JP2013178190A - アンテナ内蔵式電子時計 - Google Patents
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Abstract
【課題】スペースの利用効率を向上させるとともにアンテナ体に混入するノイズを低減する。
【解決手段】電子時計100は、筒状の外装ケース80と、外装ケース80の二つの開口のうち、一方の開口を塞ぐカバーガラス84と、外装ケース80の内周に沿って設けられたリング状のアンテナ体40と、カバーガラス84から見てアンテナ体40の下部に設けられ、シールドパターンGが形成された回路基板25と、シールドパターンGを境界として、回路基板25においてアンテナ体40と反対の面に設けられ、アンテナ体40で受信した信号を増幅して処理するGPS受信部26とを備える。
【選択図】図3
【解決手段】電子時計100は、筒状の外装ケース80と、外装ケース80の二つの開口のうち、一方の開口を塞ぐカバーガラス84と、外装ケース80の内周に沿って設けられたリング状のアンテナ体40と、カバーガラス84から見てアンテナ体40の下部に設けられ、シールドパターンGが形成された回路基板25と、シールドパターンGを境界として、回路基板25においてアンテナ体40と反対の面に設けられ、アンテナ体40で受信した信号を増幅して処理するGPS受信部26とを備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、アンテナを内蔵したアンテナ内蔵式電子時計に関する。
携帯型電子時計では、GPS(Global Positioning System)の衛星などから微弱な電波を受信して、時刻補正を行うものが知られている。携帯型電子時計では、小型化の観点より、アンテナと受信部を極めて近接して実装する必要がある。その一方で、受信部で発生するノイズがアンテナに混入してしまうと、受信電波のSN比が低下し、正確な時刻補正ができないといった問題がある。
特許文献1には、パッチアンテナを用いた携帯型電子時計においてシールド層を備えた回路基板にパッチアンテナとアナログ回路部及びデジタル回路部を配置することによって、回路基板の表面と裏面とを電磁的に分離して、受信電波のSN比を向上させる技術が開示されている。
特許文献1には、パッチアンテナを用いた携帯型電子時計においてシールド層を備えた回路基板にパッチアンテナとアナログ回路部及びデジタル回路部を配置することによって、回路基板の表面と裏面とを電磁的に分離して、受信電波のSN比を向上させる技術が開示されている。
しかしながら、従来の携帯型電子時計では、直方体のパッチアンテナを採用するが、小型化の観点から、パッチアンテナが配置された面には、何らかの回路部を配置する必要があった。このため、回路基板の表面と裏面とをシールド層により分離できたとしても、パッチアンテナが設けられた面にある回路部からノイズがパッチアンテナに混入するといった問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、スペースの利用効率を向上しつつアンテナに混入するノイズを低減することなどを解決課題とする。
以上の課題を解決するため、本発明に係るアンテナ内蔵式電子時計は、筒状の外装ケースと、前記外装ケースの二つの開口のうち、一方の開口を塞ぐカバーガラスと、前記外装ケースの内周に沿って設けられたリング状のアンテナ体と、前記アンテナ体の内周より内側に配置され、時刻を表示する指針と、前記カバーガラスから見て前記アンテナ体の下部に設けられ、シールドパターンが形成された回路基板と、前記シールドパターンを境界として、前記回路基板において前記アンテナ体と反対の面に設けられ、前記アンテナ体で受信した信号を増幅して処理する受信部と、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、リング状のアンテナ体を外装ケースの内周に沿って設けたので、アンテナ体の内側に指針などの各種の構造を配置でき、スペースの利用効率を向上させることができる。くわえて、シールドパターンを境界として、リング状のアンテナ体と反対の面に受信部を配置したので、受信部で発生するノイズがリング状のアンテナ体に混入するのを防止することができる。
また、上述したアンテナ内蔵式電子時計において、前記受信部は、前記アンテナ体の内周よりも内側に設けられることが好ましい。この発明によれば、受信部で発生するノイズは、回路基板の外側を回り込んでリング状のアンテナ体に混入するが、受信部をアンテナ体の内周よりも内側に設けるので、アンテナ体の直下に受信部を設ける場合と比較して、受信部からアンテナ体までの距離を長くすることができ、ノイズの混入を低減することができる。
