以下、本発明を実施するための形態の一例として、マンションなどの集合住宅において実施するに好適な電気自動車の充電システムに関する実施例につき添付図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施例に示す集合住宅では、電気自動車の充電システムとともに宅配ボックスが配置され、この宅配ボックスの制御回路(101)と、充電制御部の制御回路(201)とが協働して充電制御を行う構成を示すが、以下の実施例における充電制御は必ずしもこのような制御部の構成を必須とするものではなく、たとえば独立した電気自動車の充電システムが配置される構成においては電気自動車の充電システムの充電制御部が後述の充電制御を行えばよい。
図1は本発明を採用した電気自動車の充電システムの要部構成を、図2は同システムの全体構成を示している。
以下、図1および図2を参照して、本発明を採用した電気自動車の充電システムのハードウェア構成につき説明する。
本実施例の電気自動車の充電システムは、マンションなどの集合住宅に設置されるもので、図2に示すように、駐車スペース208に充電出力手段として配置された充電レセプタクル205、205…および中速充電器207、207…を含む。
駐車スペース208は複数台分図示してあり、これらは各居住者ごとに割り当てられ、各居住者が保有する電気自動車(電気自転車などを含む)が専有的に使用するスペース、あるいは、他の駐車位置から居住者が車両を移動してきて充電のみ行うような共用の充電スペースであってよい。充電対象の電気自動車は、各居住者が保有するものであってもよいし、また、その集合住宅の居住者で共有(カーシェアリング)されるものであってもよい。充電対象の電気自動車が共有(カーシェアリング)される場合は、電気自動車は所定の予約手続を経て予約管理される。
本実施例の充電システムでは、充電制御に宅配ボックス100の制御回路(図1)を用いる。宅配ボックス100は図2に示すように、マンションの居住者が宅配物の授受の際、また後述の充電管理や充電サービスに関する問い合せなどの際に操作する操作表示部151を有する。また、操作表示部151は、居住者(あるいは宅配業者)の認証手段としてのIDカード(ICカードなど)を読み取るためのカードインターフェースを含む。
操作表示部151の下部には、キーボックス160が配置されているが、このキーボックス160はカーシェアリングを行う場合に利用されるもので、たとえば、電気自動車が所定の予約手続を経て予約されると、このキーボックス160を介して利用者に電気自動車のキーが引き渡される。
宅配ボックス100はケーブル204を介して、駐車スペース208に配置された充電レセプタクル205、205…および中速充電器207、207…などの充電ハードウェアと接続される。
宅配ボックス100の制御回路(図1)は、インターネット(あるいは専用線や公衆線などを利用したネットワーク)400を介して遠隔地の管理システム401と接続される。後述の充電制御(あるいは宅配ボックス制御の一部または全部)はこの管理システムが実行することもできるが、本実施例では充電料金の課金に関する制御をこの遠隔地の管理システム401が実行するものとする。
この管理システム401は、たとえば銀行口座の引き落しシステムなどとのインターフェース403を有する課金システム402と接続されており、管理帳票データベースに記録される後述の充電管理情報に基づき、課金システム402を介して充電料金の課金を行うことができる。ただし、インターフェース403は銀行口座の引き落しシステムなどと連絡するためのものでなくてもよく、充電料金の請求書(たとえばマンションの管理組合を請求人とする)の発行システムなどであってもよい。
また、管理システム401には、課金に関するもの以外のデータ管理のために用いられるデータベース442を有する。
データベース442は、電気自動車の充電制御に必要な情報、宅配ボックスの利用状況に関する統計情報を格納し、これらの情報を管理する。
特に電気自動車の充電制御に関しては、図11に示すようにデータベース442は、車種識別(ID)データ4421ごとに、充電電流制御パターンデータ4422、その他の充電条件を制御する充電条件データ4423、充電終了条件データ4424などの条件を格納する。図11の行方向に並んだデータが車種識別(ID)データ4421に対応する電気自動車の充電電流制御パターンデータ4422、充電条件データ4423、充電終了条件データ4424から成る充電管理情報を格納した1レコードを構成する。
本実施例では複数台の電気自動車の同時充電制御を行なうために、複数の充電器に接続された電気自動車のいずれをどのような組合せで充電するか、また、充電の順番などを制御するためにデータベース442の充電管理情報4421〜4424を用いる。
車種識別(ID)データ4421は、たとえば電気自動車の車種などに応じて定められたもので、図ではE001、E002…などと示してあるが、任意のニーモニックにより表現されていてよい。この車種識別(ID)データ4421に対応する各充電管理情報4422〜4424は、たとえばインターネット400などを介して自動車メーカーなどから入手するか、あるいはあらかじめ自動車メーカーから供給されたデータをデータベース442に格納しておく。
充電電流パターンデータ4422は、後述の図10で説明するような充電電流の波形パターンを表現したグラフィックデータ、たとえば複数の変曲点などのベクタ情報を格納したファイルやアドレスへのポインタP01、P02…などから成る。なお、充電電流の波形パターンの表現形式は任意である。
充電条件データ4423は、たとえば平均充電電流値や、図10に示すような充電初期や終期において行なうパルス充電期間の電流波高値やデューティ比、などの数値データを格納したファイルやアドレスへのポインタP11、P12…などから成る。
充電終了条件データ4424は、充電を終了させるための条件、たとえば、充電を終了してよい充電電流値、またその充電電流値となってからの経過時間、などの数値データを格納したファイルやアドレスへのポインタP21、P22…などから成る。
充電電流パターンデータ4422、充電条件データ4423、および充電終了条件データ4424を用意しておくことにより、車種識別(ID)データ4421により識別される電気自動車に適した充電電流制御を行うことができる。
なお、管理システム401のデータベース442に格納した充電管理情報4421〜4424は、後述の宅配ボックス制御部101によりインターネット400を介して参照でき、また、必要に応じて宅配ボックス制御部101の中継を経て充電制御部200の制御回路201で参照できるものとする。以下では、説明を容易にするために、上記のようなデータベース442〜宅配ボックス制御部101〜充電制御部200の制御回路201の通信についてはその都度の詳細な説明を省略するものとする。
