JP5463630B2 - 時刻修正装置、時刻修正装置付き計時装置及び時刻修正方法 - Google Patents
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このようにGPS衛星の時刻情報(衛星時刻情報)を利用する電子時計において、GPS衛星からの信号(航法メッセージ)を受ける受信機側は、GPS衛星の時刻情報を得るために、GPS衛星からの信号のうち、TOW(Time of Week、GPS時刻、週の初めから一週間毎に示される秒単位の情報で「Zカウント」ともいう)信号およびWN(週番号、現在のGPS時刻が含まれる週を表す情報)信号を受信する必要がある。
このような電子時計において、GPS衛星からの信号を常時受信すると、電力消費が増大する。
その後、電子時計の基準のクロック信号を発生するクリスタル(水晶振動子)の精度と、要求される時計の精度との関係から、次に航法メッセージを取得する時間つまり時刻の補正を行うタイミングを求める。
そして、次に航法メッセージを取得するまでの時間は、CPUを停止するスリープモード状態に制御する。そして、このスリープモードの経過時間後に、再び、フルパワーモードに移行し、航法メッセージを取得する。そして、この航法メッセージからの時刻情報に基づいて時刻修正を行うようになっている。
この際、GPS衛星信号において、Zカウントは6秒毎に受信が可能であるが、週番号等は30秒毎に送信されるサブフレーム1に含まれるため、Zカウント以外のデータも取得する場合は、Zカウントのみを取得する場合に比べて受信時間が長くなる。
このため、各フルパワーモードにおける航法メッセージ取得処理に時間が掛かり、消費電力が大きくなるという問題がある。従って、スリープモードを設けることで消費電力を抑えていても、フルパワーモード時の消費電力が大きいため、腕時計のように、電池寿命を延ばすために消費電力を低減させたい場合は、前記電子時計では十分な効果が得られないという問題がある。
また、腕時計のような携帯型の電子時計においては、航法メッセージを取得する際に時間が掛かると、受信処理中に、電子時計が移動してアンテナの向きが変化したり、GPS衛星が建物の影に隠れてしまう可能性が高まる。このため、結果的に航法メッセージの取得に失敗する可能性が高くなり、その分、消費電力も増加する。
一方、航法メッセージの受信中であることを利用者に通知し、その間は時計を動かさないように指示することも考えられるが、比較的長い間、時計を動かすことができず、利便性を損なうという問題が発生する。
一方、既に第2情報で時刻修正を行っている場合には、内部時刻の年月日も正しいデータに修正されているため、その後は、年月日まではずれることは少ない。このため、時分秒からなる第1情報で内部時刻を修正できると判定される可能性が高く、この第1情報を受信するだけで内部時刻情報を修正することができる。
このため、消費電力を低減でき、電源の持続時間を長くできる。従って、本発明の時刻修正装置が、腕時計のような携帯型の計時装置に組み込まれている場合に、計時装置の持続時間を長くでき、利便性を向上できる。
また、第2情報に、衛星健康状態の情報が含まれている場合には、受信した第2情報が正常な情報であるかも容易に判断でき、正しい時刻情報で前記内部時刻情報を修正できる。
さらに、初回以降は、第1情報のみを受信すればよい場合が多いため、受信処理時間を短くできる。このため、受信中、時刻修正装置を動かさずに静止する必要がある時でも、受信時間が短いため、利用者の利便性を損なうことがない。
また、第2情報を受信するのは、初回受信時と、初回以降において、受信した第1情報と内部時刻情報との差が内部時刻許容範囲外と大幅にずれている場合のみであるため、平均的な受信処理時間も短くできる。
このため、消費電力を低減でき、電源の持続時間を長くできる。従って、本発明の時刻修正装置が、腕時計のような携帯型の計時装置に組み込まれている場合に、計時装置の持続時間を長くでき、利便性を向上できる。
さらに、通常は、第1受信モードで受信でき、受信処理時間を短くできるため、受信中、時刻修正装置を動かさずに静止する必要がある時でも、受信時間が短いため、利用者の利便性を損なうことがない。
また、第2情報を受信するのは、初回受信時と、初回以降において、受信した第1情報同士の差が衛星時刻許容範囲外とずれている場合のみであるため、平均的な受信処理時間も短くできる。
このため、消費電力を低減でき、電源の持続時間を長くできる。従って、本発明の時刻修正装置が、腕時計のような携帯型の計時装置に組み込まれている場合に、計時装置の持続時間を長くでき、利便性を向上できる。
さらに、通常は、第1受信モードで受信でき、受信処理時間を短くできるため、受信中、時刻修正装置を動かさずに静止する必要がある時でも、受信時間が短いため、利用者の利便性を損なうことがない。
また、第2情報を受信するのは、初回受信時と、初回以降において、受信した第1情報と内部時刻情報との差が内部時刻許容範囲外と大幅にずれている場合と、受信した第1情報同士の差が衛星時刻許容範囲外とずれている場合のみであるため、平均的な受信処理時間も短くできる。
このため、消費電力を低減でき、電源の持続時間を長くできる。従って、本発明の時刻修正装置が、腕時計のような携帯型の計時装置に組み込まれている場合に、計時装置の持続時間を長くでき、利便性を向上できる。
さらに、通常は、第1受信モードで受信でき、受信処理時間を短くできるため、受信中、時刻修正装置を動かさずに静止する必要がある時でも、受信時間が短いため、利用者の利便性を損なうことがない。
一方、本発明では、経過時間が設定時間以上になると、第2情報を受信しているので、第1情報を受信する必要が無く、その分、電力消費を軽減できる。
なお、前記設定時間は、時刻情報生成部の精度などに応じて適宜設定すればよく、例えば、1日(24時間)などに設定すればよい。
一方、本発明では、手動で時刻を修正した後であれば、最初から第2情報を受信しているので、第1情報を受信する必要が無く、その分、電力消費を軽減できる。
一方、本発明では、電源電圧が設定電圧以下に低下した場合には、低パワーモードにして、第2情報時刻修正手段の作動を禁止しているので、電圧が急激に低下することを未然に防止できる。
なお、前記設定電圧は、第2情報の受信を行った場合に急激に電圧が低下してシステムダウンになってしまう可能性がある電圧を基準に設定すればよい。
本発明の時刻修正装置付き計時装置によれば、状況に応じて、第1情報のみ受信して時刻修正処理を行う場合と、第2情報を受信して時刻修正処理を行う場合とを切り替えているので、平均的な受信処理時間を大幅に短縮できる。
このため、消費電力を低減でき、計時装置の持続時間を長くでき、腕時計のような携帯型の計時装置に適している。
さらに、初回以降は、第1情報のみを受信すればよく、受信処理時間を短くできるため、受信中、時刻修正装置を動かさずに静止する必要がある時でも、受信時間が短いため、利用者の利便性を損なうことがない。従って、本発明は、特に腕時計や懐中時計のように、携帯可能な計時装置に適している。
そして、この第2情報による時刻修正が行われると時刻修正記録手段に時刻修正が行われたことが記録される。このため、それ以降の時刻修正時には、時刻修正記録手段に時刻修正が記録されているので、第1情報時刻修正工程が実行される。
このように、本発明によれば、第2情報による時刻修正の有無を判定しているので、第2情報を受信するのは、通常は、初回受信時のみであるため、平均的な受信処理時間も短くできる。
このため、消費電力を低減でき、電源の持続時間を長くできる。従って、本発明の時刻修正装置が、腕時計のような携帯型の計時装置に組み込まれている場合に、計時装置の持続時間を長くでき、利便性を向上できる。
さらに、通常は、第1受信モードで受信でき、受信処理時間を短くできるため、受信中、時刻修正装置を動かさずに静止する必要がある時でも、受信時間が短いため、利用者の利便性を損なうことがない。
なお、本発明の時刻修正方法においても、請求項2〜10に記載した内容を適用してもよい。
例えば、前記判定工程は、請求項2と同様に、受信した前記第1情報と前記内部時刻情報との差が予め設定された内部時刻許容範囲内であれば、受信した前記第1情報で前記内部時刻情報を修正できると判定し、前記第1情報と前記内部時刻情報との差が前記内部時刻許容範囲外であれば、受信した前記第1情報で前記内部時刻情報を修正できないと判定してもよい。
また、請求項3と同様に、第1情報時刻修正工程において、複数の位置情報衛星から送信される衛星信号に含まれる前記第1情報を受信し、前記判定工程において、受信した各位置情報衛星の前記第1情報同士の差が予め設定された衛星時刻許容範囲内であれば、受信した前記第1情報で前記内部時刻情報を修正できると判定し、前記第1情報同士の差が前記衛星時刻許容範囲外であれば、受信した前記第1情報で前記内部時刻情報を修正できないと判定してもよい。
