JP2013052598A - 壁面パネル、横矢板及び親杭横矢板式防水防護柵 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炭素繊維を含有する熱硬化性樹脂複合化物を主成分とする熱硬化性樹脂層の表裏両面に、熱可塑性樹脂を主成分とする接着層とハロゲンを含有する熱可塑性樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層とが積層された積層体からなる面板を、芯材の厚み方向両側に重合して壁面パネルを構成する。
【選択図】図1
Description
また、前記構成において、芯材が合成樹脂製の梁材を前記積層面板間に複数並置した形成された構成を有することを特徴とする。
また、本発明の親杭横矢板式防水防護柵は、前記構成の横矢板と、この横矢板を架け渡すための親杭とを備えた構成を有することを特徴とする。
これを用いて構成される横矢板は、軽量で取り扱い易く且つ安価に作製可能であり、その両側縁を親杭間に掛け渡し、複数枚を積み重ねることにより、高い水密性を発揮する防水防護柵を構成することができる。本発明の横矢板を用いれば、河川区域に、迅速且つ簡単な作業で、高い水密性を有する親杭横矢板式防水防護柵を設置することが可能である。
なお、本発明の壁面パネルは、横矢板以外の構造物や建築物の壁面を構成する壁面パネルとして適宜に利用可能である。
先ず、壁面パネルを構成する積層体について説明する。
本発明の壁面パネルを構成する積層体(以下「本積層体」又は「積層体」と称する)は、炭素繊維を含有する熱硬化性樹脂複合化物Aを主成分とする熱硬化性樹脂層(X層)と、熱可塑性樹脂Bを主成分とし、且つ特定の成分Cを含有する接着層(Y層)と、ハロゲンを含有する熱可塑性樹脂Dを主成分とする熱可塑性樹脂層(Z層)とが積層されてなる構成を備えた積層体である。
熱硬化性樹脂層(X層)は、炭素繊維を含有する熱硬化性樹脂複合化物Aを主成分とする層であればよい。
熱硬化性樹脂複合化物Aとは、炭素繊維を主成分とする繊維体と、マトリックス樹脂としての熱硬化性樹脂とを複合一体化してなる複合化物である。
熱硬化性樹脂複合化物Aを構成する熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シアネートエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂からなる群より選ばれた1種の樹脂又は2種以上の樹脂、或いは、これらの変性体、又は、前記1種の樹脂又は2種以上の樹脂或いはこれらの変性体に、エラストマーやゴム成分、硬化剤、硬化促進剤、触媒等を添加した樹脂組成物を挙げることができる。
特にエポキシ樹脂は接着性が高いため、例えば炭素繊維を含有する熱硬化性樹脂複合化物、すなわち炭素繊維と熱硬化性樹脂との複合化物からX層を形成する場合に、マトリックス樹脂としてエポキシ樹脂を用いると、高い力学特性を得ることができる。よって、炭素繊維を含有するエポキシ樹脂複合化物が好ましい。
アミン類を前駆体とするグリシジルアミン型エポキシ樹脂として、例えばテトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール及びトリグリシジルアミノクレゾールの各種異性体などを挙げることができる。中でも、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンは、耐熱性に優れており好ましい。
エポキシ樹脂を用いる場合は、硬化剤や硬化触媒等を含んでもよいし、含まなくてもよいが、ライフの面から後者の方が好ましい。前者の場合でも潜在性の高い硬化剤や硬化触媒であれば、特に大きな問題とはならない。
また、エポキシ樹脂は、添加剤としてフェノキシ樹脂やビスフェノールA型エポキシ樹脂モノマー及びジフェニルアミンを含んでもよい。
熱硬化性樹脂複合化物Aを構成する炭素繊維としては、炭素の含有率が85〜100質量%の範囲内であり、少なくとも部分的にグラファイト構造を有する繊維状材料であるのが好ましい。例えばポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、リグニン系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブなどを挙げることができる。
中でも、高剛性、二次加工性の発現などの面から、ポリアクリロニトリル系炭素繊維やピッチ系炭素繊維が特に好ましい。
連続した炭素繊維の長さは、連続繊維で強化された繊維強化樹脂の取扱い性に優れることや、高い剛性が得られるため、10mm以上であるのが好ましい。
炭素繊維と熱硬化性樹脂とを複合化する方法としては、細かく切断した繊維をプラスチック中に均一に混入させる方法や、連続繊維に方向性を持たせたままプラスチックに浸潤させる方法などを挙げることができる。より具体的には、熱硬化性樹脂中に炭素繊維を含浸させた薄いシート状の含浸体からなるプリプレグを作製しておき、このプリプレグを積層して加熱溶融一体化してなる構成の樹脂複合材を挙げることができる。
Y層は、熱可塑性樹脂Bを主成分として含有し、且つ所定の成分Cを含有する層であればよい。
