JP2013052769A - エネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタ、これを備えた車両、及び正面衝突エネルギー吸収方法 - Google Patents

エネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタ、これを備えた車両、及び正面衝突エネルギー吸収方法 Download PDF

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【課題】フルラップ正面衝突では、エネルギー吸収体全体で効率よく衝突エネルギーを吸収できて、それぞれのエネルギー吸収体の潰れ荷重を容易に設定でき、また、オフセット正面衝突でも、確実にエネルギー吸収性能を確保でき、その上、フロントアンダランプロテクタバーの曲がり防止とエネルギー吸収体の屈曲防止ができるエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタ、これを備えた車両、及び正面衝突エネルギー吸収方法を提供する。
【解決手段】フロントアンダランプロテクタバー11を、側方エネルギー吸収体12Bを含む複数本のエネルギー吸収体12A、12Bを介して車体20に固定支持し、正面衝突の際に、側方エネルギー吸収体12Bが後退してタイヤ30に当たってからエネルギー吸収を開始するように構成する。また、側方エネルギー吸収体12Bを、側方エネルギー吸収体12Bの上下方向の動きを規制する支持構造14cを備えたリンク機構14とブラケット13を介してタイヤ30前方に配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、大型トラック等の大型車の前部に設けられるエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタ、これを備えた車両、及び正面衝突エネルギー吸収方法に関し、詳細には、全面衝突の際に、一部のエネルギー吸収体で衝突エネルギーを吸収しながら、残りのエネルギー吸収体を後退させてタイヤに当接させ、この当接後に残りのエネルギー吸収体で衝突エネルギー吸収する、2段階エネルギー吸収を行う、エネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタ、これを備えた車両、及び正面衝突エネルギー吸収方法に関する。
大型トラック等の大型車の衝突安全対策には、大型車の乗員保護対策と共に、乗用車等の衝突相手の車両に対する加害性低減策が求められている。特に、ボンネット型乗用車との正面衝突では、乗用車が大型車の前部の下に潜り込み、乗用車が本来備えている衝突安全性能を発揮できずに、乗用車乗員が重傷や死亡に至る場合がある。
この安全対策として、フロントアンダランプロテクタ(FUP)を大型車の前部、例えば、バンパの裏側に取り付けて、大型車が乗用車と前面衝突したときに、乗用車の潜り込みを防止する方法が採用されている。このフロントアンダランプロテクタは、正面衝突時に乗用車の強度部材を受け止めることにより、乗用車に備わっている衝突安全性能を発揮させて、乗用車側の乗員の被害を低減するものであり、この対策を取り始めた初期では、フロントアンダランプロテクタは、一般に大型車のシャーシ・フレームに強固に結合されている。つまり、このフロントアンダランプロテクタは、エネルギー吸収(EA)機構を備えておらず、フレームからブラケットを介し、リジッドに固定されている。
例えば、被結合部材(ナット)を固定したプロテクタ取り付け補強部材をプロテクタ部材の内部に挿入して、この被結合部材(ナット)に結合部材(ボルト)を単に挿入結合させる簡単な作業のみで、プロテクタ部材をステーに容易に固定することができるように構成したフロントアンダランプロテクタが提案されている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
しかしながら、上記のように、大型車のフレームに剛に取り付けられたフロントアンダランプロテクタを採用した場合には、車格が大きく違うため、相変わらず乗用車側が、特に小型車が甚大な被害を受けている。
そのため、フロントアンダランプロテクタを、衝突時にプレートの衝突検知面が押されると、案内ピンの破損が生じて一対の展開板が展開されてプロテクタの衝突面積を上下に拡張すると共に、プロテクタの軸穴を案内ピンで押し広げる変形により衝突エネルギーを吸収したりする(例えば、特許文献4参照)構成が提案されている。
また、アンダランプロテクタビームとフロントクロスメンバーの両側とを一対の内クラッシュボックスを介して接合すると共に、アンダランプロテクタビームの両端近傍を一対の外クラッシュボックスとブラケットを介して接合した構成が提案されている(例えば、特許文献5参照)。この構成では、衝突時に、内クラッシュボックス又は外クラッシュボックスのいずれかまたは両方が軸方向に圧縮変形することで衝撃エネルギーを吸収して、乗用車側の著しい変形を防止している。
しかしながら、この外クラッシュボックスは、車体前後方向に関して斜めに取り付けられているため、フルラップ正面衝突時にはエネルギー吸収作用を発揮せず、オフセット正面衝突時には、斜め荷重を受けながら、エネルギー吸収を行うことになり、十分なエネルギー吸収効果を発揮できないおそれがある。
