JP2013044279A - キック式始動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化されたキック式始動装置を提供すること。
【解決手段】一端部に取り付けられたキックペダル(180)の操作によって回転可能に変速機ケース(11)に支持されたキックシャフト(170)と、変速機ケース(11)内においてキックシャフト(170)の回転に連動する複数のギヤで構成されたギヤ列(123)と、キックペダル(180)を初期位置に復帰させるようにキックシャフト(170)を付勢する捩りコイルばね(176)と、キックペダル(180)が初期位置にある場合に、キックシャフト(170)の復帰方向への回転を規制する規制部材(177)とを備え、変速機ケース(11)内でキックシャフト(170)の軸方向に確保されたギヤ列(123)用の設置範囲に重なるように、規制部材(177)がキックシャフト(170)に対して配置される構成とした。
【選択図】図9

Description

本発明は、自動二輪車のエンジン始動装置に関し、特にスクータに適用されるエンジンのキック式始動装置に関する。
自動二輪車等のエンジンでは、キックペダルを踏み下ろすことによりクランクシャフトを回転させてエンジンを始動させる方式の始動装置(以下、キック式始動装置)が採用されている(例えば、特許文献1参照)。このようなキック式始動装置としては、変速機ケースにキックペダルのストッパーを固定したものが提案されている。このキック式始動装置は、キックペダルが取り付けられたキックシャフトからギヤ列を介してクランクシャフトに動力が伝達される。また、キックシャフトには、巻きばねが取り付けられており、キックペダルから足を離すとキックシャフト及びキックペダルが初期位置に復帰される。
このキック式始動装置では、キックシャフトから径方向に突出するように規制部材が設けられており、規制部材に対応してストッパーが変速機ケースに取り付けられている。上述のようにキックペダルから足を離すと、巻きばねの復帰力によってキックペダルは初期位置に向けて回転され、ストッパーに規制部材が当接することでキックペダルが静止される。このように、キックペダルの初期位置は規制部材及びストッパーによって規定されている。
特公平6−103018号公報
上述のストッパーは、変速機ケースにおいてギヤ列が格納されるギヤボックスと変速機カバーとの接合面の一部にネジ止めされる。また、キックシャフト上の規制部材は、ストッパーに対応するようにギヤボックスの接合面より外側に設けられている。このため、変速機カバーにストッパー及び規制部材の収容スペースを確保しなければならず、また、軸方向に長めのキックシャフトを用いなくてはならない。その結果、変速機ケースが大きくなり、車両が大型化するという問題があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、変速機ケースを小さくして車両を小型化できるキック式始動装置を提供することを目的とする。
本発明のキック式始動装置は、一端部に取り付けられたキックペダルの操作によって回転するように変速機ケースに支持されたキックシャフトと、前記変速機ケース内において前記キックシャフトの回転に連動する複数のギヤで構成されたギヤ列と、前記キックペダルを初期位置に復帰させる方向に前記キックシャフトを付勢する付勢手段と、前記キックペダルが初期位置にある場合に、前記キックシャフトの復帰方向への回転を規制する規制部材とを備え、前記変速機ケース内で前記キックシャフトの軸方向に確保された前記ギヤ列用の設置範囲に重なるように、前記規制部材が前記キックシャフトに対して配置される。
この構成によれば、変速機ケース内において規制部材がギヤ列用の設置範囲に重なるように配置されるため、変速機ケースにギヤ列用の設置範囲の他に規制部材の設置範囲をさらに確保する必要がない。また、短いキックシャフトを用いることができる。よって、変速機ケースを小さくして車両を小型化できる。
また本発明の上記キック式始動装置において、前記ギヤ列の複数のアイドルギヤのうち、いずれかのアイドルギヤの設置範囲に重なるように、前記規制部材が前記キックシャフトに対して配置される。この構成によれば、アイドルギヤの設置範囲を利用して規制部材を配置することで、変速機ケースを小さくして車両を小型化できる。
また本発明の上記キック式始動装置において、前記キックシャフトと前記いずれかのアイドルギヤの回転軸との間に、前記規制部材に当接されるストッパー設ける。この構成によれば、ストッパーをキックシャフトとアイドルギヤの回転軸との間の空間を有効利用して配置できる。
