI/F218が全ページ送信要求を受信すると、データ送信部263に全ページ送信要求を受信したことを示す受信通知信号を出力する。
データ送信部263は、全ページ要求受信部261から受信通知信号が入力されることに応じて、表示制御部253により表示されているページを含むデータを、無線LANI/F218を介して、MFP100に送信する。
図7、図8および図9は、画像形成処理の流れの一例を示すフローチャートである。画像形成処理は、MFP100,100A,100Bそれぞれが備えるCPU111が、ROM113、HDD116またはCD−ROM118Aに記憶された画像形成プログラムを実行することにより、CPU111による実行される処理である。ここでは、MFP100が備えるCPU111が実行する画像形成処理を例に説明する。
図7、図8および図9を参照して、CPU111は、携帯情報装置200を検出したか否かを判断する(ステップS01)。MFP100と同じ位置に存在する携帯情報装置200を検出するまで待機状態となり(ステップS01でNO)、そのような携帯情報装置200を検出したならば処理をステップS02に進める。換言すれば、画像形成処理は、MFP100と同じ位置に存在する携帯情報装置200を検出することを条件に、実行される処理である。具体的には、位置送信要求を所定時間間隔でデータ通信制御部117に送信させる。そして、位置送信要求を受信する携帯情報装置200が送信する接続要求を受信すると、接続要求に含まれる位置情報で特定される携帯情報装置200の現在位置と、GPSセンサー119により検出されるMFP100の現在位置とを比較する。2つの位置が同じならば、その携帯情報装置200がMFP100と同じ位置と判断する。
ステップS02においては、ステップS01において検出された携帯情報装置200が載置された位置を検出する。センサー11A,20A,41A,47Aのうち出力信号がON信号に変化したものに基づいて、携帯情報装置200がユーザーにより載置された位置を検出する。センサー11Aの出力信号がONに変化する場合、原稿給紙トレイ11を携帯情報装置200が載置された位置として検出する。センサー20Aの出力信号がONに変化する場合、画像読取部20が備えるプラテンガラスを携帯情報装置200が載置された位置として検出する。センサー41Aの出力信号がONに変化する場合、手差トレイ41を携帯情報装置200が載置された位置として検出する。センサー47Aの出力信号がONに変化する場合、PIトレイ47を携帯情報装置200が載置された位置として検出する。
ステップS03においては、検出された位置に基づいて処理を分岐させる。検出された位置が原稿給紙トレイ11ならば処理をステップS04に進め、画像読取部20が備えるプラテンガラスならば処理をステップS05に進め、手差トレイ41ならば処理をステップS09に進め、PIトレイ47ならば処理をステップS10に進める。
ステップS04においては、全ページ印刷条件を設定し、処理をステップS10に進める。全ページ印刷条件は、動作条件のうち画像形成の対象となるデータを、データに含まれるすべてのページに特定する条件であり、その他の動作条件、例えば画像形成枚数等を定める動作条件は予め定められたデフォルト値が設定される。
ステップS05においては、携帯情報装置200の方向を検出する。具体的には、データ通信制御部117を介して携帯情報装置200に、方向要求信号を送信し、携帯情報装置200から送信される方向情報に基づいて、携帯情報装置の表示面が向く方向が、重力方向と重力方向以外の方向のいずれかであるかを検出する。そして、検出された方向によって処理を分岐させる(ステップS06)。携帯情報装置の表示面が向く方向が重力方向ならば処理をステップS07に進め、重力方向でなければ処理をステップS08に進める。ステップS07においては、動作条件として単一印刷条件を設定し、処理をステップS10に進める。単一印刷条件は、表示ページ印刷条件の1つであり、動作条件のうち画像形成の対象となるデータを、1つの表示ページに限定する条件であり、その他の動作条件、例えば画像形成枚数等を定める動作条件は予め定められたデフォルト値が設定される動作条件である。
一方、ステップS08においては、動作条件として連続印刷条件を設定し、処理をステップS10に進める。連続印刷条件は、表示ページ印刷条件の1つであり、動作条件のうち画像形成の対象となるデータを、複数の表示ページに限定する条件であり、その他の動作条件、例えば画像形成枚数等を定める動作条件は予め定められたデフォルト値が設定される動作条件である。
