JP6278052B2 - 電子時計及び電子時計の制御方法 - Google Patents
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Description
テムでは、地球を周回する軌道を有するGPS衛星が用いられており、このGPS衛星には、原子時計が備えられている。このため、GPS衛星は、極めて正確な時刻情報(GPS時刻、衛星時刻情報)を有している。
この特許文献1には、紫外線センサーにより屋内外を判断し、屋外の場合のみGPSを受信する制御方法が記載されている。
一方で、ユーザーの日々の行動パターンには一定の周期性があることが多いので、当該行動パターンに基づいて衛星信号の受信処理を実行すれば、受信成功確率を高めることができる。
従って、本発明の電子時計によれば、自動受信時に受信に成功して時刻情報を取得できる確率が高まり、正確な時刻を表示できるとともに、無駄な受信処理を行うことを防止できて省電力化を実現できる。
この際、衛星信号を受信可能な状態となるまで、衛星信号の受信処理が所定回数繰り返されるので、当該成功の確率をさらに向上できる。
一方、受信処理を所定回数実行しても、衛星信号を受信可能な状態とならなかった場合には、以降の受信処理が終了されるので、無駄な電力消費を抑制できる。
さらに、ソーラーパネルは屋外判定にも利用できるため、加速度センサーなど別のセンサーを設ける必要がなく、コストや消費電力を低減でき、電子時計の小型化も容易になる。
これに対し、屋外判定手段により屋外に配置されていると判定され、さらに、受信条件判定手段により受信条件に該当すると判定された場合にのみ、自動受信手段が自動受信処理を行う。これによれば、屋外判定、及び、受信条件のいずれか一方のみで受信処理を行う場合に比べて、受信に成功する確率をより一層向上させることができ、受信処理を効率的に行うことができる。従って、自動受信処理の実行時に時刻情報を取得できる確率が高まるので、正確な時刻を表示できるとともに、無駄な受信処理を行うことを防止でき、省電力化を確実に実現できる。
これにより、光量検出手段で検出される光量が光量閾値以上であれば、電子時計は屋外に位置していると想定でき、前記受信条件と組み合わせて判断すれば、時刻情報の取得に成功する確率を向上でき、無駄な受信処理を行う必要がないため、消費電力を低減できる。
本発明によれば、前記電子時計と同様の作用効果を奏することができる。
以下、本発明に係る第一実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、第一実施形態に係るGPS衛星信号受信装置付き腕時計1の主なハードウエア構成等を示す概略図である。
第一実施形態に係るGPS衛星信号受信装置付き腕時計(以下「電子時計」という)1は、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星からの衛星信号を受信して衛星時刻情報を取得し、内部時刻情報を修正して表示できるように構成されている。
これらGPS衛星は、本発明における位置情報衛星の一例であり、地球の上空に複数存在している。現在は約30個のGPS衛星が周回している。
なお、電子時計1には、外部操作部材であるボタンやリュウズが設けられている。
次に、電子時計1の回路構成について説明する。
電子時計1は、図1に示すように、GPS装置(GPSモジュール)10、制御部(CPU)20、記憶装置(記憶部)30、入力装置40、表示装置50、二次電池60、ソーラーパネル70を備えている。記憶装置30は、RAM31及びROM32を備える。これらの各装置は、データバス80等を介してデータを通信している。
なお、表示装置50は、時刻表示駆動部51及び時刻表示部52(ともに図2参照)を備える。これらのうち、時刻表示部52は、時刻や測位情報を表示する指針(秒針、分針、時針)やディスプレイで構成され、時刻表示駆動部51は、当該指針を駆動するモーターや、ディスプレイを駆動する回路などで構成されている。
また、二次電池60は、発電装置であるソーラーパネル70で発電された電力を蓄積可能な電池であり、この二次電池60及びソーラーパネル70で電子時計1に電力を供給する電源が構成されている。
GPS装置10は、GPSアンテナ11を備え、GPSアンテナ11を介して受信した衛星信号を処理して時刻情報や位置情報を取得するものである。
GPSアンテナ11は、前述の複数のGPS衛星からの衛星信号を受信するパッチアンテナなどで構成される。このGPSアンテナ11は文字板の裏面側に配置され、電子時計1の表面ガラス及び文字板を通過した電波を受信するように構成されている。
