JP2013049710A - 癌を治療するためにインテグリンのリガンドを使用する特異的な治療法 - Google Patents

癌を治療するためにインテグリンのリガンドを使用する特異的な治療法 Download PDF

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Abstract

【課題】癌を全身的に治療するための新たな治療戦略として、全身的な治療に適用可能であり、適用する癌治療剤の用量を減少させかつ/または効率を増加させることができる治療法に用いる医薬品を提供すること。
【解決手段】本発明は、隔離器官灌流による癌治療のための医薬品を調製するための少なくとも1種のインテグリンリガンドの使用であって、インテグリンリガンドとしてシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)を含み、前記医薬品は癌組合せ治療薬と併用して使用され、前記癌組合せ治療薬はメルファラン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、シスプラチン、カルボプラチン、ゲムシタビン、ドセタキセル、パクリタキセル、ブレオマイシン、5FUおよびTNFαから選択され、前記隔離器官は肝臓、肺、腎臓、胸膜および膵臓から選択される当該使用。
【選択図】なし

Description

発明の技術分野
本発明は、腫瘍(複数可)および腫瘍の転移の治療のための特異的な治療形態に関し、この治療形態は、好ましくは時間を制御した様式での、癌の組合せ治療剤もしくはその他の癌の組合せ治療形態および/または放射線療法を併用する、インテグリンのリガンドの投与を含む。これらの癌の組合せ治療剤またはその他の癌の組合せ治療形態は、化学療法剤、抗体をはじめとする免疫療法剤、放射性免疫コンジュゲートおよび免疫サイトカイン等であり、当該のインテグリンのリガンドと併用して投与すると、相加的または相乗的な効力を有する。この治療法は、腫瘍細胞および腫瘍内皮細胞の増殖に対する個々の治療剤それぞれの阻害効果の潜在能力を相乗的に増加させて、個々の成分単独で、それらを併用して、または本発明の投与計画以外の別の治療計画で投与することによって見い出される場合よりも効果的な治療をもたらすであろう。
背景技術
血管内皮細胞は、少なくとも3種のRGD依存性インテグリンを含有することが知られており、ビトロネクチン受容体であるαβまたはαβ、ならびにI型およびIV型のコラーゲン受容体であるαβおよびαβ、ラミニン受容体であるαβおよびαβ、ならびにフィブロネクチン受容体であるαβが挙げられる(Davisら、1993,J.Cell.Biochem.51,206)。平滑筋細胞は、少なくとも6種のRGD依存性インテグリンを含有することが知られており、αβおよびαβが挙げられる。
種々のインテグリンのαサブユニットまたはβサブユニットに対する免疫特異的なモノクローナル抗体を使用したin vitroにおける細胞接着の阻害から、毛細血管内皮細胞をはじめとする、多様な細胞型の細胞接着の過程においてビトロネクチン受容体αβが関係していると見なされている(Davisら、1993,J.Cell.Biol.51,206)。
インテグリンは、細胞外マトリックスタンパク質に結合し、一般に細胞接着の現象と呼ばれる、細胞と細胞外マトリックスとの相互作用および細胞間相互作用を仲介することが知られているクラスの細胞の受容体である。インテグリン受容体は、αサブユニットおよびβサブユニットが形成する、非共有結合的に会合したヘテロ二量体糖タンパク質複合体の共通の構造的特徴を有するタンパク質のファミリーを構成する。ビトロネクチンに優先的に結合する元々の特徴にちなんで名付けられた、ビトロネクチン受容体は、今では、αβ、αβ、αβおよびαβと命名されている、4種の異なるインテグリンに関係することが知られている。αβは、フィブロネクチンおよびビトロネクチンに結合する。αβは、フィブリン、フィブリノーゲン、ラミニン、トロンボスポンジン、ビトロネクチンおよびフォンウィルブランド因子をはじめとする、非常に多様なリガンドに結合する。αβは、ビトロネクチンに結合する。異なる生物学的機能を有する異なるインテグリンが存在すること、ならびに共通の生物学的な特異性および機能を有する異なるインテグリンおよびサブユニットが存在することは明らかである。多くのインテグリンにとって、リガンド中の1つの重要な認識部位が、Arg−Gly−Asp(RGD)トリペプチド配列である。RGDは、ビトロネクチン受容体インテグリンに対する、上記で同定したリガンドの全てにおいて見い出されている。αβによるRGD認識の分子基盤が、同定されている(Xiongら、2001)。このRGD認識部位を、RGD配列を含有する、線状および環状の(ポリ)ペプチドによって模倣することができる。そのようなRGDペプチドはそれぞれ、インテグリン機能の阻害剤またはアンタゴニストであることが知られている。しかし、RGDペプチドの配列および構造によって、標的の特異的なインテグリンに対する阻害の特異性が異なることができることに注目することは重要である。異なるインテグリン特異性の種々のRGDポリペプチドが、例えば、Chereshら、1989,Cell 58,945;Aumailleyら、1991,FEBS Letts.291,50;ならびに多数の特許出願および特許(例えば、米国特許第4517686号、第4578079号、第4589881号、第4614517号、第4661111号、第4792525;EP 0770 622)によって記載されている。
新しい血管の生成または血管新生は、悪性疾患の発達において重要な役割を担っており、血管新生を阻害する薬剤の開発に当たって、この点に大きな関心が寄せられている。
にもかかわらず、有望な血管新生阻害剤を利用する種々の併用療法が調査されているが、臨床治験および市場において、これらの治療法の結果は十分に実り多いとはいえない。したがって、当技術分野では、依然として、効力の向上および副作用の低減を示すことのできる、さらなる組合せを開発する必要性が存在する。
現在では、腫瘍の血管構造は、健常組織の血管構造とは異なることが知られている。腫瘍の血管構造は特徴的であり、健常組織の安定で、休止状態の血管構造とは区別される。腫瘍の血管構造は、アルファ−v−インテグリン系列の特異的な細胞接着分子、具体的にはαβおよびαβの増加した発現およびプライミングを特徴とすることが多い。活性化されると、これらのインテグリンは、血管新生を推進する増殖因子、例えば、VEGFAおよびFGF2に対する細胞性の応答を増強する。VEGFAは、元々は、血管透過性亢進因子と呼ばれ、SRCキナーゼ経路を介して作用して、局所の血管透過性を増加させる。VEGRF2は、活性化されると、αβインテグリンの活性を増加させる。
さらに、固形腫瘍は、宿主から誘導され、閉じ込められた血管構造に依存して、発展する。この血管構造は、普通でない分子の特性を有し、この特性によって、正常な宿主の血管構造とは区別される。この血管構造は、活性化されやすい、すなわち、VFGF、FGFおよびその他のような、腫瘍由来の因子の影響下で細胞サイクルを通して進行し、かつICAM、VCAMならびにアルファ−v−系列のインテグリン、例えばαβおよびαβのような、内皮の活性化マーカーをリガンドコンピテント状態(ligand competent state)で発現する。この血管構造は、欠陥のある細胞外マトリックスを有し、古典的には、漏出性と表現される。腫瘍の血管構造の異常な性質が原因で、腫瘍が、血流を介して全身的に適用した治療法にしばしば抵抗することは注目に値する。
転移の過程は、複数の段階からなる現象であり、癌の最も恐ろしい態様である。診断の時点で、癌は多くの場合、自然の生長がかなり進行しており、転移の存在はよくある現象である。事実、約30%の患者が、臨床診断の時点で検出可能な転移を有し、さらなる30%の患者が、潜在性の転移を有する。転移は散発する場合があり、異なる臓器に同時に侵入することもできれば、特異的な臓器に局在化することもできる。局在化した疾患の場合、手術が最適な治療法である。しかし、再発および予後は、切除可能性、患者の臨床的な状況および転移の数等の多くの判断基準によって異なる。
切除しても、再発することがよくあり、これは、微小転移病巣が、診断の時点で存在することを示唆している。全身的な化学療法が理想的な設定であるが、これによって、ごく一部の患者が治癒するに過ぎず、大部分の場合、全身的な化学療法は失敗する。多くの生理的な関門および薬物動態学的なパラメーターが寄与して、全身的な化学療法の効力が減少する。
肝臓、肺およびリンパ節が、ろ過の臓器であり、したがって、転移が起こりやすい。化学受容性が乏しい転移、格別に、結腸直腸を起源とする転移の場合、多くの研究者が、薬物の時間および濃度を増加させるための方法を使用することを強いられている。重要かつ繊細な臓器に対する副作用を減少させるまたは制限する必要性から、抗悪性腫瘍剤の灌流のために、この肝臓を隔離する技術が開発された(K.R.Aigner、Isolated liver perfusion.In:Morris DL,McArdle CS,Onik GM編集、Hepatic Metastases.Oxford:Butterworth Heinemann,1996.101−107)。1981年以降、改変および技術的な改良が、絶え間なく導入されている。肝臓の転移は、起源が異なる場合があり、組織学的な型および熱の存在下での応答によって化学受容性が異なる場合がある。
当技術分野では、依然として、癌、特に転移を、全身的に治療するための新たな治療戦略の開発の必要性が高まっている。したがって、本発明の目的は、そのような新たな戦略を開発することであった。そのような新たな戦略は、全身的な治療に適用可能でなければならず、適用する癌治療剤の用量を減少させかつ/または効率を増加させなければならない。さらなる目的は、腫瘍の血管構造を正常化して、腫瘍の全身的治療剤の送達を増加させる、すなわち、腫瘍の血管構造を、非腫瘍組織の血管構造の機能性にリセットすることであった。
したがって、癌患者にとって、より効果的で、より良好な耐用性を示す治療法を提供し、無進行生存(PFS)およびQOLを増強し、生存期間中央値を増加させることが、本発明の好ましい目的である。
図面の簡単な説明
図1は、ラット同所性神経膠芽腫モデルの放射線療法、cilengitide投与実験からの結果を示す。また、結果を、表1にも示す。
図2は、神経膠芽腫(GBM)の臨床研究の結果を示す。また、結果を、実施例3にも示す。
ラット同所性神経膠芽腫モデルの放射線療法、cilengitide投与実験からの結果を示す図である。 神経膠芽腫(GBM)の臨床研究の結果を示す図である。
発明の概要
本発明は、新規な薬学的治療法を初めて記載し、これは、腫瘍の治療における新たな概念に基づいて、癌組合せ治療剤の適用に先立って、インテグリンのリガンドを治療有効量で個体に投与する。
驚くべきことに、下記で定義するインテグリンのリガンドを全身的に適用することによって、腫瘍の血管構造を機能的に正常化することができることが見い出された。本発明に関してはインテグリンのリガンドとも呼ばれる、インテグリンの機能のそのような阻害剤は、腫瘍に侵入する細胞傷害剤およびその他の癌組合せ治療剤の量を増加させる。その上、インテグリンのリガンドは、免疫サイトカインによる全身的な治療後の腫瘍に侵入する白血球の数を増強することを示しており、抗腫瘍抗体療法の際に、腫瘍の区画に侵入する抗体の量を直接増加させる可能性、または抗腫瘍ワクチンの利用の可能性を高める可能性がある。
現時点では不明であるが、このような腫瘍血管構造の機能正常化によって、腫瘍中の酸素濃度が高まり、体外照射放射線療法のような酸素依存性の療法がより有効になる可能性が存在する。
本発明の「機能正常化剤」は、本明細書では、腫瘍の区画内のアルファ−v−インテグリンを標的にする試薬と経験的に定義され、これは、腫瘍内における、全身的な腫瘍治療剤のレベルまたは全身的な療法の特異的な生物学的指標(bio−indicator)のレベルを増加させる。治療剤の局所的な増加は、腫瘍の抵抗性の機構を克服し、治療の指標を増強する。例えば、全身的な治療剤としては、古典的な化学療法剤、免疫サイトカイン、免疫毒素または放射免疫療法等が考えられるであろう。
一実施形態では、本発明は、組合せ治療剤として、好ましくは、細胞傷害剤、化学療法剤および免疫毒性剤からなる群から選択された治療的に活性な化合物と、場合によっては、当該薬剤の効力を増強するまたは当該薬剤の副作用を低減し得る、その他の薬学的に活性な化合物とを含む組成物に関する。
したがって、同一の実施形態では、本発明は、インテグリンのリガンド、好ましくは、aβインテグリン受容体リガンド、aβインテグリン受容体リガンド、aβインテグリン受容体リガンドまたはaβインテグリン受容体リガンドのうちのいずれか、より好ましくは、RGDを含有する線状または環状のペプチド、さらにより好ましくは、RGDを含有するインテグリン阻害剤、最も好ましくは、環状ペプチドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)を含む薬学的組成物に関する。
本発明によると、また、治療的に活性な組成物を、当該のインテグリンのリガンドのうちの1種または複数と、1種または複数の細胞傷害剤および/または化学療法剤および/または免疫毒性剤とを単一の包装中または別々の容器中に含む包装を含む薬学的キットによって提供し得る。これらの組合せを用いる療法は、所望により、上記で定義したさらなる組合せ治療剤を用いるまたは用いない、放射線を用いる治療を含み得る。
さらに、本発明は、放射線療法に先立つ、インテグリンのリガンドの投与を含む新たな治療形態にも関する。
このような、放射線療法に先立つ、インテグリンのリガンドの投与を含む新たな治療形態では、このさらなる癌組合せ治療剤に先立って、インテグリンのリガンドを投与することが、好ましい特色である。このような状況においては、本発明によると、放射線または放射線療法は、癌組合せ治療剤として理解される必要がある。
一般的に、このような前適用を、さらなる癌組合せ治療剤の適用前、1から8時間(h)、好ましくは1から5h、より好ましくは1から3hに行う。さらにより好ましくは、このような前適用を、さらなる癌組合せ治療剤の適用前、2から8時間(h)、好ましくは2から6h、より好ましくは2から4h、例として、さらなる癌治療剤の適用前、1から2h、2から3h、3から6h、2から5h、
または3から7hに行う。また、本発明に関しては、このような前適用または前投与は、「時限投与(timed administration)」または「時限適用(timed application)」とも呼ばれる。
本出願に含むデータが示すように、本発明による効果は、非ヒト動物、具体的にはラットにおいて、好ましくは、このような前適用が、さらなる癌組合せ治療剤の適用前、1から8時間(h)、好ましくは1から5h、より好ましくは1から3hに行われた場合に、さらにより好ましくは、このような前適用が、さらなる癌組合せ治療剤の適用前、2から8時間(h)、好ましくは2から6h、より好ましくは2から4hに、例として、さらなる癌治療剤の適用前、1から2h、2から3h、3から6h、2から5h、または3から7hに行われた場合に達成される。また、本発明に関しては、このような前適用または前投与は、「時限投与」または「時限適用」とも呼ばれる。
しかし、動物としてのヒトを用いた実験からのデータは、好ましくは、上記/下記に記載かつ議論する「前投与」の時間を遅らせる、またはこれに1から4、特に2から4の係数を乗じることができることを示している。非ヒト動物、具体的にはラット等のげっ歯類と、動物としてのヒトとの間の応答または応答時間のこのような差は知られており、当技術分野では広範に議論されている。出願人にはこの理論に縛られる意図はないが、この差は、少なくとも部分的には、異なる種の異なる薬物動態学的な挙動が原因である、すなわち、この差は、異なる種類の動物における異なる半減期(t1/2)を反映すると考えられる。例えば、シクロペプチド等の化合物に関して、普通、ラットにおける半減期は、10〜30分の範囲であり、同一の化合物に関する動物としてのヒトにおける半減期は、2から6時間、特に3から4時間以内である。
したがって、本出願の対象は、上記/下記に記載する治療方法および/または製造方法である。この場合、好ましくは、前適用を、さらなる癌組合せ治療剤の適用前、1から32時間(h)、好ましくは2から32h、より好ましくは2から24h、さらにより好ましくは4から24h、さらにより好ましくは6から20h、特に6から16hに行う。あるいは、好ましくは、このような前適用を、さらなる癌組合せ治療剤の適用前、6から32時間(h)、好ましくは10から24h、より好ましくは12から20hに行う。また、本発明に関しては、このような前適用または前投与は、「時限投与」または「時限適用」とも呼ばれる。
本出願のさらなる対象は、上記/下記に記載する治療方法および/または製造方法である。この場合、好ましくは、前適用を、さらなる癌組合せ治療剤の適用前、18から23時間(h)、好ましくは20から23h、より好ましくは20から22hに行う。あるいは、好ましくは、このような前適用を、さらなる癌組合せ治療剤の適用前、25から32時間(h)、好ましくは25から30h、より好ましくは26から30hに行う。また、本発明に関しては、このような前適用または前投与は、「時限投与」または「時限適用」とも呼ばれる。
しかし、本発明のより好ましい態様では、特異的なインテグリンのリガンドの時限投与を、(患者がヒトまたは非ヒトの動物のいずれであるかにかかわらず)、1種または複数の癌組合せ治療剤の適用前、1から10時間(h)、好ましくは2から8h、より好ましくは2から6h、さらにより好ましくは3から8h、さらにより好ましくは3から6h、特に4から8hに、例えば、1から2h、1から3h、1から4h、2から3h、2から4h、2から6h、2から8h、2から10h、3から4h、3から10h、4から6h、4から10h、5から8h、または5から10hに行う。これは、1種または複数の癌組合せ治療剤が、体外照射放射線を含む、または体外照射放射線からなる場合に、特に好ましい。また、本発明に関しては、このような前適用または前投与は、「時限投与」または「時限適用」とも呼ばれる。
(特異的なインテグリンのリガンドの)当該の時限投与または時限適用に関しては、当該の前投与または前適用に関して与えられた時間は、好ましくは、それぞれの投与または適用の始まりまたは開始を指す。したがって、例えば、完了するのに1時間から2時間かかる、i.v.注入によって、特異的なインテグリンのリガンドを投与した場合であっても、それぞれの癌組合せ治療剤の適用前3時間に開始する、特異的なインテグリンのリガンドの投与は、本発明によると、1種または複数の癌組合せ治療剤適用前3時間の時限投与または時限適用と見なされるものとする。前適用/前投与のこの定義は、当業者の理解と完全に調和する。
少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドを、本明細書に記載する時限投与で患者に投与する場合、特異的なインテグリンのリガンドと併用する、1種または複数の癌組合せ治療剤に対して、時間を決めるのが好ましい。2種以上の癌組合せ治療剤と併用する、特異的なインテグリンのリガンドの時限投与に関しては、2種以上の癌組合せ治療剤に関して、時間を決めるのが好ましく、癌組合せ治療剤のうちの少なくとも1種に関して、時間を決めるのがより好ましい。1種または複数の癌組合せ治療剤が、放射線療法、具体的には本明細書に記載する放射線療法を含む場合、時限投与は、好ましくは、少なくとも放射線療法に関係する。
特に好ましくは、特異的なインテグリンのリガンドの時限投与は、時間に関係のある癌組合せ治療剤としての放射線療法に関係する。したがって、時限投与では、特異的なインテグリンのリガンドの前投与は、好ましくは、放射線療法の投与前の時間に関係する。しかし、多くの場合、放射線療法以外の、1種または複数のさらなる癌組合せ治療剤を、特異的なインテグリンのリガンドの時限投与と放射線療法の投与または送達とによって与えられた時間枠内に投与することもまた好都合である場合がある。
少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)、その薬学的に許容される誘導体、溶媒和物および/または塩からなる群から選択された特異的なインテグリンのリガンドと、癌組合せ治療剤であるテモゾロミドおよび放射線療法との時限投与に関して、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドの時限投与は、好ましくは放射線療法の投与または送達に関係し、より好ましくは放射線療法の投与または送達およびテモゾロミドの投与に関係する。
より好ましくは、特異的なインテグリンのリガンドの時限投与は、特異的なインテグリンのリガンドの投与および放射線療法に関係し、追加の癌組合せ治療剤、例えばテモゾロミドを、好ましくは、特異的なインテグリンのリガンドの投与後に、例として、この特異的なインテグリンのリガンドの投与後1から2または1から3時間に、しかし好ましくは、放射線療法の投与または送達の前に、好ましくは放射線療法の投与または送達の前、少なくとも1時間以内に、より好ましくは放射線療法の前、少なくとも1時間、例えば、放射線療法の投与または送達の前、1から2または1から3hに投与する。
2種以上の特異的なインテグリンのリガンドを、本明細書に記載する時限投与で投与する場合、時限投与は、好ましくは特異的なインテグリンのリガンドのうちの少なくとも1種に関係し、より好ましくは本明細書に記載する時限投与で投与する、2種以上の特異的なインテグリンのリガンドに関係する。
本発明のいずれの組合せの投与にも、所望により、放射線療法を併用することができ、その場合、放射線による治療を、好ましくは、インテグリンのリガンドの投与後に行うことができることを理解されたい。また、本発明による併用療法の異なる薬剤の投与を、所望により、実質的に同時または順次に達成することもできる。
腫瘍は、発展および増殖のために、別のルートを引き出すことが知られている。1つのルートが遮断されると、腫瘍は、しばしば、その他の受容体を発現し、それらを使用して、経路に信号を送ることによって、別のルートに切り換える能力を有する。したがって、本発明の薬学的な組合せは、腫瘍のそのような予想される発展の戦術のうちのいくつかを遮断し、結果的に、種々の治療の利点を提供することができる。本発明による組合せは、腫瘍、腫瘍様および新生物の疾患、ならびに腫瘍の転移の治療および予防において有用である。これらは、腫瘍細胞の表面上に存在する、これらに関係のあるホルモンの受容体の活性化によって、発展および増殖する。
好ましくは、本発明の、組み合せた異なる薬剤を、低い用量、すなわち、臨床的な状況で従来使用されているより低い用量で投与する。個体に投与する、本発明の化合物、組成物、薬剤および治療法の用量を下げる利点は、より高い投与量に付随する有害作用の発生率の減少を含む。例えば、上記および下記に記載する薬剤の投与量を下げることによって、より高い投与量で観察される場合と比較して、悪心および嘔吐の頻度および重症度の減少が得られるであろう。有害作用の発生率を下げることによって、癌患者の生活の質の改善が期待される。有害作用の発生率を下げるさらなる利点は、患者の薬剤服用順守の改善、有害作用の治療のために必要である入院の数の減少、および有害作用に付随する疼痛を治療するために必要である鎮痛剤の投与の減少を含む。あるいは、また、本発明の方法および組合せは、より高い用量において、治療効果を最大にすることもできる。
腫瘍、好ましくはその血管構造中にアルファ−v−インテグリン系列の特異的な細胞接着分子、具体的にはαβおよびαβの増加した発現およびプライミングを示す腫瘍を、本発明による組合せおよび治療計画によって、良好に治療することができる。本発明による薬学的な治療内の組合せは、驚くべき共働作用を示す。薬物の組合せを投与すると、臨床研究の間に、腫瘍の縮小および崩壊を実際に観察することができるが、顕著に有害な薬物反応を検出することはできないであろう。
本発明の好ましい実施形態は、以下に関する:
癌を治療するための併用療法としての、時間を決めておよび組み合せての使用に用いる医薬品の製造方法であって、当該医薬品は、好ましくは2種の異なる(別々の)適用形態で、
a)少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドを含有する組成物と、
b)a)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤と
を含み、
b)の適用前、1から8時間(h)、好ましくは1から5h、最も好ましくは1から3hに、a)を投与する方法。
癌を治療するための併用療法としての、時間を決めておよび組み合せての使用に用いる医薬品の製造の好ましい方法であって、当該医薬品は、好ましくは2種の異なる(別々の)適用形態で、
a)少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドを含有する組成物と、
b)a)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤と
を含み、
b)の適用前、1から8時間(h)、好ましくは2から6h、最も好ましくは2から4hに、a)を投与する方法。
癌を治療するための併用療法としての、時間を決めておよび組み合せての使用に用いる医薬品の製造の別の好ましい方法であって、当該医薬品は、好ましくは2種の異なる(別々の)適用形態で、
a)少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドを含有する組成物と、
b)a)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤と
を含み、
b)の適用前、2から8時間(h)、好ましくは3から6h、最も好ましくは3から4hに、a)を投与する方法。
少なくとも1種のインテグリンのリガンドが、αインテグリン阻害剤、好ましくはαβ阻害剤、最も好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)からなる群から選択される、当該医薬品。
少なくとも1種の癌組合せ治療剤が、化学療法剤、細胞傷害剤、免疫毒性剤および放射線療法からなる群から選択される、当該医薬品。
少なくとも1種の癌組合せ治療剤が、化学療法剤、細胞傷害剤および免疫毒性剤からなる群から選択される、好ましい当該医薬品。
a)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤が、放射線療法である、別の好ましい当該医薬品。
癌を治療するための方法であって、癌の治療を必要とする対象を、治療有効量の少なくとも1種のインテグリンのリガンドa)と、少なくとも1種の癌組合せ治療剤b)とを用いて治療することを特徴とし、b)の適用前、1から8時間(h)、好ましくは1から5h、最も好ましくは1から3hに、a)を投与する方法。
癌を治療するための好ましい方法であって、癌の治療を必要とする対象を、治療有効量の少なくとも1種のインテグリンのリガンドa)と、少なくとも1種の癌組合せ治療剤b)とを用いて治療することを特徴とし、b)の適用前、2から8時間(h)、好ましくは2から5h、最も好ましくは2から4hに、a)を投与する方法。
癌を治療するための別の好ましい方法であって、癌の治療を必要とする対象を、治療有効量の少なくとも1種のインテグリンのリガンドa)と、少なくとも1種の癌組合せ治療剤b)とを用いて治療することを特徴とし、b)の適用前、3から8時間(h)、好ましくは3から5h、最も好ましくは3から4hに、a)を投与する方法。
癌を治療するための別の好ましい方法であって、癌の治療を必要とする対象を、治療有効量の少なくとも1種のインテグリンのリガンドa)と、少なくとも1種の癌組合せ治療剤b)とを用いて治療することを特徴とし、b)の適用前、4から8時間(h)、好ましくは4から7h、最も好ましくは4から6hに、a)を投与する方法。
少なくとも1種のインテグリンのリガンドが、aインテグリン阻害剤、好ましくはαβ阻害剤、最も好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)からなる群から選択される、当該方法。
少なくとも1種の癌組合せ治療剤が、化学療法剤、細胞傷害剤、免疫毒性剤および放射線療法からなる群から選択される、当該方法。
癌を治療するためのセットであって、
a)治療有効量の少なくとも1種のインテグリンのリガンドであって、aインテグリン阻害剤、好ましくはαβ阻害剤、最も好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)からなる群から好ましくは選択されたインテグリンのリガンドと、
b)a)のインテグリンのリガンドとは異なる、治療有効量の少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤であって、化学療法剤、細胞傷害剤、免疫毒性剤からなる群から選択された癌組合せ治療剤と
の独立した投与剤型を含み、
b)の適用前、1から8時間(h)、好ましくは1から5h、最も好ましくは1から3hに、a)を投与するセット。
癌を治療するためのセットであって、
a)治療有効量の少なくとも1種のインテグリンのリガンドであって、aインテグリン阻害剤、好ましくはαβ阻害剤、最も好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)からなる群から好ましくは選択されたインテグリンのリガンドと、
b)a)のインテグリンのリガンドとは異なる、治療有効量の少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤であって、化学療法剤、細胞傷害剤、免疫毒性剤からなる群から選択された癌組合せ治療剤と
の独立した投与剤型を含み、
b)の適用前、2から8時間(h)、好ましくは2から5h、最も好ましくは2から4hに、a)を投与するセット。
癌を治療するためのセットであって、
a)治療有効量の少なくとも1種のインテグリンのリガンドであって、aインテグリン阻害剤、好ましくはαβ阻害剤、最も好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)からなる群から好ましくは選択されたインテグリンのリガンドと、
b)a)のインテグリンのリガンドとは異なる、治療有効量の少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤であって、化学療法剤、細胞傷害剤、免疫毒性剤からなる群から選択された癌組合せ治療剤と
の独立した投与剤型を含み、
b)の適用前、3から8時間(h)、好ましくは3から5h、最も好ましくは3から4hに、a)を投与するセット。
癌を治療するためのセットであって、
a)治療有効量の少なくとも1種のインテグリンのリガンドであって、aインテグリン阻害剤、好ましくはαβ阻害剤、最も好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)からなる群から好ましくは選択されたインテグリンのリガンドと、