また本発明の上記キック式始動装置において、前記ギヤ列を構成する複数のギヤのうち、前記キックシャフトに隣接するギヤのシャフトに前記規制部材を当接させて、前記キックシャフトの回転を規制する。この構成によれば、キックシャフトに隣接するギヤのシャフトに規制部材を当接させて、キックシャフトの回転を規制するため、規制部材のストッパーとして別部品を用いる必要がない。このため、キック式始動装置の部品点数を削減できる。
また本発明の上記キック式始動装置において、前記キックシャフトに隣接するシャフトは、大径部及び小径部を有するように形成されており、前記大径部に前記規制部材を当接させて、前記キックシャフトの回転を規制する。この構成によれば、大径部に規制部材を当接させてキックシャフトの回転を規制するため、キックシャフトに隣接するシャフトが衝撃によって変形又は破損することを防止できる。
本発明によれば、変速機ケースを小さくして車両を小型化できるキック式始動装置を提供することができる。
本実施の形態に係る自動二輪車の外観を示す右側面図である。 本実施の形態に係る自動二輪車の外観を示す左側面図である。 本実施の形態に係るキック式始動装置を含むエンジンの変速機部分を示す側面図である。 本実施の形態に係るキック式始動装置を含むエンジンの変速機部分を示す斜視図である。 本実施の形態に係るギヤボックスの内部構造を示す側面図である。 本実施の形態に係るギヤボックスの内部構造を示す斜視図である。 本実施の形態に係るギヤボックスの内部構造の一部を拡大して示す部分拡大図である。 本実施の形態に係るキック式始動装置のギヤ列の配置を示す平面模式図である。 本実施の形態に係るキック始動装置の規制部材の動作図である。
以下、本実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、本発明に係るキック式始動装置をビジネスタイプの自動二輪車に適用した例について説明するが、適用対象はこれに限定されることなく変更可能である。例えば、本発明に係るキック式始動装置を、他のタイプの自動二輪車、四輪車、船舶等のエンジンに適用しても良い。
図1及び図2を参照して、本実施の形態に係る自動二輪車全体の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る自動二輪車の右側面図であり、図2は、本実施の形態に係る自動二輪車の左側面図である。なお、図1及び図2においては、車体前方を矢印FR、車体後方を矢印REでそれぞれ示す。
図1及び図2に示すように、ビジネスタイプの自動二輪車1は、鋼製又はアルミ合金製の車体フレーム(不図示)に車体外装としての各種カバーを装着して構成されている。この自動二輪車1は、前方に運転者の足回りを保護するレッグシールド21が設けられており、レッグシールド21の後方かつシート8の下方にはセンターフレームカバー22が設けられている。また、自動二輪車1の左右後方にはサイドフレームカバー23が設けられている。
車体前方には、ステアリングシャフト(不図示)を介してフロントフォーク31が回転可能に支持されている。フロントフォーク31の上方には、前輪3を操舵するためのハンドルバー32が設けられている。ハンドルバー32の右前方にはブレーキレバー33が配置されており、ハンドルバー32の前方にはヘッドランプ34が設けられている。フロントフォーク31の下部には前輪3が回転可能に支持されると共に、前輪3の上部を覆うフロントフェンダ35が設置されている。前輪3には、ブレーキディスク36とブレーキディスク36を挟持するキャリパー37とが設けられている。
サイドフレームカバー23の下側には、スイングアーム41が上下方向に揺動可能に支持されており、車体フレームとスイングアーム41との間にはサスペンション42が取り付けられている。スイングアーム41の後部には、後輪4が回転可能に支持されている。後輪4の左側には、リヤスプロケット(ドリブンスプロケット)及びチェーンが格納されるチェーンカバー43が設けられている。このリヤスプロケット及びチェーンによってエンジン10の動力が後輪4に伝達される。サイドフレームカバー23の後部にはテールランプ44及びリヤフェンダ45が設けられている。
センターフレームカバー22の内側には、エアクリーナボックス(不図示)が配置されている。レッグシールド21は、フロントフェンダ35との隙間からエアクリーナボックスに空気を取り込むように形成されている。エアクリーナボックスに導かれた空気は、インテークパイプ(不図示)を通じてレッグシールド21の後方下側に配置されるエンジン10に送り込まれる。
