JP2013043388A - 光情報記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 データ記録面とは反対側の面に、銀塩写真に匹敵する品質の画像や印字を形成するとともに反りの発生を抑制することができる光情報記録媒体を提供する。
【解決手段】 光情報記録媒体1は、透光性を有する基板2の一方の主面上に、着色された下地層7と、樹脂と無機微粒子とバインダーと架橋剤とを含むインク受容層8がこの順に積層され、インク受容層8の膜厚が10μmを越え、インク受容層8を水銀ポロシメータ法で測定したときの空隙の細孔直径分布が、30nm以上、40nm以下に最大ピークを有しており、インク受容層8の膜厚と、インク受容層8に含まれた20nm以下の細孔のパーセンテージとを乗じた値が100μm以下になるように構成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、CD−RやDVD−R、BD−Rなどの光情報記録媒体で、データを記録する記録面とは反対側の面(レーベル面)に、銀塩写真に匹敵する品質の画像や印字を形成することができ、反りの発生を抑制することができる光情報記録媒体に関するものである。
CD−RやDVD−R、BD−Rなどの光情報記録媒体で、音楽や映像、電子データなどのデータを記録する情報記録面とは反対側の面(レーベル面)に、インクジェットプリンターなどで印字や画像を書き込むことができる光情報記録媒体(プリンタブル・ディスク)が広く普及している。
近年、プリンターの性能向上などに伴い、銀塩写真にも匹敵する画質で画像を記録することができるプリンタブル・ディスクも市販されるようになっている。銀塩写真にも匹敵する画質で画像を記録し、高品質な印字を書き込むことができるプリンタブル・ディスクの例として、たとえば、特開2006−260748号公報(特許文献1)に開示された情報記録面とは反対側の面(レーベル面)に無機顔料を主成分としたインク受容層が形成されたプリンタブル・ディスクがある。
しかしながら、かかる光情報記録媒体においては、受容層に反りが生じやすく、光情報記録媒体の情報記録再生特性に悪影響を及ぼすという問題があった。
かかる問題を解決するために、特開2009−158017号公報(特許文献2)は、顔料などの無機微粒子とバインダーを主成分とし、インクを吸収する多数の空隙を備え、空隙の細孔直径分布が30nm以上に最大ピークを有するインク受容層を形成した光情報記録媒体を提案している。
特開2006−260748号公報 特開2009−158017号公報
しかしながら、空隙の細孔直径分布が30nm以上に最大ピークを有するインク受容層を形成しただけでは、銀塩写真に匹敵する画質の画像や高品質の印字をインク受容層に形成することができない場合があり、インク受容層の反りも十分に抑制することが困難な場合があった。
したがって、本発明は、データを記録するデータ記録面とは反対側の面に、銀塩写真に匹敵する品質の画像や印字を形成することができ、同時に、反りの発生を抑制することができる光情報記録媒体を提供することを目的とするものである。
本発明者は、本発明にかかる目的を達成するため、鋭意研究を重ねた結果、透光性を有する基板の一方の主面上に、着色された下地層と、樹脂と無機微粒子とバインダーと架橋剤とを含むインク受容層とを備えた光情報記録媒体において、インク受容層の膜厚が10μmを越え、インク受容層を水銀ポロシメータ法で測定したときの空隙の細孔直径分布が、30nm以上、40nm以下に最大ピークを有し、インク受容層の膜厚と、インク受容層に含まれた20nm以下の細孔の百分率とを乗じた値が100μm以下である場合には、銀塩写真に匹敵する画質の画像を形成することが可能であるとともに、光情報記録媒体の反りの発生を抑制することが可能になることを見出した。
本発明はかかる知見に基づくものであり、本発明によれば、本発明の前記目的は、透光性を有する基板の一方の主面上に、着色された下地層と、樹脂と無機微粒子とバインダーと架橋剤とを含むインク受容層とがこの順に積層された光情報記録媒体であって、前記インク受容層の膜厚が10μmを越え、前記インク受容層を水銀ポロシメータ法で測定したときの空隙の細孔直径分布が、30nm以上、40nm以下に最大ピークを有しており、前記インク受容層の膜厚と、前記インク受容層に含まれた20nm以下の細孔のパーセンテージとを乗じた値が100μm以下であることを特徴とする光情報記録媒体によって達成される。