ステップS09においては、動作条件をオーバーレイ印刷条件に設定し、処理をステップS10に進める。オーバーレイ印刷条件は、動作条件のうち画像形成の対象となるデータを、画像読取部20が出力する画像データに、携帯情報装置200が表示している表示ページの画像を合成したデータに特定する条件であり、その他の動作条件、例えば画像形成枚数等を定める動作条件は予め定められたデフォルト値が設定される。
ステップS10においては、動作条件を差込印刷条件に設定し、処理をステップS10に進める。差込印刷条件は、動作条件のうち画像形成の対象となるデータを、画像読取部20が出力する画像データと、携帯情報装置200が表示している表示ページのページデータに特定するとともに、画像読取部20が出力する画像データと、携帯情報装置200が表示している表示ページのページデータとを画像形成する順番を定める条件であり、その他の動作条件、例えば、携帯情報装置200が表示している表示ページの画像を形成した用紙を挿入する位置等を定める動作条件は予め定められたデフォルト値が設定される。
ステップS11においては、設定変更を受け付けたか否かを判断する。ステップS04、ステップS07〜ステップS10のいずれかで設定された動作条件を、表示部216に表示し、ユーザーが操作部217に入力する動作条件を変更する操作を受け付ける。ステップS12においては、ステップS11において受け付けられた操作に従って、設定されている動作条件を変更する。次のステップS13においては、操作部217が備えるスタートキーが押下されたか否かを判断する。スタートキーの押下を検出したならば処理をステップS14に進めるが、そうでなければ処理をステップS11に戻す。
ステップS14においては、動作条件が全ページ印刷条件に設定されているか否かを判断する。動作条件が全ページ印刷条件に設定されているならば処理をステップS15に進めるが、そうでなければ処理をステップS19に進める。ステップS15においては、全ページ送信要求を携帯情報装置200に送信する。全ページ送信要求を受信する携帯情報装置200は、表示ページを含むデータを返信するので、次のステップS16においては、データ通信制御部117を制御して、携帯情報装置200から送信されるデータを受信する。データ通信制御部117が携帯情報装置200から送信されるデータを受信するまで待機状態となり(ステップS16でNO)、データを受信したならば(ステップS16でYES)、処理をステップS17に進める。
ステップS17においては、受信されたデータに含まれるページデータを選択し、ページデータの画像を形成する。ページデータを画像形成部30に出力し、画像形成部30にページデータの画像を形成させる。次のステップS18においては、ステップS16において受信されたデータ中に画像形成されていないページデータが存在するか否かを判断する。画像形成されていないページデータが存在するならば処理をステップS17に戻し、すべてのページデータの画像が形成されたならば処理を終了する。
したがって、携帯情報装置200でデータを選択して、任意のページの画像を表示させた状態で、携帯情報装置200を原稿給紙トレイ11に置いて、スタートキーを押下すれば、選択したデータに含まれる複数のページすべての画像を形成する動作を、MFP100が実行する。このため、複数枚の原稿を複写する際に、複数枚の原稿を原稿給紙トレイ11に載置する操作をするが、この操作と同様に、携帯情報装置200において画像形成の対象となるデータを選択し、任意のページの画像を表示させた状態で携帯情報装置200を原稿給紙トレイ11に載置する操作をすればよいので、MFP100による動作条件の設定を容易にすることができる。また、MFP100による画像形成の対象となるデータを容易に指定することができる。
ステップS19においては、動作条件が連続印刷設定に設定されているか否かを判断する。連続印刷設定に設定されているならば処理をステップS20に進めるが、そうでなければ処理をステップS24に進める。ステップS20においては、表示ページ送信要求を送信する。表示ページ送信要求を受信する携帯情報装置200は、表示ページのページデータを返信するので、次のステップS20においては、データ通信制御部117を制御して、携帯情報装置200からページデータを受信したか否かを判断する。ページデータを受信したならば処理をステップS22に進めるが、そうでなければ処理をステップS23に進める。ステップS23においては、ステップS20において表示ページ送信要求を送信してから所定時間が経過したか否かを判断する。所定時間は、任意に定めることができるが、携帯情報装置200において、ユーザーがページを切り換える操作を入力してからページの画像が表示されるまでの時間以上であることが好ましい。所定時間が経過したならば処理を終了するが、そうでなければ処理をステップS21に戻す。