なお、本実施例では、管理システム401は充電システムおよび宅配ボックスが配置される集合住宅とは離れた場所に設置されているが、このようなネットワーク構成は必須ではなく、特に後述の充電制御に必要なデータベース442は充電制御部200内に設けた半導体ディスクやHDDを用いて構成することもできる。このような構成は、宅配ボックスと無関係に設置されるスタンドアローンの電気自動車の充電システムにおいて好適である。
また、本実施例においては、宅配ボックス100の制御回路は、宅配ボックス100が配置されるマンションなどの集合住宅の各居室に配置されたインターホン441と接続されている。
周知のように、このインターホン441は、いわゆるオートロックのマンションのエントランスに配置された不図示の呼出し制御パネルで居室の番号を押下して来客と通話したりすることを主な目的として配置される。本実施例のインターホン441には、液晶ディスプレイから成る表示器などが設けられている。
このインターホン441の表示器は、周知のようにエントランスに配置された監視カメラの映像を表示し、来客の画像を視認させるためなどに用いられるが、本実施例のように宅配ボックス100の制御系と接続した場合には、当該居室の居住者に対して宅配物の着荷があった場合には、その旨をインターホン441の音声や文字表示を介して通知することができる。
さらに本実施例では、特に電気自動車の充電を申し込んだ該当の居住者に対して、その居住者のインターホン441の表示器を用いて電気自動車の充電管理情報、たとえば後述のような充電開始時刻、充電終了時刻などの充電サービスに関する情報を表示するために用いることができる。
図1は、図2の全体構成を実施する場合の詳細な構成例を示したものである。図2の符号100で示したブロックは図2の宅配ボックス100にほぼ相当し、このブロック内部に示した回路が、宅配ボックス100の制御回路に相当し、従来の宅配ボックスのみの制御を行う制御回路とほぼ互換の構成を有する。
本実施例では、電気自動車300(自動車の形態で図示)の充電を行う充電制御部200を宅配ボックス100と別ブロックで示してあり、この部分は宅配ボックス100の筐体内に収容するか、あるいは駐車スペース208の近傍の所定位置などに配置される。
以下、図1の宅配ボックス100の制御回路、電気自動車300の充電を行う充電制御部200とその周辺回路につき順次説明する。
宅配ボックス100の制御手段は、主にマイクロプロセッサなどのCPUを用いて構成された宅配ボックス制御部101、後述の制御手順を格納したROM121、後述の制御手順を実行するためのワークエリアとして用いられるRAM122などから構成される。インターフェース103は、管理システム401と通信するためのネットワークインターフェース、インターホン441と通信するためのインターフェース、図2の操作表示部151(図1では不図示)と通信するためのインターフェースなどから構成される。
符号104は、複数の物品収納ボックスから構成され、これら各物品収納ボックスは、通常、宅配業者が(主に)開閉するマンションの公共側に配置された扉と、居住者が開閉するマンションのプライベート(共用部分)側に配置された扉を有し、さらにこれらの2つの扉を施錠/解錠するための電気錠1042、1043をそれぞれ有する。
ここで、1つの物品収納ボックスを居住者が専有せず、たとえば着荷ごとに宅配業者が公共側の操作表示部を用いて特定の物品収納ボックスに収容した宅配物の宛先を指定するような共用方式も考えられるが、本実施例では説明を容易にするため、物品収納ボックスは、居住者(居室)ごとに1つ割り当てられるものとする。
さらに、各物品収納ボックスは、表示部1041をそれぞれ有する。この表示部1041は、LCDやLEDなどを用いて構成され、文字表示や点滅、点灯、消灯などの表示状態を取ることができ、これらの表示状態によって物品収納ボックスの状態、たとえば物品収納ボックスに宅配物が着荷(収容)されているか否か、など物品収納ボックスに関する種々の状態を表示するとともに、本実施例では電気自動車の充電サービスに関する情報も表示できるものとする。
宅配ボックス制御部101は、従来の宅配ボックスにおけるのと同様、居住者(あるいは宅配業者)が物品収納ボックスに対する宅配荷物などの出し入れ操作を行う場合のIDカードを操作表示部151へ提示して行う認証制御、これに基づく電気錠1042、1043の解錠/施錠制御などを行う。
宅配ボックス制御部101は、充電制御部200と通信するためのインターフェース102を有する。また、充電制御部200は対応する仕様のインターフェース203を有する。宅配ボックス制御部101と、充電制御部200の間の通信インターフェースの仕様は任意で、たとえば適当な制御線を束ねて用いるインターフェースや、IEEE802.3のようなネットワークインターフェースを用いることができる。
充電制御部200は、宅配ボックス制御回路を構成する宅配ボックス制御部101(CPU)、ROM121、RAM122などと同等の構成部材から成る制御回路201と、電源回路202により構成される。電源回路202は、たとえば、最も簡単な構成においては、制御回路201の制御に基づき、単相/3相(100V、220Vなど)などの商用交流電源(不図示)の出力を充電レセプタクル205、および中速充電器207に供給するスイッチ回路などから構成される(充電レセプタクル205と中速充電器207は1つづつのみ図示)。
充電レセプタクル205は、バッテリー304を塔載した電気自動車300の充電回路308から延びる充電ケーブル302の先端のプラグ301を接続可能であり、電源回路202の出力を充電回路308に供給するために用いられる。
なお、本実施例では、充電出力手段として充電レセプタクル205を例示したが、充電出力手段(アウトレット)の構成は任意であり、充電出力手段(アウトレット)として電気自動車側の充電コネクタに接続して用いるようなケーブル・ガンのような手段を用いても、本発明を実施できることはいうまでもない。
また、本実施例では、充電ケーブルで充電レセプタクル205と電気自動車の充電回路の充電コネクタを接続して充電を行なう構成を示したが、電気自動車から外したバッテリーを充電するような構成においても本発明を実施できるのはもちろんであり、その場合、充電出力手段はワニ口クリップ付きのケーブルなど、対象のバッテリーに適した任意の構成に置換可能である。
