JP2013049257A - 発光部品、プリントヘッドおよび画像形成装置 - Google Patents

発光部品、プリントヘッドおよび画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の発光素子が列状に配列された発光素子アレイのそれぞれの発光素子にレンズを設けることにより、発光素子から取り出される光量の差を抑制した発光部品等を提供することを目的とする。
【解決手段】発光チップCは、基板80上に列状に配置された複数の発光サイリスタL1〜L128と、それぞれの発光サイリスタLの光を出射する発光面311に対向してそれぞれ設けられ、発光サイリスタLが出射する光を集光するとともに、それぞれの発光サイリスタLに発光のための電流が供給される配線のφI端子からの抵抗値に対応して、光量を増加させる割合が設定された複数のレンズ90を備えている。
【選択図】図7

Description

本発明は、発光部品、プリントヘッドおよび画像形成装置に関する。
発光部品において、発光素子の発光面から出射した光を予め定められた方向に集光して、光を効率よく取り出すために、発光面に対応するようにレンズ(マイクロレンズまたはマイクロビーズ)を設けることが行われている。
特許文献1には、半導体基板上に発光部領域を有する発光素子と、前記発光部領域を覆う反射防止膜と、前記発光素子上の前記反射防止膜表面に設けられたレンズと、を備えるレンズ付き発光素子を複数個、直線状に配列したレンズ付き発光素子アレイが記載されている。
特許文献2には、少なくとも二種類の異なる発光色のLEDチップを一体のハウジング内に収納し、夫々の前記LEDチップを個別に制御することで任意の混合色を得る多色LEDランプにおいて、夫々の前記LEDチップの前面には夫々のLEDチップ毎に独立するレンズを設けると共に、夫々の前記LEDチップの発光効率に応じて前記レンズの口径及び焦点距離が調整されている多色LEDランプが記載されている。
特開2005−311269号公報 特開平6−177425号公報
本発明は、複数の発光素子が列状に配列された発光素子アレイのそれぞれの発光素子にレンズを設けることにより、発光素子から取り出される光量の差を抑制した発光部品等を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、基板上に列状に配置された複数の発光素子と、前記複数の発光素子のそれぞれの発光素子上に当該発光素子の光を出射する発光面に対向してそれぞれ設けられ、当該発光素子が出射する光を集光するとともに、当該発光素子に発光のための電流が供給される配線の給電点からの抵抗値に対応して、光量を増加させる割合が設定された複数のレンズとを備える発光部品である。
請求項2に記載の発明は、前記光量を増加させる割合は、前記配線の前記給電点からの抵抗値が大きい場合に、当該抵抗値が小さい場合に比べ、大きく設定されることを特徴とする請求項1に記載の発光部品である。
請求項3に記載の発明は、前記レンズは、前記発光素子上に設けられた集光作用を有しない台座部と、当該台座部上に設けられた集光作用を有するレンズ部とを備え、前記光量を増加させる割合は、前記発光素子から前記台座部と前記レンズ部との境界までの高さによって設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の発光部品である。
請求項4に記載の発明は、前記複数の発光素子が複数の発光素子群に分けられ、当該複数の発光素子群のそれぞれの発光素子群毎に、当該発光素子群に含まれるそれぞれの発光素子において、当該発光素子から前記台座部と前記レンズ部との境界までの高さが設定されることを特徴とする請求項3に記載の発光部品である。
請求項5に記載の発明は、前記複数の発光素子は、自己走査型発光素子アレイが備える複数の発光サイリスタであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の発光部品である。
請求項6に記載の発明は、基板上に列状に配置された複数の発光素子と、当該複数の発光素子のそれぞれの発光素子上に当該発光素子の光を出射する発光面に対向してそれぞれ設けられ、当該発光素子が出射する光を集光するとともに、当該発光素子に発光のための電流が供給される配線の給電点からの抵抗値に対応して、光量を増加させる割合が設定された複数のレンズとを備える発光手段と、前記発光手段から照射される光を結像させる光学手段とを備えたプリントヘッドである。
請求項7に記載の発明は、像保持体と、前記像保持体を帯電する帯電手段と、基板上に列状に配置された複数の発光素子と、当該複数の発光素子のそれぞれの発光素子上に当該発光素子の光を出射する発光面に対向してそれぞれ設けられ、当該発光素子が出射する光を集光するとともに、当該発光素子に発光のための電流が供給される配線の給電点からの抵抗値に対応して、光量を増加させる割合が設定された複数のレンズとを備え、光学手段を介して前記像保持体を露光する露光手段と、前記露光手段により露光され前記像保持体に形成された静電潜像を現像する現像手段と、前記像保持体に現像された画像を被転写体に転写する転写手段とを備えた画像形成装置である。
請求項1の発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、発光素子間において取り出される光量の差が抑制できる。
請求項2の発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、発光素子間において取り出される光量の差がより抑制できる。
請求項3の発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、より容易にレンズの設定ができる。
請求項4の発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、より容易にレンズの形成ができる。
請求項5の発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、発光部品をより小型化できる。
請求項6の発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、プリントヘッドの光利用効率がより向上する。
請求項7の発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、画像形成における消費電力をより低減できる。
第1の実施の形態が適用される画像形成装置の全体構成の一例を示した図である。 プリントヘッドの構成を示した断面図である。 発光装置の上面図である。 発光チップの構成、発光装置の信号発生回路の構成および回路基板上の配線(ライン)の構成を示した図である。 第1の実施の形態における1個の自己走査型発光素子アレイ(SLED)が搭載された発光チップの回路構成を説明するための等価回路図である。 第1の実施の形態が適用される発光チップの平面レイアウト図および断面図である。 第1の実施の形態における発光サイリスタ上に設けられたレンズ(台座部およびレンズ部)を説明する図である。 第1の実施の形態における発光チップのレンズ(台座部およびレンズ部)を形成する方法を説明する断面図である。 発光装置および発光チップの動作を説明するためのタイミングチャートである。 第1の実施の形態の発光チップにおける発光サイリスタの光量を説明する図である。 レンズを設けた発光サイリスタにおいて、発光面からレンズの頂点までの高さによる光量の変化の一例を示す図である。 発光サイリスタの光量が発光面からレンズの頂点までの高さによって変化することを説明する模式図である。 台座部を傾斜して設けた場合を説明する図である。 レンズの他の形状の例を説明する図である。 第2の実施の形態における発光チップの構成、発光装置の信号発生回路の構成および回路基板上の配線(ライン)の構成を示した図である。 第2の実施の形態における2個の自己走査型発光素子アレイ(SLED)が搭載された発光チップの回路構成を説明するための等価回路図である。 第2の実施の形態における発光サイリスタ上に設けられたレンズ(台座部およびレンズ部)を説明する図である。 第2の実施の形態の発光チップにおける発光サイリスタの光量を説明する図である。
電子写真方式を採用した、プリンタや複写機、ファクシミリ等の画像形成装置では、帯電された感光体上に、画像情報を光記録手段により照射することにより静電潜像を得た後、この静電潜像にトナーを付加して可視化し、記録紙上に転写して定着することによって画像形成が行われる。かかる光記録手段として、レーザを用い、主走査方向にレーザ光を走査させて露光する光走査方式の他、近年では、装置の小型化の要請を受けて発光素子としての発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を主走査方向に複数、配列して発光素子アレイとしたLEDプリントヘッド(LPH:LED Print Head)を用いた記録装置が採用されている。
また、基板上に複数の発光素子が列状に設けられた発光素子アレイにおいて、点灯のための電流を供給する配線が発光素子の列に沿って設けられると、一端部に設けられた電流供給点(端子)とそれぞれの発光素子までの距離が異なるため、配線の抵抗(値)が異なることになる。このため、発光素子に流れる電流に差が生じ、発光素子が出射する光の量に差が生じる。発光素子間において出射する光の量に差があると、形成される画質が劣化する。
よって、画像を形成するために発光素子から取り出される光量の差を抑制することが求められている。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
(画像形成装置1)
図1は第1の実施の形態が適用される画像形成装置1の全体構成の一例を示した図である。図1に示す画像形成装置1は、一般にタンデム型と呼ばれる画像形成装置である。この画像形成装置1は、各色の画像データに対応して画像形成を行なう画像形成プロセス部10、画像形成プロセス部10を制御する画像出力制御部30、例えばパーソナルコンピュータ(PC)2や画像読取装置3に接続され、これらから受信された画像データに対して予め定められた画像処理を施す画像処理部40を備えている。
画像形成プロセス部10は、予め定められた間隔を置いて並列に配置される複数のエンジンを含む画像形成ユニット11を備えている。この画像形成ユニット11は、4つの画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kから構成されている。画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kは、それぞれ、静電潜像を形成してトナー像を保持する像保持体の一例としての感光体ドラム12、感光体ドラム12の表面を予め定められた電位で帯電する帯電手段の一例としての帯電器13、帯電器13によって帯電された感光体ドラム12を露光するプリントヘッド14、プリントヘッド14によって得られた静電潜像を現像する現像手段の一例としての現像器15を備えている。画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kは、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。
また、画像形成プロセス部10は、各画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kの感光体ドラム12にて形成された各色のトナー像を被転写体の一例としての記録用紙25に多重転写させるために、この記録用紙25を搬送する用紙搬送ベルト21と、用紙搬送ベルト21を駆動させるロールである駆動ロール22と、感光体ドラム12のトナー像を記録用紙25に転写させる転写手段の一例としての転写ロール23と、記録用紙25にトナー像を定着させる定着器24とを備えている。
この画像形成装置1において、画像形成プロセス部10は、画像出力制御部30から供給される各種の制御信号に基づいて画像形成動作を行う。そして、画像出力制御部30による制御の下で、パーソナルコンピュータ(PC)2や画像読取装置3から受信された画像データは、画像処理部40によって画像処理が施され、画像形成ユニット11に供給される。そして、例えば黒(K)色の画像形成ユニット11Kでは、感光体ドラム12が矢印A方向に回転しながら、帯電器13により予め定められた電位に帯電され、画像処理部40から供給された画像データに基づいて発光するプリントヘッド14により露光される。これにより、感光体ドラム12上には、黒(K)色画像に関する静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム12上に形成された静電潜像は現像器15により現像され、感光体ドラム12上には黒(K)色のトナー像が形成される。画像形成ユニット11Y、11M、11Cにおいても、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色トナー像が形成される。
各画像形成ユニット11で形成された感光体ドラム12上の各色トナー像は、矢印B方向に移動する用紙搬送ベルト21の移動に伴って供給された記録用紙25に、転写ロール23に印加された転写電界により、順次静電転写され、記録用紙25上に各色トナーが重畳された合成トナー像が形成される。
その後、合成トナー像が静電転写された記録用紙25は、定着器24まで搬送される。定着器24に搬送された記録用紙25上の合成トナー像は、定着器24によって熱および圧力による定着処理を受けて記録用紙25上に定着され、画像形成装置1から排出される。
(プリントヘッド14)
図2は、プリントヘッド14の構成を示した断面図である。露光手段の一例としてのプリントヘッド14は、ハウジング61、感光体ドラム12を露光する複数の発光素子(本実施の形態では、発光素子の一例としての発光サイリスタ)を備える光源部63を備えた発光手段の一例としての発光装置65、光源部63から出射された光を感光体ドラム12表面に結像させる光学手段の一例としてのロッドレンズアレイ64を備えている。
発光装置65は、前述した光源部63、光源部63を駆動する信号発生回路110(後述の図3参照)等を搭載する回路基板62を備えている。
ハウジング61は、例えば金属で形成され、回路基板62およびロッドレンズアレイ64を支持し、光源部63の発光素子の発光面がロッドレンズアレイ64の焦点面となるように設定されている。また、ロッドレンズアレイ64は、感光体ドラム12の軸方向(主走査方向であって、後述する図3、図4(b)のX方向)に沿って配置されている。
(発光装置65)
図3は、発光装置65の上面図である。