また、図8に示すような、フロントアンダランプロテクタバー11を2本のエネルギー吸収体12で、ブラケット13を介して車体(フレーム)20に固定しているフロントアンダランプロテクタ10Xの場合には、ロントアンダランプロテクタバー11の片側に衝突荷重が加わる低ラップオフセット正面衝突の場合に、フロントアンダランプロテクタバー11が折れ曲がってしまうことや、エネルギー吸収体が屈曲してしまうなど、低ラップオフセット正面衝突時に、エネルギー吸収体12のエネルギー吸収性能を十分に発揮できずに、エネルギー吸収性能が低下してしまうという問題がある。
特開2003−72590号公報 特開2003−276536号公報 特開2008−230502号公報 特開平9−267706号公報 特開2008−230502号公報
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的はエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタ、これを備えた車両、及び正面衝突エネルギー吸収方法において、フルラップ正面衝突では、フロントアンダランプロテクタバーと車両の間に配置されたエネルギー吸収体全体で効率よく衝突エネルギーを吸収できて、それぞれのエネルギー吸収体の潰れ荷重を容易に設定でき、また、オフセット正面衝突でも、確実にエネルギー吸収性能を確保でき、その上、フロントアンダランプロテクタバーの曲がり防止とエネルギー吸収体の屈曲防止ができるエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタ、これを備えた車両、及び正面衝突エネルギー吸収方法を提供することにある。
上記の目的を達成するためのエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタは、フロントアンダランプロテクタバーを、複数本のエネルギー吸収体を介して車体に固定支持したエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタにおいて、前記エネルギー吸収体の少なくとも一部を、側方エネルギー吸収体で構成し、正面衝突の際に、前記側方エネルギー吸収体が後退してタイヤに当たってからエネルギー吸収を開始するように構成される。
この構成によれば、衝突荷重を分散させ、フロントアンダランプロテクタバー(FUPバー)の折れ曲がりを抑制することができる。また、2本の場合等で、オフセット正面衝突した際などで発生するエネルギー吸収体が屈曲してしまい、エネルギー吸収性が低下する事態を防止できる。
更に、第1段階の衝突エネルギー吸収と、タイヤに当接後のエネルギー吸収体による第2段階の衝突エネルギー吸収とにより、効果的に衝突エネルギーを吸収できる。
そして、0%〜100%ラップ正面衝突において、フロントアンダランプロテクタバーを支持するエネルギー吸収体の最適な潰れ荷重を容易に設定することができ、どのラップ率の正面衝突においても確実にエネルギー吸収性能を発揮することができる。
また、上記のエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタにおいて、前記エネルギー吸収体を、中央側エネルギー吸収体と側方エネルギー吸収体とで構成し、前記中央側エネルギー吸収体を、ブラケットを介して車体に固定支持すると共に、正面衝突の際に、前記側方エネルギー吸収体が後退してタイヤに当たってからエネルギー吸収を開始するように、前記側方エネルギー吸収体を、リンク機構とブラケットを介してタイヤ前方に配置して構成される。
この構成によれば、中央側エネルギー吸収体による、第1段階の衝突エネルギー吸収と、タイヤに当接後の側方エネルギー吸収体による第2段階の衝突エネルギー吸収とにより、効果的に衝突エネルギーを吸収できる。また、リンク機構により、側方エネルギー吸収体を座屈させることなく、真直ぐに後退してタイヤに当接させることができ、タイヤをエネルギー吸収体のストッパーとして使用できる。
また、上記のエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタで、前記リンク機構において、前記側方エネルギー吸収体の上下方向の動きを規制する支持構造を備えて構成すると、側方エネルギー吸収体の後部がタイヤに当接した際に、側方エネルギー吸収体、及び、これに連結されているフロントアンダランプロテクタバーが、回転しているタイヤにより下方へ強制変形されるのを防止できる。
また、上記の目的を達成するための車両は、上記のエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタを備えて構成される。
そして、上記の目的を達成するための正面衝突エネルギー吸収方法は、エネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタを備えた車両の正面衝突の際に、最初に、フロントアンダランプロテクタバーと車体との間に介在する中央側エネルギー吸収体で衝突エネルギーを吸収しながら、前記フロントアンダランプロテクタバーを後退させ、該後退により、前記フロントアンダランプロテクタバーと車体との間にリンク機構を伴って介在する側方エネルギー吸収体をタイヤに当接させて、このタイヤに当接させた後に前記側方エネルギー吸収体で更に衝突エネルギーを吸収させることを特徴とする方法である。