このため、文字板及び表面ガラスは、GPS衛星から送信される衛星信号である電波を通す材料で構成されている。例えば、文字板はプラスチックで構成されている。
そして、バンドパスフィルターで抜き出された衛星信号は、LNAで増幅された後、ミキサーでVCOの信号とミキシングされ、IF(Intermediate Frequency:中間周波数)にダウンコンバートされる。ミキサーでミキシングされたIFは、IFアンプ、IFフィルターを通り、ADC(A/D変換器)でデジタル信号に変換される。
そして、前記相関部で算出された相関値が所定の閾値以上であれば、受信した衛星信号に用いられたC/Aコードと生成したローカルコードが一致していることになり、衛星信号を捕捉(同期)することができる。このため、受信した衛星信号を、前記ローカルコードを用いて相関処理することで、航法メッセージを復調することができる。
従って、情報取得部は、受信した航法メッセージから所定のデータ部分を抽出し、時刻情報や位置情報を取得している。このため、本実施形態では、GPS装置10によって受信手段が構成されている。
一方、記憶装置30のRAM31には、受信により取得した衛星信号、後述する時刻情報や受信結果、さらに測位モードで受信した場合に測位演算により算出される位置情報等が記憶される。
従って、RAM31は、受信により取得した時刻情報を記憶する時刻情報記憶部311と、受信結果を記憶する受信結果記憶部313(ともに図2参照)とを備える。
制御部(CPU)20は、GPS装置10の衛星信号受信部10Aを制御し、取得した時刻情報に基づいて時刻情報を修正する。
制御部20は、ROM32に記憶されたプログラムにより各種制御を行う。このため、制御部20は、屋外判定手段21、自動受信時刻判別手段22、受信条件判定手段23、自動受信手段24、状態判定手段25及び時刻情報修正部26として示される機能を備える。
具体的には、屋外判定手段21は、ソーラーパネル70からの発電量(光量)が所定の光量閾値以上であった場合には、電子時計1が屋外にあり、衛星信号を受信するのに適した環境、つまり衛星信号を取得可能であると判断する。この光量閾値は、ソーラーパネル70に入射される光の照度と発電量の関係に基づいて設定されている。
図3に示すように、ソーラーパネル70の発電量は、晴天(昼間)が最も高く、曇天は晴天に比べて発電量が低下する。さらに、室内の場合は、曇天に比べても発電量が低下する。
そして、発電環境としては、屋外であれば、曇天・晴天に関係なく、室内に比べて良好であるため、光量閾値は、室内(約5000lx:約五千ルクス以下)と屋外(約5000lx以上)との発電量を区別できる値に設定されている。図3の場合、相対発電量における光量閾値を0.5程度とすれば、室内であるか屋外であるのかを発電量で判定できる。電子時計1が屋外に配置されている場合は、GPS衛星からの受信環境も良好とみなすことができる。
一方、屋外判定手段21は、ソーラーパネル70からの発電量が光量閾値未満であった場合には、電子時計1が屋内にあり、衛星信号を取得するには適していない環境であると判断する。
また、自動受信時刻判別手段22は、前回の受信が失敗している場合は、その受信時から例えば1時間後など、受信失敗時の受信間隔で自動受信開始を指示することが好ましい。このようにすれば、受信失敗後も、通常の受信間隔よりも短い時間間隔で受信処理が行われるため、時刻情報を取得できない状態が長く継続することを防止できる。
ただし、前述のとおり、屋外判定手段21がソーラーパネル70の発電量を検出しており、発電量が所定値以上の場合のみ受信処理を行うため、ソーラーパネル70によって二次電池60も充電されて電池電圧も向上することが期待できる。従って、二次電池60の電池残量を直接検出せずに受信処理を行うことができる。
具体的に、状態判定手段25は、自動受信手段24の制御の下、衛星信号の受信を開始した衛星信号受信部10Aによって捕捉されたGPS衛星の数(捕捉衛星数)が1以上であるか否かを判定する。衛星数判定の結果、1以上のGPS衛星から衛星信号を受信可能であると判定した場合には、状態判定手段25は、さらに、受信された衛星信号の信号強度が所定値以上であるか否かを判定する。この所定値は、当該衛星信号から時刻情報等を適切に取得可能な信号強度に設定される。そして、受信された衛星信号の信号強度が所定値以上であると判定すると、状態判定手段25は、衛星信号を受信可能な状態であると判定する。一方、捕捉衛星数が0である場合や、衛星信号の信号強度が所定値未満である場合には、状態判定手段25は、衛星信号を受信可能な状態でないと判定する。
なお、捕捉衛星数と衛星信号の信号強度とのいずれかを判定する構成としてもよい。