また、上述したアンテナ内蔵式電子時計において、前記リング状のアンテナ体に設けられた一対の給電点と、前記一対の給電点と前記回路基板とを接続する一対の接続ピンと、 前記回路基板の前記受信部が設けられた面に配置され、前記一対の接続ピンと電気的に接続されるバランとを備え、前記受信部は、前記バランよりも前記リング状のアンテナ体の中心側に配置されることが好ましい。
この発明によれば、受信部で発生するノイズは、回路基板の外側を回り込んでリング状のアンテナ体に混入するが、受信部をバランよりもリング状のアンテナ体の中心側に配置するので、バランと受信部をリング状のアンテナ体の中心からの距離が等しくなるように配置した場合と比較して、受信部からアンテナ体までの距離を長くすることができ、ノイズの混入を低減することができる。
さらに、前記バランは、前記リング状のアンテナ体の内周より内側に配置されることが好ましい。
この発明によれば、受信部で発生するノイズは、回路基板の外側を回り込んでリング状のアンテナ体に混入するが、受信部をバランよりもリング状のアンテナ体の中心側に配置するので、バランと受信部をリング状のアンテナ体の中心からの距離が等しくなるように配置した場合と比較して、受信部からアンテナ体までの距離を長くすることができ、ノイズの混入を低減することができる。
さらに、前記バランは、前記リング状のアンテナ体の内周より内側に配置されることが好ましい。
<1.実施形態>
以下、この発明の好適な実施の形態を、添付図面等を参照しながら詳細に説明する。ただし、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
以下、この発明の好適な実施の形態を、添付図面等を参照しながら詳細に説明する。ただし、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るアンテナ内蔵式電子時計100(以下「電子時計100」という)を含むGPSシステムの全体図である。電子時計100は、GPS衛星20からの電波(無線信号)を受信して内部時刻を修正する腕時計であり、腕に接触する面(以下、「裏面」という)の反対側の面(以下「表面」という)に時刻を表示する。
GPS衛星20は、地球上空における所定の軌道上を周回する位置情報衛星であり、1.57542GHzの電波(L1波)に航法メッセージを重畳させて地上に送信している。以降の説明では、航法メッセージが重畳された1.57542GHzの電波を「衛星信号」という。衛星信号は、右旋偏波の円偏波である。
現在、約31個のGPS衛星20(図1においては、約31個のうち4個のみを図示)が存在しており、衛星信号がどのGPS衛星20から送信されたかを識別するために、各GPS衛星20はC/Aコード(Coarse/Acquisition Code)と呼ばれる1023chip(1ms周期)の固有のパターンを衛星信号に重畳する。C/Aコードは、各chipが+1又は−1のいずれかでありランダムパターンのように見える。したがって、衛星信号と各C/Aコードのパターンの相関をとることにより、衛星信号に重畳されているC/Aコードを検出することができる。
GPS衛星20は原子時計を搭載しており、衛星信号には原子時計で計時された極めて正確な時刻情報(以下、「GPS時刻情報」という)が含まれている。また、地上のコントロールセグメントにより各GPS衛星20に搭載されている原子時計のわずかな時刻誤差が測定されており、衛星信号にはその時刻誤差を補正するための時刻補正パラメータも含まれている。電子時計100は、1つのGPS衛星20から送信された衛星信号を受信し、その中に含まれるGPS時刻情報と時刻補正パラメータを使用して内部時刻を正確な時刻に修正する。
衛星信号にはGPS衛星20の軌道上の位置を示す軌道情報も含まれている。電子時計100は、GPS時刻情報と軌道情報を使用して測位計算を行うことができる。測位計算は、電子時計100の内部時刻にはある程度の誤差が含まれていることを前提として行われる。すなわち、電子時計100の3次元の位置を特定するためのx,y,zパラメータに加えて時刻誤差も未知数になる。そのため、電子時計100は、一般的には4つ以上のGPS衛星からそれぞれ送信された衛星信号を受信し、その中に含まれるGPS時刻情報と軌道情報を使用して測位計算を行う。