この方法によれば、更に、第1段階の衝突エネルギー吸収と、タイヤに当接後のエネルギー吸収体による第2段階の衝突エネルギー吸収とにより、効果的に衝突エネルギーを吸収できる。
そして、0%〜100%ラップ正面衝突において、フロントアンダランプロテクタバーを支持するエネルギー吸収体の最適な潰れ荷重を容易に設定することができ、どのラップ率の正面衝突においても確実にエネルギー吸収性能を発揮することができる。
なお、この「潰れ荷重」とは、エネルギー吸収体が荷重を受けた時に、座屈を開始する等してエネルギー吸収体が潰れ始め、衝突エネルギーを吸収し始める時の荷重の大きさを言う。
本発明のエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタ、これを備えた車両、及び正面衝突エネルギー吸収方法によれば、0%〜100%ラップ正面衝突において、フロントアンダランプロテクタバーと車両の間に配置されたエネルギー吸収体全体で効率よく衝突エネルギーを吸収できて、それぞれのエネルギー吸収体の潰れ荷重を容易に設定することができ、どのラップ率の正面衝突においても確実にエネルギー吸収性能を発揮することができる。その上、フロントアンダランプロテクタバーの曲がりを防止でき、また、エネルギー吸収体の屈曲を防止できる。
本発明に係る実施の形態のエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタの構成を示す図である。 本発明の実施の形態のエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタにおけるフルラップ正面衝突の初期の状態を示す図である。 図2のエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタにおけるフルラップ正面衝突の第1段階の中央側エネルギー吸収体の潰れもしくは座屈状態を示す図である。 図2のエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタにおけるフルラップ正面衝突の第2段階の側方エネルギー吸収体の潰れもしくは座屈状態を示す図である。 本発明の実施の形態のエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタにおけるオフセット正面衝突の初期の状態を示す図である。 図5のエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタにおけるオフセット正面衝突の第1段階の中央側エネルギー吸収体の潰れもしくは座屈状態を示す図である。 図5のエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタにおけるオフセット正面衝突の第2段階の側方エネルギー吸収体の潰れもしくは座屈状態を示す図である。 従来技術のエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタの構成の一例を示す図である。
以下、本発明に係る実施の形態のエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタ、これを備えた車両、及び正面衝突エネルギー吸収方法について、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本発明に係るエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタ(FUP)10は、フロントアンダランプロテクタバー(FUPバー)11と、中央側エネルギー吸収体(EA体)12Aと、側方エネルギー吸収体(EA体)12Bと、ブラケット13と、リンク機構14を有して構成される。このフロントアンダランプロテクタバー11は、複数本(図1では4本)のエネルギー吸収体12A、12Bを介してブラケット13とリンク機構14により、大型車の車両のフレーム(車体)20に固定支持される。このエネルギー吸収体12としては、特に限定しないが、例えば、スチール製のクラッシュボックスや発泡アルミニウムを使用したエネルギー吸収体等を使用できるが、これに限定されず、別のものも使用できる。
この中央側エネルギー吸収体12Aは、その前端がフロントアンダランプロテクタバー11の後方に固定支持され、その後端は車両のフレーム20の前方の両脇に設けられたブラケット13に固定支持される。また、側方エネルギー吸収体12Bは、その前端がフロントアンダランプロテクタバー11の後方に固定支持され、その後端はリンク機構14に固定支持される。
このリンク機構14は、一端はヒンジ14aを介してブラケット13に固定され、他端はヒンジ13bを介して側方エネルギー吸収体12Bに固定される。そして、このリンク機構14はフロントアンダランプロテクタバー11の一部と中央側エネルギー吸収体12Aと側方エネルギー吸収体12Bにより、四角形を形成し、正面衝突時に、フロントアンダランプロテクタバー11の一部が折れ曲がって側方エネルギー吸収体12Bと共に後方に移動したときに、この四角形を形成するリンク機構14により、側方エネルギー吸収体12Bをタイヤ30に導いて、側方エネルギー吸収体12Bの後端をタイヤ30に当接させる。