b)a)のインテグリンのリガンドとは異なる、治療有効量の少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤であって、化学療法剤、細胞傷害剤、免疫毒性剤からなる群から選択された癌組合せ治療剤と
の独立した投与剤型を含み、
b)の適用前、4から8時間(h)、好ましくは4から7h、最も好ましくは4から6hに、a)を投与するセット。
インテグリンのリガンドに関連して、癌組合せ治療剤、例えば放射線療法を使用することと、その使用の仕方の詳細な指示とを、特異的な包装、特異的な添付文書および類似物の形態で提供することが好都合であることをさらに特徴とする、当該セット。
したがって、本発明のさらに好ましい実施形態は、さらなる癌組合せ治療剤、例えば放射線療法に先立って適用するように設計された、1つの活性成分としてのインテグリンのリガンドからなり、容器または類似物に含有される医薬品であり、容器は、放射線療法と組み合せて、例えば上記の適用スケジュールに関して、当該医薬品を使用する仕方に関する詳細な指示および/またはその他の技術情報を文書の形態で提供する。
本発明のさらに好ましい実施形態は、癌を治療するための医薬品の調製に用いる、少なくとも1種のインテグリンのリガンドa)と、少なくとも1種の癌組合せ治療剤b)との使用であり、少なくとも1種のインテグリンのリガンドが、aインテグリン阻害剤、好ましくはαβ阻害剤、最も好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)からなる群から好ましくは選択され、癌組合せ治療剤b)が、化学療法剤、細胞傷害剤および/または免疫毒性剤からなる群から選択され、b)の適用前、1から8時間(h)、好ましくは1から5h、最も好ましくは1から3hに、a)を投与し、a)とb)とを、別々の適用形態で提供および/または別々の適用形態に製剤化する。
臓器が肝臓であり、癌が肝細胞癌である、当該の使用。
したがって、本発明の好ましい実施形態は、対応する薬学的組成物であって、当該のインテグリンのリガンドが、αβインテグリン阻害剤、αβインテグリン阻害剤、αβインテグリン阻害剤またはαβインテグリン阻害剤である薬学的組成物;対応する薬学的組成物であって、当該のインテグリン阻害剤が、RGDを含有する、線状または環状のペプチドである薬学的組成物;ならびに特異的でかつ非常に好ましい実施形態として、当該の薬学的組成物であって、当該のインテグリンのリガンドが、所望により別々の容器または包装中のシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)である薬学的組成物、および群:シスプラチン、ドキソルビシン、ゲムシタビン、ドセタキセル、パクリタキセル、ブレオマイシンの化合物のうちのいずれかから選択された化学療法剤;ならびに所望により別々の容器または包装中の対応する薬学的組成物であって、当該のインテグリン阻害剤が、抗体またはその機能的に未変化の誘導体であり、インテグリン受容体のエピトープに結合する結合部位を含み、抗体またはそれらの二価もしくは一価の誘導体(Fab’2)−(Fab’):LM609、バイタクシン、アベルジン(Abegrin)、アブシキシマブ(7E3)、P1F6、14D9.F8、CNTO95、それらのヒト化抗体、キメラ化抗体および脱免疫化抗体を含む群から好ましくは選択される薬学的組成物に関する。
本発明の別の実施形態では、化学療法剤は、メルファランまたはTNFαであることができ、好ましくは、組み合せて適用する。
全ての癌組合せ治療剤は、それらの性質とは無関係に組み合せて使用することができることを理解されたい。例えば、TNFαと一緒に、シスプラチン、ドキソルビシン、ゲムシタビン、ドセタキセル、パクリタキセル、ブレオマイシンを使用することができる。
本発明の好ましい実施形態は、癌の治療において使用するための包装に関し、これは、少なくとも1種のインテグリンのリガンド、好ましくはαβインテグリン受容体阻害剤、αβインテグリン受容体阻害剤、αβインテグリン受容体阻害剤またはαβインテグリン受容体阻害剤、より好ましくはRGDを含有する線状または環状のペプチド、具体的にはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を含み;所望により、細胞傷害剤を含む包装をさらに含む。
本発明のさらに好ましい実施形態は、対応する薬学的キットに関し、当該のインテグリンのリガンドは、抗体またはその活性な誘導体であり、抗体:LM609、P1F6および14D9.F8、ならびにバイタクシン、アベルジン、CNTO95、アブシキシマブの群から好ましくは選択される。
本発明の好ましい実施形態は、本発明の特異的な実施形態である、特異的な薬学的キットに関し、これは、
(i)シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を含む包装と、
(ii)群:シスプラチン、ドキソルビシン、ゲムシタビン、ドセタキセル、パクリタキセル、ブレオマイシンおよび5FUの化合物のうちのいずれかから選択された、少なくとも1種の化学療法剤を、所望によりTNFαと組み合せて含む包装と
を本発明の適用スケジュールを介する癌を治療するために含む。
さらに好ましい実施形態では、キットは、メルファランおよび/またはTNFαを、癌組合せ治療剤として含む。
本発明のさらに好ましい実施形態は、上記、下記および特許請求の範囲中で定義した、薬学的組成物または薬学的キットの使用に関し、これは、腫瘍および腫瘍の転移を治療するための医薬品の製造に用い、癌組合せ治療剤b)の適用前、1から8時間(h)、好ましくは1から5h、最も好ましくは1から3hに、インテグリンのリガンドa)を投与する。
本発明の別のさらに好ましい実施形態は、上記、下記および特許請求の範囲中で定義した、薬学的組成物または薬学的キットの使用に関し、これは、腫瘍および腫瘍の転移を治療するための医薬品の製造に用い、癌組合せ治療剤b)の適用前、2から8時間(h)、好ましくは2から6h、最も好ましくは2から4hに、インテグリンのリガンドa)を投与する。
本発明のさらに好ましい実施形態は、患者の腫瘍および腫瘍の転移を治療するための薬学的な治療または方法に関し、この治療または方法は、
(i)インテグリンのリガンドの特異性と、
(ii)癌組合せ治療剤と、
を有する治療有効量の1種の薬剤または複数の薬剤を当該患者に投与するステップを含み、b)の適用前、1から8時間(h)、好ましくは1から5h、最も好ましくは1から3hに、a)を投与する。
本発明の別のさらに好ましい実施形態は、患者の腫瘍および腫瘍の転移を治療するための薬学的な治療または方法に関し、この治療または方法は、
(i)インテグリンのリガンドの特異性と、
(ii)癌組合せ治療剤と、
を有する治療有効量の1種の薬剤または複数の薬剤を当該患者に投与するステップを含み、b)の適用前、2から8時間(h)、好ましくは2から6h、最も好ましくは2から4hに、a)を投与する。
癌組合せ治療剤は、所望により細胞傷害剤、好ましくは化学療法剤であり、当該薬剤(i)は、aβインテグリン阻害剤、aβインテグリン阻害剤またはaβインテグリン阻害剤、あるいはVEGF受容体遮断剤である。
本発明のさらに好ましい実施形態は、対応する方法に関係し、当該のインテグリンのリガンドは、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)であり、所望により、群:シスプラチン、ドキソルビシン、ゲムシタビン、ドセタキセル、パクリタキセル、ブレオマイシンから選択された細胞傷害剤と一緒に投与する。
本発明による薬学的な組成物およびキットを使用する薬学的治療法には、放射線療法を同時または順次に併用してもよい。
放射線療法は、インテグリンのリガンドと一緒に適応する唯一の組合せ治療剤となり得る。
本発明の薬学的な組合せおよび方法は、種々の利点を提供する。本発明による組合せは、腫瘍、腫瘍様および新生物の疾患の治療および予防において有用である。好ましくは、本発明の、組み合せた異なる薬剤を、組み合せての低い用量、すなわち、臨床的な状況で従来使用されているより低い用量で投与する。哺乳動物に投与する、本発明の化合物、組成物、薬剤および治療法の用量を下げる利点は、より高い投与量に付随する有害作用の発生率の減少を含む。例えば、メトトレキサート、ドキソルビシン、ゲムシタビン、ドセタキセル、パクリタキセル、ブレオマイシン、シスプラチンおよび/またはメルファラン等の化学療法剤の投与量を下げることによって、より高い投与量で観察される場合と比較して、悪心および嘔吐の頻度および重症度の減少が得られるであろう。本発明のインテグリンのアンタゴニストと併用する、化合物、組成物、薬剤および治療法に関して、同様の利点を意図する。有害作用の発生率を下げることによって、癌患者の生活の質の改善を意図する。有害作用の発生率を下げるさらなる利点は、患者の薬剤服用順守の改善、有害作用の治療のために必要である入院の数の減少、および有害作用に付随する疼痛を治療するために必要である鎮痛剤の投与の減少を含む。
あるいは、また、本発明の方法および組合せは、より高い用量において、治療効果を最大にすることもできる。
発明の詳細な説明
別段の指摘がない限り、本発明において使用する用語および表現は、好ましくは、下記に示す意味および定義を有するものとする。さらに、これらの定義および意味は、本発明を、ここに含めた、より詳細な、好ましい実施形態において説明する。
別段の指摘がない限り、本発明により使用する化合物に言及する場合は、好ましくは、その薬学的に許容される誘導体、溶媒和物および塩への言及を含むものとする。別段の指摘がない限り、インテグリンのリガンド、インテグリンのアンタゴニストおよびインテグリンのアゴニストに言及する場合、ならびに化合物である、癌組合せ治療剤に言及する場合は、好ましくは、それらの薬学的に許容される誘導体、溶媒和物および塩を含むものとする。別段の指摘がない限り、さらにより好ましくは、インテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)に言及する場合もまた、その薬学的に許容される誘導体、溶媒和物および塩、より好ましくはその薬学的に許容される溶媒和物および塩、特に好ましくはその薬学的に許容される塩を含むものとする。
「併用療法」によって、好ましくは、時間を制御し、連続した様式での単一の治療概念を形成するように組み合せる、少なくとも2種の区別できる治療法の形態の組合せを意味する。
本発明の好ましい実施形態では、これは、インテグリンのリガンドにさらなる組合せ治療剤を併用することを意味する。「併用療法」は、好ましくは、区別できるおよび/または単一の薬学的組成物または医薬品を意味しないことに注目することは重要である。対比のために、本発明の好ましい実施形態では、インテグリンのリガンドとさらなる組合せ治療剤とを、別々の容器、包装、医薬品、製剤または等価物中で提供する。等しく、インテグリンのリガンドによる治療法の放射線療法との併用は、好ましくは、本発明の「併用療法」の意味の内にある。「治療形態」は、好ましくは、当技術分野で知られている癌を治療するための、いずれかの手段、使用および/または製剤である。したがって、「区別できる治療形態」という用語によって、癌を治療するための、2種の異なる手段、使用および/または製剤を組み合せることを意味する。本発明の状況においては、第1に適用する治療形態は、抗インテグリン活性(同義語:インテグリンのリガンド)を有し、第2の治療形態に先立って、好ましくは上記で詳述したスケジュールに従って適用されるのが好ましい。
「放射線療法を含む組成物」という用語は、好ましくは、インテグリンのリガンドに続いて、放射線療法を適用することを単に意味する。したがって、本発明の状況においての「放射線療法を含む組成物」は、好ましくは、薬学的組成物それだけではなく、放射線療法と併用する薬学的組成物に当てはまる。
「癌組合せ治療剤」または「組合せ治療剤」を用いて、好ましくは、細胞傷害剤、化学療法剤または免疫毒性剤を意味する。等しく好ましいのは、放射線療法である。
「受容体」または「受容体分子」は、好ましくは、可溶性または膜結合性もしくは膜会合性のタンパク質または糖タンパク質であり、これは、リガンドが結合して、受容体−リガンド複合体を形成する、1つまたは複数のドメインを含む。リガンドは、アゴニストまたはアンタゴニストであることができ、受容体は、リガンドに結合することによって、活性化または不活性化され、経路への信号伝達を開始または遮断することができる。
「リガンド」または「受容体リガンド」によって、好ましくは、受容体分子に結合して、受容体−リガンド複合体を形成する、自然または合成の化合物を意味する。リガンドという用語は、アゴニスト、アンタゴニストおよび部分アゴニスト/アンタゴニスト活性を有する化合物を含む。
「アゴニスト」または「受容体アゴニスト」は、好ましくは、受容体に結合して、受容体−アゴニスト複合体を形成する、自然または合成の化合物である。当該の受容体および受容体−アゴニスト複合体のそれぞれを活性化することによって、経路への信号伝達およびそれ以降の生物学的過程を開始する。
「アンタゴニスト」または「受容体アンタゴニスト」は、好ましくは、アゴニストの生物学的効果と反対の生物学的効果を有する、自然または合成の化合物を意味する。アンタゴニストは受容体に結合し、受容体に関してアゴニストと競合することによって、受容体アゴニストの作用を遮断する。アンタゴニストを、アゴニストの作用を遮断する能力によって定義する。また、受容体アンタゴニストは、抗体またはその免疫療法で有効な断片であることもできる。本発明による好ましいアンタゴニストについて、下記で、言及および議論する。
「インテグリンのアンタゴニスト/阻害剤」または「インテグリン受容体アンタゴニスト/阻害剤」という用語は、好ましくは、インテグリン受容体を遮断および阻害する、自然または合成の分子、好ましくは合成分子を指す。場合によっては、この用語は、当該のインテグリン受容体のリガンドに対するアンタゴニストを含む(具体的には、αβに対して:ビトロネクチン、フィブリン、フィブリノーゲン、フォンウィルブランド因子、トロンボスポンジン、ラミニン;αβに対して:ビトロネクチン;αβに対して:フィブロネクチンおよびビトロネクチン;αβに対して:フィブロネクチン)。本発明によると、インテグリン受容体に対するアンタゴニストが好ましい。インテグリン(受容体)アンタゴニストは、自然もしくは合成のペプチド、非ペプチド、ペプチド模倣物(peptidomimetica)、抗体もしくはそれらの機能的断片等の免疫グロブリン、または免疫コンジュゲート(融合タンパク質)であることができる。本発明の好ましいインテグリン阻害剤は、αインテグリン受容体(例えば、αβ、αβ、αβおよびサブクラス)に対するものである。好ましいインテグリン阻害剤は、αアンタゴニスト、特にαβアンタゴニストである。本発明による好ましいαアンタゴニストは、RGDのペプチド、ペプチド模倣(非ペプチド)アンタゴニスト、およびα受容体を遮断する抗体等、抗インテグリン受容体抗体である。
例示的な、非免疫学的なαβアンタゴニストが、US 5,753,230およびUS 5,766,591の教示に記載されている。好ましいアンタゴニストは、線状または環状のRGDを含有するペプチドである。環状ペプチドは、概して、より安定であり、増強された血清半減期を引き出す。しかし、本発明の最も好ましいインテグリンのアンタゴニストは、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)(EMD 121974、Cilengitide(登録商標)、Merck KGaA製、ドイツ;EP 0770 622)であり、これは、インテグリン受容体であるαβ、αβ、αβ、αβ、αIIbβの遮断において有効であり、好ましくはインテグリン受容体であるαβおよび/またはαβに関して特に有効である。当業者に明らかなように、また、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、本発明の状況において、その生理的に機能的な誘導体、生理的に許容される誘導体、溶媒和物および/または塩の形態で適用することもできる。また、同じことが、好ましくは、本発明の状況において使用する、その他の化合物または活性成分の全てにも当てはまる。
αβ/αβ/αβインテグリン受容体の適切なペプチジルアンタゴニストおよびペプチド模倣(非ペプチド)アンタゴニストが、科学文献および特許文献の両方に記載されている。例えば、HoekstraおよびPoulter、1998,Curr.Med.Chem.5,195;WO95/32710;WO95/37655;WO97/01540;WO97/37655;WO97/45137;WO97/41844;WO98/08840;WO98/18460;WO98/18461;WO98/25892;WO98/31359;WO98/30542;WO99/15506;WO99/15507;WO99/31061;WO00/06169;EP 0853 084;EP 0854 140;EP 0854 145;US 5,780,426;およびUS 6,048,861を参照する。特許は、ベンザゼピンαβインテグリン受容体アンタゴニスト、ならびに関連のベンゾジアゼピンαβインテグリン受容体アンタゴニストおよびベンゾシクロヘプテンαβインテグリン受容体アンタゴニストを開示し、これらもまた、本発明における使用に適切であり、それらとして、WO96/00574、WO96/00730、WO96/06087、WO96/26190、WO97/24119、WO97/24122、WO97/24124、WO98/15278、WO99/05107、WO99/06049、WO99/15170、WO99/15178、WO97/34865、WO97/01540、WO98/30542、WO99/11626およびWO99/15508が挙げられる。骨格の環の立体構造上の制約を特色とする、その他のインテグリン受容体アンタゴニストが、WO98/08840;WO99/30709;WO99/30713;WO99/31099;WO00/09503;US 5,919,792;US 5,925,655;US 5,981,546;およびUS 6,017,926に記載されている。US 6,048,861およびWO00/72801は、強力なαβインテグリン受容体アンタゴニストである、一連の非アニオン性の酸誘導体を開示した。その他の化学的な小型分子のインテグリンのアンタゴニスト(大部分が、ビトロネクチンアンタゴニスト)が、WO00/38665に記載されている。その他のαβ受容体アンタゴニストが、血管新生の阻害において有効であることが示されている。例えば、(S)−10,11−ジヒドロ−3−[3−(ピリジン−2−イルアミノ)−1−プロピルオキシ]−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−酢酸(SB−265123として知られている)等の合成受容体アンタゴニストが、多様な哺乳動物モデル系で試験されている(Keenanら、1998,Bioorg.Med.Chem.Lett.8(22),3171;Wardら、1999,Drug Metab.Dispos.27(11),1232)。アンタゴニストとしての使用に適したインテグリンのアンタゴニストの同定のためのアッセイが、例えば、Smithら、1990,J.Biol.Chem.265,12267および参照特許文献中に記載されている。
また、抗インテグリン受容体抗体もよく知られている。適切な抗インテグリン(例えば、αβ、αβ、αβ)モノクローナル抗体を改変して、それらの抗原結合断片、具体的にはF(ab)、Fabおよび操作したFvまたは単鎖抗体を包含することができる。インテグリン受容体αβに対して作られたモノクローナル抗体の1つで、適切でありかつ好ましく使用されるものが、LM609として同定されている(Brooksら、1994,Cell 79,1157;ATCC HB 9537)。強力な特異的抗αβ抗体であるP1F6が、WO97/45447に開示され、これもまた、本発明によると好ましい。さらなる適切なαβ選択的抗体が、MAb 14D9.F8(WO99/37683、DSM ACC2331、Merck KGaA製、ドイツ)であり、これは、インテグリン受容体のα鎖に対して選択的に作られている。別の適切な抗インテグリン抗体が、Vitraxin(登録商標)として市販されている。
本明細書における「抗体」または「免疫グロブリン」という用語を、好ましくは、最も広範な意味で使用し、この用語は、特異的には、未変化のモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2種の未変化の抗体から形成した多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、および抗体の断片を網羅する。ただし、これは、それらが所望の生物学的活性を示す場合に限る。この用語は、一般に、ヘテロ抗体を含む。ヘテロ抗体は、異なる結合特異性の、2種以上の抗体またはその断片を含み、それらが一緒に連結されている。
定常領域のアミノ酸配列によって、未変化の抗体を異なる「抗体(免疫グロブリン)のクラス」に帰属させることができる。未変化の抗体の5つの主要なクラス:IgA、lgD、IgE、IgGおよびIgMがあり、これらのうちのいくつかを、「サブクラス」(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgAおよびIgA2にさらに分類することができる。抗体の異なるクラスに対応する重鎖の定常ドメインはそれぞれ、α、δ、ε、γおよびμと呼ばれる。本発明による抗体の好ましい主要なクラスは、IgG、より詳細にはIgG1およびIgG2である。
抗体は、普通、約150,000の分子量を有し、2本の同一の軽鎖(L)と2本の同一の重鎖(H)とを含む糖タンパク質である。各軽鎖は、重鎖に1つのジスルフィド共有結合によって連結しているが、ジスルフィドによる連結の数は、異なる免疫グロブリンのアイソタイプの重鎖の間では異なる。また、重鎖および軽鎖のそれぞれは、一定の間隔をあけた鎖内ジスルフィドの橋を有する。各重鎖は、一端に可変ドメイン(VH)を有し、これには、多くの定常ドメインが続く。
可変領域は、高頻度可変領域または「CDR」領域と、「FR」領域とを含む。CDR領域は、抗原結合部位を含有し、抗体の特異性に関与し、FR領域は、抗体の親和性/結合性に関して重要である。高頻度可変領域は、一般的に、「相補性決定領域」または「CDR」からのアミノ酸残基を含む(例えば、軽鎖可変ドメイン中の残基24〜34(L1)、50〜56(L2)および89〜97(L3)、ならびに重鎖可変ドメイン中の31〜35(H1)、50〜65(H2)および95〜102(H3);さらに/また「高頻度可変ループ」からのアミノ酸残基(例えば、軽鎖可変ドメイン中の残基26〜32(L1)、50〜52(L2)および91〜96(L3)、ならびに重鎖可変ドメイン中の26〜32(H1)、53〜55(H2)および96〜101(H3);ChothiaおよびLesk、J.Mol.Biol.196:901−917(1987))。「FR」残基(フレームワーク領域)は、本明細書で定義する高頻度可変領域の残基以外の可変ドメインの残基である。
各軽鎖は、一端に可変ドメイン(VL)と、多端に定常ドメインとを有する。軽鎖の定常ドメインは、重鎖の第1の定常ドメインと整列し、軽鎖の可変ドメインは、重鎖の可変ドメインと整列する。特定のアミノ酸残基が、軽鎖の可変ドメインと重鎖の可変ドメインとの間の界面を形成すると考えられる。いずれかの脊椎動物種からの抗体の「軽鎖」を、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)およびラムダ(λ)と呼ばれる、2種の明確に区別できる型のうちの1種に帰属させることができる。
本明細書で使用する場合、「モノクローナル抗体」という用語は、好ましくは、実質的に均質な抗体の集団から得る抗体を指す。すなわち、集団を構成する個々の抗体が、自然に発生する場合がある変異以外は、同一であり、このような変異は存在しても微量であろう。モノクローナル抗体は、高度に特異的であり、単一の抗原部位に対して作られる。さらに、異なる決定基(エピトープ)に対して作られた異なる抗体を含む、ポリクローナル抗体の調製物に対比して、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対して作られる。特異性に加えて、モノクローナル抗体は、その他の抗体によって汚染されることなく合成できる点で、好都合である。モノクローナル抗体を作製するための方法は、ハイブリドーマによる方法を含み、これは、KohlerおよびMilstein(1975,Nature 256,495)によって、ならびに「Monoclonal Antibody Technology, The Production and Characterization of Rodent and Human Hybridomas」(1985,Burdonら編集、Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology,Volume 13,Elsevier Science Publishers,Amsterdam)に記載されている。また、モノクローナル抗体は、周知の組換えDNA法(例えば、US 4,816,567を参照)によって作製することもできる。また、モノクローナル抗体を、例えば、Clacksonら、Nature,352:624−628(1991)、およびMarksら、J.Mol.Biol.,222:58,1−597(1991)に記載されている技術を使用して、ファージ抗体ライブラリーから単離することもできる。
「キメラ抗体」という用語は、好ましくは、重鎖および/または軽鎖の一部が、特定の種に由来する抗体中の対応する配列と同一または相同である、あるいは特定の抗体のクラスまたはサブクラスに属し、残りの鎖(または複数の鎖)が、別の種に由来する抗体中の対応する配列と同一または相同である、あるいは別の抗体のクラスまたはサブクラスに属する抗体、ならびにそのような抗体の断片を意味する。ただし、これは、それらが所望の生物学的活性を示す場合に限る(例えば、US 4,816,567;Morrisonら、Proc.Nat.Acad.Sci.,USA,81:6851−6855(1984))。また、キメラ抗体およびヒト化抗体を作製するための方法も、当技術分野で知られている。例えば、キメラ抗体を作製するための方法は、Boss(Celltech)およびCabilly(Genentech)による特許(US 4,816,397;US 4,816,567)に記載されている方法を含む。
「ヒト化抗体」は、好ましくは、非ヒト(例えば、げっ歯類)の免疫グロブリンに由来する最小の配列を含有する、非ヒトのキメラ抗体の形態である。ヒト化抗体は、大部分はヒト免疫グロブリン(レシピエントの抗体)であり、このうち、レシピエントの高頻度可変領域(CDR)からの残基が、所望の特異性、親和性および能力を有する、マウス、ラット、ウサギまたは非ヒト霊長類等の非ヒトの種(ドナー抗体)の高頻度可変領域からの残基で置換されている。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)の残基が、対応する非ヒトの残基で置換されている。さらに、ヒト化抗体は、レシピエントの抗体中にもドナーの抗体中にも見い出されない残基を含むことができる。抗体の性能をさらに改良するために、これらの改変例を作製する。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1種、および典型的には2種の可変ドメインの全てを実質的に含むであろう。このうち、高頻度可変ループの全てまたは実質的に全てが、非ヒトの免疫グロブリンの高頻度可変ループに対応し、FRの全てまたは実質的に全てが、ヒト免疫グロブリン配列のFRである。また、ヒト化抗体は、所望により、免疫グロブリンの定常領域(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部を含むであろう。ヒト化抗体を作製するための法方が、例えば、Winter(US 5,225,539)、およびBoss(Celltech、US 4,816,397)によって記載されている。
「抗体の断片」は、好ましくは、未変化の抗体の一部を含み、好ましくはその抗原結合領域または可変領域を含む。抗体の断片の例として、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)断片、Fv断片およびFc断片、二重特異性抗体、線状抗体、単鎖抗体分子;ならびに抗体の断片(複数の断片)から形成した多重特異性抗体が挙げられる。「未変化の」抗体は、抗原結合可変領域、さらに軽鎖定常ドメイン(CL)ならびに重鎖定常ドメインであるCH1、CH2およびCH3を含む抗体である。好ましくは、未変化の抗体は、1種または複数のエフェクター機能を有する。抗体をパパインで消化すると、「Fab」断片と呼ばれる、2つの同一の抗原結合断片を生じ、それぞれが、単一の抗原結合部位ならびにCL領域およびCH1領域、さらに残余の「Fc」断片を含む。Fc断片の名前は、その容易に結晶化する能力を反映する。抗体の「Fc」領域は、概して、CH2領域、CH3領域およびIgG1またはIgG2の抗体の主要クラスのヒンジ領域を含む。ヒンジ領域は、約15個のアミノ酸残基の群であり、これによって、CH1領域がCH2−CH3領域と組み合わさる。ペプシンで処理すると、「F(ab’)2」断片を得、これは、2つの抗原結合部位を有し、抗原を架橋結合することが依然として可能である。「Fv」は、最小の抗体断片であり、これは、完全な抗原認識部位および抗原結合部位を含有する。この領域は、堅固に非共有結合的に会合する、1つの重鎖可変ドメインと1つの軽鎖可変ドメインとの二量体からなる。それぞれの可変ドメインの3つの高頻度可変領域(CDR)が相互作用して、VH−VL二量体の表面上の抗原結合部位を定義するのは、この立体配置においてである。集合的に、6つの高頻度可変領域が、抗体に抗原結合特異性を与える。しかし、単一の可変ドメイン(または抗原に特異的な3つの高頻度可変領域のみを含む、Fvの半分)であっても、抗原を認識し、抗原に結合する能力を有するが、結合部位全体より親和性は低い。また、Fab断片は、軽鎖の定常ドメインおよび重鎖の第1の定常ドメイン(CH1)も含有する。「Fab’」断片は、Fab断片とは、重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端における数個の残基の付加によって異なり、抗体のヒンジ領域からの1個または複数のシステインを含む。F(ab’)2抗体断片は、元々、Fab’断片の対として生成され、断片と断片との間にヒンジのシステインを有する。また、抗体の断片のその他の化学的な結合(coupling)も知られている(例えば、Hermanson,Bioconjugate Techniques,Academic Press,1996;US 4,342,566を参照)。「単鎖Fv」抗体断片または「scFv」抗体断片は、好ましくは、抗体のVドメインとVドメインとを含み、これらのドメインは、単一のポリペプチド鎖中に存在する。好ましくは、Fvポリペプチドは、VHドメインとVLドメインとの間にポリペプチドリンカーをさらに含む。このリンカーによって、scFvが抗原結合に望まれる構造を形成することができる。単鎖FV抗体は、例えば、Pluckthun(The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,Vol.113,RosenburgおよびMoore編集、Springer−Verlag,New York,pp.269−315(1994))、WO93/16185;US 5,571,894;US 5,587,458;Hustonら(1988,Proc.Natl.Acad.Sci.85,5879)、またはSkerraおよびPlueckthun(1988,Science 240,1038)から知られている。
