JP2015009583A - 車両の前部構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の前部に相手車両が衝突した際の衝突エネルギーの吸収性能に関し、相手車両の前端部の高さによる影響を受け難い車両の前部構造を提供する。【解決手段】トラック1は、車体フレーム4と補助フレーム5とFUP7とを備える。補助フレーム5は、車体フレーム4のクロスフレーム12aの下面23よりも上方に配置される。FUP7は、左右1対のエネルギー吸収体29とFUPバー27とを有し、補助フレーム5の下方に配置される。トラック1と乗用車とが衝突した場合、乗用車の前端部が補助フレーム5の下方へ進入し、FUPバー27に衝突する。FUPバー27がエネルギー吸収体29を圧縮変形させながら後方のFUP取付ブラケット28側へ移動し、エネルギー吸収体29が複数の溝部30で変形することによって衝突エネルギーを吸収する。【選択図】図2
Description
本発明は、車両の前部構造に関する。
特許文献1には、貨物輸送トラックに備えられた潜り込み防止装置が記載されている。トラックは、トラックの長手方向に該トラックの前部まで延在するフレーム部材と、フレーム部材の前部の下面に固定される前部ブラケットとを有する。潜り込み防止装置は、トラックの前部で水平方向かつ該トラックの縦方向に対して交差する方向に延在するクロスビームと、前部ブラケットとクロスビームとの間に固定されるエネルギー吸収接続要素とを有する。このような態様で、クロスビームは、フレーム部材に対して移動可能に吊設される。
トラックと乗用車との衝突の際、乗用車からクロスビームに作用する力が所定の閾値レベルを上回る場合、クロスビームが変位しながら、トラックと乗用車との衝突時のエネルギーがエネルギー吸収接続要素の伸縮する動作によって吸収される。
特許文献1に記載の潜り込み防止装置では、トラック(車両)のフレーム部材の前部よりも乗用車(他の車両)の前端部が高いと、トラックの前部に乗用車が衝突した際にフレーム部材の前端に乗用車のボンネットやエンジン等が干渉する可能性がある。トラックのフレーム部材の前端に乗用車のボンネット等が干渉し、クロスビームの後方への移動が制限されると、エネルギー吸収接続要素が衝突時のエネルギーを十分に吸収できないおそれがある。このように、乗用車の前端部の高さによっては、潜り込み防止装置のエネルギー吸収機能が十分に発揮されないおそれがある。
そこで、本発明は、車両の前部に他の車両が衝突した際の衝突エネルギーの吸収性能に関し、他の車両の前端部の高さによる影響を受け難い車両の前部構造の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の車両の前部構造は、フレームと補助フレームとエネルギー吸収機構とを備える。フレームは、車両の車幅方向の両側で前後方向に延びる左右1対のサイドフレームと、車幅方向に延びて左右のサイドフレームの前端部同士を連結するフロントクロスフレームとを有する。補助フレームは、左右のサイドフレームのそれぞれの前端部に固定されてフロントクロスフレームの下面よりも上方で前方へ延びる左右1対の補助サイドフレームと、フロントクロスフレームの下面よりも上方で且つ車両の前端下部で車幅方向に延びて左右の補助サイドフレームの前端部同士を連結する補助クロスフレームとを有する。エネルギー吸収機構は、補助フレームの下方に配置されてフレームに支持され、補助フレームの下方に進入する他の車両との衝突時に衝突エネルギーを吸収する。
上記構成では、左右のサイドフレームのそれぞれの前端部に固定されて前方へ延びる左右の補助サイドフレームと、左右の補助サイドフレームの前端部同士を連結する補助クロスフレームとは、双方ともにフロントクロスフレームの下面よりも上方に配置される。すなわち、補助フレームは、フロントクロスフレームの下面よりも前方且つ上方に配置されてフレームに固定される。このため、乗用車等の他の車両(相手車両)が車両の前部に衝突した場合に、補助フレームがフロントクロスフレームの下面よりも上方に配置されている分だけ相手車両の前端部が補助フレームに干渉し難くなり、相手車両が補助フレームの下方へ進入し易くなる。従って、相手車両の前端部が比較的高い場合であっても、補助フレームの下方に配置されるエネルギー吸収機構によって衝突時の衝突エネルギーを確実に吸収することができる。