図3に例として示す発光装置65では、光源部63は、回路基板62上に、40個の発光部品の一例としての発光チップC1〜C40が、主走査方向であるX方向に二列に千鳥状に配置して構成されている。
本明細書では、「〜」は、番号によってそれぞれが区別された複数の構成要素を示すもので、「〜」の前後に記載されたものおよびその間の番号のものを含むことを意味する。例えば、発光チップC1〜C40は、発光チップC1から番号順に発光チップC40までを含む。
発光チップC1〜C40の構成は同じであってよい。よって、発光チップC1〜C40をそれぞれ区別しないときは、発光チップCと呼ぶ。
なお、本実施の形態では、発光チップCの数として、合計40個を用いたが、これに限定されない。
そして、発光装置65は、光源部63を駆動する信号発生回路110を搭載している。信号発生回路110は、例えば集積回路(IC)などで構成されている。なお、発光装置65が信号発生回路110を搭載していなくともよい。このときは、信号発生回路110は、発光装置65の外部に設けられ、発光チップC1〜C40を制御する制御信号などを、ケーブルなどを介して供給する。ここでは、発光装置65は信号発生回路110を備えているとして説明する。
発光チップC1〜C40の配列についての詳細は後述する。
図4は、発光チップCの構成、発光装置65の信号発生回路110の構成および回路基板62上の配線(ライン)の構成を示した図である。図4(a)は発光チップCの構成を示し、図4(b)は発光装置65の信号発生回路110の構成および回路基板62上の配線(ライン)の構成を示している。
はじめに、図4(a)に示す発光チップCの構成を説明する。
発光チップCは、表面形状が矩形である基板80の表面において、長辺の一辺に近い側に長辺に沿って列状に設けられた複数の発光素子(本実施の形態では発光サイリスタL1、L2、L3、…)から構成される発光部102を備えている。さらに、発光チップCは、基板80の表面の長辺方向の両端部に、各種の制御信号等を取り込むための複数のボンディングパッドである端子(φ1端子、φ2端子、Vga端子、φI端子)を備えている。なお、これらの端子は、基板80の一端部からφI端子、φ1端子の順に設けられ、基板80の他端部からVga端子、φ2端子の順に設けられている。そして、発光部102は、φ1端子とφ2端子との間に設けられている。さらに、基板80の裏面にはVsub端子として裏面電極85(後述する図6参照)が設けられている。
なお、「列状」とは、図4(a)に示したように複数の発光素子が一直線上に配置されている場合に限らず、複数の発光素子のそれぞれの発光素子が、列方向と直交する方向に対して、互いに異なるずれ量を有して配置されている状態でもよい。例えば、発光素子の発光面311(後述する図6参照)を画素としたとき、それぞれの発光素子が、列方向と直交する方向に数画素分または数十画素分のずれ量をもって配置されていてもよい。また、隣接する発光素子間で交互に、または複数の発光素子毎に、ジグザグに配置されていてもよい。
次に、図4(b)により、発光装置65の信号発生回路110の構成および回路基板62上の配線(ライン)の構成を説明する。
前述したように、発光装置65の回路基板62には、信号発生回路110および発光チップC1〜C40が搭載され、信号発生回路110と発光チップC1〜C40とを接続する配線(ライン)が設けられている。
まず、信号発生回路110の構成について説明する。
信号発生回路110には、画像出力制御部30および画像処理部40(図1参照)より、画像処理された画像データおよび各種の制御信号が入力される。信号発生回路110は、これらの画像データおよび各種の制御信号に基づいて、画像データの並び替えや光量の補正等を行う。
そして、信号発生回路110は、各種の制御信号に基づき、発光チップC1〜C40に、第1転送信号φ1、第2転送信号φ2を送信する転送信号発生部120を備えている。
そしてまた、信号発生回路110は、各種の制御信号に基づき、発光チップC1〜C40に、点灯信号φI1〜φI40をそれぞれ送信する点灯信号発生部140を備えている。なお、点灯信号φI1〜φI40をそれぞれ区別しないときは点灯信号φIと表記する。
さらにまた、信号発生回路110は、発光チップC1〜C40に電位の基準となる基準電位Vsubを供給する基準電位供給部160、発光チップC1〜C40の駆動のための電源電位Vgaを供給する電源電位供給部170を備えている。
次に、発光チップC1〜C40の配列について説明する。
奇数番号の発光チップC1、C3、C5、…は、それぞれの基板80の長辺方向に間隔を設けて一列に配列されている。偶数番号の発光チップC2、C4、C6、…も、同様にそれぞれの基板80の長辺の方向に間隔を設けて一列に配列されている。そして、奇数番号の発光チップC1、C3、C5、…と偶数番号の発光チップC2、C4、C6、…とは、発光チップCに設けられた発光部102側の長辺が向かい合うように、互いに180°回転した状態で千鳥状に配列されている。そして、発光チップC間においても発光素子が主走査方向(X方向)に予め定められた間隔で並ぶように位置が設定されている。なお、図4(b)の発光チップC1、C2、C3、…に、図4(a)に示した発光部102の発光素子の並び(本実施の形態では発光サイリスタL1、L2、L3、…の番号順)の方向を矢印で示している。
信号発生回路110と発光チップC1〜C40とを接続する配線(ライン)について説明する。
回路基板62には、発光チップCの基板80裏面に設けられたVsub端子である裏面電極85(後述の図6参照)に設けられたVsub端子に接続され、基準電位Vsubを供給する電源ライン200aが設けられている。
そして、回路基板62には、発光チップCに設けられたVga端子に接続され、駆動のための電源電位Vgaを供給する電源ライン200bが設けられている。
回路基板62には、信号発生回路110の転送信号発生部120から、発光チップC1〜C40のφ1端子に第1転送信号φ1を送信するための第1転送信号ライン201、発光チップC1〜C40のφ2端子に第2転送信号φ2を送信するための第2転送信号ライン202が設けられている。第1転送信号φ1、第2転送信号φ2は、発光チップC1〜C40に共通(並列)に送信される。
そしてまた、回路基板62には、信号発生回路110の点灯信号発生部140から、各発光チップC1〜C40のそれぞれのφI端子に、それぞれ電流制限抵抗RIを介して、点灯信号φI1〜φI40を送信する点灯信号ライン204−1〜204−40が設けられている。
以上説明したように、回路基板62上のすべての発光チップC1〜C40に、基準電位Vsub、電源電位Vgaが共通に供給される。第1転送信号φ1、第2転送信号φ2も、発光チップC1〜C40に共通(並列)に送信される。一方、点灯信号φI1〜φI40は、発光チップC1〜C40にそれぞれ個別に送信される。
なお、発光装置65が、信号発生回路110を備えない場合には、発光装置65には、電源ライン200a、200b、第1転送信号ライン201、第2転送信号ライン202、点灯信号ライン204−1〜204−40は、信号発生回路110の代わりにコネクタなどに接続される。そして、コネクタなどに接続されるケーブルにより外部に設けられた信号発生回路110に接続される。
(発光チップC)
図5は、第1の実施の形態における1個の自己走査型発光素子アレイ(SLED)が搭載された発光チップCの回路構成を説明するための等価回路図である。以下において説明する各素子は、端子(φ1端子、φ2端子、Vga端子、φI端子)を除き、発光チップC上のレイアウト(後述する図6参照)に基づいて配置されている。なお、端子(φ1端子、φ2端子、Vga端子、φI端子)の位置は、図4(a)と異なるが、信号発生回路110との接続の関係の説明のため、図中左端に示している。そして、基板80の裏面に設けられたVsub端子を、基板80の外に引き出して示している。
ここでは、信号発生回路110との関係において発光チップC1を例に、発光チップCを説明する。そこで、図5において、発光チップCを発光チップC1(C)と表記する。他の発光チップC2〜C40の構成は、発光チップC1と同じである。
発光チップC1(C)は、前述したように基板80上に列状に配列された発光サイリスタL1、L2、L3、…から構成される発光サイリスタ列(発光部102(図4(a)参照))を備えている。
そして、発光チップC1(C)は、発光サイリスタ列と同様に列状に配列された転送サイリスタT1、T2、T3、…から構成される転送サイリスタ列を備えている。
また、発光チップC1(C)は、転送サイリスタT1、T2、T3、…をそれぞれ番号順に2つをペアにして、それぞれのペアの間に結合ダイオードDx1、Dx2、Dx3、…を備えている。
さらに、発光チップC1(C)は、電源線抵抗Rgx1、Rgx2、Rgx3、…を備えている。
また、発光チップC1(C)は、1個のスタートダイオードDx0を備えている。そして、後述する第1転送信号φ1が送信される第1転送信号線72と第2転送信号φ2が送信される第2転送信号線73とに過剰な電流が流れるのを防止するために設けられた電流制限抵抗R1、R2を備えている。
発光サイリスタ列の発光サイリスタL1、L2、L3、…、転送サイリスタ列の転送サイリスタT1、T2、T3、…は、図5中において、左側から番号順に配列されている。さらに、結合ダイオードDx1、Dx2、Dx3、…、電源線抵抗Rgx1、Rgx2、Rgx3、…も、図中左側から番号順に配列されている。
そして、発光サイリスタ列、転送サイリスタ列は、図5において上から、転送サイリスタ列、発光サイリスタ列の順に並べられている。
ここでは、発光サイリスタL1、L2、L3、…、転送サイリスタT1、T2、T3、…、結合ダイオードDx1、Dx2、Dx3、…、電源線抵抗Rgx1、Rgx2、Rgx3、…をそれぞれ区別しないときは、発光サイリスタL、転送サイリスタT、結合ダイオードDx、電源線抵抗Rgxと表記する。
本実施の形態では、発光サイリスタ列における発光サイリスタLの数、転送サイリスタ列における転送サイリスタTの数、電源線抵抗Rgxの数はそれぞれ128個とした。すなわち、発光サイリスタL1、L2、…、L128、転送サイリスタT1、T2、…、T128、電源線抵抗Rgx1、Rgx2、…、Rgx128である。しかし、結合ダイオードDxの数は、転送サイリスタTの数より1少ない127個である。すなわち、結合ダイオードDx1、Dx2、…、Dx127である。
なお、発光サイリスタLなどの数は、上記に限らず、予め定められた個数とすればよい。
そして、転送サイリスタTの数は、発光サイリスタLの数より多くてもよい。
上記のサイリスタ(発光サイリスタL、転送サイリスタT)は、ゲート端子、アノード端子、カソード端子の3端子を有する半導体素子である。
では次に、発光チップC1(C)における各素子の電気的な接続について説明する。
転送サイリスタT、発光サイリスタLのそれぞれのアノード端子は、発光チップC1(C)の基板80に接続されている(アノードコモン)。
そして、これらのアノード端子は、基板80裏面に設けられたVsub端子である裏面電極85(後述の図6参照)を介して電源ライン200a(図4(b)参照)に接続されている。この電源ライン200aは、基準電位供給部160から基準電位Vsubが供給される。
転送サイリスタTの配列に沿って、奇数番号(奇数番目)の転送サイリスタT1、T3、…のカソード端子は、第1転送信号線72に接続されている。そして、第1転送信号線72は、電流制限抵抗R1を介してφ1端子に接続されている。このφ1端子には、第1転送信号ライン201(図4(b)参照)が接続され、転送信号発生部120から第1転送信号φ1が送信される。
一方、転送サイリスタTの配列に沿って、偶数番号(偶数番目)の転送サイリスタT2、T4、…のカソード端子は、第2転送信号線73に接続されている。そして、第2転送信号線73は、電流制限抵抗R2を介してφ2端子に接続されている。このφ2端子には、第2転送信号ライン202(図4(b)参照)が接続され、転送信号発生部120から第2転送信号φ2が送信される。
発光サイリスタL1、L2、L3、…のカソード端子は、点灯信号線75に接続されている。点灯信号線75は、φI端子に接続されている。発光チップC1では、φI端子は、電流制限抵抗RIを介して点灯信号ライン204−1に接続され、点灯信号発生部140から点灯信号φI1が送信される。点灯信号φI1は、発光サイリスタL1、L2、L3、…に点灯のための電流を供給する。なお、他の発光チップC2〜C40のφI端子には、それぞれ電流制限抵抗RIを介して点灯信号ライン204−2〜204−40が接続され、点灯信号発生部140から点灯信号φI2〜φI40が送信される。
すなわち、φI端子は給電点の一例であり、点灯信号線75は、発光サイリスタL1、L2、L3、…に点灯(発光)のための電流を供給する配線の一例である。
転送サイリスタT1、T2、T3、…のそれぞれのゲート端子Gt1、Gt2、Gt3、…は、同じ番号の発光サイリスタL1、L2、L3、…のゲート端子Gl1、Gl2、Gl3、…に、1対1で接続されている。よって、ゲート端子Gt1、Gt2、Gt3、…とゲート端子Gl1、Gl2、Gl3、…とは、同じ番号のものが電気的に同電位になっている。よって、例えばゲート端子Gt1(ゲート端子Gl1)と表記して、電位が同じであることを示す。
ここでも、ゲート端子Gt1、Gt2、Gt3、…、ゲート端子Gl1、Gl2、Gl3、…をそれぞれ区別しないときは、ゲート端子Gt、ゲート端子Glと表記する。そして、ゲート端子Gt(ゲート端子Gl)と表記して、電位が同じであることを示す。
転送サイリスタT1、T2、T3、…のそれぞれのゲート端子Gt1、Gt2、Gt3、…を番号順に2個ずつペアとしたゲート端子Gt間に、結合ダイオードDx1、Dx2、Dx3、…がそれぞれ接続されている。すなわち、結合ダイオードDx1、Dx2、Dx3、…はそれぞれがゲート端子Gt1、Gt2、Gt3、…で順に挟まれるように直列接続されている。そして、結合ダイオードDx1の向きは、ゲート端子Gt1からゲート端子Gt2に向かって電流が流れる方向に接続されている。他の結合ダイオードDx2、Dx3、Dx4、…についても同様である。
転送サイリスタTのゲート端子Gt(ゲート端子Gl)は、転送サイリスタTのそれぞれに対応して設けられた電源線抵抗Rgxを介して、電源線71に接続されている。電源線71はVga端子に接続されている。Vga端子には、電源ライン200b(図4(b)参照)が接続され、電源電位供給部170から電源電位Vgaが供給される。
そして、転送サイリスタ列の一端側の転送サイリスタT1のゲート端子Gt1は、スタートダイオードDx0のカソード端子に接続されている。一方、スタートダイオードDx0のアノード端子は、第2転送信号線73に接続されている。
