JP2013045696A - アニオン交換膜型燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、燃料電池部と、二酸化炭素除去部とを備え、前記燃料電池部は、燃料極と、空気極と、前記燃料極と前記空気極とに挟まれたアニオン交換型の固体高分子電解質膜と、前記燃料極に燃料ガスを供給する燃料流路と、前記空気極に空気または酸素ガスを供給する空気流路とを有し、前記二酸化炭素除去部は、前記燃料流路を流れた燃料ガスに含まれる二酸化炭素を除去し、二酸化炭素を除去した燃料ガスが再び前記燃料流路を流れるように設けられたことを特徴とするアニオン交換膜型燃料電池システムを提供する。
【選択図】図1
Description
図14は、陰イオン交換膜を固体高分子電解質膜としたアルカリ型燃料電池の模式断面図である。アルカリ型燃料電池は、OH-をイオン導電種とする固体高分子電解質膜53が燃料極51と空気極52で挟まれ、燃料極51に燃料ガスを供給する燃料流路60と、空気極52に空気、水を供給する空気流路61を設けた構造を有している。空気極52では、空気流路61から供給されるO2、H2Oと空気極52の電子とが反応しOH-が生じる。空気極52において生じたOH-は、固体高分子電解質膜53をイオン伝導し、燃料極51に移動し燃料流路60から供給されるH2と反応しH2Oが生じ、燃料極51に電子を放出する。このような電池反応が進行することにより、空気極52と燃料極51との間に起電力が生じ電力を取り出すことができる。
このような燃料電池の発電効率の低下を防止するために、従来のアルカリ型燃料電池では、空気流路に供給する空気に含まれるCO2を予め除去している(例えば、特許文献1)。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、燃料電池の発電効率の低下を招くことなく未反応の燃料ガスを燃料として再利用できる燃料電池システムを提供する。
このような構成によれば、燃料極に燃料ガスを供給でき、空気極に空気または酸素ガスを供給できるため、燃料電池部により発電することができる。
本発明の燃料電池システムにおいて、ガス混合器をさらに備え、前記ガス混合器は、前記二酸化炭素除去部により二酸化炭素を除去した燃料ガスと、前記燃料ガス供給部から供給される燃料ガスとを混合して前記燃料流路に供給するように設けられたことが好ましい。
このような構成によれば、二酸化炭素除去部により二酸化炭素を除去した燃料ガスを再び燃料電池部に供給することができ、燃料ガスの利用効率を向上させることができる。
このような構成によれば、二酸化炭素除去部により二酸化炭素を除去した燃料ガスを再び燃料電池部に供給することができ、燃料ガスの利用効率を向上させることができる。
本発明の燃料電池システムにおいて、前記循環流路を流れる燃料ガスの湿度または前記ガス混合器により混合した混合ガスの湿度を検出する湿度センサをさらに備え、前記ガス混合器は、前記湿度センサからの信号に基づき、前記循環流路を流れた燃料ガスと、前記燃料ガス供給部から供給される燃料ガスとの混合比を変化させることができるように設けられたことが好ましい。
このような構成によれば、ガス混合器は、水分を含む循環流路を流れた燃料ガスと、燃料ガス供給部から供給される燃料ガスとを混合し、適切な湿度を有する混合ガスを燃料電池部の燃料流路に供給することができる。
本発明の燃料電池システムにおいて、前記燃料流路に供給する燃料ガスを加湿する加湿部をさらに備えることが好ましい。
このような構成によれば、固体高分子電解質膜の電気抵抗を低減することができ、燃料電池部の発電効率を向上させることができる。
このような構成によれば、燃料ガスの利用効率を向上させることができる。
本発明の燃料電池システムにおいて、前記水素供給部は、前記二酸化炭素除去部により二酸化炭素を除去した水素ガスを貯蔵し、貯蔵した水素ガスを前記ガス混合器に供給するように設けられた水素貯蔵部を含むことが好ましい。
このような構成によれば、燃料電池部の稼動を停止させたとき、水素ガスが流れる気体流路内の水素ガスを水素貯蔵部に貯蔵することができ、水素ガスを燃料電池部に効率よく供給することができる。また、水素貯蔵部に二酸化炭素が蓄積することを防止することができる。
このような構成によれば、燃料電池部に過剰な水分を含んだ水素ガスが供給されることを防止することができ、フラッディング現象による燃料電池部の発電効率の低下を抑制することができる。
本発明の燃料電池システムにおいて、前記除湿部は、前記水素貯蔵部に貯蔵する水素ガスを除湿するように設けられたことが好ましい。
このような構成によれば、水素貯蔵部に水が溜まることを抑制することができる。
このような構成によれば、水電解部により発生させた水素ガスを水素貯蔵部に貯蔵することができ、この貯蔵した水素ガスを燃料電池部に供給することができる。このことにより、余剰電力で水素ガスを発生させ、この水素ガスを用いて電力需要が大きいときに燃料電池部で発電することができ、電力需要に追従して電力を供給することができる。また、共通の除湿部により、燃料電池部から排出された水素ガスと、水電解部で発生させた水素ガスの除湿を行うことにより、システムの構成要素の低減、運転コストの低減を図ることができる。
本発明の燃料電池システムにおいて、光起電力を前記水電解部に出力するように設けられた光電変換部をさらに備えることが好ましい。
このような構成によれば、光電変換部の光起電力により水素を発生させることができる。
前記水電解部は、前記光電変換部の裏面側に設けられ、前記光電変換部および前記水電解部は、水素製造装置を構成することが好ましい。
このような構成によれば、光電変換部と水電解部との配線距離を短くすることができ、オーミックロスを少なくすることができる。
本発明の燃料電池システムにおいて、前記水素製造装置は、前記光電変換部の裏面上にそれぞれ設けられた第1電解用電極および第2電解用電極を有し、前記光電変換部の受光面に光が入射し第1および第2電解用電極が電解液と接触するとき、第1および第2電解用電極は、前記光電変換部が受光することより生じる起電力を利用して電解液を電気分解しそれぞれ第1気体および第2気体を発生させることができるように設けられ、第1気体および第2気体のうち、一方は水素ガスであり他方は酸素ガスであることが好ましい。
このような構成によれば、水素製造装置を構成する第1および第2電解用電極は、光電変換部が受光することより生じる起電力を利用して電解液を電気分解しそれぞれ第1気体および第2気体が発生するように設けられているため、第1電解用電極の表面で第1気体を発生させることができ、第2電解用電極の表面で第2気体を発生させることができる。また、光電変換部の裏面上に第1電解用電極および第2電解用電極を設けるため、光電変換部の受光面に電解液を介さず光を入射させることができ、電解液による入射光の吸収や入射光の散乱を防止することができる。このことにより、光電変換部へ入射光の量を多くすることができ、光利用効率を高くすることができる。また、光電変換部の裏面上に第1電解用電極および第2電解用電極を設けるため、受光面に入射する光が、第1および第2電解用電極、ならびにそこからそれぞれ発生する第1気体及び第2気体により吸収や散乱されることはない。このことにより、光電変換部へ入射光の量を多くすることができ、光利用効率を高くすることができる。
このような構成によれば、水素製造装置に含まれる光電変換部に積層構造のものを利用することができる。