本発明において、インク受容層を形成する前後の反り角の変化量が0.10deg未満であることが好ましい。
本発明において、インク受容層に含まれる20nm以下の細孔の割り合いは、たとえば、インク受容層に含まれる無機微粒子の一次粒子径を変化させ、あるいは、インク受容層を構成する樹脂と無機微粒子とバインダーと架橋剤の分散時間を制御することによって変化させることができる。
本発明によれば、データを記録する面とは反対側の面に銀塩写真に匹敵する品質の印字や画像を形成することができ、反りの発生を抑制することができる光情報記録媒体を提供することが可能になる。データを記録するデータ記録面とは反対側の面に、銀塩写真に匹敵する品質の画像や印字を形成することができ、同時に、反りの発生を抑制することができる光情報記録媒体を提供することが可能になる。
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる光情報記録媒体の一部切り欠き略斜視図である。 図2は、図1に示された光情報記録媒体の略一部断面図である。 図3は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる光情報記録媒体の略一部断面図である。
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる光情報記録媒体の一部切り欠き略斜視図であり、図2はその略一部断面図である。
図1および図2に示されるように、本実施態様にかかる光情報記録媒体1は円板状をなし、その中央部にセンターホール9が形成されている。
光情報記録媒体1は、透光性の基板2を備え、基板2の一方の主面上には、トラッキングガイド用の案内溝3が形成されている。
透光性基板2の案内溝3が形成された側の主面上には、記録層4、反射層5、保護層6、下地層7およびインク受容層8が、この順に積層され、データ記録用のレーザビームおよびデータ再生用のレーザビームは、透光性基板2の案内溝3が形成された面とは反対側の表面に照射されるように構成されている。
透光性の基板2は、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などの透明樹脂を用いて、射出成形法によって作製されている。
基板2の一方の主面のセンターホール9の外周側にクランピングエリア(図示せず)が設けられており、クランピングエリアの外周側にデータを記録するデータ記録領域が形成されている。データ記録領域には、図2に示されるように、トラッキングガイド用の案内溝3が形成されている。
図2に示されるように、透光性の基板2の案内溝3が形成された側の表面上には、記録層4が形成されている。記録層4は、たとえば、スピンコーティング法などによって、シアニン色素やメチン色素などの有機色素を含む色素溶液を基板2の案内溝3が形成された側の表面上に塗布し、乾燥させることによって形成されている。
図2に示されるように、記録層4の表面上には、反射層5が形成されている。反射層5は、金、アルミニウム、銀、銅、パラジウムなどの単体金属膜や、これら各々の合金膜、さらには、これらの単体金属や合金に微量成分が添加された微量成分含有金属の金属膜などによって形成されている。
図2に示されるように、反射層5の表面上には、保護層6が形成されている。保護層6は、たとえば、スピンコーティング法などによって、紫外線硬化性樹脂などの光硬化性樹脂の溶液を反射層5の表面に塗布して、塗膜を形成し、紫外線などの光を塗膜に照射して、光硬化性樹脂を硬化させることによって形成されている。
図2に示されるように、保護層6の表面上には、下地層7が形成されている。下地層7は、紫外線硬化性樹脂溶液中に、微粉シリカ、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、亜鉛華、コロイダルシリカ、カーボンブラック、ベンガラなどの無機顔料や、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、メチルセルロースなどの有機材料の微粉末を添加剤として配合し、さらに必要に応じて、溶剤を添加して、下地層溶液を作製し、スピンコーティング法やスクリーン印刷法を用いて、保護層6の表面上に下地層溶液を塗布または印刷をすることによって形成されている。
