JP2007263595A - 時刻修正制御装置及び時刻修正制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係るGPS受信装置は、GPSから受信されたGPS信号に含まれている複数の時刻情報(TOW(time of week))同士が整合しているかを判別し、整合していると判別されたいずれかの時刻情報を用いて、時刻を修正する。判別対象の複数の時刻情報は、(a)1つのGPS衛星からのGPS信号に含まれている複数の時刻情報同士(例えば、連続する2以上のサブフレームのそれぞれに含まれるTOW)、又は(b)2以上のGPS衛星からのGPS信号にそれぞれ含まれている各時刻情報同士(例えば、2以上のGPS衛星から同刻に送信されるTOW)とする。
【選択図】図8
Description
したがって、GPS信号の時刻情報を用いて内部時刻を修正する方法をとれば、時刻修正に要する時間を短縮することが可能である。例えば特許文献2には、GPS信号の時刻情報を用いて内部時刻を修正する時計の時刻修正装置が記載されている。
しかし、内部時刻を精度良く修正するためには、何らかの技術が必要となる。かつ、できるだけ時刻修正処理を長期化しない技術が望ましい。
この受信手段により受信されたGPS信号に含まれている複数の時刻情報同士が整合しているかを判別する判別手段(例えば、図1のCPU8;図9のS6)と、
この判別手段により整合していると判別されたいずれかの時刻情報を用いて、時刻を修正する時刻修正制御手段(例えば、図1のCPU8;図9のS7)と、
を備えることを特徴とする時刻修正制御装置である。
この受信手段により受信された1つのGPS衛星からのGPS信号に含まれている複数の時刻情報同士が整合しているかを判別する判別手段(例えば、図1のCPU8;図9のS6)と、
この判別手段により整合していると判別されたいずれかの時刻情報を用いて、時刻を修正する時刻修正制御手段(例えば、図1のCPU8;図9のS7)と、
を備えることを特徴とする時刻修正制御装置である。
この受信手段により受信された2以上のGPS衛星からのGPS信号にそれぞれ含まれている各時刻情報同士が整合しているかを判別する判別手段(例えば、図1のCPU8;図10のT5)と、
この判別手段により整合していると判別されたいずれかの時刻情報を用いて、時刻を修正する時刻修正制御手段(例えば、図1のCPU8;図10のS7)と、
を備えることを特徴とする時刻修正制御装置である。
この受信ステップにより受信されたGPS信号に含まれている複数の時刻情報同士が整合しているかを判別する判別ステップ(例えば、図9のS6)と、
この判別ステップにより整合していると判別されたいずれかの時刻情報を用いて、時刻を修正する時刻修正制御ステップ(例えば、図9のS7)と、
を備えることを特徴とする時刻修正制御方法である。
この受信ステップにより受信された1つのGPS衛星からのGPS信号に含まれている複数の時刻情報同士が整合しているかを判別する判別ステップ(例えば、図9のS6)と、
この判別ステップにより整合していると判別されたいずれかの時刻情報を用いて、時刻を修正する時刻修正制御ステップ(例えば、図9のS7)と、
を備えることを特徴とする時刻修正制御方法である。
この受信ステップにより受信された2以上のGPS衛星からのGPS信号にそれぞれ含まれている各時刻情報同士が整合しているかを判別する判別ステップ(例えば、図10のT5)と、
この判別ステップにより整合していると判別されたいずれかの時刻情報を用いて、時刻を修正する時刻修正制御ステップ(例えば、図10のS7)と、
を備えることを特徴とする時刻修正制御方法である。
請求項2,3,7又は8に記載の発明において、GPS信号により送信される航法メッセージを構成する、連続する2つのサブフレームのそれぞれに含まれる時刻情報を用いて判別を行う場合は、理論的には12秒で時刻修正を行うことができる。
請求項4,5,9又は10に記載の発明において、2以上のGPS衛星から同時に送信される時刻情報を用いて判別を行う場合は、理論的には6秒で時刻修正を行うことができる。
1つの時刻情報のみを信頼せず、2以上の時刻情報の整合を条件としてそのうちいずれか1つの時刻情報により時刻修正を行うので、信頼性高く、高精度に時刻を修正することができる。
まず、本発明の第1実施形態につき、図1〜図9を参照して説明する。図1は本実施形態に係るGPS受信装置(時刻表示機能付き)のブロック図である。
〔システム概観〕