図5において、発光チップC1(C)の転送サイリスタT、結合ダイオードDx、電源線抵抗Rgx、スタートダイオードDx0、電流制限抵抗R1、R2を備える部分を転送部101と表記する。そして、発光サイリスタLを備える部分が発光部102に該当する。
図6は、第1の実施の形態が適用される発光チップCの平面レイアウト図および断面図の一例である。ここでは、発光チップCと信号発生回路110との接続関係を示さないので、発光チップC1を例とすることを要しない。よって、発光チップCと表記する。
図6(a)は、発光チップCの平面レイアウト図であって、発光サイリスタL1〜L4、転送サイリスタT1〜T4を中心とした部分を示している。なお、端子(φ1端子、φ2端子、Vga端子、φI端子)の位置は、図4(a)と異なるが、説明の便宜上、図中左端部に示している。そして、基板80の裏面に設けられたVsub端子は、基板80の外に引き出して示している。図4(a)に対応させて端子を設けるとすると、φ2端子、φI端子、電流制限抵抗R2は、図6(a)において基板80の右端部に設けられる。また、スタートダイオードDx0は基板80の右端部に設けられてもよい。
図6(b)は、図6(a)に示したVIB−VIB線での断面図である。よって、図6(b)の断面図には、図中下より発光サイリスタL1、転送サイリスタT1、結合ダイオードDx1、電源線抵抗Rgx1の断面が示されている。なお、図6(a)および(b)の図中には、主要な素子や端子を名前により表記している。
発光チップCは、図6(b)に示すように、p型の基板80上に、p型の第1半導体層81、n型の第2半導体層82、p型の第3半導体層83およびn型の第4半導体層84が順に積層された複数の島(アイランド)(後述する第1アイランド301、第2アイランド302、第3アイランド303など)から構成されている。すなわち、これらの複数のアイランドは、図6(b)に示すように、少なくともn型の第2半導体層82、p型の第3半導体層83およびn型の第4半導体層84が相互に分離されている。なお、p型の第1半導体層81は、分離されていても、されていなくともよい。図6(b)では、p型の第1半導体層81は、厚さ方向に一部が分離されている。また、p型の第1半導体層81が基板80を兼ねてもよい。
さらに、以下に説明するように、複数のアイランドは、n型の第4半導体層84を部分的に有している(例えば、後述する第1アイランド301)か、n型の第4半導体層84を有していない(例えば、後述する第3アイランド303)。
そして、発光チップCには、図6(b)に示すように、これらのアイランドの表面および側面を覆うように設けられた絶縁層86が設けられている。そして、これらのアイランドと電源線71、第1転送信号線72、第2転送信号線73、点灯信号線75などの配線とが、絶縁層86に設けられたスルーホール(図6(a)では○で示す。)を介して接続されている。以下の説明では、絶縁層86およびスルーホールについての説明を省略する。
図6(a)に示すように、第1アイランド301には、発光サイリスタL1が設けられている。発光サイリスタLでは、主にn型の第2半導体層82とp型の第3半導体層83とで発光する(図6(b)参照)。ここでは、カソードとして働くn型の第4半導体層84から光を取り出すため、発光サイリスタLのn型の第4半導体層84の表面を発光面311と表記する。
そして、図6(b)に示すように、発光サイリスタL1の発光面311に対向して、n型オーミック電極321を覆う絶縁層86およびn型オーミック電極321に絶縁層86に設けられたスルーホールを介して接続された点灯信号線75(枝部75b)上にレンズ90が設けられている。
レンズ90は、台座部91とレンズ部92とを備えている。
台座部91は、発光サイリスタL1の発光面311上に設けられたn型オーミック電極321、n型オーミック電極321に絶縁層86に設けられたスルーホールを介して接続された点灯信号線75(枝部75b)などの作る段差を覆って設けられ、これらの段差を平坦化している。
そして、台座部91上に発光面311から離れる方向に凸面状になったレンズ部92が設けられている。レンズ部92は、発光面311に対向するように設けられ、凸レンズとして働き、集光作用を有している。一方、台座部91は集光作用を有しない。
ここでは、発光面311は正方形であるとし、n型オーミック電極321が発光面311の中央部に設けられている。また、レンズ部92の中心が、発光面311の中心と一致している。ここで、レンズ部92の中心とは、発光面311から最も離れた点(頂点92a)を、発光面311上に垂直に投影したときの点の位置をいう。また、発光面311の中心とは、発光面311を密度が等しい板と仮定したときの重心をいう。
第2アイランド302には、転送サイリスタT1、結合ダイオードDx1が設けられている。第3アイランド303には、電源線抵抗Rgx1が設けられている。第4アイランド304には、スタートダイオードDx0が設けられている。第5アイランド305には電流制限抵抗R1が、第6アイランド306には電流制限抵抗R2が設けられている。
そして、発光チップCには、第1アイランド301、第2アイランド302、第3アイランド303と同様なアイランドが、並列して複数形成されている。これらのアイランドには、発光サイリスタL2、L3、L4、…、転送サイリスタT2、T3、T4、…、結合ダイオードDx2、Dx3、Dx4,…等が、第1アイランド301、第2アイランド302、第3アイランド303と同様に設けられている。そして、発光サイリスタL2、L3、…上にそれぞれレンズ90が設けられている。
また、図6(b)に示すように、基板80の裏面にはVsub端子となる裏面電極85が設けられている。
発光サイリスタL1、L2、L3、…にそれぞれ設けられた複数のレンズ90は、発光サイリスタ列の列方向に沿って設けられたレンズ列を構成する。
レンズ列は、列方向に複数のレンズ90のそれぞれのレンズ90の周辺部が互いに接するように一体化している(後述する図7および図8(e)参照)。すなわち、レンズ90のレンズ部92の凸面状の表面は、発光面311を超えて広がりうるが、隣接する発光サイリスタL間で重なる部分が切り取られ、互いに接触して一体化している。
一方、レンズ列は、列方向の両端側および列方向と直交する側において、垂直な面で断ち切られている。すなわち、レンズ90のレンズ部92の凸面状の表面は、発光面311の面積を超えて広がりうるが、レンズ列の列方向の両端側と列方向と直交する側において、発光面311の外側の部分で切り取られたようになっている。なお、切り取る部分は、発光サイリスタLの発光面311から側方に出射される光が、ロッドレンズアレイ64に入射する光の効率を考慮して設定すればよい。
ここでは、隣接する発光サイリスタL間でレンズ90が互いに接触して一体化していても、発光サイリスタLごとにレンズ90が設けられているとする。
レンズ90の形状については後に詳述する。
ここで、図6(a)および(b)により、第1アイランド301〜第6アイランド306について詳細に説明する。
第1アイランド301に設けられた発光サイリスタL1は、p型の基板80上に設けられたp型の第1半導体層81をアノード端子、n型の第4半導体層84上に設けられたn型オーミック電極321をカソード端子、n型の第4半導体層84を除去して露出させたp型の第3半導体層83上に設けられたp型オーミック電極331をゲート端子Gl1とする。そして、光は、n型の第4半導体層84の表面(発光面311)から、絶縁層86およびレンズ90を介して出射する。
なお、発光面311のn型オーミック電極321の設けられた部分および点灯信号線75のn型オーミック電極321との接続のための枝部75bが設けられた部分では、光の出射が妨げられる(遮光される)。このため、発光面311において、実際に光を出射する部分は、点灯信号線75の枝部75bおよびn型オーミック電極321を取り囲んだU字状の部分(馬蹄形領域311a)である。
発光面311の用語は、発光サイリスタL1に限らず、他の発光サイリスタLについても使用する。
第2アイランド302に設けられた転送サイリスタT1は、p型の基板80上に設けられたp型の第1半導体層81をアノード端子、n型の第4半導体層84の領域313上に設けられたn型オーミック電極323をカソード端子、n型の第4半導体層84を除去して露出させたp型の第3半導体層83上に設けられたp型オーミック電極332をゲート端子Gt1とする。
同じく、第2アイランド302に設けられた結合ダイオードDx1は、n型の第4半導体層84の領域314上に設けられたn型オーミック電極324をカソード端子、p型の第3半導体層83上に設けられたp型オーミック電極332をアノード端子とする。結合ダイオードDx1のアノード端子と転送サイリスタT1のゲート端子Gt1とはp型オーミック電極332で共通である。
第3アイランド303に設けられた電源線抵抗Rgx1は、n型の第4半導体層84を除去して露出させたp型の第3半導体層83上に設けられたp型オーミック電極333とp型オーミック電極334との間のp型の第3半導体層83を抵抗として設けられている。
第4アイランド304に設けられたスタートダイオードDx0は、n型の第4半導体層84の領域315上に設けられたn型オーミック電極325をカソード端子、n型の第4半導体層84を除去して露出させたp型の第3半導体層83上に設けられたp型オーミック電極335をアノード端子としている。
第5アイランド305に設けられた電流制限抵抗R1、第6アイランド306に設けられた電流制限抵抗R2は、第3アイランド303に設けられた電源線抵抗Rgx1と同様に、それぞれが2個のp型オーミック電極(符号なし)間のp型の第3半導体層83を抵抗としている。
図6(a)において、各素子間の接続関係を説明する。
点灯信号線75は、幹部75aと複数の枝部75bとを備えている。幹部75aは発光サイリスタ列の列方向に延びるように設けられている。枝部75bは幹部75aから枝分かれして、第1アイランド301に設けられた発光サイリスタL1のカソード端子であるn型オーミック電極321と接続されている。他の発光サイリスタLのカソード端子も同様である。
点灯信号線75は、発光サイリスタ列において、発光サイリスタL1側に設けられたφI端子から接続されている。
点灯信号線75における点灯信号φIが流れる経路は、発光サイリスタLの番号が大きくなるほど、φI端子から遠くなって長くなる。すなわち、発光サイリスタLの番号が大きくなるほど、点灯信号線75における点灯信号φIが流れる経路の抵抗(値)が大きくなる。このため、定電圧で点灯信号φIを送信すると、番号が大きくなるにしたがい発光サイリスタLに流れる電流が小さくなり、発光サイリスタLが出射する光の量に差が生じることになる。発光サイリスタLに点灯のための電流が送信される点灯信号φIの電流は、転送サイリスタTに送信される第1転送信号φ1、第2転送信号φ2の電流に比べ、大きい。よって、点灯信号φIは、点灯信号線75における経路の抵抗(値)の影響を受けやすい。
第1転送信号線72は、第2アイランド302に設けられた転送サイリスタT1のカソード端子であるn型オーミック電極323に接続されている。第2アイランド302と同様なアイランドに設けられた、他の奇数番号の転送サイリスタTのカソード端子も第1転送信号線72に接続されている。第1転送信号線72は、第5アイランド305に設けられた電流制限抵抗R1を介してφ1端子に接続されている。
一方、第2転送信号線73は、符号を付さないアイランドに設けられた偶数番号の転送サイリスタTのカソード端子であるn型オーミック電極(符号なし)に接続されている。第2転送信号線73は、第6アイランド306に設けられた電流制限抵抗R2を介してφ2端子に接続されている。
電源線71は、第3アイランド303に設けられた電源線抵抗Rgx1の一方の端子であるp型オーミック電極334に接続されている。他の電源線抵抗Rgxの一方の端子も電源線71に接続されている。電源線71はVga端子に接続されている。
そして、第1アイランド301に設けられた発光サイリスタL1のp型オーミック電極331(ゲート端子Gl1)は、第2アイランド302のp型オーミック電極332(ゲート端子Gt1)に接続配線76で接続されている。
そして、p型オーミック電極332(ゲート端子Gt1)は、第3アイランド303に設けられたp型オーミック電極333(電源線抵抗Rgx1の他方の端子)に接続配線77で接続されている。
第2アイランド302に設けられたn型オーミック電極324(結合ダイオードDx1のカソード端子)は、隣接して設けられている転送サイリスタT2のゲート端子Gt2であるp型オーミック電極(符号なし)に接続配線79で接続されている。
ここでは説明を省略するが、他の発光サイリスタL、転送サイリスタT、結合ダイオードDx等についても同様である。
第2アイランド302のp型オーミック電極332(ゲート端子Gt1)は、第4アイランド304に設けられたn型オーミック電極325(スタートダイオードDx0のカソード端子)に接続配線78で接続されている。p型オーミック電極335(スタートダイオードDx0のアノード端子)は、第2転送信号線73に接続されている。
図7は、第1の実施の形態における発光サイリスタL上に設けられたレンズ90(台座部91およびレンズ部92)を説明する図である。なお、図7では、発光面311上のn型オーミック電極321、点灯信号線75(枝部75b)、絶縁層86、スルーホールの記載を省略し、発光面311上にレンズ90が設けられているとして記載している。
そして、第1の実施の形態では、128個の発光サイリスタLのうち、発光サイリスタ群Iに属する発光サイリスタL1〜L32に対しては発光面311からレンズ90の頂点92aまでを高さs1に、発光サイリスタ群IIに属する発光サイリスタL33〜L64に対しては発光面311からレンズ90の頂点92aまでを高さs2に、発光サイリスタ群IIIに属する発光サイリスタL65〜L96に対しては発光面311からレンズ90の頂点92aまでを高さs3に、発光サイリスタ群IVに属する発光サイリスタL97〜L128に対しては、発光面311からレンズ90の頂点92aまでを高さs4に設定している。そして、高さs1が最も小さく、高さs2、s3、s4となるにしたがい大きくなるように設定されている(s1<s2<s3<s4)。ここで、高さs1、s2、s3、s4をそれぞれ区別しないときは高さsと表記する。すなわち、高さsは、発光サイリスタLのφI端子に近いほど小さく、φI端子から遠いほど大きい。
なお、発光サイリスタ群I、II、III、IVは発光素子群の一例である。
図7では、高さsに差を設けるため、台座部91を4つ(台座部91a、91b、91c、91d)に分けている(後述する図8参照)。高さs1に対しては、台座部91aのみを設けている。高さs2に対しては、台座部91a、91bを重ねて設けている。高さs3に対しては、台座部91a、91b、91cを重ねて設けている。そして、高さs4に対しては、台座部91a、91b、91c、91dを重ねて設けている。