また、これら充電レセプタクル205ごとに、後述するようにこの充電レセプタクル205の位置で充電のための認証を行うためのカードリーダー211が装着されている。このカードリーダー211には、居住者が提示するIDカード(ICカードなど)を読み取るカードインターフェースと、LCDなどを用いた表示器(詳細不図示)を設けておく。このカードリーダー211は、当該の充電レセプタクル205を用いて行なう電気自動車の充電を予約するユーザーインターフェース手段を構成する。
電気自動車300の充電回路308は、ケーブル302から入力される充電AC入力をバッテリー304を充電するための直流に変換する整流回路、また、バッテリー304の充電量などの諸条件に応じてバッテリー304の充電に適切な充電電流が得られるような電流制御回路、さらにバッテリー304の充電量を監視しつつ、フル充電になった時にケーブル302からの入力を遮断するような充電制御回路などから構成される。
中速充電器207は、例えば電気自動車300から外したバッテリー304などを短時間で充電するための充電回路から構成される。中速充電器207は、たとえばバッテリー304を短時間で効率よく充電できるような充電電流/電圧カーブを得られるよう構成された低圧直流の充電出力を得られるような充電回路から構成する。
電気自動車300のバッテリー304を(充電レセプタクル205を用いて)フル充電するには、たとえば一昼夜、といった長い充電時間が必要になることがあるが、このような中速充電器207を設けておくことにより、短時間の走行時間しか予想されないような状況において、短い充電時間で必要充分なだけの充電を行うことができる。中速充電器207にも、その位置で充電のための認証を行うためのカードリーダー211が装着されている。
充電レセプタクル205、中速充電器207、および、それらのカードリーダー211と、制御回路201、および電源回路202の間はケーブル204により接続する。
次に、図3〜図8を参照して、上記のように構成された充電システムの動作につき説明する。なお、以下では、充電レセプタクル205を用いた電気自動車300の充電を例に説明するものとし、中速充電器207を用いた充電については、充電レセプタクル205に電気自動車300から引いたケーブル302のプラグ301を接続するかわりに、バッテリー(304)を不図示のケーブルを用いて中速充電器207に接続する点が異なるだけで、それぞれのカードリーダー211を用いた認証については同様であるから説明を省略するものとする。
図3〜図7は、本充電システムの制御手順を示したもので、図3は充電制御部200の制御回路201の充電制御手順を、図4は宅配ボックス制御部101の充電制御手順を、図5は宅配ボックス制御部101の充電監視手順をそれぞれ示している。また、図6は、宅配ボックス制御部101が制御する問い合せ制御手順を、図7は宅配ボックス制御部101が制御する充電条件設定制御手順を、図8は、上記の各手順において宅配ボックス制御部101が用いる制御テーブルを示している。
宅配ボックス制御部101の制御手順については、宅配ボックス制御部101を構成するCPUの制御プログラムとして、ROM121に格納しておくことができ、充電制御部200の制御回路201の制御手順については、制御回路201を構成するCPUの制御プログラムとして、制御回路201内の同等のROMに格納しておくことができる。
まず、図3を用いて充電制御部200の制御回路201の制御につき説明する。電気自動車300の充電を行う場合、居住者は図3のステップS101において充電レセプタクル205に電気自動車300から引いたケーブル302のプラグ301を接続し、居住者は自己に割り当てられたIDカードを充電レセプタクル205のカードリーダー211に提示してID情報(居住者識別情報)を読み取らせる。
ステップS102において、充電制御部200の制御回路201は、インターフェース203、102を介して宅配ボックス制御部101と通信し、カードリーダー211で読み取ったID情報を宅配ボックス制御部101に送信する。宅配ボックス制御部101は受信したID情報が、後述する図8のテーブルデータを参照して電気自動車300の充電を許可してよい居住者のID情報であるか否かを判定し、この認証結果を充電制御部200の制御回路201に返送する。
ステップS102で充電制御部200の制御回路201が宅配ボックス制御部101から認証不可の情報を受信した場合には、ステップS103においてカードリーダー211の表示器を用いてエラー表示を行う(さらに、操作表示部151で同様のエラー表示を行なってもよい)。
ステップS104では、電気自動車300の充電に関する利用登録を行う。ここでは宅配ボックス制御部101に対して充電開始時刻、(予想)充電終了時刻、などの情報が宅配ボックス制御部101に送信され、宅配ボックス制御部101において、先に送信されたID情報と関連づけて図8のテーブルデータに格納する。
ステップS105では、電源回路202を制御してその充電AC出力をオンとし、これにより電気自動車300の充電回路308に充電電流の供給が開始される(ステップS106)。
ステップS105における充電開始制御においては、複数台の電気自動車を充電レセプタクル205に接続してある場合には、充電すべき複数台の電気自動車の組合せや順番をデータベース442の充電管理情報4421〜4424を用いて制御する。この複数台充電制御については図10を参照して後述するが、たとえば定時に複数台の電気自動車の充電を開始するような構成においては、このステップS105において、複数台分の電気自動車に充電レセプタクル205を介して充電を開始する。
このとき、宅配ボックス制御部101を経由してデータベース442から得た電気自動車300に充電管理情報に基づき、充電電流パターンなどを制御することができる。データベース442に格納した充電電流パターンなどの充電管理情報は、たとえば電気自動車300の車種情報から選択することができる。このためには、たとえばカードリーダー211に提示するIDカードに居住者の電気自動車300の車種情報を格納しておき、これを読み取ってデータベース442に格納した充電電流パターンなどの充電管理情報を選択することができる。また、カードリーダー211にキーボードや表示器のようなユーザーインターフェース手段を設けておき、居住者が車種情報を入力することによっても、データベース442に格納した充電電流パターンなどの充電管理情報を選択するための電気自動車300の車種情報を取得することができる。
ステップS107では、電源回路202の充電AC出力の監視を開始し、たとえば回路の短絡や漏電などの異常を検出した場合には電源回路202の充電AC出力をオフとし、宅配ボックス制御部101と通信し、発生した異常に対応したエラー番号などを用いてエラー発生を報告する(ステップS108)。また、後述の最大充電時間の設定(図7ステップS503)が行われている場合には、その最大充電時間が経過した場合にも同様にエラー扱いで充電を終了させることができる。宅配ボックス制御部101を経由してデータベース442から車種情報に応じた充電管理情報4421〜4424が得られている場合には、後述のように充電初期および終期のパルス充電のパターンや、充電中期から終期にかけての充電電流の減衰のパターンなどをデータベース442から取得した充電管理情報に基いて制御することができる。