また、フレームの前方に補助フレームが配置されるので、補助フレームの前後方向の長さ分だけフレームが短縮されて軽量化が可能となる。また、衝突エネルギーが入力するエネルギー吸収機構がフレームに支持されるので、補助フレームに要求される強度を低く抑えることができ、補助フレームを薄肉に形成する等、補助フレームの軽量化も可能となる。このように、フレーム及び補助フレームの双方の軽量化が可能となるので、車両全体の軽量化を図ることができる。なお、補助フレームは、車両の前端部に配置されるので、車両の前端部に搭載される部品(例えばラジエータ等)は、補助フレームによって支持すればよく、この場合であっても、当該部品は比較的軽量であるため、補助フレームの軽量化の障害とはなり難い。
また、フレームと補助フレームとが別体であるので、異なる車種間でフレーム及び補助フレームの一方又は双方の部品の共通化を図ることができる。例えば、フレームに対する補助フレームの傾斜角度のみが異なる車種に対しては、共通のフレームに共通の補助フレームを各車種に応じた傾斜角度で固定することによって対応することが可能であり、部品の共通化による製造コストの削減が可能となる。
本発明によれば、車両の前部に相手車両が衝突した際の衝突エネルギーの吸収性能に関し、相手車両の前端部の高さによる影響を受け難い構造とすることができる。
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において、FRは車両の前方を、UPは上方を、INは車幅方向内側をそれぞれ示す。また、以下の説明において、左右方向は車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。
図1に示すように、本実施形態に係る車両の前部構造10が適用されるトラック(車両)1は、例えば、キャブ2が概ねエンジン3の上方に配置されるキャブオーバー型のトラック1であり、車体フレーム(フレーム)4と補助フレーム5(図2参照)とフロントバンパ6と左右のフロントタイヤ8(図1では、左側のフロントタイヤのみを示す)とフロントアンダーランプロテクタ(エネルギー吸収機構)7とを備える。
図2及び図3に示すように、車体フレーム4は、トラック1の車幅方向両側で前後方向に略水平に延びる左右1対のサイドフレーム11と、車幅方向に延びて左右のサイドフレーム11同士を連結する複数のクロスフレーム12とを有する。左右のサイドフレーム11は、それぞれが上板部14と下板部15と側板部16とによって一体成形される断面略コ字状体であって、それぞれの側板部16の上下方向の両端縁から上板部14と下板部15とが相対向して車幅方向内側へ延びる。左右のサイドフレーム11の前端は、トラック1の前端から後方へ離間した左右のフロントタイヤ8の近傍の所定位置にそれぞれ配置され、車体フレーム4の前後方向の長さは、左右のサイドフレーム11の前端がトラック1の前端から後方へ離間した分だけ短縮される。クロスフレーム12には、左右のサイドフレーム11のそれぞれの前端部13同士を連結するフロントクロスフレーム12aと、フロントクロスフレーム12aの後方に配置されるクロスフレーム12bとが含まれる。フロントクロスフレーム12aの後方近傍には、左右のサイドフレーム11に挟まれた状態でエンジン3が配置され、エンジン3の後方近傍には、クロスフレーム12bが配置される。エンジン3は、エンジンマウント(図示省略)によって左右のサイドフレーム11に支持される。すなわち、左右のサイドフレーム11のそれぞれの前端が配置される上記所定位置は、エンジン3及び後述する左右のFUP取付ブラケット28を支持可能な位置に設定される。