さらに、判定工程は、請求項4と同様に、受信した各位置情報衛星の前記第1情報同士の差が予め設定された衛星時刻許容範囲内であり、かつ、受信した前記第1情報と前記内部時刻情報との差が予め設定された内部時刻許容範囲内であれば、受信した前記第1情報で前記内部時刻情報を修正できると判定し、前記第1情報同士の差が前記衛星時刻許容範囲外の場合、または、受信した前記第1情報と前記内部時刻情報との差が前記内部時刻許容範囲外の場合に、受信した前記第1情報で前記内部時刻情報を修正できないと判定してもよい。
同様に、請求項5〜10の内容を本発明の時刻修正方法に適用してもよい。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明に係る時刻修正装置付き計時装置であるGPS時刻修正装置付き腕時計10(以下「GPS付き腕時計10」という)を示す概略図であり、図2は、図1の概略断面図である。また、図3は、図1及び図2のGPS付き腕時計10の主なハードウエア構成等を示す概略図である。
図1に示すように、GPS付き腕時計10は、文字板12および指針13からなる時刻表示部を備える。文字板12の一部には開口が形成され、LCD表示パネル等からなるディスプレイ14が組み込まれている。
ディスプレイ14はLCD表示パネル等で構成され、年月日のカレンダや選択された都市の現地時刻を表示する他、受信の状態などのメッセージ情報を表示する。
そして、GPS付き腕時計10は、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星15からの衛星信号を受信して衛星時刻情報を取得し、内部時刻情報を修正できるように構成されている。
また、GPS付き腕時計10には、外部操作部材であるリュウズ6、ボタン7,8が設けられている。
次に、GPS付き腕時計10の内部構成について説明する。
図2に示すように、GPS付き腕時計10は、SUS、チタンなどの金属で構成された外装ケース17を備えている。
外装ケース17は略円筒状に形成され、外装ケース17の表面側の開口には、ベゼル16を介して表面ガラス160が取り付けられている。また、外装ケース17の裏面側の開口には裏蓋26が取り付けられている。裏蓋26は、金属で構成されてリング状に形成され、その中央の開口には裏面ガラス23が取り付けられている。
ステップモータは、モータコイル19、図示略のステータ、ロータなどからなる時計用に用いられる一般的なものである。このステップモータは歯車を介して指針13を駆動する。
このため、文字板12および表面ガラス160は、GPS衛星15から送信される衛星信号である電波を通す材料で構成されている。例えば、文字板12はプラスチックで構成されている。また、ベゼル16は、前記衛星信号の受信性能を向上させるために、セラミックス製とされている。
回路基板25には、後述するようにGPSアンテナ11で受信した信号を処理する受信回路(受信部)18や、前記指針13を駆動するステップモータ等の制御を行う制御部20などの各種回路素子(ICなど)が取り付けられている。受信回路18や制御部20は、電池24から供給される電力で駆動される。
GPS付き腕時計10は、以上のように構成されている。
次に、GPS付き腕時計10の回路構成に関して説明する。図3に示すように、GPS付き腕時計10は、時刻表示装置45、GPS装置40、時刻修正装置44を備え、コンピュータとしての機能も発揮する構成となっている。なお、図3に示すように、時刻表示装置45、GPS装置40、時刻修正装置44は一部の構成が重複している。
[GPS装置の構成]
図3に示すように、GPS付き腕時計10は、GPS衛星15から送信される衛星信号を受信、処理するGPS装置40を備えている。
GPS装置40は、GPSアンテナ11、フィルタ(SAW)31、受信回路18を備える。フィルタ(SAW)31は、バンドパスフィルタであり、1.5GHzの衛星信号を抜き出すものとなっている。従って、GPS装置40により、本発明の受信部が構成されている。
RF部27は、PLL回路34、IFフィルタ35、VCO(Voltage Controlled Oscillator)41、ADC(A/D変換器)42、ミキサ46、LNA(Low Noise Amplifier)47、IFアンプ48等を備えている。
ミキサ46でミキシングされたIFは、IFアンプ48、IFフィルタ35を通り、ADC(A/D変換器)42でデジタル信号に変換される。
そして、ベースバンド部30は、RF部27のADC42からデジタル信号が入力され、制御信号に基づき、衛星信号の演算を行い、衛星時刻情報や測位情報を取得できるようになっている。
また、RTC38は、TCXO32から出力される基準クロックでカウントアップされるようになっている。
時刻修正装置44は、前記受信回路18と、制御部20と、駆動回路43と、LCD駆動回路49と、水晶振動子50とを備えている。この時刻修正装置44で本発明の時刻情報修正部が構成されている。
制御部20は、記憶部20A、発振回路20Bを備える。そして、制御部20は、GPS装置40を制御するとともに、駆動回路43を介して指針13の駆動を制御し、LCD駆動回路49を介してディスプレイ14の駆動を制御するものである。すなわち、制御部20は、制御信号を受信回路18に送り、GPS装置40の受信動作を制御できるようになっている。
すなわち、記憶部20Aは、図4に示すように、時刻データ記憶部200と、都市名−タイムゾーンデータ記憶部210とを備えている。
時刻データ記憶部200には、受信時刻データ201と、内部時刻データ202と、時計表示用時刻データ203と、タイムゾーンデータ204とが記憶される。
受信時刻データ201としては、3回分の受信時刻データを記憶可能に構成されている。例えば、サブフレーム1〜3による時刻データが記憶されている。
タイムゾーンデータ204は、設定されたタイムゾーンデータが記憶される。
時刻表示装置45は、制御部20、駆動回路43、LCD駆動回路49、水晶振動子50、指針13、ディスプレイ14などを備えて構成されている。
そして、制御部20は、前記時計表示用時刻データ203に記憶された時刻データに基づいて、指針13やディスプレイ14の表示時刻を制御する。
また、制御部20は、前記ベースバンド部30で得られた衛星時刻情報が記憶部20Aに記憶されて時計表示用時刻データ203が更新されると、駆動回路43を通して、ディスプレイ14に修正された時刻情報を表示するようになっている。
さらに、制御部20は、指針13で指示していた現時刻情報と修正されたとの時計表示用時刻データ203との差を算出し、その時間差分だけ指針13が移動するようにステップモータを駆動し、指針13が修正後の時刻を指示するように制御する。
また、制御部20は、Aボタン7が所定時間以上(例えば3秒以上)押し続けられたことを検出すると、強制受信処理を実行する。
なお、本実施形態では、強制受信処理が行われた場合と、予め設定された所定時間(例えば午前2時など)になると自動的に受信処理を行う自動受信処理が行われた場合とに受信処理が行われる。これらは受信を開始する条件が異なるだけであり、受信開始後の処理は同じである。
この都市名切替モードに移行すると、制御部20は、図1に示すように、ディスプレイ14に現在設定されている都市名とその都市に対応するタイムゾーンを表示する。図1では、UTCに対する時差によるタイムゾーンの表示(図1では「UTC+9」:UTCに対して+9時間時差のタイムゾーンを表す)と、主要都市名(図1では「TYO」:東京を示す記号)による表示を行っている。
都市名切替モードにおいて、Aボタン7を押すたびにディスプレイ14に表示された時差情報がプラス方向のタイムゾーンに切り替わり、Bボタン8を押すたびにディスプレイ14に表示された時差情報がマイナス方向のタイムゾーンに切り替わる。
そして、希望する都市名が選択された状態で、各ボタン7,8を押さずに所定時間(例えば10秒)放置すると、現在選択中の都市名の選択が確定し、都市名切替モードが解除される。
なお、本実施形態では、電池24として、リチウムイオン電池などの充電可能な二次電池を用いていたが、リチウム電池などの一次電池を用いてもよい。また、二次電池を設けた場合の充電方法は、本実施形態のような、充電用コイル22を設けて外部の充電器から電磁誘導方式で充電するものに限らず、例えばGPS付き腕時計1にソーラーセル等の発電機構を設けて充電してもよい。
次に、図5に基づいて、本発明の時刻情報修正部である時刻修正装置44のシステム構成について説明する。図5は、主に制御部20において実行されるプログラムで実現される機能ブロックである。
