JP6232995B2 - フロントアンダーランプロテクタ、これを備えた車両、及び、これを用いた車両の衝突エネルギー吸収方法 - Google Patents

フロントアンダーランプロテクタ、これを備えた車両、及び、これを用いた車両の衝突エネルギー吸収方法 Download PDF

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本発明は、他車両とのフルラップ衝突時に吸収できるエネルギー量を維持しつつ、他車両とのオフセット衝突時に吸収できるエネルギー量を増加させることができるフロントアンダーランプロテクタ、これを備えた車両、及び、これを用いた車両の衝突エネルギー吸収方法に関する。
一般に、トラック等の大型車両は、乗用車両より車高が高く全体の重量も大きいため、大型車両と乗用車両が衝突した場合に、乗用車両が大型車両の前方下部に潜り込み、乗用車両が本来備えている衝突安全性能を発揮できずに、乗用車両のキャビンが大破し、乗用車の乗員が重傷や死亡に至ってしまう可能性がある。
この事故の防止対策として、大型車両の前方下部にフロントアンダーランプロテクタ(以下、FUPと称す)を設けて、大型車両と乗用車両の衝突時における、乗用車両の損傷を低減し、乗用車の乗員を保護する方法が採られている。
このFUPは、大型車両の車体フレームの前方下部に固定したプロテクタブラケットの前方に、車幅方向に延びるFUPバーを衝突エネルギー吸収装置を介して固定して構成される。そして、このFUPバーにより大型車両と乗用車両の衝突時における乗用車両の潜り込みを防止するとともに、大型車両と乗用車両の衝突によるエネルギーを衝突エネルギー吸収装置が衝突時に圧縮変形することにより吸収する。これにより、乗用車両の損傷を低減し、乗用車の乗員を保護することができる。
上記した衝突エネルギー吸収装置は、一般に、エネルギー吸収容量の等しい複数のクラッシュボックス(衝突エネルギー吸収部材)で構成され、これらのクラッシュボックスが車幅方向に均一な距離で配設される。例えば、図7のFUP10Xの構成では、大型車両1Xの車幅方向の中心軸に対して左右対称の位置にエネルギー吸収容量の等しい2個のクラッシュボックス12Xaが配設されている。このクラッシュボックスによるエネルギー吸収容量は、コンパチビリティー性能を定める基準の一つであり、車両の設計上重要である。ここでは、この2個のクラッシュボックス12Xaのエネルギー吸収容量をex(単位:J)とする。
図8に、乗用車両100Xと、自動車の正面衝突で、車体前面の全部が他の車両や障害物に当たるフルラップ衝突(正面衝突)する場合を示し、図9に、乗用車両100Xと、車体前面の一部が他の車両や障害物に当たるオフセット衝突(部分衝突)する場合を示す。
図8に示すように、フルラップ衝突の場合は、乗用車両100XからFUP10Xに加わる衝突力は2個のクラッシュボックス12Xaに均等に加わるため、エネルギー吸収容量の等しい2個のクラッシュボックス12Xaが左右均等に潰れる。この場合は、クラッシュボックス12Xaが2個とも作動し、この吸収できるエネルギー量の総量Exfは、Exf=ex+ex=2exとなる。
一方、図9に示すように、オフセット衝突の場合は、乗用車両100XからFUP10Xに加わる衝突力は、その多く(全衝突力の約60%〜100%、図9では100%)が、対向車線側のクラッシュボックス12Xaに加わるため、エネルギー吸収容量の等しい2個のクラッシュボックス12Xaが左右不均等に潰れる。この場合は、対向車線側のクラッシュボックス12Xaのみ作動し、対向車線側のクラッシュボックス12Xaは、そのエネルギー吸収容量exに相当する分、衝突によるエネルギーを吸収することができる一方、対向車線側とは逆側のクラッシュボックス12Xaは、ほとんど又は全く衝突によるエネルギーを吸収することができないため、その吸収できるエネルギー量の総量Ex0は、Exo=ex+0=exとなる。