補助フレーム5は、それぞれの後端部が左右のサイドフレーム11の前端部13に固定されて斜め前上方へ延びる左右1対の補助サイドフレーム17と、左右の補助サイドフレーム17の前端部18同士を連結する補助クロスフレーム19とを有し、フロントクロスフレーム12aの下面23の高さ位置(図2中にH1で示す位置)よりも上方に配置される。重量物であるエンジン3を車体フレーム4が支持することによって、補助フレーム5に要求される強度を低く抑えることができるので、補助フレーム5は、車体フレーム4よりも薄肉に形成される。左右の補助サイドフレーム17は、左右のサイドフレーム11よりも薄肉の上板部20と下板部21と側板部22とによって一体成形される断面略コ字状体であって、それぞれの側板部22の上下方向の両端縁から上板部20と下板部21とが相対向して車幅方向内側へ延びる。左右の補助サイドフレーム17の側板部22の車幅方向内側面が左右のサイドフレーム11の側板部16の車幅方向外側面に相対向して密接した状態で、左右の補助サイドフレーム17の後端部が左右のサイドフレーム11の前端部13にボルト等(図示省略)によってそれぞれ固定される。左右の補助サイドフレーム17は、左右のサイドフレーム11側から前上方へ延び、前端部18がトラック1の前端近傍に配置される。すなわち、左右の補助サイドフレーム17(補助フレーム5)の前後方向の長さは、短縮された車体フレーム4を補う長さに設定される。補助クロスフレーム19は、車幅方向に延びる板状体であって、トラック1の前端下部に配置され、補助クロスフレーム19の下端がフロントクロスフレーム12aの下面23よりも上方に配置される。補助クロスフレーム19とフロントクロスフレーム12aとの間には、エンジン3を冷却する冷却装置26が設けられる。
冷却装置26は、ファン24とラジエータ25とを有し、左右の補助サイドフレーム17の間に配置されて左右の補助サイドフレーム17に支持される。ファン24は、フロントクロスフレーム12aの近傍に配置され、エンジン3のクランクシャフト9に連結される。ラジエータ25は、ファン24よりも前方に配置される。
フロントバンパ6は、トラック1の前端下部で車幅方向に延びる略板状体であって、補助クロスフレーム19を前方から覆う状態で、フロントアンダーランプロテクタ(以下、FUPと称する)7及び補助フレーム5に対してボルト等(図示省略)により固定される。
左右のフロントタイヤ8は、キャブ2の車幅方向両端部の下方に配置され、それぞれがリーフスプリング31を介して車体フレーム4に対して弾性支持される。リーフスプリング31は、複数枚の板ばねを重ねて構成され、前端側が後述するフロントアンダーランプロテクタ取付ブラケット(以下、FUP取付ブラケットと称する)28の支持軸32に支持されてFUP取付ブラケット28を介して車体フレーム4に支持され、後端側がシャックル(図示省略)を介して車体フレーム4に支持される。
FUP7は、左右1対のエネルギー吸収体29とフロントアンダーランプロテクタバー(以下、FUPバーと称する)27とを有し、左右1対のFUP取付ブラケット28を介して車体フレーム4に固定される。なお、本発明でいうエネルギー吸収機構とは、補助フレーム5の下方に進入する他の車両との衝突時に衝突エネルギーを吸収する機構であり、エネルギー吸収機構が補助フレーム5の下方に配置されるとは、エネルギー吸収機構のうち衝突エネルギーが入力する入力部(以下、エネルギー入力部と称する)が少なくとも補助フレーム5の下方に配置されることである。
左右のFUP取付ブラケット28は、板状部材によって略直方体状に形成される構造体であって、それぞれの上端面が左右のサイドフレーム11の下板部15の下面に密接した状態で左右のサイドフレーム11の前端部13に溶接やボルト等(図示省略)によって固定される。すなわち、左右のFUP取付ブラケット28は、トラック1の前端から後方へ離間した左右のフロントタイヤ8の近傍に配置され、左右のサイドフレーム11の前端部13から下方へ延びる。左右のFUP取付ブラケット28は、リーフスプリング31が挿入可能な後面側の開口(図示省略)と、該開口の内側で車幅方向に延びてリーフスプリング31を支持する支持軸32とをそれぞれ有する。支持軸32は、リーフスプリング31の前端側の目玉部(図示省略)を挿通してリーフスプリング31を支持する。
左右のエネルギー吸収体29は、両端が開口する薄肉の金属によって形成される筒状体であって、後端がFUP取付ブラケット28の下端部の前面に溶接やボルト等(図示省略)によってそれぞれ固定され、補助フレーム5の下方で前後方向に延びる。エネルギー吸収体29の内周面には、その周方向に沿って形成される環状の浅い溝部30がエネルギー吸収体29の前後に亘って略等間隔に複数(本実施形態では5つ)配置される。エネルギー吸収体29に後方への所定の大きさの荷重が入力すると、エネルギー吸収体29は、圧縮されて複数の溝部30で変形する。