熱可塑性樹脂Bに特定の成分Cを配合することにより、X層とY層間、並びにY層とZ層間の界面接着性を顕著に良好にすることができる。
熱可塑性樹脂Bとしては、例えばエステル系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、オキシメチレン系樹脂、アミド系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレア系樹脂、カーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、フェニレン系樹脂、エーテルイミド系樹脂、スルホン系樹脂、アリレート系樹脂、エーテルスルホン、ケトン、エーテルケトン、エーテルエーテルケトン、エーテルケトンケトン、アリレート、エーテルニトリル系樹脂、イミド、アミドイミド系樹脂、フェノール系樹脂、テトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂等を挙げることができ、これらのうちの1種又は2種以上の混合樹脂或いは共重合体を選択して用いることができる。
中でも、好適な成形温度を有するという観点から、例えばABS樹脂(ブレンドタイプ)、ABS樹脂(グラフトタイプ)、メタクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル/スチレン共重合物(AS樹脂)、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂などが好ましく、これらのうちの1種又は2種以上の混合樹脂或いは共重合体を選択して好適に用いることができる。なお、熱可塑性樹脂Bは発泡性であってもよい。
これらの塩素含有樹脂は、懸濁重合、乳化重合及び溶液重合等のいずれの方法によって製造されたものも使用することができる。
この際、安定剤としては、例えばカルシウム、マグネシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、スズ、鉛などの金属の有機酸塩、無機酸塩などから選ばれる1種以上を採用することができる。
可塑剤としては、例えばジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジエチルフタレートなどのジアルキルフタレート類、トリクレジルホスフェート、トリエチルホスフェートなどのホスフェート類、エポキシ化大豆油などのエポキシ化合物類などから選ばれる1種以上を採用することができる。
滑剤としては、例えばポリエチレンワックスなどの炭化水素類、ステアリン酸などの高級脂肪酸類、ブチルステアレートなどのエステル類などから選ばれる1種以上を採用することができる。
熱可塑制樹脂Bに多種類の樹脂を添加して試験した結果、次の(a)〜(c)から選択される1種又は2種以上の成分を配合すると、Y層の界面接着性を顕著に良好にすることができ、剛性に優れた性能を得られることが分かった。
(a)フェノキシ樹脂
(b)グリシジルエーテル型エポキシ樹脂
(c)アリールアミン型酸化防止剤
フェノキシ樹脂は、末端にエポキシ基を有する樹脂であり、これがエポキシ樹脂と反応するため、熱硬化性樹脂複合化物Aの熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用する場合に特に好適である。
これらの中でも、上述した好ましい重量平均分子量60,000を有するJER E1256が好ましく使用される。
本積層体に用いるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂として、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂及びレゾルシノール型エポキシ樹脂などを挙げることができる。
他方、 固形のビスフェノールA型エポキシ樹脂は、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂に比較し架橋密度の低い構造を与えるため耐熱性は低くなるが、より靭性の高い構造が得られるため、グリシジルアミン型エポキシ樹脂や液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂などと組み合わせて用いるのが好ましい。
また、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂及びジフェニルフルオレン型エポキシ樹脂も、低吸水率の硬化樹脂を与えるため、好適に用いることができる。
ウレタン変性エポキシ樹脂及びイソシアネート変性エポキシ樹脂は、破壊靱性と伸度の高い硬化樹脂を与えるため、好適に用いることができる。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、ジャパンエポキシレジン社製「JER806、807及び1750」、大日本インキ化学工業(株)製「エピクロン830」、及び東都化成(株)製「エポトートYD―170」などを挙げることができる。
