JP2013047893A - レギュレータおよび直流安定化電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】出力電圧のオーバーシュート等の不具合を生じさせることなく、出力電圧の立ち上がり期間を柔軟に制御すること。
【解決手段】基準電圧Vadjの立ち上がり期間の傾きを制御することにより、出力電圧Voの立ち上がり期間の傾きを制御するソフトスタート制御回路120を備える。ソフトスタート制御回路120は、基準電圧Vadjの立ち上がり期間の傾きを、当該立ち上がりの途中で変化させる。
【選択図】図1
【解決手段】基準電圧Vadjの立ち上がり期間の傾きを制御することにより、出力電圧Voの立ち上がり期間の傾きを制御するソフトスタート制御回路120を備える。ソフトスタート制御回路120は、基準電圧Vadjの立ち上がり期間の傾きを、当該立ち上がりの途中で変化させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、入力電圧を安定化して出力電圧を安定的に得るためのレギュレータおよび直流安定化電源装置に関する。
従来、直流安定化電源装置においては、出力電圧を安定化するためのレギュレータが多く用いられている。このようなレギュレータの中には、入力電圧を降圧させて、この入力電圧よりも低い出力電圧を安定的に得るための降圧型(ドロッパ型)レギュレータがある。このような降圧型レギュレータは、設計が容易であり、回路内に発生するノイズが小さいために、幅広い用途に用いられている。
一方、レギュレータや電源装置の中には、起動時における出力電圧のオーバーシュートの発生を防止するために、出力電圧を緩やかに上昇させるソフトスタート回路が用いられているものがある。
例えば、下記特許文献1には、定電流によりコンデンサを間欠的に充電して、ソフトスタート時間を確保することにより、滑らかなソフトスタート信号を得ることができるとされているソフトスタート回路が開示されている。
また、下記特許文献2には、定電流によりコンデンサを充電し、コンデンサの端子電圧を設定された時間で設定電圧まで上昇させ、コンデンサの端子電圧によって出力電圧のスイッチング制御をおこなうことにより、出力電圧を徐々に上昇させるソフトスタート動作を実行するスイッチング電源が開示されている。
ここで、図8および図9を参照して、従来の直流安定化電源装置について説明する。
図8は、従来の直流安定化電源装置700の構成を示す。直流安定化電源装置700は、入力電圧Viを降圧および安定化して、入力電圧Viよりも低い出力電圧Voを安定的に得る、いわゆる降圧型の直流安定化電源装置である。
図8に示すように、従来の直流安定化電源装置700は、電源VDD、コンデンサC1、レギュレータ回路710、抵抗R1、抵抗R2、コンデンサC2、コンデンサC3、負荷Zを備える。
この直流安定化電源装置700においては、電源VDDによって生成され、コンデンサC1によって平滑化された入力電圧Viが、レギュレータ回路710によって降圧される。これにより、直流安定化電源装置700においては、出力電圧Voが生じ、この出力電圧Voが、コンデンサC2によって平滑化され、負荷Zに印加される。
レギュレータ回路710においては、誤差増幅器716が、出力電圧Voに応じた帰還電圧Vadjと、基準電圧回路718によって生成された基準電圧Vrefとの誤差電圧に応じた誤差電圧信号を出力する。
そして、ドライブ回路714が、この誤差電圧信号に応じて、トランジスタ712のエミッタ−ベース間を流れる電流を制御することにより、トランジスタ712のエミッタ−コレクタ間を流れる電流を制御する。
これにより、直流安定化電源装置700は、帰還電圧Vadjと基準電圧Vrefとの誤差が生じる都度、この誤差を解消することで、所望の出力電圧Voを安定的に得られるようになっている。
ここで、基準電圧回路718は、直流安定化電源装置700の起動時における出力電圧Voのオーバーシュートや突入電流の発生を防止するため、基準電圧VrefがコンデンサC3により徐々に立ち上がることができるように構成されている。
図9は、従来の直流安定化電源装置700における各種電圧の変化を示す。
図9に示す例では、直流安定化電源装置700の起動時(タイミングt1)から、入力電圧Viが急激に立ち上がっている。
出力電圧Voをソフトスタートさせない場合は、入力電圧Viの立ち上がり開始から僅かに遅れて、基準電圧Vrefが所定の電圧値まで急激に立ち上がっている。これに応じて、出力電圧Voが所望の電圧値まで急激に立ち上がっている。これにより、比較的早いタイミングt2において、出力電圧Voが所望の電圧値まで到達しているが、このタイミングt2において、出力電圧Voのオーバーシュートが生じてしまっている。