すなわち、高さsの差は、台座部91の厚さ(発光サイリスタLから台座部91とレンズ部92との境界までの高さ)を変えることで設けている。レンズ部92の形状は同じである。
なお、台座部91とレンズ部92とは、便宜的に分けたものであって、それぞれの発光サイリスタLにおけるレンズ90に共通の部分をレンズ部92とし、異なる部分を台座部91とすればよい。例えば、台座部91aをレンズ部92に加えてもよい。このとき、発光サイリスタ群Iでは、台座部91がないこと(台座部91の厚さが0)になる。この場合であってもよい。
このようにして、図5に示した発光チップC1(C)が構成される。
(発光チップCの製造方法)
発光チップCの製造方法について説明する。
まず、レンズ90を設置する前までの発光チップCの製造方法を説明する。
発光チップCは、例えばGaAsやGaAlAsなどの化合物半導体を用い、p型の基板80上に、p型の第1半導体層81、n型の第2半導体層82、p型の第3半導体層83およびn型の第4半導体層84を順に積層したのち、n型の第4半導体層84と、p型の第3半導体層83と、n型の第2半導体層82と、n型の第2半導体層82との界面から予め定められた深さのp型の第1半導体層81とをエッチングにより除去することで相互に分離された複数のアイランド(第1アイランド301〜第6アイランド306および符号を付さないアイランド)を形成する。このようなアイランドはメサと呼ばれ、このようにアイランドを形成するためのエッチングはメサエッチングと呼ばれる。
複数のアイランドのうち、一部のアイランドでは、n型の第4半導体層84の一部を除くことにより、他のアイランドでは、n型の第4半導体層84の全部を除くことにより、p型の第3半導体層83を露出させる。
そして、n型の第4半導体層84の表面に、n型オーミック電極321、323、324、325などのn型のオーミック電極を形成し、露出したp型の第3半導体層83の表面にp型オーミック電極331、332、333、334、335などのp型のオーミック電極を形成する。
そして、アイランドの表面および側面を覆うように、例えば二酸化シリコン(SiO)などの絶縁層86を形成する。次に、n型のオーミック電極およびp型のオーミック電極上の絶縁層86にスルーホールを設けたのち、例えばアルミニウム(Al)などの金属膜を堆積し、フォトリソグラフィにより、電源線71、第1転送信号線72、第2転送信号線73、点灯信号線75などの配線に加工する。
これにより、レンズ90を設置する前の発光チップCが製造される。
次に、発光チップCのレンズ90を形成する方法を説明する。ここでは、感光性材料94a、94b、95(後述する図8参照)を用いてレンズ90を形成する。すなわち、台座部91およびレンズ部92は、フォトリソグラフィにより感光性材料94a、94b、95によりパタンを形成したのち、硬化させて台座部91およびレンズ部92として使用する。
感光性材料94a、94b、95には、光(露光光)が照射された部分が分解して現像液に可溶になるポジ型と、光(露光光)が照射された部分が重合して現像液に不溶になるネガ型とがある。このような感光性材料94a、94b、95としては、ポリイミド樹脂、フェノールエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂などを挙げることができる。
ここではポリイミド樹脂を使用することとし、台座部91にはネガ型を、レンズ部92にはポジ型を使用するとして説明する。ここでは、イミド化していないポリイミド前駆体もポリイミド樹脂と表記する。
表面が凸面状のレンズ部92を形成するために、グレースケールリソグラフィ法を用いるとして説明する。
グレースケールリソグラフィ法とは、透過光量(露光量)分布を有するフォトマスク96(後述する図8(d)参照)を用いて行うリソグラフィ法である。フォトマスク96は、例えば露光波長では解像しない微細なドットパターン97を有し、ドットパターン97の密度の分布(密度分布)により、透過光量を制御する。ドットパターン97の密度が低い部分は透過光量が大きく、ドットパターン97の密度が高い部分は透過光量が小さい。そこで、透過光量の違いによって、現像後に残る感光性材料95の表面形状が凸面状のレンズ部92となるように、ドットパターン97の分布が設定されている。
図8は、第1の実施の形態における発光チップCのレンズ90(台座部91およびレンズ部92)を形成する方法を説明する断面図である。発光サイリスタL32、L33、L34、L35の部分で説明する。図7で示したように、発光サイリスタL32は、発光面311からレンズ90の頂点92aまでが高さs1である。発光サイリスタL33、L34、L35は、高さs2である。すなわち、発光サイリスタL32と発光サイリスタL33〜L35とで、高さsが異なっている。高さsの違いは、台座部91の構成の違いによって設定している。台座部91は、発光サイリスタL32では台座部91aで構成され、発光サイリスタL33〜L35では台座部91a、91bを重ねて構成されている。
なお、図8に示す断面は、台座部91の構成が異なるが、図6(a)のVIII−VIII線で示す発光サイリスタL1〜L4での断面に対応する。発光サイリスタL1〜L4では、発光面311からレンズ90の頂点92aまでが高さs1である。そこで、図8では、発光サイリスタL32〜L35とし、高さs1と高さs2との部分を示した。
始めに、台座部91を形成する方法を説明する。図7に示したように、台座部91は、台座部91a、91b、91c、91dを順に積層することで形成される。図8では、発光サイリスタL32〜L35の部分で説明するため、台座部91a、91bについてのみ説明する。
図8(a)は、レンズ90を形成する前の発光チップCである。
図8(b)に示すように、ネガ型の感光性材料94aを塗布する。そして、発光サイリスタL1〜L128のそれぞれの発光面311に対向する部分が露光されるように構成されたフォトマスク(不図示)を介して、感光性材料94aが感光する露光光(不図示)を照射する。すると、感光性材料94aにおける露光光が照射された部分が重合し、現像液に対して不溶になる。この後、現像液に浸漬(現像)すると、感光性材料94aの露光光が照射されなかった部分(図8(b)においては存在しない)が溶解して除去され、重合した部分(発光サイリスタL1〜L128のそれぞれの発光面311に対向した部分)が残る。そして、予め定められた温度で熱処理(ベーキング)して、残った感光性材料94aに含まれていた溶媒を蒸発させるとともに、ポリイミド前駆体をイミド化する。これにより、発光サイリスタL1〜L128のそれぞれの発光面311上にポリイミド樹脂による台座部91aが形成される。
なお、フォトマスクは、発光サイリスタL1〜L128の発光面311に対向して台座部91aが形成されるように構成されているとしたが、端子の部分を除いて発光チップCの全面に台座部91aが形成されるように構成されていてもよい。また、フォトマスクは、少なくとも発光サイリスタL1〜L128の発光面311に対向して台座部91aが形成されるように発光チップCの一部に台座部91aが形成されるように構成されていてもよい。
また、露光光が照射された部分の感光性材料94aの熱処理後の厚さが台座部91aの厚さになるように、感光性材料94aを塗布する厚さおよび露光光の光量(露光量)が設定されている。
次に、図8(c)に示すように、再びネガ型の感光性材料94bを塗布する。そして、台座部91aと同様にして、発光サイリスタL33〜L128の発光面311に対向する部分が露光されるように構成されたフォトマスク(不図示)を介して、露光光(不図示)を照射し、発光サイリスタL33〜L128のそれぞれの発光面311に対向する台座部91a上の部分に台座部91bを形成する。
なお、台座部91aは、熱処理によりイミド化しているので、感光性材料94bの塗布および現像液への浸漬によって、溶解および変形することがない。
図示しないが、同様にして、発光サイリスタL65〜L128の発光面311に対向して、台座部91b上に台座部91cを形成し、さらに発光サイリスタL97〜L128の発光面311に対向して、台座部91c上に台座部91dを形成する。
このようにして、台座部91が形成される。
なお、台座部91a、91b、91c、91dは、発光サイリスタ列に沿ってつなげて設けているが、発光サイリスタLごとに分離して設けてもよい。
ここでは、台座部91(台座部91a、91b、91c、91d)が発光サイリスタ列に沿ってつなげて設けられても、発光サイリスタLごとに分離されて設けられても、発光サイリスタLごとに台座部91が設けられているとする。
また、台座部91を台座部91a、91b、91c、91dを積層して設けたが、発光サイリスタL1〜L32の部分に台座部91aを設け、発光サイリスタL33〜L64の部分に台座部91aと台座部91bとを重ねた厚さの台座部を設け、発光サイリスタL65〜L96の部分に台座部91a、91b、91cを重ねた厚さの台座部を設け、発光サイリスタL97〜L128の部分に台座部91a、91b、91c、91dを重ねた厚さの台座部を設けてもよい。
次に、レンズ部92を形成する方法を説明する。
図8(d)に示すように、台座部91が形成された発光チップCの表面に、ポジ型の感光性材料95を塗布し、フォトマスク96を介して、感光性材料95が感光する露光光98を照射する。
ここで、フォトマスク96には、露光光98に対して透過率が高い合成石英などの基板の表面に、露光光98を遮光するCrなどによるドットパターン97が透過光量に分布が生じるように設けられている。すなわち、レンズ部92の凸面状の表面形状に対応するように、レンズ部92の頂点92aから遠ざかるにしたがい、ドットパターン97の密度が低くなっている。なお、レンズ部92を設けない部分では、露光光98が感光性材料95に照射されるように、ドットパターン97が設けられていない。
そして、レンズ部92を設けない部分において、感光性材料95が現像により除去されるように、露光光98の光量(露光量)が設定されている。
この後、図8(e)に示すように、現像液に浸漬することで、露光光98の照射によって現像液に可溶となった感光性材料95が除去される。前述したように、レンズ部92の頂点92aから遠ざかるとともに露光光98が多く照射される(露光量が多い)ため、頂点92aから遠ざかるとともに除去される感光性材料95の量が多くなる。
そして、予め定められた温度で熱処理することで、感光性材料94に含まれていた溶媒を蒸発させるとともに、感光性材料94のポリイミド前駆体をイミド化させることで、ポリイミド樹脂によるレンズ部92が形成される。
なお、台座部91は、すでにイミド化されているので、感光性材料95の塗布および現像液への浸漬によって溶解および変形することがない。
このようにして、レンズ90(台座部91およびレンズ部92)を備えた発光チップCが製造される。
なお、グレースケールリソグラフィ法に用いたフォトマスク96の透過光量は、露光光98を遮光するドットパターン97の密度分布により制御した。この代わり、大きさの異なるドットパターンを配置することにより制御してもよい。また、厚さにより露光光の透過率が異なる膜を用いて、膜厚を変えることにより制御してもよい。
また、レンズ90(台座部91およびレンズ部92)を、例えばインプリント法により形成してもよい。
インプリント法は、台座部91とレンズ部92とを加えたレンズ90の形状の雌型であるモールドを作製し、レンズ90となる材料に押し当て、レンズ90とを形成する方法である。
レンズ90になる材料として熱可塑性樹脂を用いる場合には、レンズ90を備える前の発光チップC上に、熱可塑性樹脂を塗布して、加熱しつつモールドを押し当て、熱可塑性樹脂をモールドに対応した形状に変形させる。こののち、冷却して熱可塑性樹脂が変形するのを抑制したのち、モールドを外す。このようにすることで、熱可塑性樹脂によるレンズ90を備えた発光チップCが製造できる(熱インプリント法)。
また、レンズ90になる材料として光硬化性樹脂を用いる場合には、光硬化性樹脂を硬化させる紫外線などを透過する溶融石英などによりモールドを作製する。そして、レンズ90を備えない発光チップC上に光硬化性樹脂を塗布し、モールドを押し当てた状態で、モールドを介して光硬化性樹脂を硬化させる光を照射する。光硬化性樹脂が硬化したのち、モールドを外す。このようにすることで、光硬化性樹脂によるレンズ90を備えた発光チップCが製造できる(光インプリント法)。
(発光装置65の動作)
次に、発光装置65の動作について説明する。
前述したように、発光装置65は発光チップC1〜C40を備えている(図3、4参照)。
図4に示したように、基準電位Vsub、電源電位Vgaは、回路基板62上のすべての発光チップC1〜C40に共通に供給される。同様に、第1転送信号φ1、第2転送信号φ2は、発光チップC1〜C40に共通(並列)に送信される。
一方、点灯信号φI1〜φI40は、発光チップC1〜C40のそれぞれに個別に送信される。点灯信号φI1〜φI40は、画像データに基づいて、各発光チップC1〜C40の発光サイリスタLを点灯または非点灯に設定する信号である。よって、点灯信号φI1〜φI40は、画像データによって相互に波形が異なる。しかし、点灯信号φI1〜φI40は、同じタイミングで並列に送信される。
発光チップC1〜C40は並列に駆動されるので、発光チップC1の動作を説明すれば足りる。
<サイリスタ>
発光チップC1の動作を説明する前に、サイリスタ(転送サイリスタT、発光サイリスタL)の基本的な動作を説明する。サイリスタは、前述したように、アノード端子、カソード端子、ゲート端子の3端子を有する半導体素子である。
以下では、一例として、Vsub端子である裏面電極85(図5、図6参照)に供給される基準電位Vsubをハイレベルの電位(以下では「H」と表記する。)として0V、Vga端子に供給される電源電位Vgaをローレベルの電位(以下では「L」と表記する。)として−3.3Vとして説明する。
本実施の形態では、発光装置65は負の電位で駆動される。
サイリスタのアノード端子であるp型の第1半導体層81はp型の基板80と同電位であるので、サイリスタのアノード端子は裏面電極85に供給される基準電位Vsub(「H」(0V))になっている。
サイリスタは、例えば、図6に示したように、GaAs、GaAlAsなどによるp型半導体層(p型の第1半導体層81、p型の第3半導体層83)、n型半導体層(n型の第2半導体層82、n型の第4半導体層84)をp型の基板80上に積層して構成される。ここでは、p型半導体層とn型半導体層とで構成されるpn接合の順方向電位(拡散電位)Vdを一例として1.5Vとして説明する。