レゾルシノール型エポキシ樹脂の市販品としては、ナガセケムテックス(株)製「デコナールEX−201」などを挙げることができる。
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン型のエポキシ樹脂市販品としては、住友化学(株)製「ELM434」、Vantico社製「アラルダイトMY720、MY721、MY9512、MY9663、東都化成(株)製「エポトートYH―434」などを挙げることができる。
アミノフェノール型のエポキシ樹脂市販品としては、住友化学(株)製「ELM120やELM100」、ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート630」、Vantico社製「アラルダイトMY0510」などを挙げることができる。
グリシジルアニリン型のエポキシ樹脂市販品としては、日本化薬(株)製「GANやGOT」などを挙げることができる。
ビフェニル型エポキシ樹脂の市販品としては、日本化薬(株)「NC−3000」などを挙げることができる。
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の市販品としては、大日本インキ化学工業(株)製「HP7200」などを挙げることができる。
ウレタン変性エポキシ樹脂の市販品としては、旭化成エポキシ(株)製「AER4152」などを挙げることができる。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、ダウケミカル社製「DEN431やDEN438」、及びジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート」などを挙げることができる。
本積層体に用いるアリールアミン型酸化防止剤として、アリール基を有する2級アミンであれば好適に使用することができる。例えば4,4’−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(精工化学社製「ノンフレックスDCD」)、4,4’−ジオクチルジフェニルアミン(精工化学社製「ノンフレックスOD」)、フェニル−1−ナフチルアミン(大内新興化学社製「ノックラックPA」)、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン(大内新興化学社製「ノックラックホワイト」)、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(大内新興社化学製「ノックラックDP」)、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(大内新興化学社製「ノックラック810−NA」)、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(大内新興化学社製「ノックラック6C」)、N−フェニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン(大内新興化学社製「ノックラックG−1」)等を挙げることができる。
成分Cは、熱可塑制樹脂B100質量部に対して0.01〜100質量部の割合で含まれるのが好ましい。0.01質量部以上であれば接着性向上効果が発揮でき、100質量部以下であれば成形性が良好である。よって、かかる観点から、成分Cの含有量は、熱可塑制樹脂B100質量部に対して0.1〜30質量部であるのが特に好ましく、中でも0.1〜10質量部であるのがさらに好ましい。
Y層は、諸物性を改良、調整する目的で、本発明の効果を著しく阻害しない範囲で他の樹脂や、改質剤、充填剤、可塑剤、紫外線吸収剤、安定剤などを適宜含有することは適宜可能である。
Z層は、ハロゲンを含有する熱可塑性樹脂D(以下「ハロゲン含有熱可塑性樹脂D」とも称する)を主成分とする層であればよい。
具体的には、例えばポリ塩化ビニル、ポリ臭化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、エチレン・四フッ化エチレン共重合体、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体等を挙げることができ、これら2種類以上の樹脂からなるアロイも、ハロゲン含有熱可塑性樹脂Dとして用いることもできる。
また、これらのハロゲン含有樹脂と、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート等の非含有ハロゲン樹脂とのアロイも、ハロゲン含有熱可塑性樹脂Dとして用いることもできる。
さらにまた、チーグラー型触媒を用いて製造されるオレフィン樹脂中には、ハロゲン含有触媒残渣を含むが、かかるハロゲン含有触媒残渣を含んだオレフィン樹脂も、ハロゲン含有熱可塑性樹脂Dとして用いることができる。
塩素含有樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン等のホモポリマー、塩化ビニルに共重合可能な不飽和結合を有するモノマーと塩化ビニルとのコポリマー、ポリ塩化ビニルにグラフト重合可能な不飽和結合を有するモノマーとポリ塩化ビニルとのグラフトポリマー、塩化ビニルにグラフト重合可能な不飽和結合を有するポリマーと塩化ビニルとのグラフトポリマー、及びこれらの混合物を挙げることができる。
