JP5378258B2 - Gps腕時計 - Google Patents
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Description
無線受信機は有線の受信機と比較した場合、ケーブルを接続する必要がないため、携帯型の受信機として特に適している。
このように、GPS衛星から送信される無線信号を受信することで、移動しながらでも自己の現在位置を知ることができ、例えばカーナビゲーションシステムなどで広く利用されている。
このような動作によって、時計の時刻表示は常に一定の小さな誤差の範囲内に収まることになる。標準電波の特徴としては、信号帯域周波数が低いことと、信号帯域幅が非常に狭帯域であることが挙げられる。この標準電波の特徴は、良くも悪くも長波電波修正時計の特徴を決定付けている。
また、信号が非常に狭帯域であるため、信号処理に高速処理が求められない。そのため、低消費電力に特化したCPUを用いることが出来る。これも、腕時計という機器に非常に好適な特徴である。
まず、標準電波の送信されていない地域では、時刻修正を行うことが出来ない。これは地上-地上間通信を行っている以上仕方のないことである。
また、狭帯域であるがゆえに、タイムコードが非常に長く、時刻修正に非常に長い時間がかかる。具体的にはタイムコードの一周期が1分であるため、通常は短くても1分、長い場合には1回の受信に5分以上かかることもある。これもタイムコードの仕様上、改善が難しい問題である。
受信した時刻データと内部時計の時刻データに差異が生じる原因は2種類に分けることができる。1つは内部時計が真の時刻からずれている場合、もう1つは受信した時刻データが誤っている場合である。内部時計の精度を考慮して、受信した時刻データと内部時計との差異が前者によるものなのか、後者によるものなのかを判断する。もし前者である場合には、受信した時刻データは正しいと判断して時刻修正を行い、後者によるものである場合には、受信した時刻データは破棄する。
抑えることができる。
例えばGPS信号を受信した時点での正しい現在時刻に対応した正確なTOWが、「01010001011100101」であったとする。これは十進数で表現すると41701となり、日曜日0時00分00秒から250206秒後であることを表わしている。すなわち受信時の日時は、火曜日の21時30分6秒となる。
現在の正しいTOWが、「01010001011100101」であるのに対して、受信時に1ビットのビットエラーが生じて左から3番目のビットが反転し、「01110001011100101」であったとする。このような場合、内部時計が正確であったとすると、受信した時刻データと内部時計の時刻データとの差異が98304秒となってしまい、受信は失敗と判断されてしまう。すなわち、受信データに1ビットでもビットエラーが生じると、受信は失敗と判断されてしまう。
P_NG=1-0.97^17=0.40
つまり、10回中4回は受信失敗となってしまう。すなわちGPS腕時計の使用者(以降ユーザーと呼ぶ)から見れば、受信結果の確認をした際に、10回中6回しか受信に成功しないことになる。これは常に正確な時刻を示すことを目的とするGPS腕時計にとって致命的な問題である。
えつつ、高い受信感度を実現した受信機を内蔵したGPS腕時計を提供することを目的とする。
源振による発振信号を生成するとともに、前記発振信号を分周して時間基準信号を出力する発振部と、
前記時間基準信号をカウントして求められたデータを内部時刻として計時する計時部と、
前記源振の周波数精度から前記内部時刻データの許容範囲を設定する許容範囲設定手段と、
前記許容範囲によって、受信した前記現在時刻情報の受信エラーの有無を判定する受信エラー判定部と、
前記受信エラーの有無に応じて、受信した前記現在時刻情報で前記内部時刻データを修正する時刻修正手段と、を有する受信機であって、
受信した前記現在時刻情報と前記内部時刻データとを、対応するビットごとに比較して、同一でないビットの数を計数する差異ビット計数手段と、
前記許容範囲設定手段で設定した前記内部時刻データの許容範囲内にある全時刻データのビットパターンを生成する全ビットパターン生成部と、
をさらに有し、
前記受信エラー判定部で受信エラーが有ると判断した場合、受信した前記時刻情報のビットパターンと前記全ビットパターン生成部で生成した各々の時刻データのビットパターンとの比較を行なって、前記差異ビット計数手段において計数された同一でないビットの数が所定値以下となるビットパターンで表わされる時刻データによって前記内部時刻を修正する。
このような構成とすることにより、内部時計にある範囲の誤差を許容しながら、所定のビ