この信号が衛星信号を受信可能な状態にない旨を示す信号であると、自動受信手段24は、衛星信号の受信処理を中断し、所定時間経過後に、当該受信処理を再度実行する。この際、衛星信号の受信処理は、当該衛星信号を受信可能な状態となって時刻情報等が取得されるまで、前記所定時間間隔で繰り返し実行される。しかしながら、無駄な電力消費を抑制するため、当該受信処理の再実行回数は所定回数(例えば3回)に設定される。
一方、当該信号が衛星信号を受信可能な状態を示す信号であると、自動受信手段24は、衛星信号の受信処理を継続実行し、受信された衛星信号から時刻情報の取得等を実施する。
また、衛星信号受信部10Aは、当該受信処理を行って時刻情報を取得する。この衛星信号受信部10Aで受信された時刻情報は、RAM31の時刻情報記憶部311に記憶される。
さらに、衛星信号受信部10Aにおける受信結果、具体的には、受信に成功したか否かの受信結果情報と、その際の受信開始時刻とが、RAM31の受信結果記憶部313に記憶される。
また、時刻情報修正部26は、時刻情報記憶部311に格納されている時刻情報や、現在地の時差情報に基づいて内部時計の時刻を修正する。時差情報は、利用者が手動入力で設定してもよいし、衛星信号を受信して測位処理を行って現在地を取得し、その現在地に対応する時差情報をRAM31に記憶された時差テーブルから取得して設定してもよい。
次に、受信条件判定手段23で用いる受信条件に関して説明する。
受信条件判定手段23は、受信条件として、受信結果記憶部313に記憶された過去の受信処理において受信に成功したときの受信開始時刻に基づいて決められる成功時間範囲と、受信に失敗したときの受信開始時刻に基づいて決められる失敗時間範囲とを設定する。
例えば、過去の受信成功履歴として、「受信開始時:7時00分」が記憶されている場合、受信条件判定手段23は、この受信開始時の前後30分間、つまり6時30分から7時30分の時間範囲を成功時間範囲として受信条件に設定する。
また、過去の受信失敗履歴として、「受信開始時:17時00分」が記憶されている場合、受信条件判定手段23は、この受信開始時の前後30分間、つまり16時30分から17時30分の時間範囲を失敗時間範囲として受信条件に設定する。
なお、成功時間範囲と失敗時間範囲とが重なる場合は、より新しい受信記録を優先すればよい。すなわち、成功時間範囲が16時00分から17時00分であり、失敗時間範囲が16時30分から17時30分の場合、成功時間範囲が設定された受信処理が、失敗時間範囲が設定された受信処理よりも後の場合、つまりより新しい場合には、成功時間範囲はそのままに維持し、失敗時間範囲を17時00分から17時30分に設定し直す。従って、本実施形態では、内部時刻が成功時間範囲に含まれる場合は、自動的に失敗時間範囲に含まれないように設定している。
さらに、手動受信モードを用意しておき、ユーザーが手動受信処理を行った場合に、受信条件判定手段23が手動受信開始時刻に基づいて時間範囲を設定してもよい。
なお、本実施形態では、図2に示すように、屋外判定手段21による屋外判定結果は、受信条件判定手段23を介して自動受信手段24に出力されているが、屋外判定手段21から自動受信手段24に直接出力してもよい。
図4及び図5は、受信処理を示すフローチャートである。
次に、制御部20における制御について、図4及び図5も参照して説明する。
自動受信手段24により実行される受信処理は、自動受信時刻判別手段22が内部時刻を参照し、自動受信処理時刻になったと判断した場合に実行される処理である。
この受信処理では、図4に示すように、自動受信時刻判別手段22は、内部時刻を参照して前回の受信から所定時間(例えば24時間)が経過して自動受信時刻になったかを判断する(S1)。S1でNoの場合、自動受信時刻になるまで、S1の処理を継続する。
本実施形態では、前述したように、屋外判定手段21は、ソーラーパネル70の発電量が光量閾値以上であるかを判定することで、電子時計1がGPS信号を受信可能な場所つまり屋外にあるかを判定する。
一方、S2でYesと判定された場合、受信条件判定手段23は、受信条件に該当するかを判定する(S3)。
本実施形態では、前述のとおり、受信条件は、受信結果記憶部313に記憶された受信履歴に基づく成功時間範囲及び失敗時間範囲である。従って、受信条件判定手段23は、時刻情報修正部26で計時している内部時刻が、前記成功時間範囲に入れば、受信条件に該当したと判定する。なお、前述のとおり、成功時間範囲は失敗時間範囲に重ならないため、内部時刻が成功時間範囲に該当する場合、自動的に失敗時間範囲に該当しないことになる。
そして、S3でNoと判定された場合、屋外判定手段21は、S2に戻って処理を継続する。