一方、出力電圧Voをソフトスタートさせる場合は、入力電圧Viの立ち上がり開始から僅かに遅れて、基準電圧Vrefが所定の電圧値までゆっくりと立ち上がっている。これに応じて、出力電圧Voが所望の電圧値までゆっくりと立ち上がっている。これにより、出力電圧Voのオーバーシュートが生じていないものの、比較的遅いタイミングt3において、出力電圧Voが所望の電圧値まで到達している。
このように、従来の直流安定化電源装置では、出力電圧Voのオーバーシュートを生じさせないようにすると、出力電圧Voの立ち上がり期間が長時間化し、反対に、出力電圧Voの立ち上がり期間を短時間化しようとすると、出力電圧Voのオーバーシュートが生じてしまう。すなわち、従来の直流安定化電源装置では、出力電圧Voのオーバーシュートを生じさせず、出力電圧Voの立ち上がり期間を柔軟に制御することができない。
そこで、本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、出力電圧のオーバーシュート等の不具合を生じさせることなく、出力電圧の立ち上がり期間を柔軟に制御することができるレギュレータおよび直流安定化電源装置を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明に係るレギュレータは、入力電圧から安定的な出力電圧を得るレギュレータであって、基準電圧と帰還された前記出力電圧との誤差電圧に応じて前記出力電圧を制御する出力電圧制御手段と、前記基準電圧の立ち上がり期間の傾きを制御することにより、前記出力電圧の立ち上がり期間の傾きを制御するソフトスタート制御手段とを備え、前記ソフトスタート制御手段は、前記基準電圧の立ち上がり期間の傾きを、当該立ち上がりの途中で変化させることを特徴とする。
本発明によれば、出力電圧の立ち上がりの途中で、立ち上がり期間を早めたり、遅めたりすることができる。これにより、出力電圧のオーバーシュート等の不具合を生じさせることなく、出力電圧の立ち上がり期間を柔軟に制御することができる。
また、上記レギュレータにおいて、前記ソフトスタート制御手段は、前記基準電圧の立ち上がり期間の傾きを、当該立ち上がりの途中で減少させることが好ましい。
この構成によれば、まず、比較的短時間で、出力電圧をある程度の電圧値に到達させることができる。その後、上記傾きを減少させることにより、出力電圧のオーバーシュートを生じさせることなく、出力電圧を所望の電圧値に到達させることができる。したがって、出力電圧のオーバーシュート等の不具合を生じさせることなく、出力電圧の立ち上がり期間を短時間化することができる。
また、上記レギュレータにおいて、前記ソフトスタート制御手段は、前記基準電圧の立ち上がり期間の傾きを、当該立ち上がりの途中で増大させることが好ましい。
この構成によれば、まず、出力電圧の立ち上がり期間を遅延させることができる。その後、上記傾きを増大させることにより、出力電圧の立ち上がり期間を短時間化することができる。
また、上記レギュレータにおいて、前記出力電圧または前記出力電圧と相関を有する電圧を検出する電圧検出手段をさらに備え、前記ソフトスタート制御手段は、前記電圧検出手段によって検出された電圧に応じて、前記基準電圧の立ち上がり期間の傾きを変化させることが好ましい。
この構成によれば、実際の出力電圧に応じて、その立ち上がり期間の傾きを適切に変化させることができる。これにより、出力電圧の立ち上がりのタイミングや時間等の精度を高めることができるので、より確実に、出力電圧のオーバーシュート等の不具合を生じさせることなく、出力電圧の立ち上がり期間を柔軟に制御することができる。
また、上記レギュレータにおいて、前記ソフトスタート制御手段は、前記電圧検出手段によって検出された電圧が予め定められた閾値に達したタイミングで、前記基準電圧の立ち上がり期間の傾きを変化させることが好ましい。
この構成によれば、実際の出力電圧が予め定められた閾値に達したタイミングで、確実に、その立ち上がり期間の傾きを変化させることができる。このため、出力電圧のオーバーシュートを確実に防止することができる。
また、本発明に係る直流安定化電源装置は、上記レギュレータを備えることを特徴とする。
本発明によれば、上記レギュレータと同様の効果を奏する直流安定化電源装置を提供することができる。
本発明に係るレギュレータおよび直流安定化電源装置によれば、出力電圧のオーバーシュート等の不具合を生じさせることなく、出力電圧の立ち上がり期間を柔軟に制御することができるという効果を奏する。
本発明に係る実施形態について、図面を参照して以下に説明する。