「二重特異性抗体」は、好ましくは、2つの異なる特異的な抗原結合部位を有する、単一の二価の抗体(またはその免疫療法で有効な断片)である。例えば、第1の抗原結合部位は、血管新生受容体(例えば、インテグリン受容体またはVEGF受容体)に対して作られ、第2の抗原結合部位は、ErbB受容体(例えば、EGFRまたはHer 2)に対して作られる。二重特異性抗体を、化学的な技術(例えば、Kranzら(1981)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78,5807を参照)、「ポリドーマ(polydoma)」技術(US 4,474,893を参照)、または組換えDNA技術によって生成することができる。これらの技術は全て、それら自体は知られている。さらなる方法が、WO91/00360、WO92/05793およびWO96/04305に記載されている。また、二重特異性抗体を、単鎖抗体から調製することもできる(例えば、Hustonら(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.85,5879;SkerraおよびPlueckthun(1988)Science 240,1038を参照)。これらは、単一のポリペプチド鎖として生成された、抗体の可変領域の類似体である。二重特異的に結合する薬剤を形成するためには、単鎖抗体を、化学的に、または当技術分野で既知の遺伝子操作法によって、一緒にして結合させる(couple)ことができる。また、ロイシンジッパー配列を使用することによって、本発明による二重特異性抗体を生成することも可能である。利用するこの配列は、転写因子FosおよびJunのロイシンジッパー領域に由来する(Landschulzら、1988,Science 240,1759;総説として、ManiatisおよびAbel、1989,Nature 341,24を参照)。ロイシンジッパーは、約20〜40残基長の特異的なアミノ酸配列であり、典型的にはロイシンが7残基に1回出現する。そのようなジッパー配列が、両親媒性のαへリックスを形成し、ロイシン残基が疎水性側上に整列して、二量体を形成する。Fosタンパク質およびJunタンパク質のロイシンジッパーに対応するペプチドは、ヘテロ二量体を優先的に形成する(O’Sheaら、1989,Science 245,646)。また、二重特異性抗体を含有するジッパーおよびそれらを作製する方法も、WO92/10209およびWO93/11162に開示されている。本発明による二重特異性抗体は、単一の特異性を有する抗体に関して上記で議論したように、VEGF受容体およびαvβ3受容体に対して作られた、1つの抗体であることができる。
「ヘテロ抗体」は、好ましくは、一緒に連結されている、2つ以上の抗体または抗体結合断片であり、それらのそれぞれは、異なる結合特異性を有する。ヘテロ抗体を、2つ以上の抗体または抗体の断片を一緒にしてコンジュゲートさせることによって調製することができる。好ましいヘテロ抗体は、架橋結合させたFab/Fab’断片を含む。多様な結合(coupling)または架橋結合のための薬剤を使用して、抗体をコンジュゲートさせることができる。例は、プロテインA、カルボイミド、N−スクシニミジル−S−アセチルチオアセテート(SATA)、およびN−スクシニミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)(例えば、Karpovskyら、(1984)J.EXP.Med.160,1686;Liuら、(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82,8648を参照)である。その他の方法は、Paulus,Behring Inst.Mitt.,No.78,118(1985);Brennanら(1985)Science 30 Method:81またはGlennieら(1987)J.Immunol.139,2367によって記載されている方法を含む。別の方法は、3つのFab’断片を結合させる(coupling)ために、o−フェニレンジマレイミド(oPDM)を使用する(WO91/03493)。また、多重特異性抗体も、本発明の状況において適切であり、例えば、WO94/13804およびWO98/50431の教示によって調製することができる。
「融合タンパク質」という用語は、好ましくは、異なる特異性を有し、所望によりリンカー分子によって、一緒に融合させた、1種または複数のタンパク質もしくはペプチドまたはそれらの断片からなる、自然または合成の分子を指す。特異的な実施形態として、この用語は、融合構築物を含み、少なくとも1種のタンパク質またはペプチドが、免疫グロブリンもしくは抗体のそれぞれ、またはその部分である(「免疫コンジュゲート」)。
「免疫コンジュゲート」という用語は、好ましくは、抗体もしくは免疫グロブリンのそれぞれ、またはその免疫学的に有効な断片を指し、これは、共有結合的な連結によって、非免疫学的に有効な分子と融合している。好ましくは、この融合パートナーは、ペプチドまたはタンパク質であり、これは、グリコシル化されていることができる。当該の非抗体分子を、抗体の定常な重鎖のC末端、あるいは可変の軽鎖および/または可変の重鎖のN末端に連結することができる。融合パートナーを、リンカー分子を介して連結することができる。リンカー分子は、概して、ペプチドを含有する、3〜15個のアミノ酸残基である。本発明による免疫コンジュゲートは、免疫グロブリンまたはその免疫療法で有効な断片と、インテグリンのアンタゴニスト性ペプチドまたは血管新生の受容体、好ましくはインテグリン受容体またはVEGF受容体と、TNFα、またはTNFαおよびINFγもしくは別の適切なサイトカインから実質的になる融合タンパク質とからなる。免疫グロブリンまたはその免疫療法で有効な断片は、受容体チロシンキナーゼ、好ましくはErbB(ErbB1/ErbB2)受容体に対して作られる。TNFα、またはTNFαおよびINFγもしくは別の適切なサイトカインから実質的になる融合タンパク質を、そのN末端を用いて、当該免疫グロブリン、好ましくはそのFc部分のC末端に連結する。また、この用語は、二重もしくは多重特異性免疫グロブリン(抗体)またはそれらの断片を含む、対応する融合構築物も含む。
「機能的に未変化の誘導体」という用語は、本発明の理解によると、好ましくは、元々の化合物、ペプチド、タンパク質、抗体(免疫グロブリン)、免疫コンジュゲート等と比較して基本的に同一の生物学的および/または治療的な機能を有する、化合物、ペプチド、タンパク質、抗体(免疫グロブリン)、免疫コンジュゲート等の断片もしくは部分、改変体、変異体、相同体または非免疫化した形態(免疫応答に関与するエピトープを除去した改変体)を意味する。しかし、また、この用語は、減少または増強した効力を引き出す、そのような誘導体も含む。
「サイトカイン」という用語は、好ましくは、1つの細胞集団が放出する、細胞間介在物質として別の細胞に作用するタンパク質に関する一般的な用語である。そのようなサイトカインの例は、リンホカイン、モノカインおよび従来のポリペプチドホルモンである。サイトカインに含まれるものとして、ヒト成長ホルモン、N−メチオニルヒト成長ホルモンおよびウシ成長ホルモン等の成長ホルモン;副甲状腺ホルモン;チロキシン;インスリン;プロインスリン;リラキシン;プロリラキシン;卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)および黄体形成ホルモン(LH)等の糖タンパク質ホルモン;肝増殖因子;線維芽細胞増殖因子;プロラクチン;胎盤性ラクトゲン;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;インヒビン;アクチビン;血管内皮増殖因子(VEGF);インテグリン;トロンボポイエチン(TPO);NGFβ等の神経増殖因子;血小板増殖因子;TGFαおよびTGFβ等の形質転換増殖因子(TGF);エリスロポイエチン(EPO);IFNα、IFNβおよびIFNγ等のインターフェロン;M−CSF、GM−CSFおよびG−CSF等のコロニー刺激因子;IL−1、IL−1a、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、1L−10、IL−11、IL−12等のインターロイキン;ならびにTNFαまたはTNFβである。本発明による好ましいサイトカインは、インターフェロンおよびTNFαである。
本明細書で使用する場合、「細胞傷害剤」という用語は、好ましくは、細胞の機能を阻害もしくは阻止する、かつ/または細胞の破壊を起こす物質を指す。この用語は、好ましくは、放射性同位体、化学療法剤、および細菌、真菌、植物もしくは動物に由来する酵素的に活性な毒素またはその断片等の毒素を含むことを意図する。また、用語はサイトカインファミリーのメンバー、好ましくはIFNγ、および細胞傷害活性も有する抗悪性腫瘍剤も含むことができる。
「化学療法剤(chemotherapeutic agent)」、「化学療法剤(chemotherapeutical agent)」または「抗悪性腫瘍剤」という用語は、本発明の理解によると、好ましくは、上記で特定した「細胞傷害剤」のクラスのメンバーと見なされ、抗悪性腫瘍効果を発揮する、すなわち、新生物細胞(neoplastic cell)の発展、成熟または広がりを阻止する化学薬品を含む。この効果は、腫瘍細胞に対して、例えば、細胞分裂停止効果または細胞傷害効果によって直接的に発揮され、生物学的応答の改変等の機構によって間接的に発揮されるものではない。
本発明による適切な化学療法剤は、好ましくは、自然または合成の化合物であるが、タンパク質、ポリペプチド等の生物学的な分子を過度に除外するわけではない。商業用途、臨床評価および前臨床開発において利用可能な抗悪性腫瘍剤が多数存在し、これらを、TNFαおよび上記で言及した抗血管新生剤を用いる、所望によりEGF受容体アンタゴニスト等、その他の薬剤を用いる、併用療法による腫瘍/新生物の治療のための本発明に含むことができるであろう。化学療法剤を、所望により上記の薬物の組合せと一緒に投与することができることを指摘する必要があろう。化学療法剤または薬剤の例として、アルキル化剤、例えば、ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン化合物、アルキルスルホン酸塩、アルキル化作用を有するその他の化合物、具体的にはニトロソ尿素、シスプラチンおよびダカルバジン;抗代謝剤、例えば、葉酸、プリンまたはピリミジンのアンタゴニスト;有糸分裂阻害剤、例えば、ビンカアルカロイドおよびポドフィロトキシンの誘導体;細胞傷害性抗生物質およびカンプトテシン誘導体が挙げられる。好ましい化学療法剤または化学療法として、アミホスチン(エチオール)、シスプラチン、ダカルバジン(DTIC)、ダクチノマイシン、メクロレタミン(ナイトロジェンマスタード)、ストレプトゾシン、シクロホスファミド、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ドキソルビシンリポ(doxorubicin lipo)(ドキシル)、ゲムシタビン(ジェムザール)、ダウノルビシン、ダウノルビシンリポ(daunorubicin lipo)(ダウノキソーム(daunoxome))、プロカルバジン、マイトマイシン、シタラビン、エトポシド、メトトレキサート、5−フルオロウラシル(5−FU)、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ブレオマイシン、パクリタキセル(タキソール)、ドセタキセル(タキソテール)、アルデスロイキン、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、クラドリビン、カンプトテシン、CPT−11、10−ヒドロキシ−7−エチル−カンプトテシン(SN38)、ダカルバジン、フロクスウリジン、フルダラビン、ヒドロキシ尿素、イホスファミド、イダルビシン、メスナ、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、イリノテカン、ミトキサントロン、トポテカン、ロイプロリド、メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、プリカマイシン、ミトタン、ペガスパルガーゼ、ペントスタチン、ピポブロマン、プリカマイシン、ストレプトゾシン、タモキシフェン、テニポシド、テストラクトン、チオグアニン、チオテパ、ウラシルマスタード、ビノレルビン、クロラムブシル、およびそれらの組合せが挙げられる。
本発明による好ましい化学療法剤として、シスプラチン、ゲムシタビン、テモゾロミド、ドキソルビシン、パクリタキセル(タキソール)およびブレオマイシンが挙げられる。
「免疫毒性剤」という用語は、好ましくは、免疫分子、例えば、抗体またはその機能的な等価物の特異性に、毒性部分、例えば、上記で定義した細胞傷害性の機能を組み合せた薬剤を指す。
癌組合せ治療剤、好ましくは化学療法剤、細胞傷害剤、免疫調節剤および/または免疫毒性剤のさらなる例として、好ましくは、1種または複数の標的に対する抗体が挙げられ、これらは、好ましくはHER、HER2、PDGF、PDGFR、EGF、EGFR、VEGF、VEGFRおよび/またはVEGFR2からなる群から選択され、当該抗体は、好ましくはハーセプチン、ベバシズマブ(rhuMAb−VEGF、Avastin(登録商標))、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))およびニモツズマブ(Nimotuzumab)から選択され、ならびに好ましくは、当該標的のうちの1種または複数に対する小型分子または新規化合物(NCE)が挙げられ、好ましくはソラフェニブ(Nexavar(登録商標))、スニチニブ(Sutent(登録商標))およびZD6474(ZACTIMA(商標))からなる群から選択される。
本発明の好ましい態様では、化学療法剤、細胞傷害剤、免疫調節剤および/または免疫毒性剤は、以下の群のうちの1つまたは複数から選択される:
a)アルキル化剤、
b)抗生物質、
c)抗代謝剤、
d)生物学的製剤および免疫調節剤、
e)ホルモンおよびそれらのアンタゴニスト、
f)マスタードガス誘導体、
g)アルカロイド、
h)タンパク質キナーゼ阻害剤。
本発明のより好ましい態様では、化学療法剤、細胞傷害剤、免疫調節剤および/または免疫毒性剤は、以下の群のうちの1つまたは複数から選択される:
a)ブスルファン、メルファラン、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、カルムスチン(BCNU)、ニムスチン(ACNU)、ロムスチン(CCNU)、イホスファミド、テモゾロミドおよびアルトレタミンから選択されたアルキル化剤、
b)レオマイシン(leomycin)、ドキソルビシン、アドリアマイシン、イダルビシン、エピルビシンおよびプリカマイシンから選択された抗生物質、
c)スルホンアミド、葉酸アンタゴニスト、ゲムシタビン、5−フルオロウラシル、(5−FU)、ロイコボリン(leucovorine)、5−FUを加えたロイコボリン(leucovorine)、葉酸カルシウムを加えた5−FUおよびロイコボリン、カペシタビン、メルカプトプリン、クラドリビン、ペントスタチン、メトトレキサート、ラルチトレキセド、ペメトリキセド、チオグアニン、カンプトテシン誘導体(トポテカン、イリノテカン)から選択された抗代謝剤、
d)インターフェロンa2A、インターロイキン2およびレバミソールから選択された生物学的製剤および免疫調節剤、
e)フルタミド、ゴセレリン、ミトタンおよびタモキシフェンから選択されたホルモンおよびそのアンタゴニスト、
f)メルファラン、カルムスチンおよびナイトロジェンマスタードから選択されたマスタードガス誘導体、
g)タキサン、ドセタキセル、パクリタキセル、エトポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチンおよびビノレルビンから選択されたアルカロイド。
上記の所与の癌組合せ治療剤に関する投与量、および好ましくは標準的な投与計画は、当技術分野で知られている。
「癌」および「腫瘍」という用語は、好ましくは、典型的には未制御の細胞の増殖を特徴とする、哺乳動物における生理的な状態を指すまたは説明する。本発明による薬学的組成物によって、乳房、心臓、肺、小腸、大腸、脾臓、腎臓、膀胱、頭頚部、卵巣、前立腺、脳、膵臓、皮膚、骨、骨髄、血液、胸腺、子宮、精巣、子宮頚部および肝臓の腫瘍等、腫瘍を治療することができる。より具体的には、腫瘍は、腺腫、血管肉腫、星状細胞腫、上皮癌、胚細胞腫、神経膠芽腫、グリオーマ、過誤腫、血管内皮腫、血管肉腫、血腫、肝芽腫、白血病、リンパ腫、髄芽腫、メラノーマ、神経芽腫、骨肉腫、網膜芽腫、横紋筋肉腫、肉腫および奇形腫からなる群から選択される。
詳細には、腫瘍/癌は、末端黒子型メラノーマ、日光過敏性皮膚炎、腺癌、腺様嚢胞癌、腺腫、腺肉腫、腺扁平上皮癌、星状細胞腫、バルトリン腺癌、基底細胞癌、気管支腺癌、毛細血管の癌様体、癌腫、癌肉腫、海綿状の胆管癌、軟骨肉腫、脈絡叢乳頭腫/癌腫、腎明細胞癌、嚢胞腺腫、卵黄嚢腫瘍、子宮内膜増殖症、子宮内膜間質肉腫、類内膜腺癌、脳質上皮の、類上皮、ユーイング肉腫、フィブロラメラ、限局性結節性過形成、ガストリノーマ、生殖細胞腫瘍、神経膠芽腫、グルカゴノーマ、血管芽腫、血管内皮腫、血管腫、肝腺腫、肝腺腫症、肝細胞癌、インスリノーマ、上皮内新生物、上皮内扁平細胞新生物、浸潤性扁平細胞癌、大細胞癌、平滑筋肉腫、悪性黒子由来黒色腫、悪性メラノーマ、悪性中皮腫、髄芽腫、髄上皮腫、メラノーマ、髄膜中皮転移性癌、粘表皮癌、神経芽腫、神経上皮腺癌、結節性メラノーマ、麦芽細胞癌、オリゴデンドログリアの、骨肉腫、膵臓ポリペプチド、乳頭奨液性腺癌、松果体細胞、下垂体腫瘍、プラズマ細胞腫、偽性肉腫、肺芽腫、腎細胞癌、網膜芽腫、横紋筋肉腫、肉腫、漿液性肉腫、小細胞癌、軟組織癌、ソマトスタチン分泌腫瘍、扁平上皮癌(squamous carcinoma)、扁平上皮癌(squamous cell carcinoma)、内皮下の表在拡大型黒色腫、未分化癌、ブドウ膜黒色腫、いぼ状癌、ビポーマ、高度に分化した癌およびウイルムス腫瘍からなる群から選択される。より好ましくは、腫瘍/癌は、脳内癌、頭頚部癌、直腸癌、星状細胞腫、好ましくは星状細胞腫グレードII、IIIまたはIV、神経膠芽腫、好ましくは多形神経膠芽腫(GBM)、小細胞肺癌(SCLC)および非小細胞肺癌(NSCLC)、好ましくは非小細胞肺癌(NSCLC)、転移性メラノーマ、転移性アンドロゲン非依存性前立腺癌(AIPCa)、転移性アンドロゲン依存性前立腺癌(ADPCa)ならびに乳癌からなる群から選択される。さらにより好ましくは、腫瘍/癌は、星状細胞腫、好ましくは星状細胞腫グレードII、IIIまたはIV、神経膠芽腫、好ましくは多形神経膠芽腫、小細胞肺癌(SCLC)および非小細胞肺癌(NSCLC)、好ましくは非小細胞肺癌(NSCLC)、転移性メラノーマ、転移性アンドロゲン非依存性前立腺癌(AIPCa)、転移性アンドロゲン依存性前立腺癌(ADPCa)からなる群から選択される。また、より好ましくは、腫瘍/癌は、転移、好ましくは脳への転移、小細胞肺癌(SCLC)および非小細胞肺癌(NSCLC)、好ましくは非小細胞肺癌(NSCLC)の転移、転移性メラノーマ、転移性アンドロゲン非依存性前立腺癌(AIPCa)、転移性アンドロゲン依存性前立腺癌(ADPCa)ならびに乳癌から選択される。
本発明の「薬学的組成物」は、本発明の併用療法(「補助的療法(adjunctive therapy)」)に付随する副作用を低減または回避する薬剤を含むことができ、それらの薬剤として、これらに限定されないが、例えば、抗癌剤の毒性効果を低減する薬剤、例えば、骨再吸収阻害剤、心保護剤挙げられる。当該の補助的な薬剤は、化学療法、放射線療法または手術に付随する悪心および嘔吐の発生を予防しまたは減少させ、あるいは骨髄抑制性の抗癌剤の投与に付随する感染症の発生を減少させる。補助的な薬剤は、当技術分野でよく知られている。本発明による免疫療法剤を、その上、BCGのようなアジュバントおよび免疫系刺激剤と共に投与することができる。さらに、組成物は、細胞傷害効果を有する放射標識した放射性同位体、あるいは細胞傷害性ペプチド(例えば、サイトカイン)または細胞傷害剤等、その他の細胞傷害性の薬剤を含有する免疫療法剤または化学療法剤を含むことができる。
腫瘍または腫瘍の転移を治療するための「薬学的キット」という用語は、包装と、概して、腫瘍および腫瘍の転移を治療するための方法において試薬を使用するための指示とを指す。本発明のキット中の試薬は、典型的には、本明細書に記載する治療用組成物として製剤化し、したがって、キット中での配給に適した、多様な剤型のうちのいずれかであることができる。そのような剤型は、液剤、散剤、錠剤、懸濁剤、ならびに本発明のアンタゴニストおよび/または融合タンパク質を提供するための、同様の製剤を含むことができる。試薬を、本方法により別々に投与するのに適した、別々の容器中で提供することができ、または別法として、包装中での単一の容器中の1つの組成物中に組み合せて提供することもできる。包装は、本明細書に記載する治療方法による試薬の1回または複数回の投与に十分な量を含有することができる。また、本発明のキットは、包装中に含有する材料の「使用のための指示」も含有する。
本明細書で使用する場合、組成物、担体、希釈剤および試薬に関係する、「薬学的に許容される」という用語とその文法上の変形とは、ほとんど同じ意味で使用され、これらの材料を、悪心、眩暈、胃の不調等の望ましくない生理的な効果を生じることなく、哺乳動物にまたは哺乳動物上に投与することができることを表す。活性成分を溶解または分散させて含有する薬学的組成物の調製物は、当技術分野ではよく理解されており、製剤に基づいて制限される必要はない。典型的には、そのような組成物を、液体の容液または懸濁液のいずれかとしての注射剤として調製するが、また、使用前に液体の容液または懸濁液となすのに適した固形の剤型も調製することができる。また、調製物を乳化することもできる。活性成分を、薬学的に許容され、活性成分と適合する賦形剤と、本明細書に記載する治療方法における使用に適した量で混合することができる。
適切な賦形剤は、例えば、水、食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノール等、およびそれらの組合せである。その上、所望により、組成物は、活性成分の有効性を増強する湿潤剤、または乳化剤、pH緩衝剤等、微量の補助的な物質を含有することができる。本発明の治療用組成物はその中に、その成分の薬学的に許容される塩を含むことができる。薬学的に許容される塩は、例えば、塩酸もしくはリン酸等の無機酸、または酢酸、酒石酸、マンデル酸等の有機酸を用いて形成した、(ポリペプチドの遊離のアミノ基を用いて形成した)酸付加塩を含む。また、遊離のカルボキシル基を用いて形成した塩を、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウムもしくは水酸化第二鉄等の無機塩基、およびイソプロピルアミン、トリメチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカイン等の有機塩基から得ることもできる。特に好ましくは、環状ポリペプチドαvアンタゴニストの調製物中に使用する場合HCl塩である。生理的に容認できる担体は、当技術分野でよく知られている。液体の担体の例は、有効成分および水以外の材料を含有しない無菌の水溶液もしくはリン酸ナトリウム等の緩衝剤を生理的なpHの値で含有する無菌の水溶液、生理食塩水、または両方、具体的にはリン酸緩衝食塩水である。その上さらに、水性の担体は、1種または複数の緩衝塩、さらに塩化ナトリウムおよび塩化カリウム等の塩、デキストロース、ポリエチレングリコールならびにその他の溶質を含有することができる。また、液体の組成物は、水に加えておよび水を除外して、液相を含むこともできる。そのような追加の液相の例は、グリセリン、綿実油等の植物油、および水−油乳濁液である。
典型的には、免疫療法剤の治療有効量は、例えば、抗体または抗体断片もしくは抗体コンジュゲートの形態では、生理的に容認できる組成物中で投与した場合、1ミリリットル(ml)あたり約0.01マイクログラム(μg)から約100μg/ml、好ましくは約1μg/mlから約5μg/ml、普通は約5μg/mlの血漿濃度を達成するのに十分である量である。別の表現をすると、投与量は、約0.1mg/kgから約300mg/kgまで、好ましくは約0.2mg/kgから約200mg/kgまで、最も好ましくは約0.5mg/kgから約20mg/kgまで変化させることができ、1回または複数回に分けて1日または数日をかけて投与する。免疫療法剤が、モノクローナル抗体の断片またはコンジュゲートの形態である場合、全抗体の質量に対する断片/コンジュゲートの質量に基づいて、量を容易に調節することができる。好ましい血漿モル濃度は、約2マイクロモル(μM)から約5ミリモル(mM)、好ましくは約100μMから約1mMの抗体アンタゴニストである。非免疫治療性のペプチドもしくはタンパク質ポリペプチド(例えば、IFN−アルファ)、またはその他の大きさが類似する小型分子である、本発明による薬剤の治療有効量は、典型的には、生理的に容認できる組成物中で投与した場合、1ミリリットル(ml)あたり約0.1マイクログラム(μg)から約200μg/ml、好ましくは約1μg/mlから約150μg/mlの血漿濃度を達成するのに十分であるポリペプチドの量である。1モルあたり約500グラムの質量を有するポリペプチドに基づくと、好ましい血漿モル濃度は、約2マイクロモル(μM)から約5ミリモル(mM)、好ましくは約100μMから約1mMのポリペプチドアンタゴニストである。好ましくは(免疫療法剤でも非免疫治療性のペプチド/タンパク質でもない)本発明による化学的なアンタゴニストまたは(化学的な)化学療法剤である、活性薬剤の典型的な1日の投与量は、体重1キログラムあたり、10mgから1000mg、好ましくは約20から200mg、より好ましくは50から100mgである。(免疫療法剤でも非免疫治療性のペプチド/タンパク質でもない)本発明による化学的なアンタゴニストまたは(化学的な)化学療法剤である、活性薬剤の好ましい投与量は、患者あたりの1日の投与量として、0.5mgから3000mg、より好ましくは患者あたりの1日の投与量として、10から2500mg、特に患者あたりの1日の投与量として、50から1000mgであり、または体重1キログラムあたりでは、好ましくは約0.1から100mg/kg、より好ましくは1mgから50mg/kgであり、これは、好ましくは投与単位あたり、より好ましくは1日あたりであり、または体表面1平方メートルでは、好ましくは0.5mgから2000mg/m、より好ましくは5から1500mg/m、特に50から1000mg/mであり、これは、好ましくは投与単位あたり、より好ましくは1日あたりである。
「治療に有効な」または「治療有効量」という用語は、哺乳動物において疾患または障害を治療する効果を示す薬物の量を指す。癌の場合、薬物の治療有効量は、癌細胞の数を減少させること;腫瘍の大きさを減少させること;癌細胞の周囲臓器への浸潤を阻害する(すなわち、ある程度まで減速させる、好ましくは停止させる)こと;腫瘍の転移を阻害する(すなわち、ある程度まで減速させる、好ましくは停止させる)こと;腫瘍の増殖を、ある程度まで阻害すること;および/または癌に付随する症状のうちの1つまたは複数をある程度まで軽減することができる。薬物は、増殖を阻止するかつ/または存在する癌細胞を死滅させることができる程度まで、細胞分裂停止性および/または細胞傷害性であることができる。癌治療のためには、効力を、例えば、疾患が進行する時間(TTP)を評価することによって、かつ/または応答速度(RR)を決定することによって測定する。
本明細書で使用する場合、「生理的に機能的な誘導体」という用語は、好ましくは、本発明によって使用する化合物の、いずれかの薬学的に許容される誘導体、例えば、エステルまたはアミドを指し、これは、哺乳動物に投与すると、本発明の化合物またはその活性な代謝産物を(直接的にまたは関節的に)提供することができる。そのような誘導体は、過度の実験をせずとも、Burger’s Medicinal Chemistry And Drug Discovery,5th Edition,Vol 1:Principles and Practiceの教示を参照すれば、当業者には明らかである。これは、その中の生理的に機能的な誘導体を教示する範囲が、参照によって本明細書に組み入れられている。
本明細書で使用する場合、「溶媒和物」という用語は、好ましくは、溶質(本発明では、特異的なインテグリンのリガンドおよび/またはさらなる癌組合せ治療剤(またはその塩もしくは生理的に機能的な誘導体))および溶媒が形成する、可変の化学量論の複合体を指す。本発明の目的ためのそのような溶媒は、溶質の生物学的活性の妨げになることは許されない。適切な溶媒の例として、これらに限定されないが、水、メタノール、エタノールおよび酢酸が挙げられる。好ましくは、使用する溶媒は、薬学的に許容される溶媒である。適切な薬学的に許容される溶媒の例として、制限はないが、水、エタノールおよび酢酸が挙げられる。最も好ましくは、使用する溶媒は、水である。本発明によって使用する化合物の薬学的に許容される塩およびそれらの調製物は、当技術分野で知られている。化合物自体が塩ではない場合、それを、薬学的に許容される酸または薬学的に許容される塩基を添加することによって、塩に容易に移行させることができる。薬学的に許容される酸および塩基は、当技術分野において、例えば、本明細書で言及する文献から知られている。
一般に、本発明により使用する化合物、好ましくは、特異的なインテグリンのリガンドおよび/または少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤を、それぞれの化合物または化合物のクラスに関して当技術分野で知られている形態および方法または様式、例えば、本明細書に記載するまたは本明細書で言及する文献中に記載されている形態および方法または様式で患者に投与することができる。
特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、好ましくは、薬学的に許容される塩、より好ましくは薬学的に許容される塩酸塩、特に好ましくは内塩(inner(またはinternal)salt)として適用する。内塩は、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)そのものである。