ステップS22においては、携帯情報装置200から受信されたページデータの画像を形成し、処理をステップS20に戻す。ページデータを画像形成部30に出力し、画像形成部30にページデータの画像を形成させる。ユーザーにより切り換えられた後の表示ページのページデータを受信するためである。
したがって、携帯情報装置200を、画像読取部20が備えるプラテンガラスの上に表示面が上向きなるように置いて、スタートキーを押下すれば、表示されているページの画像を形成する動作を、MFP100が実行する。さらに、表示されているページを切り換えるごとに、表示が切り換えられた後に表示されているページの画像を形成する動作を、MFP100が実行する。このため、MFP100による画像形成の対象となるデータを容易に指定することができる。また、ユーザーは、携帯情報装置200に表示されているページを切り換える操作を所定時間経過する前に入力しなければ、MFP100による画像形成動作を終了させることができ、逆に、所定時間が経過する前に携帯情報装置200に表示されているページを切り換える操作を入力すれば、次のページの画像をMFP100に形成させることができる。
一方、ステップS24においては、ステップS19と同様に、表示ページ送信要求を送信する。次のステップS25においては、データ通信制御部117を制御して、携帯情報装置200からページデータを受信したか否かを判断する。ページデータを受信するまで待機状態となり(ステップS25でNO)、ページデータを受信したならば(ステップS25でYES)、処理をステップS26に進める。
ステップS26においては、動作条件としてオーバーレイ印刷条件が設定されているか否かを判断する。オーバーレイ印刷条件が設定されているならば処理をステップS27に進めるが、そうでなければ処理をステップS31に進める。ステップS27においては、原稿を読み取る。画像読取部20を制御して、原稿を読み取らせる。次のステップS28においては、画像読取部20が出力する画像データと、ステップS25において受信されたページデータの画像を合成する。そして、合成された合成データの画像を画像形成する。合成データを画像形成部30に出力し、画像形成部30に合成データの画像を形成させる(ステップS29)。
次のステップS30においては、原稿読取が終了したか否かを判断する。画像読取部20が読み取る原稿が存在しなくなったならば原稿読取が終了したと判断する。ADF10の原稿給紙トレイ11に原稿が存在するか否かを判断する。原稿読取が終了したならば処理を終了するが、そうでなければ処理をステップS27に戻す。
したがって、携帯情報装置200でデータを選択して、原稿画像と合成する対象となるページの画像を表示させた状態で、携帯情報装置200を手差トレイ41に置いて、原稿をADF10の原稿給紙トレイ11または画像読取部20が備えるプラテンガラス上に載置した状態で、スタートキーを押下すれば、携帯情報装置200に表示されているページの画像と、原稿の画像とを合成した画像を形成する動作を、MFP100が実行する。このため、オーバーレイ印刷する際に画像が形成された用紙を手差トレイ41に載置する操作をするが、この操作と同様に、携帯情報装置200に合成の対象となるページの画像を表示させた状態で携帯情報装置200を手差トレイ41に載置する操作をすればよいので、MFP100によるオーバーレイ印刷のための動作条件の設定を容易にすることができる。
ステップS31においては、動作条件として差込印刷条件が設定されているか否かを判断する。差込印刷条件が設定されているならば処理をステップS32に進めるが、そうでなければ処理をステップS37に進める。ステップS32においては、差込位置か否かを判断する。画像を形成する順番が、動作条件に設定されている差込位置と一致するか否かを判断する。差込位置は、表示ページのページデータの画像を形成した用紙を、原稿を読み取って得られる画像データの画像を形成する1以上の用紙の間に差し込む位置である。差込位置ならば処理をステップS33に進めるが、そうでなければステップS33をスキップして処理をステップS34に進める。ステップS33においては、ステップS25において携帯情報装置200から受信されたページデータの画像を形成し、処理をステップS34に進める。ページデータを画像形成部30に出力し、画像形成部30にページデータの画像を形成させる。