このように、他の車両や障害物と衝突する車体前面部分の車体前面全体に対する比率であるオフセット率が異なる前面衝突においては、フルラップ衝突(オフセット率100%)では左右両方の、オフセット衝突ではほぼオフセット側のみクラッシュボックスで、衝突によるエネルギーを吸収することとなる。すなわち、オフセット率により吸収できるエネルギー量が異なるため、重量や車高の異なる車両同士のオフセット衝突時に、軽量の乗用車側における衝突エネルギーの吸収量がフルラップ衝突時より小さくなるため、コンパチビリティー性能に大きな差が生じるおそれがある。
この問題に関連して、車両に搭載したエネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタを備えた大型車と乗用車との正面衝突において、乗用車とのフルラップ正面衝突(相対速度55km/h)の際には、前記エネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタの潰れ荷重の範囲を400(kN)以上で、且つ、500(kN)以下とし、乗用車との50%オフセット正面衝突(相対速度64km/h)の際には、前記エネルギー吸収型フロントアンダランプロテクタの潰れ荷重の範囲を200(kN)以上で、且つ、250(kN)以下とする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−79004号公報
本発明は、上記のことを鑑みてなされたものであり、その目的は、他車両とのフルラップ衝突時に吸収できるエネルギー量を維持しつつ、他車両とのオフセット衝突時に吸収できるエネルギー量を増加させることができるフロントアンダーランプロテクタ、これを備えた車両、及び、これを用いた車両の衝突エネルギー吸収方法を提供することである。
上記の目的を達成するための本発明のフロントアンダーランプロテクタは、車両の車体フレームの前方下部に固定したプロテクタブラケットに、該プロテクタブラケットより前方に車幅方向に延びるフロントアンダーランプロテクタバーを衝突エネルギー吸収装置を介して固定したフロントアンダーランプロテクタにおいて、前記衝突エネルギー吸収装置を、第1の衝突エネルギー吸収部材と、該第1の衝突エネルギー吸収部材よりエネルギー吸収容量の小さい第2の衝突エネルギー吸収部材若しくは車両の前後方向にのみ移動可能なガイド装置で構成するとともに、前記車幅方向の中心よりも対向車線側に、前記第1の衝突エネルギー吸収部材を配設し、前記車幅方向の中心よりも前記対向車線側とは逆側に、前記第2の衝突エネルギー吸収部材若しくは前記ガイド装置を配設したことを特徴とするフロントアンダーランプロテクタとして構成される。
この構成によれば、オフセット衝突を重要視して、フロントアンダーランプロテクタバー(FUPバー)の取り付けにおいて、左右共に同じエネルギー吸収容量の衝突エネルギー吸収部材を配設せずに、対向車線側にエネルギー吸収容量の大きな衝突エネルギー吸収部材を配設することで、フルラップ衝突時に吸収できるエネルギー量を維持しつつ、オフセット衝突時に吸収できるエネルギー量を増加させることができる。すなわち、フルラップ衝突、対向車線側のオフセット衝突の両方の状況において、吸収できるエネルギー量を近づけることができ、コンパチビリティー性能を高めることができる。
また、第2の衝突エネルギー吸収部材の代りに、車両に対して上下及び左右方向は拘束し、前後方向のみ移動可能なガイド装置を配設した場合は、これにより、ガイド装置でFUPバーが車両に対して斜めに変形することを抑制して、衝突時、特に、オフセット衝突時においてもFUPバーを車両の幅方向と平行な状態のまま後退させることができるので、衝突して来る他車両が本来備えている衝突安全装置に対して、FUPバーが斜めにならず正面から衝突することになるので、この他車両が備えている衝突安全装置の性能を確実かつ十分に発揮させることができ、他車両、および、自身の車両の両方乗員の安全を確保でき、コンパチビリティー性能をさらに高めることができる。