特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)に関して、以下の種類の名前の記述を、好ましくは、等価であると見なす:
シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)=シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)=シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)=シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)=cRGDfNMeV=c(RGDfNMeV)。
最近の結果は、阻害性のインテグリン、特にαvβ3および/またはαvβ5は、共通して、神経膠芽腫等、種々の癌細胞で発現するが、別の場合には放射線抵抗性である癌細胞の電離放射線に対する抵抗を顕著に減少させることができること、および/または癌細胞の電離放射線に対する感受性を増加させることができることを示している。これに関する電離放射線は、好ましくは体外照射放射線、特に分割体外照射放射線である。
特に星状細胞腫および神経膠芽腫等の原発性脳腫瘍に関しては、顕著な割合の患者が、照射分野に源を発する再発によって死亡し、これは、生存の信号伝達の活性化によって生じた腫瘍の放射線に対する低い感受性の結果であると思われる。この放射線に対する抵抗性(以降、「放射線抵抗性」と名付ける)の増加は、異なる生物学的信号伝達経路の調節および腫瘍細胞とそれらの微小環境との間のクロストークによって生じる。
したがって、特異的なインテグリンのリガンド、特に本発明によるαvβ3および/またはαvβ5のインテグリンに特異的なインテグリンのリガンドを良好に適用して、種々の癌組合せ治療剤の効力、特に放射線療法の効力を改善することができる。これに関する放射線療法は、好ましくは体外照射放射線、特に分割体外照射放射線である。
神経膠芽腫(Gliobastoma)(GBM、星状細胞腫、WHOグレードIV)は、また、多形神経膠芽腫(Glioblastomamultiforma)または多形神経膠芽腫(Glioblastoma maltiforme)とも名付けられているが、浸潤性の脳腫瘍であり、予後は不良であり、治療にかかわらず、平均生存期間は約14〜15カ月である。一般に、局所浸潤性腫瘍は、手術、化学療法または照射を用いて治療しても、必然的に再発する。現況技術による投与計画(Stuppらによって確立された「EORTCプロトコール」)は、細胞傷害剤であるテモゾロミドを併用した、段階的なRTXを使用する(特に、R.Stuppら、NEJM 2005を参照)。これまでに、これによって、患者の寿命が、せいぜい数カ月延長しているに過ぎない。
神経膠芽腫は、高度に血管新生化しており、血管新生の過程は、腫瘍の発展に必要である。GBMの血管構造およびGBM自体の両方が、インテグリンαβを過剰発現する。in vitroにおいて、これが、GBM細胞系の生存を支援すること、およびVEGFのような腫瘍由来の増殖因子によって細胞周期へと駆り立てられる、血管新生内皮の特色であることが示されている。内皮細胞および単離した神経膠芽腫細胞系の上のαβを阻害すると、細胞死を引き起こし、アポトーシスを活性化することができる。また、RTXが、内皮細胞上のαβの発現を誘導することも示されている。これらのデータを一緒にすると、αβが、GBMの血管および腫瘍の区画の生存を支援することができることが示唆される。
Cilengitideは、環状のペンタペプチドであり、アルファ−vインテグリン、特にαβに特異的に結合し、細胞外マトリックス内のリガンドによってそれらが活性化されるのを阻害する。Cilengitideは、好ましくは、内皮およびGBMの細胞培養物においてアポトーシスを引き起こす。
第I相臨床研究において、cilengitideを種々の脳腫瘍に使用して、用量増加試験で治療した(NABT 9911)。この研究のGBM患者のうちの一部に、応答の兆候が見られた。Cilengitide(=シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val))は、現在使用されている大部分の癌治療剤とは非常に顕著に対照的に、非常に無害の副作用プロフィールを有し、ヒトでのMTDは知られていない−非常に良好な耐容性を示す。
GBM患者における実質的に100%の死亡率(約25%の2年生存率)に加え、神経学的合併症の罹患率もまた生活の質(QOL)を急速に悪化させる。
したがって、GBM患者のために、好ましくは最初の再発後のGBM患者におけるGBM患者の一次治療としても、より有効でより良好な耐容性を示す治療を提供して、QOLを増強し、生存期間中央値を延長させることが、本発明の目的である。
したがって、本発明の好ましい対象は、GBMの治療方法であり、これは、Cilengitideをi.v.注入により、GBM患者、好ましくは最初の再発後のGBM患者、より好ましくは新たに診断されたGBM患者(一次治療)に、好ましくは腫瘍の進行、疾患の安定化または治癒が生じるまで投与するステップを含む。この治療方法では、Cilengitideを、好ましくは、週に2回(例えば、q3q4)、好ましくはca.1h i.v.注入で、好ましくは注入用食塩水中で、好ましくは500mgの均一用量または2000mgの均一用量のいずれかで投与する。
好都合には、対象の腫瘍のこの治療方法に対する応答のMRIによるおよび神経学的な兆候を、病理学的にGBMと確認された治療を受けている患者のうちの少なくとも20%に認めることができる。
この治療方法を、所望により、1種または複数の癌組合せ治療剤の投与と、好ましくは本明細書に記載するように、一部または全部で組み合せることができる。
さらに、種々の癌組合せ治療剤と用いた場合の、特異的なインテグリンのリガンドであるCilengitideの相乗的な、効力増強特性により、Cilengitide、少なくとも1種の化学療法剤および体外照射放射線の併用は、本発明の好ましい態様である。
例えば、放射線療法およびテモゾロミドを併用する多形神経膠芽腫の治療の標準は、切除患者の生存期間中央値を、放射線療法単独と比較して、2.5カ月(12.1−>14.6カ月)延長させているに過ぎない。しかし、好ましくはバイタクシン、アベルジン、CNTO95およびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択された、より好ましくはバイタクシン、アベルジンおよびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)、特に好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択された、本発明による、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドと併用すると、この標準的な治療は、増加した生存期間中央値および生活の質に関して、顕著に改善された効力を示す。したがって、放射線療法、テモゾロミドおよび本明細書に記載する、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドのこのような併用は、本発明の好ましい態様である。
したがって、本明細書に記載する、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドと本明細書に記載する、少なくとも1種の癌組合せ治療剤とを併用して、宿主の脳中の脳内腫瘍の増殖を効果的に治療することができる。本発明によると、宿主の脳中の脳内腫瘍の増殖は、これらに限定されないが、原発性脳腫瘍、星状細胞腫グレードI〜IV(WHO)等の星状細胞腫、特に多形神経膠芽腫を含む。また、脳内腫瘍の増殖は、好ましくは、その他の癌の型、好ましくは、小細胞肺癌および非小細胞肺癌、好ましくは非小細胞肺癌、乳癌、転移性メラノーマ、転移性アンドロゲン非依存性前立腺癌、転移性アンドロゲン依存性前立腺癌から、より好ましくは、乳癌、小細胞肺癌、特に非小細胞肺癌から選択された癌の型の転移も含む。
したがって、また、本発明は、
a)少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド(を含有する組成物)と、
b)a)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤と
の使用にも関係し、
これを、宿主の脳中の脳内腫瘍の増殖、好ましくは原発性脳腫瘍、特に星状細胞腫の治療のための医薬品の製造に用いる。
より好ましくは、また、本発明は、
a)少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド(を含有する組成物)と、
b)a)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤と
の使用にも関係し、
これを、宿主の脳中の脳内腫瘍の増殖、好ましくは原発性脳腫瘍、特に星状細胞腫の治療のための医薬品の製造に用い、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドは、バイタクシン、アベルジン、CNTO95およびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択され、好ましくはバイタクシン、アベルジンおよびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)、より好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択される。
より好ましくは、また、本発明は、
a)少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド(を含有する組成物)と、
b)a)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤と
の使用にも関係し、
これを、宿主の脳中の脳内腫瘍の増殖、好ましくは原発性脳腫瘍、特に星状細胞腫の治療のための医薬品の製造に用い、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドは、バイタクシン、アベルジンおよびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択され、かつa)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤を、放射線療法、好ましくは体外照射放射線およびテモゾロミドから選択される。
特に好ましくは、また、本発明は、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択された、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド(を含有する組成物)の使用にも関係し、
これを、宿主の脳中の脳内腫瘍の増殖、好ましくは原発性脳腫瘍、特に星状細胞腫の治療のための医薬品の製造に用い、この医薬品を、2種のさらなる癌組合せ治療剤、テモゾロミドおよび放射線療法、好ましくは、より好ましくは体外照射放射線、特に分割体外照射放射線と併用するものとする。特異的なインテグリンのリガンドは、好ましくは、癌組合せ治療剤のうちの少なくとも1種に、実質的に同時または順次に適用する。
したがって、本発明の1つの好ましい態様は、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)を含む、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド(を含有する組成物)の使用に関係し、これを、多形神経膠芽腫の治療のための医薬品の製造に用い、この医薬品を、2種のさらなる癌組合せ治療剤、テモゾロミドおよび放射線療法、好ましくはテモゾロミドおよび体外照射放射線、特にテモゾロミドおよび分割体外照射放射線と併用するものとする。また、このより好ましい態様では、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドを、好ましくは、本明細書に記載するように、時間を決めて適用する。
特に好ましくは、また、本発明は、およびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択された、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド(を含有する組成物)の使用にも関係し、
これを、宿主の脳中の脳内腫瘍の増殖、好ましくは原発性脳腫瘍、特に星状細胞腫の治療のための医薬品の製造に用い、この医薬品を、2種のさらなる癌組合せ治療剤、テモゾロミドおよび放射線療法、好ましくは、より好ましくは体外照射放射線、特に分割体外照射放射線と併用し、本明細書に記載する時限投与で、放射線療法および/またはテモゾロミドの適用前、好ましくは、1から8時間(h)、好ましくは2から6h、最も好ましくは2から4hに、特異的なインテグリンのリガンドのうちの少なくとも1種を投与する。
さらにより好ましくは、また、本発明は、
a)少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド(を含有する組成物)と、
b)a)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤と
の使用にも関係し、
これを、神経膠芽腫、好ましくは多形神経膠芽腫の治療のための医薬品の製造に用い、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドは、バイタクシン、アベルジンおよびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択され、
本明細書に記載する時限投与で、b)の適用前、好ましくは、1から8時間(h)、好ましくは2から6h、最も好ましくは2から4hに、a)を投与する。
さらにより好ましくは、また、本発明は、
a)少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド(を含有する組成物)と、
b)a)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤と
の使用にも関係し、
これを、神経膠芽腫、好ましくは多形神経膠芽腫の治療のための医薬品の製造に用い、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドは、バイタクシン、アベルジンおよびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択され、かつa)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤は、放射線療法、好ましくは体外照射放射線、ならびに化学療法剤、細胞傷害剤および/または免疫毒性剤、好ましくはテモゾロミドから選択され、
本明細書に記載する時限投与で、b)の適用前、好ましくは、1から8時間(h)、好ましくは2から6h、最も好ましくは2から4hに、a)を投与する。
さらにより好ましくは、また、本発明は、
a)少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド(を含有する組成物)と、
b)a)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤と
の使用にも関係し、
これを、動物としてのヒトの神経膠芽腫、好ましくは多形神経膠芽腫の治療のための医薬品の製造に用い、
少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドは、バイタクシン、アベルジンおよびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択され、
b)の適用前、2から32時間(h)、好ましくは4から24h、より好ましくは6から20h、最も好ましくは6から16hに、a)を投与する。
さらにより好ましくは、また、本発明は、
a)少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド(を含有する組成物)と、
b)a)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤と
の使用にも関係し、
これを、動物としてのヒトの神経膠芽腫、好ましくは多形神経膠芽腫の治療のための医薬品の製造に用い、
少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドは、バイタクシン、アベルジンおよびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択され、かつa)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤は、放射線療法、好ましくは体外照射放射線、ならびに化学療法剤、細胞傷害剤および/または免疫毒性剤、好ましくはテモゾロミドから選択され、
b)の適用前、2から32時間(h)、好ましくは4から24h、より好ましくは6から20h、最も好ましくは6から16hに、a)を投与する。
特に好ましくは、また、本発明は、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)、その薬学的に許容される誘導体、溶媒和物および塩から選択された、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド(を含有する組成物)、特にシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)の使用にも関係し、
これを、宿主の脳中の脳内腫瘍の増殖、好ましくは原発性脳腫瘍、特に星状細胞腫の治療のための医薬品の製造に用い、この医薬品を、2種のさらなる癌組合せ治療剤、テモゾロミドおよび放射線療法、好ましくはテモゾロミドおよび体外照射放射線、特にテモゾロミドおよび分割体外照射放射線と併用し、本明細書に記載する時限投与で、放射線療法および/またはテモゾロミドの適用前、好ましくは、1から8時間(h)、好ましくは2から6h、最も好ましくは2から4hに、特異的なインテグリンのリガンドのうちの少なくとも1種を投与する。
特に好ましくは、また、本発明は、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)およびその薬学的に許容される塩から選択された、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド(を含有する組成物)の使用にも関係し、これを、動物としてのヒトの脳中の脳内腫瘍の増殖、好ましくは原発性脳腫瘍、特に星状細胞腫の治療のための医薬品の製造に用い、この医薬品を、2種のさらなる癌組合せ治療剤、テモゾロミドおよび放射線療法、好ましくはテモゾロミドおよび体外照射放射線、特にテモゾロミドおよび分割体外照射放射線と併用し、放射線療法および/またはテモゾロミドの適用前、2から32時間(h)、好ましくは4から24h、より好ましくは6から20h、最も好ましくは6から16hに、特異的なインテグリンのリガンドのうちの少なくとも1種を投与する。
特に好ましくは、また、本発明は、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)を含む、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド(を含有する組成物)の使用にも関係し、
これを、多形神経膠芽腫の治療のための医薬品の製造に用い、この医薬品を、2種のさらなる癌組合せ治療剤、テモゾロミドおよび放射線療法、好ましくはテモゾロミドおよび体外照射放射線、特にテモゾロミドおよび分割体外照射放射線と併用し、本明細書に記載する時限投与で、放射線療法および/またはテモゾロミドの適用前、好ましくは、1から24時間(h)、好ましくは1から20h、より好ましくは、2から20h、より好ましくは2から16h、3から16、さらにより好ましくは3から12h、特に4から10hに、少なくとも特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)を投与する。
特に好ましくは、また、本発明は、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)を含む、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド(を含有する組成物)の使用にも関係し、
これを、多形神経膠芽腫の治療のための医薬品の製造に用い、この医薬品を、2種のさらなる癌組合せ治療剤、テモゾロミドおよび放射線療法、好ましくはテモゾロミドおよび体外照射放射線、特にテモゾロミドおよび分割体外照射放射線と併用し、本明細書に記載する時限投与で、放射線療法および/またはテモゾロミドの適用前、好ましくは、1から10時間(h)、好ましくは2から8h、より好ましくは2から6h、さらにより好ましくは3から8h、さらにより好ましくは3から6h、特に4から8hに、少なくとも特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)を投与する。
最近のin vitroにおける結果は、バイタクシン、Abegrin、CNTO95およびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)等、特異的なインテグリンのリガンドと、シスプラチン、オキサリプラチン、ビンブラスチン、タキソール、ゲムシタビン、グリベックおよびイレッサ等、癌組合せ治療剤と、放射線療法、好ましくは体外照射放射線および/または分割体外照射放射線とを併用して、A549、H157、H322、H460および/またはH1975等、肺癌細胞系を処置すると、細胞の死滅/劣化が増加することを示している。この結果は、放射線等の癌組合せ治療剤が、肺癌細胞において関係のあるインテグリン発現を誘導することができること、および/または特異的なインテグリンのリガンドが、効力の増幅剤、例えば、放射線の増幅剤として作用していることを示唆している。さらに、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドと少なくとも1種の癌組合せ治療剤、好ましくは放射線とを組み合せて適用すると、顕著な細胞の死滅を生じ、したがって、それぞれの処置細胞の生存曲線をかなり減少させる。したがって、併用は、内皮細胞および腫瘍細胞、特に肺癌細胞、特に非小細胞肺癌細胞中で、アポトーシスおよび/または有糸分裂細胞の死滅によると思われる細胞死を効果的に引き起こすようである。効果の程度は、標的の発現、すなわち、インテグリンの発現の程度によって異なることができる。したがって、本明細書に記載する、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドと本明細書に記載する、少なくとも1種の癌組合せ治療剤との併用を、効果的に使用して、肺癌、特に小細胞肺癌、非小細胞肺癌および/またはそれらの転移を治療することができる。
したがって、好ましくは、また、本発明は、
a)少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド(を含有する組成物)と、
b)a)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤と
の使用にも関係し、
これを、肺癌、好ましくは非小細胞肺癌(NSCLC)の治療のための医薬品の製造に用いる。
より好ましくは、また、本発明は、
a)少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド(を含有する組成物)と、
b)a)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤と
の使用にも関係し、
これを、肺癌、好ましくは非小細胞肺癌(NSCLC)の治療のための医薬品の製造に用い、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドは、バイタクシン、アベルジン、CNTO95およびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択され、好ましくはバイタクシン、アベルジンおよびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択され、より好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)およびその薬学的に許容される塩から選択される。
より好ましくは、また、本発明は、
a)少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド(を含有する組成物)と、
b)a)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤と
の使用にも関係し、
これを、肺癌、好ましくは非小細胞肺癌(NSCLC)の治療のための医薬品の製造に用い、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドは、バイタクシン、アベルジンおよびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択され、かつa)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤は、放射線療法、好ましくは体外照射放射線、化学療法剤、細胞傷害剤および/または免疫毒性剤から選択され、好ましくはシスプラチン、オキサリプラチン、ビンブラスチン、タキソール、ゲムシタビン、グリベックおよびイレッサから選択される。
さらにより好ましくは、また、本発明は、
a)少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド(を含有する組成物)と、
b)a)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤と
の使用にも関係し、
これを、肺癌、好ましくは非小細胞肺癌(NSCLC)の治療のための医薬品の製造に用い、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドは、バイタクシン、アベルジン、CNTO95およびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択され、好ましくはバイタクシン、アベルジンおよびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択され、より好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)およびその薬学的に許容される塩から選択され、本明細書に記載する時限投与で、b)の適用前、好ましくは、1から8時間(h)、好ましくは2から6h、最も好ましくは2から4hに、a)を投与する。
さらにより好ましくは、また、本発明は、
a)少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド(を含有する組成物)と、
b)a)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤と
の使用にも関係し、
これを、肺癌、好ましくは非小細胞肺癌(NSCLC)の治療のための医薬品の製造に用い、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドは、バイタクシン、アベルジン、CNTO95およびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択され、好ましくはバイタクシン、アベルジンおよびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択され、より好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)およびその薬学的に許容される塩から選択され、かつa)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤は、放射線療法、好ましくは体外照射放射線、化学療法剤、細胞傷害剤および/または免疫毒性剤から選択され、好ましくはシスプラチン、オキサリプラチン、ビンブラスチン、タキソール、ゲムシタビン、グリベックおよびイレッサから選択され、
本明細書に記載する時限投与で、b)の適用前、好ましくは、1から8時間(h)、好ましくは2から6h、最も好ましくは2から4hに、a)を投与する。
さらにより好ましくは、また、本発明は、
a)少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド(を含有する組成物)と、
b)a)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤と
の使用にも関係し、
これを、動物としてのヒトの肺癌、好ましくは非小細胞肺癌(NSCLC)の治療のための医薬品の製造に用い、
少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドは、バイタクシン、アベルジン、CNTO95およびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択され、好ましくはバイタクシン、アベルジンおよびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択され、より好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択され、
b)の適用前、2から32時間(h)、好ましくは4から24h、より好ましくは6から20h、最も好ましくは6から16hに、a)を投与する。
さらにより好ましくは、また、本発明は、
a)少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド(を含有する組成物)と、
b)a)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤と
の使用にも関係し、
これを、動物としてのヒトの肺癌、好ましくは非小細胞肺癌(NSCLC)の治療のための医薬品の製造に用い、
少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドは、バイタクシン、アベルジン、CNTO95およびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択され、好ましくはバイタクシン、アベルジンおよびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択され、より好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)およびその薬学的に許容される塩から選択され、