図2は、電子時計100の平面図である。図2に示すように、電子時計100は、金属製の導電性部材で形成された円筒状の外装ケース80を備え、外装ケース80の内側に、プラスチックで形成された環状のダイヤルリング83を介して、円盤状の文字板11が時刻表示部として配置され、この文字板11上には、時刻や日付等を表示する指針13(13a〜c)が配置されている。また、文字板11の下部には液晶パネル14が配置されており、文字板11に形成された開口部11aから液晶パネル14が視認できるようになっている。そして、外装ケース80の表面側の開口は、カバーガラス84で塞がれており、カバーガラス84を通じて、内部の文字板11、指針13(13a〜c)及び液晶表示パネル14が視認可能となっている。なお、図2中において、液晶表示パネル14に表示された"TYO"の文字は、「東京」の意味であり、ワールドタイム機能の日本の時刻を表示している。
なお、本実施形態において外装ケース80は、セラミック(ジルコニア)製の非導電性部材を用いて構成してもよい。この場合は、アンテナ性能を向上することができる。セラミックは高価であるが硬いので傷がつきにくい。なお、非導電性の部材であればセラミックには限定されず、例えばプラスチックで外装ケース80を形成してもよい。さらに、外装ケース80を非導電性部材と導電性部材を用いて構成してもよい。この場合には、外装ケース80において、後述するリング状のアンテナ体40(図3参照)の近傍の部分を非導電性部材で構成し、それ以外の部分を金属などの導電性部材で構成することによって、衛星信号の受信劣化を低減することができる。
また、電子時計100は、図1及び図2に示す竜頭16や操作ボタン17及び18を手動操作することにより、少なくとも1つのGPS衛星20からの衛星信号を受信して内部時刻情報の修正を行うモード(時刻情報取得モード)と複数のGPS衛星20からの衛星信号を受信して測位計算を行い内部時刻情報の時差を修正するモード(位置情報取得モード)に設定できるように構成されている。また、電子時計100は、時刻情報取得モードや位置情報取得モードを定期的に(自動的に)実行することもできる。
図3は電子時計100の内部構造を示す一部断面図であり、図4は回路基板25を裏面側から見た平面図であり、図5は電子時計100の一部の分解斜視図である。図3乃至図5に示すように、電子時計100は、金属製の外装ケース80の表面側には、プラスチックで形成された環状のダイヤルリング83が取り付けられている。さらに、ダイヤルリング83の内側にはリング状のアンテナ体40が設けられている。
外装ケース80の二つの開口のうち、時刻表示部の表示方向である表面側の開口は、カバーガラス84で塞がれており、裏面側の開口はステンレス等の金属で形成された裏蓋85で塞がれている。なお、カバーガラス84はパッキンリング(図示せず)を挟み込むことで外装ケース80に嵌め込まれている。
外装ケース80の二つの開口のうち、時刻表示部の表示方向である表面側の開口は、カバーガラス84で塞がれており、裏面側の開口はステンレス等の金属で形成された裏蓋85で塞がれている。なお、カバーガラス84はパッキンリング(図示せず)を挟み込むことで外装ケース80に嵌め込まれている。
また電子時計100は、外装ケース80の内側に、リチウムイオン電池などの二次電池27を備える。二次電池27は、後述のソーラーパネル87が発電した電力で充電される。すなわち、ソーラー充電が行われる。電子時計100は、外装ケース80の内側に、光透過性の文字板11と、文字板11を貫通した指針軸12と、指針軸12を中心に周回して現在時刻を指し示す複数の指針13(秒針13a、分針13b及び時針13c)と、指針軸12を回転させて複数の指針13を駆動する駆動体30とを備える。指針軸12は、外装ケース80の中心軸に沿って表裏方向に延在している。
文字板11は、外装ケース80の内側で時刻を表示する時刻表示部を構成する円形の板材であり、プラスチックなどの光透過性の材料で形成され、カバーガラス84との間に指針13(13a〜c)を挟み、ダイヤルリング83の内側に配置されている。文字板11の中央部には、指針軸12が貫通する穴が形成されているとともに、液晶表示パネル14を視認させるための開口部11aが形成されている。
駆動体30は、地板38に取り付けられ、ステップモーターと歯車などの輪列とを有し、当該ステップモーターが当該輪列を介して指針13を回転させることにより、複数の指針13を駆動する。具体的には、時針13cは12時間、分針13bは60分、秒針13aは60秒で一周する。また、駆動体30が取り付けられた地板38は、指針13との間に文字板11を挟むように配置されている。また、地板38の内部には、後述する制御部70やスッテプモーターを駆動する駆動回路74(図6参照)を設けてもよい。