すなわち、制御部20は、受信制御手段51、判定手段52、第1情報時刻修正手段53、第2情報時刻修正手段54、時刻修正記録手段55を備える。
次に、GPS付き腕時計10の動作について、図6のフローチャートも参照して説明する。第1実施形態は、過去にサブフレーム1を受信し、サブフレーム1に含まれる第2情報(年月日時分秒、衛星健康状態)で時刻修正が行われたか否かを判定して、時刻修正が行われた場合は、第1情報(時分秒)であるZカウントのみを受信して、時刻修正が行われてない場合は、サブフレーム1を受信して第2情報を取得する。さらに、第1情報を受信した際に、内部時刻データとの差(内部時刻偏差)が予め設定された値(内部時刻許容範囲)以下である場合には、受信したZカウントで内部時計の時刻を修正し、前記内部時刻偏差が前記内部時刻許容範囲よりも大きい場合には、Zカウントだけでなく、年月日からなる週情報と、その衛星信号の状態を確認するための衛星健康状態を取得、つまり第2情報を取得して内部時刻データの修正を行うことを特徴とするものである。
また、GPS付き腕時計10は、リューズ6やボタン7,8を手動操作することで強制的に受信して時刻修正動作を行う強制修正モード(強制受信モード)も実行可能とされている。
同様に、手動操作による強制受信処理が行われた場合も、GPS付き腕時計10は、図6に示す時刻修正処理を実行する。
例えば、受信タイミングとしては、午前2時や午前3時、あるいは午前7時や午前8時が設定される。
午前2時や午前3時に設定するのは、GPS付き腕時計10をユーザーが使用しておらず、GPS付き腕時計10が外されていて屋内に置かれている場合に、電気製品などの使用が少なく、電波受信環境が最も良好な可能性が高いためである。
また、午前7時や午前8時に設定するのは、GPS付き腕時計10をユーザーが使用しており、GPS付き腕時計10の使用環境が屋外である可能性が高い通勤時間帯であるためである。すなわち、勤務時間中はビルや工場内などの衛星信号が届きにくい場所にいる場合でも、通勤時間中は屋外にいる可能性が高く、その分、衛星信号を受信できる可能性が高まり、電波受信環境が良好となるためである。
すなわち、受信制御手段51は、まず、GPS装置40を起動して受信開始工程ST11を実行し、GPS衛星15から送信される衛星信号の受信を開始する。GPS装置40は、GPSアンテナ11から衛星信号であるGPS信号を受信するために、後述するGPS衛星15のC/Aコード(Coarse/Acquisition Code)のパターンを発生させて受信を開始する。
すなわち、受信制御手段51は、衛星検索工程ST12において、まず、衛星番号SVを「1」から「30」まで順次変更し、各衛星番号SVのGPS衛星15を検索し、その信号レベル(SNR)を検出する。そして、受信制御手段51は、SNRが所定値(例えば40)以上のGPS衛星15を検出すると、ST12の衛星検索工程を中断し、ST13の処理に進む。
ここで、各GPS衛星15から送信される衛星信号は、すべての衛星から同一周波数で信号を送信しているが、GPS衛星15毎に異なるC/Aコードを用いることで判別するCDMA(Code Division Multiple Access)方式を採用している。従って、受信した衛星信号に含まれるC/Aコードを判別することで、現在、捕捉可能なGPS衛星15をサーチすることができる。
さらに、同期した衛星信号のSNRを求めることで、衛星信号の信号レベルを取得することができる。
そして、受信制御手段51は、サーチにより検出できたGPS衛星15の情報(例えば衛星番号)と、その衛星の信号レベルとを、SRAM37等の記憶部に記憶する。
なお、C/Aコードのコード長は1msであり、発生タイミングを調整しながら約30個のGPS衛星15のサーチ処理を行った場合でも、約2秒ですべてのGPS衛星15のサーチを完了することができる。
すなわち、前述したように、GPS衛星15のサーチ処理は、衛星を検出できる場合、最大でも2秒以内で処理が完了する。従って、衛星検索工程ST12において衛星検索を開始してから、SNRが40以上のGPS衛星15を検出して衛星検索工程ST12を中断した場合、タイムアウト判定工程ST13では所定時間(6秒)を超えていないため、タイムアウトではないと判定される。
一方、検出した信号レベルが所定レベル未満、具体的にはSNRが40未満であり、衛星検索工程ST12を開始してから、一定時間、例えば6秒経過してもGPS衛星15の同期ができない場合には、受信制御手段51は、タイムアウトであると判断する。
GPS付き時計10が、受信できない環境である場合、例えば、屋内であるような場合には、すべてのGPS衛星15のサーチを行っても、同期できるGPS衛星15が存在しないため、タイムアウトとなる。この場合に、GPS装置40をいつまでも動作させていると、電力が無駄に消費されてしまう。
このため、GPS付き腕時計10は、ST13によって一定時間経過してもGPS衛星15を検出できない場合、ST14でGPS衛星15のサーチ(受信)を終了する。このため、無駄に電力が消費されることを低減できる。
具体的には、受信制御手段51は、選択したGPS衛星15に対応するC/Aコードを用い、同期処理を行う。そして、受信制御手段51は、後述するGPS衛星15の衛星信号である航法メッセージが復調できる状態となっているか否かで、衛星を捕捉できたか否かを判断する。
具体的には、腕時計10の電源投入後すなわちシステムリセット後に、後述する時刻修正工程ST25において、サブフレーム1に含まれる第2情報で時刻修正を行ったか否かを、時刻修正記録手段55の記録に基づいて判定する。このため、時刻修正記録手段55は、サブフレーム受信処理工程ST20でサブフレーム1を受信し、時刻修正工程ST25で年月日時分秒を修正した場合に、第2情報で時刻修正を行ったことを記憶部20Aの時刻修正記録手段55に記録している。
第1情報時刻修正手段53は、GPS装置40を第1受信モードで制御し、Zカウント(第1情報)を受信する(ST30)。そして、第1情報時刻修正手段53は、Zカウント(第1情報)を取得できたかを確認する(ST16)。
ここで、Zカウント取得判定工程ST16を説明する前に、GPS衛星15から送信される信号(衛星信号)である航法メッセージについて、説明する。
図7〜9は、GPS衛星信号を示す概略説明図である。
図7に示すように、GPS衛星15からの信号に含まれる航法メッセージは、フレームデータ(メインフレーム構成)が50bps、全ビット数1500ビットを主フレームとするデータとなっている。1フレームデータは30秒に相当する。
そして、航法メッセージのサブフレームデータは、サブフレーム1からサブフレーム5まであり、それぞれ300ビットずつに分割されている。サブフレームデータの1つは、6秒に相当するデータとなっている。各サブフレームデータは、例えば、週番号や衛星健康状態を含む衛星補正データ等や、エフェメリス(各GPS衛星15毎の詳細な軌道情報)や、アルマナック(全GPS衛星15の概略軌道情報)となっている。さらに、各サブフレームデータは、10個のワード(1ワードは0.6秒)で構成されている。この各サブフレームデータの先頭の2ワードには、TLMワード(WORD1)とHOW(hand over word)ワード(WORD2)が含まれている。
また、TLMワードに続くワードは、HOWワードとなり、その先頭には、TOW(Time of Week、「Zカウント」ともいう)というGPS衛星のGPS時刻が格納されている。
GPS時刻は毎週日曜日の0時からの経過時間が秒で表示され、翌週の日曜日の0時に0に戻るようになっている。つまり、GPS時刻は、週の初めから一週間毎に示される秒単位の情報であり、Zカウントといわれており、GPS装置40が現在時刻を知る手がかりともなっている。
この、Zカウントは、次のサブフレームデータの時刻情報となっている。例えば、サブフレーム1のZカウントは、サブフレーム2の時刻データとなっている。
また、HOWワードには、サブフレームIDを示す3ビットのデータ(IDコード)も保持されている。すなわち、図7の(A)〜(E)に示すサブフレーム1〜5のIDコードは、それぞれ「001」、「010」、「011」、「100」、「101」と2進法で「1」から「5」を示す値に設定されている。
また、週番号は、1週間単位で更新されるデータとなっている。 従って、受信側で、システムリセット後などカレンダが設定されていない状態では、一旦、週番号を取得しており、その週番号を取得した時期からの経過時間がカウントされている場合は、再度、週番号を取得しなくても、取得している週番号と経過時間から、GPS衛星の現在の週番号が分かる。従って、Zカウントを取得すれば、現在のGPS時刻が概算で分かるようになっている。このため、通常は、このZカウントのみを取得する構成としておくことで、受信側の受信動作が短時間で行うので、低消費電力とすることができる。つまりZカウントは、6秒ごとに送信されるのに対し、週番号(WN)と衛星健康状態(SVhealth)は、30秒に1回のみ送信されるデータを利用しているため、Zカウントのみを取得すれば、短時間で時刻情報を得ることができる。