アノード端子とカソード端子との間に電流が流れていないオフ状態のサイリスタは、しきい電圧より低い電位(絶対値が大きい負の電位)がカソード端子に印加されるとオン状態に移行(ターンオン)する。ここで、サイリスタのしきい電圧は、ゲート端子の電位からpn接合の順方向電位Vd(1.5V)を引いた値である。よって、ゲート端子の電位が0Vであると、サイリスタのしきい電圧は−1.5Vとなる。すなわち、−1.5Vより低い電位(絶対値が大きい負の電位)がカソード端子に印加されると、サイリスタはターンオンする。サイリスタは、ターンオンすると、アノード端子とカソード端子との間に電流が流れた状態(オン状態)になる。
オン状態のサイリスタのゲート端子の電位は、アノード端子の電位に近い電位になる。ここでは、アノード端子を基準電位Vsub(0V(「H」))に設定しているので、ゲート端子の電位は0V(「H」)になるとする。また、オン状態のサイリスタのカソード端子は、アノード端子の電位からpn接合の順方向電位Vd(1.5V)を引いた電位に近い電位となる。ここでは、アノード端子を基準電位Vsub(0V(「H」))に設定しているので、オン状態のサイリスタのカソード端子の電位は−1.5Vに近い電位(絶対値が1.5Vより大きい負の電位)となる。なお、カソード端子の電位は、オン状態のサイリスタに電流を供給する電源との関係で設定される。
サイリスタは、一度ターンオンすると、カソード端子の電位が、オン状態を維持するために必要な電位(上記の−1.5Vに近い電位)より高い電位(絶対値が小さい負の電位、0Vまたは正の電位)が印加されると、オフ状態に移行(ターンオフ)する。例えば、カソード端子が「H」(0V)になると、オン状態を維持するために必要な電位より高い電位であるとともに、カソード端子の電位とアノード端子の電位とが同じになるので、サイリスタはターンオフする。
一方、オン状態のサイリスタのカソード端子に、オン状態を維持するために必要な電位より低い電位(絶対値が大きい負の電位)が継続的に印加され、オン状態を維持しうる電流(維持電流)が供給されると、サイリスタはオン状態を維持する。
そして、発光サイリスタLは、ターンオンすると点灯(発光)し、ターンオフすると消灯(非点灯)する。オン状態の発光サイリスタLが出射する光の量は、発光面311の面積およびカソード端子とアノード端子との間に流す電流によって決まる。
<タイミングチャート>
図9は、発光装置65および発光チップCの動作を説明するためのタイミングチャートである。
図9では、発光チップC1の発光サイリスタL1〜L5の5個の発光サイリスタLの点灯または非点灯を制御(点灯制御と表記する。)する部分のタイミングチャートを示している。前述したように、他の発光チップC2〜C40は、発光チップC1と並行して動作するため、発光チップC1の動作を説明すれば足りる。
なお、図9では、発光チップC1の発光サイリスタL1、L2、L3、L5を点灯させ、発光サイリスタL4を消灯(非点灯)としている。
図9において、時刻aから時刻kへとアルファベット順に時刻が経過するとする。発光サイリスタL1は、時刻bから時刻eの期間T(1)において、発光サイリスタL2は、時刻eから時刻iの期間T(2)において、発光サイリスタL3は、時刻iから時刻jの期間T(3)において、発光サイリスタL4は、時刻jから時刻kの期間T(4)において点灯または非点灯の制御(点灯制御)がされる。以下、同様にして番号が5以上の発光サイリスタLが点灯制御される。
ここでは、期間T(1)、T(2)、T(3)、…は同じ長さの期間とし、それぞれを区別しないときは期間Tと呼ぶ。
なお、以下に説明する信号の相互の関係が維持されるようにすれば、期間T(1)、T(2)、T(3)、…の長さを可変としてもよい。
第1転送信号φ1、第2転送信号φ2、点灯信号φI1の波形について説明する。なお、時刻aから時刻bまでの期間は、発光チップC1(発光チップC2〜C40も同じ。)が動作を開始する期間である。この期間の信号については、動作の説明において説明する。
φ1端子(図5、図6参照)に送信される第1転送信号φ1およびφ2端子(図5、図6参照)に送信される第2転送信号φ2は、「H」と「L」との2つの電位を有する信号である。そして、第1転送信号φ1および第2転送信号φ2は、連続する2つの期間T(例えば、期間T(1)と期間T(2))を単位として波形が繰り返される。
第1転送信号φ1は、期間T(1)の開始時刻bで「H」から「L」に移行し、時刻fで「L」から「H」に移行する。そして、期間T(2)の終了時刻iにおいて、「H」から「L」に移行する。
第2転送信号φ2は、期間T(1)の開始時刻bにおいて「H」であって、時刻eで「H」から「L」に移行する。そして、期間T(2)の終了時刻iにおいて「L」を維持している。
第1転送信号φ1と第2転送信号φ2とを比較すると、第2転送信号φ2は、第1転送信号φ1を時間軸上で期間T後ろにずらしたものに当たる。第1転送信号φ1は、期間T(1)および期間T(2)での波形が、期間T(3)以降において繰り返す。一方、第2転送信号φ2は、期間T(1)において、破線で示す波形および期間T(2)での波形が、期間T(3)以降において繰り返す。第2転送信号φ2の期間T(1)の波形が期間T(3)以降と異なるのは、期間T(1)は発光装置65が動作を開始する期間であるためである。
第1転送信号φ1と第2転送信号φ2との一組の転送信号は、後述するように、図5、図6に示した転送サイリスタTを番号順にオン状態を伝播させることにより、オン状態の転送サイリスタTと同じ番号の発光サイリスタLを、点灯または非点灯の制御(点灯制御)の対象として指定する。
次に、発光チップC1のφI端子に送信される点灯信号φI1について説明する。なお、他の発光チップC2〜C40には、それぞれ点灯信号φI2〜φI40が送信される。点灯信号φI1は、「H」と「L」との2つの電位を有する信号である。
ここでは、発光チップC1の発光サイリスタL1に対する点灯制御の期間T(1)において、点灯信号φI1を説明する。なお、発光サイリスタL1は点灯させるとしている。
点灯信号φI1は、期間T(1)の開始時刻bにおいて「H」であって、時刻cで「H」から「L」に移行する。そして、時刻dで「L」から「H」に移行し、期間T(1)の終了時刻eにおいて「H」を維持している。
では、図4、図5を参照しつつ、図8に示したタイミングチャートにしたがって、発光装置65および発光チップC1の動作を説明する。なお、以下では、発光サイリスタL1およびL2を点灯制御する期間T(1)およびT(2)について説明する。
(1)時刻a
<発光装置65>
時刻aにおいて、発光装置65の信号発生回路110の基準電位供給部160は、基準電位Vsubを「H」(0V)に設定する。電源電位供給部170は、電源電位Vgaを「L」(−3.3V)に設定する。すると、発光装置65の回路基板62上の電源ライン200aは基準電位Vsubの「H」(0V)になり、発光チップC1〜C40のそれぞれのVsub端子は「H」になる。同様に、電源ライン200bは電源電位Vgaの「L」(−3.3V)になり、発光チップC1〜C40のそれぞれのVga端子は「L」になる(図4参照)。これにより、発光チップC1〜C40のそれぞれの電源線71は「L」になる(図5参照)。
そして、信号発生回路110の転送信号発生部120は第1転送信号φ1、第2転送信号φ2をそれぞれ「H」に設定する。すると、第1転送信号ライン201および第2転送信号ライン202が「H」になる(図4参照)。これにより、発光チップC1〜C40のそれぞれのφ1端子およびφ2端子が「H」になる。電流制限抵抗R1を介してφ1端子に接続されている第1転送信号線72の電位も「H」になり、電流制限抵抗R2を介してφ1端子に接続されている第2転送信号線73も「H」になる(図5参照)。
さらに、信号発生回路110の点灯信号発生部140は、点灯信号φI1〜φI40をそれぞれ「H」に設定する。すると、点灯信号ライン204−1〜204−40が「H」になる(図4参照)。これにより、発光チップC1〜C40のそれぞれのφI端子が、電流制限抵抗RIを介して「H」になり、φI端子に接続された点灯信号線75も「H」になる(図5参照)。
次に、発光チップC1の動作を説明する。
なお、図8および以下における説明では、各端子の電位がステップ(階段)状に変化するとしているが、各端子の電位は徐々に変化している。よって、電位変化の途上であっても、下記に示す条件が満たされれば、サイリスタがターンオンまたはターンオフして、状態の変化を生じうる。
<発光チップC1>
転送サイリスタT、発光サイリスタLのアノード端子はVsub端子に接続されているので、「H」(0V)に設定される。
奇数番号の転送サイリスタT1、T3、T5、…のそれぞれのカソード端子は、第1転送信号線72に接続され、「H」に設定されている。偶数番号の転送サイリスタT2、T4、T6、…のそれぞれのカソード端子は、第2転送信号線73に接続され、「H」に設定されている。よって、転送サイリスタTは、アノード端子およびカソード端子がともに「H」であるためオフ状態にある。
発光サイリスタLのカソード端子は、「H」の点灯信号線75に接続されている。よって、発光サイリスタLも、アノード端子およびカソード端子がともに「H」であるためオフ状態にある。
図5中の転送サイリスタ列の一端のゲート端子Gt1は、前述したように、スタートダイオードDx0のカソード端子に接続されている。ゲート端子Gt1は、電源線抵抗Rgx1を介して、電源電位Vga(「L」(−3.3V))の電源線71に接続されている。そして、スタートダイオードDx0のアノード端子は第2転送信号線73に接続され、電流制限抵抗R2を介して、「H」(0V)のφ2端子に接続されている。よって、スタートダイオードDx0は順バイアスであり、スタートダイオードDx0のカソード端子(ゲート端子Gt1)は、スタートダイオードDx0のアノード端子の電位(「H」(0V))からpn接合の順方向電位Vd(1.5V)を引いた値(−1.5V)になる。また、ゲート端子Gt1が−1.5Vになると、結合ダイオードDx1は、アノード端子(ゲート端子Gt1)が−1.5Vで、カソード端子が電源線抵抗Rgx2を介して電源線71(「L」(−3.3V))に接続されているので、順バイアスになる。よって、ゲート端子Gt2の電位は、ゲート端子Gt1の電位(−1.5V)からpn接合の順方向電位Vd(1.5V)を引いた−3Vになる。しかし、3以上の番号のゲート端子Gtには、スタートダイオードDx0のアノード端子が「H」(0V)であることの影響は及ばず、これらのゲート端子Gtの電位は、電源線71の電位である「L」(−3.3V)になっている。
なお、ゲート端子Gtはゲート端子Glに接続されているので、ゲート端子Glの電位は、ゲート端子Gtの電位と同じである。よって、転送サイリスタT、発光サイリスタLのしきい電圧は、ゲート端子Gt、Glの電位からpn接合の順方向電位Vd(1.5V)を引いた値となる。すなわち、転送サイリスタT1、発光サイリスタL1のしきい電圧は−3V、転送サイリスタT2、発光サイリスタL2のしきい電圧は−4.5V、番号が3以上の転送サイリスタT、発光サイリスタLのしきい電圧は−4.8Vとなっている。
(2)時刻b
図8に示す時刻bにおいて、第1転送信号φ1が、「H」(0V)から「L」(−3.3V)に移行する。これにより発光装置65が動作を開始する。
第1転送信号φ1が「H」から「L」に移行すると、φ1端子および電流制限抵抗R1を介して、第1転送信号線72の電位が、「H」から「L」に移行する。すると、しきい電圧が−3Vである転送サイリスタT1がターンオンする。しかし、第1転送信号線72にカソード端子が接続された、番号が3以上の奇数番号の転送サイリスタTは、しきい電圧が−4.8Vであるのでターンオンできない。一方、偶数番号の転送サイリスタTは、第2転送信号φ2が「H」(0V)であって、第2転送信号線73が「H」であるのでターンオンできない。
転送サイリスタT1がターンオンすることで、第1転送信号線72の電位は、アノード端子の電位(「H」(0V))からpn接合の順方向電位Vd(1.5V)を引いた−1.5Vになる。
転送サイリスタT1がターンオンすると、ゲート端子Gt1(ゲート端子Gl1)の電位は、転送サイリスタT1のアノード端子の電位である「H」(0V)になる。そして、ゲート端子Gt2(ゲート端子Gl2)の電位が−1.5V、ゲート端子Gt3(ゲート端子Gl3)の電位が−3V、番号が4以上のゲート端子Gt(ゲート端子Gl)の電位が「L」(−3.3V)になる。
これにより、発光サイリスタL1のしきい電圧が−1.5V、転送サイリスタT2、発光サイリスタL2のしきい電圧が−3V、転送サイリスタT3、発光サイリスタL3のしきい電圧が−4.5V、番号が4以上の転送サイリスタT、発光サイリスタLのしきい電圧が−4.8Vになる。
しかし、第1転送信号線72は、オン状態の転送サイリスタT1により−1.5Vになっているので、オフ状態の奇数番号の転送サイリスタTはターンオンしない。第2転送信号線73は、「H」であるので、偶数番号の転送サイリスタTはターンオンしない。点灯信号線75は「H」であるので、発光サイリスタLはいずれもターンオンしない。
時刻bの直後(ここでは、時刻bにおける信号の電位の変化によってサイリスタなどの変化が生じた後、定常状態になったときをいう。)において、転送サイリスタT1がオン状態にあって、他の転送サイリスタT、発光サイリスタLはオフ状態にある。
(3)時刻c
時刻cにおいて、点灯信号φI1が「H」から「L」に移行する。
点灯信号φI1が「H」から「L」に移行すると、電流制限抵抗RIおよびφI端子を介して、点灯信号線75が「H」から「L」に移行する。すると、しきい電圧が−1.5Vである発光サイリスタL1がターンオンして、点灯(発光)する。これにより、点灯信号線75の電位が−1.5Vに近い電位(絶対値が1.5Vより大きい負の電位)になる。なお、発光サイリスタL2はしきい電圧が−3Vであるが、しきい電圧が−1.5Vと高い(絶対値が小さい負の電位である)発光サイリスタL1がターンオンして、点灯信号線75が−1.5Vに近い電位になるので、発光サイリスタL2はターンオンしない。
時刻cの直後において、転送サイリスタT1がオン状態にあって、発光サイリスタL1がオン状態で点灯(発光)している。
(4)時刻d
時刻dにおいて、点灯信号φI1が「L」から「H」に移行する。
点灯信号φI1が「L」から「H」に移行すると、電流制限抵抗RIおよびφI端子を介して、点灯信号線75の電位が「L」から「H」に移行する。すると、発光サイリスタL1は、アノード端子とカソード端子とがともに「H」になるのでターンオフして消灯(非点灯)する。発光サイリスタL1の点灯期間は、点灯信号φI1が「H」から「L」に移行した時刻cから、点灯信号φI1が「L」から「H」に移行する時刻dまでの、点灯信号φI1が「L」である期間となる。