(実施形態1)
まず、図1〜図3を参照して、本発明に係る実施形態1について説明する。
まず、図1〜図3を参照して、本発明に係る実施形態1について説明する。
図1は、実施形態1に係る直流安定化電源装置100の構成を示す。直流安定化電源装置100は、入力電圧Viを降圧および安定化して、入力電圧Viよりも低い出力電圧Voを安定的に得る、いわゆる降圧型の直流安定化電源装置である。
(直流安定化電源装置の構成)
図1に示すように、直流安定化電源装置100は、電源VDD、コンデンサC1、レギュレータ回路110、抵抗R1、抵抗R2、コンデンサC2、コンデンサC3、負荷Zを備える。
図1に示すように、直流安定化電源装置100は、電源VDD、コンデンサC1、レギュレータ回路110、抵抗R1、抵抗R2、コンデンサC2、コンデンサC3、負荷Zを備える。
電源VDDは、入力電圧Viを生成する。
コンデンサC1は、電源VDDによって生成された入力電圧Viを平滑化する、いわゆる平滑コンデンサである。コンデンサC1によって平滑化された入力電圧Viは、レギュレータ回路110の入力電圧となる。
レギュレータ回路110は、入力電圧Viを降圧させ、安定的な出力電圧Voを得る、いわゆる降圧型(ドロッパ型)のレギュレータである。
コンデンサC2は、レギュレータ回路110によって得られた出力電圧Voを平滑化する、いわゆる平滑コンデンサである。コンデンサC2によって平滑化された出力電圧Voは、負荷Zに印加される。
(レギュレータ回路110の具体的な構成)
ここで、レギュレータ回路110の構成について具体的に説明する。図1に示すように、レギュレータ回路110は、トランジスタ112、ドライブ回路114、誤差増幅器116、基準電圧回路118、およびソフトスタート制御回路120を備える。
ここで、レギュレータ回路110の構成について具体的に説明する。図1に示すように、レギュレータ回路110は、トランジスタ112、ドライブ回路114、誤差増幅器116、基準電圧回路118、およびソフトスタート制御回路120を備える。
トランジスタ112は、入力電圧Viを降圧させて出力電圧Voを得るためのものである。
具体的には、本実施形態のレギュレータ回路110においては、トランジスタ112として、PNPトランジスタが用いられている。このトランジスタ112のエミッタは、入力電圧Vi側の配線に接続されている。また、トランジスタ112のコレクタは、出力電圧Vo側の配線に接続されている。そして、トランジスタ112のベースは、ドライブ回路114の出力に接続されている。
このような構成により、トランジスタ112は、ドライブ回路114によって、エミッタ−ベース間を流れる電流が制御されることで、エミッタ−コレクタ間を流れる電流を制御する可変抵抗のように機能する。そして、トランジスタ112は、エミッタ−コレクタ間を流れる電流を制御することで、出力電圧Voを制御することが可能となっている。
基準電圧回路118は、基準電圧Vrefを生成して、これを出力する。具体的には、基準電圧回路118は、コンデンサC3へ接続されており、このコンデンサC3に対する充電をおこなうことにより、所望の基準電圧Vrefを得る。
誤差増幅器116は、帰還電圧Vadjと基準電圧Vrefとの誤差電圧を増幅し、これ誤差電圧信号として出力する。具体的には、誤差増幅器116のプラス入力端子(非反転入力端子)は、抵抗R1と抵抗R2との中点に接続されており、抵抗R1と抵抗R2とによって分圧された出力電圧Voが、帰還電圧Vadjとして入力される。
一方、誤差増幅器116のマイナス入力端子(反転入力端子)は、基準電圧回路118の出力に接続されており、この基準電圧回路118から基準電圧Vrefが入力される。
誤差増幅器116は、入力された帰還電圧Vadjと基準電圧Vrefとの誤差電圧を求め、この誤差電圧を増幅して、誤差電圧信号Compとして出力する。
例えば、誤差増幅器116は、帰還電圧Vadjが基準電圧Vrefよりも高い場合は、その差分(増加分)を示す誤差電圧信号Compを出力する。一方、誤差増幅器116は、帰還電圧Vadjが基準電圧Vrefよりも低い場合は、その差分(不足分)を示す誤差電圧信号Compを出力する。
ドライブ回路114の入力は、誤差増幅器116の出力に接続されている。一方、ドライブ回路114の出力は、トランジスタ112のベースに接続されている。ドライブ回路114は、誤差増幅器116から出力された誤差電圧信号Compに応じて、トランジスタ112のベース電流(エミッタ−ベース間を流れる電流)を制御することにより、エミッタ−コレクタ間を流れる電流、すなわち出力電圧Voを制御する。
