JP2013050380A - 電子時計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】腕時計1は、GPS衛星を捕捉し、捕捉したGPS衛星からの衛星信号を受信する受信処理を実施するGPS装置25と、衛星信号に基づいて内部時刻情報を修正する時刻修正部37と、内部時刻情報を表示する時刻表示部222と、前記受信処理を制御する受信制御部36と、光量を検出するソーラーパネル24とを備え、受信制御部36は、検出された光量に基づいて受信処理を実施する光量検出受信制御部361と、予め設定された設定時刻になった場合に受信処理を実施する定時受信制御部362とを備える。そして、光量検出受信制御部361は、第一捕捉時間内で衛星捕捉できなかった場合は受信停止させ、定時受信制御部362は、第一捕捉時間よりも短い第二捕捉時間内で衛星捕捉できなかった場合は受信停止させる。
【選択図】図4
Description
この特許文献1には、GPS衛星からの衛星信号を受信する受信処理において、まず、衛星信号を受信可能なGPS衛星をサーチする処理を行い、その後、サーチにより捕捉したGPS衛星からの衛星信号を受信する電子時計が開示されている。
しかしながら、上記のような光量検出手段により検出された光量に基づいて受光処理を実施する場合、例えば冬季等では衣服によって電子時計が隠れる場合があり、所定光量を検出できず、受信処理の頻度が低下することがある。この場合、時刻修正の頻度が低下するため、電子時計に表示される時刻の精度が低下してしまうという課題がある。
しかしながら、設定された定刻において、電子時計が屋内に位置していることもあり、受信処理を実施したとしても、GPS衛星を捕捉できない場合がある。このような場合、受信処理を継続すると、衛星信号を受信ができないばかりか、受信処理に係る消費電力だけが増大してしまうという課題がある。
この際、例えば電子時計が屋内に位置している場合や、冬季等において衣服により電子時計が隠れている場合、光量検出部で検出される光量が所定光量未満と小さくなる。この場合、光量検出受信制御部による受信処理は実施されない。従って、衛星信号を受信する頻度が低下し、衛星信号で内部時刻を修正する頻度も低下する。
これに対して、本発明では、光量検出受信制御部だけでなく、設定時刻に受信処理を行う定時受信制御部も備えている。このため、光量検出による受信処理を実施できない場合でも、定時受信制御部による受信処理を実施できる。従って、衛星信号の受信頻度を向上でき、時刻修正の実施頻度も向上でき、表示される時刻の精度低下を抑制できる。
ここで、光量検出受信制御部は、光量が所定光量以上になった場合、つまり、屋外に位置している可能性が高い状態で、受信部の制御を実施する。したがって、例えば電子時計を装着した利用者がビルの間に移動した場合などにおいて、受信感度が悪化する場合もあるが、タイムアウトまでの時間である第一捕捉時間を、例えば10秒程度に長めに設定することで、受信部による捕捉処理の成功率も高くなる。
一方、定時受信制御部により受信部の制御を実施する場合、電子時計が屋外に位置しているか否かが不明である。このため、屋内で受信処理を行うこともあり、この場合、捕捉処理を継続しても、位置情報衛星を捕捉できず、消費電力が増大してしまう。このため、腕時計のような電池駆動の電子時計では、電池電力が低下して電源の持続時間が短くなってしまう。
そこで、本発明では、定時受信制御部により受信部の制御を実施する場合、タイムアウトまでの第二捕捉時間は、光量検出受信制御部により受信部の制御を実施する場合のタイムアウトまでの第一捕捉時間よりも短い時間、例えば5秒程度に短く設定されている。このため、定時受信制御部の制御により捕捉処理により衛星信号を捕捉できない場合、より早期に捕捉処理を停止することができ、消費電力の増大を抑えることができる。
以上により、本発明では、衛星信号の受信頻度を向上でき、かつ、消費電力を低減できる。
また、第一受信モードで所定期間、受信処理が開始されなかった場合は、第二受信モードに切り替えているので、所定光量が検出されない場合でも、設定時刻になれば定時受信制御部による受信処理が開始されるので、受信頻度を高めることができる。
そして、第二受信モードでの制御を継続すれば、衛星信号の受信頻度や時刻修正の頻度を向上でき、時計に表示される時刻の精度を向上させることができる。