本発明の燃料電池システムにおいて、前記水素製造装置は、第2電解用電極と前記光電変換部の裏面との間に設けられた絶縁部をさらに備えることが好ましい。
このような構成によれば、水素製造装置において第2電解用電極と光電変換部の裏面との間にリーク電流が発生するのを防止することができる。
このような構成によれば、水素製造装置内の内部抵抗を小さくすることができる。
本発明の燃料電池システムにおいて、前記水素製造装置は、第1電極と第2電解用電極とを電気的に接続する第1導電部をさらに備えることが好ましい。
このような構成によれば、光電変換部の受光面と第2電解用電極とを電気的に接続することができる。
このような構成によれば、光電変換部の受光面と第2電解用電極との間の配線距離を短くすることができ、内部抵抗を小さくすることができる。
本発明の燃料電池システムにおいて、前記絶縁部は、前記光電変換部の側面を覆うように設けられ、第1導電部は、前記絶縁部の一部であり前記光電変換部の側面を覆う部分の上に設けられたことが好ましい。
このような構成によれば、第1導電部を少ない工程で設けることができ、製造コストを低減することができる。
このような構成によれば、第1導電部を設けることなく、第1電極と第2電解用電極とを電気的に接続することができる。
本発明の燃料電池システムにおいて、前記光電変換部は、p型半導体層、i型半導体層およびn型半導体層からなる光電変換層を有することが好ましい。
このような構成によれば、光電変換部に光を入射させることにより起電力を生じさせることができる。
このような構成によれば、光電変換部の第1区域と第2区域との間生じた起電力を第1電解用電極と第2電解用電極とに出力することができる。
本発明の燃料電池システムにおいて、前記水素製造装置は、第1および第2電解用電極と前記光電変換部の裏面との間に設けられ、かつ、第1区域上および第2区域上に開口を有する絶縁部をさらに備えることが好ましい。
このような構成によれば、第1区域と第2区域との間に、光電変換部が受光することにより生じる起電力を効率よく発生させることができる。
このような構成によれば、光電変換部が受光することにより、光電変換部の裏面の第1および第2区域間に起電力を生じさせることができる。
本発明の燃料電池システムにおいて、前記水素製造装置は、透光性基板をさらに備え、前記光電変換部は、前記透光性基板の上に設けられたことが好ましい。
このような構成によれば、光電変換部を透光性基板の上に形成することができる。
このような構成によれば、容易に高電圧の起電力を第1および第2電解用電極に出力することができる。
本発明の燃料電池システムにおいて、第1電解用電極および第2電解用電極のうち、一方は電解液からH2を発生させる水素発生部であり、他方は電解液からO2を発生させる酸素発生部であり、前記水素発生部および前記酸素発生部は、それぞれ電解液からH2が発生する反応の触媒である水素発生触媒および電解液からO2が発生する反応の触媒である酸素発生触媒を含むことが好ましい。
このような構成によれば、水素製造装置により燃料電池部の燃料となる水素ガスを製造することができる。
このような構成によれば、水素製造装置により、より効率的に水素ガスおよび酸素ガスを製造することができる。
本発明の燃料電池システムにおいて、前記水素発生部および前記酸素発生部のうち少なくとも一方は、触媒が担持された多孔質の導電体であることが好ましい。
このような構成によれば、水素ガスまたは酸素ガスが発生する反応の触媒面積を広くすることができる。
このような構成によれば、水素製造装置により電解液から水素ガスを効率よく発生させることができる。
本発明の燃料電池システムにおいて、前記酸素発生触媒は、Mn、Ca、Zn、CoおよびIrのうち少なくとも1つを含むことが好ましい。
このような構成によれば、水素製造装置により電解液から酸素ガスを効率よく発生させることができる。
このような構成によれば、第1電解用電極の電解液に接触可能な面と、第2電解用電極の電解液に接触可能な面とを電解液室に面して設けることができ、第1および第2電解用電極を電解液に接触させることができる。
本発明の燃料電池システムにおいて、前記水素製造装置は、第1電解用電極と前記背面基板との間の電解液室および第2電解用電極と前記背面基板との間の電解液室とを仕切る隔壁をさらに備えることが好ましい。
このような構成によれば、隔壁により第1気体と第2気体を分離することができる。
本発明の燃料電池システムにおいて、前記隔壁は、イオン交換体を含むことが好ましい。
このような構成によれば、電解液中で生じるイオン濃度の不均衡を容易に解消することができる。
図1は本実施形態の燃料電池システムの概略配管図であり、図2は本実施形態の燃料電池システムに含まれる燃料電池部の概略断面図である。
また、本実施形態の燃料電池システムは、燃料ガス供給部62、空気供給部63、加湿部48、ガス混合器17、循環流路65をさらに有してもよい。
また、本実施形態の燃料電池システムは、燃料ガスが水素ガスであるシステムであってもよい。
図3は、燃料ガスが水素ガスである本実施形態の燃料電池システムの概略配管図である。
燃料ガスが水素ガスである本実施形態の燃料電池システムは、水素ガスを発生させる水電解部21および水電解部21に光起電力を出力できる光電変換部2を備えてもよい。また、水電解部21および光電変換部2は、水素製造装置23を構成してもよい。
以下、本実施形態の燃料電池システムについて説明する。
燃料電池部22は、燃料極51と、空気極52と、燃料極51と空気極52とに挟まれたアニオン交換型の固体高分子電解質膜53と、燃料極51に燃料ガスを供給する燃料流路60と、空気極52に空気または酸素ガスを供給する空気流路61とを有する。
また、燃料ガス供給部62は、燃料流路60に燃料ガスを供給できるように設けることができ、空気供給部63は空気流路61に空気または酸素ガスを供給できるように設けることができる。また、加湿部48は、燃料流路60に供給する燃料ガスまたは空気流路61に供給する空気を加湿できるように設けることができる。
このことにより、燃料電池部22の燃料極51に加湿された水素を供給することができ、空気極52に加湿された空気を供給することができるため、燃料極51、固体高分子電解質膜53および空気極52において、上述の電池反応を進行させることができ、空気極と燃料極との間から電力を取り出すことができる。
導電性担体としては、たとえば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、黒鉛、活性炭等の導電性カーボン粒子が挙げられる。また、気相法炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤー等の炭素繊維を用いることもできる。
また、燃料流路60および空気流路61は、それぞれ気体供給口と気体排出口を有することができる。燃料流路60は、気体供給口から燃料ガスが供給され、気体排出口から燃料ガスが排出され、空気流路61は、気体供給口から空気または酸素ガスが供給され、気体排出口から空気または酸素ガスが排出される。
燃料ガス供給部62は、燃料電池部22の燃料流路60に燃料ガスを供給する部分である。燃料ガスが水素ガスの場合、燃料ガス供給部62(水素供給部6)は、水素ボンベや水素配管などであり、また、天然ガス、プロパン、メタノール、ガソリンなどを改質し、水素ガスを発生させる部分であってもよい。また、燃料ガス供給部62は、後述する水電解部21であってもよい。この場合、水電解部21により発生させた水素ガスを燃料電池部22の燃料流路60に供給することができる。