エンジン10の前方には、冷却風として空気を取り込むベルト室用エアクリーナー140及び吸入ダクト150が設けられている(図3及び図4参照)。ベルト室用エアクリーナー140から取り込まれた空気は、吸入ダクト150を介して無段階変速器のベルト室に送られる。また、エンジン10の後方には、ベルト室内に取り込まれた空気を排出するための排出ダクト160が設けられている。
エンジン10は、シリンダを前方に向けて略水平方向に倒した状態で車体フレームに懸架されている。エンジン10には、インテークパイプを通じて空気が取り込まれ、燃料噴射装置にて空気と燃料とが混合されて燃焼室に供給される。燃焼後の燃焼ガスは、エンジン10の右側面において後方に延出されたエキゾーストパイプ101を経てマフラ102から排気ガスとして排出される。
次に、図3及び図4を参照して、本実施の形態に係るキック式始動装置の構成概略について説明する。図3は、本実施の形態に係る変速機ケースの側面図であり、図4は、その斜視図である。図3及び図4においては、シリンダ、シリンダヘッドなどは省略している。
図3及び図4に示すように、エンジン10は複数に分割可能かケースから成る変速機ケース11を有している。変速機ケース11は、回転軸が車幅方向に対して平行になるようクランクシャフト(不図示)が配置されるクランクケース110を有している。クランクケース110は、車幅方向に略垂直な接合面において左右に分割される右クランクケース110Rと左クランクケース110Lとで構成されている。右クランクケース110R及び左クランクケース110Lに設けられた車幅方向に略平行な側壁によって、クランクシャフトが配置されるクランク室が区画されている。
右クランクケース110Rの右側の接合面には、内部にキック式始動装置のギヤ列が配置されるギヤボックス120が取り付けられている。また、ギヤボックス120の右側の接合面には、無段階変速器が配置されるベルト室を区画するベルトカバー130が取り付けられている。ギヤボックス120及びベルトカバー130の上壁には、吸入ダクト150を介してベルト室に空気を取り込むベルト室用エアクリーナー140が設けられている。ギヤボックス120及びベルトカバー130の後壁には、ベルト室冷却後の暖められた空気を排出する排出ダクト160が設けられている。
ベルトカバー130の下方においては、キック式始動装置を構成するキックシャフト170の一端部が突出しており、この一端部には、キックペダル180が取り付けられている。キック式始動装置は、キックペダル180を踏み下ろすことによってキックシャフト170が反時計回りに回転し、これと連動するようにクランクシャフトが回転することでエンジン10が始動するように構成されている。なお、本明細書において時計回り、反時計回りという場合、右側面(図1、図3、図5等参照)から見た場合の回転方向をいうものとする。
図5は、本実施の形態に係るギヤボックスの内部構造を示す側面図である。図6は、本実施の形態に係るギヤボックスの内部構造を示す斜視図である。図7は、図6の一部を拡大して示す部分拡大図である。図8は、本実施の形態に係るキック式始動装置におけるギヤ列の配置を示す平面模式図である。なお、図6においては説明の便宜上、クランクシャフトを省略して記載している。
図5から図8に示すように、ギヤボックス120内の後方下寄りには、回転軸が車幅方向に対して平行になるようにキックシャフト170が支持されている。ギヤボックス120の前方にはキックシャフト170と平行にクランクシャフト111が支持されている。キックシャフト170とクランクシャフト111との間には、キックシャフト170及びクランクシャフト111と平行に第1キックアイドルシャフト173及び第2キックアイドルシャフト175が支持されている。各シャフトには、キックシャフト170の動力をクランクシャフト111に伝達するギヤ列123が設けられている。
ギヤ列123は、キックドライブギヤ171、第1キックアイドルギヤ172a、第2キックアイドルギヤ172b、第3キックアイドルギヤ174a、第4キックアイドルギヤ174b、出力ギヤ112により構成されている。キックドライブギヤ171は、キックシャフト170においてギヤボックス120の開口端近傍に固定されている。キックドライブギヤ171は、キックシャフト170と一体回転する駆動ギヤとなっている。
キックドライブギヤ171の前方には、これと噛み合う小径の第1キックアイドルギヤ172aが配置されている。第1キックアイドルギヤ172aの左側には、大径の第2キックアイドルギヤ172bが一体成形されている。すなわち、第1キックアイドルギヤ172a及び第2キックアイドルギヤ172bは、第1キックアイドルシャフト173に支持されて、キックドライブギヤ171の回転に連動して一体回転する。第2キックアイドルギヤ172bはヘリカルギヤ(斜歯歯車)である。