次に、状態判定手段25は、当該衛星信号受信部10Aにより捕捉されたGPS衛星の衛星数と、当該GPS衛星から受信された衛星信号の信号強度とに基づいて、電子時計1が衛星信号を受信可能な状態にあるか否かを判定する(S5)。
このS5でNoと判定された場合、自動受信手段24は、衛星信号受信部10Aによる衛星信号の受信を中断させる(S6)。
そして、自動受信手段24は、当該自動受信処理において衛星信号を受信可能な状態ではないと判定された回数(不可回数)を計数する(S7)。具体的に、自動受信手段24は、当該自動受信処理の開始に伴って初期化(すなわち「0」に設定)される不可回数を1増加させる。
このS8でYesと判定された場合、自動受信手段24は、S14に処理を進める。
このS9でNoと判定された場合、自動受信手段24は、所定時間が経過するまでS9の判定処理を継続する。
一方、S9でYesと判定された場合、自動受信手段24はS4に戻る。これにより、衛星信号を受信可能な状態となるまで、S4〜S9が前記所定回数繰り返される。
さらに、受信条件判定手段23は、受信結果記憶部313に追加された受信結果を用いて受信条件、具体的には成功時間範囲を更新する(S13)。
さらに、受信条件判定手段23は、受信に失敗した場合も、受信結果記憶部313に追加された受信結果を用いて受信条件、具体的には失敗時間範囲を更新する(S13)。
その後、S1において自動受信時刻になったと判定されれば、S2〜S14の処理が実行される。
本実施形態によれば、受信条件判定手段23によって過去の受信結果に基づく受信条件に該当するかを判定し、当該受信条件に該当する場合に、自動受信手段24は自動受信処理を実行している。このため、衛星信号の受信に成功する確率を高くでき、受信処理を効率的に行うことができる。
さらに、受信条件判定手段23は、受信失敗記録に基づいて失敗時間範囲を設定している。このため、過去のユーザーの行動パターンに基づく受信失敗時間帯であれば受信を行わないので、無駄な受信処理を行うことを防止でき、省電力化を図ることができる。
そして、受信条件判定手段23は、これら受信成功履歴及び受信失敗履歴の両方を参照して受信処理を行うため、いずれか一方の履歴のみで受信処理を行う場合に比べて、受信に成功する確率をより向上できる。
その上、成功時間範囲及び失敗時間範囲の時間帯が重なる場合には、直近の受信結果を優先しているので、行動パターンが変化した場合でも、より最近の行動パターンに合わせた受信処理を行うことができるため、受信に成功する確率をより向上できる。
この際、衛星信号を受信可能な状態となるまで、衛星信号の受信処理が所定回数繰り返されるので、当該成功の確率をさらに向上できる。一方、受信処理を所定回数実行しても、衛星信号を受信可能な状態とならなかった場合には、自動受信処理は終了される(衛星信号の受信処理が実行されない)ので、無駄な電力消費を抑制できる。
ここで、屋外判定手段21による屋外判定のみで自動受信処理の実行の可否を判断した場合、必ずしも受信に適していない環境で、衛星信号の受信処理を行ってしまうおそれがある。例えば、通勤途中の電車の中で瞬間的に太陽光が電子時計1に当たった場合に、屋外であると認識して自動受信が行われてしまう可能性がある。この場合、電車は高速で移動するとともに、頻繁かつ継続的に駅やビル等の建物の陰に入ることがあり、受信に失敗する可能性が高い。
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
図6及び図7は、第二実施形態に係る電子時計により実行される受信処理を示すフローチャートである。
第二実施形態に係る電子時計は、受信条件判定手段23で判定する受信条件として、時間範囲だけでなく、曜日も条件に加えている点で、前記第一実施形態に係る電子時計1と相違する。このため、本実施形態に係る電子時計の構成は、第一実施形態に係る電子時計1と同様であるため、説明を省略する。
また、図6及び図7フローチャートに示す第二実施形態の処理において、図4及び図5に示す第一実施形態のフローチャートと同じ処理には同じ符号を付し、説明を省略する。
その他の処理は、第一実施形態に係る電子時計1と同じであるため、説明を省略する。
第二実施形態に係る電子時計おいても、前記第一実施形態に係る電子時計1と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、S3Aの受信条件判定において、受信時間だけでなく、曜日情報も条件に加えているので、第一実施形態に係る電子時計1に比べてもより受信確率を向上できる。