なお燃料ガス供給部62が天然ガスなどを改質させる部分である場合、二酸化炭素除去部を含むことができる。このことにより、燃料流路60に燃料ガスを供給する前に、水素ガスに含まれる二酸化炭素を燃料ガスから除去することができ、二酸化炭素の影響による燃料電池部22の出力の低下を防止することができる。
また、水電解部21で発生させた水素ガスの量が、燃料電池部22で消費する水素ガスの量より多い場合、V2を閉めて、循環流路65を流れた水素ガスのみを燃料流路60に供給してもよい。
図3では、水素供給部6が水素ボンベ42と水素貯蔵部12の両方を有する場合について例示したが、水素供給部6は、水素貯蔵部12だけを有してもよい。この場合、水素貯蔵部12は、外部水素配管からの水素を貯蔵し、貯蔵した水素を燃料電池部22の燃料流路60に供給することもできる。
また、燃料ガスがメタノールの場合、燃料ガス供給部62は、メタノールを入れるタンクとメタノールを気化させる気化装置である。
空気流路61に空気を供給する場合、空気中には約300ppmの二酸化炭素が含まれるため、二酸化炭素による燃料電池部22の出力の低下を防止するために、空気供給部63と空気流路61との間に二酸化炭素除去部10を設けることができる。
二酸化炭素除去部10とは、気体中の二酸化炭素を除去する部分である。二酸化炭素除去部10は、例えば、アルカリ性溶液に二酸化炭素を溶かして気体中の二酸化炭素を除去する部分であってもよく、ゼオライトや活性炭などの多孔質の吸着剤に二酸化炭素を吸着させて気体中の二酸化炭素を除去する部分であってもよい。
二酸化炭素除去部10は、燃料電池部22の燃料流路60を流れた燃料ガス(水素ガス)中の二酸化炭素を除去するために設けられてもよく、燃料電池部22の空気流路61に供給する空気中の二酸化炭素を除去するために設けられてもよく、改質器で発生させた水素中の二酸化炭素を除去するために設けられてもよく、燃料電池部22を停止させた場合などに流路中に残った水素中の二酸化炭素を除去し水素貯蔵部12に貯蔵するために設けられてもよい。
燃料流路60では、燃料ガス供給部62(水素供給部6)から供給された燃料ガス(水素ガス)が流れ、燃料極51に水素ガスを供給する。燃料極51では、燃料流路60から供給される水素ガスと固体高分子電解質膜53から供給される水酸化物イオン(OH-)が反応し、H2Oが発生し、燃料極51に電子を放出する。発生したH2Oは、燃料流路60を流れ、燃料電池部22から排出される。なお、燃料流路60を流れ燃料電池部22から排出される燃料ガスには、燃料極51で反応しなかった水素ガスが含まれている。
また、燃料電池部22の停止中に固体高分子電解質膜53に溶け込んだ二酸化炭素や、空気流路に供給した空気に含まれる微量な二酸化炭素は、HCO3 -として固体高分子電解質膜53をイオン伝導し、燃料極51において反応しCO2が発生する。この発生したCO2は、燃料流路60を流れ未反応の水素ガスと共に燃料電池部22から排出される。
また、二酸化炭素除去部10は水素貯蔵部12に貯蔵する水素ガスに含まれるCO2を除去するように設けられてもよい。このことにより、二酸化炭素が除去された水素ガスを水素貯蔵部12に貯蔵することができ、水素貯蔵部12にCO2が蓄積することを防止することができる。
ガス混合器17は、逆止弁、圧力調整弁、流量調節器などを備えることができる。また、ガス混合器17は、逆流を防ぎながらガスを混合できるように設けることもできる。具体的には、燃料ガス供給部62から供給される燃料ガスと、循環流路65から供給される燃料ガスとの間に圧力差がある場合、逆止弁を設けることや、圧力調節弁を設け、各々の圧力を調節することで、一方より供給される燃料ガスが、他方へと流入することを防止しながら、また、一方の供給ガスの流れを滞らせることなく、ガスを混合することができる。また、ガス混合器17は、水電解部21で発生させた水素ガスと、燃料電池部22を流れた燃料ガスである水素ガスとを混合するように設けることもできる。
ガス混合器17は、圧力調節と流量調節により循環流路65から供給される燃料ガスと燃料ガス供給部62から供給される燃料ガスとの混合比を変化させることができる。
例えば、ガス混合器17が、燃料ガス供給部62に含まれる水素ボンベからの水素ガスと、燃料電池部22を流れた水素ガスを混合する場合、ガス混合器17が、各経路より供給するガスの圧力/流量を各々調節することで、ガスの混合比を調節することができる。例えば、燃料電池部22を流れた水素ガスには、燃料電池部22で生成した生成水が多く含まれるため、水を含んだ燃料電池部を流れた水素ガスと、水を含まない水素ボンベからの水素ガスの混合比を調節することで、加湿器48を動作させることなく適切な湿度に調整することができる。また、このようにガス混合比を調整する場合、燃料電池部22で生成した生成水を再利用することができるため、除湿部49も動作させる必要が無くなる。
以上のように、ガス混合器で、ガス混合の比率を調整することで、加湿器48と除湿部49の動作量を抑えることができるため、システムとしての効率を向上できる。
除湿部49は、燃料電池部22の燃料流路60を流れた燃料ガスを除湿するように設けることができる。このことにより、燃料電池部22の燃料流路60を流れた燃料ガスに含まれる水分を除去することができ、この水分が除去された燃料ガスを再び燃料流路60に供給することができる。このことにより、燃料流路60に供給する燃料ガスと共に過剰な水分が供給されることを抑制することができ、燃料極51においてフラッディング現象などが発生し発電効率が低下することを抑制することができる。
除湿部49は、燃料流路60の排出口から排出された燃料ガスが二酸化炭素除去部10を流通した後、除湿部49を流通するように設けられてもよく、燃料流路60の排出口から排出された燃料ガスが除湿部49を流通した後、二酸化炭素除去部10を流通するように設けられてもよい。
また、除湿部49は、水素貯蔵部12に貯蔵する水素ガスを除湿するように設けられてもよい。このことにより、水分が除去された水素ガスを水素貯蔵部12に貯蔵することができ、水素貯蔵部12に水が溜まることを防止することができる。水素貯蔵部12に貯蔵する水素ガスは、水電解部21により発生させた水素ガスであってもよい。
また、除湿部49は、燃料電池部22の燃料流路60を流れた燃料ガスの除湿と、水素貯蔵部12に貯蔵する水電解部21により発生させた水素ガスの除湿との両方を共通の除湿部49により行うことができるように設けられてもよい。このことにより、運転コスト、製造コストを低減することができる。
水電解部21は、水を電気分解し水素ガスおよび酸素ガスを発生させることができる。水電解部21は第1電解用電極8と第2電解用電極7とを含む電解槽とすることができる。この電解槽に電解液を溜めて、電圧を第1および第2電解用電極8、7に印加することにより、電解液に含まれる水を電気分解し水素ガスおよび酸素ガスを発生させることができる。また、水電解部21は、光電変換部2の光起電力を利用して水を電気分解する部分であってもよい。この場合、水電解部21は、光電変換部2の光起電力が第1電解用電極8と第2電解用電極7とに出力されるように設けられる。
また、水電解部21は、発生させた水素が水素貯蔵部12に貯蔵されるように設けることができ、発生させた酸素が空気タンクに貯蔵されるように設けることができる。また、貯蔵する水素および貯蔵する酸素は、除湿部49により除湿した後貯蔵されるように設けることができる。