つまり、このリンク機構14により、側方エネルギー吸収体12Bを座屈させることなく、車体の前後方向に真直ぐに後退させてタイヤ30に当接させることができ、タイヤ30を側方エネルギー吸収体12Bのストッパーとして使用できる。
更に、このリンク機構14において、側方エネルギー吸収体12Bの上下方向の動きを規制する支持構造を備える。より具体的には、ヒンジ14a側が開き、ヒンジ14b側が閉じる三角形形状の構造にする。即ち、ヒンジ14aとヒンジ14bとの間の支持構造(サポート)14cをV字形状とする。この構成により、側方エネルギー吸収体12Bの後部がタイヤ30に当接した際に、側方エネルギー吸収体12B、及び、これに連結されているフロントアンダランプロテクタバー11が、回転しているタイヤ30により下方へ強制変形されるのを防止することができる。
このリンク機構14によって後端を固定支持された側方エネルギー吸収体12Bは、正面衝突の際に、後退してタイヤ30に当たってからエネルギー吸収を開始するエネルギー吸収体12Bとなる。
そして、本発明に係る車両は、上記のフロントアンダランプロテクタ10を備えて構成される。
この構成により、フルラップ正面衝突において、フロントアンダランプロテクタバー11と車両のフレーム20との間に配置された、中央側エネルギー吸収体12Aと側方エネルギー吸収体12Bとにより、全体で効率よく衝突エネルギーを吸収できて、それぞれのエネルギー吸収体12A、12Bの潰れ荷重を容易に設定でき、また、オフセット正面衝突でも、確実にエネルギー吸収性能を確保できるようになる。
次に、本発明に係る正面衝突エネルギー吸収方法について説明する。上記の構成をしたフロントアンダランプロテクタ10、及び、これを備えた車両においては、図2〜図4に示すように、フルラップ正面衝突では、図2の正面衝突で荷重Wfullが作用すると、フロントアンダランプロテクタバー11が全体的に荷重Wfullを受けて、両側のそれぞれのエネルギー吸収体12A、12Bに伝達する。
この場合に、両側のそれぞれの中央側エネルギー吸収体12Aは後端がブラケット13により、車両のフレーム20に剛に固定支持されているため、荷重Wfullを受けて、中央側エネルギー吸収体12Aの潰れ荷重を超える荷重を受けると座屈もしくは潰れて、この座屈もしくは潰れにより衝突エネルギーを吸収しながら、後退する。このとき、両側のそれぞれの側方エネルギー吸収体12Bは後端がリンク機構14によって支持されているため、リンク機構14により、タイヤ30に当接するまで、真直ぐに後退する。
そして、正面衝突エネルギーを図1から図2の状態までの両側の中央側エネルギー吸収体12Aだけでは吸収できない場合には、更に、図3のように、両側の中央側エネルギー吸収体12Aに加えて、両側の側方エネルギー吸収体12Bも潰れ荷重を超える荷重を受けると座屈もしくは潰れて、この座屈もしくは潰れにより衝突エネルギーを吸収する。
そして、両側の中央側エネルギー吸収体12Aの座屈もしくは潰れによる第1段階の衝突エネルギー吸収と、タイヤ30に当接後の両側の側方エネルギー吸収体12Bによる第2段階の衝突エネルギー吸収とにより、効果的に衝突エネルギーを吸収することができる。
また、図5〜図7に示すように、オフセット正面衝突では、図5の正面衝突で荷重Woffsetが作用すると、フロントアンダランプロテクタバー11の左側が荷重Woffsetを受けて、それぞれのエネルギー吸収体12A、12Bに伝達する。
この場合に荷重Woffsetが左側に偏っているため、フロントアンダランプロテクタバー11自体が左側が後方に、右側が前方に移動する変形を行うが、このとき右側の中央側エネルギー吸収体12Aがフロントアンダランプロテクタバー11の回転中心となる。左側の中央側エネルギー吸収体12Aは後端がブラケット13により、車両のフレーム20に剛に固定支持されているため、荷重Woffsetを受けて、中央側エネルギー吸収体12Aの潰れ荷重を超える荷重を受けると座屈もしくは潰れて、この座屈もしくは潰れにより衝突エネルギーを吸収しながら、後退する。
このとき、右側の中央側エネルギー吸収体12Aは荷重Woffsetの一部を受けるがその大きさは小さいので、座屈もしくは潰れに至らず持ちこたえて、そのままの形状を維持する。また、右側の側方エネルギー吸収体12Bは後端がリンク機構14によって支持されているため、リンク機構14により、右側の中央側エネルギー吸収体12Aを回転中心としたフロントアンダランプロテクタバー11の前方への変形に従って、前方に移動する。すなわち、この右側のリンク機構14により、フロントアンダランプロテクタバー11の前方への変形が容易となり、フロントアンダランプロテクタバー11の曲がりが防止される。
そして、図5から図6の状態の間で、正面衝突エネルギーを、左側の中央側エネルギー吸収体12Aだけでは吸収できない場合には、更に、図7に示すように、左側の中央側エネルギー吸収体12Aに加えて、後退してタイヤ30に当接した左側の側方エネルギー吸収体12Bが潰れ荷重を超える荷重を受けて座屈もしくは潰れて、この座屈もしくは潰れにより衝突エネルギーを吸収する。