かつa)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤は、放射線療法、好ましくは体外照射放射線、化学療法剤、細胞傷害剤および/または免疫毒性剤から選択され、好ましくはシスプラチン、オキサリプラチン、ビンブラスチン、タキソール、ゲムシタビン、グリベックおよびイレッサから選択され、
b)の適用前、2から32時間(h)、好ましくは4から24h、より好ましくは6から20h、最も好ましくは6から16hに、a)を投与する。
シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩の使用であり、これを、癌を治療するための医薬品の製造に用い、この医薬品を、放射線療法、好ましくは体外照射放射線と併用し、放射線療法の適用前、2から32時間(h)、好ましくは4から24h、より好ましくは6から20h、最も好ましくは6から16hに、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩を投与する。この点においては、癌は、好ましくは、脳内癌、頭頚部癌、直腸癌、乳癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌から、特に多形神経膠芽腫、乳癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌およびそれらの脳への転移から選択される。
本発明の対象は、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩を含む、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドの使用であり、これを、原発性脳腫瘍の治療のための医薬品の製造に用い、この医薬品を、放射線療法、好ましくは体外照射放射線と併用し、少なくとも特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩を、1週あたり約1000mgまたは1週あたり約4000mgの量で患者に投与する。本発明の1つの態様では、この医薬品を、さらなる癌組合せ治療剤の非存在下で使用する。本発明の別の態様では、この医薬品を、1種または複数のさらなる癌組合せ治療剤、好ましくは本明細書に記載する癌組合せ治療剤と併用する。
本発明の対象は、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩を含む、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドの使用であり、これを、腫瘍の治療のための医薬品の製造に用い、この医薬品を、テモゾロミドおよび/または放射線療法、好ましくは体外照射放射線と併用し、少なくとも特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩を、1週あたり800mgから7000mgの量で患者に投与する。
好ましくは、患者に投与するシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の1週あたりの量は、1回あたり約500mgまたは約2000mgのほぼ等しい量で投与する。
さらに好ましくは、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の量を、1週あたり約1000mg、1週あたり約1500mg、1週あたり約2500mg、1週あたり約4000mg、または1週あたり約6000mgの量で患者に投与する。
好ましくは、1週あたりの量として、約1000mgのシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、週に2回の投与計画で投与する。
好ましくは、1週あたりの量として、約4000mgのシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、週に2回の投与計画で、好ましくは各約2000mgのほぼ等しい量で投与する。
週に2回の投与計画では、投与は、好ましくは、第1日、次いで第3日または第4日に行う。したがって、週に2回の投与計画は、好ましくは、3日に1回/4日に1回を交互に行うスキーム、または4日に1回/3日に1回を交互に行うスキームのいずれかであり、具体的には、(3日/4日スキームの例として)月曜日と木曜日または(3日/4日スキームのさらなる例として)火曜日と金曜日、あるいは(4日/3日スキームの例として)木曜日と月曜日または(4日/3日スキームのさらなる例として)金曜日と火曜に投与される。
週に2回の投与計画、好ましくは上記に記載した週に2回の投与計画を、患者に1回または数回適用することができる。好ましくは、これを、数回、さらにより好ましくは、少なくとも3回または少なくとも6回適用する。例えば、週に2回の投与計画を、治癒、疾患の安定化または腫瘍の進行が生じるまで、連続的に適用することができる。典型的には、週に2回の投与計画、好ましくは上記に記載した週に2回の投与計画を、4から156回、具体的には、約4回、約8回、約16回、約24回、約35回、約70回または約104回適用する。
週に2回の投与計画に、放射線療法、好ましくは本明細書に記載する放射線療法を、一部または全部で併用することができる。好ましくは、週に2回の投与計画に、放射線療法を一部で併用する。
好ましくは、1週あたりの量として、約1500mgのシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、週に3回の投与計画で、好ましくは各約500mgのほぼ等しい量で投与する。
好ましくは、1週あたりの量として、約6000mgのシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、週に3回の投与計画で、好ましくは各約2000mgのほぼ等しい量で投与する。
週に3回の投与計画では、投与は、好ましくは、第1日と、第3日もしくは第4日と、次いで第6日、またはより好ましくは、第1日と第3日と第5日、次いで2日連続して空けるのいずれかで行う。後者の週に3回の投与計画を、例えば、典型的には、月曜日に開始し、次いで、その後の水曜日に1回および金曜日に1回投与し、土曜日および日曜日は治療を行わない。
週に3回の投与計画、好ましくは上記に記載した週に3回の投与計画を、患者に1回または数回適用することができる。好ましくは、これを、数回、さらにより好ましくは、少なくとも3回または少なくとも6回適用する。例えば、週に3回の投与計画を、治癒または腫瘍の進行が生じるまで、連続的に適用することができる。典型的には、週に2回の投与計画、好ましくは上記に記載した週に2回の投与計画を、4から156回、具体的には、約4回、約8回、約16回、約24回、約35回、約70回または約104回適用する。
週に3回の投与計画に、放射線療法、好ましくは本明細書に記載する放射線療法を、一部または全部で併用することができる。好ましくは、週に3回の投与計画に、放射線療法を一部で併用する。
好ましくは、1週あたりの量として、約2500mgのシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、週に5回の投与計画で、好ましくは各約500mgのほぼ等しい量で投与する。週に5回の投与計画では、投与は、好ましくは、5日連続して行い、次いで、好ましくは2日連続して空ける。この「5日連続投与、次いで2日連続非投与」スキームを、1回または数回繰り返すことができる。好ましくは、この上記の「5日連続投与、次いで2日連続非投与」スキームを、1回超、好ましくは18回未満、より好ましくは2から12回、さらにより好ましくは、3から8回、特に4から6回、例えば、2回、3回、4回、5回、6回、8回または12回行う。特に好ましくは、この「5日連続投与、次いで2日連続非投与」スキームを、6回適用する。
好ましくは、この「5日連続投与、次いで2日連続非投与」スキームに、本明細書に記載する放射線療法を併用する。好ましくは、他方のスキームと平行して好ましくは進む、類似の「5日連続適用、次いで2日連続非適用」計画で患者に適用する、本明細書に記載する放射線療法を併用し、好ましくは、2日間の非適用日が同じ日になる。
本明細書に記載する週単位の投与量および/または投与計画に関して、好ましくは、本明細書に記載する時限投与で、放射線療法の適用前、1.5から20時間(h)、好ましくは2から16h、より好ましくは2から12h、さらにより好ましくは2から10h、さらにより好ましくは3から10h、特に2から8hに、特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を投与する。あるいは、本明細書に記載する時限投与で、放射線療法の適用前、1から10時間(h)、好ましくは1から6h、より好ましくは2から8h、さらにより好ましくは3から8h、さらにより好ましくは3から6h、特に4から8hに、特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩を投与する。
本発明によると、特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)と、所望により、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤、好ましくは化学療法剤、細胞傷害剤および/または免疫毒性剤から選択された癌組合せ治療剤と、放射線療法、好ましくは本明細書に記載する放射線療法とを、好ましくは、それらを必要とする患者に、下記に示す投与/投与計画の用量/様式で投与する。少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤は、より好ましくはテモゾロミド、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、5−FU、ダカルバジン、プロカルバジン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、イリノテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビン、グリベック、イレッサ、タルセバおよびネクサバールから選択され、さらにより好ましくはテモゾロミド、シスプラチン、オキサリプラチン、ビンブラスチン、タキソール、ゲムシタビン、グリベックおよびイレッサから選択され、かつ/またはハーセプチン、ベバシズマブ(rhuMAb−VEGF、Avastin(登録商標))、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))およびニモツズマブ、ならびに好ましくはソラフェニブ(Nexavar(登録商標))、スニチニブ(Sutent(登録商標))およびZD6474(ZACTIMA(商標))からなる群から選択される。
特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、好ましくは1回あたり約500mgまたは約200mgの均一用量で、好ましくは週2回の投与計画、週3回の投与計画および週5回の投与計画から選択される週単位の投与計画で、好ましくは本明細書に記載するように、より好ましくは本明細書に記載する週2回の投与計画で投与し、この投与計画を、好ましくは少なくとも1回、より好ましくは少なくとも2回、より好ましくは少なくとも5回、さらにより好ましくは少なくとも35回繰り返す。この投与計画を、少なくとも1週間、好ましくは少なくとも4週間の休止、中断または隔たりなしで投与する場合、これを、好ましくは150回未満、より好ましくは100回未満繰り返す。そのような休止、隔たりまたは中断の後に、上記の投与計画を、必要であれば、1回または数回繰り返すことができる。したがって、上記の投与計画を、少なくとも2週間、好ましくは少なくとも6週間、より好ましくは少なくとも12週間、さらにより好ましくは少なくとも24週間、特に少なくとも35週間、例えば、約4週間、約6週間、約35週間、約36週間、約72週間または約120週間、患者に適用する。上記の投与計画では、特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、好ましくは投与する。上記の投与計画では、特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、好ましくは、i.v.注入によって、週2回、好ましくは第1日と第4日、例えば、月曜日と木曜日、または火曜日と金曜日に、好ましくは、35週間または休止なしで少なくとも35週間投与する。上記の投与計画では、進行、疾患の安定化または治癒が生じるまで、投与を継続することができる。好ましくは、特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の投与を、各週の第1日に開始する。
好ましくは、特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)に、一部または全部、好ましくは一部で、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤の投与を併用し、さらなる癌組合せ治療剤は、好ましくは本明細書で定義する癌組合せ治療剤であり、より好ましくは化学療法剤、細胞傷害剤、免疫毒性剤および/または放射線療法からなる群から選択され、特に好ましくはテモゾロミド、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、5−FU、ダカルバジン、プロカルバジン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、イリノテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビン、グリベック、イレッサ、タルセバおよびネクサバールからなる群から選択され、よりさらに好ましくはテモゾロミド、シスプラチン、オキサリプラチン、ビンブラスチン、タキソール、ゲムシタビン、グリベックおよびイレッサから選択され、かつ/あるいはハーセプチン、ベバシズマブ(rhuMAb−VEGF、Avastin(登録商標))、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))およびニモツズマブ、好ましくはソラフェニブ(Nexavar(登録商標))、スニチニブ(Sutent(登録商標))およびZD6474(ZACTIMA(商標))、ならびに/または放射線療法からなる群から選択される。
好ましくは、特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)に、一部または全部、好ましくは一部で、放射線療法、好ましくは体外照射放射線、特に局所放射線療法の投与または送達を併用する。好ましくは、特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、週単位の投与計画、好ましくは本明細書に記載する週単位の投与計画で投与する1週または複数週の間の、1日または複数日に、放射線療法を投与または送達する。さらに好ましくは、特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、週に2回の投与計画で投与する1週または複数週の間の、1日または複数日に、放射線療法を投与または送達する。放射線療法、好ましくは体外照射放射線、特に局所放射線療法を、1から12週、好ましくは2から10週、より好ましくは3から8週、特に4から6週、例えば、約3週、約5週、約6週、約7週または約9週の期間にわたり好ましくは投与または送達し、1週あたり、1から7日、好ましくは2から6日、特に3から5日、例えば、2日、3日、5日または7日、投与または送達する。
好ましくは、特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)に、一部または全部、好ましくは一部で、局所放射線療法の投与または送達を併用し、40から70グレイ(Gy)、好ましくは50から66Gy、より好ましくは55から62Gy、例えば、約58Gy、約60Gyまたは約65Gyを、患者に投与または送達する。これを、1回の投与または送達あたり、好ましくは0.5から5Gy、より好ましくは1から3Gy、特に1.5から2.5Gy、例えば、約1.3Gy、約1.6Gy、約1.8Gy、約2.0Gyまたは約2.2Gyの分割量とし、また、これは、放射線の投与または送達が生じる1日あたりの放射線の量でもある。したがって、1日あたり、1.5から2.5Gy、好ましくは1.8から2.2Gyを、1週間以内に5日、さらにより好ましくは1週間以内に連続5日、投与または送達するのが好ましい。上記の種類の局所放射線療法の適用は、原発性脳腫瘍、具体的には、星状細胞腫、好ましくは星状細胞腫グレードIIIおよび/またはグレードIV、特にGBMの治療に好ましい。
あるいは、特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)に、一部または全部、好ましくは一部で、局所放射線療法の投与または送達を併用し、20から50グレイ(Gy)、好ましくは25から40Gy、より好ましくは28から25Gy、例えば、約28Gy、約30Gyまたは約35Gyを、患者に投与または送達する。これを、1回の投与または送達あたり、好ましくは0.5から5Gy、より好ましくは0.8から3Gy、特に1から2.5Gy、例えば、約1.0、約1.3Gy、約1.6Gy、約1.8Gy、約2.0Gy、約2.5Gyまたは約3.0Gyの分割量とし、また、これは、放射線の投与または送達が生じる1日あたりの放射線の量でもある。したがって、1日あたり、1.5から2.5Gy、好ましくは1.8から2.2Gyを、1週間以内に2または3日、投与または送達するのが好ましい。したがって、また、1日あたり、0.7から1.3Gy、好ましくは0.9から1.2Gyを、1週間以内に、3または6日、好ましくは5日、より好ましくは連続5日、投与または送達するのも好ましい。一般的に、1日あたり、1.0から3.0Gy、好ましくは約1.0、約2.0Gyまたは約3.0Gyを、1週間以内に2または3日、投与または送達するのが特に好ましい。上記の種類の局所放射線療法の適用は、脳への転移、好ましくは、小細胞肺癌および非小細胞肺癌、好ましくは非小細胞肺癌、乳癌、転移性メラノーマ、転移性アンドロゲン非依存性前立腺癌、転移性アンドロゲン依存性前立腺癌からなる群から選択された癌の型の脳への転移の治療に好ましい。
典型的には、約30Gyおよび約60Gyの両方の量を、連続約6週間以内に、患者に投与または送達する。
したがって、本発明の好ましい対象は、治療方法(A)であり、これは、患者あたり、1週間以内に、
a)特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、1回あたり約500mgまたは約2000mg(均一)のシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を含む週に2回の投与計画で投与するステップと;
b)分割局所放射線療法を、1回あたり1.5から2.5Gyに分割して、1日に1回、1週間以内に、2から7日、好ましくは3から6日、より好ましくは5日、特に好ましくは連続5日、投与または送達するスッテプと
を含み、
当該治療を、好ましくは少なくとも2週間、より好ましくは少なくとも連続2週間、さらにより好ましくは少なくとも連続4週間、特に連続6週間以上、しかし一般的に、連続13週間未満、好ましくは連続11週間未満、さらにより好ましくは連続9週間未満、患者に適用する。例えば、連続2週間、連続4週間、連続5週間、連続6週間、連続7週間または連続10週間の適用となる。
この方法に関しては、当該の特異的なインテグリンのリガンドを、好ましくは、分割局所放射線療法を患者に投与または送達する日に投与し、より好ましくは、本明細書に記載する時限投与で投与する。この方法に関しては、好ましくは、本明細書に記載する時限投与で、より好ましくは、放射線療法の適用前、1.5から20時間(h)、好ましくは2から16h、より好ましくは2から12h、さらにより好ましくは2から10h、さらにより好ましくは3から10h、特に2から8hに、当該の特異的なインテグリンのリガンドを投与する。
上記の治療方法は、本明細書に記載する腫瘍または癌、好ましくは、原発性脳腫瘍、星状細胞腫、好ましくは星状細胞腫グレードII、IIIおよび/もしくはグレードIV、神経膠芽腫、好ましくは多形神経膠芽腫からなる群から選択された腫瘍または癌、ならびにその他の癌の型の脳への転移の治療に特に好都合である。その他の癌の型は、好ましくは、小細胞肺癌および非小細胞肺癌、好ましくは非小細胞肺癌、乳癌、転移性メラノーマ、転移性アンドロゲン非依存性前立腺癌、転移性アンドロゲン依存性前立腺癌からなる群から選択される。
上記の治療方法は、所望により、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩以外の本明細書に記載する、1種または複数の特異的なインテグリンのリガンド、好ましくはLM609、バイタクシン、アベルジン、アブシキシマブ、P1F6、14D9.F8およびCNTO95、より好ましくはバイタクシン、アベルジン、CNTO95およびアブシキシマブからなる群から選択された、特異的なインテグリンのリガンドの追加の投与、
ならびに/あるいは放射線療法以外の本明細書に記載する、少なくとも1種の癌組合せ治療剤の追加の投与と組み合せることができる。少なくとも1種の癌組合せ治療剤は、好ましくは、テモゾロミド、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、5−FU、ダカルバジン、プロカルバジン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、イリノテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビン、グリベック、イレッサ、タルセバおよびネクサバールからなる群から選択され、よりさらに好ましくはテモゾロミド、シスプラチン、オキサリプラチン、ビンブラスチン、タキソール、ゲムシタビン、グリベックおよびイレッサから選択され、かつ/あるいはハーセプチン、ベバシズマブ(rhuMAb−VEGF、Avastin(登録商標))、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))およびニモツズマブ、ならびに好ましくはソラフェニブ(Nexavar(登録商標))、スニチニブ(Sutent(登録商標))およびZD6474(ZACTIMA(商標))からなる群から選択される。
したがって、本発明の好ましい対象は、治療方法(B)であり、これは、患者あたり、1週以内に、
a)特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、1回あたり約500mgまたは約2000mg(均一)のシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を含む週に2回の投与計画で投与するステップと;
b)分割局所放射線療法を、1回あたり1.5から2.5Gyに分割して、1日に1回、好ましくは1週間以内に2から5日、より好ましくは1週間以内に連続5日、投与または送達するステップと;
c)テモゾロミドを、1週間以内に、2から7日、好ましくは3から6日、より好ましくは5日、特に好ましくは連続5日、1日あたり、好ましくは25mg/mから250mg/m、より好ましくは50mg/mから150mg/m、さらにより好ましくは65mg/mから100mg/m、特に約75mg/mの量で投与するステップと
を含み、
当該治療方法を、好ましくは少なくとも2週間、より好ましくは少なくとも連続2週間、さらにより好ましくは少なくとも連続4週間、特に連続6週間以上、しかし一般的に、連続13週間未満、好ましくは連続11週間未満、さらにより好ましくは連続9週間未満、患者に適用する。例えば、当該治療を、連続2週間、連続4週間、連続5週間、連続6週間、連続7週間または連続10週間、適用する。
この方法に関しては、当該の特異的なインテグリンのリガンドを、好ましくは、分割局所放射線療法を患者に投与または送達する日に投与し、より好ましくは、本明細書に記載する時限投与で投与する。この方法に関しては、より好ましくは、本明細書に記載する時限投与で、より好ましくは、放射線療法の適用前、1.5から20時間(h)、好ましくは2から16h、より好ましくは2から12h、さらにより好ましくは2から10h、さらにより好ましくは3から10h、特に2から8hに、当該の特異的なインテグリンのリガンドを投与する。この方法に関しては、放射線療法の投与または送達の前、好ましくは15から300分、より好ましくは30から180分、さらにより好ましくは45から90分、特に約1時間または1時間以内に、テモゾロミドを好ましくは経口投与する。また、放射線療法以外の癌組合せ治療剤、好ましくはテモゾロミドに関する、この投与計画は、好ましくは、本明細書に記載するその他の方法または使用にも適する。
上記の治療方法は、本明細書に記載する腫瘍または癌、好ましくは、原発性脳腫瘍、星状細胞腫、好ましくは星状細胞腫グレードII、IIIおよび/もしくはグレードIV、神経膠芽腫、好ましくは多形神経膠芽腫からなる群から選択された腫瘍または癌、ならびにその他の癌の型の脳への転移の治療に特に好都合である。その他の癌の型は、好ましくは、小細胞肺癌および非小細胞肺癌、好ましくは非小細胞肺癌、乳癌、転移性メラノーマ、転移性アンドロゲン非依存性前立腺癌、転移性アンドロゲン依存性前立腺癌からなる群から選択される。
したがって、本発明の好ましい対象は、治療方法(C)であり、これは、患者あたり、
a)所望により、特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、単一の薬剤として、1回あたり約500mgまたは約2000mg(均一)のシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を含む週に2回の投与計画で投与するステップであって、この週単位の投与計画を、少なくとも1週間、好ましくは1から12週間、より好ましくは1から6週間、さらにより好ましくは1から3週間、特に1から2週間、患者に適用するステップと;これに続いて、好ましくは直後の週(または複数の週)に、
b)テモゾロミドを、1週間以内に、2から7日、好ましくは3から6日、より好ましくは5日、特に好ましくは連続5日、1日あたり、好ましくは50mg/mから350mg/m、より好ましくは75mg/mから250mg/m、さらにより好ましくは150mg/mから250mg/m、特に約200mg/mの量で投与するステップであって;好ましくは、当該の週の間に、特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、1回あたり約500mgまたは約2000mg(均一)のシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を含む週に2回の投与計画で投与するステップを併用し、
ステップb)を、少なくとも1回、好ましくは連続1から12週間、より好ましくは連続1から6週間、さらにより好ましくは連続1から3週間、特に連続1週または2週間、患者に適用し、
かつ当該の、特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、好ましくは、テモゾロミドもまた投与する日に投与するステップと;所望により、これに続いて、好ましくは直後の週(または複数の週)に、
c)特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、単一の薬剤として、1回あたり約500mgまたは約2000mg(均一)のシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を含む週に2回の投与計画で投与するステップであって、週単位の投与計画を、少なくとも1週間、好ましくは1から12週間、より好ましくは2から6週間、さらにより好ましくは2から4週間、特に3週間、患者に適用するステップと
を含む。
好ましくは、当該の治療方法を、好ましくは、少なくとも1回、より好ましくは少なくとも2回、さらにより好ましくは少なくとも4回、特に好ましくは、6回以上、好ましくは6回、しかし一般的に、13回未満、好ましくは9回未満、より好ましくは7回未満、例えば、3回、5回、6回、7回または6回、好ましくは連続して、すなわち、この方法を繰り返す間に1回も休止することなく、患者に適用する。
この方法に関しては、より好ましくは、本明細書に記載する時限投与で、より好ましくは、放射線療法の適用前、1.5から20時間(h)、好ましくは2から16h、より好ましくは2から12h、さらにより好ましくは2から10h、さらにより好ましくは3から10h、特に2から8hに、当該の特異的なインテグリンのリガンドを投与する。この方法に関しては、好ましくは、特異的なインテグリンのリガンドの時限投与に関して本明細書に記載する様式に類似した様式で、または好ましくは、放射線療法の送達の前もしくは後、好ましくは後、5h以内、好ましくは3h以内、特に1h以内に、テモゾロミドを好ましくは経口投与する。
上記の治療方法(C)は、本明細書に記載する腫瘍または癌、好ましくは、原発性脳腫瘍、星状細胞腫、好ましくは星状細胞腫グレードII、IIIおよび/もしくはIV、神経膠芽腫、好ましくは多形神経膠芽腫からなる群から選択された腫瘍または癌、ならびにその他の癌の型の脳への転移の治療に特に好都合である。その他の癌の型は、好ましくは、小細胞肺癌および非小細胞肺癌、好ましくは非小細胞肺癌、乳癌、転移性メラノーマ、転移性アンドロゲン非依存性前立腺癌、転移性アンドロゲン依存性前立腺癌からなる群から選択される。
したがって、本発明の好ましい対象は、治療方法(D)であり、これは、患者あたり、
a)第1週の間に:テモゾロミドを、2から7日、好ましくは3から6日、より好ましくは5日、特に好ましくは連続5日、1日あたり、好ましくは50mg/mから350mg/m、より好ましくは75mg/mから250mg/m、さらにより好ましくは150mg/mから250mg/m、特に約200mg/mの量で投与するステップであって;
当該の第1週の間に、特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、1回あたり約500mgまたは約2000mg(均一)のシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を含む週に2回の投与計画で投与するステップを併用するステップと、
b)この直後の第2、3または4週に:特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、好ましくは単一の薬剤として、1回あたり約500mgまたは約2000mg(均一)のシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を含む週に2回の投与計画で投与するステップと