時刻dの直後において、転送サイリスタT1がオン状態にある。
(5)時刻e
時刻eにおいて、第2転送信号φ2が「H」から「L」に移行する。ここで、発光サイリスタL1を点灯制御する期間T(1)が終了し、発光サイリスタL2を点灯制御する期間T(2)が開始する。
第2転送信号φ2が「H」から「L」に移行すると、φ2端子を介して第2転送信号線73の電位が「H」から「L」に移行する。前述したように、転送サイリスタT2は、しきい電圧が−3Vになっているので、ターンオンする。これにより、ゲート端子Gt2(ゲート端子Gl2)の電位が「H」(0V)、ゲート端子Gt3(ゲート端子Gl3)の電位が−1.5V「H」(0V)、ゲート端子Gt4(ゲート端子Gl4)の電位が−3Vになる。そして、番号が5以上のゲート端子Gt(ゲート端子Gl)の電位が−3.3Vになる。
時刻eの直後において、転送サイリスタT1およびT2がオン状態にある。
(6)時刻f
時刻fにおいて、第1転送信号φ1が「L」から「H」に移行する。
第1転送信号φ1が「L」から「H」に移行すると、φ1端子を介して第1転送信号線72の電位が「L」から「H」に移行する。すると、オン状態の転送サイリスタT1は、アノード端子とカソード端子とがともに「H」になって、ターンオフする。すると、ゲート端子Gt1(ゲート端子Gl1)の電位は、電源線抵抗Rgx1を介して、電源線71の電源電位Vga(「L」(−3.3V))に向かって変化する。これにより、結合ダイオードDx1が電流が流れない方向に電位が加えられた状態(逆バイアス)になる。よって、ゲート端子Gt2(ゲート端子Gl2)が「H」(0V)である影響は、ゲート端子Gt1(ゲート端子Gl1)には及ばなくなる。すなわち、逆バイアスの結合ダイオードDxで接続されたゲート端子Gtを有する転送サイリスタTは、しきい電圧が−4.8Vになって、「L」(−3.3V)の第1転送信号φ1または第2転送信号φ2ではターンオンしなくなる。
時刻fの直後において、転送サイリスタT2がオン状態にある。
(7)その他
時刻gにおいて、点灯信号φI1が「H」から「L」に移行すると、時刻cでの発光サイリスタL1と同様に、発光サイリスタL2がターンオンして、点灯(発光)する。
そして、時刻hにおいて、点灯信号φI1が「L」から「H」に移行すると、時刻dでの発光サイリスタL1と同様に、発光サイリスタL2がターンオフして消灯する。
さらに、時刻iにおいて、第1転送信号φ1が「H」から「L」に移行すると、時刻bでの転送サイリスタT1または時刻eでの転送サイリスタT2と同様に、しきい電圧が−3Vの転送サイリスタT3がターンオンする。時刻iで、発光サイリスタL2を点灯制御する期間T(2)が終了し、発光サイリスタL3を点灯制御する期間T(3)が開始する。
以降は、これまで説明したことの繰り返しとなる。
なお、発光サイリスタLを点灯(発光)させないで、消灯(非点灯)のままとするときは、図9の発光サイリスタL4を点灯制御する期間T(4)における時刻jから時刻kに示す点灯信号φI1のように、点灯信号φIを「H」(0V)のままとすればよい。このようにすることで、発光サイリスタL4のしきい電圧が−1.5Vであっても、発光サイリスタL4は消灯(非点灯)のままとなる。
以上説明したように、転送サイリスタTのゲート端子Gtは結合ダイオードDxによって相互に接続されている。よって、ゲート端子Gtの電位が変化すると、電位が変化したゲート端子Gtに、順バイアスの結合ダイオードDxを介して接続されたゲート端子Gtの電位が変化する。そして、電位が変化したゲート端子を有する転送サイリスタTのしきい電圧が変化する。転送サイリスタTは、しきい電圧が「L」(−3.3V)より高い(絶対値が小さい負の値)と、第1転送信号φ1または第2転送信号φ2が「H」(0V)から「L」(−3.3V)に移行するタイミングにおいてターンオンする。
そして、オン状態の転送サイリスタTのゲート端子Gtにゲート端子Glが接続された発光サイリスタLは、しきい電圧が−1.5Vであるので、点灯信号φIが「H」から「L」に移行すると、ターンオンして点灯(発光)する。
すなわち、転送サイリスタTはオン状態になることで、点灯制御の対象である発光サイリスタLを指定し、点灯信号φIは、点灯制御の対象の発光サイリスタLを点灯または非点灯に設定する。
このように、画像データに応じて点灯信号φIの波形を設定して、各発光サイリスタLの点灯または非点灯を制御している。
(レンズ90)
第1の実施の形態におけるレンズ90について説明する。
第1の実施の形態では、図7に示したように、発光面311からレンズ90の頂点92aまでの高さsを、台座部91の厚さ(発光サイリスタLから台座部91とレンズ部92との境界までの高さ)を変えることにより、発光サイリスタL間で異なるように設定している。すなわち、発光サイリスタ群I(発光サイリスタL1〜L32)では高さs1、発光サイリスタ群II(発光サイリスタL33〜L64)では高さs2、発光サイリスタ群III(発光サイリスタL65〜L96)では高さs3、発光サイリスタ群IV(発光サイリスタL97〜L128)では高さs4となっている。そして、発光サイリスタLに点灯のための電流を供給するφI端子からの距離が大きいほど、高さsが大きくなるように設定されている。
以下では、この理由を説明する。
図10は、第1の実施の形態の発光チップCにおける発光サイリスタLの光量を説明する図である。発光サイリスタLの光量は、レンズ90を設けない発光サイリスタL1の光量を“1”として示している。なお、光量とは、後述するように、発光サイリスタLが出射する光のうち、ロッドレンズアレイ64の開口角θ内に入射し、感光体ドラム12を露光する(照射する)光の量である(後述する図12参照)。
発光サイリスタLの光量は、“レンズなし”で示すように、番号が大きくなるとともに、徐々に減少していく。これは、発光サイリスタLに点灯のための電流を供給する点灯信号線75に電流を供給する端子であるφI端子が、発光サイリスタL1側に設けられていることによる(図5、6参照)。すなわち、点灯信号線75(幹部75a)において、発光サイリスタLに点灯のための電流が流れる部分の抵抗(値)が異なるためである。電流が流れる部分の抵抗(値)は、発光サイリスタLの番号が大きくなるにしたがい大きくなる。
しかし、発光サイリスタLは等間隔に並んでいるため、点灯信号線75(幹部75a)において、番号が1つ増える毎に増加する抵抗(値)は等しい。このことから、発光サイリスタLのアノード端子とカソード端子と間の抵抗(値)が一定であるとすると、発光サイリスタLを流れる電流は、発光サイリスタLの番号(位置)に対して反比例の関係となる。よって、発光サイリスタLの光量が発光サイリスタLに流れる電流に比例するとした場合、発光サイリスタLの光量は、発光サイリスタLの番号(位置)に対して反比例の関係にある。すなわち、発光サイリスタLの番号が大きくなるにつれて、発光サイリスタLの光量が減少する。
なお、図10では、説明を容易にするため、発光サイリスタLの光量は、発光サイリスタLの番号(位置)に対して直線的に減少するとしている。
そして、図10では、一例として、発光サイリスタL128の光量が、発光サイリスタL1の光量に比べ8%減少する場合を示している。
図10における“レンズあり”については、後述する。
図11は、レンズ90を設けた発光サイリスタLにおいて、発光面311からレンズ90の頂点92aまでの高さsによる光量の変化の一例を示す図である。ここでも、レンズ90を設けない場合の発光サイリスタLの光量を“1”としている。なお、この発光サイリスタLは、点灯信号線75(幹部75a)の抵抗(値)の影響が他の発光サイリスタLに比べ小さい発光サイリスタL1であるとする。
図11に示すように、発光面311からレンズ90の頂点92aまでの高さsが12μmから19μmまでの範囲において、発光サイリスタL1の光量は、高さsが大きくなるにつれて増加する。そして、発光サイリスタL1の光量は、高さsが19μmを超えると逆に減少する。
すなわち、この例では、発光面311からレンズ90の頂点92aまでの高さsが19μmとなるように、台座部91を設けると、発光サイリスタL1の光量は、レンズ90を設けない場合に比べて増加し、2.47倍になる。
なお、高さ19μmにおける光量に対して8%減少した光量は14.3μmでの光量(2.28倍)に該当する。
以上説明したように、発光サイリスタLの発光面311に対向してレンズ90を設けると、ロッドレンズアレイ64に取りこまれ感光体ドラム12を露光する光量が増加する。そして、この光量を増加させる割合(光量が増加する割合)は、発光面311からレンズ90の頂点92aまでの高さsによって変化する。よって、光量を増加させる割合は、発光面311からレンズ90の頂点92aまでの高さs、さらに言えば、台座部91の厚さ(発光サイリスタLから台座部91とレンズ部92との境界までの高さ)によって設定しうる。
図12は、発光サイリスタL1の光量が発光面311からレンズ90の頂点92aまでの高さsによって変化することを説明する模式図である。
図12では、発光サイリスタLの発光面311とレンズ90との関係を、光軸(後述する主点Oおよび焦点F、F´を通る線)を含む断面で示している。そして、図12では、絶縁層86、n型オーミック電極321、点灯信号線75の枝部75bを省略している。
ここでは、レンズ部92の前側主点と後側主点とが一致するとして主点Oとする。また、焦点F、F´は、それぞれが主点Oから等しい距離にあるとする。
そして、発光面311は、レンズ部92の主点Oと焦点Fとの間にあるとする。すなわち、レンズ90は、拡大鏡(虫眼鏡)として働く。
図12(a)は、図12(b)に比べて、台座部91の厚さが薄い場合を示している。台座部91の厚さが薄いために、発光面311からレンズ90の頂点92aまでの高さsが小さい。このため、レンズ部92の焦点Fと主点Oとの関係において、発光面311が主点Oに近い側にある。
一方、図12(b)は、図12(a)に比べて、台座部91の厚さが厚い場合を示している。台座部91の厚さが厚いために、発光面311からレンズ90の頂点92aまでの高さsが大きい。そして、レンズ部92の焦点Fと主点Oとの関係において、発光面311が焦点Fに近い側にある。
なお、これらの図では、主点Oを通って、光軸(主点Oおよび焦点F、F´を通る線)に垂直な主面(図中破線で示す)において、光路が変化するとする。
そして、発光サイリスタLの発光面311から出射した光は、レンズ90を介して、開口角θのロッドレンズアレイ64に取り込まれ、感光体ドラム12を露光するとする。すなわち、開口角θを超える角度の光は、ロッドレンズアレイ64に入らない。よって、開口角θ内に入射する光の量が、感光体ドラム12を露光する光量となる。
なお、ここでは1個の発光サイリスタLに対応する1個のレンズ90に着目して説明する。この発光サイリスタLの発光面311から出射する光が、隣接する発光サイリスタLに設けられたレンズ90に入射しても、出射する光は開口角θより大きい角度で出射されるので、ロッドレンズアレイ64に入らない。よって、1個の発光サイリスタLに対応する1個のレンズ90に着目すればよい。
図12(a)に示すように、発光面311の中央部の発光点P1からレンズ90(台座部91およびレンズ部92)を介して出射する光は、像面上の像点P1´から出射するように振舞う。すなわち、発光面311の中央部の発光点P1から出射する光は、レンズ90から角度αの範囲で出射する。そして、図12(a)から分かるように、発光点P1からの光は、レンズ90によって光軸方向に絞られる。このため、レンズ90を用いない場合に比べ、開口角θ内に取り込まれる光量が増加する。
次に、図12(b)に示すように、図12(a)の場合に比べて台座部91の厚さが厚くなって、発光面311からレンズ90の頂点92aまでの高さsが大きくなると、発光点P2からの光は、像面上の像点P2´から出射するように振舞う。すなわち、発光面311の中央部の発光点P2から出射する光は、レンズ90から角度βの範囲で出射する。角度βは、図12(a)に示した角度αに比べて小さい。よって、開口角θ内に取り込まれる光量が、角度αの場合に比べて大きくなる。
このことから、図11(高さsが12μmから19μmの範囲)に示したように、発光面311からレンズ90の頂点92aまでの高さsが大きくなるほど、開口角θ内に取りこまれる光量が大きくなる。ただし、発光面311からレンズ90の頂点92aまでの高さsがさらに大きくなって、発光点(図12(a)の発光点P1、図12(b)の発光点P2に相当)が焦点Fに近づくと、レンズ90(レンズ部92)は拡大鏡として働かなくなり、開口角θ内に取り込まれる光量が減少する(図11の高さsが19μmを超える範囲)。
すなわち、発光面311からレンズ90の頂点92aまでの高さsを変えると、開口角θ内に取り込まれる光量が変化する。
そこで、第1の実施の形態では、点灯信号線75(幹部75a)における点灯のための電流が流れる部分の抵抗(値)の差によって生じる発光サイリスタL間の光量の差を、発光面311からレンズ90の頂点92aまでの高さsを制御することで補償し、発光サイリスタL間における光量の差が生じることを抑制している。
すなわち、レンズ90を設けない場合には、点灯信号線75(幹部75a)における点灯のための電流が流れる部分の長さが異なるため、発光サイリスタLの番号が大きくなるにつれて、その部分の抵抗(値)が大きくなる。これにより、発光サイリスタLの光量が発光サイリスタLの番号が大きくなるにつれて少なくなる。
図10に示した、“レンズなし”において発光サイリスタL1と発光サイリスタL128とで光量が8%変動する場合、“レンズあり”においても、発光面311からレンズ90の頂点92aまでの高さsを一定とした場合には、“レンズなし”の場合と同様に発光サイリスタL1と発光サイリスタL128とで光量が8%変動すると考えられる。
よって、この変動を補償するように、発光面311からレンズ90の頂点92aまでの高さsを調整する。
第1の実施の形態では、図7に示したように、発光サイリスタLを4つの発光サイリスタ群I(発光サイリスタL1〜L32)、II(発光サイリスタL33〜L64)、III(発光サイリスタL65〜L96)、IV(発光サイリスタL97〜L128)に分けた。
図10の“レンズなし”の場合では、発光サイリスタ群IIにおいて最も番号が小さい発光サイリスタL33の光量は、発光サイリスタL1に比べて約2%小さい。また、発光サイリスタ群IIIにおいて最も番号が小さい発光サイリスタL65の光量は、発光サイリスタL1に比べて約4%小さい。さらに、発光サイリスタ群IVにおいて最も番号が小さい発光サイリスタL97の光量は、発光サイリスタL1に比べて約6%小さい。つまり、それぞれの発光サイリスタ群において、約2%の光量低下が生じていることになる。