GPS全体システムのうち宇宙空間にある部分をスペースセグメント、地上部分をコントロールセグメント、そしてユーザ受信機をユーザセグメントと称する。GPS衛星はスペースセグメントに属する。GPS衛星は、静止衛星ではなく高度2万kmを周回し地球に対し刻々と位置変える。スペースセグメントとコントロールセグメントは米軍が開発、運営しているが、ユーザセグメントについてはユーザ側が設計、製造しなければならない。そのため、GPS衛星から送信される信号の仕様は詳細に規定され、文書が公開されている。この文書がインターフェースコントロールドキュメント(interface control document:略称ICD)と名づけられる。このICDは版が更新されており、例えばその一つとしてGPS-ICD-200がある。
この信号によって図2に示すフォーマットの航法メッセージというデータが記述され送信される。この航法メッセージのなかに軌道情報、時刻情報等が含まれている。航法メッセージのデータ速度は50bpsである。
図2(b)及び図3にサブフレームの概略構成図を示す。
5つのサブフレームのうち、サブフレーム1〜3は送信している衛星自身のクロック補正情報や軌道情報(エフェメリス)が含まれている(図3参照)。サブフレーム4,5については、全衛星が同じ内容を送信しており、その内容は軌道上のすべてのGPS衛星(最大32衛星)の概略軌道情報(アルマナック)や電離層補正情報となっている(図3参照)が、これらはデータ量が多いためさらにページ単位に分割されてサブフレームに収容される。すなわち、図2(a)に示すように、サブフレーム4,5により送信されるデータはそれぞれページ1〜25に分割されており、フレームごとに異なるページの内容が順番に送られる。すべてのページ内容を送信するには25フレームを必要とし、航法メッセージの全情報を得るには12分30秒かかる。
衛星健康状態SVhealthは、衛星の状態を示すコードで、0以外の場合は何らかの異常があることを示す。
図7に示すように、TLMワードの最初の8ビットが同期プリアンブルであり、HOWワードの最初の17ビットが上述したTOW(time of week)、20〜22ビットがサブフレームIDとなっている。
航法メッセージの復号化はサブフレームの頭を見つけ出すことから始まる。同期プリアンブルは〈10001011〉と、HOWの最後の2ビットは〈00〉と常になっているが、ワードの極性が反転している可能性があることに注意しなくてはならない。したがって、1ビットずつ相関を取ることでサブフレームを探すことになる。プリアンブルと同期させるコードは〈1-1-1-11-111〉となり、±1の航法メッセージと相関が取られる。極性が正しいかどうかは分からないので、同期結果は±8になる可能性がある。一度同期するプリアンブルがあれば、300ビット先でもプリアンブルは存在するはずである。もしないのであれば、最初の同期はプリアンブルによるものではない。
(1) 最初の360ビットからプリアンブルを見つける。
(2) 一度プリアンブルを見つけた後、300ビット先、600ビット先でも同期するかを確認する。
(3) 同期しない場合は他のデータへ移り、同期すれば3つのサブフレームのプリアンブルが確認できたと判断する。
(4) HOWの最後の2ビット(29ビット目と,30ビット目)の和が+2であるか−2であるか確認する。和が+2である場合、ワードの極性が反転しているため、−1を掛けて修正、和が−2であれば極性は正常であると判断する。
(5) サブフレームIDを確認する。
この後、パリティビットを使ったパリティチェックが行われ、航法メッセージは復号化される。
GPSが開発された当初の受信機は受信回路を1チャンネルしか持っておらず、多数の衛星からの信号を同時に受信することはできなかった。したがって、順次衛星を切り替えながら受信、測距処理を行うこととなり、衛星は受信機の移動、測定条件の変動などにより測定誤差を生じた。昨今、受信機は8〜12チャンネル程度の受信回路を持つものが普通で、多いものでは16チャンネルの製品もある。上空のGPS衛星の大部分又はすべてを同時に処理でき、順次測定による測定誤差のばらつきも問題とならない。
(GPSの概要説明終わり)
信号処理回路部4は、この複数のGPS衛星からのGPS信号を同時並行して復号化して航法メッセージを読み取り、CPU8へ出力する。航法メッセージを取得したCPU8は、ROM14から読み出したプログラムを実行して航法メッセージに含まれる各値を演算し、航法メッセージとともに、その演算結果をRAM15に保存する。
計時回路部9は、発振回路部10の出力する周波数に基づき計時する。計時回路部9からCPU8に、例えば、1秒単位で刻まれる現在時刻を示す値が出力される。CPU8は、現在時刻を示す値を表示出力部14を介して表示部13に出力する。表示部13はこの出力された時刻を表示する。