第2キックアイドルギヤ172bの前方斜め上の位置には、これと噛み合う第3キックアイドルギヤ174aが配置されている。第3キックアイドルギヤ174aの右側には、ラチェット機構174cを介して出力ギヤ112に噛み合う第4キックアイドルギヤ174bが配置されている。第2キックアイドルギヤ172bと噛み合う第3キックアイドルギヤ174aはヘリカルギヤであり、第2キックアイドルギヤ172bの回転力によって第3キックアイドルギヤ174aに回転軸方向のスラスト力を発生させるようになっている。
例えば、キックシャフト170からの動力伝達時においては、第2キックアイドルギヤ172bの回転により、第3キックアイドルギヤ174aを第4キックアイドルギヤ174bに押し付ける方向にスラスト力が発生する。このスラスト力によって、第3キックアイドルギヤ174aに固定されたラチェット機構174cの左側部分と、第4キックアイドルギヤ174bに固定されたラチェット機構174cの右側部分とが噛み合わされる。これにより、第3キックアイドルギヤ174aと第4キックアイドルギヤ174bと連結状態で回転する。
一方で、エンジン10の始動後など、クランクシャフト111からの動力伝達時においては、第4キックアイドルギヤ174bの回転によってラチェット機構174cの左側部分と右側部分とが離間される。これにより、第4キックアイドルギヤ174bが空転して、クランクシャフト111側からの動力が遮断される。このように、第3キックアイドルギヤ174aは、第2キックアイドルシャフト175に対してスライド可能に支持され、第4キックアイドルギヤ174bは、第2キックアイドルシャフト175に固定されている。
第4キックアイドルギヤ174bの前方には、これと噛み合う出力ギヤ112が配置されている。出力ギヤ112はクランクシャフト111に固定されている。クランクシャフト111は、コンロッド(不図示)を介してシリンダボア内のピストン(不図示)に連結されている。このため、キック式始動装置によってクランクシャフト111が回転されると、ピストンに慣性力が与えられてエンジン10が始動するようになっている。
また、キックシャフト170には、キックドライブギヤ171よりも先端寄りに捩りコイルばね(付勢手段)176が配置されている。捩りコイルばね176の一端はキックシャフト170に固定されており、他端はギヤボックス120から突出した固定部124に固定されている。捩りコイルばね176の他端は、キックシャフト170の軸方向に平行に折られており、固定部124に形成された保持溝に保持される。キックシャフト170は、捩りコイルばね176のばね力によって時計回りに付勢されている。
このため、キックペダル180を踏み下ろして初期位置から反時計回りに回転させても、キックペダル180から足を離すとキックペダル180は初期位置に復帰される。キックシャフト170において、キックドライブギヤ171と捩りコイルばね176との間には、径方向に突出する規制部材177が固定されている。この規制部材177は、キックドライブギヤ171の取り付け側である根元部分において幅広で、先端に向かって幅が狭くなる形状を有する板状の部材で構成されている。
規制部材177は、キックドライブギヤ171の外周よりも外側に突出し、第1キックアイドルシャフト173の大径部分173aと当接可能に形成されている。キックペダル180の復帰動作時には、第1キックアイドルシャフト173の大径部分173aと規制部材177とが当接し、キックペダル180が初期位置を超えないようにキックシャフト170の回転が規制される。このように、本実施の形態では、第1キックアイドルシャフト173の大径部分173aが、キックペダル180の初期位置を規定する規制部材177のストッパーとして機能している。
この場合、ストッパーとして別部材を用いずに済むため、キック式始動装置の部品点数を削減することができる。また、規制部材177が第1キックアイドルシャフト173の大径部分173aに当接されるため、衝撃によって第1キックアイドルシャフト173が変形又は破損することを防止できる。また、規制部材177を第1キックアイドルシャフト173の小径部分173bに接触させるように構成されても良い。
また、規制部材177は、変速機ケース11内で車幅方向(キックシャフト170の軸方向)に確保されたギヤ列123用の設置範囲に重なるように配置されている。具体的には、図8に示すように、規制部材177は、車幅方向におけるギヤ列123の左端Lとギヤ列123の右端Rとの間に設けられている。規制部材177をこのように配置することで、ギヤ列123用の設置スペースの他に規制部材177用の設置スペースを変速機ケース11に設ける必要がない。また、キックシャフト170を短くすることが可能となる。