を含む。
好ましくは、当該の治療方法(D)を、好ましくは、少なくとも1週間、好ましくは少なくとも4週間の休止、中断または隔たりなしで少なくとも投与する場合、少なくとも1回、より好ましくは少なくとも2回、さらにより好ましくは少なくとも4回、特に6回以上、しかし一般的に、24回未満、好ましくは15回未満、より好ましくは11回未満、例えば、3回、4回、5回、6回、7回または12回、患者に適用する。そのような休止、隔たりまたは中断の後、上記の投与計画を、必要であれば、1回または数回繰り返す。
この方法に関しては、より好ましくは、本明細書に記載する時限投与で、より好ましくは、放射線療法の適用前、1.5から20時間(h)、好ましくは2から16h、より好ましくは2から12h、さらにより好ましくは2から10h、さらにより好ましくは3から10h、特に2から8hに、当該の特異的なインテグリンのリガンドを投与する。この方法に関しては、テモゾロミドを好ましくは経口投与し、好ましくは、特異的なインテグリンのリガンドの時限投与に関して本明細書に記載する様式に類似した様式で、または好ましくは、放射線療法の送達の前もしくは後、好ましくは後、5h以内、好ましくは3h以内、特に1h以内に、好ましくは経口投与する。
上記の治療方法(D)に、所望により、上記の治療方法(D)の、前、好ましくは直前、および/または後、好ましくは直後に、特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、好ましくは単一の薬剤として、1回あたり約500mgまたは約2000mg(均一)のシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を含む週に2回の投与計画で患者に投与するステップを含む、1週間または複数週間の治療を併用することができる。好ましくは、治療方法(D)に、特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、好ましくは単一の薬剤として、1回あたり約500mgまたは約2000mg(均一)のシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を含む週に2回の投与計画で患者に投与するステップを含む、1週間または複数週間の追加の治療を併用する。これを、少なくとも、治療方法(D)の第1週の直前の週に行う、かつ/または当該の追加の治療を、(休止ありまたは休止なしで)少なくとも1週間、例えば、進行、疾患の安定化または治癒が生じるまで併用する。
上記の治療方法(D)は、本明細書に記載する腫瘍または癌、好ましくは、原発性脳腫瘍、星状細胞腫、好ましくは星状細胞腫グレードII、IIIおよび/もしくはIV、神経膠芽腫、好ましくは多形神経膠芽腫からなる群から選択された腫瘍または癌、ならびにその他の癌の型の脳への転移の治療に特に好都合である。その他の癌の型は、好ましくは、小細胞肺癌および非小細胞肺癌、好ましくは非小細胞肺癌、乳癌、転移性メラノーマ、転移性アンドロゲン非依存性前立腺癌、転移性アンドロゲン依存性前立腺癌からなる群から選択される。
本発明の好ましい対象は、治療方法(E)であり、これは、特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、好ましくは単一の薬剤として、1回あたり約500mgまたは約2000mg(均一)のシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を含む週に2回の投与計画で、好ましくは、1週間または少なくとも連続2週間、患者に投与するステップを含む。
治療方法(E)を、連続2週間以上適用する場合、治療方法(E)は、少なくとも連続4週間、より好ましくは少なくとも連続6週間、例えば、腫瘍の進行、疾患の安定化または治癒が生じるまで患者に適用するのが好ましい。好ましくは、治療方法(E)に、上記/下記の治療方法(A)、(B)、(C)および/または(D)のうちの1つまたは複数を併用する。治療方法(E)に、上記/下記の治療方法(A)、(B)、(C)および/または(D)のうちの1つまたは複数を併用する場合、治療方法(E)は、好ましくは、当該の治療方法(A)、(B)、(C)および/または(D)に先立ってまたはそれらの終わりに、あるいは当該方法に先立っておよびそれらの終わりの両方で、適用する。1つまたは複数の治療方法(A)、(B)、(C)および/または(D)、ならびに追加の方法(E)を含む好ましい組合せを、以下に示す。
本発明の好ましい対象は、本明細書に記載する治療計画、投与計画および/または治療方法のうちの2つ以上を併用する治療方法である。本発明のより好ましい対象は、上記/下記の治療方法(A)、(B)、(C)、(D)、(E)および/または(F)のうちの2つ以上を含み、好ましくは、それぞれの方法(A)、(B)、(C)、(D)、(E)および/または(F)に関して記載する好ましい選択肢のうちの1つまたは複数を含む治療方法である。本発明の特に好ましい対象は、これは、上記/下記の治療方法(A)、(B)、(C)、(D)、(E)および/または(F)のうちの3つ以上からなり、好ましくは、それぞれの方法(A)、(B)、(C)、(D)、(E)および/または(F)に関して記載する好ましい選択肢のうちの1つまたは複数を含む治療方法である。
好ましいのは、2から8週間、特に6週間、好ましくは休止なしで患者に適用する、治療方法(A)である。
好ましいのは、
1から4週間、好ましくは休止なしで患者に適用する、治療方法(E)と、
その直後に続く、
2から8週間、特に6週間、好ましくは休止なしで患者に適用する、治療方法(A)と、
所望により、その直後に続く、
少なくとも数週間、または好ましくは進行、疾患の安定化、部分的/完全な応答もしくは治癒が生じるまで患者に適用する、治療方法(E)と
を含む、あるいはそれらの方法からなる、治療方法である。
好ましいのは、
休止なしで1から4週間、より好ましくは約1週間、患者に適用する、治療方法(E)と、
その直後に続く、
2から8週間、特に6週間、好ましくは休止なしで患者に適用する、治療方法(B)と、
所望により、その直後に続く、
少なくとも4週間、または好ましくは進行、疾患の安定化、部分的/完全な応答もしくは治癒が生じるまで患者に適用する、治療方法(E)と
を含む、あるいはそれらの方法からなる、治療方法である。
好ましいのは、
2から8週間、特に6週間、好ましくは休止なしで患者に適用する、治療方法(B)と、
その直後に続く、
2から12回、より好ましくは4から8回、特に約6回、好ましくは休止なしで患者に適用する、治療方法(D)と
を含む、またはそれらの方法からなる、治療方法である。
好ましいのは、
2から8週間、特に6週間、好ましくは休止なしで患者に適用する、治療方法(B)と、
所望により、その直後に続く、
1週間または数週間、好ましくは1週間、患者に適用する、治療方法(E)と、
その直後に続く、
2から12回、より好ましくは4から8回、特に約6回、好ましくは休止なしで患者に適用する、治療方法(D)と
を含む、またはそれらの方法からなる、治療方法である。
好ましいのは、
2から8週間、特に6週間、好ましくは休止なしで患者に適用する、治療方法(B)と、
その直後に続く、
1週間または数週間、好ましくは1週間、患者に適用する、治療方法(E)と、
その直後に続く、
2から12回、より好ましくは4から8回、特に約6回、好ましくは休止なしで患者に適用する、治療方法(D)と
を含む、またはそれらの方法からなる、治療方法である。
好ましいのは、
休止なしで1週間から4週間、より好ましくは約1週間、患者に適用する、治療方法(E)と、
その直後に続く、
2から8週間、特に6週間、好ましくは休止なしで患者に適用する、治療方法(B)と、
所望により、その直後に続く、
1週間または数週間、好ましくは1週間、患者に適用する、治療方法(E)と、
その直後に続く、
2から12回、より好ましくは4から8回、特に約6回、好ましくは休止なしで患者に適用する、治療方法(D)と、
所望により、その直後に続く、
少なくとも4週間、または好ましくは進行、疾患の安定化、部分的/完全な応答もしくは治癒が生じるまで患者に適用する、治療方法(E)と
を含む、あるいはそれらの方法からなる、治療方法である。
好ましいのは、
休止なしで1週間から4週間、より好ましくは約1週間、患者に適用する、治療方法(E)と、
その直後に続く、
2から8週間、特に6週間、好ましくは休止なしで患者に適用する、治療方法(B)と、
その直後に続く、
1週間または数週間、好ましくは1週間、患者に適用する、治療方法(E)と、
その直後に続く、
2から12回、より好ましくは4から8回、特に約6回、好ましくは休止なしで患者に適用する、治療方法(D)と、
所望により、その直後に続く、
少なくとも4週間、または好ましくは進行、疾患の安定化、部分的/完全な応答もしくは治癒が生じるまで患者に適用する、治療方法(E)と
を含む、あるいはそれらの方法からなる、治療方法である。
本発明の好ましい対象は、本発明による方法または使用に関し、当該の特異的なインテグリンのリガンドを、好ましくは、分割局所放射線療法を患者に投与または送達する日に投与し、かつ好ましくは、投与は、本明細書に記載する時限投与である。
より好ましくは、放射線療法を、特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の投与もまた行われる、1日または複数日に投与または送達する。
したがって、本発明の好ましい対象は、癌を治療するための方法であり、癌は、好ましくは、本明細書に記載する脳の腫瘍から選択され、
a)第1週に、所望により、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、本明細書に記載する週単位の投与計画で患者に投与し、
b)第2〜7週に、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の本明細書に記載する週単位の投与計画での投与に併用して、本明細書に記載する、少なくとも1種の癌組合せ治療剤を、患者に適用し、少なくとも1種の癌組合せ治療剤は、好ましくは、本明細書に記載する化学療法剤および放射線療法から選択され、
c)第8〜11週に、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、本明細書に記載する週単位の投与計画で患者に投与し、
d)第12〜35週に、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、本明細書に記載する週単位の投与計画で患者に投与し、4週毎に、放射線療法以外の癌組合せ治療剤、好ましくは、ステップb)の化学療法剤の投与を追加し、放射線療法以外の癌組合せ治療剤を、好ましくは、第12、16、20、24、28および32週に投与する。
本明細書に記載する時限投与は、第2〜7週の間のシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)にとって好ましい。ステップb)およびc)において適用する、放射線療法以外の癌組合せ治療剤は、好ましくは、化学療法剤から選択され、より好ましくは、アルキル化剤から選択され、さらにより好ましくは、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、カルムスチン、イホスファミド、ロムスチン、テモゾロミドおよびアルトレタミンから選択され、特に好ましくは、テモゾロミドおよびダカルバジンから選択される。
したがって、本発明の好ましい対象は、癌を治療するための方法であり、癌は、好ましくは、本明細書に記載する脳の腫瘍から選択され、
d)第1週に、所望により、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、本明細書に記載する週単位の投与計画で患者に投与し、
e)第2〜7週に、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の本明細書に記載する週単位の投与計画での投与に併用して、かつ少なくとも1種の化学療法剤に併用して、本明細書に記載する放射線療法、好ましくは、本明細書に記載する分割放射線療法または局所放射線療法を、患者に適用し、
f)第8〜11週に、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、本明細書に記載する週単位の投与計画で患者に投与し、
e)第12〜35週に、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、本明細書に記載する週単位の投与計画で患者に投与し、4週毎に、少なくとも1種のステップb)の化学療法剤の投与を追加し、当該化学療法剤を、好ましくは、第12、16、20、24、28および32週に投与する。
この治療方法においては、少なくとも1種の化学療法剤は、好ましくは、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、カルムスチン、イホスファミド、ロムスチン、テモゾロミドおよびアルトレタミンをはじめとする、アルキル化剤から選択され、より好ましくは、テモゾロミドおよびダカルバジンから選択され、かつ/またはハーセプチン、ベバシズマブ、セツキシマブ、ニモツズマブ、ソラフェニブ、スニチニブおよびZD6474からなる群から選択される。本明細書に記載する時限投与は、第2〜7週の間のシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)にとって好ましい。
本発明の好ましい対象は、治療方法(F)であり、これは、以下のステップまたは治療を含む、あるいは好ましくはそれらからなる:
・シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、約500mgまたは約2000mgの均一用量で、i.v.によって、週に2回(好ましくは、第1日と第4日、例えば、月曜日と木曜日または火曜日と金曜日)、35週間、好ましくは休止なしで投与する。シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を用いる治療を、好ましくは、各週の第1日に開始する;
・追加の治療(1)(第2〜7週)(最大7週間):
第2週の第1日から、以下に示すように、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)に追加して、TMZおよびRTを用いる治療を投与する:
テモゾロミド(TMZ)を、1日あたり約75mg/mの用量で、(週7日)6週間、経口投与し、
局所放射線療法(RT)を6週間送達する。これは、好ましくは、1回あたり約2Gyに分割して、1日に1回、連続5日/週送達し、全量約60Gyとなる(好ましくは、International Commission on Radiological Unitsのガイドラインに従って、処方される)。適切な固定マスクを、所望により、再現性を確保するために使用することができる。治療体積を、所望により、脳の手術前Gd−MRIに基づいて決定することができる。治療体積は、好ましくは、Gd−MRIによって決定した、コントラストを増強する病変、好ましくはその病変の周りにプラス、プラス2から3cmのマージンを含む。
・追加の治療(2)(第8〜35週):
RTの終了後の第4週(すなわち、第12週中)から、cilengitide治療に併用して、対象に、TMZ化学療法を、4週毎(すなわち、第12、16、20、24、28および32週)に、1日あたり150〜200mg/mの用量で、5日間(好ましくは、所与の治療週の第1から5日まで)、最大6サイクルまで投与する。
この治療方法(F)においては、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、好ましくは、本明細書に記載する時限投与で、好ましくはRTおよび/またはTMZの投与に関して投与し;例えば、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、RTの送達の前約3時間(h)(=約1時間の注入の開始)に投与し;かつTMZを、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の投与の後、しかし、好ましくはRTの送達の前、より好ましくはRTの送達の前2時間以内、さらにより好ましくはRTの送達の前約1時間以内、特にRTの送達の前約1時間に投与する。しかし、また、所望により、TMZを、RTの送達の後約1時間以内に投与するのも適切である。
しかし、許容できない有害作用、早期の進行、疾患の安定化または患者の治癒が生じた場合には、治療方法(F)の35週間にわたるスケジュールを、終了または短縮することができる。
好ましい治療方法を、下記の模式図に示す。
Figure 2013049710
本明細書に記載する治療方法、特に上記の治療方法(A)から(F)の後、所望により、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を含む継続治療、好ましくは下記に示す継続治療を行うことができる。
35週間間の治療を完了し、進行を示さなかった対象、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を用いる継続治療が有益であると、例えば、医師が見なす対象については、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)療法(約500mgまたは約2000mg、i.v.、週2回)を継続することができる。したがって、最初の35週間の療法の後に、当該のシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)療法を、進行、疾患の安定化、治癒または許容できない有害作用が生じるまで継続することができる。
本発明の好ましい対象は、本明細書に記載する治療方法、好ましくは、1つまたは複数の、好ましくは治療方法(A)、治療方法(B)、治療方法(C)、治療方法(D)、治療方法(E)、治療方法(F)、およびそれらの組合せからなる群から選択された治療方法に関し、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)ならびに/またはその薬学的に許容される誘導体、溶媒和物および/もしくは塩に関する週に2回の投与計画を、週3回の投与計画、好ましくは本明細書に記載する週3回の投与計画、または週5回の投与計画、好ましくは本明細書に記載する週5回の投与計画で置き換える。この好ましい対象を、好ましくは、本発明による「メチル化患者」の群に属さない患者に、好都合に適用することができる。「メチル化患者」に関する判断基準は、下記で詳細に提供および議論する。好ましくは、患者は、「メチル化患者」の群に属さず、これらの患者においては、増加したDNAのメチル化状態、少なくとも1つのMGMT遺伝子の少なくとも1つのプロモーターの部分的もしくは完全なメチル化、および/または正常なリンパ球が発現するMGMTタンパク質のレベルと比較して、中等度もしくは好ましくはより低いレベルのMGMTタンパク質が存在するに過ぎないことを認めることができない。
本発明の特に好ましい対象は、本明細書に記載する特異的なインテグリンのリガンド、好ましくは、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)、その薬学的に許容される誘導体、溶媒和物および塩からなる群から選択された特異的なインテグリンのリガンドの使用、特にシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の使用であり、これを、本明細書に記載する治療方法において使用する医薬品の製造に用い、特に1つまたは複数の、好ましくは治療方法(A)、治療方法(B)、治療方法(C)、治療方法(D)、治療方法(E)、治療方法(F)、およびそれらの組合せからなる群から選択された治療方法において使用する医薬品の製造に用いる。
本発明の別の好ましい対象は、原発性脳腫瘍の治療方法に関し、これは、本明細書に記載する特異的なインテグリンのリガンド、好ましくはLM609、バイタクシン、アベルジン、アブシキシマブ、P1F6、14D9.F8、CNTO95およびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)、より好ましくはバイタクシン、アベルジン、CNTO95、アブシキシマブおよびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)からなる群から選択された、さらにより好ましくはバイタクシン、アベルジンおよびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択された特異的なインテグリンのリガンドと、
少なくとも1種の癌組合せ治療剤および放射線療法、好ましくは本明細書に記載する分割局所放射線療法とを投与するステップを含む。少なくとも1種の癌組合せ治療剤は、好ましくは本明細書に記載する少なくとも1種の癌組合せ治療剤から選択され、より好ましくは本明細書に記載する化学療法剤から選択され、好ましくはニトロソ尿素、ならびにACNU、BCNUおよびCCNU等のニトロソ尿素誘導体、ビンクリスチン、パクリタキセルおよびドセタキセル等のタキサンからなる群から選択される。好ましくは、特異的なインテグリンのリガンドを、本明細書に記載する時限投与で投与する。放射線療法を適用する場合には、これを、好ましくは約60Gyからなる分割局所放射線療法として適用し、好ましくは6週の期間にわたり送達する。特異的なインテグリンのリガンドが、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)である場合、これを、好ましくは、本明細書に記載する治療方法および/または投与計画に記載する投与量および/または週単位の投与計画で患者に投与する。
本発明の別の好ましい対象は、原発性脳腫瘍の治療方法に関し、これは、本明細書に記載する特異的なインテグリンのリガンド、好ましくはLM609、バイタクシン、アベルジン、アブシキシマブ、P1F6、14D9.F8、CNTO95およびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)、より好ましくはバイタクシン、アベルジン、CNTO95、アブシキシマブおよびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)からなる群から選択された、さらにより好ましくはバイタクシン、アベルジンおよびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択された特異的なインテグリンのリガンドと、
少なくとも1種の癌組合せ治療剤および放射線療法、好ましくは本明細書に記載する分割局所放射線療法とを投与するステップを含む。少なくとも1種の癌組合せ治療剤は、本明細書に記載する化学療法剤、好ましくはプロカルバジンまたはダカルバジンから選択される。より好ましくは、ダカルバジンまたはプロカルバジンをはじめとする、少なくとも1種の化学療法剤と放射線療法との組合せを適用する。好ましくは、特異的なインテグリンのリガンドを、本明細書に記載する時限投与で投与する。放射線療法を、好ましくは約60Gyからなる分割局所放射線療法として適用し、好ましくは6週の期間にわたり送達する。特異的なインテグリンのリガンドが、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)である場合、これを、好ましくは、本明細書に記載する治療方法および/または投与計画に記載する投与量および/または週単位の投与計画で患者に投与する。
本発明の別の好ましい対象は、原発性脳腫瘍の治療方法に関し、これは、本明細書に記載する特異的なインテグリンのリガンド、好ましくはLM609、バイタクシン、アベルジン、アブシキシマブ、P1F6、14D9.F8、CNTO95およびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)、より好ましくはバイタクシン、アベルジン、CNTO95、アブシキシマブおよびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)からなる群から選択された、さらにより好ましくはバイタクシン、アベルジンおよびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択された特異的なインテグリンのリガンドと、
所望により、放射線療法、好ましくは本明細書に記載する分割局所放射線療法を併用した、少なくとも1種の癌組合せ治療剤とを投与するステップを含む。少なくとも1種の癌組合せ治療剤は、好ましくは本明細書に記載する化学療法剤から選択され、好ましくはハーセプチン、ベバシズマブ(rhuMAb−VEGF、Avastin(登録商標))、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))およびニモツズマブ、好ましくはソラフェニブ(Nexavar(登録商標))、スニチニブ(Sutent(登録商標))およびZD6474(ZACTIMA(商標))からなる群から選択される。好ましくは、特異的なインテグリンのリガンドを、本明細書に記載する時限投与で投与する。放射線療法を適用する場合には、これを、好ましくは約60Gyからなる分割局所放射線療法として適用し、好ましくは約6週の期間にわたり送達する。特異的なインテグリンのリガンドが、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)である場合、これを、好ましくは、本明細書に記載する治療方法および/または投与計画に記載する投与量および/または週単位の投与計画で患者に投与する。
本発明の別の好ましい対象は、局所進行肺癌の治療方法に関し、これは、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド、より好ましくは本明細書に記載する、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド、さらにより好ましくは、LM609、バイタクシン、アベルジン、アブシキシマブ、P1F6、14D9.F8、CNTO95およびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)、より好ましくはバイタクシン、アベルジン、CNTO95、アブシキシマブおよびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)からなり、特に好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択された特異的なインテグリンのリガンドに、本明細書に記載する、少なくとも1種の癌組合せ治療剤を併用して投与するステップを含む。少なくとも1種の癌組合せ治療剤は、好ましくは、本明細書に記載するアルキル化剤および抗代謝剤、ならびに本明細書に記載する放射線療法から選択される。好ましくは、少なくとも1種のアルキル化剤と少なくとも1種の抗代謝剤とを組み合せて適用し、好ましくは、放射線療法、好ましくは本明細書に記載する分割局所放射線療法を併用する。好ましくは、アルキル化剤であるシスプラチンに抗代謝剤であるゲムシタビンを併用して、またはアルキル化剤であるカルボプラチンと抗代謝剤であるパクリタキセルとを併用して、所望により、分割局所放射線療法を併用して適用する。分割局所放射線療法は、好ましくは約60Gyからなり、これを、好ましくは約6週の期間にわたり送達する。好ましくは、特異的なインテグリンのリガンドを、本明細書に記載する時限投与で投与する。特異的なインテグリンのリガンドが、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)である場合、これを、好ましくは、本明細書に記載する治療方法および/または投与計画に記載する投与量および/または週単位の投与計画で患者に投与する。
本発明の別の好ましい対象は、局所進行頭頚部癌の治療方法に関し、これは、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド、より好ましくは本明細書に記載する、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド、さらにより好ましくは、LM609、バイタクシン、アベルジン、アブシキシマブ、P1F6、14D9.F8、CNTO95およびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)、より好ましくはバイタクシン、アベルジン、CNTO95、アブシキシマブおよびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)からなり、特に好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択された特異的なインテグリンのリガンドに、本明細書に記載する、少なくとも1種の癌組合せ治療剤および放射線療法、好ましくは本明細書に記載する分割局所放射線療法を併用して投与するステップを含む。少なくとも1種の癌組合せ治療剤は、好ましくは、アルキル化剤、例えば、シスプラチン、抗代謝剤、例えば、5−FU、あるいは5−FUと、アルカロイド、例えば、パクリタキセルまたはドセタキセルと、PDGF、PDGFR、EGFR、VEGF、VEGFRおよび/またはVEGFR2を標的とする、好ましくはベバシズマブ(rhuMAb−VEGF、Avastin(登録商標))、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、ニモツズマブ、ソラフェニブ(Nexavar(登録商標))、スニチニブ(Sutent(登録商標))およびZD6474(ZACTIMA(商標))から選択された化合物とを含む組合せから選択される。好ましいのは、少なくとも1種の、好ましくはシスプラチンを含むアルキル化剤と、放射線療法、好ましくは本明細書に記載する分割局所放射線療法との併用である。さらに好ましいのは、少なくとも1種の、5−FUを含む抗代謝剤と、放射線療法、好ましくは本明細書に記載する分割局所放射線療法との併用である。さらに好ましいのは、少なくとも1種の、パクリタキセルまたはドセタキセルを含むアルカロイドと、放射線療法、好ましくは本明細書に記載する分割局所放射線療法との併用である。好ましいのは、少なくとも1種の、好ましくはシスプラチンを含むアルキル化剤と、少なくとも1種の、5−FUを含む抗代謝剤と、放射線療法、好ましくは本明細書に記載する分割局所放射線療法との併用である。さらに好ましいのは、PDGF、PDGFR、EGFR、VEGF、VEGFRおよび/またはVEGFR2を標的とする、好ましくはベバシズマブ(rhuMAb−VEGF、Avastin(登録商標))、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、ニモツズマブ、ソラフェニブ(Nexavar(登録商標))、スニチニブ(Sutent(登録商標))およびZD6474(ZACTIMA(商標))から選択された、少なくとも1種の化合物と、放射線療法、好ましくは本明細書に記載する分割局所放射線療法との併用である。分割局所放射線療法は、好ましくは約60〜70Gyからなり、好ましくは約6週の期間にわたり、1回あたり約2または約3Gyに分割して送達する。好ましくは、特異的なインテグリンのリガンドを、本明細書に記載する時限投与で投与する。特異的なインテグリンのリガンドが、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)である場合、これを、好ましくは、本明細書に記載する治療方法および/または投与計画に記載する投与量および/または週単位の投与計画で患者に投与する。