また、ステップS107においては、ID情報と関連づけて図8のテーブルデータに格納した充電開始時刻、(予想)充電終了時刻などの情報を該当の居室のインターホン441に送信してその表示器に表示させる。この表示は、インターホン441側で所定の問い合せ操作が行なわれた場合に行うようにしてもよいし、また、インターホン441(の表示器)が他の動作に用いられていない間は常時表示するようにしてもよい。
図9において符号901は、インターホン441の表示器における表示例を示しており、ここでは該当の居室の部屋番号(304)とともに充電開始時刻(日時)、充電終了時刻(日時)を表示している。
一方、電源回路202の充電AC出力の監視が正常終了した場合には、ステップS109に進む。充電終了のタイミングは、たとえば電気自動車300の充電回路308によって決定される。たとえば、この種の充電回路308には上述のようにバッテリー304の充電量を監視しつつ、フル充電になった時にケーブル302からの入力を遮断するような充電制御回路などを設けるのが普通であるから、制御回路201および電源回路202においてたとえば充電AC電流を監視し、充電AC電流がほとんど流れなくなった時点で充電終了、と判断すればよい。また、充電終了条件に関する情報、たとえば、宅配ボックス制御部101を経由してデータベース442から車種に応じた充電終了条件データ4424が得られている場合は、充電終了条件データ4424に応じて充電終了タイミングを決定する。充電終了条件データ4424は、たとえば充電を終了してよい充電電流値、またその充電電流値となってからの経過時間、などから成り、充電終了条件データ4424により示された条件が成立した場合に充電を終了させる。
充電終了に際して、複数台の電気自動車の充電を制御し、充電待ちになっている電気自動車があれば、図3のメインループ(ステップS101〜S112)で次に充電開始する電気自動車が接続されている充電レセプタクル205が選択される。この場合、データベース442の充電管理情報4421〜4424を用いて、あらかじめ決定した順番で次に充電開始する電気自動車を決定するが、その際、データベース442の充電管理情報4421〜4424を参照してシステム全体の充電電流が過大となると予測された場合には、データベース442の充電管理情報4421〜4424を参照して充電待ちになっている電気自動車のうち、システム全体の充電電流が過大とならないで済む電気自動車を選択して充電開始するよう、充電の順序を補正する制御を行うこともできる。
電源回路202が充電終了を検出すると、ステップS109で制御回路201は電源回路202の充電AC出力をオフとし(ステップS110)、充電終了を宅配ボックス制御部101に報告する(ステップS111)。宅配ボックス制御部101では、充電処理に関する課金データを生成し、ID情報とともに記録し、あるいはこれらの情報をインターネット400を介して管理システム401に送信する。
また、充電終了は宅配ボックス制御部101から該当する居住者の居室のインターホン441に通知される(図5ステップS308)。
なお、課金額は、最も簡易な計算手法によれば、たとえば充電開始時刻と充電開始終了時刻から算出される充電時間によって算出できる。また、電源回路202に設けた電流検出回路などの出力を制御回路201が常時取り込み、充電に用した総電力量を累計して宅配ボックス制御部101に報告するようにしてもよい。
ステップS112では、以上のようにして完了した充電処理について、宅配ボックス制御部101の操作表示部151などを介して問い合せ操作が行われたか否かを判定する。この問い合せ操作が行われた場合には、操作が行われた操作表示部151などを介して後述の問い合せ制御手順(図6)を実行する。
次に、図4の宅配ボックス制御部101の充電制御手順につき説明する。
図4のステップS201では、図3のステップS102において、充電制御部200の制御回路201からID情報(IDカードから読み取られたもの)が送信されたか否かを判定する。ステップS202では、宅配ボックス制御部101は受信したID情報が、後述する図8のテーブルデータを参照して電気自動車300の充電を許可してよい居住者のID情報であるか否かを判定する。この認証が成功した場合には、ステップS203において肯定応答(ACK)を、また、認証が失敗した場合には、ステップS204においてエラー応答を充電制御部200の制御回路201に返送する。
ステップS203において肯定応答(ACK)を送信した場合、充電制御部200の制御回路201は上述の充電処理を開始するので、ステップS205において、後述の図8に示すテーブル内に配置された充電フラグ803をオンとする。
また、宅配ボックス制御部101は、図3で触れたように充電制御部200の制御回路201が必要とするデータベース442の充電管理情報4421〜4424をインターネット400を経由して参照し、充電制御部200の制御回路201に中継する。このとき、居住者が提示したIDカードそれ自体に電気自動車の車種情報が記憶されている場合には、その電気自動車の車種情報を用いてデータベース442の充電管理情報4421〜4424を参照し、合致する車種の充電管理情報4422〜4424を必要に応じて充電制御部200の制御回路201に転送する。電気自動車の車種情報が、たとえば図8のテーブルの所定領域(不図示)に格納されている場合には、部屋番号(801)から図8のテーブルを参照して電気自動車の車種情報を特定し、さらにデータベース442中の合致する車種の充電管理情報4422〜4424を取り出せばよい。
次に、図5を参照して宅配ボックス制御部101の充電監視手順につき説明する。この充電監視手順は、図4の上記の充電制御手順において充電中フラグをオンとなった後、定期的に起動されるタイマ割り込み処理などとして実装することができる。また、図5の充電監視手順は、1つの充電レセプタクル205について、1つの充電ジョブが開始されるごとに各々1つ起動されるものとする。
図5のステップS300では、図3のステップS101で提示されたIDカードに対応する宅配ボックスの表示部1041を所定の点灯状態とし、これによりIDカードに該当する居住者が起動した充電処理によって、電気自動車300が充電中であることを表示する。この表示部1041の表示により、居住者は、自己に割り当てられた宅配ボックスの表示部1041を視認することにより、開始された充電が続いていることを確認できる。