また、水電解部21は後述する水素製造装置23に含まれてもよい。この場合の第1電解用電極8および第2電解用電極7についての説明は後述する。また、水素製造装置23に含まれる第1電解用電極8および第2電解用電極7についての説明は、水素製造装置23に含まれない第1電解用電極8および第2電解用電極7についても矛盾がない限り当てはまる。
光電変換部2は、太陽光を受光することにより光起電力が生じる部分であり、この起電力を水電解部21に出力できる。光電変換部2の光起電力を水電解部21に出力することにより、光起電力を利用して水を電気分解し、水素ガスおよび酸素ガスを発生させることができる。このことにより、光電変換部2の光起電力により水素ガスを発生させることができる。この水素ガスは、水電解部21から気体流路を流通させ除湿部49により除湿した後、水素貯蔵部12に貯蔵することができる。
また、光電変換部2は、後述する水素製造装置23に含まれてもよい。この場合の光電変換部2についての説明は後述する。また、水素製造装置23に含まれる光電変換部2についての説明は、水素製造装置23に含まれない光電変換部2についても矛盾がない限り当てはまる。
図4は、本実施形態の燃料電池システムに含まれる水素製造装置の構成を示す概略平面図であり、図5は、図4の点線A−Aにおける水素製造装置の概略断面図であり、図6は、本実施形態の燃料電池システムに含まれる水素製造装置の構成を示す概略裏面図である。
また、図7〜13は、それぞれ本実施形態の燃料電池システムに含まれる水素製造装置の構成を示す概略断面図であり、図5に対応する概略断面図である。
水素製造装置23は、受光面とその裏面を有する光電変換部2と、光電変換部2の裏面側に設けられた水電解部21を有することができる。
また、水素製造装置23は、光電変換部2の裏面上にそれぞれ設けられた第1電解用電極8および第2電解用電極7を有し、光電変換部2の受光面に太陽光が入射し第1および第2電解用電極8、7が電解液と接触するとき、第1および第2電解用電極8、7は、光電変換部2が受光することより生じる起電力を利用して電解液を電気分解しそれぞれ第1気体および第2気体を発生させることができるように設けられ、第1気体および第2気体のうち、一方は水素ガスであり他方は酸素ガスである。
また、光電変換部2の裏面上に第1電解用電極8および第2電解用電極7を設けるため、光電変換部2の受光面に電解液を介さず光を入射させることができ、電解液による入射光の吸収や入射光の散乱を防止することができる。このことにより、光電変換部2へ入射光の量を多くすることができ、光利用効率を高くすることができる。
さらに、光電変換部2の裏面上に第1電解用電極8および第2電解用電極7を設けるため、受光面に入射する光が、第1および第2電解用電極8、7、ならびにそこからそれぞれ発生する第1気体及び第2気体により吸収や散乱されることはない。このことにより、光電変換部2へ入射する光量を多くすることができ、光利用効率を高くすることができる。
以下、水素製造装置23について説明する。
透光性基板1は、水素製造装置23が備えてもよい。また、光電変換部2は、受光面が透光性基板1側となるように透光性基板1の上に設けられてもよい。なお、光電変換部2が、半導体基板などからなり一定の強度を有する場合、透光性基板1は省略することが可能である。また、光電変換部2が樹脂フィルムなど柔軟性を有する材料の上に形成可能な場合、透光性基板1は省略することができる。
光透過率が高い基板材料として、例えば、ソーダガラス、石英ガラス、パイレックス(登録商標)、合成石英板等の透明なリジッド材、あるいは透明樹脂板やフィルム材等が好適に用いられる。化学的および物理的安定性を備える点より、ガラス基板を用いることが好ましい。
透光性基板1の光電変換部2側の表面には、入射した光が光電変換部2の表面で有効に乱反射されるように、微細な凹凸構造に形成することができる。この微細な凹凸構造は、例えば反応性イオンエッチング(RIE)処理もしくはブラスト処理等の公知の方法により形成することが可能である。
第1電極4は、透光性基板1の上に設けることができ、光電変換部2の受光面と接触するように設けることができる。また、第1電極4は透光性を有してもよい。また、第1電極4は、透光性基板1を省略可能の場合、光電変換部2の受光面に直接設けられてもよい。第1電極4は、第2電解用電極7と電気的に接続することができる。第1電極4を設けることにより、光電変換部2の受光面と第2電解用電極7との間に流れる電流を大きくすることができる。また、光電変換部2が図12、13のように光電変換部2の裏面の第1区域と第2区域との間に起電力が生じるものである場合、第1電極4は不要である。
第1電極4は、図5、8、11のように第1導電部9を介して第2電解用電極7と電気的に接続してもよく、図10のように第2電解用電極7と接触してもよい。また、第1電極4は、図7、9のような場合、切換部29および配線50を介して第2電解用電極7と電気的に接続することができる。
第1電極4は、例えば、ITO、SnO2などの透明導電膜からなってもよく、Ag、Auなどの金属のフィンガー電極からなってもよい。
透明導電膜は、光電変換部2の受光面と第2電解用電極7とのコンタクトを取りやすくするために用いていることができる。
一般に透明電極として使用されているものを用いることが可能である。具体的にはIn−Zn−O(IZO)、In−Sn−O(ITO)、ZnO−Al、Zn−Sn−O、SnO2等を挙げることができる。なお本透明導電膜は、太陽光の光線透過率が85%以上、中でも90%以上、特に92%以上であることが好ましい。このことにより光電変換部2が光を効率的に吸収することができるためである。
透明導電膜の作成方法としては公知の方法を用いることができ、スパッタリング、真空蒸着、ゾルゲル法、クラスタービーム蒸着法、PLD(Pulse Laser Deposition)法などが挙げられる。
光電変換部2は、受光面およびその裏面を有し、光電変換部2の裏面側に第1電解用電極8と第2電解用電極7が設けられる。なお、受光面とは、光電変換するための光を受光する面であり、裏面とは、受光面の裏の面である。また、光電変換部2は、第1電極4が設けられた透光性基板1の上に受光面を下にして設けることができる。光電変換部2は、例えば、図5、7〜11のように受光面と裏面との間に起電力が生じるものであってもよく、図12、13のように光電変換部2の裏面の第1区域と第2区域との間に起電力が生じるものであってもよい。図12、13のような光電変換部2は、n型半導体領域37とp型半導体領域36を形成した半導体基板などにより形成することができる。
光電変換部2の形は、特に限定されないが、例えば、方形状とすることができる。
光電変換部2は、入射光により電荷分離することができ、起電力が生じるものであれば、特に限定されないが、例えば、シリコン系半導体を用いた光電変換部、化合物半導体を用いた光電変換部、色素増感剤を利用した光電変換部、有機薄膜を用いた光電変換部などである。
光電変換部2の例を以下に具体的に説明する。また、光電変換部2は、これらを組み合わせたものでもよい。また、以下の光電変換部2の例は、矛盾しない限り光電変換層とすることもできる。
シリコン系半導体を用いた光電変換部2は、例えば、単結晶型、多結晶型、アモルファス型、球状シリコン型、及びこれらを組み合わせたもの等が挙げられる。いずれもp型半導体とn型半導体が接合したpn接合を有することができる。また、p型半導体とn型半導体との間にi型半導体を設けたpin接合を有するものとすることもできる。また、pn接合を複数有するもの、pin接合を複数有するもの、pn接合とpin接合を有するものとすることもできる。