例えば、ドライブ回路114は、帰還電圧Vadjが基準電圧Vrefよりも高いために、その差分(増加分)を示す誤差電圧信号Compを誤差増幅器116から受け取った場合、トランジスタ112のベース電流を、この誤差電圧信号Compが示す差分(増加分)に応じて低くする。これにより、トランジスタ112のエミッタ−コレクタ間を流れる電流、すなわち出力電圧Voが下がり、出力電圧Voが所望の電圧値に近づくこととなる。
一方、ドライブ回路114は、帰還電圧Vadjが基準電圧Vrefよりも低いために、その差分(不足分)を示す誤差電圧信号Compを誤差増幅器116から受け取った場合、トランジスタ112のベース電流を、この誤差電圧信号Compが示す差分(不足分)に応じて高くする。これにより、トランジスタ112のエミッタ−コレクタ間を流れる電流、すなわち出力電圧Voが上がり、出力電圧Voが所望の電圧値に近づくこととなる。
このように、実施形態1のレギュレータ回路110は、負荷Zの消費電流の変動や、入力電圧Viの変動等により、出力電圧Voに応じた帰還電圧Vadjと基準電圧Vrefとの誤差が生じる都度、この誤差が解消されるように動作するので、所望の出力電圧Voを安定的に得ることができる。
(ソフトスタート制御回路120)
本実施形態の直流安定化電源装置100は、ソフトスタート制御回路120をさらに備えている。
本実施形態の直流安定化電源装置100は、ソフトスタート制御回路120をさらに備えている。
ソフトスタート制御回路120は、直流安定化電源装置100の起動時における出力電圧のオーバーシュートや突入電流の発生を防止するため、基準電圧Vrefの立ち上がり電圧を制御することにより、直流安定化電源装置100におけるソフトスタートを制御する。
具体的に説明すると、基準電圧回路118は、コンデンサC3に対する充電をおこない、基準電圧Vrefを立ち上げることにより、所望の基準電圧Vrefを得ている。そこで、ソフトスタート制御回路120は、コンデンサC3に対する充電電流を制御することにより、基準電圧Vrefの立ち上がり期間の傾き(すなわち、単位時間あたりの電圧の上昇量)を制御する。
例えば、基準電圧回路118は、コンデンサC3に対する充電電流を増やすことにより、基準電圧Vrefの立ち上がり期間の傾きを強め、基準電圧Vrefが所望の基準電圧Vrefに達するまでにかかる時間を早めることができる。
反対に、基準電圧回路118は、コンデンサC3に対する充電電流を減らすことにより、基準電圧Vrefの立ち上がり期間の傾きを弱め、基準電圧Vrefが所望の基準電圧Vrefに達するまでにかかる時間を遅めることができる。
本実施形態の直流安定化電源装置100における出力電圧Voは、基準電圧Vrefによって決定されるといえる。したがって、上記のとおり、ソフトスタート制御回路120が基準電圧Vrefの立ち上がりを制御することにより、出力電圧Voのソフトスタートが制御され、結果的に、直流安定化電源装置100におけるオーバーシュートや突入電流の発生を防止することができる。
ここで、実施形態1のソフトスタート制御回路120は、基準電圧Vrefの立ち上がり期間の傾きをその途中で変化させることにより、出力電圧Voの立ち上がりをその途中で変化させることができる。
特に、実施形態1のソフトスタート制御回路120は、基準電圧Vrefの立ち上がり期間の傾きをその途中で減少させることにより、出力電圧Voの立ち上がりをその途中で減少させることができる。
既に説明したとおり、基準電圧Vrefの立ち上がり期間の傾きは、コンデンサC3に対する充電電流によって決定される。したがって、ソフトスタート制御回路120は、コンデンサC3に対する充電電流を途中で減少させることにより、基準電圧Vrefの立ち上がり期間の傾きをその上昇途中で減少させることができる。
図2は、実施形態1に係るソフトスタート制御回路120の具体的な構成例を示す。
図2に示す例では、ソフトスタート制御回路120には、帰還電圧Vadjおよび基準電圧Vref2が入力されている。基準電圧Vref2は、基準電圧Vrefの立ち上がりの期間の傾きの変化の基準となるものである。当然、基準電圧Vref2は、所望の出力電圧Voに応じた帰還電圧Vadjよりも電圧値が低く設定されている。
ソフトスタート制御回路120は、誤差増幅器202により帰還電圧Vadjと基準電圧Vref2とを比較し、帰還電圧Vadjが基準電圧Vref2に達したタイミングで、ソフトスタート制御回路120内を流れる電流の経路を、抵抗R3が設けられている経路と抵抗R4とが設けられている経路とで切り替える。これにより、コンデンサC3の充電電流を切り替え、基準電圧Vrefの傾きをその上昇途中で減少させる。