続いてステップS301では、宅配ボックス制御部101は充電制御部200の制御回路201から正常な充電終了報告(図3のステップS109)を受信したか否かを判定する。正常な充電終了報告を受信した場合には、ステップS302に移行する。
ステップS302において、充電終了報告を受信していなければ、充電制御部200の制御回路201からエラー報告(図3ステップS108)を受信したか否かを判定する。エラー報告を受信した場合には、ステップS306に移行する。
ステップS302においてエラー報告を受信していない場合には、ステップS308において、充電中の状態を宅配ボックス制御部101から該当する居住者の居室のインターホン441に通知し、ステップS300に復帰する。このときのインターホン441の表示器における表示例は図9に示した通りである。
ステップS301で充電終了報告を受信した場合には、ステップS303において、図8の充電フラグ803をオフとし、ステップS304において、対応する宅配ボックスの表示部1041を消灯状態(あるいは所定色による点灯状態でも可)とする。この表示部1041の表示を視認することにより、居住者は、自己に開始された充電が正常終了したことを確認できる。
一方、充電がエラー終了した場合には、ステップS306において、充電フラグ803をオフとし、ステップS307において、対応する宅配ボックスの表示部1041を所定の点滅状態とする。この表示部1041の表示を視認することにより、居住者は、自己に開始された充電がエラー終了したことを確認できる。
なお、ステップS300、S303、S306において例示した表示部1041の表示状態(点灯、点滅、消灯、やその表示色の変更)はあくまでもLEDなどを用いて行う表示形態の一例であり、たとえばLCDなど、より詳細な情報表示を行える表示手段を表示部1041に用いる場合には、「充電中です」、「充電が正常終了しました」、「充電がエラー終了しました」などの文字、あるいは適当なシンボル表示などによってこれらのステップで表示すべき充電サービスに関する情報を表示すればよい。
ステップS305では、充電処理がエラー終了したか、または正常終了したかの結果に応じて、当該居住者が亨受した充電サービスに関する利用データを記録する(あるいはインターネット400を介して管理システム401と通信して利用データを送信する)。ここでは、たとえば、居住者のID情報と関連づけて、充電開始時刻、終了時刻、充電所要時間、充電サービス利用料の金額、などの情報を利用データとして記録(あるいは管理システム401へ送信)する。
また、ステップS305では、充電正常終了か、エラー終了かに応じて、インターホン441の表示器に時刻情報などとともに「充電終了しました」、あるいは「充電エラー終了です」のような文字列を表示する。また、インターホン441のスピーカを用いてアラーム音や合成音声などにより充電終了のメッセージを出力してもよい。
図6は、宅配ボックス制御部101が制御する問い合せ制御手順を示している。この問い合せ制御手順は、操作表示部151で所定の操作(図3ステップS112)が行われ、電気自動車の充電処理に関する問い合せジョブが指定された場合に、宅配ボックス制御部101が実行する。ここでは、宅配ボックスおよび電気自動車の充電システムの管理権限のある管理者が操作表示部151を用いて行う問い合せ処理を制御する手順を例示するが、居住者(電気自動車の充電システムの利用者)が同様のユーザーインターフェースを利用することもできる。その場合の変形例については必要な個所で適宜説明する。
ステップS401は、たとえば、操作表示部151のタッチパネルを用いて管理者(居住者)が操作表示部151のトップメニュー表示などから「電気自動車」に関する問い合せを選択したことを意味している。
この操作が行われると、ステップS402で、操作表示部151のカードリーダーによりIDカードを提示させ、IDカードから得られたID情報が電気自動車に関する問い合せを許可して良いID情報であるか否かを判定する。この認証処理が成功した場合にのみ、ステップS403以降の問い合せ操作を許容する(認証失敗の場合は不図示のエラー処理を行う)。なお、IDカードが管理権限のある者が用いるカードであるか否かによって、管理者用のユーザーインターフェースを選択するか、居住者(充電システム利用者)用のユーザーインターフェースを選択するかを選択すればよい。以下では、管理権限のある者が用いるIDカードが提示され、管理者用のユーザーインターフェースが選択された場合の例を示す。
ステップS403は、ステップS401の「電気自動車」より下位の管理メニューを表示する。図6のメニューの例では、
・居住者部屋番号(ご利用部屋番号)
・利用データ
・基本料金設定
などの選択が可能となっている。各メニューエントリが選択された場合には、図示のようにステップS404、S405、S406のような表示出力を操作表示部151で行う。
ステップS404の「ご利用部屋番号」の表示では、RAM122などに記録されている利用データに基づき、現在までに充電システムを利用した居住者の部屋番号を表示する。ここでは、202号室、301号室、605号室の各部屋の居住者が充電システムを利用したことが表示されている。
ステップS405の「基本料金設定」の表示では、1H(1時間)あたり○○円との現在の基本料金設定を表示する。ここでは、管理者が使用するメニューインターフェースを示しており、「基本料金設定」に関する変更を可能とする。たとえば、タッチパネルを利用して金額設定の数字を選択し、異なる金額を入力することを許可してよい。この充電時間あたりの基本料金設定の金額を用いて、充電時間から課金の金額を算出することができる。なお、利用者が用いるユーザーインターフェースでは、単に現在の基本料金の設定金額を表示するだけの処理を行えばよい。また、利用者が用いるユーザーインターフェースでは、さらに、IDカードで識別されるユーザの課金データ(たとえば過去の毎月の課金記録や、次の月の請求予定など)を表示できるようにしてもよい。
ステップS406の「利用データ」の表示インターフェースでは、RAM122などに記録されている利用データに基づき、図示のようなテーブルフォーマットにより、過去の充電ジョブについて、充電開始時刻、充電終了時刻、部屋番号、充電時間を表示する。充電開始時刻、充電終了時刻、部屋番号、充電時間の各項目部分をタッチパネルでクリックすることによりそれぞれの項目によってデータのソート順序を変更するようにしておくと、表示内容の把握がより容易になる。