このため、変速機ケース11の幅寸法を小さくすることができ、車両を小型化できる。車幅方向を縮小できるため、停車時における運転者の足着き性を向上できる。なお、規制部材177は、ギヤ列123を構成するいずれかのアイドルギヤの設置範囲に重なるように配置されても良い。本実施の形態では、第4キックアイドルギヤ174bの設置範囲に部分的に重なるように規制部材177が配置されている。また、第1キックアイドルシャフト173をストッパーとして機能させたため、キックシャフト170と第4キックアイドルギヤ174bとの間の空間を有効利用できる。
ただし、本発明はこれに限定されない。規制部材177は、変速機ケース11内にギヤ列123用に確保された設置範囲に対して部分的に重なるようにキックシャフト170に設けられてもよい。また、本実施の形態では、第1キックアイドルシャフト173の大径部分173aをストッパーとして機能させたが、本発明はこれに限られず、規制部材177のストッパーとして機能する別部材を用いても良い。この場合、キックシャフト170と第4キックアイドルギヤ174bとの間の空間にストッパーを配置することが好ましい。
次に、図8及び図9を参照して、本実施の形態に係るキック式始動装置の動作を説明する。図9は、本実施の形態に係るキック始動装置の規制部材の動作図である。
図8を参照して、最初にキックシャフト170とクランクシャフト111間の動力伝達について説明する。運転者によってキックペダル180が踏み下ろされると、キックシャフト170が反時計回り(図8において矢印Aで示す向き)に回転される。キックシャフト170の回転により、キックドライブギヤ171が反時計回りに回転する。キックドライブギヤ171の回転により、第1キックアイドルギヤ172aが時計回り(図8において矢印Bで示す向き)に回転される。このとき、第1キックアイドルギヤ172aは、キックドライブギヤ171より小径なため回転速度が増速される。
第2キックアイドルギヤ172bは、第1キックアイドルギヤ172aと一体成形されているため、一体回転される。第2キックアイドルギヤ172bの回転により、第3キックアイドルギヤ174aが反時計回り(図8において矢印Cで示す向き)に回転される。このとき、第3キックアイドルギヤ174aは第2キックアイドルギヤ172bより小径なため回転速度が増速される。ここで、第2キックアイドルギヤ172bと第3キックアイドルギヤ174aとはヘリカルギヤであるから、第2キックアイドルギヤ172bの時計回りの回転によって第3キックアイドルギヤ174aには右向きのスラスト力が発生する。
これにより、第3キックアイドルギヤ174aの右側に取り付けられたラチェット機構174cの左側部分が、第4キックアイドルギヤ174bの左側に取り付けられたラチェット機構174cの右側部分に押し付けられる。そして、ラチェット機構174cが噛み合うことで、第3キックアイドルギヤ174aと第4キックアイドルギヤ174bとが一体回転される。
第4キックアイドルギヤ174bの回転により、クランクシャフト111の出力ギヤ112が時計回り(図8において矢印Dで示す向き)に回転される。このとき、出力ギヤ112は、第4キックアイドルギヤより小径なため回転速度が増速される。そして、クランクシャフト111が回転されると、ピストンに慣性力が与えられてエンジン10が始動する。
なお、エンジン10が始動後には、ラチェット機構174cの右側部分と左側部分とが離間され、出力ギヤ112と噛み合う第4キックアイドルギヤ174bが空転される。これにより、エンジン10の始動後は、クランクシャフト111からキックシャフト170への動力伝達を遮断している。
図9Aに示すように、キックペダル180が踏み込まれると、捩りコイルばね176の付勢力に抗してキックシャフト170と一体に規制部材177が反時計回りに回転される。キックペダル180が完全に踏み下ろされると、規制部材177が、第1キックアイドルシャフト173(大径部分173a)に当接する当接位置から離間した離間位置に位置付けられる。
この状態から操作者がキックペダル180から足を離すと、捩りコイルばね176の付勢力により、キックシャフト170が時計回りに回転される。図9Bに示すように、規制部材177は、キックシャフト170の時計回りの回転によって第1キックアイドルシャフト173(大径部分173a)に当接する。この規制部材177と第1キックアイドルシャフト173との当接によって、キックシャフト170の回転が規制される。このようにして、キックペダル180は、規制部材177及び第1キックアイドルシャフト173(大径部分173a)により規定される初期位置に復帰される。