これに対して、本発明では、定時受信制御部による受信処理時の位置情報衛星の捕捉処理が連続して規定回数以上失敗した場合、受信制御部は、第一受信モードに切り替えて光量検出受信制御部のみを動作させる。これにより、設定時刻における無駄な受信処理の回数を減らすことができ、より省電力化を図ることができる。
同様に、定時受信制御部による受信処理が行われた場合も、第二捕捉時間内に位置情報衛星が捕捉できない場合は電力消費が少ないが、位置情報衛星を捕捉できて衛星信号の受信処理が行われた場合には、受信に成功した場合でも失敗した場合でも電力消費が多くなる。
従って、第二捕捉時間内に捕捉できなかった場合を除き、受信処理が開始された場合には、受信処理で多大な電力が消費される。そこで、電池電圧を検出し、所定の閾値未満であれば休止期間(例えば2日間)、受信制御を休止する。これにより、休止期間中の電力消費が低減し、その期間に充電することで電池電圧を高めることもできる。一方、電池電圧が所定の閾値以上であれば第一受信モードでの制御を継続し、屋外に移動したと判定された場合のみ受信処理を行うことで、電力消費を抑制できる。
一般に、利用者の生活リズム(行動パターン)において、出勤時間や昼休み等の屋外に出る時間は決まっている。このため、光量検出部により所定光量が検出され、光量検出受信制御部による受信処理に成功した時刻を設定時刻とすることで、利用者の生活リズムに合わせて、屋外に出る時刻を設定時刻とすることができる。したがって、このような設定時刻に、定時受信制御部による受信処理を行うことで、受信環境が良好な屋外で受信処理を実施できる可能性が高くなり、衛星信号を受信できる確率も向上できる。
また、このような設定時刻の前後における捕捉処理におけるタイムアウトまでの時間を第二捕捉時間よりも短い第三捕捉時間に設定している。これにより、設定時刻の前後に実施される捕捉処理での消費電力の増大を抑えることができる。
なお、定時受信制御部は、設定時刻の所定時間前に位置情報衛星を捕捉し、衛星信号を受信した場合には、その後の設定時刻や設定時刻の所定時間後の受信処理は実施する必要がない。同様に、設定時刻での受信処理で衛星信号を受信した場合には、設定時刻の所定時間後の受信処理は実施する必要がない。
これに対して、本発明では、光量検出受信制御部により受信処理が実施された日時を光量受信日時記憶部に記憶しておき、光量受信日時記憶部に最後に記憶された日時から、所定の有効時間以上が経過している場合、受信制御部は、定時受信制御部を停止して動作させず、光量検出受信制御部のみを動作させる。これにより、電子時計が継続して屋内に置かれている状態で、定時受信制御部による受信処理は行われず、当該処理による無駄な電力消費を防止でき、さらなる省電力化を図ることができる。
これに対して、本発明では、受信処理中にレベル検出部により検出された衛星信号の信号レベルがレベル閾値未満である場合、その受信処理を停止させる。このため、上記のように、衛星信号の受信環境が悪くなった場合に、早期に受信処理を停止させることができ、消費電力の増大を抑えることができる。
なお、レベル検出部に信号レベルの検出処理は、受信処理中の間、常時行ってもよいし、一定時間毎に行ってもよい。常時検出すれば、受信レベルの変化をリアルタイムに検出できて受信環境の悪化も早期に検出できる。一方、一定時間毎に検出すれば、レベル検出処理による電力消費を抑えることができる。
以下、本発明の第一実施形態を、図面に基づいて説明する。
[電子時計の構造]
図1は、本発明に係る電子時計であるGPS時刻修正装置付き腕時計1(以下「腕時計1」という)を示す概略図であり、図2は腕時計1の正面図である。
この腕時計1は、図2に示すように、文字板2および指針3からなる時刻表示部222と、ボタン4,5と、リューズ6と、を備える。このうち、指針3は、時針131、分針132、秒針133を備え、当該指針3は、ステップモーター等により、歯車を介して駆動される。
また、ボタン4,5、及びリューズ6は、腕時計1を手動により操作するための外部操作部材である。具体的には、リューズ6が操作されると表示時刻が修正される。また、ボタン4が長時間(例えば3秒以上)にわたって押されると、衛星信号を受信する受信処理が実行される。
また、ボタン5が押されると、受信モード(測時モード又は測位モード)を切り替える切替処理が実行される。