また、後述するように、所定の条件に該当する場合には、改めて、GPS衛星15からの衛星信号から、週番号も受信すれば、新たに受信した週番号とZカウントから、受信側は現在のGPS時刻を取得することができるようになっている。
つまり、このようなGPS衛星15のフレームデータ等を取得するには、受信側であるGPS装置40がGPS衛星15の信号と同期する必要がある。
この場合、特に1ms単位の同期のためにC/Aコード(1023chip(1ms))が用いられる。このC/Aコード(1023chip(1ms))は、地球を周回している複数のGPS衛星15毎に異なっており、固有のものとなっている。
従って、特定のGPS衛星15の衛星信号を受信する場合は、受信部であるGPS装置40から、いずれかのGPS衛星15に固有のC/Aコードを発生させて位相同期することで、受信することができるようになっている。
そして、C/Aコード(1023chip(1ms))と同期させると、サブフレームデータのTLMワードのプリアンブルデータ、HOWワードを受信でき、HOWワードのZカウントが取得できるようになっている。そして、GPS装置40は、TLMワード、HOWワードのZカウントを取得した後に、続けて週番号情報(WN)、衛星健康状態(SVhealth)を取得することもできる。
なお、前述したように、本実施形態では、Zカウントによって第1情報が構成され、Zカウント、週番号、衛星健康状態によって第2情報が構成されている。
GPS衛星15の衛星信号である航法メッセージは以上のように構成されている。
第1情報時刻修正手段53で制御されたGPS装置40は、GPS衛星15からの衛星信号である航法メッセージから、上述したGPS時刻であるZカウントつまり第1情報を取得する。そして、GPS装置40は、取得したZカウントを制御部20に出力し、制御部20の第1情報時刻修正手段53はこのZカウントを記憶部20AにGPS時刻として記憶するようになっている。つまり、Zカウントを取得するということは、上述したようにTLMワードのプリアンブルデータで同期を確立してからZカウントを取得できることである。そして、HOWワードのTOWデータの後のパリティデータで、正誤の確認をするようになっている。
なお、第1情報時刻修正手段53は、取得したZカウントであるGPS時刻が信頼できるか否かの判断も行うようになっている。つまり、第1情報時刻修正手段53は、上述したような、パリティチェックでZカウントの誤りが確認された場合は、この取得したZカウントには、なんらかの異常があるとみなして、時刻修正には使用しない。このため、GPS付き腕時計10は、Zカウントに異常が見つかった場合は、Zカウントが取得できなかったとみなして、衛星検索工程ST12に戻るようになっている。
なお、Zカウント取得判定工程ST16においても、衛星検索工程ST12と同様にタイムアウトの設定も可能であり、本実施形態では、例えばZカウント取得処理を開始してから6秒経過してもZカウントの信号を確認できない場合は、タイムアウトしてST12に戻るように設定されている。
ここで、前記閾値は、例えば1分などと設定され、要求される精度や受信間隔などに応じて設定すればよい。すなわち、閾値を小さくすると、ST17で「No」と判定される確率が高まる。この場合、後述するように、第2情報(サブフレーム1)を取得して年月日および時分秒の時刻データを修正するため、GPS付き腕時計10における時刻指示の精度が高まる。従って、閾値の大きさを調整することで、第2情報を取得する回数を調整でき、時刻修正精度も調整できる。
一方、前回の受信からの経過時間が長くなると、内部時刻データと衛星時刻情報のずれ量も大きくなる可能性が高い。従って、前回受信時からの経過時間が長くなるにしたがって、閾値を大きくするような調整を行ってもよい。例えば、GPS付き腕時計10の電源電圧が低下して受信間隔を長くした場合には、前記閾値も大きくすることで、消費電力が大きくなるサブフレーム1の受信処理の頻度を抑えるように調整できる。
次に、第1情報時刻修正手段53は、受信したZカウントの情報に基づいて記憶部20Aの内部時刻データ202に記憶された内部時刻データを修正する第1時刻情報修正工程ST19を行う。
そして、時差修正工程ST26において、制御部20は、時差修正された時計表示用時刻データ203に基づいて、GPS付き腕時計10の文字板12の指針13による表示時刻やディスプレイ14の表示時刻も修正する。
なお、システムリセットなどでGPS付き腕時計10の内部時刻データが初期化された場合には、時刻修正記録手段55による時刻修正記録も初期化される。このため、内部時刻データが初期化された直後は必ずST41において「No」と判定され、サブフレーム受信処理工程ST20が実行される。
ST17で「No」と判定されて実行されたサブフレーム受信処理工程ST20では、Zカウント取得判定工程ST16でZカウントを取得したGPS衛星15と同期し、サブフレームを受信してサブフレームIDをチェックしてサブフレーム1であるかを判定する。
また、ST41で「No」と判定されて実行されたサブフレーム受信処理工程ST20では、衛星捕捉判定工程ST15で捕捉したGPS衛星15と同期し、サブフレームを受信してサブフレームIDをチェックしてサブフレーム1であるかを判定する。
サブフレーム1であった場合は、ST21へ進む。サブフレーム1でない場合は次に送信されるサブフレームを取得する。
従って、ST17で「No」と判定された場合においては、ST16でのZカウント取得に引き続きST16で取得した同じサブフレームのサブフレームIDおよびパリティを取得して、サブフレームIDをチェックしてサブフレーム1であるかを確認する。
一方、サブフレーム取得判定工程ST21において、サブフレーム1を正しく取得できたと判定された場合には、第2情報時刻修正手段54は取得したサブフレームデータに含まれる衛星健康状態が正常であるかを確認する(衛星健康状態判定工程ST22)。衛星健康状態は、そのGPS衛星15が、現在、正常であるかどうかを知らせるものであり、「0」または「1」のフラグ(情報)が記憶されている。
このため、衛星健康状態判定工程ST22において「No」と判定された場合は、衛星変更工程ST23において、正常ではないとされた衛星番号を記憶し、正常ではないとされた衛星以外をサーチするように設定する。このため、衛星検索工程ST12に戻ると、正常ではない衛星以外のサーチ処理が続行される。
次に、第2情報時刻修正手段54は、受信したサブフレーム1の情報(第2情報)、すなわち週番号(WN)に基づく年月日の情報と、Zカウントに基づく時分秒の情報とにより、記憶部20Aの内部時刻データ202に記憶された内部時刻データを修正する年月日時分秒の時刻修正工程ST25を行う。また、第2情報時刻修正手段54は、第2情報で時刻修正を行ったことを時刻修正記録手段55に記録する。
制御部20は、時計表示用時刻データ203に基づいて、GPS付き腕時計10の文字板12の指針13による表示時刻やディスプレイ14の表示時刻も修正する。
従って、第2情報時刻修正手段54で実行される第2情報時刻修正工程は、サブフレーム受信処理工程ST20、サブフレーム取得判定工程ST21、衛星健康状態判定工程ST22、衛星変更工程ST23、受信終了工程ST24、時刻修正工程ST25、時差修正工程ST26を備えて構成されている。
(1)システムリセット後に第2情報で時刻修正を行っていない場合、つまりシステムリセット後に最初に受信を行った場合に、サブフレーム受信処理工程ST20でサブフレーム1を受信しているので、時刻修正工程ST25において、内部時刻データの年月日時分秒を修正できる。
このため、内部時計がずれている可能性が高いシステムリセット直後に、Zカウントによる時分秒のデータだけでなく、週番号による年月日のデータまで受信し、これらのデータに基づいて内部時刻データを修正できるため、正確な時刻に確実に修正できる。
このため、サブフレーム1を受信するのは、過去に第2情報で時刻修正を行っていない場合(ST41で「No」と判断された場合であり、例えば、システムリセット後の最初の受信処理時)か、受信したZカウントによる時刻情報と内部時刻データとの差が閾値より大きい場合(ST17で「No」と判断された場合)のみである。クオーツ時計の精度を考えると、通常は、時刻情報と内部時刻データとの差は閾値以下となり、ST17でも「Yes」と判断される可能性が高い。このため、通常の時刻修正時には、Zカウントのみを受信すればよく、短時間の受信によって内部時刻データを正しく修正することができる。よって、例えば、1日に1回など定期的に行われる時刻修正時の消費電力を低減できる。