シリコン系半導体とは、シリコンを含む半導体であり、例えば、シリコン、シリコンカーバイド、シリコンゲルマニウムなどである。また、シリコンなどにn型不純物またはp型不純物が添加されたものも含み、また、結晶質、非晶質、微結晶のものも含む。
また、シリコン系半導体を用いた光電変換部2は、透光性基板1の上に形成された薄膜または厚膜の光電変換層であってもよく、また、シリコンウェハなどのウェハにpn接合またはpin接合を形成したものでもよく、また、pn接合またはpin接合を形成したウェハの上に薄膜の光電変換層を形成したものでもよい。
透光性基板1上に積層した第1電極4上に、第1導電型半導体層をプラズマCVD法等の方法で形成する。この第1導電型半導体層としては、導電型決定不純物原子濃度が1×1018〜5×1021/cm3程度ドープされた、p+型またはn+型の非晶質Si薄膜、または多結晶あるいは微結晶Si薄膜とする。第1導電型半導体層の材料としては、Siに限らず、SiCあるいはSiGe,SixO1-x等の化合物を用いることも可能である。
シリコン基板としては、単結晶シリコン基板または多結晶シリコン基板などを用いることができ、p型であっても、n型であっても、i型であってもよい。このシリコン基板の一部にPなどのn型不純物を熱拡散またはイオン注入などによりドープすることによりn型半導体部37を形成し、シリコン基板のほかの一部にBなどのp型不純物を熱拡散またはイオン注入などによりドープすることによりp型半導体部36を形成することができる。このことにより、シリコン基板にpn接合、pin接合、npp+接合またはpnn+接合などを形成することができ、光電変換部2を形成することができる。
なお、ここではシリコン基板を用いて説明したが、pn接合、pin接合、npp+接合またはpnn+接合などを形成することができる他の半導体基板を用いてもよい。また、n型半導体部37およびp型半導体部36を形成することができれば、半導体基板に限定されず、基板上に形成された半導体層であってもよい。
化合物半導体を用いた光電変換部は、例えば、III−V族元素で構成されるGaP、GaAsやInP、InAs、II−VI族元素で構成されるCdTe/CdS、I−III−VI族で構成されるCIGS(Copper Indium Gallium DiSelenide)などを用いpn接合を形成したものが挙げられる。
色素増感剤を利用した光電変換部は、例えば、主に多孔質半導体、色素増感剤、電解質、溶媒などにより構成される。
多孔質半導体を構成する材料としては、例えば、酸化チタン、酸化タングステン、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウム等公知の半導体から1種類以上を選択することが可能である。多孔質半導体を基板上に形成する方法としては、半導体粒子を含有するペーストをスクリーン印刷法、インクジェット法等で塗布し乾燥もしくは焼成する方法や、原料ガスを用いたCVD法等により製膜する方法、PVD法、蒸着法、スパッタ法、ゾルゲル法、電気化学的な酸化還元反応を利用した方法等が挙げられる。
酸化還元対としては一般に、鉄系、コバルト系等の金属類や塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン物質が好適に用いられ、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等の金属ヨウ化物とヨウ素の組み合わせが好ましく用いられる。さらに、ジメチルプロピルイミダゾールアイオダイド等のイミダゾール塩等を混入することもできる。
有機薄膜を用いた光電変換部2は、電子供与性および電子受容性を持つ有機半導体材料で構成される電子正孔輸送層、または電子受容性を有する電子輸送層と電子供与性を有する正孔輸送層とが積層されたものであってもよい。
電子供与性の有機半導体材料としては、電子供与体としての機能を有するものであれば特に限定されないが、塗布法により製膜できることが好ましく、中でも電子供与性の導電性高分子が好適に使用される。
電子受容性の導電性高分子としては、例えばポリフェニレンビニレン、ポリフルオレン、およびこれらの誘導体、共重合体、あるいはカーボンナノチューブ、フラーレンおよびこれらの誘導体、CN基またはCF3基含有ポリマーおよびそれらの−CF3置換ポリマー等が挙げられる。
第2電極5は、光電変換部2の裏面上に設けることができる。また、第2電極5は、光電変換部2の裏面と第1電解用電極8との間および光電変換部2の裏面と絶縁部11との間に設けることもできる。また、第2電極5は、第1電解用電極8と電気的に接続することができる。第2電極5を設けることにより、光電変換部2の裏面と第1電解用電極8との間のオーミックロスを低減することができる。また、第2電極5は、第1電解用電極8と接触してもよい。また、第2電極5は、切換部29および配線50を介して第1電解用電極8と電気的に接続してもよい。
また、第2電極5は、電解液に対する耐食性および電解液に対する遮液性を有することが好ましい。このことにより、電解液による光電変換部2の腐食を防止することができる。
第2電極5は、導電性を有すれば特に限定されないが、例えば、金属薄膜であり、また、例えば、Al、Ag、Auなどの薄膜である。これらは、例えば、スパッタリングなどにより形成することができる。また、例えば、In−Zn−O(IZO)、In−Sn−O(ITO)、ZnO−Al、Zn−Sn−O、SnO2等の透明導電膜である。
第1導電部9は、第1電極4と第2電解用電極7とにそれぞれ接触するように設けることができる。第1導電部9を設けることにより、容易に光電変換部2の受光面に接触した第1電極4と第2電解用電極7とを電気的に接続することができる。
また、第1導電部9は、図5、8のように光電変換部2を貫通するコンタクトホールに設けられてもよい。このことにより、光電変換部2の受光面と第2電解用電極7との間の電流経路を短くすることができ、より効率的に第1気体および第2気体を発生させることができる。また、第1導電部9が設けられたコンタクトホールは、1つまたは複数でもよく、円形の断面を有してもよい。
また、第1導電部9は、図11のように光電変換部2の側面を覆うように設けられてもよい。
絶縁部11は、リーク電流の発生を防止するために設けることができる。例えば、図5、8のように第1導電部9を光電変換部2を貫通するコンタクトホール内に設ける場合、コンタクトホールの側壁に絶縁部11を設けることができる。
また、絶縁部11は、例えば、図5、7〜11のように第2電解用電極7と光電変換部2の裏面との間に設けることができる。このことにより、第2電解用電極7と光電変換部2の裏面との間でリーク電流が生じるのを防止することができる。また、光電変換部2が図12、13のように受光することにより光電変換部2の裏面の第1区域と第2区域との間に電位差を生じるものである場合、絶縁部11は、第1電解用電極8と光電変換部2の裏面との間、および第2電解用電極7と光電変換部2の裏面との間に設けられ、絶縁部11は、第1区域上および第2区域上に開口を有してもよい。このことにより、光電変換部2が受光することにより形成される電子およびホールを効率よく分離することができ、光電変換効率をより高くすることができる。