また、腕時計1は、ボタン4の操作による手動受信処理だけでなく、自動的に衛星信号を受信する自動受信処理を実行する。この自動受信処理としては、例えば文字板2に積層されたソーラーパネル24により所定量以上の光量を受光した際に自動的に受信する光量検出自動受信処理、及び設定時刻に自動的に受信する定時自動受信処理が含まれる。
次に、腕時計1の回路構成に関して説明する。
図3は、腕時計1の主なハードウエア構成等を示す概略図である。図4は、腕時計1の構成を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、腕時計1は、入力装置21、表示装置22、電池23、ソーラーパネル24(光量検出部)、GPS装置25(受信部)、記憶装置26、及び制御部30を備えている。
入力装置21は、ボタン4,5、及びリューズ6により構成される。
表示装置22は、表示駆動部221と、時刻表示部222とを備える。この表示駆動部221は、指針3を駆動させるためのステッピングモーターや各種輪列等により構成される。また、時刻表示部222は、文字板2、指針3等により構成される。
電池23は、二次電池であり、ソーラーパネル24で発電された電力を蓄電する。また、電池23は、表示装置22、GPS装置25、記憶装置26、及び制御部30等の腕時計1の各構成に対して電力を供給する。
ソーラーパネル24は、光エネルギーを電気エネルギーに変換して発電する光電変換素子を備えている。また、ソーラーパネル24は、光を受光した際に、その光量に基づいた検出信号を制御部30に出力する。
GPS装置25は、GPSアンテナ251を備えている。また、GPS装置25は、図示を略すが、GPS衛星から送信される衛星信号を受信してデジタル信号に変換するRF(Radio Frequency)部と、受信信号の相関判定を行って同期を行うBB部(ベースバンド部)と、BB部で復調された航法メッセージ(衛星信号)から時刻情報や測位情報を取得する情報取得部とを備える。
ntrolled Oscillator)、ADC(A/D変換器)、ミキサー、LNA(Low Noise Amplifier)、IFアンプ等を備えている。
そして、バンドパスフィルターで抜き出された衛星信号は、LNAで増幅された後、ミキサーでVCOの信号とミキシングされ、IF(Intermediate Frequency:中間周波数)にダウンコンバートされる。ミキサーでミキシングされたIFは、IFアンプ、IFフィルターを通り、ADC(A/D変換器)でデジタル信号に変換される。
そして、前記相関部で算出された相関値が所定の閾値以上であれば、受信した衛星信号に用いられたC/Aコードと生成したローカルコードが一致していることになり、衛星信号を捕捉(同期)することができる。このため、受信した衛星信号を、前記ローカルコードを用いて相関処理することで、航法メッセージを復調することができる。
従って、情報取得部は、受信した航法メッセージから所定のデータ部分を抽出し、時刻情報や位置情報を取得している。
記憶装置26は、ROM261及びRAM262を備える。
ROM261には、制御部30で実行するプログラム等が記憶されている。
一方、図4に示すように、RAM262は、設定時刻記憶部263、捕捉結果記憶部264、光量受信日時記憶部265、及び時刻情報記憶部266等を備える。
設定時刻記憶部263は、定時自動受信処理を実施するための設定時刻を記憶する。
捕捉結果記憶部264は、定時自動受信処理において、GPS装置25によりGPS衛星10を捕捉する捕捉処理(第二捕捉処理)が実施された場合に、当該捕捉処理が成功したか否かを示す捕捉結果が記憶される。また、第二捕捉処理における捕捉結果が失敗であり、かつ、前日の第二捕捉処理における捕捉結果も失敗であった場合、捕捉失敗が連続した回数(日数)をも記憶する。
時刻情報記憶部266は、GPS装置25の受信処理により取得した衛星信号に含まれる時刻情報等が記憶される。
制御部30は、GPS装置25を制御し、取得した衛星信号に含まれる時刻情報に基づいて内部時刻情報の時刻を修正する。
制御部30は、ROM261に記憶されたプログラムにより各種制御を行う。このため、制御部30は、図4に示すように、屋外判定部31、定刻設定部32、定刻判定部33、電池電圧検出部34、レベル検出部35、受信制御部36、及び時刻修正部37、表示制御部38等を備える。
電池電圧検出部34は、電池23の電圧値を検出する。
レベル検出部35は、GPS装置25により衛星信号を受信している間、受信中の衛星信号の信号レベルを検出する。