一方、2つの衝突エネルギー吸収部材を用いた場合は、FUPバーが、衝突時、特に、オフセット衝突時においてFUPバーが斜めに変形する可能性があるので、必ずしも、他車両が備えている衝突安全装置の性能を確実かつ十分に発揮させることができない可能性が残る。
また、上記のフロントアンダーランプロテクタ(FUP)において、前記ガイド装置を、振動エネルギー吸収部材を介して前記プロテクタブラケットに固定すると、振動エネルギー吸収部材(例えば、エネルギー吸収容量の小さなヒューズボルト等)を配設することで、上記した効果を奏することができ、さらに、車両の走行中におけるFUPの振動を抑えることができる。
そして、上記の目的を達成するための車両は、上記したフロントアンダーランプロテクタを備えて構成される。
また、上記の目的を達成するための車両の衝突エネルギー吸収方法は、車両の車体フレームの前方下部に固定したプロテクタブラケットに、該プロテクタブラケットより前方に車幅方向に延びるフロントアンダーランプロテクタバーを衝突エネルギー吸収装置を介して固定したフロントアンダーランプロテクタを用いて、他車両との衝突によるエネルギーを吸収する車両の衝突エネルギー吸収方法において、前記衝突エネルギー吸収装置を、第1の衝突エネルギー吸収部材と、該第1の衝突エネルギー吸収部材よりエネルギー吸収容量の小さい第2の衝突エネルギー吸収部材若しくは車両の前後方向にのみ移動可能なガイド装置で構成し、前記車幅方向の中心よりも対向車線側に、前記第1の衝突エネルギー吸収部材を配設し、前記車幅方向の中心よりも前記対向車線側とは逆側に、前記第2の衝突エネルギー吸収部材若しくは前記ガイド装置を配設して、前記他車両との衝突に際して、衝突エネルギーを、前記第1の衝突エネルギー吸収部材と前記第2の衝突エネルギー吸収部材若しくは前記ガイド装置で吸収することを特徴とする。
上記の車両及び車両の衝突エネルギー吸収方法によれば、上記のフロントアンダーランプロテクタと同様の効果を奏することができる。
本発明のフロントアンダーランプロテクタ、これを備えた車両、及び、これを用いた車両の衝突エネルギー吸収方法によれば、オフセット衝突を重要視して、フロントアンダーランプロテクタバー(FUPバー)の取り付けにおいて、左右共に同じエネルギー吸収容量の衝突エネルギー吸収部材を配設せずに、対向車線側にエネルギー吸収容量の大きな衝突エネルギー吸収部材を配設することで、フルラップ衝突時に吸収できるエネルギー量を維持しつつ、オフセット衝突時に吸収できるエネルギー量を増加させることができる。すなわち、フルラップ衝突、対向車線側のオフセット衝突の両方の状況において、吸収できるエネルギー量を近づけることができる。
本発明に係る第1の実施の形態のフロントアンダーランプロテクタの構成の一例を示す模式図である。 図1のフロントアンダーランプロテクタを備えた車両が他車両とフルラップ衝突する場合の模式図である。 図1のフロントアンダーランプロテクタを備えた車両が他車両とオフセット衝突する場合の模式図である。 本発明に係る第2の実施の形態のフロントアンダーランプロテクタの構成の一例を示す模式図である。 図4のフロントアンダーランプロテクタにおいて、ヒューズボルトを設けた構成の一例を示す模式図である。 本発明に係る実施の形態のフロントアンダーランプロテクタを備えた車両を車両上部より見た模式図である。 従来技術に係る実施の形態のフロントアンダーランプロテクタの構成の一例を示す模式図である。 図7のフロントアンダーランプロテクタを備えた車両が他車両とフルラップ衝突する場合の模式図である。 図7のフロントアンダーランプロテクタを備えた車両が他車両とオフセット衝突する場合の模式図である。