また、GPS信号の受信時には、GPS付き腕時計10を静止させておけば受信性能が向上する。但し、長時間静止させておくと利用者に不便である。一方、本実施形態では、通常は、Zカウントのみの短時間の受信でよいため、静止状態に維持する時間も短縮でき、利用者の利便性を向上できる。
この場合、本実施形態では、第2情報時刻修正手段54により、サブフレーム1を受信して週番号を取得し、週番号に基づく年月日情報と、Zカウントに基づく時分秒情報とを用いて内部時刻データを修正しているので、正しい内部時刻データに修正できる。この際、サブフレーム1は30秒間隔で送信されるため、Zカウントのみを受信する場合に比べて受信時間が長くなり、その分、消費電力も増加する。しかしながら、本実施形態では、判定工程ST17で、Zカウントの時分秒に対する内部時刻データの時分秒の偏差が閾値(本実施形態では1分)よりも大きい場合、または、第2情報で時刻修正を行っていない場合に、サブフレーム受信処理工程ST20を行っている。従って、常時、サブフレーム1を受信している場合に比べれば、最初の受信処理時や時間の偏差が大きくなった場合だけサブフレーム1を受信するため、GPS付き腕時計10の全体的な消費電力を低減できる。
このため、電池で駆動されるGPS付き腕時計10においても、従来のようなサブフレーム1を常時受信する場合に比べて持続時間を延長でき、利用者の利便性を向上できる。
さらに、第2情報時刻修正手段54は、サブフレーム受信処理工程ST20において、衛星健康状態も取得しているので、現在、受信しているGPS衛星15が正常であるかを判断できる。このため、第2情報で内部時刻データを修正する場合も、正常でないGPS衛星15からの信号を受信することで、誤った時刻に修正してしまうことを未然に防止できる。従って、内部時刻データの修正工程ST25では、正常な信号を受信して得られた正確な時刻情報に基づいて内部時計を修正できる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態において、前述した他の実施形態と同一または同様の構成については、同一符号を付し、説明を省略または簡略する。
第2実施形態は、2つのGPS衛星15のZカウントを取得し、取得した2つのZカウント(第1情報)同士の差と、受信したZカウントに対する内部時刻データの差とを、各閾値と比較し、Zカウントで内部時刻データを修正するか、サブフレーム1を受信して内部時刻データを修正するかを制御している点が前記第1実施形態と相違する。
すなわち、制御部20の構成を含み、GPS付き腕時計10の構成は前記第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。
第2実施形態においても、受信制御手段51は、まず、受信開始工程ST11を実行し、信号レベルを検出する衛星検索工程ST12を行う。次に、受信制御手段51は、タイムアウト判定工程ST13により、GPS衛星15の信号同期ができずにタイムアウトになったか判定する。タイムアウト判定工程ST13でタイムアウトと判定されると、受信終了工程ST14で受信を終了する。
ここで、2つ以上のGPS衛星15を捕捉できた場合、受信制御手段51は、時刻修正記録手段55を参照して、過去にサブフレーム1を受信し、そのサブフレーム1に含まれる第2情報で時刻修正を行ったか否かを判定する(ST41)。
第1情報時刻修正手段53は、GPS装置40を第1受信モードで制御し、Zカウント(第1情報)を受信する(ST30)。そして、第1情報時刻修正手段53は、2つのGPS衛星15のZカウントを取得できたを確認する(Zカウント取得判定工程ST161)。
衛星捕捉判定工程ST151、Zカウント取得判定工程ST161において、それぞれ「No」と判定された場合は、受信制御手段51は衛星検索工程ST12に戻って処理を続行する。
ここで、判定工程ST171で「No」と判定された場合は、第2情報時刻修正手段54はサブフレーム受信処理工程ST20を実行する。
次に、第1情報時刻修正手段53は、受信したZカウントの情報に基づいて記憶部20Aに記憶された内部時刻データを修正する第1時刻情報修正工程ST19を行う。
次に、制御部20は、修正された内部時刻データ202に、UTCパラメータ(GPS時刻とUTCとの差である累積うるう秒で現在は−14秒)を加算してUTC(協定世界時)に変換し、さらにこのUTC(協定世界時)をタイムゾーンデータ204で時差修正して時計表示用時刻データ203を求め、GPS付き腕時計10の文字板12の指針13による表示時刻やディスプレイ14の表示時刻も、時差修正された時刻に修正する(ST26)。
サブフレーム受信処理工程ST20では、前記第1実施形態と同じく、GPS衛星15と同期し、サブフレームIDをチェックして、30秒間隔で送信されるサブフレーム1を受信する。
一方、サブフレーム取得判定工程ST21において、サブフレーム1を正しく取得できたと判定された場合には、第2情報時刻修正手段54は取得したサブフレームデータに含まれる衛星健康状態が正常であるかを確認する(ST22)。
衛星健康状態判定工程ST22において「No」と判定された場合は、正常ではないとされた衛星番号を記憶し、受信する衛星を変更する衛星変更工程ST23を行う。
その後、衛星検索工程ST12に戻り、正常ではないとされた衛星以外をサーチする処理を続行する。
次に、第2情報時刻修正手段54は、受信したサブフレーム1の第2情報、すなわち週番号(WN)に基づく年月日の情報と、Zカウントに基づく時分秒の情報とにより、記憶部20Aに記憶された内部時刻データを修正する年月日時分秒の時刻修正工程ST25を行い、時刻修正記録手段55に第2情報による時刻修正済みであることを記録する。
次に、制御部20は、修正された内部時刻データ202に、UTCパラメータ(GPS時刻とUTCとの差である累積うるう秒で現在は−14秒)を加算することでUTC(協定世界時)を求め、さらにこのUTC(協定世界時)をタイムゾーンデータ204で時差修正して時計表示用時刻データ203を求め、GPS付き腕時計10の文字板12の指針13による表示時刻やディスプレイ14の表示時刻も、時差修正された時刻に修正する(ST26)。
従って、第2情報時刻修正手段54で実行される第2情報時刻修正工程は、第1実施形態と同じである。
GPS付き腕時計10は、以上のように、ST14で受信を終了した場合と、ST26で時差修正を行った場合に、受信および時刻修正処理を終了する。
すなわち、Zカウント誤差判定工程ST31において、2衛星のZカウント(第1情報)の差を求め、その差が第2閾値(1秒)以内であるか否かを判定している。従って、各Zカウンタデータ間の差が第2閾値以内と小さければ、各Zカウンタデータの値が正常であると判断できるため、第1時刻情報修正工程ST19においてZカウントの時分秒データにより内部時刻データを修正すれば、正しい時刻に修正できる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態は、時刻を手動で修正している場合に、サブフレーム1を受信するようにしていることが前記第1実施形態と相違する。以下、第3実施形態の処理について、図11,12を参照して説明する。
第3実施形態においても、受信制御手段51は、まず、受信開始工程ST11を実行し、信号レベルを検出する衛星検索工程ST12を行う。次に、受信制御手段51は、タイムアウト判定工程ST13により、GPS衛星15の信号同期ができずにタイムアウトになったか判定する。タイムアウト判定工程ST13でタイムアウトと判定されると、受信終了工程ST14で受信を終了する。
ここで、GPS衛星15を捕捉できた場合、受信制御手段51は、時刻修正記録手段55を参照して過去に第2情報で時刻修正を行っているか否かを判定する(ST41)。具体的には、腕時計10の電源投入後すなわちシステムリセット後にサブフレーム受信処理工程ST20でサブフレーム1を受信し、時刻修正工程ST25で時刻修正を行ったか否かを、時刻修正記録手段55の記録に基づいて判定する。このため、時刻修正記録手段55は、時刻修正工程ST25で時刻修正を行ったことを記録している。
ST16でZカウントを取得できたと判定された場合、判定手段52は、判定工程ST17で内部時刻データおよびZカウントの差が閾値(内部時刻許容範囲)以下であるかを判定する。