ット数までのエラーを許容することができる。その結果、誤受信率を低く抑えながら、高い受信感度を実現することが可能となる。
また、前記内部時刻データの許容範囲に対するしきい値を設け、前記内部時刻データの許容範囲が、前記しきい値を超えたと判断された場合には、前記時刻修正手段の動作を停止することもできる。このような構成とすることで、内部時計の誤差が大きい場合に、信号処理の負荷を軽減すると共に、誤受信率の上昇を防ぐことができる。
また、前記差異ビット計数手段は、前記全ビットパターン生成部において生成された全ビットパターンにおいて、対応するビット位置にあるビット値が、各時刻データでいずれも同じであるビットは、比較の対象から除外することもできる。このような構成とすることで、比較動作の負荷を軽減することができる。
図1は、本発明におけるGPS腕時計を示す概略図である。GPS腕時計は、その表面に文字板11、秒針、分針、時針等の指針12が配置される時刻表示部と、外装である時計ケース13と、時計ケース13の外部にリューズ14、プッシュボタン15が配置される外部入力部等により構成されている。また図示はしないが、文字板11のすぐ裏には、太陽光を受けて発電する太陽電池が配置されている。
受信電極32、反対側の電極をグランド電極33と呼ぶ。受信電極32上には信号を取り出し次段へ出力するための給電点34が設けられている。本実施形態においては、アンテナ21は文字板11のすぐ裏に、受信電極32を文字板側に向けるように配置されている。この時、文字板は電波を透過させるため、プラスチックで形成されている。
前述の太陽電池で電池22を充電することで、電池交換の必要がない、所謂太陽電池腕時計を構成している。
GPS腕時計は以上のような主要部材から構成されている。
図4は、本実施例におけるGPS腕時計の機能ブロック図を示している。
GPS腕時計はアンテナ21と、SAWフィルタ44と、受信部41と、CPU42と、電池22と、太陽電池46と、TCXO47とで構成されている。またその他に、各部の動作に必要なコンデンサ等の周辺部品も多数存在するが、ここでは省略する。
受信部41は受信したGPS衛星からのRF信号を増幅し、RF信号の周波数帯より低い周波数帯の信号(以降IF信号と呼ぶ)へと変換し、A/D変換器でデジタル信号へと変換する。また受信部41は狭帯域(数MHz)のフィルタを備えており、不要な周波数帯のノイズを除去する機能を備えている。そしてデジタル化された信号に対して、逆拡散およびフィルタリングを施すことで航法データを復元し、CPU42へ出力する。
また、電池22および太陽電池46がCPU42に接続されており、電池22よりCPU42へ電力を供給する。そして太陽電池46が発電を行っているときには発電した電力を電池22へ充電する。このような構成とすることで、電池22は有線での充電動作などをせずに、CPU42へ安定した電力を供給することが可能となる。
またCPUのクロックを生成するために水晶振動子45が時計制御駆動部に接続されている。これによってCPU42のクロックが生成され、受信信号処理部421もこのクロックをリファレンスとして動作する。
ここから、本実施例におけるGPS腕時計の動作について説明する。
通常時、GPS腕時計は普通の腕時計と同様に、時刻を計時している。すなわち、時計制御駆動部422が1秒に1回、指針12を駆動することでユーザーに時間を報知している。
周波数変換回路を動作させるためにはローカル信号が必要となるが、本実施例においては、TCXO47の信号をリファレンスクロックとしてPLL回路へ入力することで、所望のローカル信号を生成している。
受信信号処理部421に信号が入力されると、受信信号処理部421はまず信号の捕捉動作を行う。捕捉動作とは、受信した信号と内部で生成しているPRN符号(以降レプリカPRNと呼ぶ)との相関を求める動作であり、相関値が所定値を超えた場合に捕捉成功として捕捉動作を終了する。
捕捉動作が終了すると、受信信号処理部421は追尾動作へと移行する。追尾動作とは、受信した信号の位相とレプリカPRNの位相がずれないように制御しながら、逆拡散を連続的に行うことで航法データを復元する動作である。追尾動作時の位相の制御方法としては、DLL(Delay Locked Loop)やTDL(タウ・ディザループ)が広く知られており、ここではその説明は省略する。
受信信号処理部421は、捕捉動作に成功した瞬間から、GPS信号に含まれる復調信号(以降航法データと呼ぶ)を取得する。
図4の受信信号処理部421には、照合動作を司るいくつかのブロックが示されている。ここから受信信号処理部421での照合動作について、図5のフローチャートを参照しながら
説明する。