具体的に説明すると、帰還電圧Vadjが基準電圧Vref2よりも低い場合は、誤差増幅器202から出力された誤差信号Comp2によって、トランジスタTr3がONに切り替わるとともに、インバータ204から出力されたその反転信号によって、トランジスタTr4がOFFに切り替わる。
これにより、ソフトスタート調整回路120内の抵抗R3が設けられている経路において、以下数式(1)によって求められる電流I1が流れる。なお、以下数式(1)においてVsは定電圧を示す。そして、この電流I1のn倍(トランジスタTr1およびTr2の面積比に応じた倍率)の電流が、トランジスタTr1とカレントミラー構成をなすトランジスタTr2のエミッタ−コレクタ間に流れ、この電流によって、トランジスタTr2のコレクタに接続されているコンデンサC3が充電される。
I1=(Vs−Tr1(VBE)−Tr3(VCE))/R3・・・(1)
一方、帰還電圧Vadjが基準電圧Vref2よりも高くなると、誤差増幅器202から出力された誤差信号Comp2によって、トランジスタTr3がOFFに切り替わるとともに、インバータ204から出力されたその反転信号によって、トランジスタTr4がONに切り替わる。
一方、帰還電圧Vadjが基準電圧Vref2よりも高くなると、誤差増幅器202から出力された誤差信号Comp2によって、トランジスタTr3がOFFに切り替わるとともに、インバータ204から出力されたその反転信号によって、トランジスタTr4がONに切り替わる。
これにより、ソフトスタート調整回路120内の抵抗R4が設けられている経路において、以下数式(2)によって求められる電流I2が流れる。そして、この電流I2のn倍(トランジスタTr1およびTr2の面積比に応じた倍率)の電流がトランジスタTr2のエミッタ−コレクタ間に流れ、この電流によって、トランジスタTr2のコレクタに接続されているコンデンサC3が充電される。
I2=(Vs−Tr1(VBE)−Tr4(VCE))/R4・・・(2)
ここで、抵抗R4は、抵抗R3よりも抵抗値が高く設定されており、これにより、電流I2は電流I1よりも小さくなるように設定されている。このため、コンデンサC3に対する充電電流は、基準電圧Vrefの上昇途中(帰還電圧Vadjが基準電圧Vref2に達したタイミング)で減少することとなる。
ここで、抵抗R4は、抵抗R3よりも抵抗値が高く設定されており、これにより、電流I2は電流I1よりも小さくなるように設定されている。このため、コンデンサC3に対する充電電流は、基準電圧Vrefの上昇途中(帰還電圧Vadjが基準電圧Vref2に達したタイミング)で減少することとなる。
なお、ソフトスタート制御回路120は、コンデンサC3に対する充電電流を途中で変化させることができるものであれば良く、図2以外の構成を採用してもよい。
図3は、実施形態1に係る直流安定化電源装置100における各種電圧の変化を示す。
図3に示す例では、直流安定化電源装置100の起動時(タイミングt1)から、入力電圧Viが急激に立ち上がっている。
それから僅かに遅れて、基準電圧Vrefが急激に立ち上がっているが、ソフトスタート制御回路120により、その途中(タイミングt2)から、その傾きが弱まっている。
これに応じて、出力電圧Voは、急激に立ち上がった後、その途中(タイミングt2)から、その傾きが弱まっている。
その後、基準電圧Vrefは比較的ゆっくりと上昇し、タイミングt3において、所望の電圧に達する。
これに応じて、出力電圧Voは比較的ゆっくりと上昇し、タイミングt3において、所望の電圧に達する。
(効果)
実施形態1の直流安定化電源装置100によれば、まず、基準電圧Vrefを急激に立ち上げることにより、比較的短時間で、出力電圧Voをある程度の電圧値に到達させることができる。その後、基準電圧Vrefをゆっくりと立ち上げることにより、出力電圧Voのオーバーシュートを生じさせることなく、出力電圧Voを所望の電圧値に到達させることができる。
実施形態1の直流安定化電源装置100によれば、まず、基準電圧Vrefを急激に立ち上げることにより、比較的短時間で、出力電圧Voをある程度の電圧値に到達させることができる。その後、基準電圧Vrefをゆっくりと立ち上げることにより、出力電圧Voのオーバーシュートを生じさせることなく、出力電圧Voを所望の電圧値に到達させることができる。
したがって、実施形態1の直流安定化電源装置100によれば、出力電圧Voの立ち上がり期間を短時間化しつつ、出力電圧Voのオーバーシュートの発生を防止することができる。
(実施形態2)
続いて、図4および図5を参照して、本発明に係る実施形態2について説明する。
続いて、図4および図5を参照して、本発明に係る実施形態2について説明する。