ステップS34においては、原稿を読み取る。画像読取部20を制御して、原稿を読み取らせる。次のステップS35においては、画像読取部20が出力する画像データの画像を形成する。画像データを画像形成部30に出力し、画像形成部30に画像データの画像を形成させる。
そして、ステップS30と同様に、原稿読取が終了したか否かを判断する(ステップS36)。原稿読取が終了したならば処理を終了するが、そうでなければ処理をステップS32に戻す。
したがって、携帯情報装置200でデータを選択して、差込の対象となるページの画像を表示させた状態で、携帯情報装置200をPIトレイ47に置いて、原稿をADF10の原稿給紙トレイ11に載置し、動作条件の1つとして差込位置を設定した状態で、スタートキーを押下すれば、原稿の画像を形成する動作を開始し、携帯情報装置200に表示されているページの画像が形成された用紙を、原稿の画像が形成された複数の用紙のうちユーザーにより指定された位置に挿入した用紙の束を出力する動作をMFP100に実行させることができる。このため、差込印刷する際に差込する用紙をPIトレイ47に載置する操作をするが、この操作と同様に、携帯情報装置200に差込の対象となるページの画像を表示させた状態で携帯情報装置200をPIトレイ47に載置する操作をすればよいので、MFP100による差込印刷条件の設定を容易にすることができる。
処理がステップS37に進む場合は、動作条件に単一印刷条件が設定されている場合である。ステップS37においては、ステップS25において携帯情報装置200から受信されたページデータの画像を形成し、処理を終了する。ページデータを画像形成部30に出力し、画像形成部30にページデータの画像を形成させる。
したがって、携帯情報装置200でデータを選択して、画像形成の対象となるページの画像を表示させた状態で、携帯情報装置200を画像読取部20が備えるプラテンガラスの上に表示面が下向きとなるように置いて、スタートキーを押下すれば、携帯情報装置200に表示されているページの画像が形成される。このため、原稿をプラテンガラスに置いて複写する際の操作と同じ操作で、携帯情報装置200に表示されているページの画像をMFP100に形成させることができるので、MFP100に画像形成させるデータの設定を容易にすることができる。
図10は、連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。連携処理は、携帯情報装置200が備えるCPU211が、フラッシュメモリ213に記憶された連携プログラムを実行することにより、CPU211により実行される処理である。図10を参照して、CPU211は、データが選択されたか否かを判断する(ステップS51)。ユーザーが、フラッシュメモリ213に記憶されたデータを指定する操作を操作部217に入力したならば、データが選択されたと判断する。データが選択されるまで待機状態となり(ステップS51でNO)、データが選択されると(ステップS51でYES)処理をステップS52に進める。
ステップS52においては、選択されたデータに含まれる複数ページのうち最初のページを表示する。最初のページのページデータの画像を表示部216に表示させる。次のステップS53においては、切換指示を受け付けたか否かを判断する。ユーザーが、表示部216に表示されているページの画像を切り換える操作を操作部217に入力すると、切換指示を受け付ける。例えば、操作部217が送りボタンと戻りボタンとを備える場合、ユーザーが送りボタンを指示すれば、表示部216に表示されているページを次のページに切り換える切換指示を受け付け、ユーザーが戻りボタンを指示すれば、表示部216に表示されているページより前のページに切り換える切換指示を受け付ける。
切換指示を受け付けたならば処理をステップS54に進めるが、そうでなければ処理をステップS55に進める。ステップS54においては、ステップS51において選択されたデータに含まれる複数ページのうち切換指示で特定される指示ページを表示し、処理をステップS55に進める。ユーザーが送りボタンを指示すれば、表示部216に表示されているページを次のページを指示ページとし、ユーザーが戻りボタンを指示すれば、表示部216に表示されているページより前のページを指示ページとする。指示ページのページデータの画像を表示部216に表示させる。