例えば、受信成功履歴として、自宅から駅までの通勤時に受信に成功したため、受信開始時であった7時30分の前後30分間の成功時間範囲が設定されていた場合、第一実施形態では、曜日情報を判定しないため、平日と行動パターンが異なる土曜日や日曜日など休日の場合もS3Aの受信条件に該当することになる。このため、平日に受信に成功していても、行動パターンが異なる休日には受信に失敗する可能性がある。
さらに、曜日ごとに判断できるので、曜日ごとに行動パターンが異なるユーザーの場合でも、受信に成功する確率が低下することがない。
従って、時刻情報を確実に受信できる確率が高まり、受信処理の省電力化を実現でき、システムダウンを確実に防止でき、正確な時刻を表示できる。
次に、本発明の第三実施形態について説明する。
図8は、本発明の第三実施形態に係る電子時計1Aのシステム構成を示すブロック図である。
第三実施形態に係る電子時計1Aは、図8に示すように、加速度センサー90をさらに備え、受信条件判定手段23が判定する受信条件として、加速度センサー90の出力値を用いた点で、前記実施形態に係る電子時計1と相違する。従って、第三実施形態に係る電子時計1Aにおいて、前記実施形態に係る電子時計1と同じ構成には、同じ符号を付し、説明を省略する。
また、受信結果記憶部313には、受信結果とともに、その際の加速度センサー90の出力値が記憶される。
また、加速度センサー90の最大出力値が、あらかじめ設定された第2閾値(第1閾値よりも大きな値)以上の場合には、受信条件判定手段23は、電子時計1Aが歩行しているユーザーに装着された状態にあると判定し、受信条件に該当すると判定する。
一方、加速度センサー90の最大出力値が、あらかじめ設定された第1閾値以上、第2閾値未満の場合、つまり設定された加速度範囲に含まれない場合には、受信条件判定手段23は、電子時計1Aを装着しているユーザーが乗り物に乗っている状態にあると判定し、受信条件には該当しないと判定する。
一方で、加速度センサー90の最大出力値が第2閾値以上であるにもかかわらず、衛星信号の受信に失敗した場合には、その最大出力値を新しい第2閾値に変更すればよい。
第三実施形態に係る電子時計1Aでは、受信条件判定において、加速度センサー90の出力値を用いて判断しているので、当該電子時計1Aが静止しているのか、あるいは、歩行しているユーザーに装着されているのかを判定できる。そして、屋外判定手段21の屋外判定と組み合わせれば、屋外において電子時計1Aが机の上などに置かれて静止されている状態や、屋外を歩行しているユーザーの腕に装着されている状態であることを判定できる。つまり、ユーザーが電車や自動車、バスなどの乗り物に乗っており、一時的に太陽光があたった状態ではないことを判定できる。
したがって、この条件に該当する際に受信処理を行えば、乗り物に乗っている場合に比べて受信に成功する確率が高いので、時刻情報を取得できる確率も向上できる。
なお、本発明は前記各実施形態に限定されない。
例えば、前記第三実施形態では、電子時計1Aに加速度センサー90を設けて、当該電子時計1Aが静止状態であるか、歩行状態で使用されているか、あるいは乗り物に乗車している状態で使用されているかを判断していた。しかしながら、これに限らず、加速度センサー90の代わりにソーラーパネル70の出力値の変動量を利用してこれらの状態を判定してもよい。
一方、歩行しているユーザーの腕に電子時計が装着されている場合、太陽光に対するソーラーパネル70の受光面の角度が大きく変化し、所定の時間、例えば30秒間であれば、ソーラーパネル70の発電電流や電圧等の出力値は大きく変化する。
また、乗り物に乗車しているユーザーの腕に電子時計が装着されている場合、ソーラーパネル70の発電電流や電圧は変化するが、その変化量は歩行時に比べて小さい。
従って、加速度センサー90が設けられた場合と同様に、ソーラーパネル70の出力値を検出し、当該出力値が、過去の受信処理において受信成功時及び失敗時の出力値に基づいて設定された変動範囲に含まれるか否かを判定することで、受信条件に該当するか否かを判定できる。また、加速度センサー90を不要にできるので、消費電力を低減でき、腕時計等の小型の電子時計に容易に組み込める利点がある。
例えば、受信条件として成功時間範囲のみを設ければ、過去に受信に成功した時間帯での受信処理のみが実行されることになる。ただし、この場合、ユーザーの行動パターンが変化した結果、同じ時間帯で受信に失敗しても、その履歴が考慮されない。このため、前記各実施形態のように失敗時間範囲も設定したほうが、受信成功確率を向上できる。