まず内部時計を参照して、内部時計の時刻t_isを日曜日0時00分00秒からの経過時間で表わす(S12)。例えば内部時計の曜日が火曜日となっており、時刻が21時29分59秒であった場合、t_isは250199秒となる。
「01010001011100101」であるのに対して、受信時に1ビットのビットエラーが生じて左から3番目のビットが「0」から「1」に反転したものである。このような場合、内部時計が正確であったとしても、受信した時刻データと内部時計の時刻データとの差異が98304秒とみなされてしまい、受信は失敗したと判断することになる。すなわち、受信データに1ビットでもビットエラーが生じると、受信失敗となってしまうことから、明らかに受信エラーとわかるビットエラーについては、無視をしたほうが受信成功率を高くすることができる。
ただしこの瞬間の正しい時刻は、TOWを受信した瞬間から5秒後の時刻を表わしているため、選択TOW候補の5秒前の時刻を現在の正しい時刻として、その時刻へ内部時計を修正する。そして受信成功として受信動作を終了する(S19)。
本実施例のGPS腕時計の概要構成は実施例1と共通であり、その説明を省略する。
また、本実施例におけるブロック構成は実施例1と共通であり、その説明を省略する。
また、本実施例における受信部の動作も実施例1と共通であり、その説明を省略する。
また、本実施例における情報取得動作も実施例1と共通であり、その説明を省略する。
本実施例における照合動作のフローチャートを図7に示す。実施例1におけるフローチャート(図5)と比較した場合、S14のステップが無い点が異なる。これは、S18のステップが受信エラー判定を行なうS14のステップを兼ねるためである。実施例1において、S14でNoと判断された場合の動作は、本実施例においても同様であるため、その説明を省略する。実施例1のS14ではYesと判断された場合の動作が、本実施例においては異なるため、その場合について説明をする。
3で求められる許容誤差範囲は実施例1と同じく±7秒とする。また内部時計が実施例1と同じく火曜日の21時29分59秒となっていたとする。
そして受信したTOWが「01010001011100101」であったとすると、これを10進数で表わすと250206秒となる。従って、内部時計の時刻と、受信したTOWとの差は7秒となり、許容誤差範囲内であるため、実施例1においては受信したTOWで内部時計を修正した。
S18でYesと判定され、選択TOW候補で内部時計が修正される。すなわち、内部時計に誤差を許容することと、TOW候補の全パターンを生成し比較することは等価であり、実施例1におけるS14のステップをS18のステップで兼ねることができるのである。
本実施例のGPS腕時計の概要構成は実施例1と共通であり、その説明を省略する。
また、本実施例におけるブロック構成は実施例1と共通であり、その説明を省略する。
また、本実施例における受信部の動作も実施例1と共通であり、その説明を省略する。
また、本実施例における情報取得動作も実施例1と共通であり、その説明を省略する。
本実施例における照合動作のフローチャートを図8に示す。
本実施例におけるS11〜 S17の動作は実施例1または2と共通であり、その説明を省略する。
本実施例におけるGPS腕時計では、TOW候補の中で最も差異ビット数が少ないTOW候補を選択した(S17)後、そのTOW候補と受信したTOWとの差異ビット数を計数し、差異ビット数が0ビットであるかどうかを判定する(S31)。もし差異ビット数が0ビットであった場合には、受信エラー判定の結果、受信に成功したものとして内部時計をTOW候補に合わせて時刻修正を行う(S21)。
。前回受信時からの経過時間と上記精度とから、内部時計の最大誤差を求めることができる。例えば前回受信時からの経過時間が14日間とする場合、最大で約85秒間の誤差が生じることになる(以降簡単のため85秒とする)。
環境での)内部時計のずれによるものなのか、受信時のビットエラーによるものなのか、区別ができない。そのような場合には受信失敗として時刻修正を行わない。
例えば差異ビット数は2ビット以下、あるいは差分の絶対値が100秒以内など、様々なパターンが考えられる。
本実施例のGPS腕時計の概要構成は実施例1と共通であり、その説明を省略する。
また、本実施例におけるブロック構成は実施例1と共通であり、その説明を省略する。
また、本実施例における受信部の動作も実施例1と共通であり、その説明を省略する。
また、本実施例における情報取得動作も実施例1と共通であり、その説明を省略する。
本実施例における照合動作のフローチャートを図10に示す。
本実施例におけるS11〜S15の動作は実施例1と共通であり、その説明を省略する。