本発明の別の好ましい対象は、局所進行頭頚部癌の治療方法に関し、これは、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド、より好ましくは本明細書に記載する、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド、さらにより好ましくは、LM609、バイタクシン、アベルジン、アブシキシマブ、P1F6、14D9.F8、CNTO95およびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)、より好ましくはバイタクシン、アベルジン、CNTO95、アブシキシマブおよびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)からなり、特に好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択された特異的なインテグリンのリガンドに、本明細書に記載する、少なくとも1種の癌組合せ治療剤を併用して投与するステップを含む。少なくとも1種の癌組合せ治療剤は、好ましくは、3種の癌組合せ治療剤であり、アルキル化剤、例えば、シスプラチン、抗代謝剤、例えば、5−FU、あるいは5−FUとアルカロイド、例えば、パクリタキセルまたはドセタキセルとを含む組合せから選択される。転移性頭頚部癌の場合には、特異的なインテグリンのリガンドに、癌組合せ治療剤であるシスプラチン、5−FUおよびタキサン、好ましくはパクリタキセルまたはドセタキセルを併用するのが、特に好ましい。
本発明の別の好ましい対象は、頭頚部癌、好ましくは局所進行頭頚部癌の治療方法に関し、これは、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド、より好ましくは本明細書に記載する、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド、さらにより好ましくは、LM609、バイタクシン、アベルジン、アブシキシマブ、P1F6、14D9.F8、CNTO95およびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)、より好ましくはバイタクシン、アベルジン、CNTO95、アブシキシマブおよびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)からなり、特に好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択された特異的なインテグリンのリガンドに、本明細書に記載する、少なくとも1種の癌組合せ治療剤および放射線療法を併用して投与するステップを含む。少なくとも1種の癌組合せ治療剤は、PDGF、PDGFR、EGFR、VEGF、VEGFRおよび/またはVEGFR2を標的とする化合物から選択され、好ましくはベバシズマブ(rhuMAb−VEGF、Avastin(登録商標))、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、ニモツズマブ、ソラフェニブ(Nexavar(登録商標))、スニチニブ(Sutent(登録商標))およびZD6474(ZACTIMA(商標))から選択される。放射線療法は、好ましくは本明細書に記載する分割局所放射線療法であり、より好ましくは50〜70Gyを、1回あたり約1.2から2.2Gy、好ましくは約2Gyに分割して、週に5日適用する。特に好ましくは、特異的なインテグリンのリガンドに、上記の少なくとも1種の標的化合物および放射線療法を併用して適用する。
脳への転移、好ましくは本明細書に記載する、その他の型の癌の脳への転移に関して、分割局所放射線療法を適用する場合には、これは、好ましくは約25から45Gy、より好ましくは30から40gyからなり、好ましくは、1回あたり1.5から3.5、より好ましくは1.8から3、例えば、約2Gyまたは約3Gyに分割して、好ましくは約3週の期間にわたり、好ましくは週に5日送達する。
本発明の別の好ましい対象は、転移性悪性メラノーマの治療方法に関し、これは、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド、より好ましくは本明細書に記載する、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド、さらにより好ましくは、LM609、バイタクシン、アベルジン、アブシキシマブ、P1F6、14D9.F8、CNTO95およびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)、より好ましくはバイタクシン、アベルジン、CNTO95、アブシキシマブおよびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)からなる群から選択された、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド、特に好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩をはじめとする、1種または2種の特異的なインテグリンのリガンドに、本明細書に記載する、少なくとも1種の癌組合せ治療剤および本明細書に記載する放射線療法を併用して投与するステップを含む。少なくとも1種の癌組合せ治療剤は、好ましくは、アルキル化剤、例えば、ダカルバジンから選択される。好ましくは、少なくとも1種のアルキル化剤に、放射線療法、好ましくは本明細書に記載する分割局所放射線療法を併用して適用する。好ましくは、特異的なインテグリンのリガンドを、本明細書に記載する時限投与で投与する。特異的なインテグリンのリガンドが、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)である場合、これを、好ましくは、本明細書に記載する治療方法および/または投与計画に記載する投与量および/または週単位の投与計画で患者に投与する。
本発明の別の好ましい対象は、転移性前立腺癌の治療方法に関し、これは、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド、より好ましくは本明細書に記載する、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド、さらにより好ましくは、LM609、バイタクシン、アベルジン、アブシキシマブ、P1F6、14D9.F8、CNTO95およびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)、より好ましくはバイタクシン、アベルジン、CNTO95、アブシキシマブおよびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)からなり、特に好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択された特異的なインテグリンのリガンドに、本明細書に記載する、少なくとも1種の癌組合せ治療剤および好ましくは、本明細書に記載する放射線療法を併用して投与するステップを含む。少なくとも1種の癌組合せ治療剤は、好ましくは、アルカロイド、例えば、ドセタキセルおよびパクリタキセル、抗生物質、例えば、ドキソルビシンおよびエピルビシン、ならびにホルモンおよびそれらのアンタゴニスト、例えば、ステロイドから選択される。好ましくは、特異的なインテグリンのリガンドを、本明細書に記載する時限投与で投与する。特異的なインテグリンのリガンドが、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)である場合、これを、好ましくは、本明細書に記載する治療方法および/または投与計画に記載する投与量および/または週単位の投与計画で患者に投与する。
本発明の別の好ましい対象は、予防的な照射、好ましくは予防的な頭蓋照射または予防的な縦隔照射の方法に関し、これは、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド、より好ましくは本明細書に記載する、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンド、さらにより好ましくは、LM609、バイタクシン、アベルジン、アブシキシマブ、P1F6、14D9.F8、CNTO95およびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)、より好ましくはバイタクシン、アベルジン、CNTO95、アブシキシマブおよびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)からなり、特に好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択された特異的なインテグリンのリガンドと、放射線療法、好ましくは本明細書に記載する分割局所放射線療法とを投与するステップを含む。予防的な頭蓋照射の方法は、好ましくは、肺癌、好ましくは小細胞肺癌、さらにより好ましくは完全緩解の小細胞肺癌に関して、好ましくは化学療法および/または手術の手順の後に適用する。予防的な縦隔照射の方法は、好ましくは、肺癌、より好ましくは小細胞肺癌、さらにより好ましくは完全緩解の小細胞肺癌に関して、好ましくは化学療法および/または手術の手順の後に適用する。
上記の治療方法または予防的照射方法の全てにおいては、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドの時限投与が好ましい。
特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)および/またはその薬学的に許容される塩、好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)に関する、本明細書に記載する治療方法、投与量および/または投与計画に関して、化合物シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)そのもの(これは、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の内塩とも呼ばれる)に基づいて、1回あたりの投与量として、(約)500mgまたは(約)1000mgの量、ならびに週単位の投与計画として、(約)1000mg、(約)1500mg、(約)2000mg、(約)2500mg、(約)4000mgおよび(約)6000mgの量が好ましくは計算される。したがって、特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の、薬学的に許容される塩または溶媒和物等の異なる形態または誘導体を患者に投与する場合、化合物シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)そのものについての上記の量の等モルの量で投与するのが好ましい。
本発明によって使用する特異的なインテグリンのリガンドは、驚くべきことに、増加したDNAのメチル化状態を有している、少なくとも1つのMGMT遺伝子の少なくとも1つのプロモーターの部分的もしくは完全なメチル化を有している、かつ/または異常なレベルのMGMTタンパク質、特に異常に低いレベルのMGMTタンパク質を有している患者に対して、好都合に改善された効果を示す。したがって、本発明は、好都合に使用して、上記の作用または欠損のうちの1つまたは複数を伴う患者を治療することができる医薬品および方法を提供する。
したがって、本発明の対象は、本明細書に記載する医薬品の使用、および/または患者を治療するための当該医薬品を使用する方法であり、当該医薬品を、増加したDNAのメチル化状態を有する患者、少なくとも1つのMGMT遺伝子の少なくとも1つのプロモーターの部分的もしくは完全なメチル化を示す患者、および/または異常なレベルのMGMTタンパク質、特に異常に低いレベルのMGMTタンパク質を有する患者の治療において使用するものとする。そのような患者を、好ましくは、「メチル化患者」と呼ぶ。
これらの対象を、下記で、より詳細に、説明および議論する。
DNA修復遺伝子であるO−メチルグアニン−DNAメチルトランスフェラーゼ(MGMT)は、より正確にはO−メチルグアニン−DNAメチルトランスフェラーゼ修復遺伝子、または略してMGMT修復遺伝子と呼ばれるが、これのメチル化によって、遺伝子のサイレンシングが起こる。このエピジェネティックな改変が、神経膠芽腫(GBM)等、多くの異なる癌の型を有し、アルキル化剤を投与される患者の順調な予後と結び付けられている。アルキル化剤は、例えば、ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン化合物、アルキルスルホン酸塩およびアルキル化作用を有するその他の化合物であり、好ましくは、ニトロソ尿素、好ましくはACNU、BCNUおよびCCNU、ブスルファン、メルファラン、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、カルムスチン、イホスファミドおよびロムスチン、ならびにテモゾロミドおよびアルトレタミン、またはカンプトテシンから選択される。したがって、MGMTプロモーターのメチル化と生存率およびテモゾロミド等のアルキル化剤に対する感受性との間に関係がある。MGMT酵素は、グアニンのO6位からアルキル基を取り除く。グアニンのO6位は、多数の化学療法によって引き起こされる、DNAのアルキル化の部位である。これらの化学療法が引き起こすアルキル化の結果、腫瘍細胞中のDNAが損傷し、これらには、DNAの二本鎖の破壊およびミスマッチが含まれ、これらが、アポトーシスおよび細胞傷害性を誘発する[5、6]。MGMT酵素は、DNAの損傷を修復し、したがって、化学療法剤であるアルキル化剤の治療効果を妨害する[7〜10]。MGMTプロモーターのCpGアイランドの領域の離散的なメチル化が、遺伝子のサイレンシングおよびDNA修復酵素活性の減少と結び付く[11〜13]。以前の研究によって、GBM患者うちの30〜40%が、メチル化されたMGMTプロモーターを有することが示されている[1〜4]。
MGMTプロモーターのメチル化、したがって、MGMTのメチル化状態を、手術時に素早く凍結した腫瘍検体等、腫瘍検体から抽出したDNA上で、2段階のメチル化に特異的なPCR分析を使用して好都合に決定することができる。メチル化に特異的なPCR分析を、当技術分野の方法に従って容易に行うことができる。好ましくは、これを、Hegiら、NEJM,2005,352;997−1003による方法によって行うことができる。以下の方法は、(組織の入手が可能な)患者のうちのサブセットのメチル化状態を評価する第III相治験において良好に使用されている。
DNAの抽出およびメチル化に特異的なポリメラーゼ連鎖反応
ゲノムDNAを、神経膠芽腫の組織の1つまたは2つのパラフィン切片から単離する(Ex−Wax DNA Extraction Kit S4530、Chemicon製)(プロテイナーゼによる消化は、最大6時間続けた)。35μlの容量の水酸化ナトリウムを用いてDNAを変性させ、360μlの容量の亜硫酸水素塩による処理(4.4M亜硫酸ナトリウムおよび20mMヒドロキノン)を、55℃で5時間行い、次いで、精製した(Wizard DNA Clean−Up System A7280、Promega製)。メチル化されているシトシンではなく、メチル化されていないシトシンを、処理によってウラシルに改変する。メチル化に特異的なポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を、2段階のアプローチで行う[Palmisano WA,Divine KK,Saccomanno Gら、Predicting lung cancer by detecting aberrant promoter methylation in sputum.Cancer Res 2000;60:5954−8.]。結果を、腫瘍からのDNAの再度の単離から開始する独立した実験で確認することができる。PCR産物を、4パーセントアガロースゲル上で分離する。神経膠芽腫の検体を選択し、分析した研究者には、いずれの臨床情報も知らされていない。
別法として、Donsonら、Journal Pedriatic Blood Cancer,2006によって記載されている方法を行うこともできる。
Donsonらによると、MGMTプロモーターのメチル化/MGMTのメチル化状態を、以下の手順によって好都合に決定することができる。
DNAの抽出およびメチル化に特異的なポリメラーゼ連鎖反応
ゲノムDNAを、手術時に得た素早く凍結した腫瘍(COMIRB95−500)およびGBM細胞系から、DNeasy Kit(Qiagen製、Valencia、カリフォルニア州)を使用して単離する。MGMT遺伝子のCpGアイランド中のDNAメチル化のパターンを、メチル化に特異的なPCRによって決定する。この手順では、メチル化されているシトシンではなく、メチル化されていないシトシンをウラシルに化学的に改変し、それに、ネステッド2段階PCRが続くことになる[17]。1マイクログラムのDNAを、55mlの容量の水酸化ナトリウム(最終濃度0.3M)を用いて変性させ、610mlの容量の亜硫酸水素塩による処理(3.3M亜硫酸ナトリウムおよび0.5mMヒドロキノン)を、558Cで16時間行い、次いで、Wizard DNA Clean−Up System(Promega製、Madison、ウィスコンシン州)を使用して精製する。PCRを行って、CpGが豊富に存在するプロモーター領域を含むMGMT遺伝子の289bp断片を増幅する。プライマーは、亜硫酸水素塩によって改変した鋳型を認識するが、メチル化されている対立遺伝子とメチル化されていない対立遺伝子とを区別しない。MGMT遺伝子の第1段階の増幅において使用したプライマー配列を以下に示す:MGMT−第1段階−順、50−GGATATGTTGGGATAGTT−30;およびMGMT−第1段階−逆、50−CCAAAAACCCCAAACCC−30。Master Mix(Fermentas製、Hanover、メリーランド州)。第1段階のPCR増幅プロトコールを以下に示す:958C、10分、次いで、958C、30秒で変性、528C、30秒でアニーリング、728C、30秒の伸長を40サイクル、次いで、10分の最後の伸長。PCR反応の全てにおいて、25mlの容量を使用する。第1段階のPCR産物を、50倍に希釈し、5mlのこの希釈液に、第2段階のPCRを行う。第2段階では、メチル化されている鋳型またはメチル化されていない鋳型に特異的なプライマーを使用する。第2段階のPCRのためのプライマー配列は、メチル化されていない反応用には、MGMT−第2段階−順、50−TTTGTGTTTTGATGTTTGTAGGTTTTTGT−30およびMGMT−第2段階−逆、50−AACTCCACACTCTTCCAAAAACAAAACA−30であり、メチル化されている反応用には、MGMT−第2段階−順、50−TTTCGACGTTCGTAGGTTTTCGC−30およびMGMT−第2段階−逆、50−GCACTCTTCCGAAAACGAAACG−30である。第2段階のPCR増幅プロトコールを以下に示す:958C、10分、次いで、958C、15秒で変性、628C、15秒でアニーリング、728C、15秒の伸長を40サイクル、次いで、728C、10分の最後の伸長。Ssslメチルトランスフェラーゼ(New England Biolabs、Beverly、マサチューセッツ州)を用いてin vitroで処理したヒト正常リンパ球からのDNAを、MGMTのメチル化されている対立遺伝子の陽性対照として使用し、未処理のヒト正常リンパ球からのDNAを、MGMTのメチル化されている対立遺伝子の陰性対照として使用する。各PCR反応(10ml)を、4%アガロースゲル上に直接載せ、臭化エチジウムで染色した後、UV照明の下で可視化する。カプラン−マイヤーの相関性および統計的有意性の検定等、当技術分野で既知の方法を用いて、例えば、Prism統計解析プログラム(GraphPad Software,Inc.製、San Diego、カリフォルニア州)を使用して、統計解析を行う。
メチルグアニン−DNAメチルトランスフェラーゼプロモーターのメチル化状態の分析を、患者の素早く凍結した組織上で行う。MGMTのメチル化状態を、腫瘍から定期的に決定することができる。一部の患者においては、MGMプロモーターのメチル化状態を試験した検体が、部分的にメチル化されていることが証明された(図A)。いずれの検体においても、完全なメチル化は認められなかった。観察された不完全なメチル化は、腫瘍の不均一性、末梢血液のリンパ球の浸潤および/または血管構造が原因である可能性がある。比較のために、腫瘍のMGMTプロモーターの部分的なメチル化が、この観察結果に寄与することができるか否かを、細胞系145をはじめとする、6種のGBM細胞系のMGMTプロモーターのメチル化状態を調査することによって決定することができる。細胞系145は、テモゾロミドを用いて治療する患者から確立され、この患者の素早く凍結した腫瘍もまた、上記の研究で分析する。研究した6種の細胞系のうちの4種において、プロモーターの部分的なメチル化が観察されている(図B)。結果は、純粋なGBM細胞系においてさえも、部分的なMGMTプロモーターのメチル化が存在することができることを示している。
Figure 2013049710
図A.メチル化に特異的なネステッドPCRアッセイによって決定した、GBM生検検体中のMGMTプロモーターのメチル化状態。正常な末梢血液リンパ球からのDNA(PBL)を、メチル化されていないMGMTプロモーター(U)の対照として使用し、PBLからの酵素的にメチル化したDNA(MPBL)を、メチル化されているMGMTプロモーター(M)の陽性対照として使用し、水を、PCRの陰性対照として使用する。分子の大きさを推定するために、100bpマーカーラダーを載せ、左の目盛に示す(L)。
Figure 2013049710
図B.メチル化に特異的なネステッドPCRアッセイによって決定した、GBM細胞系中のMGMTプロモーターのメチル化状態。分子の大きさを推定するために、100bpマーカーラダーを載せ、左の目盛に示す(L)。
MGMTのメチル化がアルキル化剤に対する応答の良好な予想の判断材料であることを示す、大多数の最近の研究において、上記のMGMT分析の技法が利用されている[1〜3]。MGMTのメチル化が、GMB中でのMGMT酵素活性の損失の主たる原因であることが実証されてから、この技法は、酵素活性を測定する初期の技法に取って代わっている。
好ましくは、上記の方法、それに類似する方法、または当業者が同等に適切であると理解する、いずれかのその他の方法を使用して、MGMTのメチル化を示す患者として試験される患者、またはMGMTのメチル化を示す患者として試験可能な患者を、本発明による「メチル化患者」と、より好ましくは、増加したDNAのメチル化状態を有する患者および/または少なくとも1つのMGMT遺伝子の少なくとも1つのプロモーターの部分的もしくは完全なメチル化を示す患者と見なすものとする。したがって、これらの患者は、本発明による治療方法または医薬品によって、特に好都合に治療することができる患者の集団に属する。
しかし、そのような技法、例えば、下記の方法を、好ましくは、本発明によって、MGMTの状態に関して使用することができる。
化学療法剤の効力、すなわち、宿主に対して致死的な毒性を生じることなく腫瘍細胞を根絶する化学療法の能力は、薬物の選択性によって決まる。抗癌剤の1つのクラスであるアルキル化剤は、DNAに結合することによって細胞を死滅させる。このDNAへの結合は、構造的に、DNAのへリックス構造を歪め、DNAの転写および翻訳を阻止する。正常細胞においては、細胞のDNA修復酵素、特に、O−アルキルグアニン−DNAアルキルトランスフェラーゼ(AGAT)としても知られる、O−メチルグアニン−DNAメチルトランスフェラーゼ(MGMT)によって、アルキル化剤の損傷作用を修復することができる。MGMTのレベルは、腫瘍細胞によって、同一の型の腫瘍の間でさえも異なる。MGMTをコードする遺伝子は、通常、変異することも、欠失することもない。むしろ、腫瘍細胞中のMGMTの低いレベルは、エピジェネティックな改変によって生じる。すなわち、MGMTのプロモーターの領域がメチル化され、したがって、MGMT遺伝子の転写が阻害され、MGMTの発現が阻止される。
一連の証拠によって、メチル化が、遺伝子の発現、細胞の分化、腫瘍形成、X染色体の不活性化、ゲノムインプリンティングおよびその他の主要な生物学的過程において何らかの役割を果たすことが示されている。真核細胞においては、グアノシンに対して5’に隣接するシトシン残基のメチル化が、シトシン−グアニン(CG)が乏しい領域で優勢に生じる。対照的に、正常細胞では、5’調節領域のメチル化により転写を抑制することができる、X染色体の不活性化および親に特異的なインプリンティングの間を除いて、CpGアイランドは、メチル化されていない状態を維持する。また、腫瘍抑制遺伝子の発現も、正常であればメチル化されていないCpGを新たにDNAをメチル化することによって、消滅させることができる。
DNA修復酵素をコードする遺伝子の高度メチル化が、特定の癌の治療に対する臨床での応答を予想するためのマーカーとして役立つことができる。(例えば、アルキル化剤をはじめとする)特定の化学療法剤は、DNAを架橋結合させることによって、細胞の増殖を阻害し、その結果、細胞を死滅させる。DNA修復酵素が架橋結合構造を取り除くので、そのような薬剤を用いた治療努力が邪魔される場合があり、そのような薬剤に対する耐性が発生する。ほとんどの化学療法剤に有害な副作用があることおよび特定の薬物が種々の治療で無効であることを考慮すると、化学療法剤を用いた治療に対する臨床での応答を予想することが望ましい。
米国特許第6773897号は、細胞増殖障害の化学療法剤による治療に関する方法を開示している。特に、ある方法が、特異的なアルキル化剤をはじめとする、「特定の型の化学療法剤に対する臨床での応答を予想する」ために提供されている。この方法では、治療を必要とする患者と治療を必要としない対象とからのDNA修復酵素をコードする核酸のメチル化状態を決定し、それらを比較することになる。何らかの差があれば、応答を「予想する」とみなされる。しかし、この方法は、好ましくない「予想」を有するいずれの患者についても、臨床結果をいかにして改善するかについての示唆を提供していない。
テモゾロミドは、米国ではTemodar(登録商標)および欧州ではTemodal(登録商標)の商品名の下で、Schering Corp.から入手できるアルキル化剤である。経口投与用Temodar(登録商標)Capsuleは、イミダゾテトラジン誘導体であるテモゾロミドを含有する。テモゾロミドの化学名は、3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−as−テトラジン−8−カルボキサミド(米国特許第5260291号を参照)である。テモゾロミドまたはその代謝産物であるMTICの細胞傷害性は、主に、DNAのアルキル化によると考えられる。アルキル化(メチル化)が、主として、グアニンのO位およびN位で生じる。
現在、米国では、Temodar(登録商標)(テモゾロミド)Capsuleは、新たに診断された多形神経膠芽腫成人患者、および不応性未分化星状細胞腫成人患者、すなわち、ニトロソ尿素およびプロカルバジンを含有する投薬計画で疾患の進行を経験している、最初の再発時の患者の治療を適応としている。現在、欧州では、Temodal(登録商標)は、標準的な療法の後に再発または進行を示す多形神経膠芽腫または未分化星状細胞腫等、悪性グリオーマ患者の治療用に承認されている。
本発明により、上記の方法に代わって、MGMT遺伝子のメチル化のレベルを、患者から得た検体中のMGMTタンパク質のレベルを決定することによって評価する。レベルを、「非常に低い」、「低い」、「中等度」または「高い」に、好ましくは下記でより詳細に記載するように分類することができる。
当業者に既知のいずれかの方法を使用して、MGMT遺伝子がメチル化されているか否かを評価することができる。遺伝子または核酸のメチル化を検出するのに有用な技法として、これらに限定されないが、Ahrendtら、J.Natl.Cancer Inst.,91:332−339(1999);Belsinkyら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,95:11891−11896(1998);Clarkら、NucleicAcids Res.,22:2990−2997(1994);Hermanら、Proc Natl Acad Sd U.S.A.,93:9821−9826(1996);XiongおよびLaird,Nucleic Acids Res.,25:2532−2534(1997);Eadsら、Nuc.Acids.Res.,28:e32(2002);Cottrellら、Nucleic Acids Res.,32:1−8(2004)によって記載されている技法が挙げられる。本明細書で言及する参考文献は全て、参照により本明細書に組み入れられている。
メチル化に特異的なPCR[(MSP;Hermanら、Proc.Natl.Acad Sci.USA,93(18):9821−9826(1996);Estellerら、Cancer Res.,59:793−797(1999))。また、1998年7月28日に発行された米国特許第5786146号;2000年1月25日に発行された米国特許第6017704号;2001年3月13日に発行された米国特許第6200756号;および2001年7月24日に発行された米国特許第6265171号;2004年8月10日に発行された米国特許第6773897号も参照;これらの各全内容が、参照により本明細書に組み入れられている]により、メチル化に感受性の制限酵素の使用とは無関係に、CpGアイランド内のCpG部位の実質的にいかなる群のメチル化状態も迅速に評価することができる。このアッセイでは、初めに亜硫酸水素ナトリウムによって、DNAを改変し、メチル化されているシトシンではなく、メチル化されていない全てのシトシンを、ウラシルに変換し、その後、メチル化されているDNAに特異的なプライマーと、メチル化されていないDNAに特異的なプライマーとを用いて増幅することになる。MSPは、ごく少量のDNAを必要とし、所与のCpGアイランドの遺伝子座の0.1%のメチル化されている対立遺伝子に対して感受性であり、パラフィン包埋検体から抽出したDNA上で行うことができる。MSPによって、以前のPCRに基づくアプローチにはつきものであった、間違って陽性の結果を得ることがなくなる。以前のアプローチは、異なる制限酵素による切断を利用して、メチル化されているDNAをメチル化されていないDNAと区別した。この方法は、非常に簡便であり、少量の組織または数個の細胞上で使用することができる。