光量検出受信制御部361は、屋外判定部31により、腕時計1が屋外に位置していると判定された場合に、光量検出自動受信処理を実施する。
この光量検出自動受信処理では、まず、光量検出受信制御部361は、GPS装置25を制御して、GPS衛星10の捕捉処理(第一捕捉処理)を実施させる。そして、光量検出受信制御部361は、この第一捕捉処理でGPS衛星10の捕捉が成功した場合、GPS装置25を制御して、捕捉したGPS衛星10からの衛星信号を受信する受信処理(第一受信処理)を実施させる。
なお、光量検出受信制御部361による光量検出自動受信処理についての詳細な説明は後述する。
この定時自動受信処理では、定時受信制御部362は、まず、GPS装置25を制御して、GPS衛星10の捕捉処理(第二捕捉処理)を実施させる。そして、定時受信制御部362は、この第二捕捉処理でGPS衛星10の捕捉が成功した場合、GPS装置25を制御して、捕捉したGPS衛星10からの衛星信号を受信する受信処理(第二受信処理)を実施させる。
なお、定時受信制御部362による定時自動受信処理についての詳細な説明は後述する。
表示制御部38は、内部時刻情報の時刻に基づいて、表示駆動部221を駆動させ、時刻表示部222にて時刻を表示させる。
次に、受信制御部により実施される自動受信処理について、図5、図6、図7のフローチャートを参照して説明する。
図5は、制御部30により実行される自動受信処理を示すフローチャートである。
受信制御部36は、自動受信処理を開始すると、最初に第一受信モードで制御する。このため、光量検出受信制御部361のみを動作させる。
光量検出受信制御部361は、屋外判定部31を用いて、ソーラーパネル24で受光された光量が所定光量以上であるか否かを判断する(S1)。
光量検出受信制御部361は、S1において「Yes」と判断した場合、つまり、ソーラーパネル24で受光した光量が所定光量以上である場合、腕時計1が屋外に位置していると判定する。
この場合、光量検出受信制御部361は、光量検出自動受信処理を実施する(S2)。
図6は、光量検出自動受信処理を示すフローチャートである。
このS2の光量検出自動受信処理では、図6に示すように、光量検出受信制御部361は、GPS装置25を制御して、GPS衛星10を捕捉する第一捕捉処理を実施する(S21)。
そして、光量検出受信制御部361は、S21において、予め設定された第一捕捉時間以内に、GPS衛星10を捕捉できたか否かを判断する(S22)。
ここで、第一捕捉時間は、光量検出による受信実験で、SNR(Signal to Noise ratio)が30以上の衛星信号を送信するGPS衛星10を少なくとも1つ以上捕捉可能である確率が十分に高くなる時間が設定されている。本実施形態では、前記受信実験において、SNR30以上のGPS衛星10を1つ以上捕捉できた確率が95%以上であった8秒に設定している。このような第一捕捉時間を設定することにより、捕捉不可能なGPS衛星10に対して捕捉処理を長時間継続することを防止でき、無駄な電力消費を抑えることができる。
この後、時刻修正部37は、時刻情報記憶部266に記憶された時刻情報に基づいて、内部時刻情報を修正する(S26)。また、このS26において、光量検出受信制御部361は、第一受信処理が成功した日時を光量受信日時記憶部265に記憶する。また、定刻設定部32は、第一受信処理が成功した時刻を、設定時刻記憶部263に記憶する。
以上のS2の光量検出自動受信処理が実施された後、図5に示すように、自動受信処理を終了させる。そして、内部時刻情報がS23により設定された自動受信処理の開始タイミングとなった場合、再び自動受信処理のS1が実施される。
このS3において、「No」と判断した場合、受信制御部36は、S1に戻り、屋外判定部31による光量判定を継続させる。
一方、S3において「Yes」と判断された場合、つまり、第1日目において、光量検出自動受信処理が実施されなかったと判断された場合、受信制御部36は、まず、内部時刻情報で示される現在の日時が、最後に光量検出自動受信処理が実施された日時から所定の有効期間以内であるか否かを判断する(S4)。
このS4では、受信制御部36は、光量受信日時記憶部265に記憶された日時を参照し、現在の日時が光量受信日時記憶部265に記憶された日時から有効期間以内であるか否かを判断する。