また、絶縁部11は、電解液に対する耐食性および電解液に対する遮液性を有することが好ましい。このことにより、リーク電流の発生を防止することができ、また、電解液による光電変換部2の腐食を防止することができる。
第2導電部24、第3導電部25は、絶縁部11と第2電解用電極7との間、または、絶縁部11と第1電解用電極8との間に設けることができる。第2導電部24、第3導電部25を設けることにより、光電変換部2が受光することにより生じた起電力を効率よく第1電解用電極8または第2電解用電極7に出力することができ、オーミックロスを低減することができる。第2導電部24、第3導電部25は、例えば、図11〜13に示すように設けることができる。
第2導電部24、第3導電部25は、電解液に対する耐食性および電解液に対する遮液性を有することが好ましい。このことにより、オーミック抵抗の上昇を防止することができ、また、電解液による光電変換部2の腐食を防止することができる。
第4導電部33は、図11、13のように光電変換層を直列接続するように設けることができる。
第1電解用電極8および第2電解用電極7は、光電変換部2の裏面上にそれぞれ設けられる。また、第1電解用電極8および第2電解用電極7は、光電変換部2の裏面側の面とその裏面であり電解液に接触可能な面とをそれぞれ有することができる。このことにより、第1電解用電極8および第2電解用電極7は光電変換部2に入射する光を遮ることはない。
また、第1電解用電極8および第2電解用電極7は、電解液と接触するとき、光電変換部2が受光することにより生じる起電力を利用して電解液を電気分解しそれぞれ第1気体および第2気体を発生させることができるように設けられる。例えば、光電変換部2が受光することにより受光面とその裏面との間に起電力が生じる場合、図5、11のように、第1電解用電極8は、光電変換部2の裏面と電気的に接続することができ、第2電解用電極7は、光電変換部2の受光面と電気的に接続することができる。また、光電変換部2が受光することによりその裏面の第1区域と第2区域との間に起電力が生じる場合、図12、13のように第1電解用電極8は第1区域と第2区域のうちどちらか一方と電気的に接続し、第2電解用電極7は第1区域と第2区域のうち他方と電気的に接続することができる。
第1電解用電極8および第2電解用電極7は、電解液に対する耐食性および電解液に対する遮液性を有することが好ましい。このことにより、安定して第1気体および第2気体を発生させることができ、また、電解液による光電変換部2の腐食を防止することができる。例えば、第1電解用電極8および第2電解用電極7に電解液に対する耐食性を有する金属板または金属膜を用いることができる。
また、第1電解用電極8および第2電解用電極7のうち少なくとも一方は、触媒が担持された多孔質の導電体であることが好ましい。このような構成によれば、第1電解用電極8および第2電解用電極7のうち少なくとも一方の触媒表面積を大きくすることができ、より効率的に第1気体または第2気体を発生させることができる。また、多孔質の導電体を用いることにより、光電変換部2と触媒との間の電流が流れることによる電位の変化を抑制することができ、より効率的に第1気体または第2気体を発生させることができる。また、この場合、第1電解用電極8または第2電解用電極7を電解液に対する遮液性を有する部分と多孔質からなる部分の二層構造とすることもできる。
第1電解用電極8および第2電解用電極7のうち、一方は水素発生部であってもよく、他方が酸素発生部であってもよい。この場合、第1気体および第2気体のうち一方は水素ガスであり、他方は酸素ガスである。
水素発生部は、電解液からH2を発生させる部分であり、第1電解用電極8および第2電解用電極7のうちどちらか一方である。
また、水素発生部は、電解液からH2が発生する反応の触媒を含んでもよい。このことにより、電解液からH2が発生する反応の反応速度を大きくすることができる。水素発生部は、電解液からH2が発生する反応の触媒のみからなってもよく、この触媒が担持体に担持されたものであってもよい。また、水素発生部は、光電変換部2の受光面の面積より大きい触媒表面積を有してもよい。このことにより、電解液からH2が発生する反応をより速い反応速度とすることができる。また、水素発生部は、触媒が担持された多孔質の導電体であってもよい。このことにより、触媒表面積を大きくすることができる。また、光電変換部2の受光面または裏面と水素発生部に含まれる触媒との間に電流が流れることによる電位の変化を抑制することができる。さらに、水素発生部は、水素発生触媒を含んでよく、水素発生触媒は、Pt、Ir、Ru、Pd、Rh、Au、Fe、NiおよびSeのうち少なくとも1つを含んでもよい。このような構成によれば、光電変換部2で生じる起電力により、より速い反応速度で水素ガスを発生させることができる。
金属材料としては、電子伝導性を有し、酸性雰囲気下で耐腐食性を有する材料が好ましい。具体的には、Au、Pt、Pd等の貴金属、Ti、Ta、W、Nb、Ni、Al、Cr、Ag、Cu、Zn、Su、Si等の金属並びにこれらの金属の窒化物および炭化物、ステンレス鋼、Cu−Cr、Ni−Cr、Ti−Pt等の合金が挙げられる。金属材料には、Pt、Ti、Au、Ag、Cu、Ni、Wからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素を含むことが、他の化学的な副反応が少ないという観点から、より好ましい。これら金属材料は、比較的電気抵抗が小さく、面方向に電流を取り出しても電圧の低下を抑制することができる。また、Cu、Ag、Zn等の酸性雰囲気下での耐腐食性に乏しい金属材料を用いる場合には、Au、Pt、Pd等の耐腐食性を有する貴金属および金属、カーボン、グラファイト、グラッシーカーボン、導電性高分子、導電性窒化物、導電性炭化物、導電性酸化物等によって耐腐食性に乏しい金属の表面をコーティングしてもよい。
酸素発生部は、電解液からO2を発生させる部分であり、第1電解用電極8および第2電解用電極7のうちどちらか一方である。
また、酸素発生部は、電解液からO2が発生する反応の触媒を含んでもよい。このことにより、電解液からO2が発生する反応の反応速度を大きくすることができる。また、酸素発生部は、電解液からO2が発生する反応の触媒のみからなってもよく、この触媒が担持体に担持されたものであってもよい。また、酸素発生部は、光電変換部2の受光面の面積より大きい触媒表面積を有してもよい。このことにより、電解液からO2が発生する反応をより速い反応速度とすることができる。また、酸素発生部は、触媒が担持された多孔質の導電体であってもよい。このことにより、触媒表面積を大きくすることができる。また、光電変換部2の受光面または裏面と酸素発生部に含まれる触媒との間に電流が流れることによる電位の変化を抑制することができる。さらに、酸素発生部は、酸素発生触媒を含んでもよく、酸素発生触媒は、Mn、Ca、Zn、CoおよびIrのうち少なくとも1つを含んでもよい。このような構成によれば、光電変換部で生じる起電力により、より速い反応速度で酸素ガスを発生させることができる。
水素発生触媒および酸素発生触媒の単独の触媒活性が小さい場合、助触媒を用いることも可能である。例えば、Ni,Cr,Rh,Mo,Co,Seの酸化物あるいは化合物などが挙げられる。
背面基板14は、第1電解用電極8および第2電解用電極7の上に透光性基板1と対向するように設けることができる。