FUPバー27は、所望の強度を有する部材によって略矩形管形状に形成され、トラック1の前端下部のフロントバンパ6の下方で車幅方向に延びる。FUPバー27の後面は、左右のエネルギー吸収体29の双方の前端に溶接やボルト等(図示省略)によって固定される。FUPバー27の前面34は、フロントバンパ6の前面と略同一平面上に配置され、エネルギー吸収機構のエネルギー入力部として機能する。
上記構成の前部構造10を備えるトラック1の前部と乗用車(他の車両)33(図1参照)の前端部33aとが衝突して乗用車33の前端部33aがFUPバー27の前面34に当接した場合、FUP7は、乗用車33から入力される衝突エネルギーが所定の大きさになるまで、補助フレーム5の下方への乗用車33の進入を防止する。上記所定の大きさよりも大きな衝突エネルギーが乗用車33からFUP7に入力すると、FUPバー27がエネルギー吸収体29を圧縮変形させながら後方のFUP取付ブラケット28側へ移動し、乗用車33が補助フレーム5の下方へ進入する。エネルギー吸収体29は、FUPバー27とFUP取付ブラケット28との間で圧縮され、複数の溝部30で変形することによって衝突エネルギーを吸収する。FUP7は、トラック1の下方への乗用車33の進入をFUP取付ブラケット28の前方までに規制する。
上記のように構成された前部構造10を備えるトラック1では、補助フレーム5は、フロントクロスフレーム12aよりも前方へ延び、フロントクロスフレーム12aの下面23よりも上方に配置されて車体フレーム4に固定される。このため、乗用車33がトラック1の前部に衝突した場合に、補助フレーム5がフロントクロスフレーム12aの下面23の高さ位置(図2中にH1で示す位置)よりも上方に配置されている分だけ乗用車33の前端部33aが補助フレーム5に干渉し難くなり、乗用車33が補助フレーム5の下方へ進入し易くなる。従って、乗用車33の前端部33aが比較的高い場合であっても、補助フレーム5の下方に配置されるFUP7のエネルギー吸収体29によって衝突時の衝突エネルギーを確実に吸収することができる。
このように、本実施形態によれば、トラック1の前部に乗用車33が衝突した際の衝突エネルギーの吸収性能に関し、乗用車33の前端部33aの高さによる影響を受け難い構造とすることができる。
また、FUPバー27をトラック1の前端下部に配置し、FUP取付ブラケット28をトラック1の前端から後方へ離間した左右のフロントタイヤ8の近傍に配置している。このように、FUPバー27とFUP取付ブラケット28との間の距離を比較的長く確保することによって、比較的長いエネルギー吸収体29を使用することができるとともに、後方へのFUPバー27の移動距離を長く確保することができる。これにより、エネルギー吸収体29に多くの衝突エネルギーを吸収させることができ、衝突エネルギーの吸収性能が高いFUP(エネルギー吸収機構)7とすることができる。
また、左右のサイドフレーム11の前端をトラック1の前端から後方へ離間させた分だけ車体フレーム4を短縮しているので、車体フレーム4を軽量化することができる。また、衝突エネルギーが入力するFUP7や重量物であるエンジン3を車体フレーム4側に固定して補助フレーム5に要求される強度を低く抑え、補助フレーム5を車体フレーム4よりも薄肉に形成しているので、補助フレーム5を軽量化することができる。このように、車体フレーム4及び補助フレーム5の双方を軽量化することにより、トラック1全体を軽量化することが可能となる。なお、補助フレーム5が支持する冷却装置26は、エンジン3等に比べて軽量であるため、補助フレーム5の軽量化の障害とはなり難い。
また、車体フレーム4と補助フレーム5とが別体であるので、異なる車種間で車体フレーム4及び補助フレーム5の一方又は双方の部品の共通化を図ることができる。例えば、車体フレーム4に対する補助フレーム5の傾斜角度のみが異なる車種に対しては、車体フレーム4に補助フレーム5を各車種に応じた傾斜角度で固定することによって対応することが可能であり、部品の共通化による製造コストの削減が可能となる。