さらに、曜日情報としては、平日及び休日で分類してもよい。この平日及び休日は、初期設定として月曜日から金曜日を平日、土曜日及び日曜日を休日としておき、ユーザーの入力操作で変更できるようにすればよい。この場合には、過去の受信履歴が月曜日の情報しかない場合でも、火曜日から金曜日までは同じ平日であると判断して、月曜日の受信履歴を利用して自動受信制御を行うことができる。
また、前記成功時間範囲及び失敗時間範囲は、その受信時の受信開始時刻に基づいて設定していたが、受信終了時刻を基準に設定してもよい。要するに、受信処理を行っていた時間に対応して時間範囲を設定すればよい。
また、屋外判定手段21は無くてもよい。この場合、受信条件判定手段23により、受信条件に該当すると判定された場合に、自動受信手段24が、前述の自動受信処理を実行すればよい。
また、電子時計に発電装置を設けずに、外部電源、例えばコンセントなどからの電力で二次電池60を充電してもよい。
さらに、電源としては、充電可能な二次電池に限らず、一次電池でもよい。
Claims (17)
- 位置情報衛星から送信される衛星信号を受信する受信手段と、
前記受信手段を作動させて衛星信号を受信し、衛星信号に含まれる時刻情報を取得する自動受信処理を行う自動受信手段と、
時刻を計時するとともに、前記自動受信手段で取得した時刻情報によって、計時している時刻を修正する計時手段と、
設定された受信条件に該当するか否かを判定する受信条件判定手段と、
屋外に配置されているか否かを判定する屋外判定手段と、を備え、
前記受信条件判定手段は、
過去の受信処理において受信に成功したときの受信開始時の前後に渡る成功時間範囲を前記受信条件として設定し、
過去の受信処理において受信に失敗したときの受信時刻に基づいて決められる失敗時間範囲を前記受信条件として設定し、
前記計時手段で計時されている時刻が前記成功時間範囲に含まれる場合は、前記受信条件に該当すると判定し、
前記計時手段で計時されている時刻が前記失敗時間範囲に含まれる場合は、前記受信条件に該当しないと判定し、
前記自動受信手段は、
前記屋外判定手段によって屋外であると判定され、かつ、前記受信条件判定手段によって前記受信条件に該当すると判定された場合に、前記自動受信処理を実行する
ことを特徴とする電子時計。 - 位置情報衛星から送信される衛星信号を受信する受信手段と、
前記受信手段を作動させて衛星信号を受信し、衛星信号に含まれる時刻情報を取得する自動受信処理を行う自動受信手段と、
時刻を計時するとともに、前記自動受信手段で取得した時刻情報によって、計時している時刻を修正する計時手段と、
設定された受信条件に該当するか否かを判定する受信条件判定手段と、
屋外に配置されているか否かを判定する屋外判定手段と、を備え、
前記受信条件判定手段は、
過去の受信処理において受信に成功したときの受信開始時の前後に渡る成功時間範囲と、その受信成功時の曜日とを前記受信条件として設定し、
過去の受信処理において受信に失敗したときの受信時刻に基づいて決められる失敗時間範囲と、その受信失敗時の曜日とを前記受信条件として設定し、
前記計時手段で計時されている時刻が前記成功時間範囲に含まれ、かつ、曜日が前記成功時間範囲に対応する曜日と一致する場合は、前記受信条件に該当すると判定し、
前記計時手段で計時されている時刻が前記失敗時間範囲に含まれ、かつ、曜日が前記失敗時間範囲に対応する曜日と一致する場合は、前記受信条件に該当しないと判定し、
前記自動受信手段は、
前記屋外判定手段によって屋外であると判定され、かつ、前記受信条件判定手段によって前記受信条件に該当すると判定された場合に、前記自動受信処理を実行する
ことを特徴とする電子時計。 - 位置情報衛星から送信される衛星信号を受信する受信手段と、
前記受信手段を作動させて衛星信号を受信し、衛星信号に含まれる時刻情報を取得する自動受信処理を行う自動受信手段と、
時刻を計時するとともに、前記自動受信手段で取得した時刻情報によって、計時している時刻を修正する計時手段と、
設定された受信条件に該当するか否かを判定する受信条件判定手段と、
屋外に配置されているか否かを判定する屋外判定手段と、
加速度センサーと、を備え、
前記受信条件判定手段は、前記加速度センサーの出力値が、第1閾値未満、または、前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上の加速度範囲に含まれる場合は、前記受信条件に該当すると判定し、
前記自動受信手段は、
前記屋外判定手段によって屋外であると判定され、かつ、前記受信条件判定手段によって前記受信条件に該当すると判定された場合に、前記自動受信処理を実行する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項3に記載の電子時計において、