また、背面基板14は、第1電解用電極8および第2電解用電極7と背面基板14との間に空間が設けられるように設けることができる。この空間を電解液室15とすることができ、電解液室15に電解液を導入することにより、第1電解用電極8および第2電解用電極7を電解液に接触させることができる。また、背面基板14に箱状のものを用いる場合、背面基板14は箱体の底の部分であってもよい。
隔壁13は、第1電解用電極8と背面基板14との間の空間である電解液室15および第2電解用電極7と背面基板14との間の空間である電解液室15とを仕切るように設けることができる。このことにより、第1電解用電極8および第2電解用電極7で発生させた第1気体および第2気体が混合することを防止することができ、第1気体および第2気体を分離して回収することができる。
また、隔壁13は、イオン交換体を含んでもよい。このことにより、第1電解用電極8と背面基板14との間の空間の電解液と第2電解用電極7と背面基板14との間の空間の電解液でアンバランスとなったイオン濃度を一定に保つことができる。
イオン交換体としては、当該分野で公知のイオン交換体をいずれも使用でき、プロトン伝導性膜、カチオン交換膜、アニオン交換膜等を使用できる。
プロトン伝導性膜の材質としては、プロトン伝導性を有しかつ電気的絶縁性を有する材質であれば特に限定されず、高分子膜、無機膜又はコンポジット膜を用いることができる。
支持電解質溶液のアニオン輸率が高い場合には、アニオン交換膜の使用が好ましい。アニオン交換膜としては、アニオンの移動可能な固体高分子電解質を使用できる。具体的には、ポリオルトフェニレンジアミン膜、アンモニウム塩誘導体基を有するフッ素系イオン交換膜、アンモニウム塩誘導体基を有するビニルベンゼンポリマー膜、クロロメチルスチレン・ビニルベンゼン共重合体をアミノ化した膜等が挙げられる。
シール材16は、透光性基板1と背面基板14を接着し、水素製造装置23内の電解液および水素製造装置23内で生成した第1気体および第2気体を密閉するための材料である。背面基板14に箱状のものを用いる場合、この箱体と透光性基板1とを接着するためにシール材16が用いられる。シール材16は、例えば、紫外線硬化性接着剤、熱硬化性接着剤等が好適に使用されるが、その種類は限定されるものではない。紫外線硬化性の接着剤としては、200〜400nmの波長を持つ光を照射することにより重合が起こり光照射後数秒で硬化反応が起こる樹脂であり、ラジカル重合型とカチオン重合型に分けられ、ラジカル重合型樹脂としてはアクリルレート、不飽和ポリエステル、カチオン重合型としては、エポキシ、オキセタン、ビニルエーテル等が挙げられる。また熱硬化性の高分子接着剤としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、熱硬化性ポリイミド等の有機樹脂が挙げられる。熱硬化性の高分子接着剤は、熱圧着時に圧力を掛けた状態で加熱重合し、その後、加圧したまま、室温まで冷却することにより、各部材を良好に接合させるため、締め付け部材等を要しない。また、有機樹脂に加えて、ガラス基板に対して密着性の高いハイブリッド材料を用いることが可能である。ハイブリッド材料を用いることによって、弾性率や硬度等の力学的特性が向上し、耐熱性や耐薬品性が飛躍的に向上する。ハイブリッド材料は、無機コロイド粒子と有機バインダ樹脂とから構成される。例えば、シリカなどの無機コロイド粒子と、エポキシ樹脂、ポリウレタンアクリレート樹脂やポリエステルアクリレート樹脂などの有機バインダ樹脂とから構成されるものが挙げられる。
電解液室15は、第1電解用電極8と背面基板14との間の空間および第2電解用電極7と背面基板14との間の空間とすることができる。また、電解液室15は、隔壁13により仕切ることができる。
給水口18は、水素製造装置23に含まれるシール材16の一部、もしくは背面基板14の一部などに開口を作ることにより設けることができる。給水口18は、第1気体及び第2気体へと分解された電解液を補充するために配置され、その配置箇所および形状は、原料となる電解液が効率よく水素製造装置23へ供給されさえすれば、特に限定されるものではない。
第1気体排出口20、第2気体排出口19は、第1電解用電極8の端部および第2電解用電極7の端部にそれぞれ近接して設けられる。このことにより、第1気体排出口20から第1気体を回収することができ、第2気体排出口19から第2気体を回収することができる。
第1気体排出口20、第2気体排出口19は、例えば、シール材16に開口を設けることにより形成することができる。また、第1気体排出口20、第2気体排出口19に電解液が流入しないように流入防止弁を設けることもできる。
電解液は、第1気体および第2気体の原料となるものであれば特に限定されないが、例えば、電解質を含む水溶液であり、例えば、0.1MのH2SO4を含む電解液、0.1Mリン酸カリウム緩衝液などである。この場合、電解液から第1気体および第2気体として水素ガスおよび酸素ガスを製造することができる。
水流路は、加湿部48、除湿部49および水電解部21と水タンク46とを導通させるように設けることができる。水流路は、水を流通させるためにポンプまたはバルブを有することができる。
水流路は、例えば図3のように設けることができる。図3を用いて説明すると、水タンク46に溜めた水をポンプ1(P1)により水電解部21に供給することにより水電解部21中の電解液の減少を防止することができる。また、除湿部49により分離した水をバルブ12、13(V12、V13)を開くことにより水タンク46に回収することができる。また、ポンプ2(P2)で加湿部48に水タンク46の水を供給することができる。
このことにより、除湿部49により分離した水を水電解部21や加湿部48に利用することができ、水の有効利用ができる。
切換部29は、光電変換部2が受光することにより生じる起電力を第1外部回路へ出力させる回路と、光電変換部2が受光することにより生じる起電力を第1電解用電極8および第2電解用電極7に出力し電解液からそれぞれ第1気体および第2気体を発生させる回路とを切り換えることができる。このことにより、光電変換部2が受光することにより生じる起電力を第1外部回路へ電力として供給でき、また、光電変換部2が受光することにより生じる起電力を用いて第1気体および第2気体を製造することができる。
切換部29が第1外部回路と電気的に接続する方法は、特に限定されないが、例えば、切換部29が出力端子を備え、出力端子を介して第1外部回路と電気的に接続してもよい。
切換部29が第2外部回路と電気的に接続する方法は特に限定されないが、例えば、切換部29が入力端子を備え、入力端子を介して第2外部回路と電気的に接続してもよい。
Claims (35)
- 燃料電池部と、二酸化炭素除去部とを備え、
前記燃料電池部は、燃料極と、空気極と、前記燃料極と前記空気極とに挟まれたアニオン交換型の固体高分子電解質膜と、前記燃料極に燃料ガスを供給する燃料流路と、前記空気極に空気または酸素ガスを供給する空気流路とを有し、
前記二酸化炭素除去部は、前記燃料流路を流れた燃料ガスに含まれる二酸化炭素を除去し、二酸化炭素を除去した燃料ガスが再び前記燃料流路を流れるように設けられたことを特徴とするアニオン交換膜型燃料電池システム。 - 前記燃料流路に燃料ガスを供給する燃料ガス供給部と、前記空気流路に空気または酸素ガスを供給する空気供給部とをさらに備える請求項1に記載の燃料電池システム。
- ガス混合器をさらに備え、
前記ガス混合器は、前記二酸化炭素除去部により二酸化炭素を除去した燃料ガスと、前記燃料ガス供給部から供給される燃料ガスとを混合して前記燃料流路に供給するように設けられた請求項2に記載の燃料電池システム。 - 前記燃料流路を流れた燃料ガスが前記ガス混合器へ流れるように設けられた循環流路をさらに備え、