また、電子時計100は、外装ケース80の内側に、光発電を行うソーラーパネル87を備える。ソーラーパネル87は、光エネルギーを電気エネルギー(電力)に変換する複数のソーラーセル(光発電素子)を直列接続した円形の平板であり、文字板11と駆動体30との間に配置され、指針軸12の横断面に沿って延在している。またソーラーパネル87は、その延在方向において、ダイヤルリング83の内側に配置されている。またソーラーパネル87の中央部には、指針軸12が貫通する穴又は切欠が形成されているとともに、液晶表示パネル14を視認させるための開口部11aが形成されている。
また、電子時計100は、外装ケース80の内側に、アンテナ接続ピン44A及び44Bと、回路基板25と、回路基板25に実装されたバラン10及びGPS受信部(無線受信部)26とを備える。GPS受信部26は、例えば、1チップのICモジュールで構成され、そこにはアナログ回路とデジタル回路とが含まれている。バラン10は、平衡−不平衡の変換素子であり、平衡給電で作動するアンテナ体40からの平衡信号を、GPS受信部26で扱うことができる不平衡信号に変換する。回路基板25は、樹脂や誘電体を含む素材で形成され、地板38の下部に配置されている。
また、回路基板25の下面(裏蓋85側)は、実装面であり、そこには、バラン10及びGPS受信部26が配置されている。また、回路基板25の実装面と反対側の面(カバーガラス84側)には、シールドパターンGが形成されて、グランド板としても機能するようになっている。なお、回路基板25を多層基板で構成する場合には、内層にシールドパターンGを形成してもよい。このシールドパターンGは、電磁的・電界的なシールドとして機能する。なを、シールドパターンGにはグランド電位を供給することが好ましい。
そして、電子時計100は、環状の一部を切り欠いたリング形状のアンテナ体40を備える。このアンテナ体40は、例えば、ステンレス等の金属部材で板状に形成されてもよよく、さらに誘電体と組み合わせてもよい。このアンテナ体40は、本実施形態では、外装ケース80の内側で駆動体30の周囲に配置される。すなわち、アンテナ体40は、回路基板25よりもカバーガラス84側に配置される。
また、アンテナ体40は、アンテナ体40の両端、すなわちC形状の切欠部分を挟んで位置する一対の給電点40a及び40bを通じて給電され、この給電点40a及び40bでは、アンテナ下面に配置されたアンテナ接続ピン44A及び44Bと接続されている。アンテナ接続ピン44A及び44Bはスプリングを内蔵した金属で形成されたピン状のコネクタであり、回路基板25上に突設されて、地板38に開口された挿通孔38a及び38bを貫通されて、回路基板25とアンテナ体40とを接続する。
本実施形態において、アンテナ体40への給電は、バラン10から2箇所の給電点40a及び40bを通じての平衡給電となる。具体的には、アンテナ体40の両端に、プラス及びマイナスの給電点40a及び40bを有し、これら二つの給電点40a及び40bがアンテナ接続ピン44A及び44Bと接続されている。これらアンテナ接続ピン44A及び44Bを介して平衡給電が行われ、GPS受信部26は、アンテナ体40を用いて無線信号を受信する。なお、アンテナ体40は、1波長ループアンテナであることから、給電に対して自己平衡作用があり、上記バラン10を介さず、直接給電することも可能である。
本実施形態で、リング状のアンテナ体40を採用したのは、以下の理由による。従来の電子時計のようにパッチアンテナを採用して、回路基板の一方の面にパッチアンテナを設けると、一方の面に空きスペースができてしまう。小型化の観点からは、空きスペースに回路モジュールを配置する必要がある。しかしながら、空きスペースに回路モジュールを配置すると、回路モジュールからパッチアンテナに混入するノイズが問題となる。ノイズの混入を防止するには、回路モジュールをシールドする必要があり、シールド構造のためにスペースを占有され、構造が複雑になり、さらにコストが上昇するといった欠点がある。そこで、本実施形態では、リング状のアンテナ体40をケース80の内周に沿って設けることにより、中央部に回路以外の構造物である指針13などを配置できるようにしてスペースの利用効率を向上させた。くわえて、回路基板25にシールドパターンGを形成し、シールドパターンGを境として、一方の側にアンテナ体40を配置し、他方の側にバラン10及びGPS受信部26を配置した。即ち、アンテナ体40が配置される側には、信号を増幅するアナログ回路と増幅された信号を処理するデジタル回路とが配置されない。このため、GPS受信部26で発生するノイズがアンテナ体40に混入することを防止することができる。