入力部11はユーザからの操作入力情報、他のコンピュータや記憶媒体からの情報をCPU8に入力する。電源部16は電池などの電源を備えており、各部に電源電流を供給する。
図8(a)に示すように、RAM15内には、あるGPS衛星の航法メッセージに含まれる第1サブフレームと次の第2サブフレームとの各サブフレームごとに、TLMワードを記憶するTLMワード記憶領域15a1、15b1、HOWワード中のTOW(time of week)の週番号を記憶するTOW記憶領域15a2、15b2、及び、サブフレームIDを記憶するサブフレームID記憶領域15a3、15b3が設けられている。
まず、CPU8はチューナー回路部2に指令を出し、GPS衛星から送信された電波を捕捉したアンテナ1を介してその電波をGPS信号として受信開始する(ステップS1)。信号処理回路部4は、この受信したGPS信号の復号化を行い、航法メッセージを取得する。CPU8は、この航法メッセージにおけるサブフレームの探索を行い、一つのサブフレーム(以下、「第1サブフレーム」という。)を捕捉できたら(ステップS2でYES)、RAM15の各記憶領域15a1−15a3に、捕捉した第1サブフレームのTLMワード、TOW及びサブフレームIDをそれぞれ記憶させる(ステップS3)。ここで、捕捉する第1サブフレームは、サブフレーム1〜5のうちいずれでも良い。
CPU8は、ステップS6で整合していないと判別した場合(ステップS6でNO)、ステップS2へ処理を戻す。
このように、計時回路部9の時刻の修正のあとは、直ちに、GPS信号の受信を終了しこの時点から、予め定められた時間(例えば24時間)経過するまでの間、電源部16からチューナー回路部2および信号処理回路部4への電源供給を停止するので、その分、電源消費を確実に防止することができる。
しかも、1つの時刻情報(TOW)のみを信頼せず、少なくとも2つの時刻情報(TOW)が整合していることを条件として計時回路部の時刻修正を行っているので、信頼性が高く、高精度に、計時回路部の時刻を修正することができる。
次に、本発明の第2実施形態につき図面を参照して説明する。図8(b)は、本実施形態に係るRAMの記憶内容を示す。本実施形態は、位置の測位のために必要な3つまたは4つのGPS衛星のうち、2つのGPS衛星からのGPS信号にそれぞれ含まれている各時刻情報同士が整合しているかを判別する点で、上記第1実施形態と異なる。GPS受信装置の構成は図1に示したものと共通である。
まず、CPU8はチューナー回路部2に指令を出し、第1GPS衛星と第2GPS衛星とからそれぞれ送信されるGPS信号を同時並行して、アンテナ1を介しての受信を開始する(ステップS1)。信号処理回路部4は、この受信したGPS信号の復号化を行わせ、各航法メッセージを取得する。CPU8は、これら航法メッセージを構成するサブフレームの探索を行い、第1GPS衛星からの第1サブフレームを捕捉できたら(ステップT1でYES)、RAM15の各記憶領域15c1−15c3に、捕捉した第1サブフレームのTLMワード、TOW及びサブフレームIDをそれぞれ記憶させる(ステップT2)。ここで、捕捉する第1サブフレームは、サブフレーム1〜5のうちいずれでも良い。
ここで、捕捉する第1サブフレームは、ステップT1で捕捉した第1GPS衛星からの第1サブフレームと同刻に第2GPS衛星から送信されたサブフレームとする。
GPS衛星はそれぞれ原子時計を持っており、測位には影響し得るGPS衛星同士の時刻誤差もあるが、高い精度で、1.5秒単位で表したTOWを送信している。各GPS衛星からGPS受信装置までの距離が異なるため真の到達時間も異なるが、真の到達時間自体が0.1秒未満となるのが通常である。したがって、2以上のGPS衛星から同刻に送信された2つの第1サブフレームは、GPS受信装置でほぼ同時に受信されることが確かである。CPU8は、所定の時間範囲(例えば±0.25秒)を設け、この時間範囲内に同期した第1GPS衛星からの第1サブフレームと第2GPS衛星からの第1サブフレームを2以上のGPS衛星から同刻に送信されたサブフレームとして処理する。
CPU8は、ステップT5で整合していないと判別した場合(ステップT5でNO)、ステップT1へ処理を戻す。
このように、計時回路部9の時刻の修正のあとは、直ちに、GPS信号の受信を終了しこの時点から、予め定められた時間(例えば24時間)経過するまでの間、電源部16からチューナー回路部2および信号処理回路部4への電源供給を停止するので、その分、電源消費を極力防止することができる。