一方、受信制御部36は、S4において、「Yes」と判断すると、後述する定時自動受信処理時の捕捉失敗回数(日数)が規定回数(日数)以上であるかを判断する(S5)。本実施形態では、規定回数は3(3日)に設定されている。
一方、S5において「No」と判断した場合、受信制御部36は、第二受信モードでの制御を実施し、光量検出受信制御部361および定時受信制御部362を並行して動作させる。
また、S7において「No」と判断された場合、定時受信制御部362は、定刻判定部33を用いて、内部時刻情報で示される時刻が、設定時刻記憶部263に記憶される設定時刻になったか否かを判定する(S8)。
そして、S8において、定刻判定部33により「No」と判定された場合は、S7に戻る。
一方、定時受信制御部362は、S8において「Yes」と判断した場合、つまり、内部時刻情報の時刻が、設定時刻になった場合、定時自動受信処理を実施する(S9)。
図7は、定時自動受信処理を示すフローチャートである。
このS9の定時自動受信処理では、図7に示すように、定時受信制御部362は、GPS装置25を制御して、GPS衛星10を捕捉する第二捕捉処理を実施する(S31)。
そして、定時受信制御部362は、S31において、予め設定された第二捕捉時間以内に、GPS衛星10を捕捉できたか否かを判断する(S32)。
ここで、第二捕捉時間は、受信実験でSNR(Signal to Noise ratio)が30以上の衛星信号を送信するGPS衛星10を少なくとも1つ以上捕捉可能である確率が例えば80%程度である時間が設定され、本実施形態では、5秒に設定されている。つまり、第二捕捉時間は、第一捕捉時間よりも短い時間に設定されている。このような第二捕捉時間を設定することで、光量検出受信制御部361による捕捉処理よりもさらに電力消費を抑えることができる。
一方、定時受信制御部362は、S32において「Yes」と判断した場合、捕捉したGPS衛星10から送信される衛星信号を受信する第二受信処理を実施し(S34)、さらに、衛星信号の受信が成功した否かを判断する(S35)。なお、定時受信制御部362は、第二受信処理において、予め設定された所定の時間(例えば30秒から1分)の間に、衛星信号を受信できた場合に、受信成功と判断する。また、前記所定の時間の間に衛星信号を受信できなかった場合、及び、レベル検出部35により検出される衛星信号の信号レベルが予め設定されたレベル閾値未満となった場合に、受信失敗と判断する。
この後、時刻修正部37は、時刻情報記憶部266に記憶された時刻情報に基づいて、内部時刻情報を修正する(S37)。そして、このS37の後、受信制御部36は、S36の処理を実施し、次の自動受信処理の開始タイミングを設定する。
以上のS9の定時自動受信処理が実施された後、また、S7により「Yes」と判断されて実施されたS2の光量検出自動処理が実施された後、受信制御部36は、図5に示すように、捕捉結果記憶部264に記憶される捕捉失敗回数を「0」に戻し(S10)、自動受信処理を終了させる。そして、内部時刻情報がS35により設定された自動受信処理の開始タイミングとなった場合、再び受信制御部36は、自動受信処理を実施し、S1の処理が実施される。
本実施形態の腕時計1は、ソーラーパネル24により受光される光の光量に基づいてGPS装置25に光量検出自動受信処理を実施させる光量検出受信制御部361と、設定時刻になった際にGPS装置25に定時自動受信処理を実施させる定時受信制御部362と、を有する受信制御部36を備えている。
そして、光量検出受信制御部361は、第一捕捉処理において、第一捕捉時間以内にGPS衛星10が捕捉できない場合に、受信処理を停止させ、定時受信制御部362は、第二捕捉処理において、第一捕捉時間よりも短い第二捕捉時間以内にGPS衛星10が捕捉できない場合に、第二捕捉処理を停止させる。
このような構成では、例えば、冬季等において衣服により光量が検出されない場合においても、定時受信制御部362による定時自動受信処理が実施されることとなる。したがって、衛星信号の受信頻度が高くなり、受信した衛星信号に基づいた時刻修正の頻度の高くなるので、時刻表示部222に表示される時刻の精度低下を抑制できる。
一方、定時受信制御部362による定時自動受信処理では、屋外であるか否かが判定されないため、受信環境が悪い状態で定時自動受信処理が実施される可能性もある。これに対して、本実施形態では、定時受信制御部362は、第一捕捉時間よりも短い第二捕捉時間で第二捕捉処理をタイムアウトさせる。このため、定時自動受信処理において、GPS衛星10を捕捉できない場合は、早期に第二捕捉処理を停止させ、消費電力を低減できる。