よって、本実施形態によれば、スペースの利用効率を向上しつつ、アンテナ体40に混入するノイズを大幅に低減することができる。
よって、本実施形態によれば、スペースの利用効率を向上しつつ、アンテナ体40に混入するノイズを大幅に低減することができる。
また、図4に示すように、この例のバラン10は、アンテナ体40の内周401より内側に配置され、さらに、バラン10よりも内側にGPS受信部26が配置される。ここで、回路基板25にはシールドパターンGが形成されているので、GPS受信部26から放射されるノイズNは、回路基板25の外周を回り込んでリング状のアンテナ体40に至ることになる。リング状のアンテナ体40に混入するノイズNの大きさは、ノイズの発生源となるGPS受信部26からの距離が長くなる程、低減する。本実施形態では、バラン10よりも内側にGPS受信部26を配置したので、リング状のアンテナ体40に混入するノイズNを大幅に低減することができる。なお、バラン10をアンテナ接続ピン44A及び44Bの直下に配置してもよいが、その場合でもGPS受信部26は、アンテナ体40の内周401より内側に配置することが好ましい。
図6は、電子時計100の回路構成を示すブロック図である。図6に示すように、電子時計100は、GPS受信部26及び制御表示部36を含んで構成されている。GPS受信部26は、衛星信号の受信、GPS衛星20の捕捉、位置情報の生成、時刻修正情報の生成等の処理を行う。制御表示部36は、内部時刻情報の保持及び内部時刻情報の修正等の処理を行う。
ソーラーパネル87は、充電制御回路29を通じて二次電池27を充電する。電子時計100はレギュレータ34及び35を備え、二次電池27は、レギュレータ34を介して制御表示部36に、レギュレータ35を介してGPS受信部26に駆動電力を供給する。また電子時計100は、二次電池27の電圧を検出する電圧検出回路37を備える。なお、レギュレータ35に代えて、例えば、RF部50(詳細は後述)に駆動電力を供給するレギュレータ35−1と、ベースバンド部60(詳細は後述)に駆動電力を供給するレギュレータ35−2(ともに図示せず)とに分けて設けてもよい。レギュレータ35−1は、RF部50の内部に設けてもよい。
また電子時計100は、アンテナ体40、バラン10、及びSAW(Surface Acoustic Wave:表面弾性波)フィルタ32を含む。アンテナ体40は、図1で説明したように、複数のGPS衛星20からの衛星信号を受信する。ただし、アンテナ体40は衛星信号以外の不要な電波も若干受信してしまうため、SAWフィルタ32は、アンテナ体40が受信した信号から衛星信号を抽出する処理を行う。すなわち、SAWフィルタ32は、1.5GHz帯の信号を通過させるバンドパスフィルタとして構成される。なお、SAWフィルタ32は、図3及び図4において、バラン10とGPS受信部26との間に配置すればよい。
また、GPS受信部26は、RF(Radio Frequency:無線周波数)部50とベースバンド部60を含んで構成されている。以下に説明するように、GPS受信部26は、SAWフィルタ32が抽出した1.5GHz帯の衛星信号から航法メッセージに含まれる軌道情報やGPS時刻情報等の衛星情報を取得する処理を行う。
RF部50は、LNA(Low Noise Amplifier)51、ミキサ52、VCO(Voltage Controlled Oscillator)53、PLL(Phase Locked Loop)回路54、IFアンプ55、IF(Intermediate Frequency:中間周波数)フィルタ56、ADC(A/D変換器)57等を含んで構成されている。
SAWフィルタ32が抽出した衛星信号は、LNA51で増幅される。LNA51で増幅された衛星信号は、ミキサ52でVCO53が出力するクロック信号とミキシングされて中間周波数帯の信号にダウンコンバートされる。PLL回路54は、VCO53の出力クロック信号を分周したクロック信号と基準クロック信号を位相比較してVCO53の出力クロック信号を基準クロック信号に同期させる。その結果、VCO53は基準クロック信号の周波数精度の安定したクロック信号を出力することができる。なお、中間周波数として、例えば、数MHzを選択することができる。