そして、左側の中央側エネルギー吸収体12Aの座屈もしくは潰れによる第1段階の衝突エネルギー吸収と、タイヤ30に当接後の左側の側方エネルギー吸収体12Bの座屈もしくは潰れによる第2段階の衝突エネルギー吸収とにより、効果的に衝突エネルギーを吸収することができる。
言い換えれば、この正面衝突エネルギー吸収方法は、エネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタ10を備えた車両の正面衝突の際に、最初に、フロントアンダランプロテクタバー11と車両のフレーム20との間に介在する中央側エネルギー吸収体12Aで衝突エネルギーを吸収しながら、フロントアンダランプロテクタバー11を後退させ、この後退により、フロントアンダランプロテクタバー11と車両のフレーム20との間にリンク機構14を伴って介在する側方エネルギー吸収体12Bをタイヤ30に当接させて、このタイヤ30に当接させた後に側方エネルギー吸収体12Bで更に衝突エネルギーを吸収させる方法である。
上記の構成のエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタ10、これを備えた車両、及び前面衝突エネルギー吸収方法によれば、また、衝突荷重を分散させ、フロントアンダランプロテクタバー(FUPバー)11の折れ曲がりを抑制することができる。また、エネルギー吸収体が2本の場合等で、オフセット正面衝突した際などで発生するような事態、すなわち、エネルギー吸収体が屈曲してしまってエネルギー吸収性が低下する事態を防止できる。
そして、0%〜100%ラップ正面衝突において、エネルギー吸収体12A、12Bの最適な潰れ荷重を容易に設定することができ、どのラップ率の正面衝突においても確実にエネルギー吸収性能を発揮することができる。
本発明のエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタ、これを備えた車両、及び正面衝突エネルギー吸収方法によれば、0%〜100%ラップ正面衝突において、各エネルギー吸収体の最適な潰れ荷重を容易に設定することができ、どのラップ率の正面衝突においても確実にエネルギー吸収性能を発揮することができる。従って、これらのエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタ、それを備えた車両、正面衝突エネルギー吸収方法は、大型トラックやバス等の大型車両に利用できる。
10 エネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタ
11 フロントアンダランプロテクタバー
12A エネルギー吸収体
12B エネルギー吸収体(タイヤに当接してからエネルギー吸収を行う)
13 ブラケット
14 リンク機構
14a、14b ヒンジ
20 車両のフレーム(車体)
30 タイヤ

Claims (5)

  1. フロントアンダランプロテクタバーを、複数本のエネルギー吸収体を介して車体に固定支持したエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタにおいて、前記エネルギー吸収体の少なくとも一部を、側方エネルギー吸収体で構成し、正面衝突の際に、前記側方エネルギー吸収体が後退してタイヤに当たってからエネルギー吸収を開始するように構成したことを特徴とするエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタ。
  2. 前記エネルギー吸収体を、中央側エネルギー吸収体と側方エネルギー吸収体とで構成し、前記中央側エネルギー吸収体を、ブラケットを介して車体に固定支持すると共に、正面衝突の際に、前記側方エネルギー吸収体が後退してタイヤに当たってからエネルギー吸収を開始するように、前記側方エネルギー吸収体を、リンク機構とブラケットを介してタイヤ前方に配置したことを特徴とする請求項1記載のエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタ。
  3. 前記リンク機構において、前記側方エネルギー吸収体の上下方向の動きを規制する支持構造を備えたことを特徴とする請求項2記載のエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタ。
  4. 前記請求項1〜3のいずれかに記載のエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタを備えたことを特徴とする車両。
  5. エネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタを備えた車両の正面衝突の際に、最初に、フロントアンダランプロテクタバーと車体との間に介在する中央側エネルギー吸収体で衝突エネルギーを吸収しながら、前記フロントアンダランプロテクタバーを後退させ、該後退により、前記フロントアンダランプロテクタバーと車体との間にリンク機構を伴って介在する側方エネルギー吸収体をタイヤに当接させて、このタイヤに当接させた後に前記側方エネルギー吸収体で更に衝突エネルギーを吸収させることを特徴とする正面衝突エネルギー吸収方法。
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