以上により、本実施形態の腕時計1では、衛星信号の受信頻度の向上による内部時刻情報の時刻の精度を高めつつ、省電力化を図ることができる。
一方、受信制御部36は、第一日目において、第一受信モードで受信処理が実施されなかった場合に、第二受信モードに切り替える。このため、所定光量が検出されない場合でも、第二日目において、設定時刻に基づいた定時自動受信処理が実施されることで、受信頻度を向上させることができる。
定時受信制御部362は、第一捕捉時間よりも短い第二捕捉時間で第二捕捉処理をタイムアウトさせる。したがって、第二捕捉処理における電力消費量は、第一捕捉処理に比べて少なく、第二受信モードを継続することができる。また、第二受信モードの制御を継続することで、衛星信号の受信頻度を高めることができるため、時刻表示部222により表示される時刻の精度を高めることができる。
設定時刻において実施される定時自動受信処理の第二捕捉処理において、捕捉失敗が連続する場合、設定時刻において電子時計が屋外に位置していないことが多いと考えられる。このような場合、引き続き、設定時刻における定時自動受信処理を実施した場合、同様に第二捕捉処理が失敗する可能性が高く、消費電力が増大する。
これに対して、上記のように、連続して第二捕捉処理が失敗した回数が規定回数以上となった場合、第一受信モードに切り替えられることで、無駄な受信処理の回数を減らすことができ、より消費電力を抑えることができる。
このような構成では、第二捕捉処理を除いた受信処理(光量検出自動受信処理や定時自動受信処理の第二受信処理)では、電力消費量が大きいため、電池23の電圧値が低い場合に受信処理が実施されると、システムダウンが起こる可能性もある。これに対して、本実施形態では、休止期間を設定することで、休止期間中の電力消費を抑えることができる。また、その間の電池23が充電されることで、電池電圧を高めることができる。
一般に、利用者の生活リズムにおいて、出勤時間や昼休み等の屋外に出る時間は決まっている。このため、上述のように、光量検出自動受信処理が成功した場合の時刻を設定時刻とすることで、利用者の生活リズムにおいて屋外に出る時刻を設定時刻として設定することができる。したがって、このような設定時刻に基づいて、定時自動受信処理を実施することで、屋外で定時自動受信処理が実施される可能性が高くなり、衛星信号を受信できる確率も向上させることができる。
一般に、所定光量以上の光量が検出されることで実施される光量検出自動受信処理が、有効期間以上実施されていない場合、腕時計1が長期間屋内に放置されていることが考えられる。これに対して、本実施形態では、定時受信制御部362は、内部時刻情報の日時が、光量受信日時記憶部265に記憶される日時から有効期間以上経過していると判断した場合、定時自動受信処理を実施しない。このため、受信環境が悪い屋内での定時自動受信処理が実施されず、当該処理による電力消費をなくすことができ、さらなる省電力化を図ることができる。
第一受信処理又は第二受信処理中に、腕時計1を装着した利用者が、例えば屋内やトンネル等、衛星信号の受信環境が悪い場所に移動した場合、受信処理が継続されると、消費電力が増大してしまう。これに対して、本実施形態では、上述のように、第一受信処理又は第二受信処理中に、衛星信号の信号レベルがレベル閾値未満となった場合に、受信処理を停止させるため、消費電力の増大を抑えることができる。
次に、本発明の第二実施形態について、図面に基づいて説明する。
上記第一実施形態では、定時受信制御部362は、第二捕捉処理において、固定値である第二捕捉時間により、タイムアウトを実施した。これに対して、第二実施形態では、第二捕捉時間を電池23の電圧値に応じて変化させる点で、上記第一実施形態と相違する。
なお、第二実施形態の腕時計は、図1から図4に示すような第一実施形態の腕時計1と同様の構成を有する。したがって、定時受信制御部362以外の各構成についての詳細な説明を省略する。
具体的には、定時受信制御部362は、電池23の電圧値が3.9V以上である場合、上記第一実施形態と同様、第二捕捉時間として例えば5秒を設定する。一方、定時受信制御部362は、電池23の電圧値が3.9V未満である場合、タイムアウトまでの第二捕捉時間として、電池23の電圧値が3.9V以上の場合に比べて短い時間(例えば4秒)に設定する。