ミキサ52でミキシングされた信号は、IFアンプ55で増幅される。ここで、ミキサ52でのミキシングにより、中間周波数帯の信号とともに数GHzの高周波信号も生成される。そのため、IFアンプ55は、中間周波数帯の信号とともに数GHzの高周波信号も増幅する。IFフィルタ56は、中間周波数帯の信号を通過させるとともに、この数GHzの高周波信号を除去する(正確には、所定のレベル以下に減衰させる)。IFフィルタ56を通過した中間周波数帯の信号はADC(A/D変換器)57でデジタル信号に変換される。
ベースバンド部60は、DSP(Digital Signal Processor)61、CPU(Central Processing Unit)62、SRAM(Static Random Access Memory)63、RTC(リアルタイムクロック)64を含んで構成されている。また、ベースバンド部60には、温度補償回路付き水晶発振回路(TCXO:Temperature Compensated Crystal Oscillator)65やフラッシュメモリ66等が接続されている。
温度補償回路付き水晶発振回路(TCXO)65は、温度に関係なくほぼ一定の周波数の基準クロック信号を生成する。フラッシュメモリ66には、例えば時差情報が記憶されている。時差情報は、時差データ(座標値(例えば、緯度及び経度)に関連づけられたUTCに対する補正量等)が定義された情報である。
ベースバンド部60は、時刻情報取得モード又は位置情報取得モードに設定されると、RF部50のADC57が変換したデジタル信号(中間周波数帯の信号)からベースバンド信号を復調する処理を行う。
また、ベースバンド部60は、時刻情報取得モード又は位置情報取得モードに設定されると、後述する衛星検索工程において、各C/Aコードと同一のパターンのローカルコードを発生し、ベースバンド信号に含まれる各C/Aコードとローカルコードの相関をとる処理を行う。そして、ベースバンド部60は、各ローカルコードに対する相関値がピークになるようにローカルコードの発生タイミングを調整し、相関値が閾値以上となる場合にはそのローカルコードのGPS衛星20に同期(すなわち、GPS衛星20を捕捉)したものと判断する。ここで、GPSシステムでは、すべてのGPS衛星20が異なるC/Aコードを用いて同一周波数の衛星信号を送信するCDMA(Code Division Multiple Access)方式を採用している。したがって、受信した衛星信号に含まれるC/Aコードを判別することで、捕捉可能なGPS衛星20を検索することができる。
また、ベースバンド部60は、時刻情報取得モード又は位置情報取得モードにおいて、捕捉したGPS衛星20の衛星情報を取得するために、当該GPS衛星20のC/Aコードと同一のパターンのローカルコードとベースバンド信号をミキシングする処理を行う。ミキシングされた信号には、捕捉したGPS衛星20の衛星情報を含む航法メッセージが復調される。そして、ベースバンド部60は、航法メッセージの各サブフレームのTLMワード(プリアンブルデータ)を検出し、各サブフレームに含まれる軌道情報やGPS時刻情報等の衛星情報を取得する(例えばSRAM63に記憶する)処理を行う。ここで、GPS時刻情報は、週番号データ(WN)及びZカウントデータであるが、以前に週番号データが取得されている場合にはZカウントデータのみであってもよい。
そして、ベースバンド部60は、衛星情報に基づいて、内部時刻情報を修正するために必要な時刻修正情報を生成する。
そして、ベースバンド部60は、衛星情報に基づいて、内部時刻情報を修正するために必要な時刻修正情報を生成する。
時刻情報取得モードの場合、より具体的には、ベースバンド部60は、GPS時刻情報に基づいて測時計算を行い、時刻修正情報を生成する。時刻情報取得モードにおける時刻修正情報は、例えば、GPS時刻情報そのものであってもよいし、GPS時刻情報と内部時刻情報との時間差の情報であってもよい。
一方、位置情報取得モードの場合、より具体的には、ベースバンド部60は、GPS時刻情報や軌道情報に基づいて測位計算を行い、位置情報(より具体的には、受信時に電子時計100が位置する場所の緯度及び経度)を取得する。さらに、ベースバンド部60は、フラッシュメモリ66に記憶されている時差情報を参照し、位置情報により特定される電子時計100の座標値(例えば、緯度及び経度)に関連づけられた時差データを取得する。このようにして、ベースバンド部60は、時刻修正情報として衛星時刻データ(GPS時刻情報)及び時差データを生成する。位置情報取得モードにおける時刻修正情報は、上記の通り、GPS時刻情報と時差データそのものであってもよいが、例えば、GPS時刻情報の代わりに内部時刻情報とGPS時刻情報の時間差のデータであってもよい。