また、車体フレーム4のフロントクロスフレーム12aの前方に配置される冷却装置26を前方及び車幅方向両側から囲うように補助フレーム5が配置されるので、前方及び側方からの衝撃から冷却装置26を保護することができる。
なお、エネルギー吸収体29は、内周面に複数の溝部30を有し、薄肉の金属によって形成される筒状体に限定されるものではなく、衝突エネルギーを吸収可能であれば他の構造であってもよい。例えば、FUPバー27とFUP取付ブラケット28とに挟持されて前後方向に伸縮可能なコイルスプリングと、該コイルスプリングの内側を挿通してFUP取付ブラケット28に前後方向にスライド移動自在に支持されるスライド軸と、を有し、該スライド軸の前端部にはFUPバー27が固定されるエネルギー吸収体であってもよい。
また、本実施形態では、FUP取付ブラケット28をリーフスプリング31の支持部材として兼用したが、FUP取付ブラケット28とリーフスプリング31の支持部材とを別体で設けてもよい。
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態に係る車両の前部構造40は、第1実施形態のFUP7に替えてエネルギー吸収機構として機能しないFUP41と、該FUP41の上方に配置されるエネルギー吸収体(エネルギー吸収機構)45とを備えたものであり、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図4に示すように、FUP41は、左右1対の連結部材43とFUPバー44とを有し、左右1対のFUP取付ブラケット42を介して車体フレーム4に固定され、トラック1と他の車両(図示省略)との衝突の際にトラック1の下方への他の車両の進入を防止する。なお、図4では、左右のFUP取付ブラケット42と左右の連結部材43とは、左側のみを示す。
左右のFUP取付ブラケット42は、板状部材によって略直方体状に形成される構造体であって、それぞれの上端面が左右のサイドフレーム11の下板部15(図3参照)の下面に密接した状態で溶接やボルト等(図示省略)によって固定され、左右のサイドフレーム11の前端部13から下方へ延びる。左右のFUP取付ブラケット42は、リーフスプリング31が挿入可能な後面側の開口(図示省略)と、該開口の内側で車幅方向に延びてリーフスプリング31を支持する支持軸32とをそれぞれ有する。支持軸32は、リーフスプリング31の前端側の目玉部(図示省略)を挿通してリーフスプリング31を支持する。
左右の連結部材43は、肉厚の金属によって形成されて車両前後方向に延びる筒状体であって、左右のFUP取付ブラケット42とFUPバー44とを連結する。左右の連結部材43の後端は、左右のFUP取付ブラケット42の下端部の前面に溶接やボルト等(図示省略)によって固定される。左右の連結部材43の前端は、FUPバー44の後面に溶接やボルト等(図示省略)によってそれぞれ固定される。FUPバー44は、所望の強度を有する部材によって略矩形管形状に形成され、トラック1の前端下部のフロントバンパ6の下方で車幅方向に延びる。
エネルギー吸収体45は、前後方向に延びる多数のハニカムセル(六角形の孔)を有するハニカム構造体であり、補助フレーム5の下方且つFUPバー44の上方で車幅方向に延び、フロントバンパ6と冷却装置26との間に配置される。エネルギー吸収体45は、車幅方向両側の上下2箇所で前後方向に延びる4本のステー46(図4には左側の2本のみを示す)によって後方の左右のFUP取付ブラケット42に対して固定される。すなわち、エネルギー吸収体45が複数のステー46及びFUP取付ブラケット42を介して車体フレーム4に支持される。ハニカム構造体であるエネルギー吸収体45は、エネルギー吸収体45の前面55から入力する衝突エネルギーを吸収し、且つ後述する他の車両の前方へのピッチングを抑制する適切な強度で形成される。エネルギー吸収体45は、補助フレーム5の下方に配置されるエネルギー吸収機構として機能し、エネルギー吸収体45の前面55は、エネルギー吸収機構のエネルギー入力部として機能する。