以下、本発明に係る実施の形態のフロントアンダーランプロテクタ及びこれを備えた車両について、図面を参照しながら説明する。図6に示すように、本発明の実施の形態のフロントアンダーランプロテクタ(以下、FUPと称す)10は、車両1の車体フレーム20の前方下部に固定したプロテクタブラケット13に、このプロテクタブラケット13より前方に車幅方向に延びるフロントアンダーランプロテクタバー(以下、FUPバーと称す)11を衝突エネルギー吸収装置12を介して固定して構成される。この本発明の実施の形態のFUPについて、第1の実施の形態のFUP10Aの模式図を図1に、第2の実施の形態のFUP10Bの模式図を図4に示す。
なお、車両1の車種については特に限定しないが、ここでは、車両1は大型車両とし、他車両100は乗用車両とする。
そして、図1に示すように、本発明に係る第1の実施の形態のFUP10Aは、衝突エネルギー吸収装置12を、第1のクラッシュボックス12a(第1の衝突エネルギー吸収部材)と、この第1のクラッシュボックス12aよりエネルギー吸収容量の小さい第2のクラッシュボックス12b(第2の衝突エネルギー吸収部材)で構成する。それとともに、車幅方向の中心よりも対向車線側に、第1のクラッシュボックス12aを配設し、車幅方向の中心よりも対向車線側とは逆側(図1における非対向車線側)に、第2のクラッシュボックス12bを配設して構成する。
なお、この図1の構成では、車幅方向の中心に対して左右対称の位置に、第1のクラッシュボックス12aと第2のクラッシュボックス12bを配設している。
また、ここで、このクラッシュボックス12a、12bとしては、一般的には、スチール製や発泡アルミニウム製のクラッシュボックスを用いるが、他車両との衝突によるエネルギーを吸収できるのであれば、これに限定する必要はなく、別のものを使用してもよい。
この第1の実施の形態のFUP10Aを備えた車両1Aが他車両100とフルラップ衝突する場合の模式図を図2に、オフセット衝突する場合の模式図を図3に示す。ここで、第1のクラッシュボックス12aのエネルギー吸収容量はe1、第2のクラッシュボックス12bのエネルギー吸収容量はe2とし、その大小関係は、従来のクラッシュボックス12Xaのエネルギー吸収容量exとも比較して、e1>>ex>>e2とする。また、図3のオフセット衝突する場合において、そのオフセット率Rについては、特に限定しないが、例えば、0%<R≦40%を想定する。なお、エネルギー吸収容量e1とe2については、この大小関係を満たせば、特にその他の条件を満たす必要はないが、従来技術との差異を明確にするため、ここではさらに、e1+e2=ex+ex=2exの等式を満たすものとする。
図2に示すように、車両1Aが他車両100とフルラップ衝突する場合には、他車両100からFUP10Aに加わる衝突力は2個のクラッシュボックス12a、12bに均等に加わるため、2個のクラッシュボックス12a、12bが左右均等に潰れる。つまり、図2では、2個のクラッシュボックス12a、12bが両方とも作動している。そして、各クラッシュボックス12a、12bは、そのエネルギー吸収容量e1、e2に相当する分、衝突によるエネルギーを吸収することができ、その吸収できるエネルギー量の総量Efは、Ef=e1+e2(=2ex)となり、従来のクラッシュボックス12Xaがフルラップ衝突時に吸収できるエネルギー量の総量Exfと同等のエネルギー量を吸収することができる。
一方、図3に示すように、車両1Aが他車両100とオフセット衝突する場合には、他車両100からFUP10Aに加わる衝突力はその多く(全衝突力の約60%〜100%、図3では100%)が、対向車線側のクラッシュボックス12aに加わるため、2個のクラッシュボックス12a、12bが左右不均等に潰れる。つまり、図3では、対向車線側のクラッシュボックス12aのみ作動している。そして、対向車線側のクラッシュボックス12aは、そのエネルギー吸収容量e1に相当する分、衝突によるエネルギーを吸収することができる一方、対向車線側とは逆側(図3における非対向車線側)のクラッシュボックス12bは、ほとんど(図3では全く)衝突によるエネルギーを吸収することができないため、その吸収できるエネルギー量の総量Eoは、Eo=e1+0=e1(>>ex)となり、従来のクラッシュボックス12Xaがオフセット衝突時に吸収できるエネルギー量の総量Ex0よりはるかに大きなエネルギー量を吸収することができる。