図4は、実施形態2に係る直流安定化電源装置100の構成を示す。図4に示す直流安定化電源装置100のうち、以下に説明する点以外の点については、図1(実施形態1)に示した直流安定化電源装置100と同様であるため、説明を省略する。以下、図1に示した直流安定化電源装置100との相違点について説明する。
図4に示す直流安定化電源装置100は、負荷Zに対して、出力電圧Voが印加されるだけでなく、出力電圧Voとは異なる電圧A(以下、「別電圧A」と示す。)がさらに印加される。
また、実施形態2のソフトスタート制御回路120は、基準電圧Vrefの立ち上がり期間の傾きをその途中で増大させることにより、出力電圧Voの立ち上がりをその途中で増大させることができる。
既に説明したとおり、基準電圧Vrefの立ち上がり期間の傾きは、コンデンサC3に対する充電電流によって決定される。したがって、ソフトスタート制御回路120は、コンデンサC3に対する充電電流を途中で増大させることにより、基準電圧Vrefの立ち上がり期間の傾きをその上昇途中で増大させることができる。
図5は、実施形態2に係る直流安定化電源装置100における各種電圧の変化を示す。
図5に示す例では、直流安定化電源装置100の起動時(タイミングt1)から、入力電圧Viが急激に立ち上がっている。
それから僅かに遅れて、基準電圧Vrefが比較的ゆっくりと立ち上がっているが、ソフトスタート制御回路120により、別電圧Aが立ち上がった後(タイミングt2以降)に、その途中(タイミングt3)から、その傾きが強まっている。
これに応じて、出力電圧Voは、比較的ゆっくりと立ち上がっり、別電圧Aが立ち上がった後(タイミングt2以降)に、その途中(タイミングt3)から、その傾きが強まっている。
その後、基準電圧Vrefは比較的急激に上昇し、タイミングt4において、所望の電圧に達する。
これに応じて、出力電圧Voは比較的急激に上昇し、タイミングt4において、所望の電圧に達する。
。
。
(効果)
実施形態2の直流安定化電源装置100によれば、まず、基準電圧Vrefをゆっくりと立ち上げることにより、別電圧Aが立ち上がった後に、出力電圧Voを立ち上げることができる。そして、別電圧Aが立ち上がった以降は、基準電圧Vrefを急激に立ち上げることにより、出力電圧Voを所望の電圧値に素早く到達させることができる。
実施形態2の直流安定化電源装置100によれば、まず、基準電圧Vrefをゆっくりと立ち上げることにより、別電圧Aが立ち上がった後に、出力電圧Voを立ち上げることができる。そして、別電圧Aが立ち上がった以降は、基準電圧Vrefを急激に立ち上げることにより、出力電圧Voを所望の電圧値に素早く到達させることができる。
したがって、実施形態2の直流安定化電源装置100によれば、“別電圧Aが立ち上がっ後に出力電圧Voを立ち上げる”というように、出力電圧Voをある程度遅延させた後に立ち上げることが可能な構成を採用しつつ、出力電圧Voの立ち上がり期間を短時間化することができる。
なお、実施形態2の直流安定化電源装置100において、基準電圧Vrefを急激に立ち上げた以降(タイミングt3以降)、その途中から、実施形態1と同様に、基準電圧Vrefの立ち上がり期間の傾きを弱め、基準電圧Vrefが所定の電圧に達するまで、基準電圧Vrefをゆっくりと立ち上げるようにしてもよい。これにより、さらに、出力電圧Voのオーバーシュートの発生を防止することができる。
(実施形態3)
続いて、図6を参照して、本発明に係る実施形態3について説明する。
続いて、図6を参照して、本発明に係る実施形態3について説明する。
図6は、実施形態3に係る直流安定化電源装置100の構成を示す。図6に示す直流安定化電源装置100のうち、以下に説明する点以外の点については、図1(実施形態1)に示した直流安定化電源装置100と同様であるため、説明を省略する。以下、図1に示した直流安定化電源装置100との相違点について説明する。
図6に示す直流安定化電源装置100は、ソフトスタート制御回路120により、出力電圧Voの立ち上がり期間の傾きをその途中で増大させる/減少させることができる点では、実施形態1,2の直流安定化電源装置100と同様である。
図6に示す直流安定化電源装置100は、電圧検出回路122をさらに備える。電圧検出回路122は、出力電圧Voまたは出力電圧Voに相関する電圧を検出する。図6に示す例では、電圧検出回路122は、Vadjを検出する構成を採用している。これに限らず、電圧検出回路122は、出力電圧Voや基準電圧Vref(すなわち、出力電圧または出力電圧と相関を有する電圧)を検出するようにしても良い。