前記受信条件判定手段は、前記受信条件の加速度範囲を、過去の受信処理における受信の成功時または失敗時の前記加速度センサーの出力値に基づいて設定する
ことを特徴とする電子時計。 - 位置情報衛星から送信される衛星信号を受信する受信手段と、
前記受信手段を作動させて衛星信号を受信し、衛星信号に含まれる時刻情報を取得する自動受信処理を行う自動受信手段と、
時刻を計時するとともに、前記自動受信手段で取得した時刻情報によって、計時している時刻を修正する計時手段と、
設定された受信条件に該当するか否かを判定する受信条件判定手段と、
屋外に配置されているか否かを判定する屋外判定手段と、
ソーラーパネルと、を備え、
前記受信条件判定手段は、前記ソーラーパネルの出力値の変動量が、第1閾値未満、または、前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上の変動範囲に含まれる場合は、前記受信条件に該当すると判定し、
前記自動受信手段は、
前記屋外判定手段によって屋外であると判定され、かつ、前記受信条件判定手段によって前記受信条件に該当すると判定された場合に、前記自動受信処理を実行する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項5に記載の電子時計において、
前記受信条件判定手段は、前記受信条件の変動範囲を、過去の受信処理における受信の成功時または失敗時の前記ソーラーパネルの出力値に基づいて設定する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電子時計において、
電子時計に照射する光量を検出する光量検出部を備え、
前記屋外判定手段は、前記光量検出部で検出される光量があらかじめ設定された光量閾値以上の場合に、当該電子時計が屋外にあると判定する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項7に記載の電子時計において、
前記光量検出部は、ソーラーパネルによって構成され、
前記屋外判定手段は、前記ソーラーパネルの発電量または開放電圧があらかじめ設定された閾値以上の場合に、当該電子時計が屋外にあると判定する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の電子時計において、
前記衛星信号を受信可能な状態にあるか否かを判定する状態判定手段を備え、
前記自動受信手段は、前記状態判定手段によって前記衛星信号を受信可能な状態にないと判定された場合には、前記受信手段による前記衛星信号の受信処理を中断させる
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項9に記載の電子時計において、
前記自動受信手段は、前記状態判定手段によって前記衛星信号を受信可能な状態にないと判定されて前記受信手段による前記衛星信号の受信処理を中断させたときから所定時間経過後に、前記衛星信号を受信可能な状態となるまで、前記衛星信号の受信処理を所定回数繰り返し実行する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項9または請求項10に記載の電子時計において、
前記状態判定手段は、前記位置情報衛星の捕捉数、及び、受信された前記衛星信号の信号強度の少なくともいずれかに基づいて、当該衛星信号を受信可能な状態にあるか否かを判定する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項3から請求項6のいずれか一項に記載の電子時計において、
前記受信条件判定手段は、過去の受信処理において受信に失敗したときの受信時刻に基づいて決められる失敗時間範囲を前記受信条件として設定し、
前記計時手段で計時されている時刻が前記失敗時間範囲に含まれる場合は、前記受信条件に該当しないと判定する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項3から請求項6のいずれか一項に記載の電子時計において、
前記受信条件判定手段は、過去の受信処理において受信に失敗したときの受信時刻に基づいて決められる失敗時間範囲と、その受信失敗時の曜日とを前記受信条件として設定し、
前記計時手段で計時されている時刻が前記失敗時間範囲に含まれ、かつ、曜日が前記失敗時間範囲に対応する曜日と一致する場合は、前記受信条件に該当しないと判定する
ことを特徴とする電子時計。 - 位置情報衛星から送信される衛星信号を受信する受信手段と、
前記受信手段を作動させて衛星信号を受信し、衛星信号に含まれる時刻情報を取得する自動受信処理を行う自動受信手段と、