なお、図6に示した手順は、宅配ボックス100の操作表示部151を介して行うものとしたが、同様の問い合わせは、居住者の居室のインターホン441を介して実行することもできる。この場合、当然ながらIDカードによる認証(ステップS402)は不要であり、その他の操作は、インターホン441に設けたキーボードなどを介して行うこととすれば、問い合わせに応じてステップS404〜S406のような報告表示を各居室のインターホン441の表示器によって行うことができる。
図7は宅配ボックス制御部101が制御する充電条件設定制御手順を示している。ここでも、宅配ボックスおよび電気自動車の充電システムの管理権限のある管理者が操作表示部151を用いて行う問い合せ処理を制御する手順を例示するが、居住者(電気自動車の充電システムの利用者)が同様のユーザーインターフェースを利用することもできる。その場合の変形例については必要な個所で適宜説明する。
図7の手順では、図6の場合と同様にまず、IDカード認証を行い、認証が成功した場合にステップS502以降のメニュー操作を許容する。
管理者(利用者)用のIDカードの認証が成功すると、ステップS502では、「電気自動車利用登録」のサブメニューに入る。
この「電気自動車利用登録」以下のメニュー操作では、図示のもの以外にも様々な電気自動車に関する登録、変更操作を行わせることができるが、ここでは、たとえば居住者から電気自動車の充電サービス申し込みが行われた際に実施する初期設定手順の一例を示している。
ステップS503のインターフェースでは、充電時間の制限を行えるようにしてある。ここでは一例として最大の充電時間を5時間までとし、その範囲内で申し込みのあった居住者に対して許容する最大充電時間を設定できるようにしてある。この最大充電時間はたとえば、申し込みをした居住者の希望によって設定することもできる。最大充電時間は、たとえば図3のステップS107で充電をエラー終了させる条件などとして用いることができる。
ステップS504のインターフェースでは、サービス申し込みをした居住者の部屋番号を登録できるようにしてある。ここでは、操作表示部151で入力した部屋番号を登録し、登録直後の表示では図示のように登録した部屋番号、ステップS503のインターフェースで設定した最大充電時間の設定内容などを表示する。
また、ステップS503、S504のインターフェースにおいては、ユーザが保有する電気自動車の車種を入力、登録することができる。この車種情報は、上述のようにデータベース442に登録した充電管理情報、たとえば充電初期および終期のパルス充電のパターンや、充電中期から終期にかけての充電電流の減衰のパターンなどを選択するために用いることができる。
また、図7の手順も、居住者の居室のインターホン441を介して実行することもできる。この場合、当然ながらIDカードによる認証(ステップS502)は不要であり、その他の操作は、インターホン441に設けたキーボードなどを介して行うこととすれば、問い合わせに応じてステップS503、S504のような報告表示を各居室のインターホン441の表示器によって行うことができる。
なお、居住者のIDカードの提示が行われた場合には、ステップS504のインターフェースの最後の表示、すなわち、IDカードに対応したサービス登録に関する部屋番号、ステップS503のインターフェースで設定済みとなっている最大充電時間の設定内容などを表示すればよい。
図8は、上述の電気自動車の充電制御において、宅配ボックス制御部101が用いる制御テーブルデータの一例を示している。
図8のテーブルデータは、RAM122などの一部に割り当てられる。図示のように、このテーブルデータは、居住者の部屋番号801に関連して、居住者に割り当てられた物品収納ボックスに物品が着荷しているか否かを示す着荷中フラグ802、居住者が自己のIDカードを用いて起動した充電ジョブが進行中にオンに制御される充電フラグ(図5)803、充電制御情報フィールド804などを格納できるようにしたものである。
充電制御情報フィールド804には、充電開始時刻、充電終了時刻などの種々のデータを記録するサブフィールドを設けることができ、充電開始時刻、充電終了時刻はいったんこれらのサブフィールドに記録した後、充電ジョブの終了後、利用データベース(管理帳票データベース)などに転記される。また、図示のように充電終了時刻を記録することもでき、この充電終了時刻は種々の予測手法を用いて更新し、その値を操作表示部151(あるいは表示部1041)で表示することができる。充電終了時刻の予測手法には、たとえば充電レセプタクル205に流れる電流変化から、満充電の条件が成立するタイミングを予測する、あるいは単に最大充電時間までの残り時間を算出して予測値として代用する、などといった手法を採用することができる。
充電制御情報フィールド804に記録した充電開始時刻、充電終了時刻などのデータは、操作表示部151、表示部1041などで行う充電管理情報ないし充電サービスに関する情報の表示に用いられる他、上述のように各居室のインターホン441を介して同じ情報を通知するためにも利用される。
さて、上述のように、マンションなどの集合住宅などでは、個々の所帯に割り当てられた駐車場や、あるいは充電専用に設けた充電スペースで複数台の電気自動車を効率よく充電できなければならない。ここで、駐車場や充電スペースに設置した充電器の全てを同時に可動させることができる場合は、単に充電予約が開始された順序で充電を開始していけば良い。この場合には、データベース442の充電管理情報4421〜4424は、車種に応じた充電電流や充電終了タイミングの制御にのみ使用すればよい。
しかしながら、駐車場や充電スペースに設置した充電器の全てを同時に可動させることはマンション全体の電流容量から見て不可能な場合もあり得る。その場合、駐車場や充電スペースに設置したたとえば10台程度の充電器(充電レセプタクル205)のうち、同時使用できる台数を3〜5台程度に制限するような運用を行うことが考えられる(この台数はいずれも一例である)。
このように複数の充電レセプタクル205のうち、同時使用できる台数を数台に制限するような構成では、電気自動車の充電の順序や複数同時に充電する電気自動車の組合せを決定するためにデータベース442の充電管理情報4421〜4424を利用することができる。
図10の例は、5台、ないしそれ以上の各充電レセプタクル205(充電器)が存在し、そのうち、同時充電できる充電器を3台までに制限する場合の充電制御例を示している(ここでは、簡略化のため、充電器C1〜C5の5つのみを示している)。図10に示した充電制御は、充電制御部200の制御回路201によって、たとえば図3のステップS106において実行することができる。