これに応じて、実施形態3のソフトスタート制御回路120は、電圧検出回路122によって検出された電圧に応じて、基準電圧Vrefの立ち上がり期間の傾きを変化させることができる。
例えば、ソフトスタート制御回路120は、電圧検出回路122によって検出された電圧が予め定められた閾値に達したタイミングで、基準電圧Vrefの立ち上がり期間の傾きを変化させることができる。
(効果)
実施形態3の直流安定化電源装置100によれば、電圧検出回路122によって検出された電圧に応じて、出力電圧Voの立ち上がり期間の傾きを変化させることができる。
実施形態3の直流安定化電源装置100によれば、電圧検出回路122によって検出された電圧に応じて、出力電圧Voの立ち上がり期間の傾きを変化させることができる。
これにより、例えば、出力電圧Voが予め定められた閾値に達したタイミングで、確実に、その立ち上がり期間の傾きを変化させることができる。このため、出力電圧Voのオーバーシュートを確実に防止することができる。
また、出力電圧Voの立ち上がり期間の傾きを、電圧検出回路によって検出された電圧に応じたものとすることができる。これにより、例えば、出力電圧Voを、任意のタイミングで、確実に所望の電圧に到達させることができる。
(実施形態4)
続いて、図7を参照して、本発明に係る実施形態4について説明する。
続いて、図7を参照して、本発明に係る実施形態4について説明する。
図7は、実施形態4に係る直流安定化電源装置100の構成を示す。図7に示す直流安定化電源装置100のうち、以下に説明する点以外の点については、図6(実施形態3)に示した直流安定化電源装置100と同様であるため、説明を省略する。以下、図6に示した直流安定化電源装置100との相違点について説明する。
図7に示す直流安定化電源装置100は、ソフトスタート制御回路120により、電圧検出回路122によって検出された電圧に応じたタイミングで、出力電圧Voの立ち上がり期間の傾きを増大させる/減少させることができる点では、実施形態5の直流安定化電源装置100と同様である。
図7に示す直流安定化電源装置100は、設定回路124をさらに備える。設定回路124には、閾値を示す外部信号が外部から入力される。この閾値は、実施形態3で説明したように、ソフトスタート制御回路120が、基準電圧Vrefの立ち上がり期間の傾きを変化させるタイミングを判断するための電圧値が示されたものである。
このため、設定回路124は、外部から入力された閾値を、ソフトスタート制御回路120が参照できるように、当該レギュレータ回路110に対して設定する。この設定は、ソフトスタート制御回路120がこの閾値を参照できるようにするものであれば、ソフトスタート制御回路120に保持させる、設定回路124が自ら保持しておく等、どのような方法によるものであってもよい。
(効果)
実施形態3の直流安定化電源装置100によれば、基準電圧Vrefの立ち上がり期間の傾きを変化させるタイミングを決定するための閾値を、外部から設定することができる。すなわち、基準電圧Vrefの立ち上がり期間の傾きを変化させるタイミングを、外部から容易に制御することができる。
実施形態3の直流安定化電源装置100によれば、基準電圧Vrefの立ち上がり期間の傾きを変化させるタイミングを決定するための閾値を、外部から設定することができる。すなわち、基準電圧Vrefの立ち上がり期間の傾きを変化させるタイミングを、外部から容易に制御することができる。
これにより、例えば、直流安定化電源装置100の仕様や状態に応じたより適切な上記変化タイミングを外部から容易に設定することができるので、直流安定化電源装置100の仕様や状態に依らず、出力電圧Voのオーバーシュートを確実に防止することができる。
なお、設定回路124は、基準電圧Vrefの立ち上がり期間の傾きを、さらに設定できるものであってもよい。これにより、例えば、出力電圧Vo立ち上がり期間(すなわち、出力電圧Voが所望の電圧値に到達するまでの時間)を、外部からより自由に調整することが可能となる。
(補足説明)
以上、本発明に係る各実施形態について説明したが、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以上、本発明に係る各実施形態について説明したが、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、各実施形態で説明したレギュレータおよび直流安定化電源装置の回路構成はあくまで一例にしか過ぎず、レギュレータおよび直流安定化電源装置において実施形態とは異なる回路構成を採用して本発明を実施した場合であっても、これらレギュレータおよび直流安定化電源装置は本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係るレギュレータおよび直流安定化電源装置は、入力電圧を安定化して出力電圧を安定的に得るためのレギュレータおよび直流安定化電源装置に適用することができ、特に、入力電圧を降圧して出力電圧を得る、降圧型の直流安定化電源装置に適用することができる。