前記二酸化炭素除去部は、前記循環流路を流れる燃料ガスに含まれる二酸化炭素を除去するように設けられた請求項3に記載の燃料電池システム。 - 前記循環流路を流れる燃料ガスの湿度または前記ガス混合器により混合した混合ガスの湿度を検出する湿度センサをさらに備え、
前記ガス混合器は、前記湿度センサからの信号に基づき、前記循環流路を流れた燃料ガスと、前記燃料ガス供給部から供給される燃料ガスとの混合比を変化させることができるように設けられた請求項4に記載の燃料電池システム。 - 前記燃料流路に供給する燃料ガスを加湿する加湿部をさらに備える請求項3〜5のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
- 前記燃料ガスは、水素ガスであり、
前記燃料ガス供給部は、水素供給部である請求項3〜6のいずれか1つに記載の燃料電池システム。 - 前記水素供給部は、前記二酸化炭素除去部により二酸化炭素を除去した水素ガスを貯蔵し、貯蔵した水素ガスを前記ガス混合器に供給するように設けられた水素貯蔵部を含む請求項7に記載の燃料電池システム。
- 前記燃料流路を流れた水素ガスを除湿する除湿部をさらに備える請求項8に記載の燃料電池システム。
- 前記除湿部は、前記水素貯蔵部に貯蔵する水素ガスを除湿するように設けられた請求項9に記載の燃料電池システム。
- 水を電気分解し水素ガスおよび酸素ガスを発生させる水電解部をさらに備え、
前記水素貯蔵部は、前記水電解部から発生させ、前記除湿部により除湿した水素ガスを貯蔵するように設けられた請求項9または10に記載の燃料電池システム。 - 光起電力を前記水電解部に出力するように設けられた光電変換部をさらに備える請求項11に記載の燃料電池システム。
- 前記光電変換部は、受光面とその裏面を有し、
前記水電解部は、前記光電変換部の裏面側に設けられ、
前記光電変換部および前記水電解部は、水素製造装置を構成する請求項12に記載の燃料電池システム。 - 前記水素製造装置は、前記光電変換部の裏面上にそれぞれ設けられた第1電解用電極および第2電解用電極を有し、
前記光電変換部の受光面に光が入射し第1および第2電解用電極が電解液と接触するとき、
第1および第2電解用電極は、前記光電変換部が受光することより生じる起電力を利用して電解液を電気分解しそれぞれ第1気体および第2気体を発生させることができるように設けられ、
第1気体および第2気体のうち、一方は水素ガスであり他方は酸素ガスである請求項13に記載の燃料電池システム。 - 前記光電変換部は、受光することによりその受光面と裏面との間に起電力が生じ、
第1電解用電極は、前記光電変換部の裏面と電気的に接続することができるように設けられ、
第2電解用電極は、前記光電変換部の受光面と電気的に接続することができるように設けられた請求項14に記載の燃料電池システム。 - 前記水素製造装置は、第2電解用電極と前記光電変換部の裏面との間に設けられた絶縁部をさらに備える請求項15に記載の燃料電池システム。
- 前記水素製造装置は、前記光電変換部の受光面に接触する第1電極をさらに備える請求項16に記載の燃料電池システム。
- 前記水素製造装置は、第1電極と第2電解用電極とを電気的に接続する第1導電部をさらに備える請求項17に記載の燃料電池システム。
- 第1導電部は、前記光電変換部を貫通するコンタクトホールに設けられた請求項18に記載の燃料電池システム。
- 前記絶縁部は、前記光電変換部の側面を覆うように設けられ、
第1導電部は、前記絶縁部の一部であり前記光電変換部の側面を覆う部分の上に設けられた請求項18に記載の燃料電池システム。 - 前記絶縁部は、前記光電変換部の側面を覆うように設けられ、
第2電解用電極は、前記絶縁部の一部であり前記光電変換部の側面を覆う部分の上に設けられ、かつ、第1電極と接触する請求項17に記載の燃料電池システム。 - 前記光電変換部は、p型半導体層、i型半導体層およびn型半導体層からなる光電変換層を有する請求項15〜21のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
- 前記光電変換部は、受光することにより前記光電変換部の裏面の第1および第2区域間に電位差が生じ、
第1区域は、第1電解用電極と電気的に接続するように設けられ、第2区域は、第2電解用電極と電気的に接続するように設けられた請求項14に記載の燃料電池システム。 - 前記水素製造装置は、第1および第2電解用電極と前記光電変換部の裏面との間に設けられ、かつ、第1区域上および第2区域上に開口を有する絶縁部をさらに備える請求項23に記載の燃料電池システム。
- 前記光電変換部は、n型半導体部およびp型半導体部を有する少なくとも1つの半導体材料からなり、
第1および第2区域のうち、一方は前記n型半導体部の一部であり、他方は前記p型半導体部の一部である請求項23または24に記載の燃料電池システム。 - 前記水素製造装置は、透光性基板をさらに備え、
前記光電変換部は、前記透光性基板の上に設けられた請求項14〜25のいずれか1つに記載の燃料電池システム。 - 前記光電変換部は、直列接続した複数の光電変換層を含み、
前記複数の光電変換層は、受光することにより生じる起電力を第1電解用電極および第2電解用電極に供給するように設けられた請求項14〜26のいずれか1つに記載の燃料電池システム。 - 第1電解用電極および第2電解用電極のうち、一方は電解液からH2を発生させる水素発生部であり、他方は電解液からO2を発生させる酸素発生部であり、
前記水素発生部および前記酸素発生部は、それぞれ電解液からH2が発生する反応の触媒である水素発生触媒および電解液からO2が発生する反応の触媒である酸素発生触媒を含む請求項14〜27のいずれか1つに記載の燃料電池システム。 - 前記水素発生部および前記酸素発生部のうち少なくとも一方は、前記光電変換部の受光面の面積より大きい触媒表面積を有する請求項28に記載の燃料電池システム。
- 前記水素発生部および前記酸素発生部のうち少なくとも一方は、触媒が担持された多孔質の導電体である請求項28または29に記載の燃料電池システム。
- 前記水素発生触媒は、Pt、Ir、Ru、Pd、Rh、Au、Fe、NiおよびSeのうち少なくとも1つを含む請求項28〜30のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
- 前記酸素発生触媒は、Mn、Ca、Zn、CoおよびIrのうち少なくとも1つを含む請求項28〜31のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
- 前記水素製造装置は、透光性基板と、電解液室と、第1電解用電極および第2電解用電極の上に設けられた背面基板とをさらに備え、
前記光電変換部は、前記透光性基板の上に設けられ、
前記電解液室は、第1電解用電極および第2電解用電極と前記背面基板との間に設けられた請求項14〜32のいずれか1つに記載の燃料電池システム。 - 前記水素製造装置は、第1電解用電極と前記背面基板との間の電解液室および第2電解用電極と前記背面基板との間の電解液室とを仕切る隔壁をさらに備える請求項33に記載の燃料電池システム。
- 前記隔壁は、イオン交換体を含む請求項34に記載の燃料電池システム。
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