なお、本実施形態では、電池23の電圧値に応じて、5秒または4秒のいずれかに設定する例を示すが、これに限定されない。例えば、定時受信制御部362は、電池23の電圧値が3.9V未満である場合、電圧値に応じてより細かく変化させる構成としてもよい。
図8は、第二実施形態における定時自動受信処理を示すフローチャートである。なお、図8において、図7と同様の処理については同符号を付し、その説明を省略する。
定時受信制御部362は、S38において、「Yes」と判定した場合は、第二捕捉時間を5秒に設定し(S39)、「No」と判定した場合は、第二捕捉時間を4秒に設定する(S40)。
次に、定時受信制御部362は、第一実施形態と同様にS32の処理を実施する。この際、定時受信制御部362は、S39,S40で設定された第二捕捉時間以内にGPS衛星10が捕捉されたか否かを判断する。
第二実施形態では、定時受信制御部362は、電池電圧検出部34により検出される電池23の電圧値を監視し、当該電圧値が3.9V以上である場合、第二捕捉時間を5秒として、第二捕捉処理を実施する。一方、定時受信制御部362は、電圧値が3.9V未満である場合、第二捕捉時間をより短い時間である4秒として、第二捕捉処理を実施する。
腕時計1の各構成のうちでも、GPS装置25の消費電力は大きく、電池23の電力残量が少ない状態で、GPS装置25の第二捕捉処理を長時間実施すると、システムダウンに陥り、時刻表示部222により時刻を表示させることができなくなる可能性がある。これに対して、本実施形態では、電池23の電圧値に応じて、第二捕捉処理におけるタイムアウトまでの第二捕捉時間を設定し、電池電圧が低下した場合には第二捕捉時間を短くしているので、消費電力の低減でき、システムダウン等の不都合を抑制することができる。
なお、本発明は前記各実施形態に限定されない。
例えば、定時受信制御部362は、設定時刻の前後に位置情報衛星の捕捉処理を別途行ってもよい。
すなわち、定時受信制御部362は、設定時刻に加え、設定時刻の所定時間前(例えば10分前)、または、設定時刻の所定時間後(例えば10分後)において、位置情報衛星の捕捉処理を行う。この場合の位置情報衛星の捕捉時間は、設定時刻での定時自動受信処理時の第二捕捉時間(例えば5秒)よりも短い第三捕捉時間(例えば4秒)に設定すればよい。
また、信号レベルがレベル閾値未満となった時間を計測し、当該時間が、所定時間以上となった場合に、受信処理を停止させる処理を実施してもよい。
一方、光量受信日時記憶部265に記憶された日時から有効期間が経過している場合、さらに光量検出受信制御部361の制御により実施される光量検出自動受信処理をも停止させる処理をしてもよく、この場合、更に消費電力の増大を抑制することができる。
この場合であっても、定時自動受信処理の第二捕捉処理が、第一捕捉時間よりも短い第二捕捉時間でタイムアウトされることで、消費電力を抑えることができる。
Claims (10)
- 位置情報衛星を捕捉し、捕捉した前記位置情報衛星からの衛星信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した衛星信号に基づいて内部時刻情報を修正する時刻修正部と、
前記内部時刻情報を表示する時刻表示部と、
光量を検出する光量検出部と、
前記受信部を制御する受信制御部と、を具備し、
前記受信制御部は、
前記光量検出部により検出された光量が所定光量以上である場合に、前記受信部を制御して前記衛星信号の受信処理を行う光量検出受信制御部と、
前記内部時刻情報が予め設定された設定時刻になった場合に、前記受信部を制御して前記衛星信号の受信処理を行う定時受信制御部と、を備え、
前記光量検出受信制御部は、前記受信部を制御して受信処理を開始した際に、第一捕捉時間以内に前記位置情報衛星が捕捉できない場合、前記受信処理を停止し、
前記定時受信制御部は、前記受信部を制御して受信処理を開始した際に、前記第一捕捉時間よりも短い第二捕捉時間以内に前記位置情報衛星が捕捉できない場合、前記受信処理を停止する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1に記載の電子時計において、
前記受信制御部は、
前記光量検出受信制御部を動作させ、前記定時受信制御部を停止させる第一受信モードと、