逆に、発光サイリスタ群IIIにおける発光サイリスタL65の光量は、発光サイリスタ群IVにおける発光サイリスタL97の光量に対して、約2%大きい。また、発光サイリスタ群IIにおける発光サイリスタL33の光量は、発光サイリスタ群IIIにおける発光サイリスタL65の光量に対して、約2%大きい。さらに、発光サイリスタ群Iにおける発光サイリスタL1の光量は、発光サイリスタ群IIにおける発光サイリスタL33の光量に対して、約2%大きい。
そこで、第1の実施の形態では、発光サイリスタL1〜L128の全体において、光量の変動が2%になるようにする。以下では、図11を参照して図10を説明する。
まず、発光サイリスタ群IVにおける高さs4を19μmに設定する(図11参照)。発光サイリスタ群IVの最も番号が小さい発光サイリスタL97の光量(1とする。)に対して、最も番号が大きい発光サイリスタL128の光量は、約2%小さい値(0.98)となる。これは、発光サイリスタ群IVにおいても、番号が大きくなるにつれて点灯信号線75(幹部75a)における点灯のための電流が流れる部分の抵抗(値)が大きくなるためである。
次に、発光サイリスタLの光量が、高さsが19μmの場合に比べて約2%小さくなるように、発光サイリスタ群IIIにおける高さs3を16.4μmに設定する(図11参照)。しかし、“レンズなし”の場合において、発光サイリスタ群IIIの最も番号が小さい発光サイリスタL65の光量は、発光サイリスタ群IVの最も番号が小さい発光サイリスタL97の光量に比べて、約2%大きい。よって、発光サイリスタ群IIIにおける発光サイリスタL65の光量と、発光サイリスタ群IVにおける発光サイリスタL97の光量とはほぼ同じ値(1)になる。
なお、発光サイリスタ群IIIの最も番号が小さい発光サイリスタL65の光量(1)に対して、最も番号が大きい発光サイリスタL96の光量は、約2%小さい値(0.98)となる。
さらに、発光サイリスタLの光量が、高さsが16.4μmの場合に比べて約2%小さくなるように、発光サイリスタ群IIにおける高さs2を15.5μmに設定する(図11参照)。しかし、“レンズなし”の場合において、発光サイリスタ群IIの最も番号が小さい発光サイリスタL33の光量は、発光サイリスタ群IIIの最も番号が小さい発光サイリスタL65の光量に比べて、約2%大きい。よって、発光サイリスタ群IIにおける発光サイリスタL33の光量は、発光サイリスタ群IIIにおける発光サイリスタL65の光量とはほぼ同じ値(1)になる。
なお、発光サイリスタ群IIの最も番号が小さい発光サイリスタL33の光量(1)に対して、最も番号が大きい発光サイリスタL64の光量は、約2%小さい値(0.98)となる。
さらにまた、発光サイリスタLの光量が、高さsが15.5μmの場合に比べて約2%小さくなるように、発光サイリスタ群Iにおける高さs1を14.9μmに設定する(図11参照)。しかし、“レンズなし”の場合において、発光サイリスタ群Iの最も番号が小さい発光サイリスタL1の光量は、発光サイリスタ群IIの最も番号が小さい発光サイリスタL33の光量に比べて、約2%大きい。よって、発光サイリスタ群Iにおける発光サイリスタL1の光量は、発光サイリスタ群IIにおける発光サイリスタL33の光量とはほぼ同じ値(1)になる。
なお、発光サイリスタ群Iの最も番号が小さい発光サイリスタL1の光量(1)に対して、最も番号が大きい発光サイリスタL32の光量は、約2%小さい値(0.98)となる。
このようにすることで、それぞれの発光サイリスタ群においては、発光サイリスタLの光量に変動があるが、全体としては、発光サイリスタLの光量の変動が抑制される。例えば、図10の“レンズあり”に示したように、発光サイリスタLの光量の変動は、約8%から約2%に抑制されている。
また、図10の“レンズあり”に示すように、各発光サイリスタ群において最も番号が小さい発光サイリスタL(発光サイリスタL1、L33、L65、L97)の光量は、“レンズなし”における発光サイリスタL1に比べて、2.32倍に増加している。
以上においては、発光サイリスタLの光量が番号(位置)に対して、線形に変化するとして説明した。また、発光サイリスタLの光量の増加および減少の比を約2%とした。これらは一例であって、点灯信号線75(幹部75a)における点灯のための電流が流れる部分の抵抗(値)、発光サイリスタLの光量の変動に基づいて、発光面311からレンズ90の頂点92aまでの高さs、すなわち、台座部91の厚さ(発光サイリスタLから台座部91とレンズ部92との境界までの高さ)を設定すればよい。
ここでは、発光サイリスタLを4つの組に分けたが、4を超える組に分けてもよい。多くの組に分けることで、発光サイリスタL間の光量の差(上記においては約2%)をさらに少なくすることができる。
図13は、台座部91を傾斜して設けた場合を説明する図である。
図13では、それぞれの発光サイリスタLの光量に対応して、高さsを設定するために、台座部91の表面(レンズ部92との境界)を傾斜させている。発光サイリスタLごとに高さsが設定されることで、発光サイリスタL間の光量の差がさらに少なくなる。
なお、台座部91の傾斜は、発光サイリスタL間の光量、および図11に一例として示した発光面311からレンズ90の頂点92aまでの高さsと光量との関係から、発光サイリスタL間の光量の差が抑制されるように設定される。よって、台座部91の表面は、1つの傾斜角で設定される面であってもよく、凸状または凹状になった面であってもよい。また、複数の発光サイリスタLごとにこれらの面が現れてもよい。
さらに、それぞれの発光サイリスタLの発光面311が対向する台座部91の表面は、発光面311に対して平行な面であってもよい。すなわち、図7で示したそれぞれの発光サイリスタ群が1つの発光サイリスタLで構成された場合であってもよい。
また、図13に示す傾斜状に設けられた台座部91を有するレンズ90は、例えば前述したインプリント法により形成できる。
これまで、レンズ90のレンズ部92は、発光面311から遠い側の面が凸面状になっているとして説明した。レンズ90におけるレンズ部92の形状は、凸面状に限らない。
図14は、レンズ90の他の形状の例を説明する図である。図14(a)は、レンズ部92の凸面状の頂点の部分が平坦(平坦面92b)になったレンズ90を示している。図14(b)は、レンズ部92の凸面状の頂点(図6のレンズ90の頂点92a)から発光面311に向けて筒状の開口92cが設けられたレンズ90を示している。なお、図14(b)では、レンズ90のレンズ部92における開口92cを除く部分を、網点を付して示している。
発光サイリスタLの発光面311は平面であって、点光源ではなく、有限の面積を有する面光源として働く。そして、完全拡散面光源のように、発光面311を構成する微細な領域(面要素)から、すべての方向に輝度が等しくなるように発光していると考えられる。この発光分布はランバーシアンである。よって、発光面311に垂直な方向の発光強度が最も大きく、斜め方向になるほど発光強度が小さくなる。
このことから、発光面311から垂直方向に出射する光を、より多く取り出すことができることが望ましい。
また、発光サイリスタLの発光面311では、中央部に置かれたn型オーミック電極321(図6参照)の周辺(馬蹄形領域311a)からの発光強度が最も大きく、発光面311の周辺に遠ざかるにしたがい発光強度が小さくなる。
よって、発光強度の大きい発光面311の中央部からの発光を効率よく取り込むことが好ましい。
これらのことから、発光面311の中央部から発光面311に対して垂直方向に出射する光を取り出す(開口角θ内に取り込む)ためには、必ずしもレンズ効果を用いる必要がない。そこで、図14(a)、(b)に示すように、レンズ90におけるレンズ部92の発光面311の中央部に対向する部分を平坦面92b(図14(a))または開口92c(図14(b))として、発光サイリスタLが出射する光の取り出し効率を向上させている。
また、発光強度が大きい馬蹄形領域311aから出射する光を効率よく取り出すために、馬蹄形領域311aに対応するように、シリンドリカルレンズおよび/または球面レンズを用いたレンズ部92であってもよい。
図14に示したレンズ90の形状は一例であって、他の形状であってもよい。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、図5に示すように、発光チップCは1個の自己走査型発光素子アレイ(SLED)を備えていた。第2の実施の形態の発光チップCは2個の自己走査型発光素子アレイ(SLED:SLED−l、SLED−r)を備えている。
よって、画像形成装置1(図1参照)、プリントヘッド14(図2参照)、発光装置65(図3参照)の構成については、第1の実施の形態と同様である。なお、発光チップCおよび回路基板62上の配線(ライン)の構成は異なっている。以下、同様な部分の説明を省略し、異なる部分を説明する。
(発光装置65)
図15は、第2の実施の形態における発光チップCの構成、発光装置65の信号発生回路110の構成および回路基板62上の配線(ライン)の構成を示した図である。図15(a)は発光チップCの構成を示し、図15(b)は発光装置65の信号発生回路110の構成および回路基板62上の配線(ライン)の構成を示している。
図4に示した第1の実施の形態と同様の部分の説明を省略し、異なる部分を説明する。
はじめに、図15(a)に示す発光チップCの構成を説明する。
発光チップCは、表面形状が矩形である基板80の表面において、長辺の一辺に近い側に長辺に沿って列状に設けられた複数の発光素子(本実施の形態では発光サイリスタLl1、Ll2、Ll3、…、発光サイリスタLr1、Lr2、Lr3、…)から構成される発光部102を備えている。さらに、発光チップCは、基板80の表面の長辺方向の両端部に、各種の制御信号等を取り込むための複数のボンディングパッドである端子(φ1端子、φ2端子、Vga端子、φIl端子、φIr端子)を備えている。なお、これらの端子は、基板80の一端部からφIl端子、φ1端子の順に設けられ、基板80の他端部からφIr端子、Vga端子、φ2端子の順に設けられている。そして、発光部102は、φ1端子とφ2端子との間に設けられている。すなわち、第2の実施の形態の発光チップCは、図4に示した第1の実施の形態における発光チップCにおけるφI端子の代わりにφIl端子を備え、さらに基板80の他端部にφIr端子を備えている。
次に、図15(b)により、発光装置65の信号発生回路110の構成および回路基板62上の配線(ライン)の構成を説明する。
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、発光装置65の回路基板62には、信号発生回路110および発光チップC1〜C40が搭載され、信号発生回路110と発光チップC1〜C40とを接続する配線(ライン)が設けられている。
信号発生回路110において、点灯信号発生部140の構成が、第1の実施の形態と異なっている。すなわち、第2の実施の形態では、第1の実施の形態における点灯信号φI1が、点灯信号φI1lと点灯信号φI1rとの2つになっている。他の、点灯信号φI2〜φI40も同様である。ここで、点灯信号φI1l、φI2l、…、φI40lをそれぞれ区別しないときはφIlと、点灯信号φI1r、φI2r、…、φI40rをそれぞれ区別しないときは点灯信号φIrと表記する。さらに、点灯信号φI1l、φI2l、…、φI40l、点灯信号φI1r、φI2r、…、φI40rをそれぞれ区別しないときは点灯信号φIと表記する。
信号発生回路110の他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
信号発生回路110と発光チップC1〜C40とを接続する配線(ライン)について、第1の実施の形態と異なる部分を説明する。
回路基板62には、信号発生回路110の点灯信号発生部140から、各発光チップC1〜C40のそれぞれのφIl端子にそれぞれ電流制限抵抗RIを介して、点灯信号φI1l〜φI40lを送信する点灯信号ライン204−1l〜204−40lが設けられている。同様に、信号発生回路110の点灯信号発生部140から、各発光チップC1〜C40のそれぞれのφIr端子にそれぞれ電流制限抵抗RIを介して、点灯信号φI1r〜φI40rを送信する点灯信号ライン204−1r〜204−40rが設けられている。
つまり、すべての発光チップCのφIl端子とφIr端子とに、それぞれ異なる点灯信号φI1l、φI2l、…、φI40l、点灯信号φI1r、φI2r、…、φI40rが供給される。
他の配線(ライン)については、第1の実施の形態と同様である。
以上説明したように、回路基板62上のすべての発光チップC1〜C40に、基準電位Vsub、電源電位Vgaが共通に供給される。第1転送信号φ1、第2転送信号φ2も、発光チップC1〜C40に共通(並列)に送信される。一方、点灯信号φI1l、φI2l、…、φI40l、点灯信号φI1r、φI2r、…、φI40rは、発光チップC1〜C40のφIl端子、φIr端子にそれぞれ個別に送信される。
なお、第1の実施の形態と同様に、発光装置65は信号発生回路110を備えなくてもよい。その場合には、発光装置65における電源ライン200a、200b、第1転送信号ライン201、第2転送信号ライン202、点灯信号ライン204−1l〜204−40l、204−1r〜204−40rは、信号発生回路110の代わりに設けられたコネクタなどに接続される。そして、ケーブルにより、発光装置65の外部に設けられた信号発生回路110に接続される。
(発光チップC)
図16は、第2の実施の形態における2個の自己走査型発光素子アレイ(SLED:SLED−l、SLED−r)が搭載された発光チップCの回路構成を説明するための等価回路図である。発光チップCの左側にSLED−lが、右側にSLED−rが配置されている。そして、図15(a)に対応して、φ1端子、φIl端子が発光チップCの左端に、Vga端子、φ2端子、φIr端子が発光チップCの右端に配置されている。
ここでは、信号発生回路110との関係を示さないので、発光チップCとして説明する。
なお、発光チップC1〜C40の構成は、発光チップCと同じである。
SLED−lは、図5に示した第1の実施の形態に示した自己走査型発光素子アレイ(SLED)と同様じ構成である。一方、SLED−rは、図16の紙面において、SLED−lを左右方向で裏返してSLED−lの右側に並べたものに相当する。よって、第1の実施の形態のSLEDと異なる部分を説明し、同じ部分の説明を省略する。