したがって、この構成によれば、オフセット衝突を重要視して、FUPバー11の取り付けにおいて、左右共に同じエネルギー吸収容量のクラッシュボックス12Xaを配設せずに、対向車線側にエネルギー吸収容量の大きなクラッシュボックス12aを配設することで、フルラップ衝突時に吸収できるエネルギー量を維持しつつ、オフセット衝突時に吸収できるエネルギー量を増加させることができる。すなわち、フルラップ衝突、対向車線側のオフセット衝突の両方の状況において、吸収できるエネルギー量を近づけることができる。
また、図4に示すように、本発明に係る第2の実施形態のFUP10Bは、上記のFUP10Aにおいて、第2のクラッシュボックス12bの代りに、車両1Bの前後方向にのみ移動可能なガイド装置14を配設して構成される。
この構成によれば、第1の実施の形態のFUP10Aの効果に加え、第2のクラッシュボックス12bの代りに、車両1Bに対して上下及び左右方向は拘束し、前後方向のみ移動可能なガイド装置14を配設して固定することで、ガイド装置14でFUPバー11が車両1Bに対して斜めに変形することを抑制して、衝突時、特に、オフセット衝突時においてもFUPバー11を車両1Bの幅方向と平行な状態のまま後退させることができるので、衝突して来る他車両が本来備えている衝突安全装置に対して、FUPバー11が斜めにならず正面から衝突することになるので、この他車両100が備えている衝突安全装置の性能を確実かつ十分に発揮させることができ、他車両100、及び、車両1Bの乗員の安全を確保できる。
また、図5に示すように、上記のFUP10Bにおいて、ガイド装置14を、ヒューズボルト(振動エネルギー吸収部材)15を介してプロテクタブラケット13に固定すると、第1の実施の形態のFUP10Aが有する効果と同様な効果を奏することができ、さらに、車両1Bの走行中におけるFUP10Bの振動を抑えることができる。
なお、図5に示すように、このヒューズボルト15は他車両100との衝突によるエネルギーも僅かながら吸収することができる(ヒューズボルト15のエネルギー吸収容量はe3、e1>>e3)ので、フルラップ衝突時に吸収できるエネルギー量を増加させることができる。
そして、上記したFUP10A、10Bを備えた車両1A、1Bは、FUP10A、FUP10Bが有する効果と同様な効果を奏することができる。
また、上記の目的を達成するための車両の衝突エネルギー吸収方法は、車両1の車体フレーム20の前方下部に固定したプロテクタブラケット13に、このプロテクタブラケット13より前方に車幅方向に延びるFUPバー11を衝突エネルギー吸収装置12を介して固定したFUP10A、10Bを用いて、他車両100との衝突によるエネルギーを吸収する車両1の衝突エネルギー吸収方法において、衝突エネルギー吸収装置12を、第1のクラッシュボックス12a(第1の衝突エネルギー吸収部材)と、この第1のクラッシュボックス12aよりエネルギー吸収容量の小さい第2のクラッシュボックス12b(第2の衝突エネルギー吸収部材)若しくは車両1の前後方向にのみ移動可能なガイド装置14で構成し、他車両100とのオフセット衝突に際しては、衝突エネルギーの60%〜100%を、第1のクラッシュボックス12aで吸収し、他車両100とのフルラップ衝突に際しては、衝突エネルギーを、第1のクラッシュボックス12aと第2のクラッシュボックス12b若しくはガイド装置14の両方で吸収することを特徴とする。
この方法によれば、上記したFUP10A、10Bが有する効果と同様な効果を奏することができる。