100 直流安定化電源装置
110 レギュレータ回路(レギュレータ)
112 トランジスタ
114 ドライブ回路(出力電圧制御手段)
116 誤差増幅器
118 基準電圧回路
120 ソフトスタート制御回路(ソフトスタート制御手段)
122 電圧検出回路(電圧検出手段)
124 設定回路(設定手段)
C1 コンデンサ
C2 コンデンサ
C3 コンデンサ
R1 抵抗
R2 抵抗
VDD 電源
Z 負荷
110 レギュレータ回路(レギュレータ)
112 トランジスタ
114 ドライブ回路(出力電圧制御手段)
116 誤差増幅器
118 基準電圧回路
120 ソフトスタート制御回路(ソフトスタート制御手段)
122 電圧検出回路(電圧検出手段)
124 設定回路(設定手段)
C1 コンデンサ
C2 コンデンサ
C3 コンデンサ
R1 抵抗
R2 抵抗
VDD 電源
Z 負荷
Claims (6)
- 入力電圧から安定的な出力電圧を得るレギュレータであって、
基準電圧と帰還された前記出力電圧との誤差電圧に応じて前記出力電圧を制御する出力電圧制御手段と、
前記基準電圧の立ち上がり期間の傾きを制御することにより、前記出力電圧の立ち上がり期間の傾きを制御するソフトスタート制御手段と
を備え、
前記ソフトスタート制御手段は、
前記基準電圧の立ち上がり期間の傾きを、当該立ち上がり期間の途中で変化させる
ことを特徴とするレギュレータ。 - 前記ソフトスタート制御手段は、
前記基準電圧の立ち上がり期間の傾きを、当該立ち上がりの途中で減少させる
ことを特徴とする請求項1に記載のレギュレータ。 - 前記ソフトスタート制御手段は、
前記基準電圧の立ち上がり期間の傾きを、当該立ち上がりの途中で増大させる
ことを特徴とする請求項1に記載のレギュレータ。 - 前記出力電圧または前記出力電圧と相関を有する電圧を検出する電圧検出手段をさらに備え、
前記ソフトスタート制御手段は、
前記電圧検出手段によって検出された電圧に応じて、前記基準電圧の立ち上がり期間の傾きを変化させる
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のレギュレータ。 - 前記ソフトスタート制御手段は、
前記電圧検出手段によって検出された電圧が予め定められた閾値に達したタイミングで、前記基準電圧の立ち上がり期間の傾きを変化させる
ことを特徴とする請求項4に記載のレギュレータ。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載のレギュレータを備える
ことを特徴とする直流安定化電源装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011186113A JP2013047893A (ja) | 2011-08-29 | 2011-08-29 | レギュレータおよび直流安定化電源装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013047893A true JP2013047893A (ja) | 2013-03-07 |
Family
ID=48010851
Family Applications (1)
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JP2011186113A Withdrawn JP2013047893A (ja) | 2011-08-29 | 2011-08-29 | レギュレータおよび直流安定化電源装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017046548A (ja) * | 2015-08-28 | 2017-03-02 | Tdk株式会社 | 制御回路およびスイッチング電源装置 |
JP2018191370A (ja) * | 2017-04-28 | 2018-11-29 | 株式会社デンソー | 電源装置 |
-
2011
- 2011-08-29 JP JP2011186113A patent/JP2013047893A/ja not_active Withdrawn
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