そして、ST17で「Yes」と判定された場合、第1情報時刻修正手段53は、受信終了工程ST18、第1時刻情報修正工程ST19、時差修正工程ST26を行い、受信したZカウントの情報に基づいて内部時刻データ202を修正し、さらにUTCパラメータ(GPS時刻とUTCとの差である累積うるう秒で現在は−14秒)を加算することで求められるUTC(協定世界時)に変換した後に、UTC(協定世界時)をタイムゾーンデータ204で時差修正して時計表示用時刻データ203を求め、この時差修正された時刻に基づいて、指針13による表示時刻やディスプレイ14の表示時刻も修正する。
また、ST41,ST17で「No」と判定された場合と、ST42で「Yes」と判定された場合は、制御部20は第2情報時刻修正手段54を作動する。そして、第2情報時刻修正手段54は、前記第1実施形態と同様に、サブフレーム受信処理工程ST20を実行する。
一方、ST21において、サブフレーム1を正しく取得できたと判定された場合には、第2情報時刻修正手段54は取得したサブフレームデータに含まれる衛星健康状態が正常であるかを確認する(ST22)。
ST22において「No」と判定された場合は、正常ではないとされた衛星番号を記憶しておき、衛星検索工程ST12においては正常ではないとされた衛星以外をサーチするため受信する衛星を変更する衛星変更工程ST23を行い、衛星検索工程ST12に戻って処理を続行する。
次に、第2情報時刻修正手段54は、受信したサブフレーム1の情報、すなわち週番号(WN)に基づく年月日の情報と、Zカウントに基づく時分秒の情報とにより、記憶部20Aに記憶された内部時刻データを修正する年月日時分秒の時刻修正工程ST25を行い、時刻修正記録手段55に第2情報による時刻修正済みであることを記録する。
次に、制御部20は、修正された内部時刻データに、UTCパラメータ(GPS時刻とUTCとの差である累積うるう秒で現在は−14秒)を加算することでUTC(協定世界時)を求め、さらにUTC(協定世界時)をタイムゾーンデータ204で時差修正して時計表示用時刻データ203を求め、GPS付き腕時計10の文字板12の指針13による表示時刻やディスプレイ14の表示時刻も、時差修正された時刻に修正する(ST26)。
すなわち、手動修正記録手段56を設けて時刻を手動修正したか否かを判定し、手動修正している場合には、サブフレーム1を取得しているので、仮に手動修正によって内部時刻データがずれた場合でも、年月日時分秒のデータを受信して内部時刻データを修正できるため、正確な時刻に確実に修正できる。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
第4実施形態は、概略、第2実施形態および第3実施形態を組み合わせたものである。以下、第4実施形態の処理について、図13を参照して説明する。
ここで、複数のGPS衛星15を捕捉できた場合、受信制御手段51は、時刻修正記録手段55を参照して過去に第2情報で時刻修正をしたか否かを判定する(ST41)。
ST41において、過去に第2情報で時刻修正をしていた場合は、制御部20は、第1情報時刻修正手段53を作動する。第1情報時刻修正手段53は、手動修正記録手段56を参照して時刻を手動修正しているかを判定する(ST42)。
ST161で2衛星分のZカウントを取得できたと判定された場合、判定手段52は、Zカウント誤差判定工程ST31で各Zカウント同士の差が第2閾値(例えば1分)以下であるかを判定する。
そして、ST31で「Yes」と判定された場合、第1情報時刻修正手段53は受信終了工程ST18、第1時刻情報修正工程ST19、時差修正工程ST26を行い、受信したZカウントの情報に基づいて内部時刻データ202を修正し、さらにUTCパラメータ(GPS時刻とUTCとの差である累積うるう秒で現在は−14秒)を加算することでUTC(協定世界時)を求め、さらにUTC(協定世界時)をタイムゾーンデータ204で時差修正して時計表示用時刻データ203を求め、この時差修正された時刻に基づいて、指針13による表示時刻やディスプレイ14の表示時刻も修正する。
また、ST41,ST31で「No」と判定された場合と、ST42で「Yes」と判定された場合は、制御部20は第2情報時刻修正手段54を作動する。そして、第2情報時刻修正手段54は、前記第1実施形態と同様に、サブフレーム受信処理工程ST20を実行する。
一方、ST21において、サブフレーム1を正しく取得できたと判定された場合には、第2情報時刻修正手段54は取得したサブフレームデータに含まれる衛星健康状態が正常であるかを確認する(ST22)。
ST22において「No」と判定された場合は、正常ではないとされた衛星番号を記憶しておき、衛星検索工程ST12においては正常ではないとされた衛星以外をサーチするため受信する衛星を変更する衛星変更工程ST23を行い、衛星検索工程ST12に戻って処理を続行する。
次に、第2情報時刻修正手段54は、受信したサブフレーム1の情報、すなわち週番号(WN)に基づく年月日の情報と、Zカウントに基づく時分秒の情報とにより、記憶部20Aに記憶された内部時刻データを修正する年月日時分秒の時刻修正工程ST25を行い、時刻修正記録手段55に第2情報による時刻修正済みであることを記録する。
次に、制御部20は、修正された内部時刻データ202に、UTCパラメータ(GPS時刻とUTCとの差である累積うるう秒で現在は−14秒)を加算することでUTC(協定世界時)を求め、さらにUTC(協定世界時)をタイムゾーンデータ204で時差修正して時計表示用時刻データ203を求め、GPS付き腕時計10の文字板12の指針13による表示時刻やディスプレイ14の表示時刻も、時差修正された時刻に修正する(ST26)。
さらに、Zカウント誤差判定工程ST31において「Yes」と判定された場合に、第2実施形態のように判定工程ST171の処理を行わずに、直接、受信終了工程ST18、第1時刻情報修正工程ST19を実行しているので、処理を迅速に行うことができる。
次に、本発明の第5実施形態について図14を参照して説明する。
第5実施形態は、第4実施形態の処理に対し、内部時刻データとZカウントの差が第1閾値(内部時刻許容範囲)以下であるか否かを判定する判定工程(内部時刻偏差算出工程)ST171を追加したものである。
ここで、複数のGPS衛星15を捕捉できた場合、受信制御手段51は、時刻修正記録手段55を参照して過去に第2情報で時刻修正をしているか否かを判定する(ST41)。
ST41において、過去に第2情報で時刻修正をしていた場合は、制御部20は、第1情報時刻修正手段53を作動する。第1情報時刻修正手段53は、手動修正記録手段56を参照して時刻を手動修正しているかを判定する(ST42)。
ST161で2衛星分のZカウントを取得できたと判定された場合、判定手段52は、Zカウント誤差判定工程ST31で各Zカウント同士の差が第2閾値(例えば1分)以下であるかを判定する。
そして、ST31で「Yes」と判定された場合、判定手段52は、内部時刻データとZカウントの差が第1閾値(内部時刻許容範囲)以下であるか否かを判定する判定工程(内部時刻偏差算出工程)ST171を実行する。なお、各Zカウント同士の差は1秒以下と小さいため、判定工程ST171においては、いずれか一方のZカウントと内部時刻データとの差分を求めればよい。
ここで、判定工程ST171で「Yes」と判定された場合は、第1情報時刻修正手段53は受信終了工程ST18、第1時刻情報修正工程ST19、時差修正工程ST26を行い、受信したZカウントの情報に基づいて内部時刻データ202を修正し、さらにUTCパラメータ(GPS時刻とUTCとの差である累積うるう秒で現在は−14秒)を加算することでUTC(協定世界時)を求め、さらにUTC(協定世界時)をタイムゾーンデータ204で時差修正して時計表示用時刻データ203を求め、この時差修正された時刻に基づいて、指針13による表示時刻やディスプレイ14の表示時刻も修正する。
また、ST41,ST31,ST171で「No」と判定された場合と、ST42で「Yes」と判定された場合は、制御部20は第2情報時刻修正手段54を作動する。そして、第2情報時刻修正手段54は、前記第1実施形態と同様に、サブフレーム受信処理工程ST20を実行する。
一方、ST21において、サブフレーム1を正しく取得できたと判定された場合には、第2情報時刻修正手段54は取得したサブフレームデータに含まれる衛星健康状態が正常であるかを確認する(ST22)。
ST22において「No」と判定された場合は、正常ではないとされた衛星番号を記憶しておき、衛星検索工程ST12においては正常ではないとされた衛星以外をサーチするため受信する衛星を変更する衛星変更工程ST23を行い、衛星検索工程ST12に戻って処理を続行する。