本実施例におけるGPS腕時計では、TOW候補の全パターンを作成した後(S15)、TOW候補のパターン数を計数し、パターン数が5以上であるかどうかを判断する(S41)。もしパターン数が5以上であった場合、照合動作を終了する(S19)。もしパターン数が5以下であった場合は、それぞれのTOW候補との差異ビット計数動作(S16)へと以降する。以降、S16〜S21の動作については実施例1と共通であるため、説明を省略する。
本実施例のGPS腕時計の概要構成は実施例1と共通であり、その説明を省略する。
また、本実施例におけるブロック構成は実施例1と共通であり、その説明を省略する。
また、本実施例における受信部の動作も実施例1と共通であり、その説明を省略する。
また、本実施例における情報取得動作も実施例1と共通であり、その説明を省略する。
本実施例における照合動作のフローチャートを図11に示す。
本実施例におけるS11〜S15の動作は実施例1と共通であり、その説明を省略する。
本実施例におけるGPS腕時計では、TOW候補の全パターンを作成した後(S15)、全パターンを互いに比較し、対応するビット位置にあるビット値が全てのパターンでいずれも同じであるビットについては、以降の比較対象から除外する(S51)。以降、S16〜S21の動作については実施例1と共通であるため、説明を省略する。
12 指針
13 時計ケース
14 リューズ
15 プッシュボタン
21 アンテナ
22 電池
23 輪列
24 回路基板
31 アンテナを構成する誘電体
32 受信電極
33 グランド電極
34 給電点
41 受信部
42 CPU
44 SAWフィルタ
45 水晶振動子
46 太陽電池
47 TCXO
421 受信信号処理部
4211 許容範囲設定手段
4212 全ビットパターン生成部
4213 差異ビット計数手段
422 時計制御駆動部
4221 内部時計
4222 駆動回路
Claims (4)
- 現在時刻情報を含む無線信号を受信する受信部と、
源振による発振信号を生成するとともに、前記発振信号を分周して時間基準信号を出力する発振部と、
前記時間基準信号をカウントして求められたデータを内部時刻として計時する計時部と、前記源振の周波数精度から前記内部時刻データの許容範囲を設定する許容範囲設定手段と、
前記許容範囲によって、受信した前記現在時刻情報の受信エラーの有無を判定する受信エラー判定部と、
前記受信エラーの有無に応じて、受信した前記現在時刻情報で前記内部時刻データを修正する時刻修正手段と、
を有するGPS腕時計であって、
前記許容範囲設定手段で設定した前記内部時刻データの許容範囲内にある全時刻データのビットパターンを生成する全ビットパターン生成部と、
受信した前記現在時刻情報と前記全時刻データのビットパターンとを、対応するビットごとに比較して、同一でないビットの数を計数する差異ビット計数手段と、をさらに有し、前記受信エラー判定部で受信エラーが有ると判断した場合、
受信した前記現在時刻情報のビットパターンと前記全ビットパターン生成部で生成した各々の時刻データのビットパターンとの比較を行なって、前記差異ビット計数手段において計数された同一でないビットの数が所定値以下となるビットパターンで表わされる時刻データによって前記内部時刻を修正する、ことを特徴とするGPS腕時計。 - 前記許容範囲設定手段は、前記源振の周波数精度の許容差に基づき、
前回の内部時刻修正時からの経過時間に応じて演算された現在時刻からの最大および最小と推定される時刻データを、前記内部時刻データの許容範囲として設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のGPS腕時計。 - 前記許容範囲設定手段は、前記受信エラー判定部で受信エラーが有ると判断した場合、
さらに第2の許容範囲を設定し、
受信した前記現在時刻情報と前記内部時刻データの差分が、前記第2の許容範囲以上なら
、受信した前記現在時刻情報に基づき前記内部時計の時刻修正を行い、
受信した前記現在時刻情報と前記内部時刻データの差分が、前記第2の許容範囲未満なら、時刻修正を行わないことを特徴とする請求項1または2に記載のGPS腕時計。 - 前記差異ビット計数手段は、
前記全ビットパターン生成部で生成された各時刻データのビットパターンで、
対応するビット位置にあるビット値が、各時刻データでいずれも同じであるビットは、
比較の対象から除外する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のGPS腕時計。
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