なお、ベースバンド部60は、1つのGPS衛星20の衛星情報から時刻修正情報を生成してもよいし、複数のGPS衛星20の衛星情報から時刻修正情報を生成してもよい。
なお、ベースバンド部60は、1つのGPS衛星20の衛星情報から時刻修正情報を生成してもよいし、複数のGPS衛星20の衛星情報から時刻修正情報を生成してもよい。
また、ベースバンド部60の動作は、温度補償回路付き水晶発振回路(TCXO)65が出力する基準クロック信号に同期する。RTC64は、衛星信号を処理するためのタイミングを生成するものである。このRTC64は、TCXO65から出力される基準クロック信号でカウントアップされる。また、ベースバンド部60に設けられたRTC64は、GPS衛星20の衛星情報を受信中にのみ動作し、GPS時刻情報を保持する。
制御表示部36は、制御部70、駆動回路74及び水晶振動子73を含んで構成されている。
制御部70は、記憶部71、RTC(Real Time Clock)72を備え、各種制御を行う。制御部70は、例えばCPUで構成することが可能である。制御部70は、制御信号をGPS受信部26に送り、GPS受信部26の受信動作を制御する。また制御部70は、電圧検出回路37の検出結果に基づいて、レギュレータ34及びレギュレータ35の動作を制御する。また制御部70は、駆動回路74を介してすべての指針の駆動を制御する。
制御部70は、記憶部71、RTC(Real Time Clock)72を備え、各種制御を行う。制御部70は、例えばCPUで構成することが可能である。制御部70は、制御信号をGPS受信部26に送り、GPS受信部26の受信動作を制御する。また制御部70は、電圧検出回路37の検出結果に基づいて、レギュレータ34及びレギュレータ35の動作を制御する。また制御部70は、駆動回路74を介してすべての指針の駆動を制御する。
記憶部71には内部時刻情報が記憶されている。RTC72は、常時動作し、時刻表示のための内部時刻を計時し内部時刻情報を生成する。内部時刻情報は、電子時計100の内部で計時される時刻の情報であり、水晶振動子73によって生成される基準クロック信号によって更新される。したがって、GPS受信部26への電力供給が停止されていても、内部時刻情報を更新して指針の運針を継続することができるようになっている。
制御部70は、時刻情報取得モードに設定されると、GPS受信部26の動作を制御し、GPS時刻情報に基づいて内部時刻情報を修正して記憶部71に記憶する。より具体的には、内部時刻情報は、取得したGPS時刻情報にUTCオフセットを加算することで求められるUTC(協定世界時)に修正される。また、制御部70は、位置情報取得モードに設定されると、GPS受信部26の動作を制御し、衛星時刻データ(GPS時刻情報)及び時差データに基づいて、内部時刻情報を修正して記憶部71に記憶する。
以上説明したように、電子時計100では、リング状のアンテナ体40をケース80の内周に沿って設けることにより、中央部に回路以外の構造物である指針13などを配置できるようにしてスペースの利用効率を向上した。さらに、シールドパターンGを境として、アンテナ体40と反対の側にバラン10及びGPS受信部26を配置したので、アンテナ体40が配置される側には、信号を増幅するアナログ回路と増幅された信号を処理するデジタル回路とが配置されない。このため、GPS受信部26で発生するノイズがアンテナ体40に混入することを防止して、アンテナ体40に混入するノイズを大幅に低減することができる。これにより、電子時計100は、スペースの利用効率を向上しつつ、受信性能を向上させることができる。
<2.変形例>