ステップS55においては、位置送信要求を受信したか否かを判断する。無線LANI/F218が、MFP100,100A,100Bのいずれかから位置送信要求を受信したか否かを判断する。位置送信要求を受信したならば位置送信要求を送信してきた装置を特定し、処理をステップS56に進めるが、そうでなければ処理をステップS65に進める。ステップS65においては、終了指示を受け付けたか否かを判断する。操作部217が備える終了キーが指示されると、終了指示を受け付ける。終了指示を受け付けたならば処理を終了するが、そうでなければ処理をステップS53に戻す。
処理をステップS56に進める場合、無線LANI/F218は、その後の通信相手を、MFP100,100A,100BのうちステップS55において受信された位置送信要求を送信してきた装置とする。ここでは、MFP100から位置送信要求を受信する場合を例に説明する。
ステップS56においては、現在位置を検出する。GPSセンサー219が出力する位置情報を取得することにより、携帯情報装置200の現在位置を検出する。そして、無線LANI/F218を制御して、位置情報をMFP100に送信する(ステップS57)。
次のステップS58においては、全ページ送信要求を受信したか否かを判断する。無線LANI/F218が、MFP100から全ページ送信要求を受信したか否かを判断する。全ページ送信要求を受信したならば処理をステップS59に進めるが、そうでなければ処理をステップS60に進める。ステップS59においては、無線LANI/F218を介して、ステップS51において選択されたデータをMFP100に送信し、処理を終了する。
一方、ステップS60においては、表示ページ送信要求を受信したか否かを判断する。無線LANI/F218が、MFP100から表示ページ送信要求を受信したか否かを判断する。表示ページ送信要求を受信したならば処理をステップS61に進めるが、そうでなければ処理をステップS58に戻す。
ステップS61においては、無線LANI/F218を介して、ステップS52またはステップS54において表示部216に表示されている表示ページのページデータを送信する。そして、ステップS53と同様に、切換指示を受け付けたか否かを判断する。切換指示を受け付けたならば処理をステップS63に進めるが、そうでなければ処理をステップS64に進める。ステップS63においては、ステップS51において選択されたデータに含まれる複数ページのうちステップS62において受け付けられた切換指示で特定される指示ページを表示し、処理をステップS60に戻す。一方、ステップS64においては、ステップS65と同様に、終了指示を受け付けた否かを判断する。終了指示を受け付けたならば処理を終了するが、そうでなければ処理をステップS62に戻す。
ステップS62において切換指示が受け付けられなければ、処理がステップS60に戻らないので、切換指示を受け付けることが、ステップS61において切り換え後の表示ページのページデータを、MFP100に送信するための条件となる。
<第1の変形例>
上述した実施の形態においては、MFP100は同一の位置に存在する携帯情報装置200を検出するようにするために、MFP100が備えるGPSセンサー119で検出された現在位置と、携帯情報装置200が備えるGPSセンサー219で検出された現在位置とを比較するようにした。
第1の変形例においては、MFP100および携帯情報装置200それぞれが近距離無線通信装置を有するようにしたものである。この場合MFP100が備える装置検出部51は、MFP100が備える近距離無線通信装置が携帯情報装置200が備える近距離無線通信装置との間で通信が可能になる場合に、通信可能になった携帯情報装置200を同一の位置に存在する装置として検出する。
近距離無線通信装置は、短距離の無線通信機能を有し、通信媒体は限定されず、例えば、IrDA(Infrared Data Association)の通信規格、またはBluetooth(登録商標)等の通信規格で無線通信する機能を有する。短距離無線通信装置は、通信可能な範囲が制限されるので、MFP100と携帯情報装置200それぞれが備える短距離無線装置が通信可能になる場合、携帯情報装置200とMFP100との間の距離が、所定の範囲内となる場合である。この場合には、MFP100と携帯情報装置200とが同じ位置と判断することができる。
MFP100および携帯情報装置200とが近距離無線通信装置をそれぞれ有する場合には、MFP100はGPSセンサー119およびデータ通信制御部117を備える必要はない。