次に、第2情報時刻修正手段54は、受信したサブフレーム1の情報、すなわち週番号(WN)に基づく年月日の情報と、Zカウントに基づく時分秒の情報とにより、記憶部20Aに記憶された内部時刻データを修正する年月日時分秒の時刻修正工程ST25を行い、時刻修正記録手段55に第2情報による時刻修正済みであることを記録する。
次に、制御部20は、修正された内部時刻データ202に、UTCパラメータ(GPS時刻とUTCとの差である累積うるう秒で現在は−14秒)を加算することでUTC(協定世界時)を求め、さらにUTC(協定世界時)をタイムゾーンデータ204で時差修正して時計表示用時刻データ203を求め、GPS付き腕時計10の文字板12の指針13による表示時刻やディスプレイ14の表示時刻も、時差修正された時刻に修正する(ST26)。
本実施形態によれば、前記第1〜4実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
次に、本発明の第6実施形態について図15を参照して説明する。
前記各実施形態では、自動受信処理と強制受信処理とで同じ受信処理を行っていたが、第6実施形態は、自動受信処理と強制受信処理とで受信処理内容を異ならせたものである。
なお、第6実施形態の自動受信処理は、前記第1〜5実施形態のいずれの処理を行っても良いため、自動受信処理の説明は省略し、強制受信処理のみ説明する。
この強制受信処理は、必ず、サブフレーム1に含まれる第2情報つまり「年月日時分秒」と衛星健康状態を取得する処理を行うものである。
すなわち、制御部20は、まず、受信開始工程ST11を実行し、信号レベルを検出する衛星検索工程ST12を行う。次に、制御部20は、タイムアウト判定工程ST13により、GPS衛星15の信号同期ができずにタイムアウトになったか判定する。タイムアウト判定工程ST13でタイムアウトと判定されると、受信終了工程ST14で受信を終了する。
そして、ST15でGPS衛星15を補足できなかった場合(「No」の場合)、衛星検索工程ST12に戻って処理を続行する。
サブフレーム受信処理工程ST20では、第2情報時刻修正手段54は、捕捉したGPS衛星15と同期し、30秒間隔で送信されるサブフレーム1を受信する。
一方、サブフレーム取得判定工程ST21において、サブフレーム1を正しく取得できたと判定された場合には、第2情報時刻修正手段54は取得したサブフレームデータに含まれる衛星健康状態が正常であるかを確認する(ST22)。
その後、衛星検索工程ST12に戻り、正常ではないとされた衛星以外をサーチする処理を続行する。
次に、第2情報時刻修正手段54は、受信したサブフレーム1の第2情報、すなわち週番号(WN)に基づく年月日の情報と、Zカウントに基づく時分秒の情報とにより、記憶部20Aに記憶された内部時刻データを修正する年月日時分秒の時刻修正工程ST25を行う。
制御部20は、修正された内部時刻データ202に、UTCパラメータ(GPS時刻とUTCとの差である累積うるう秒で現在は−14秒)を加算することでUTC(協定世界時)を求め、さらにUTC(協定世界時)をタイムゾーンデータ204で時差修正し、GPS付き腕時計10の文字板12の指針13による表示時刻やディスプレイ14の表示時刻も、時差修正された時刻に修正する(ST26)。
GPS付き腕時計10は、以上のように、ST14で受信を終了した場合と、ST26で時差修正を行った場合に、受信および時刻修正処理を終了する。
例えば、前記各実施形態では、予め決められた時刻に行われる自動受信時と、ユーザーの操作による強制受信時に受信処理を行っていたが、さらに、電池交換などでシステムリセットが行われた場合、そのシステムリセット後、所定時間以内に、前記各実施形態で説明した受信処理を行ってもよい。
ここで、システムリセットが行われると、内部時刻データや時刻修正記録手段55も初期化されるため、時刻修正記録判定工程ST41では必ず「No」と判定される。従って、システムリセット直後の受信では、必ずサブフレーム受信処理工程ST20、時刻修正工程ST25が行われ、内部時刻データの年月日時分秒が修正される。従って、システムリセットにより、内部時刻データが初期化されて実際の現時刻とずれている場合でも、直ちに、正しい時刻に自動的に修正されるため、利便性を向上できる。
なお、前記所定時間は、システムリセット操作を行った後に、GPS付き腕時計10を窓際等のGPS衛星信号を受信しやすい場所に移動するのに必要な時間、例えば1〜2分程度の時間に設定すればよい。
すなわち、過去に第2情報で時刻修正が行われたか否かのみで、第1情報時刻修正手段53による時刻修正または第2情報時刻修正手段54による時刻修正を選択してもよい。過去に第2情報で時刻修正が行われている場合には、一般的な時計の精度であれば、内部時刻データが衛星時刻情報に対して年月日までずれている可能性は殆ど無い。従って、第1情報のみを受信して時刻修正を行っても正しい時刻に修正することができる。
次に、本発明に関連する技術について説明する。この関連技術は、図16,17に示すように、前記各実施形態における時刻修正記録判定工程ST41を無くしたものである。例えば、図16は、前記第1実施形態の図6に対し、時刻修正記録判定工程ST41が無い点のみが相違する。また、図17は、前記第2実施形態の図10に対し、時刻修正記録判定工程ST41が無い点のみが相違する。従って、時刻修正記録判定工程ST41によって得られる作用効果を除き、前記各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
一方、第1情報で内部時刻を修正できないと判定された場合には、時分秒の情報、年月日の週情報、衛星健康状態の情報からなる第2情報を受信しているため、時分秒だけでなく年月日まで含む正しい時刻情報で内部時刻を修正できるため、正確な時刻に修正できる。
このため、消費電力を低減でき、電源の持続時間を長くできる。従って、本発明の時刻修正装置が、腕時計のような携帯型の計時装置に組み込まれている場合に、計時装置の持続時間を長くでき、利便性を向上できる。
さらに、通常は、第1情報のみを受信すればよく、受信処理時間を短くできる。このため、受信中、時刻修正装置を動かさずに静止する必要がある時でも、受信時間が短いため、利用者の利便性を損なうことがない。
また、第2情報には、衛星健康状態の情報も含まれているので、受信した第2情報が正常な情報であるかも容易に判断でき、正しい時刻情報で内部時刻を修正できる。
受信した第1情報が正しい時刻情報でない場合、例えば、その衛星が現在使用できない場合や、受信データにエラーが含まれている場合は、通常、内部時刻情報に対して内部時刻許容範囲(例えば1分)以上の差が生じる。受信した第1情報が正しい時刻情報でないのに、内部時刻情報に対する差が内部時刻許容範囲内になるのは、内部時刻情報も同じように正しい時刻からずれている場合のみであり、そのような可能性は非常に小さい。
従って、各時刻データの差が内部時刻許容範囲内であれば、受信した第1情報は正しい時刻情報であり、かつ、内部時刻情報もほぼ正しい時刻であると推測できる。
このため、受信した時分秒データと、内部時刻の時分秒データとの差が許容範囲内であれば、受信した時分秒データ(第1情報)のみで内部時刻情報を正しい時刻に修正できる。
一方、受信した時分秒データと、内部時刻の時分秒データとの差が内部時刻許容範囲外であれば、時分秒だけでなく年月日のデータを含む第2情報を受信し、その第2情報で内部時刻情報を修正しているので、正しい時刻に修正できる。
このため、消費電力を低減でき、電源の持続時間を長くできる。従って、本発明の時刻修正装置が、腕時計のような携帯型の計時装置に組み込まれている場合に、計時装置の持続時間を長くでき、利便性を向上できる。
さらに、通常は、第1情報のみを受信すればよく、受信処理時間を短くできる。このため、受信中、時刻修正装置を動かさずに静止する必要がある時でも、受信時間が短いため、利用者の利便性を損なうことがない。
各位置情報衛星からの第1情報は同じ時分秒データであるため、受信データも一致するはずである。従って、衛星時刻許容範囲を1秒程度にしていても、通常は、各第1情報の差が衛星時刻許容範囲(例えば1秒)以上になることはない。
従って、第1情報の差が衛星時刻許容範囲内であれば、各位置情報衛星から受信した第1情報は、いずれもが正しい時刻データであることが判別される。このため、いずれの第1情報を任意に選択しても正しい時刻情報を取得できる。そして、第1情報で内部時刻を修正することで、使用に問題ない精度で内部時刻を正しく修正できる。
Claims (12)
- 位置情報衛星から送信される衛星信号を受信する受信部と、
内部時刻情報を生成する時刻情報生成部と、
前記内部時刻情報を修正する時刻情報修正部と、
前記受信部の動作を制御する受信制御手段と、
を有する時刻修正装置であって、
前記衛星信号には、前記位置情報衛星で計時されている衛星時刻情報が含まれ、