上述した実施形態では、バラン10とGPS受信部26とをシールドパターンGを境界として、リング状のアンテナ体40とは反対の回路基板25の実装面に配置したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図7に示すようにバラン10を回路基板25のアンテナ体40の側に配置し、GPS受信部26をリング状のアンテナ体40とは反対の回路基板25の実装面に配置してもよい。この変形例によれば、GPS受信部26からノイズがバラン10に混入することを防止できる。この場合にも、バラン10はアンテナ体40の内周より内側に配置し、さらにGPS受信部26をバラン10よりもリング状のアンテナ体40の中心側に配置することが、GPS受信部26からのノイズがリング状のアンテナ体40に混入するのを防止する観点から好ましい。なお、シールドパターンGを回路基板25の表面に形成する場合には、アンテナ接続ピン44A及び44Bからバラン10への配線とバラン10が配置される領域は、シールドパターンGが除かれている。また、SAWフィルタ32は、バラン10とGPS受信部26との間に配置すればよい。
上述した実施形態では、バラン10とGPS受信部26とをシールドパターンGを境界として、リング状のアンテナ体40とは反対の回路基板25の実装面に配置したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図7に示すようにバラン10を回路基板25のアンテナ体40の側に配置し、GPS受信部26をリング状のアンテナ体40とは反対の回路基板25の実装面に配置してもよい。この変形例によれば、GPS受信部26からノイズがバラン10に混入することを防止できる。この場合にも、バラン10はアンテナ体40の内周より内側に配置し、さらにGPS受信部26をバラン10よりもリング状のアンテナ体40の中心側に配置することが、GPS受信部26からのノイズがリング状のアンテナ体40に混入するのを防止する観点から好ましい。なお、シールドパターンGを回路基板25の表面に形成する場合には、アンテナ接続ピン44A及び44Bからバラン10への配線とバラン10が配置される領域は、シールドパターンGが除かれている。また、SAWフィルタ32は、バラン10とGPS受信部26との間に配置すればよい。
100…アンテナ内蔵式電子時計、40…アンテナ体、40a,40b…給電点、44A,44B…アンテナ接続ピン、10…バラン、11…文字板、12…指針軸、13(13a,13b,13c)…指針、26…GPS受信部、30…駆動機構、80…外装ケース、83…ダイヤルリング、84…カバーガラス、85…裏蓋、87…ソーラーパネル、G…シールドパターン。
Claims (4)
- 筒状の外装ケースと、
前記外装ケースの二つの開口のうち、一方の開口を塞ぐカバーガラスと、
前記外装ケースの内周に沿って設けられたリング状のアンテナ体と、
前記アンテナ体の内周より内側に配置され、時刻を表示する指針と、
前記カバーガラスから見て前記アンテナ体の下部に設けられ、シールドパターンが形成された回路基板と、
前記シールドパターンを境界として、前記回路基板において前記アンテナ体と反対の面に設けられ、前記アンテナ体で受信した信号を増幅して処理する受信部と、
を備えたことを特徴とするアンテナ内蔵式電子時計。 - 前記受信部は、前記アンテナ体の内周よりも内側に設けられたことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ内蔵式電子時計。
- 前記リング状のアンテナ体に設けられた一対の給電点と、
前記一対の給電点と前記回路基板とを接続する一対の接続ピンと、
前記回路基板の前記受信部が設けられた面に配置され、前記一対の接続ピンと電気的に接続されるバランとを備え、
前記受信部は、前記バランよりも前記リング状のアンテナ体の中心側に配置された、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ内蔵式電子時計。 - 前記バランは、前記リング状のアンテナ体の内周より内側に配置されたことを特徴とする請求項3に記載のアンテナ内蔵式電子時計。
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Cited By (3)
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-
2012
- 2012-02-29 JP JP2012042878A patent/JP2013178190A/ja active Pending
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CN108885431A (zh) * | 2016-03-29 | 2018-11-23 | 西铁城时计株式会社 | 便携式电波钟表 |
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