これらの塩素含有樹脂は、懸濁重合、乳化重合及び溶液重合等のいずれの方法によって製造されたものも使用することができる。
この際、安定剤としては、例えばカルシウム、マグネシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、スズ、鉛などの金属の有機酸塩、無機酸塩などから選ばれる1種以上が採用される。
可塑剤としては、例えばジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジエチルフタレートなどのジアルキルフタレート類、トリクレジルホスフェート、トリエチルホスフェートなどのホスフェート類、エポキシ化大豆油などのエポキシ化合物類などから選ばれる1種以上が採用される。
滑剤としては、例えばポリエチレンワックスなどの炭化水素類、ステアリン酸などの高級脂肪酸類、ブチルステアレートなどのエステル類などから選ばれる1種以上が採用される。
Z層は、諸物性を改良、調整する目的で、本発明の効果を著しく阻害しない範囲で他の樹脂や、改質剤、充填剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、安定剤などを適宜含有することは適宜可能である。
本積層体の積層構成としては、熱硬化性樹脂層(X層)と熱可塑性樹脂層(Y層)と熱可塑性樹脂層(Z層)をそれぞれ1層以上備えていればよい。例えばX層/Y層/Z層、X層/Z層/Y層からなる3層構成であってもよいし、Z層/Y層/X層/Y層、Z層/Y層/X層/Z層、Y層/X層/Z層/X層などからなる4層構成であってもよいし、さらにそれ以上の多層構成、例えばZ層/Y層/X層/Y層/Z層/Y層/X層/Y層/Z層などであってもよい。
また、必要に応じて、X層とY層の間、X層とZ層の間、Y層とZ層の間に他の層が介在してもよい。
また、剛性を高めるため、Z層を最外層に配置する構成、特にZ層を表裏層として配置するのが好ましい。
本積層体は、未硬化状態の熱硬化性樹脂を含有する熱硬化性樹脂複合化物Aを主成分するX層形成シート、熱可塑性樹脂Bを主成分とし、且つ成分Cを含有するY層形成シート、ハロゲン含有熱可塑性樹脂Dを主成分とするZ層形成シートをとそれぞれ作製し、これらのシートを積層し、互いに結合することにより得ることができる。但し、この製法に限定されるものではない。
他方、Y層形成シート及びZ層形成シートは、例えばカレンダ法または押出し法などの公知の成形方法で成形すればよい。
熱可塑性樹脂Bに特定の成分Cを配合することにより、X層とY層間、並びにY層とZ層間の熱圧着による界面接着性を顕著に良好にすることができる。
例えば、未硬化状態の熱硬化性樹脂を含有する熱硬化性樹脂複合化物Aを主成分するX層形成シートと、熱可塑性樹脂Bを主成分とし、且つ成分Cを含有するY層形成シートと、ハロゲン含有熱可塑性樹脂Dを主成分とするZ層形成シートとを重ねて積層し、これらを加熱及び加圧して熱圧着すればよい。
この際の熱圧着条件の目安としては、例えば温度を160〜220℃、圧力を10kg/cm2〜100kg/cm2、時間を10分〜100分とするのが好ましい。
本発明において「主成分」とは、特に記載しない限り、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含する。この際、当該主成分の含有割合を特定するものではないが、主成分(2成分以上が主成分である場合には、これらの合計量)が組成物中の50質量%以上、特に70質量%以上、中でも特に90質量%以上(100%含む)を占めるのが好ましい。
また、本発明において、「X以上」(Xは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
芯材3は、ある程度の剛性を有する軽量な材料のものを使用することが好ましく、例えば発泡ウレタンや発泡スチロールなどの発泡合成樹脂材料や、ハニカムコアなどの厚み方向に仕切られた隔壁材を用いて適宜な厚みに形成することができる。
また、同図(B)に示されるように、壁面パネル1の周側辺を囲う枠材4と、枠材4の内部に複数本並置した梁材5により芯材3を構成し、枠材4と梁材5の両側に積層体2,2を重合し、接合部分を接着や溶着により固着一体化して壁面パネル1を構成してもよい。枠材4や梁材5には、塩化ビニル樹脂などの合成樹脂製の角材を用いることができる。
さらに、同図(C)に示されるように、枠材4と梁材5で区画される空間部内に充填材3aとして前記発泡合成樹脂材料や隔壁材を充填して芯材3を構成してもよい。
壁面パネル1の縦横の寸法や厚みは、その利用用途などに応じて適宜に設定することができる。