前記光量検出受信制御部および定時受信制御部を動作させる第二受信モードとを選択可能に構成され、
前記第一受信モードでの制御を開始後、所定期間以内に、受信処理が開始されなかった場合は、前記第二受信モードでの制御に切り替え、
前記第二受信モードでの制御を開始後、前記光量検出受信制御部による受信処理が開始された場合、定時受信制御部を停止する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項2に記載の電子時計において、
前記受信制御部は、
前記第二受信モードでの制御を開始後、前記定時受信制御部による受信処理が開始され、前記第二捕捉時間以内に前記位置情報衛星を捕捉できないために受信処理を停止した場合は、第二受信モードでの制御を継続する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項2または請求項3に記載の電子時計において、
前記受信制御部は、
前記第二捕捉時間以内に前記位置情報衛星を捕捉できないために受信処理を停止した処理が連続して所定の規定回数以上になった場合は、
前記第一受信モードでの制御に切り替える
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項2から請求項4のいずれかに記載の電子時計において、
当該電子時計を駆動させる電力を供給する電池と、
前記電池の電圧値を検出する電圧検出部と、を備え、
前記受信制御部は、
前記第一受信モードでの制御時に、前記光量検出受信制御部による受信処理が行われた場合と、
前記第二受信モードでの制御時に、前記光量検出受信制御部による受信処理が行われた場合と、
前記第二受信モードでの制御時に、前記定時受信制御部による受信処理が開始されて前記第二捕捉時間以内に前記位置情報衛星を捕捉できた場合に、
前記電圧検出部で電池の電圧値を検出し、検出された電圧値が所定の閾値未満の場合は、設定された休止期間の間、受信制御を休止し、検出された電圧値が所定の閾値以上の場合は、受信制御を休止せずに第一受信モードでの制御を行う
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の電子時計において、
当該電子時計を駆動させる電力を供給する電池と、
前記電池の電圧値を検出する電圧検出部と、を備え、
前記定時受信制御部は、前記電圧検出部により検出された前記電圧値に応じて前記第二捕捉時間を設定する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の電子時計において、
前記設定時刻を設定する定刻設定部を備え、
前記定刻設定部は、前記光量検出受信制御部による受信処理が成功した時刻を前記設定時刻に設定する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載の電子時計において、
前記定時受信制御部は、前記設定時刻の所定時間前および所定時間後のうち、少なくともいずれか一方で、前記受信部を制御して前記位置情報衛星の捕捉処理を行い、当該捕捉処理において、
前記第二捕捉時間よりも短い第三捕捉時間以内に前記位置情報衛星が捕捉できない場合、当該捕捉処理を停止し、
前記位置情報衛星を捕捉できた場合、捕捉した前記位置情報衛星からの衛星信号の受信処理を行う
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項8のいずれかに記載の電子時計において、
前記光量検出受信制御部による前記受信処理が行われた日時を記憶する光量受信日時記憶部を備え、
前記受信制御部は、前記内部時刻情報の日時が、前記光量受信日時記憶部の日時から予め設定された有効時間以上経過した日時である場合、前記定時受信制御部を停止する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項9のいずれかに記載の電子時計において、
前記受信部で受信される衛星信号の信号レベルを検出するレベル検出部を備え、
前記光量検出受信制御部及び前記定時受信制御部は、前記受信処理中に、前記レベル検出部により検出される信号レベルが所定レベル閾値未満となった場合、前記受信処理を停止する
ことを特徴とする電子時計。
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