時刻を計時するとともに、前記自動受信手段で取得した時刻情報によって、計時している時刻を修正する計時手段と、
設定された受信条件に該当するか否かを判定する受信条件判定手段と、
屋外に配置されているか否かを判定する屋外判定手段と、を備えた電子時計の制御方法であって、
前記受信条件判定手段は、
過去の受信処理において受信に成功したときの受信開始時の前後に渡る成功時間範囲を前記受信条件として設定し、
過去の受信処理において受信に失敗したときの受信時刻に基づいて決められる失敗時間範囲を前記受信条件として設定し、
前記計時手段で計時されている時刻が前記成功時間範囲に含まれる場合は、前記受信条件に該当すると判定し、
前記計時手段で計時されている時刻が前記失敗時間範囲に含まれる場合は、前記受信条件に該当しないと判定し、
前記自動受信手段は、
前記屋外判定手段によって屋外であると判定され、かつ、前記受信条件判定手段によって前記受信条件に該当すると判定された場合に、前記自動受信処理を実行する
ことを特徴とする電子時計の制御方法。 - 位置情報衛星から送信される衛星信号を受信する受信手段と、
前記受信手段を作動させて衛星信号を受信し、衛星信号に含まれる時刻情報を取得する自動受信処理を行う自動受信手段と、
時刻を計時するとともに、前記自動受信手段で取得した時刻情報によって、計時している時刻を修正する計時手段と、
設定された受信条件に該当するか否かを判定する受信条件判定手段と、
屋外に配置されているか否かを判定する屋外判定手段と、を備えた電子時計の制御方法であって、
前記受信条件判定手段は、
過去の受信処理において受信に成功したときの受信開始時の前後に渡る成功時間範囲と、その受信成功時の曜日とを前記受信条件として設定し、
過去の受信処理において受信に失敗したときの受信時刻に基づいて決められる失敗時間範囲と、その受信失敗時の曜日とを前記受信条件として設定し、
前記計時手段で計時されている時刻が前記成功時間範囲に含まれ、かつ、曜日が前記成功時間範囲に対応する曜日と一致する場合は、前記受信条件に該当すると判定し、
前記計時手段で計時されている時刻が前記失敗時間範囲に含まれ、かつ、曜日が前記失敗時間範囲に対応する曜日と一致する場合は、前記受信条件に該当しないと判定し、
前記自動受信手段は、
前記屋外判定手段によって屋外であると判定され、かつ、前記受信条件判定手段によって前記受信条件に該当すると判定された場合に、前記自動受信処理を実行する
ことを特徴とする電子時計の制御方法。 - 位置情報衛星から送信される衛星信号を受信する受信手段と、
前記受信手段を作動させて衛星信号を受信し、衛星信号に含まれる時刻情報を取得する自動受信処理を行う自動受信手段と、
時刻を計時するとともに、前記自動受信手段で取得した時刻情報によって、計時している時刻を修正する計時手段と、
設定された受信条件に該当するか否かを判定する受信条件判定手段と、
屋外に配置されているか否かを判定する屋外判定手段と、
加速度センサーと、を備えた電子時計の制御方法であって、
前記受信条件判定手段は、前記加速度センサーの出力値が、第1閾値未満、または、前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上の加速度範囲に含まれる場合は、前記受信条件に該当すると判定し、
前記自動受信手段は、
前記屋外判定手段によって屋外であると判定され、かつ、前記受信条件判定手段によって前記受信条件に該当すると判定された場合に、前記自動受信処理を実行する
ことを特徴とする電子時計の制御方法。 - 位置情報衛星から送信される衛星信号を受信する受信手段と、
前記受信手段を作動させて衛星信号を受信し、衛星信号に含まれる時刻情報を取得する自動受信処理を行う自動受信手段と、
時刻を計時するとともに、前記自動受信手段で取得した時刻情報によって、計時している時刻を修正する計時手段と、
設定された受信条件に該当するか否かを判定する受信条件判定手段と、
屋外に配置されているか否かを判定する屋外判定手段と、
ソーラーパネルと、を備えた電子時計の制御方法であって、
前記受信条件判定手段は、前記ソーラーパネルの出力値の変動量が、第1閾値未満、または、前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上の変動範囲に含まれる場合は、前記受信条件に該当すると判定し、
前記自動受信手段は、
前記屋外判定手段によって屋外であると判定され、かつ、前記受信条件判定手段によって前記受信条件に該当すると判定された場合に、前記自動受信処理を実行する
ことを特徴とする電子時計の制御方法。
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