上記構成の前部構造40を備えるトラック1の前部とボンネットの前後方向の長さが比較的短い小型車両(他の車両)の前端部とが衝突した場合、小型車両の前端部がトラック1のFUPバー44に当接し、FUP41がトラック1の下方への小型車両の進入を防止する。小型車両の前端部とFUPバー44との当接によって小型車両が前方へピッチングすると、小型車両の前端部の一部(FUPバー44よりも上方に配置される部分)が補助フレーム5の下方へ進入し、補助フレーム5の下方のエネルギー吸収体45の前面55に当接する。エネルギー吸収体45は、前面55から入力される衝突エネルギーを吸収するとともに前方への小型車両のピッチングを抑制する。
上記のように構成された前部構造40を備えるトラック1では、小型車両がトラック1の前部に衝突した場合に、補助フレーム5がフロントクロスフレーム12aの下面23の高さ位置(図4中にH2で示す位置)よりも上方に配置されている分だけ小型車両の前端部が補助フレーム5に干渉し難いので、小型車両が補助フレーム5の下方のエネルギー吸収体45及びFUPバー44に当接し易い。また、小型車両がトラック1のFUPバー44に当接して前方へピッチングした場合には、小型車両の前端部が補助フレーム5に干渉し難いので、小型車両の前端部のうちFUPバー44よりも上方が補助フレーム5の下方へ進入し易い。このため、小型車両の前端部が比較的高い場合であっても、小型車両が前方へピッチングした際に小型車両の前端部が補助フレーム5の下方に配置されるエネルギー吸収体45に衝突し易くなり、エネルギー吸収体45によって衝突エネルギーを吸収するとともに前方への小型車両のピッチングを抑制することができる。
このように、本実施形態によれば、トラック1の前部に小型車両が衝突した際の衝突エネルギーの吸収性能に関し、小型車両の前端部の高さによる影響を受け難い構造とすることができる。
なお、エネルギー吸収体45は、前後方向に延びる多数のハニカムセルを有するハニカム構造体に限られず、衝突エネルギーを吸収し、且つ前方への小型車両のピッチングを抑制する適切な強度を有していればよい。例えば、衝突エネルギーを吸収し、且つ前方への小型車両のピッチングを抑制する適切な強度を有する発泡ウレタン製のエネルギー吸収体などであってもよい。
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲では適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
例えば、左右のサイドフレーム11の上板部14の上面に左右の補助サイドフレーム17の下板部21の下面が相対向して密接した状態で、補助サイドフレーム17を左右のサイドフレーム11に固定してもよい。この場合、補助フレーム5が車体フレーム4側から前方へ略水平に延びてもよい。
また、冷却装置26の全てをフロントクロスフレーム12aの前方に配置することに限定されず、ラジエータ25のみをフロントクロスフレーム12aの前方に配置してもよく、又は冷却装置26の全てをフロントクロスフレーム12aの後方に配置してもよい。ラジエータ25のみをフロントクロスフレーム12aの前方に配置する場合には、ラジエータ25とファン24との間にシュラウドを設ける等して、ラジエータ25への送風能力が低下しないような構成にすることが好ましい。
また、エネルギー吸収機構は、第1実施形態のFUP7や第2実施形態のエネルギー吸収体45に限定されるものではなく、例えば、図5に示すように、スライド式フロントアンダーランプロテクタ(エネルギー吸収機構)54であってもよい。スライド式フロントアンダーランプロテクタ(以下、スライド式FUPと称する)54は、左右のサイドフレーム11の下板部15の下面に前後方向に延びた状態で固定される左右のスライドレール47と、左右のスライドレール47にスライド移動自在に支持される左右のFUP取付ブラケット48と、左右のスライドレール47のそれぞれの後方に配置されて車体フレーム4に固定される断面L字状の左右の支持部材51と、薄肉の金属によって筒状に形成されて左右のFUP取付ブラケット48の後面部と左右の支持部材51とを連結する左右のエネルギー吸収体52と、補助フレーム5の下方に配置されるFUP53とを有し、エネルギー吸収機構として機能する。FUP53は、トラック1の前端下部で車幅方向に延びるFUPバー49と、FUPバー49と左右のFUP取付ブラケット48とを連結する左右の連結部材50とを有する。FUPバー49の前面56は、衝突の際の衝突エネルギーが入力する入力部として機能する。なお、図5では、左右のサイドフレーム11、左右のスライドレール47、左右のFUP取付ブラケット48、左右の支持部材51、左右のエネルギー吸収体52、及び左右の連結部材50は左側のみを示す。