図10のような制御を行ない、複数の電気自動車の充電の組合せ、および順序などをデータベース442の充電管理情報4421〜4424を有効に利用するには、単に予約順で充電開始を逐次制御するよりも、定時(たとえば午後6時、など)にそれまでに予約された複数台の充電を開始するようにし、それまでの1ないし数時間(たとえば午後3時〜午後5時から充電スタートの午後6時までの間)に緩衝時間帯を設け、この間は充電予約があっても直ちには充電を開始しないようにすることが考えられる。
図10において、符号1001〜1005は、電気自動車の充電電流波形を示している。ここでは、説明を簡単にするため、これらの充電電流波形1001〜1005は、上述のようにしてデータベース442の充電管理情報4421〜4424を参照して選択されているものとする。すなわち、充電電流波形1001〜1005は、居住者などのIDカードから得た車種情報に応じてデータベース442の車種識別(ID)データ4421が参照され、対応する充電電流制御パターンデータ4422、充電条件データ4423、充電終了条件データ4424から成る充電管理情報が取り出され、それに応じて充電制御部200の制御回路201によって決定された充電電流波形である。充電電流波形1001〜1005は、このようにして居住者の電気自動車の車種に対応しており、1001〜1005の符号は特定の電気自動車を示す番号として考えてもよい(以下では必要に応じてこれらの番号を電気自動車の番号としても用いる)。
充電電流波形1001〜1005は、図示のように様々であり、充電管理情報4422〜4424に応じてその波高(電流値)や、充電中期、終期の減衰波形などが決定されている。また、充電電流波形1001、1004、1005などの場合は、充電初期、終期に充電管理情報4422〜4424に応じてパルス充電期間が配置される。
図10の例では、同時充電できる電気自動車の台数を3台とした例を示しており、タイミングとしては、図の左端のt0上述の定時(たとえば午後6時)に対応している。
本実施例では、定時(たとえば午後6時)に充電を開始する時、それまでに充電予約された複数台のうち、各車の充電管理情報4422〜4424を用いて充電電流の総容量がマンションで定めた上限値をオーバーしないように最初に充電開始する3台を決定し、そのあと予想される充電終了時刻から続いて順次充電開始する電気自動車の順序を仮に定めておく。このとき後続のグループの電気自動車は、先行する3台の充電が同時終了するとは限らず、必ずしも同時に充電開始しないから、3台づつに分けておく必要はない。
また、最初の3台の選択、および続いて順次充電開始する電気自動車の順序は、たとえば充電予約が行なわれた順序に応じて決定すればよい。特に最初の3台については、充電予約が行なわれた順序で3台を仮に決定し、充電管理情報4422〜4424を用いて充電電流の総容量がマンションで定めた上限値をオーバーするようであれば、後続の充電予約順序の電気自動車と入れ換える、実際に同時に充電する3台を決定するというような処理により決定できる。
そして、充電が1台終了すると、仮に順序づけした後続の電気自動車のうち、充電管理情報4422〜4424を用いて最初の充電順位の電気自動車を充電開始できるか、すなわち充電電流の総容量がマンションで定めた上限値をオーバーしない、と判断できた場合には、充電電流の総容量が上限値をオーバーする場合には、充電管理情報4422〜4424を参照して、さらに後続の順位の電気自動車の中から実際に充電開始する1台を選んで充電を開始する。
このように、充電管理情報4422〜4424を用いることにより、充電予約順序などに応じて仮に決めた充電すべき最初の3台(ないし他の数の複数台)の電気自動車の組合せ、および後続の充電すべき電気自動車の充電順序を、充電電流の総容量が上限値をオーバーしないような組合せ、順序に決定することができる。
たとえば、図10の例では、1001、1002、1004の充電電流波形の3台の電気自動車が接続された充電レセプタクル205(充電器)が充電予約順に応じて最初に充電する3台として選択され時刻t0から充電開始され、このあと、充電する3台として選択され、このあとには1003、1005の充電電流波形の電気自動車を充電するよう、充電順序が定められているものとする。
ここでは、まず、波形1001の電気自動車の充電が終了し、充電電流の大きな1002の充電電流波形がある程度、減衰し始めた時点t1において波形1003の電気自動車の充電を開始している。そして、波形1004の電気自動車の充電が終了すると、波形1004の終期のパルス充電期間にほぼ相当するタイミングt2からその次の充電順位の波形1005の電気自動車の充電を開始している。
このとき、電気自動車のバッテリーの残容量などによっては、充電電流の大きな1002の充電が長びき、その充電終了タイミングが波形1004の電気自動車の充電終了よりも後になる場合も考えられる。
このような場合には、仮に定めた充電順序を変更して、充電電流の大きな充電電流波形1003の電気自動車ではなく、充電電流波形1005の電気自動車の電気自動車の充電を開始する。
なお、上記のように、充電中期〜終期には図10のように充電電流波形には波高減衰期間(1002)、またはパルス充電期間(1001、1004など)が設けられるから、充電管理情報4422〜4424に応じて、この充電電流が減衰する充電中期〜終期の充電電流波形と、後続の電気自動車の充電電流波形がオーバラップするように後続の電気自動車の充電開始タイミングを決定することができる。
以上のようにして、充電する電気自動車の車種情報に応じて、データベース442に格納された充電管理情報4421〜4424を参照し、同時充電する電気自動車の組合せ、また、後続の充電順位の電気自動車の充電順序を、たとえば充電電流の総容量がマンションで定めた上限値をオーバーしないように動的に制御することができ、効率よく、迅速な電気自動車の充電サービスを提供することができる。これにより、集合住宅で必要な契約電気料金を削減し、全体の設備やシステム管理に要する総合的なコストの削減を期待できる。
また、上記構成によれば、宅配ボックスの管理、および電気自動車の充電管理および課金制御を1つの管理制御手段(宅配ボックス制御部101、あるいはこれと協働する管理システム401)によって実施することができ、システム全体を簡単安価に構成することができる。また、これらのサービスに関する管理データ、すなわち、宅配ボックスの利用データ、電気自動車の充電利用データや課金データ、などを1つの管理制御手段(宅配ボックス制御部101、あるいはこれと協働する管理システム401)によって一元的に管理でき、また、これら管理制御手段のユーザーインターフェース(たとえば操作表示部151)を用いて管理者や利用者である居住者は上記の各種管理データを管理ないし参照できる、という優れた利点がある。