防水防護柵14は、横矢板11を親杭12,12間に挟持させた状態で、親杭12,12の上方から横矢板11を順次複数枚立て込めることにより、防水防護柵を所定の高さの形成することができる。この場合、使用する横矢板11の枚数は、設置すべき防水防護柵14の高さ及び横矢板11の縦方向の長さを考慮して1〜20枚、好ましくは1〜10枚の範囲で適宜に設定することができる。また、図4に示されるように、横矢板11を親杭12,12間に挟持させた状態で親杭12と横矢板11の接合部の水密性を向上させる目的で、親杭12の挟持部12aの内側に止水部材15を取り付けることが好ましい。止水部材15の材質は、前述した横矢板11の止水部材11cと同一材料又は異なる材料を用いることができる。
先ず、実施例で用いる積層体2の成形原料について説明する。
炭素繊維を含有する熱硬化性樹脂複合化物Aとして、未硬化エポキシ樹脂を含浸させたPAN系炭素繊維プリプレグシート(炭素繊維:引張弾性率230GPa、目付け250g/m2)を用いた。
また、成分Cとしての、フェノキシ樹脂であるビスフェノールA型フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「JER E1256」、重量平均分子量60,000)3質量部を、同じくY層の原料として用いた。
上記の熱可塑性樹脂B、錫系熱安定剤及び滑剤からなる樹脂組成物と、上記成分C(熱可塑性樹脂Bを100質量部に対して5質量部)とをロールで5分間混練し、0.2mm厚みのロールシート(;Y層形成シート)を得た。
上記のハロゲン含有熱可塑性樹脂D、錫系熱安定剤、滑剤及び紫外線吸収剤からなる樹脂組成物をロールで5分間混練し、1mm厚みのロールシート(;Z層形成シート)を得た。
前記エポキシ樹脂を含浸させた炭素繊維プリプレグシート(X層)の表裏面に上記Y層形成シートを重ねるとともに、上記Z層形成シートをそれぞれ重ねて5層構成(Z/Y/X/Y/Z=1mm/0.2mm/0.85mm/0.2mm/1mm)とし、これを温度180℃×圧力30kg/cm2で熱圧着して、図5に示されるように、厚さ2.5mmの5層の積層体2(Z/Y/X/Y/Z)を得た。
壁面パネル1の形成寸法は縦横(長手辺と短手辺)が150cm×30cm、厚みが3cmで、その質量(重さ)は4kgであった。なお、角パイプは断面寸法が25mm×25mm、肉厚は3mmのものを用いた。
実施例1において、芯材3として発泡ウレタンの代わりに、紙製のハニカムコア隔壁材(新日本フェザーコア株式会社製「ハニコーム−P」)を用いた以外は、実施例1と同様に壁面パネル1を得た。壁面パネル1の質量は4.5kgであった。
実施例1と同じ角パイプを用い、図7に示されるように、芯材3を枠材4と梁材5により構成し、実施例1と同じ5層の積層体2,2を面板として重合し、固着一体化して、実施例1と同寸法の壁面パネル1を得た。壁面パネル1の質量は4.2kgであった。
実施例1において、芯材3として発泡ウレタン樹脂の代わりに、比重0.03の発泡スチロールを用いた以外は、実施例1と同様に壁面パネル1を得た。積層体2,2と発泡スチロールの接着は一液加熱硬化型エポキシ樹脂を用いた。壁面パネル1の質量は2kgであった。
実施例1と同じ成形原料を用いたシートと、0.5mmと28mmの厚みにそれぞれ形成したZ層形成シートを用い、前記エポキシ樹脂を含浸させた炭素繊維プリプレグシート(X層)の表裏面に前記Y層形成シートを重ねるとともに、前記0.5mmと28mmのZ層形成シートを重ねて9層構成(Z/Y/X/Y/Z/Y/X/Y/Z)とし、カレンダーロールを用いて温度180℃×圧力30kg/cm2で熱圧着し、図8に示される、9層の積層体(Z/Y/X/Y/Z/Y/X/Y/Z=0.5mm/0.2mm/0.1mm/0.2mm/28mm/0.2mm/0.1mm/0.2mm/0.5mm)を形成し、これを実施例1の壁面パネルと同寸法に加工して比較例の壁面パネルを得た。壁面パネルの質量は25kgであった。
実施例及び比較例で作製した壁面パネルを試験片とし、試験片の両側を下側から支持し、その中央に上方から集中加重かける3点曲げ試験によりパネルの撓み量を測定した。
なお、想定荷重は420kg、スパンを1.4mに設定し、荷重の載荷方法は等分布荷重を点荷重に置き換えて実施した。測定結果を表1に示す。
Claims (5)
- 炭素繊維を含有する熱硬化性樹脂複合化物を主成分とする熱硬化性樹脂層の表裏両面に、熱可塑性樹脂を主成分とする接着層とハロゲンを含有する熱可塑性樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層とが積層された積層体からなる面板を、芯材の厚み方向両側に重合してなる構成を有することを特徴とする壁面パネル。
- 前記芯材が発泡合成樹脂材料又はハニカムコアなどの厚み方向に仕切られた隔壁材により形成された構成を有することを特徴とする請求項1に記載の壁面パネル。
- 前記芯材が合成樹脂製の梁材を前記積層面板間に複数並置した形成された構成を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の壁面パネル。
- 請求項1〜3の何れかに記載の壁面パネルの上端部及び/又は下端部に止水部材を取り付けた構成を有する横矢板。
- 請求項4に記載の横矢板と、この横矢板を架け渡すための親杭とを備えた構成を有する親杭横矢板式防水防護柵。
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