このスライド式FUP54では、乗用車33(図1参照)がFUPバー49の前面56に衝突した場合、乗用車33から入力される衝突エネルギーが所定の大きさになるまで、補助フレーム5の下方への乗用車33の進入を防止する。前記所定の大きさよりも大きな衝突エネルギーが乗用車33から入力すると、FUP取付ブラケット48がエネルギー吸収体52を圧縮変形させながら後方の支持部材51側へスライド移動し、乗用車33が補助フレーム5の下方へ進入する。エネルギー吸収体52は、FUP取付ブラケット48と支持部材51との間で圧縮されて変形することによって衝突エネルギーを吸収する。
1:トラック(車両)
4:車体フレーム(フレーム)
5:補助フレーム
7:フロントアンダーランプロテクタ(エネルギー吸収機構)
10,40:車両の前部構造
11:左右のサイドフレーム
12:複数のクロスフレーム
12a:フロントクロスフレーム
13:左右のサイドフレームの前端部
17:左右の補助サイドフレーム
18:左右の補助サイドフレームの前端部
19:補助クロスフレーム
23:フロントクロスフレームの下面
29:エネルギー吸収体
33:乗用車(他の車両)
41:フロントアンダーランプロテクタ
45:エネルギー吸収体(エネルギー吸収機構)
54:スライド式フロントアンダーランプロテクタ(エネルギー吸収機構)
4:車体フレーム(フレーム)
5:補助フレーム
7:フロントアンダーランプロテクタ(エネルギー吸収機構)
10,40:車両の前部構造
11:左右のサイドフレーム
12:複数のクロスフレーム
12a:フロントクロスフレーム
13:左右のサイドフレームの前端部
17:左右の補助サイドフレーム
18:左右の補助サイドフレームの前端部
19:補助クロスフレーム
23:フロントクロスフレームの下面
29:エネルギー吸収体
33:乗用車(他の車両)
41:フロントアンダーランプロテクタ
45:エネルギー吸収体(エネルギー吸収機構)
54:スライド式フロントアンダーランプロテクタ(エネルギー吸収機構)
Claims (1)
- 車両の車幅方向の両側で前後方向に延びる左右1対のサイドフレームと、車幅方向に延びて前記左右のサイドフレームの前端部同士を連結するフロントクロスフレームとを有するフレームと、
前記左右のサイドフレームのそれぞれの前端部に固定されて前記フロントクロスフレームの下面よりも上方で前方へ延びる左右1対の補助サイドフレームと、前記フロントクロスフレームの下面よりも上方で且つ前記車両の前端下部で車幅方向に延びて前記左右の補助サイドフレームの前端部同士を連結する補助クロスフレームとを有する補助フレームと、
前記補助フレームの下方に配置されて前記フレームに支持され、前記補助フレームの下方に進入する他の車両との衝突時に衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収機構と、を備える
ことを特徴とする車両の前部構造。
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---|---|
JP (1) | JP2015009583A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP4112391A1 (en) * | 2021-06-30 | 2023-01-04 | Volvo Truck Corporation | A chassis assembly for a vehicle |
-
2013
- 2013-06-26 JP JP2013134045A patent/JP2015009583A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP4112391A1 (en) * | 2021-06-30 | 2023-01-04 | Volvo Truck Corporation | A chassis assembly for a vehicle |
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