また、携帯情報装置200から接続要求を送信するようにし、データ通信制御部117が携帯情報装置200から接続要求を受信する場合に、接続要求を送信してきた携帯情報装置200を検出するようにしてもよい。この場合には、MFP100は、GPSセンサー119、およびデータ通信制御部117を備える必要はない。また、携帯情報装置200は、GPSセンサー219および無線LANI/F218を備える必要はなく、CPU201は、現在位置検出部265および位置情報送信部267を有する必要はない。
<第2の変形例>
MFP100は同一の位置に存在する携帯情報装置200を検出するようにするために、MFP100が備えるGPSセンサー119で検出された現在位置と、携帯情報装置200が備えるGPSセンサー219で検出された現在位置とを比較するようにした。
第2の変形例における画像形成システムにおいては、ユーザーが携帯情報装置200に、MFP100,100A,100Bのうちからユーザーが操作を希望する装置を選択する操作を入力するようにしたものである。
具体的には、図5および図6に示した機能ブロック図を用いて説明すると、まず図6を参照して、第2の変形例における携帯情報装置200が備えるCPU201は、現在位置検出部265および位置情報送信部267に代えて、通信確立部を有する。CPU201が備える通信確立部は、ユーザーが操作部217に、MFP100,100A,100Bのうちから接続先として例えばMFP100を指定する操作を入力すれば、無線LANI/F218にMFP100との間の通信を確立させる。より具体的には、通信確立部は、表示部216に通信の確立相手となりうるMFP100,100A,100Bそれぞれを指定するための接続先指定画面を表示する。接続先指定画面は、MFP100,100A,100BおよびPC400〜402それぞれを識別するための装置識別情報を選択可能に表示する画面である。
通信確立部は、ユーザーが操作部217に接続先指定画面に選択可能に表示された複数の装置識別情報のうちから1つを指定すれば、指定された装置識別情報を、接続先の装置の装置識別情報として受け付ける。例えば、ユーザーは、MFP100を操作する場合にはMFP100の装置識別情報を選択する。ユーザーが接続先の装置としてMFP100の装置識別情報を接続先指定画面で指定する場合、通信確立部は、無線LANI/F218を制御して、MFP100に接続要求を送信し、MFP100からの応答に応じて、MFP100との間の通信を確立する。
一方、MFP100が備えるCPU111は、図5を参照して、装置検出部51が、データ通信制御部117が、携帯情報装置200から接続要求を受信することに応じて、応答信号を携帯情報装置200に返信する。これにより、MFP100と携帯情報装置200との間で、通信が確立する。MFP100においは、接続要求を送信してきた携帯情報装置200を通信相手として特定でき、携帯情報装置200はユーザーにより指定されたMFP100であって、かつMFP100が応答を返信してきた場合に、MFP100を通信相手として特定できる。
第2の変形例の場合においては、MFP100は、GPSセンサー119を備える必要はなく、また、携帯情報装置200は、GPSセンサー219を備える必要はなない。
<第3の変形例>
上述した実施の形態においては、携帯情報装置200は、MFP100から表示ページ送信要求を受信する場合、ユーザーにより選択されたデータに含まれる複数ページのうち表示部216に表示している表示ページのページデータを送信するようにした。これに代えて、携帯情報装置200からMFP100に、ユーザーにより選択されたデータを送信しておき、携帯情報装置200は、MFP100から表示ページ送信要求を受信する場合に、ユーザーにより選択されたデータに含まれる複数ページのうち表示部216に表示している表示ページを識別するためのページ識別情報(たとえば、ページ番号)を送信するようにしてもよい。
なお、上述した実施の形態においては、プリントシステム1について説明したが、図7〜図9に示した画像形成処理をMFP100,100A、100Bそれぞれに実行させ、図10に示した連携処理を携帯情報装置200に実行させる画像形成方法として発明を捉えることができ、さらに、図7〜図9に示した画像形成処理をMFP100,100A、100Bそれぞれが備えるCPU111に実行させる画像形成プログラム、図10に示した連携処理を携帯情報装置200が備えるCPU201に実行させる連携プログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。