前記受信部は、
前記衛星信号の時分秒の情報からなる第1情報を受信する第1受信モードと、
前記衛星信号の時分秒の情報、年月日の週情報を有する第2情報を受信する第2受信モードと、を選択可能に構成され、
前記時刻情報修正部は、
前記内部時刻情報が初期化された後に、前記第2受信モードで受信された前記第2情報で前記内部時刻情報が修正されたか否かを記録する時刻修正記録手段と、
前記受信制御手段によって前記受信部を前記第1受信モードで制御し、前記第1情報を受信できずに所定時間が経過した場合は前記内部時刻情報を修正せずに受信処理を終了し、前記第1情報を受信した場合は、受信した前記第1情報で前記内部時刻情報の時分秒を修正する第1情報時刻修正手段と、
前記受信制御手段によって前記受信部を前記第2受信モードで制御し、前記第2情報を受信できずに所定時間が経過した場合は前記内部時刻情報を修正せずに受信処理を終了し、前記第2情報を受信した場合は、受信した前記第2情報で前記内部時刻情報の年月日と時分秒とを修正する第2情報時刻修正手段と、
前記第1受信モードで受信した前記第1情報で前記内部時刻情報を修正できるか否かを判定する判定手段と、を有し、
前記時刻修正記録手段に前記第2情報で前記内部時刻情報が修正された事が記録されている場合は、前記第1情報時刻修正手段を作動し、
前記時刻修正記録手段に前記第2情報で前記内部時刻情報が修正された事が記録されていない場合は、前記第2情報時刻修正手段を作動し、
受信した前記第1情報で前記内部時刻情報を修正できると前記判定手段が判定した場合は、受信した前記第1情報で前記内部時刻情報を修正し、
受信した前記第1情報で前記内部時刻情報を修正できないと前記判定手段が判定した場合は、前記第2情報時刻修正手段を作動する
ことを特徴とする時刻修正装置。 - 請求項1に記載の時刻修正装置において、
前記判定手段は、
受信した前記第1情報と前記内部時刻情報との差が予め設定された内部時刻許容範囲内であれば、受信した前記第1情報で前記内部時刻情報を修正できると判定し、
前記第1情報と前記内部時刻情報との差が前記内部時刻許容範囲外であれば、受信した前記第1情報で前記内部時刻情報を修正できないと判定する
ことを特徴とする時刻修正装置。 - 請求項1に記載の時刻修正装置において、
前記第1情報時刻修正手段は、前記受信部を前記第1受信モードで制御して複数の位置情報衛星から送信される衛星信号に含まれる前記第1情報を受信し、
前記判定手段は、
受信した各位置情報衛星の前記第1情報同士の差が予め設定された衛星時刻許容範囲内であれば、受信した前記第1情報で前記内部時刻情報を修正できると判定し、
前記第1情報同士の差が前記衛星時刻許容範囲外であれば、受信した前記第1情報で前記内部時刻情報を修正できないと判定する
ことを特徴とする時刻修正装置。 - 請求項1に記載の時刻修正装置において、
前記第1情報時刻修正手段は、前記受信部を前記第1受信モードで制御して複数の位置情報衛星から送信される衛星信号に含まれる前記第1情報を受信し、
前記判定手段は、
受信した各位置情報衛星の前記第1情報同士の差が予め設定された衛星時刻許容範囲内であり、かつ、受信した前記第1情報と前記内部時刻情報との差が予め設定された内部時刻許容範囲内であれば、受信した前記第1情報で前記内部時刻情報を修正できると判定し、
前記第1情報同士の差が前記衛星時刻許容範囲外の場合、または、受信した前記第1情報と前記内部時刻情報との差が前記内部時刻許容範囲外の場合に、受信した前記第1情報で前記内部時刻情報を修正できないと判定する
ことを特徴とする時刻修正装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の時刻修正装置において、
前記時刻情報修正部は、前記内部時刻情報の初期化直後の予め設定された時間内に、前記第2情報時刻修正手段を作動して、前記受信部を前記第2受信モードで制御して前記第2情報を受信し、受信した前記第2情報で前記内部時刻情報の年月日と時分秒とを修正する
ことを特徴とする時刻修正装置。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の時刻修正装置において、
利用者が操作可能な外部操作部材を備え、
前記時刻情報修正部は、
前記内部時刻情報が予め設定された所定の受信時刻になった場合に自動的に受信処理を行う自動受信モードと、前記外部操作部材で手動受信の操作が行われたことを検出した場合に強制的に受信処理を行う強制受信モードとを選択可能に構成され、
前記強制受信モードが選択されたときは、前記第2情報時刻修正手段を作動して、前記受信部を前記第2受信モードで制御して前記第2情報を受信し、受信した前記第2情報で前記内部時刻情報の年月日と時分秒とを修正する
ことを特徴とする時刻修正装置。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の時刻修正装置において、
前記時刻情報修正部は、前回、前記第1情報または前記第2情報で前記内部時刻情報を修正した時点からの経過時間を記録する経過時間記録手段を備え、
前記経過時間が設定時間以上になった場合には、前記第2情報時刻修正手段を作動して、前記受信部を前記第2受信モードで制御して前記第2情報を受信し、受信した前記第2情報で前記内部時刻情報の年月日と時分秒とを修正する
ことを特徴とする時刻修正装置。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載の時刻修正装置において、
前記時刻情報修正部は、前回の前記内部時刻情報の修正後に手動で前記内部時刻情報の修正が行われたか否かを記録する手動修正記録手段を備え、
前記手動で前記内部時刻情報の修正が行われた後に最初に時刻情報を受信する場合には、前記第2情報時刻修正手段を作動して、前記受信部を前記第2受信モードで制御して前記第2情報を受信し、受信した前記第2情報で前記内部時刻情報の年月日と時分秒とを修正する
ことを特徴とする時刻修正装置。 - 請求項1から請求項8のいずれかに記載の時刻修正装置において、
前記時刻情報修正部は、電源電圧を検出する電圧検出手段を備え、
前記電源電圧が設定電圧以下に低下した場合には、前記第2情報時刻修正手段の作動を禁止し、常に前記第1情報時刻修正手段を作動する
ことを特徴とする時刻修正装置。 - 請求項1から請求項9のいずれかに記載の時刻修正装置において、
前記第2情報は、衛星健康状態の情報を有し、
前記第2情報時刻修正手段は、前記衛星健康状態にその衛星信号が使用可能であることを示すフラグが記録されているか否かを判定し、前記フラグが記録されている場合には、受信した前記第2情報で前記内部時刻情報の年月日と時分秒とを修正し、前記フラグが記録されていない場合には、他の位置情報衛星から送信される衛星信号を受信して前記内部時刻情報を修正する
ことを特徴とする時刻修正装置。 - 請求項1から請求項10のいずれかに記載の時刻修正装置と、
前記内部時刻情報を表示する時刻表示部と、
を有することを特徴とする時刻修正装置付き計時装置。 - 内部時刻情報を生成する時刻情報生成工程と、
前記内部時刻情報が初期化された後に、位置情報衛星から送信される衛星信号の時分秒の情報、年月日の週情報を有する第2情報によって前記内部時刻情報が修正されたか否かを時刻修正記録手段に記録する修正記録工程と、
受信部を第1受信モードで制御して、前記衛星信号の時分秒の情報からなる第1情報を受信できずに所定時間が経過した場合は前記内部時刻情報を修正せずに受信処理を終了し、前記第1情報を受信した場合は、受信した前記第1情報で前記内部時刻情報の時分秒を修正する第1情報時刻修正工程と、
前記受信部を第2受信モードで制御し、前記第2情報を受信できずに所定時間が経過した場合は前記内部時刻情報を修正せずに受信処理を終了し、前記第2情報を受信した場合は、受信した前記第2情報で前記内部時刻情報の年月日と時分秒とを修正する第2情報時刻修正工程と、
前記第1受信モードで受信した第1情報で内部時刻を修正できるか否かを判定する判定工程と、を有し、
前記時刻修正記録手段に前記第2情報で前記内部時刻情報が修正されたことが記録されている場合は、前記第1情報時刻修正工程を作動し、
前記時刻修正記録手段に前記第2情報で前記内部時刻情報が修正されたことが記録されていない場合は、前記第2情報時刻修正工程を作動し、
受信した前記第1情報で前記内部時刻情報を修正できると前記判定工程で判定した場合は、受信した前記第1情報で前記内部時刻情報を修正し、
受信した前記第1情報で前記内部時刻情報を修正できないと前記判定工程で判定した場合は、前記第2情報時刻修正工程を作動する
ことを特徴とする時刻修正方法。
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