しかも、1つの時刻情報(TOW)のみを信頼せず、少なくとも2つの時刻情報(TOW)が整合していることを条件としているので、信頼性高く、高精度に、時刻を修正することができる。
また、複数の時刻情報同士が「整合している」かを判別するようにしているが、「整合」とは、以上の実施形態の場合のほかに、複数の時刻情報同士が完全一致する場合、複数の時刻情報同士が完全一致ではないが、予め定められている範囲で幅をもって整合する場合も含まれる。
2 チューナー回路部
5 ADコンバータ
6 多チャンネルデコーダ
7 メモリ
8 CPU(判別手段、時刻修正制御手段)
9 計時回路部
10 発振回路部
11 入力部
12 表示出力部
13 表示部
Claims (12)
- GPS信号を受信する受信手段と、
この受信手段により受信されたGPS信号に含まれている複数の時刻情報同士が整合しているかを判別する判別手段と、
この判別手段により整合していると判別されたいずれかの時刻情報を用いて、時刻を修正する時刻修正制御手段と、
を備えることを特徴とする時刻修正制御装置。 - GPS信号を受信する受信手段と、
この受信手段により受信された1つのGPS衛星からのGPS信号に含まれている複数の時刻情報同士が整合しているかを判別する判別手段と、
この判別手段により整合していると判別されたいずれかの時刻情報を用いて、時刻を修正する時刻修正制御手段と、
を備えることを特徴とする時刻修正制御装置。 - 前記GPS信号により送信される航法メッセージを構成する、連続する2以上のサブフレームのそれぞれに含まれる時刻情報を、前記複数の時刻情報とすることを特徴とする請求項2に記載の時刻修正制御装置。
- GPS信号を受信する受信手段と、
この受信手段により受信された2以上のGPS衛星からのGPS信号にそれぞれ含まれている各時刻情報同士が整合しているかを判別する判別手段と、
この判別手段により整合していると判別されたいずれかの時刻情報を用いて、時刻を修正する時刻修正制御手段と、
を備えることを特徴とする時刻修正制御装置。 - 前記2以上のGPS衛星から同刻に送信される時刻情報を、前記各時刻情報のそれぞれとすることを特徴とする請求項4に記載の時刻修正制御装置。
- 前記時刻修正制御手段の制御により時刻が修正されると、予め定められている時間が経過するまでの間、前記受信手段による前記GPS信号の受信動作を禁止する受信動作禁止制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一に記載の時刻修正制御装置。
- GPS信号を受信する受信ステップと、
この受信ステップにより受信されたGPS信号に含まれている複数の時刻情報同士が整合しているかを判別する判別ステップと、
この判別ステップにより整合していると判別されたいずれかの時刻情報を用いて、時刻を修正する時刻修正制御ステップと、
を備えることを特徴とする時刻修正制御方法。 - GPS信号を受信する受信ステップと、
この受信ステップにより受信された1つのGPS衛星からのGPS信号に含まれている複数の時刻情報同士が整合しているかを判別する判別ステップと、
この判別ステップにより整合していると判別されたいずれかの時刻情報を用いて、時刻を修正する時刻修正制御ステップと、
を備えることを特徴とする時刻修正制御方法。 - 前記GPS信号により送信される航法メッセージを構成する、連続する2以上のサブフレームのそれぞれに含まれる時刻情報を、前記複数の時刻情報とすることを特徴とする請求項8に記載の時刻修正制御方法。
- GPS信号を受信する受信ステップと、
この受信ステップにより受信された2以上のGPS衛星からのGPS信号にそれぞれ含まれている各時刻情報同士が整合しているかを判別する判別ステップと、
この判別ステップにより整合していると判別されたいずれかの時刻情報を用いて、時刻を修正する時刻修正制御ステップと、
を備えることを特徴とする時刻修正制御方法。 - 前記2以上のGPS衛星から同刻に送信される時刻情報を、前記各時刻情報のそれぞれとすることを特徴とする請求項10に記載の時刻修正制御方法。
- 前記時刻修正制御ステップの制御により時刻が修正されると、予め定められている時間が経過するまでの間、前記受信ステップによる前記GPS信号の受信動作を禁止する受信動作禁止制御ステップを更に備えたことを特徴とする請求項7から請求項11のうちいずれか一に記載の時刻修正制御方法。
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