患者検体のMGMTタンパク質のレベルを測定するための、本発明のこの実施形態に有用なウエスタンブロットアッセイの説明的な例が、Liらによって、米国特許第5817514号に提示されている。その全開示が、参照により本明細書に組み入れられている。また、Liらは、未変性のヒトMGMTタンパク質またはアルキル化されている活性部位を有するヒトMGMTタンパク質のいずれかに特異的に結合することができるモノクローナル抗体も記載している。患者検体のMGMTタンパク質のレベルを測定するための、本発明のこの実施形態に有用な免疫組織化学的な技法の説明的な例が、米国特許第5407804号に提示されている。その全開示が、参照により本明細書に組み入れられている。単一細胞調製物中(免疫組織化学的染色アッセイ)および細胞抽出物中(イムノアッセイ)のMGMTタンパク質に特異的に結合することができるモノクローナル抗体が開示されている。
細胞の画像のデジタル化と対にした蛍光の測定値の使用が、記載されており、これによって、患者および対照の検体中のMGMTレベルの定量的な測定が可能になる。検体としては、これに限定されないが、腫瘍の生検検体が挙げられる。MGMTタンパク質の酵素活性を測定するための有用な技法として、これらに限定されないが、Myrnesら、Carcinogenesis,5:1061−1064(1984);Futscherら、Cancer Comm.,1:65−73(1989);Kreklawら、J.Pharmacol.Exper.Ther.,297(2):524−530(2001);およびNagelら、Anal.Biochem.,321(1):38−43(2003)によって記載されている方法が挙げられる。これらの全開示が、本明細書に組み入れられている。
本発明の一様式により、患者の細胞が発現するMGMTタンパク質のレベルを、MGMTタンパク質の測定、例えば、MGMTに特異的な抗体を使用するウエスタンブロットによって評価する。MGMTレベルを決定するためのウエスタンブロットアッセイの記載については、例えば、Liらによる米国特許第5817514号(上記)を参照されたい。このレベルを、MGMTを発現することが知られている正常リンパ球が発現するレベルと比較する。
患者のMGMTタンパク質のレベルを、好ましくは、以下に示すように分類する:非常に低い=正常リンパ球が発現するMGMTの0〜30%;低い=正常リンパ球が発現するMGMTの31〜70%;中等度=71〜90%、および高い=正常リンパ球が発現するMGMTの91〜300%以上。
好ましくは、上記の方法、それに類似する方法、または当業者が同等に適切であると理解する、いずれかのその他の方法を使用して、中等度またはそれ未満のMGMTタンパク質のレベルを有するとして試験される患者、または中等度またはそれ未満のMGMTタンパク質のレベルを有するとして試験可能な患者を、本発明による「メチル化患者」と見なすものとする。したがって、これらの患者は、本発明による治療方法または医薬品によって、特に好都合に治療することができる患者の集団に属する。
したがって、正常リンパ球が発現するMGMTと比較して、中等度(=71〜90%)、好ましくは(低い=31〜70%)、およびより好ましくは非常に低い(=0〜30%)MGMTを有する患者、またはそれらを有することを示すことができる患者を、好ましくは、本発明による「メチル化患者」と、より好ましくは増加したDNAのメチル化状態を有する患者および/または少なくとも1つのMGMT遺伝子の少なくとも1つのプロモーターの部分的もしくは完全なメチル化を示す患者と見なすものとする。したがって、これらの患者は、本発明による治療方法または医薬品によって、特に好都合に治療することができる患者の集団に属する。
したがって、本発明の特に好ましい対象は、本明細書に記載する方法または使用であり、増加したDNAのメチル化状態を有する患者の治療において、当該医薬品を使用するものとする。
したがって、本発明の特に好ましい対象は、本明細書に記載する方法または使用であり、少なくとも1つのMGMT遺伝子の少なくとも1つのプロモーターの部分的または完全なメチル化を示す患者の治療において、当該医薬品を使用するものとする。
したがって、本発明の特に好ましい対象は、本明細書に記載する方法または使用であり、好ましくは正常リンパ球が発現するMGMTと比較して、中等度、好ましくは低い、より好ましくは非常に低いレベルのMGMTタンパク質を有する患者の治療において、当該医薬品を使用するものとする。
したがって、本発明の特に好ましい対象は、本明細書に記載する方法または使用であり、増加したDNAのメチル化状態を有する患者の治療において、当該医薬品を使用し、かつ当該方法は、1種または複数のアルキル化剤を投与するステップを含む。1種または複数のアルキル化剤は、好ましくは、ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン化合物、アルキルスルホン酸塩およびアルキル化作用を有するその他の化合物から選択され、好ましくは、ニトロソ尿素、好ましくはACNU、BCNUおよびCCNU、ブスルファン、メルファラン、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、カルムスチン、イホスファミドおよびロムスチン、ならびにテモゾロミドおよびアルトレタミン、またはカンプトテシンから選択される。
したがって、本発明の特に好ましい対象は、本明細書に記載する方法または使用であり、少なくとも1つのMGMT遺伝子の少なくとも1つのプロモーターの部分的または完全なメチル化を示す患者の治療において、当該医薬品を使用し、かつ当該方法は、1種または複数のアルキル化剤を投与するステップを含む。1種または複数のアルキル化剤は、好ましくは、ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン化合物、アルキルスルホン酸塩およびアルキル化作用を有するその他の化合物から選択され、好ましくは、ニトロソ尿素、好ましくはACNU、BCNUおよびCCNU、ブスルファン、メルファラン、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、カルムスチン、イホスファミドおよびロムスチン、ならびにテモゾロミドおよびアルトレタミン、またはカンプトテシンから選択される。
したがって、本発明の特に好ましい対象は、本明細書に記載する方法または使用であり、好ましくは正常リンパ球が発現するMGMTと比較して、中等度、好ましくは低い、より好ましくは非常に低いレベルのMGMTタンパク質を有する患者の治療において、当該医薬品を使用し、かつ当該方法は、1種または複数のアルキル化剤を投与するステップを含む。1種または複数のアルキル化剤は、好ましくは、ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン化合物、アルキルスルホン酸塩およびアルキル化作用を有するその他の化合物から選択され、好ましくは、ニトロソ尿素、好ましくはACNU、BCNUおよびCCNU、ブスルファン、メルファラン、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、カルムスチン、イホスファミドおよびロムスチン、ならびにテモゾロミドおよびアルトレタミン、またはカンプトテシンから選択される。
MGMTに関する上記の方法または使用の場合、この方法または使用は、好ましくは、1種または複数の特異的なインテグリンのリガンドの投与を含み、1種または複数の特異的なインテグリンのリガンドは、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)、その薬学的に許容される誘導体、溶媒和物および塩、特にシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)から選択される。
患者において、増加したDNAのメチル化状態および/または少なくとも1つのMGMT遺伝子の少なくとも1つのプロモーターの部分的もしくは完全なメチル化を示すことを評価するための方法は、当技術分野で既知である。したがって、本明細書に記載する方法または使用によって好都合に治療可能である患者を、当業者であれば容易に決定することができる。
本発明の好ましい対象は、本明細書に記載する方法または使用であり、再発性の癌の治療において、例えば、二次または次の治療環境で、当該医薬品を使用するものとする。
本発明のより好ましい対象は、本明細書に記載する方法または使用であり、再発性の癌の治療において、例えば、二次または次の治療環境で、当該医薬品を使用し、癌は、星状細胞腫、好ましくは星状細胞腫グレードII、IIIおよび/またはIVからなる、特に神経膠芽腫または多形神経膠芽腫からなる群から選択される。
本発明のさらにより好ましい対象は、本明細書に記載する方法または使用であり、新たに診断された癌の治療において、好ましくは一次の治療環境で、当該医薬品を使用するものとする。
本発明の特に好ましい対象は、本明細書に記載する方法または使用であり、新たに診断された癌の治療において、好ましくは一次の治療環境で、当該医薬品を使用し、癌は、星状細胞腫、好ましくは星状細胞腫グレードII、IIIおよび/またはIVからなる、特に神経膠芽腫または多形神経膠芽腫からなる群から選択される。
実施例
以下の実施例を、例示によって、当業者による本発明のさらなる理解を助けることをねらって提供する。実施例によって、特許請求の範囲によって与えられる保護の範囲を制限する意図はない。化合物に関して例示する特色、特性および利点、ならびに実施例中で定義する使用を、実施例中で特異的には記載および/または定義されないが、特許請求の範囲が定義する範囲に収まる、その他の化合物および使用に当てがうことができる。
実施例1:ラット同所性神経膠芽腫モデルの放射線療法、Cilengitide(=シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val))投与実験
NIH rnuヌードラットに麻酔を施し、これを拘束し、以前の記載(Engebraatenら、1999)に基本的に従い、10μlの培地中に懸濁した、5×10E5 U251ヒト神経膠芽腫細胞を、26ゲージ針をはめた2701番のHamilton製のシリンジを使用して、脳内に、後眼窩1mm、十字縫合の右3mmおよび深さ2.5mmで注入する。14日後、25Gyの中心軸用量の95〜100%が腫瘍体積に当たるように、6MVのX線の背腹への単一平行照射を用いた単回治療の前に、種々の時点(8h、4h、2h、1h)で、PBS中のcilengitide(4mg/kg)を、腹腔内へ急速投与する(Kimら、1999)。その後の7日間も、毎日、ラットに、cilengitideを、同一のi.p.急速投与で与える。ラットは瀕死状態になるまで、自由に食餌および水を摂取させて飼育するか、(腫瘍注入後230日を過ぎてもラットが健常である場合、t−4群およびt−8群において)ラットから組織分析のために試料採取する。生データ(表1)から、カプラン−マイヤーの生存曲線を計算し、プロットした(図1)(表1)。RT単独療法群の全ラットが、120dまでに死亡した。
参考文献リスト:
Engebraaten,O.,Hjortland,G.O.,Hirschberg,H.およびFodstad,O.(1999).
Growth of precultured human glioma specimens in nude rat brain.J.Neurosurg.90, 125−132.
Kim,J.H.,Khil,M.S.,Kolozsvary,A.,Gutierrez,J.A.およびBrown,S.L.(1999).
Fractionated radiosurgery for 9L gliosarcoma in the rat brain.Int.J.Radiat.Oncol.Biol.Phys.45,1035−1040.
結果を、下記の表1および図1に示す。
Figure 2013049710
病的=瀕死状態となり、研究から除外した
健常=表示する日に、組織を得るために試料採取したが、この時点では生存したことを示す
生存=表示の時点で、生存した
照射までの時間=4mg/kgのcilengitideを投与した時点
Rt=25Gyの放射線療法
EMD=4mg/kgのcilengitideの急速投与
年月日を、終了した日の列は、米国式で、照射した日の列は、欧州式で表記している。
実施例2:再発性神経膠芽腫患者におけるCilengitide(=シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val))単剤療法の第IIa相治験
背景:この第IIa相研究を、インテグリンavβ3およびavβ5の阻害剤である環状RGDペンタペプチドcilengitide((=シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val))の安全性、毒性および臨床活性を、再発性神経膠芽腫(GBM)患者(pts)において、500および2000mgで投与する単剤として、評価するために設計した。
方法:この研究は、多施設、非盲検、無作為、非対照であり、この研究では、GBMであり、テモゾロミドおよび放射線療法を用いた以前の療法後に再発している測定可能な疾患を有するptsを、無作為化して、cilengitideを、500mgまたは2000mgのいずれかの用量で、2回/週、進行するまで、i.v.投与した。組織病理学診断およびMRI画像を、独立に盲検的に検査した。一次エンドポイントは、6カ月(mths)における無進行生存であった。二次エンドポイントは、応答、生存、疾患の進行までの時間、安全性、耐容性および薬物動態を含んだ。
結果:実数;15施設、81pts(カルノフスキー−パフォーマンス−ステータス中央値、80%;年齢の中央値、57歳)。cilengitideを、41ptsに500mgおよび40ptsに2000mg、2回/週、i.v.投与した。予後因子の明らかな不均衡を認めることはなかった。注入回数の中央値;16[範囲、4〜179]。治療に関連するNCI CTCグレード3有害事象(AE)として、肝臓の酵素の上昇(500mgで)、関節痛/筋肉痛(500mgで)および体重増加/浮腫(2000mgで)が、各一例含まれた。グレード4の治療に関連するAEは、研究者から報告されなかった。CTCグレード2の脳出血が一例報告され、これは、薬物または疾患のいずれかに関連すると思われた。6mthsにおけるPFS率は、16.1%(n=13/81pts)であった。これらのptsのうちの10例(12.3%、500mgでn=4、2000mgでn=6)が、12サイクル以上の治療を受けた(1サイクル=4週)。6pts(7.4%)が、本抄録の発行時でも依然として無進行であり、治療が続けられていた。500mg群では、全生存の中央値(mOS)は、6.5mths[95%CI:5.2〜9.3カ月]であり、12mthでの全生存(OS)率は、24.4%であった。2000mg群では、mOSは、9.9mths[95%CI:6.3〜15.7カ月]であり、12mthでのOS率は、37.5%であった。統計的には有意でないが、2回/週、2000mgを投与したptsにおいて、より良好な腫瘍の制御が得られる傾向にあった。
結論:Cilengitideは、単剤療法において、2種の用量レベルで良好な耐容性を示した。Cilengitideは、再発性神経膠芽腫において、好都合な単剤での活性を示し、ptsのサブセットでは、長期にわたる疾患の安定化を得た。
実施例3:新たに診断された神経膠芽腫(GBM)患者における、放射線療法を併用した、Cilengitide(=シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val))およびテモゾロミドの第I/IIa相治験、それに続く、テモゾロミドおよびCilengitideによる維持療法
目的:標準的なテモゾロミド(TMZ)および放射線療法(RT)に加えて、インテグリンavβ3およびavβ5の阻害剤である環状RGDペンタペプチドCilengitide(=シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val))を併用した場合の安全性、毒性および効力を評価する。
患者および方法:生検(n=9/17%)後または腫瘍切除(n=43/83%)後の52pts(PS 0〜1:92%、2:8%、年齢の中央値、57歳)を、標準的なTMZ/RT(Stuppら、NEJM 2005)を用いて治療した。その上、Cilengitide(500mg i.v.、2回/週)を、TMZ/RTの1週間前に開始し、化学療法を続ける間または進行するまで投与した。一次エンドポイントは、6カ月における無進行生存率であった(目標:65%)。患者を、2カ月に1回、MRIを用いて追跡した。組織病理学診断およびMRI画像を、独立に検査し、45(86.5%)ptsにおいては、MGMTプロモーターのメチル化状態を評価した。
結果:46pts(92%)が、RTを完了し、42ptsが、≧90%の併用TMZを投与され、45ptsが、≧90%の併用cilengitideを投与された。20pts(3例は進行中)が6サイクルの維持TMZおよびcilengitideを完了した。グレード3および4の血液学的毒性を観察した:リンパ球減少(28/52、53.8%)、血小板減少(7/52pt.13.4%)、および好中球減少(5/52、9.6%)。治療に関連するグレード3の非血液学的な毒性が、n=3/52(5.7%)例の患者について報告された:体質的な症状(喘息、疲労、食欲不振、n=3)、肝機能検査の上昇(n=1)、深部静脈血栓症および肺塞栓症(n=1)。S状憩室症の病歴を有する患者一例が、S状穿孔(グレード2)を経験した。合計で、34/52(65.4%[95%CI、50.9〜78.0%])の患者が、6カ月間、無進行生存した。腫瘍中にO−メチルグアニン−DNAメチルトランスフェラーゼ(MGMT)遺伝子−プロモーターのメチル化を有するptsは、6カ月のPFSエンドポイントに到達する可能性がより高かった。合計で、34/52(65.4%[95%CI、50.9〜78.0%])のptsが、6カ月間、無進行生存した。全体的な結果に対して、主要な貢献が、患者のサブグループ(MGMTプロモーターがメチル化されており、DNA修復酵素であるMGMTのサイレンシングが起きている、23/52の対象)によってもたらされた。これらの患者は、歴史的対照と比較すると、PFS−6の率の強力な増加を示した(91%対69%)。他方の主要なサブグループ(22/52、メチル化されていないMGMTプロモーター)は、歴史的対照とは、この点については、より小さな差しか示さなかった(40.9%対40%)。これらの患者は、メチル化されているMGMTプロモーターを有するサブグループと比較して、より高い用量のCilengitideによって顕著に改善される可能性が高い。全体として、研究は、一次エンドポイントを達成した(PFS−6=65.4%)。
結論:本研究は、一次エンドポイントを達成した。インテグリンの阻害剤であるRGDペプチドCilengitideと、TMZ/RTとの併用は、良好な耐容性を示し、非常に好都合な6カ月でのPFSを得た。MGMT遺伝子のプロモーターがメチル化されていると、予後がさらにより良好である。

Claims (25)

  1. 癌を治療するための併用療法としての、時間を決めておよび組み合せて使用する医薬品の製造方法であって、前記医薬品は、好ましくは2種の別々の治療形態で、
    a)少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドを含有する組成物と、
    b)a)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤と
    を含み、
    b)の適用前、1から8時間(h)、好ましくは2から6h、最も好ましくは2から4hに、a)を投与する方法。
  2. 少なくとも1種のインテグリンのリガンドが、αインテグリン阻害剤、好ましくはαβ阻害剤、最も好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. a)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種の癌組合せ治療剤が、化学療法剤、細胞傷害剤、免疫毒性剤および/または放射線療法からなる群から選択される、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  4. a)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種の癌組合せ治療剤が、組成物の形態で提示される、化学療法剤、細胞傷害剤、免疫調節剤および/または免疫毒性剤からなる群から選択される、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  5. a)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤が、放射線療法である、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  6. 癌を治療するための方法であって、治療を必要とする対象を、治療有効量の少なくとも1種のインテグリンのリガンドa)と、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドa)とは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤b)とを用いて治療し、b)の適用前、1から8時間(h)、好ましくは2から6h、最も好ましくは2から4hに、a)を投与することを特徴とする方法。
  7. 少なくとも1種のインテグリンのリガンドが、αインテグリン阻害剤、好ましくはαβ阻害剤、最も好ましくはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
  8. a)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種の癌組合せ治療剤が、化学療法剤、細胞傷害剤、免疫毒性剤および/または放射線療法からなる群から選択される、請求項6または7に記載の方法。
  9. a)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種の癌組合せ治療剤が、薬学的組成物の形態である、化学療法剤、細胞傷害剤および/または免疫毒性剤からなる群から選択される、請求項6、7および8のいずれかに記載の方法。
  10. a)の少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種のさらなる癌組合せ治療剤が、放射線療法である、請求項6、7、8および9のいずれかに記載の方法。
  11. 少なくとも1種のインテグリンのリガンドa)と、前記インテグリンのリガンドとは異なる、少なくとも1種の癌組合せ治療剤b)との使用であって、前記使用を必要とする対象における癌の治療に用い、b)の適用前、1から8時間(h)、好ましくは2から6h、最も好ましくは2から4hに、a)を投与する使用。
  12. 癌を治療するための医薬品の製造のための、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)、その薬学的に許容される誘導体、溶媒和物および/または塩を含む、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドの使用であって、前記医薬品を、放射線療法、好ましくは体外照射放射線と併用し、放射線療法の適用前、1から10時間(h)、好ましくは1から6h、より好ましくは2から8h、さらにより好ましくは3から8h、さらにより好ましくは3から6h、特に4から8hに、少なくとも特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)、その薬学的に許容される誘導体、溶媒和物および/または塩を投与する使用。
  13. 原発性脳腫瘍を治療するための医薬品の製造のための、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)、その薬学的に許容される誘導体、溶媒和物および/または塩を含む、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドの使用であって、前記医薬品を、放射線療法、好ましくは体外照射放射線と併用し、少なくとも特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)、その薬学的に許容される誘導体、溶媒和物および/または塩を、1週あたり約1000mgまたは1週あたり約4000mgの量で患者に投与する使用。
  14. 腫瘍を治療するための医薬品の製造のための、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)、その薬学的に許容される誘導体、溶媒和物および/または塩を含む、少なくとも1種の特異的なインテグリンのリガンドの使用であって、前記医薬品を、テモゾロミドおよび/または放射線療法、好ましくは体外照射放射線と併用し、少なくとも特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)、その薬学的に許容される誘導体、溶媒和物および/または塩を、1週あたり800mgから7000mgの量で患者に投与する使用。
  15. シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を、1週あたり約1000mg、1週あたり約1500mg、1週あたり約2500mg、1週あたり約4000mg、または1週あたり約6000mgの量で患者に投与する、請求項12から14の一項に記載の使用。
  16. 1週あたり約1000mgまたは1週あたり約4000mgの量を、週に2回の投与計画で投与する、および1週あたり約1500mgまたは1週あたり約6000mgの量を、週に3回の投与計画で投与する、請求項13または15に記載の使用。
  17. 1週あたり約1000mgの量を、1回あたり約500mgからなる、週に2回の投与計画で投与する、または1週あたり約4000mgの量を、1回あたり約2000mgの週に2回の投与計画で投与する、請求項13、15または16に記載の使用。
  18. 放射線療法の適用前、1.5から20時間(h)、好ましくは2から16h、より好ましくは2から12h、さらにより好ましくは2から10h、さらにより好ましくは3から10h、特に2から8hに、少なくとも特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)、その薬学的に許容される誘導体、溶媒和物および/または塩を投与する、請求項13から17の一項に記載の使用。
  19. 放射線療法の適用前、1から10時間(h)、好ましくは1から6h、より好ましくは2から8h、さらにより好ましくは3から8h、さらにより好ましくは3から6h、特に4から8hに、少なくとも特異的なインテグリンのリガンドであるシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMe−Val)、その薬学的に許容される誘導体、溶媒和物および/または塩を投与する、請求項13から17の一項に記載の使用。
  20. 癌が、脳内癌、頭頚部癌、直腸癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、多形神経膠芽腫、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、乳癌、転移性メラノーマ、転移性アンドロゲン非依存性前立腺癌、転移性アンドロゲン依存性前立腺癌、およびそれらの脳への転移から選択される、請求項1から12および/または請求項14から19の一項に記載の方法または使用。
  21. 放射線療法以外の少なくとも1種の癌組合せ治療剤を適用し、前記少なくとも1種の組合せ癌治療剤が、好ましくは、化学療法剤、細胞傷害剤および/または免疫毒性剤から選択され、より好ましくは、テモゾロミド、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、5−FU、ダカルバジン、プロカルバジン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、イリノテカン、タキソール、パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビン、グリベック、イレッサ、タルセバおよびネクサバール、ハーセプチン、ベバシズマブ、セツキシマブ、ニモツズマブ、ソラフェニブ、スニチニブおよびZD6474(ZACTIMA(商標))から選択され、さらにより好ましくはテモゾロミド、シスプラチン、オキサリプラチン、ビンブラスチン、タキソール、ゲムシタビン、グリベックおよびイレッサから選択される、請求項1から20の一項に記載の方法または使用。
  22. 追加的に、さらなる癌組合せ治療剤を適用し、前記さらなる癌組合せ治療剤が、好ましくは、化学療法剤、細胞傷害剤および/または免疫毒性剤から選択され、より好ましくは、テモゾロミド、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、5−FU、ダカルバジン、プロカルバジン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、イリノテカン、タキソール、パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビン、グリベック、イレッサ、タルセバおよびネクサバール、ならびにハーセプチン、ベバシズマブ、セツキシマブ、ニモツズマブ、ソラフェニブ、スニチニブおよびZD6474(ZACTIMA(商標))から選択され、さらにより好ましくはテモゾロミド、シスプラチン、オキサリプラチン、ビンブラスチン、タキソール、ゲムシタビン、グリベックおよびイレッサから選択される、請求項1から21の一項に記載の方法または使用。
  23. 医薬品が、増加したDNAのメチル化状態を有する患者の治療において使用される、請求項1から22の一項に記載の方法または使用。
  24. 医薬品が、少なくとも1つのMGMT遺伝子の少なくとも1つのプロモーターの部分的または完全なメチル化を示す患者の治療において使用される、請求項1から22の一項に記載の方法または使用。
  25. 医薬品が、新たに診断された癌の治療において、好ましくは一次の治療環境で使用される、請求項1から24の一項に記載の方法または使用。
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