以上のように、本発明に係るキック式始動装置によれば、変速機ケース11内において規制部材177がギヤ列123用の設置範囲に収まるように配置されるため、変速機ケース11にギヤ列123用の設置範囲の他に規制部材177の設置範囲をさらに確保する必要がない。また、キックシャフト170を短く形成することができる。よって、変速機ケース11を小さくして車両を小型化できる。さらに、規制部材177を第1キックアイドルシャフト173に当接させて、キックシャフト170の回転が規制される。このため、規制部材177のストッパーとして別部品を用いる必要がなく、キック式始動装置の部品点数を削減できる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、上記実施の形態では、キックドライブギヤ、4個のキックアイドルギヤ、出力ギヤの計6個のギヤを用いてキック式始動装置のギヤ列を構成しているが、用いるギヤの数や種類は変更しても良い。
また、上記実施の形態では、キックペダルを反時計回りに踏み下ろすことでエンジンを始動させるキック式始動装置について示しているが、キックペダルを時計回りに踏み下ろすことでエンジンを始動させる構成としても良い。
また、上記実施の形態では、キックシャフトに付勢力を付与するための付勢手段として捩りコイルばねを用いているが、キックシャフトに付勢力を付与できるのであればよく、付勢手段は捩りコイルばねに限られない。
また、上記実施の形態では、規制部材は、基端側から先端側に向って幅狭になるように薄板に形成されたが、この構成に限定されない。規制部材は、変速機ケースに設けたストッパーと共にキックシャフトの復帰を規制する構成であればよい。
本発明に係るキック式始動装置は、例えば、スクータのエンジンの始動装置として有用である。
1 自動二輪車
11 変速機ケース
110 クランクケース
110L 左クランクケース
110R 右クランクケース
111 クランクシャフト
112 出力ギヤ
120 ギヤボックス
123 ギヤ列
124 固定部
130 ベルトカバー
170 キックシャフト
171 キックドライブギヤ
172a 第1キックアイドルギヤ(アイドルギヤ)
172b 第2キックアイドルギヤ(アイドルギヤ)
173 第1キックアイドルシャフト
173a 大径部分(ストッパー)
173b 小径部分
174a 第3キックアイドルギヤ(アイドルギヤ)
174b 第4キックアイドルギヤ(アイドルギヤ)
174c ラチェット機構
175 第2キックアイドルシャフト
176 捩りコイルばね(付勢手段)
177 規制部材
180 キックペダル

Claims (5)

  1. 一端部に取り付けられたキックペダルの操作によって回転するように変速機ケースに支持されたキックシャフトと、
    前記変速機ケース内において前記キックシャフトの回転に連動する複数のギヤで構成されたギヤ列と、
    前記キックペダルを初期位置に復帰させる方向に前記キックシャフトを付勢する付勢手段と、
    前記キックペダルが初期位置にある場合に、前記キックシャフトの復帰方向への回転を規制する規制部材とを備え、
    前記変速機ケース内で前記キックシャフトの軸方向に確保された前記ギヤ列用の設置範囲に重なるように、前記規制部材が前記キックシャフトに対して配置されることを特徴とするキック式始動装置。
  2. 前記ギヤ列の複数のアイドルギヤのうち、いずれかのアイドルギヤの設置範囲に重なるように、前記規制部材が前記キックシャフトに対して配置されることを特徴とする請求項1に記載のキック式始動装置。
  3. 前記キックシャフトと前記いずれかのアイドルギヤの回転軸との間に、前記規制部材に当接されるストッパー設けることを特徴とする請求項2に記載のキック式始動装置。
  4. 前記ギヤ列を構成する複数のギヤのうち、前記キックシャフトに隣接するギヤのシャフトに前記規制部材を当接させて、前記キックシャフトの回転を規制することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のキック式始動装置。
  5. 前記キックシャフトに隣接するシャフトは、大径部及び小径部を有するように形成されており、前記大径部に前記規制部材を当接させて、前記キックシャフトの回転を規制することを特徴とする請求項4に記載のキック式始動装置。
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