SLED−lは、基板80上に列状に配列された128個の発光サイリスタLl1〜Ll128を備えている。そして、発光サイリスタLl1〜Ll128に対応して設けられた転送サイリスタTl1〜Tl128を備えている。ここで、発光サイリスタLl1〜Ll128をそれぞれ区別しないときは発光サイリスタLlと、転送サイリスタTl1〜Tl128をそれぞれ区別しないときは転送サイリスタTlと表記する。
そして、発光サイリスタLlと転送サイリスタTlとは、同じ番号が対応し、図16において、左側から右側に向かって番号が大きくなるように配置されている。
一方、SLED−rは、基板80上に列状に配列された128個の発光サイリスタLr1〜Lr128を備えている。そして、発光サイリスタLr1〜Lr128に対応して設けられた転送サイリスタTr1〜Tr128を備えている。ここで、発光サイリスタLr1〜Lr128をそれぞれ区別しないときは発光サイリスタLrと、転送サイリスタTr1〜Tr128をそれぞれ区別しないときは転送サイリスタTrと表記する。
そして、発光サイリスタLrと転送サイリスタTrとは、同じ番号が対応し、図16において、右側から左側に向かって番号が大きくなるように配置されている。
そして、SLED−rの発光サイリスタL128とSLED−lの発光サイリスタL128とは、その間隔が発光サイリスタLl1〜Ll128(発光サイリスタLr1〜Lr128)間の間隔になるように設定されている。
そして、それぞれ隣接する転送サイリスタTlおよび転送サイリスタTrが結合ダイオード(記号なし)で接続されている。結合ダイオードは、転送サイリスタTlまたは転送サイリスタTrにおいて、番号が小さい方から大きい方に電流が流れる向きに接続されている。
さらに、SLED−lおよびSLED−rは、それぞれスタートダイオードDxl0、Dxr0を備えている。スタートダイオードDxl0のカソード端子は転送サイリスタTl1のゲート端子に接続され、アノード端子はφ2端子に接続された第2転送信号線73lに接続されている。一方、スタートダイオードDxr0のカソード端子は転送サイリスタTr1のゲート端子に接続され、アノード端子はφ2端子に接続された第2転送信号線73rに接続されている。
そして、奇数番号の転送サイリスタTlのカソード端子は、電流制限抵抗Rl1を介して、φ1端子に接続されている。奇数番号の転送サイリスタTrのカソード端子は、電流制限抵抗Rr1を介して、同じφ1端子に接続されている。
同様に、偶数番号の転送サイリスタTlのカソード端子は、電流制限抵抗Rl2を介してφ2端子に接続されている。偶数番号の転送サイリスタTrのカソード端子は、電流制限抵抗Rr2を介して、同じφ2端子に接続されている。
発光サイリスタLl1〜Ll128のカソード端子は、点灯信号線75lに接続されている。点灯信号線75lは、φIl端子に接続されている。φIl端子には、点灯信号発生部140から点灯信号φIlが送信される。点灯信号φIlは、発光サイリスタLl1〜Ll128に点灯のための電流を供給する。
発光サイリスタLr1〜Lr128のカソード端子は、点灯信号線75rに接続されている。点灯信号線75rは、φIr端子に接続されている。φIr端子には、点灯信号発生部140から点灯信号φIrが送信される。点灯信号φIrは、発光サイリスタLr1〜Lr128に点灯のための電流を供給する。
そして、発光チップCのSLED−lにおいては、発光サイリスタLlの番号が小さいほど、点灯信号線75l(図6における幹部75aに相当する部分)における電流が流れる部分が短く、番号が大きくなるほど、点灯信号線75lにおける電流が流れる部分が長い。
また、発光チップCのSLED−rにおいても、発光サイリスタLrの番号が小さいほど、点灯信号線75r(図6における幹部75aに相当する部分)における電流が流れる部分が短く、番号が大きくなるほど、点灯信号線75lにおける電流が流れる部分が長い。
以上説明したように、第2の実施の形態の発光チップCでは、第1転送信号φ1と第2転送信号φ2とは、SLED−lおよびSLED−rに共通に送信され、SLED−lとSLED−rとが並行して動作する。一方、点灯信号φIは、SLED−lとSLED−rに別々に送信される。
図17は、第2の実施の形態における発光サイリスタ上に設けられたレンズ90(台座部91およびレンズ部92)を説明する図である。
ここでは、発光チップCのSLED−lおよびSLED−rにおいて、それぞれ発光面311からレンズ90の頂点92aまでの高さsを第1の実施の形態と同様に、4段階(s1<s2<s3<s4)とした。そして、φIl端子からに近い発光サイリスタLl1では高さs1とし、遠い発光サイリスタLl128では高さs4とした。そして、φIr端子から近い発光サイリスタLr1では高さs1とし、遠い発光サイリスタLr128では高さs4とした。
すなわち、図17に示すレンズ90は、SLED−lでは図7と同様であって、SLED−rでは図7を紙面において左右方向に裏返したものに相当する。
このように、第2の実施の形態では、発光チップCは、発光サイリスタLl1〜Ll128、発光サイリスタLr1〜Lr128から構成される発光サイリスタ列(発光部102(図15(a)参照))を備え、転送サイリスタTl1〜Tl128、転送サイリスタTr1〜Tr128、結合ダイオード、電源線抵抗、スタートダイオードDxl0、Dxr0、電流制限抵抗Rl1、Rr1、Rl2、Rr2を備える部分から構成される転送部101を備えている(図16参照)。
以上説明したように、第2の実施の形態における発光チップCは、第1の実施の形態における発光チップCに比べ、端子(φIr端子)を1つ増やすことで、発光サイリスタLの数を128個から256個と2倍になっている。よって、発光チップCの数を変更しない場合(例えば40個)には、主走査方向の発光素子(ドット)の数が倍になる。一方、主走査方向の発光素子(ドット)の数を変えない場合には、発光チップCの数が半分(例えば20個)になる。
なお、第2の実施の形態における発光チップCは、第1の実施の形態の発光チップCと同様に製造される。
次に、発光チップCの動作を説明する。
ここでは、発光チップC1で説明する。前述したように、発光チップC1〜C40は並行に動作する。
そして、発光チップC1のSLED−lの動作は、第1の発光チップCの動作と同様であって、図9において点灯信号φI1を点灯信号φI1lとすればよい。
一方、発光チップC1のSLED−rは、SLED−lと並行に動作する。すなわち、第1転送信号φ1および第2転送信号φ2は、SLED−lとSLED−rとに共通に送信される。よって、同じ番号の転送サイリスタTlおよび転送サイリスタTrが並行してオン状態になる。
そして、オン状態の転送サイリスタTl、Trにそれぞれ接続された発光サイリスタLl、Lrが、それぞれ個別に送信された点灯信号φIl、φIrにより、点灯が制御される。点灯信号φIlが「L」であれば発光サイリスタLlが点灯し、「H」であれば消灯のままとなる。同様に、点灯信号φIrが「L」であれば発光サイリスタLrが点灯し、「H」であれば消灯のままとなる。
前述したように、転送サイリスタTl、発光サイリスタLlは、図16の紙面において、発光チップCの左端部から中央部に向けて配列され、転送サイリスタTr、発光サイリスタLrは、発光チップCの右端部から中央部に向けて配列されている。よって、SLED−lの発光サイリスタLlは左端側から中央部に向けて、SLED−rの発光サイリスタLrは右端部から中央部に向けて、点灯制御される。
発光チップC1の動作の詳細は、第1の実施の形態で説明したと同様であるので、これ以上の説明は省略する。このようにして、発光チップC1が動作する。
図18は、第2の実施の形態の発光チップCにおける発光サイリスタLの光量を説明する図である。発光サイリスタLの光量は、“レンズなし”の場合の発光サイリスタLl1の光量を“1”として示している。なお、ここでは発光サイリスタLr1の光量も“1”としている。
第2の実施の形態においても、“レンズなし”では、番号が大きくなるほど発光サイリスタLl、Lrは、点灯信号線75l、75rにおいて電流が流れる部分が長くなるため、抵抗による電圧降下の影響が大きくなる。そして、発光サイリスタLl、Lrの光量は、番号が大きくなるとともに、徐々に減少していく。すなわち、発光チップCの中央部が、両端部に比べ、光量が最も小さくなる(例えば約8%減少する)。
よって、第2の実施の形態の発光チップCでは、第1の実施の形態で説明したと同様に、レンズ90(台座部91とレンズ部92)とを設けている(図17参照)。そして、発光面311からレンズ90の頂点92aまでの高さsを、発光サイリスタLl、Lrの番号が大きくなるほど大きくすることにより、発光チップC全体として、発光サイリスタLl間および発光サイリスタLr間における光量の差を抑制している。
なお、本実施の形態でも、第1の実施の形態における図13で説明したように、台座部91を傾斜させてもよい。このとき、SLED−lでは、発光サイリスタLl1から発光サイリスタLl128に行くにしたがい、高さsが大きくなるようにし、SLED−rでは、発光サイリスタLr1から発光サイリスタLr128に行くにしたがい、高さsが大きくなるようにする。
また、レンズ90の形状は、第1の実施の形態において、図14に示したように、平坦面92bを設けたもの、または開口92cを設けたものであってもよい。また、他の形状であってもよい。
さらに、図16では、点灯信号線75l、75rは相互に接続されていないが、発光サイリスタLl128と発光サイリスタLr128との間の部分で相互に接続されていてもよい。
第1の実施の形態および第2の実施の形態では、サイリスタ(転送サイリスタT、発光サイリスタL)は、アノード端子が基板80に接続されたアノードコモンとして説明した。サイリスタ(転送サイリスタT、発光サイリスタL)は、回路の極性を変更することによって、カソード端子が基板80に接続されたカソードコモンとしてもよい。
また、発光サイリスタLの発光面311の中央に、n型オーミック電極321が設けられているとしたが、n型オーミック電極321は発光面311の中央からずれたところに、設けられていてもよい。
また、n型オーミック電極321が設けられていなくてもよい。
さらに、第1の実施の形態および第2の実施の形態では、発光サイリスタLと転送サイリスタTとから構成される自己走査型発光素子アレイ(SLED)で説明したが、自己走査型発光素子アレイ(SLED)は、発光サイリスタLと転送サイリスタTの他に、制御用のサイリスタおよび/またはダイオード、抵抗などの他の部材を含んでいてもよい。
また、第1の実施の形態および第2の実施の形態では、転送サイリスタTの間を結合ダイオードDxで接続したが、抵抗など電位の変化を伝達できる部材であってもよい。
そして、第1の実施の形態および第2の実施の形態では、発光素子を発光サイリスタLとしたが、発光素子はp型の半導体層とn型の半導体層とが積層された発光ダイオード(LED)であってもよい。
1…画像形成装置、10…画像形成プロセス部、11…画像形成ユニット、12…感光体ドラム、14…プリントヘッド、30…画像出力制御部、40…画像処理部、62…回路基板、63…光源部、64…ロッドレンズアレイ、65…発光装置、71…電源線、72…第1転送信号線、73、73l、73r…第2転送信号線、75、75l、75r…点灯信号線、75a…幹部、75b…枝部、90…レンズ、91…台座部、92…レンズ部、92a…頂点、92b…平坦面、92c…開口、94、94a、94b…感光性材料、110…信号発生回路、120…転送信号発生部、140…点灯信号発生部、160…基準電位供給部、170…電源電位供給部、φ1…第1転送信号、φ2…第2転送信号、φI(φI1〜φI40)、φIl(φI1l〜φI40l)、φIr(φI1r〜φI40r)…点灯信号、C(C1〜C40)…発光チップ、L…発光サイリスタ、T…転送サイリスタ、Dx…結合ダイオード、Vga…電源電位、Vsub…基準電位

Claims (7)

  1. 基板上に列状に配置された複数の発光素子と、
    前記複数の発光素子のそれぞれの発光素子上に当該発光素子の光を出射する発光面に対向してそれぞれ設けられ、当該発光素子が出射する光を集光するとともに、当該発光素子に発光のための電流が供給される配線の給電点からの抵抗値に対応して、光量を増加させる割合が設定された複数のレンズと
    を備える発光部品。
  2. 前記光量を増加させる割合は、前記配線の前記給電点からの抵抗値が大きい場合に、当該抵抗値が小さい場合に比べ、大きく設定されることを特徴とする請求項1に記載の発光部品。
  3. 前記レンズは、前記発光素子上に設けられた集光作用を有しない台座部と、当該台座部上に設けられた集光作用を有するレンズ部とを備え、
    前記光量を増加させる割合は、前記発光素子から前記台座部と前記レンズ部との境界までの高さによって設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の発光部品。
  4. 前記複数の発光素子が複数の発光素子群に分けられ、当該複数の発光素子群のそれぞれの発光素子群毎に、当該発光素子群に含まれるそれぞれの発光素子において、当該発光素子から前記台座部と前記レンズ部との境界までの高さが設定されることを特徴とする請求項3に記載の発光部品。
  5. 前記複数の発光素子は、自己走査型発光素子アレイが備える複数の発光サイリスタであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の発光部品。
  6. 基板上に列状に配置された複数の発光素子と、当該複数の発光素子のそれぞれの発光素子上に当該発光素子の光を出射する発光面に対向してそれぞれ設けられ、当該発光素子が出射する光を集光するとともに、当該発光素子に発光のための電流が供給される配線の給電点からの抵抗値に対応して、光量を増加させる割合が設定された複数のレンズとを備える発光手段と、
    前記発光手段から照射される光を結像させる光学手段と
    を備えたプリントヘッド。
  7. 像保持体と、
    前記像保持体を帯電する帯電手段と、
    基板上に列状に配置された複数の発光素子と、当該複数の発光素子のそれぞれの発光素子上に当該発光素子の光を出射する発光面に対向してそれぞれ設けられ、当該発光素子が出射する光を集光するとともに、当該発光素子に発光のための電流が供給される配線の給電点からの抵抗値に対応して、光量を増加させる割合が設定された複数のレンズとを備え、光学手段を介して前記像保持体を露光する露光手段と、
    前記露光手段により露光され前記像保持体に形成された静電潜像を現像する現像手段と、
    前記像保持体に現像された画像を被転写体に転写する転写手段と
    を備えた画像形成装置。
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