また、居住者は、充電ジョブを起動している場合、わざわざ電気自動車の充電場所に移動しなくても自己に割り当てられた宅配ボックス100の物品収納ボックスに設けられた表示部1041を介して現在の充電ジョブの状態を確認することができるため、宅配ボックスの設置場所(通常、集合住宅のエントランス付近など、居住者がひんぱんに行き来する通路に沿って設けられる)と電気自動車の充電場所の距離が離れている場合にも容易に現在の充電ジョブの状態を確認することができ、便利である。
さらに、本実施例によれば、充電開始時刻、充電終了時刻といった充電管理情報ないし充電サービスに関する情報は、操作表示部151、表示部1041の他、上述のように電気自動車の充電を申し込んだ居住者の居室のインターホン441を介してリアルタイムで通知することができる。このため、電気自動車の充電を申し込んだ居住者は、操作表示部151、表示部1041の位置、あるいは駐車場や充電スペースまでわざわざ確認しに行く必要がなく、自分の居室にいながら充電管理情報ないし充電サービスに関する情報を取得することができる、という優れた効果がある。
たとえば、電気自動車の充電を行なうスペースが限られており、充電終了となった電気自動車を充電スペースから移動させなければ次の電気自動車の充電を行なうことができないような運用形態においても、本実施例によれば充電サービスを申し込んだ居住者に刻々と充電状態や充電終了時刻などの充電サービスに関する情報を通知し、また、充電終了タイミングを明示的に通知することができるため、居住者には充電終了となった電気自動車を充電スペースから速やかに移動してもらうことができるようになる。
電気自動車充電に関する管理業務を行う管理者は、宅配ボックス100の操作表示部151を介して、自己のIDカード(管理カード)を用いて認証を行うことにより、電気自動車充電サービスに関する利用状況の確認(図6)、電気自動車充電サービスに関する設定登録(図7)などを行うことができる。電気自動車充電に関する管理業務を行う管理者が宅配ボックス100の管理業務を行う管理者と共通である場合には、同一のIDカード(管理カード)と、同一のユーザーインターフェースを用いて電気自動車充電サービスと宅配ボックスの管理業務を行うことができる。
また、電気自動車充電サービスの利用者である居住者は、宅配ボックス100の操作表示部151を介して、自己のIDカード(管理カード)を用いて認証を行うことにより、自己の電気自動車充電サービスに関する利用状況の確認(図6)、自己の電気自動車充電サービスに関する設定登録状態の確認(図7)などを行うことができる。また、居住者は、自己に割り当てられた宅配ボックス100のIDカード(管理カード)と、同一のユーザーインターフェースを用いて電気自動車充電サービスに関する問い合せや宅配ボックスに関する操作を行うことができ、便利である。
また、図7に示したような電気自動車充電サービスに関する設定登録状態の確認や、充電サービスに関する情報の問い合せは居住者の居室のインターホン441を介して実行することもできる。この場合、居室のインターホン441を用いるため、居住者はIDカードを用いた認証操作を介さず極めて容易に行うことができる。
電気自動車充電サービスと宅配ボックスの管理に関しては、宅配ボックス制御部101、あるいはこれと協働する遠隔地の管理システム401のいずれを用いても可能であり、たとえば、電気自動車充電サービスと宅配ボックスの利用データや課金データなどを宅配ボックス制御部101、あるいはこれと協働する遠隔地の管理システム401のいずれにおいても参照できる。
以上のようにして、本実施例によれば、宅配ボックス制御部101により、電気自動車の充電サービスに関する制御を行うようにしているので、宅配ボックスの制御システムと電気自動車の充電制御システムを共有化でき、宅配ボックス制御と電気自動車の充電制御を一元化して行うことにより、集合住宅で必要な契約電気料金を削減し、全体の設備やシステム管理に要する総合的なコストの削減を期待できる、という優れた効果がある。
特に、電気自動車の充電管理情報、充電状態に関する情報、充電サービスの登録情報など、すなわち、充電サービスに関する種々の情報を居住者の居室のインターホン441を介して通知させることができるため、これらの情報を操作表示部151、表示部1041の位置、あるいは駐車場や充電スペースまでわざわざ確認しに行く必要がなく、自分の居室にいながら充電管理情報ないし充電サービスに関する情報を取得することができる、という優れた効果がある。
以上の説明では、電気自動車の充電管理情報、充電状態に関する情報、充電サービスの登録情報など、すなわち、充電サービスに関する種々の情報を居住者の居室のインターホン441を介して通知させるようにしているが、データベース442や課金システム401などに当該居住者のメールアドレスなどの情報が登録されている場合には、上記の情報の通知をインターホン441へ通知するとともに、当該居住者のメールアドレスに対して電子メールその他のメッセージを送信して上記の情報を通知してもよい。
なお、充電対象の電気自動車が共有(カーシェアリング)される場合は、所定の予約手続を経て予約管理されるが、この予約管理は、宅配ボックス制御部101、あるいは、遠隔の管理システム401によって行うことができる。その場合、宅配ボックスの管理、電気自動車の充電管理および課金制御、に加えさらに電気自動車の予約管理(あるいはさらに電気自動車の利用が有料サービスとして提供される場合にはその課金制御など)を1つの管理制御手段(宅配ボックス制御部101、あるいはこれと協働する管理システム401)によって実施することができ、システム全体を簡単安価に構成することができる。また、これらのサービスに関する管理データ、すなわち、宅配ボックスの利用データ、電気自動車の充電利用データや課金データ、電気自動車の予約や利用、課金に関するデータなどを1つの管理制御手段(宅配ボックス制御部101、あるいはこれと協働する管理システム401)によって一元的に管理でき、また、これら管理制御手段のユーザーインターフェース(たとえば操作表示部151)を用いて管理者や利用者である居住者は上記の各種管理データを管理ないし参照できる、という優れた利点がある。
なお、上記では「宅配ボックス」の名称を用いて説明したが、宅配ボックス100の物品収納ボックスは、必ずしも宅配物の授受に用いられるものでなくても構わない。上記実施例のように物品収納ボックスが集合住宅の個々の居住者に割り当てられるような構成では、この物品収納ボックスが例えば郵便物の授受に用いられるようになっていてもよい。すなわち、上記実施例の構成は、宅配ボックス100の物品収納ボックスの部分を集合住宅の個々の居住者に割り当てられる郵便受(郵便ポスト)に置換してもそのまま実施することができる。その場合、上述の作用効果は、物品収納ボックスを郵便受(郵便ポスト)に読み換えればそのまま成立する。