本発明のFUP10A、10B、これを備えた車両1、1A、1B、及び、これを用いた車両の衝突エネルギー吸収方法によれば、オフセット衝突を重要視して、FUPバー11の取り付けにおいて、左右共に同じエネルギー吸収容量のクラッシュボックス12Xaを配設せずに、対向車線側にエネルギー吸収容量の大きなクラッシュボックス12aを配設することで、フルラップ衝突時に吸収できるエネルギー量を維持しつつ、オフセット衝突時に吸収できるエネルギー量を増加させることができる。すなわち、フルラップ衝突、対向車線側のオフセット衝突の両方の状況において、吸収できるエネルギー量を近づけることができる。
1、1A、1B、1X 車両(大型車両)
10A、10B、10X フロントアンダーランプロテクタ(FUP)
11 フロントアンダーランプロテクタバー(FUPバー)
12 衝突エネルギー吸収装置
12a 第1のクラッシュボックス(第1の衝突エネルギー吸収部材)
12b 第2のクラッシュボックス(第2の衝突エネルギー吸収部材)
12Xa 従来技術のクラッシュボックス
13 プロテクタブラケット
14 ガイド装置
15 ヒューズボルト(振動エネルギー吸収部材)
20 車体フレーム
100、100X 他車両(乗用車両)
e1 第1のクラッシュボックスのエネルギー吸収容量
e2 第2のクラッシュボックスのエネルギー吸収容量
x 従来技術のクラッシュボックスのエネルギー吸収容量
e3 ヒューズボルトのエネルギー吸収容量
f 本発明のFUPがフルラップ衝突時に吸収できるエネルギー量の総量
o 本発明のFUPがオフセット衝突時に吸収できるエネルギー量の総量
xf 従来技術のFUPがフルラップ衝突時に吸収できるエネルギー量の総量
xo 従来技術のFUPがオフセット衝突時に吸収できるエネルギー量の総量

Claims (4)

  1. 車両の車体フレームの前方下部に固定したプロテクタブラケットに、該プロテクタブラケットより前方に車幅方向に延びるフロントアンダーランプロテクタバーを衝突エネルギー吸収装置を介して固定したフロントアンダーランプロテクタにおいて、
    前記衝突エネルギー吸収装置を、第1の衝突エネルギー吸収部材と、該第1の衝突エネルギー吸収部材よりエネルギー吸収容量の小さい第2の衝突エネルギー吸収部材若しくは車両の前後方向にのみ移動可能なガイド装置で構成するとともに、
    前記車幅方向の中心よりも対向車線側に、前記第1の衝突エネルギー吸収部材を配設し、
    前記車幅方向の中心よりも前記対向車線側とは逆側に、前記第2の衝突エネルギー吸収部材若しくは前記ガイド装置を配設したことを特徴とするフロントアンダーランプロテクタ。
  2. 前記ガイド装置を、振動エネルギー吸収部材を介して前記プロテクタブラケットに固定したことを特徴とする請求項1に記載のフロントアンダーランプロテクタ。
  3. 請求項1又は2に記載のフロントアンダーランプロテクタを備えた車両。
  4. 車両の車体フレームの前方下部に固定したプロテクタブラケットに、該プロテクタブラケットより前方に車幅方向に延びるフロントアンダーランプロテクタバーを衝突エネルギー吸収装置を介して固定したフロントアンダーランプロテクタを用いて、他車両との衝突によるエネルギーを吸収する車両の衝突エネルギー吸収方法において、
    前記衝突エネルギー吸収装置を、第1の衝突エネルギー吸収部材と、該第1の衝突エネルギー吸収部材よりエネルギー吸収容量の小さい第2の衝突エネルギー吸収部材若しくは車両の前後方向にのみ移動可能なガイド装置で構成し、
    前記車幅方向の中心よりも対向車線側に、前記第1の衝突エネルギー吸収部材を配設し、
    前記車幅方向の中心よりも前記対向車線側とは逆側に、前記第2の衝突エネルギー吸収部材若しくは前記ガイド装置を配設して、
    前記他車両との衝突に際して、衝突エネルギーを、前記第1の衝突エネルギー吸収部材と前記第2の衝突エネルギー吸収部材若しくは前記ガイド装置で吸収することを特徴とする車両の衝突エネルギー吸収方法。
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