下地層7を形成するために用いられる紫外線硬化性樹脂としては、たとえば、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルホルマール、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、ポリビニルピロリドンのうちの少なくとも一種が挙げられる。また、必要に応じて、溶剤などの添加剤を添加して用いられる。下地層7を形成するための材料は、通常は、上記紫外線硬化性樹脂のうちの少なくとも一種と、光重合性モノマーと、光重合開始剤とを含んでいるが、これらに、必要に応じて、さらに他の添加剤を配合して得られる親水性紫外線硬化性樹脂も用いられる。
また、下地層7を形成するために熱硬化性樹脂を用いる場合には、光重合開始剤に代えて、熱重合開始剤を用いた熱硬化性樹脂溶液が用いられる。
下地層7は、このように、顔料や染料によって着色されており、たとえば、白色に着色されている場合には、下地層7の表面に積層されたインク受容層8に吸着されたインクの発色性を向上させることができ、色彩を際立たせることができる。
図2に示されるように、下地層7の表面上には、インク受容層8が形成されている。
インク受容層8を形成するための材料は、光硬化性樹脂あるいは熱硬化性樹脂と、無機微粒子とバインダーと架橋剤とを含んでいる。
インク受容層8に用いられる光硬化性樹脂としては、たとえば、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルホルマール、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、ポリビニルピロリドンのうちの少なくとも一種が挙げられ、必要に応じて、溶剤などの添加剤を添加して用いられる。インク受容層8を形成するための樹脂は、紫外線硬化性の親水性樹脂あるいは熱硬化性の親水性樹脂である。インク受容層8を形成するための紫外線硬化性樹脂溶液としては、これらの樹脂のうちの少なくとも一種と、光重合モノマーと、光重合開始剤を含んでいるが、これらに、必要に応じて、他の添加剤を配合して得られる親水性紫外線硬化性樹脂も用いられる。
また、インク受容層8を形成するために、熱硬化性樹脂溶液を用いる場合には、光重合開始剤に代えて、熱重合開始剤が用いられる。
これらの樹脂溶液は、スピンコーティング法などによって、下地層7の表面上に塗布される。塗布に際して、必要に応じて、溶剤を添加してもよい。
たとえば、インク受容層8を形成するための材料に含まれる無機微粒子としてアルミナを用い、バインダーとしてポリビニルアルコールを、架橋剤としてホウ素化合物を用いることができ、インク受容層8は、紫外線硬化性樹脂あるいは熱硬化性樹脂中に、気相法アルミナを含有させ、その他の添加剤を添加して得られる塗布液を下地層7上に、たとえば、スピンコーティング法によって塗布し、乾燥して形成される。気相法アルミナは、塩化アルミニウムや金属アルミニウムなどを気化させ、塩化アルミニウムや金属アルミニウムなどを気相で、酸化性ガスにより酸化して得られるアルミナ微粒子(酸化アルミニウム微粒子)において、結晶型が無定型、β型、γ型、δ型、θ型などのいわゆる遷移アルミナである。他の無機材料についても、これに準じて、気相法無機微粒子(気相法金属酸化物粉末等)を得ることができる。とくに、気相法無機微粒子としてアルミナ粒子のγ型の結晶型を用いると、この結晶型はインクを付着するのに適した形状を有しているため、この結晶型のアルミナ微粒子を含有した多孔質層は、インクを速やかに吸収させることができる。
気相法アルミナを含有する塗布液は、この気相法アルミナの代わりに、通常の湿式法アルミナ(水性無機粉末)を含有する以外は、同様にして得られる塗布液に比べて、その粘度を高くすることができ、これにより、スピンコーティング法などによる塗布膜の膜厚を厚くすることができ、その塗布膜の多孔質膜だけで、インクを吸収させ、保持させて、定着させることができる。
本発明者の研究によれば、インク受容層8は、水銀ポロシメータ法で測定したときの空隙の細孔直径分布が30nm以上、40nm以下にピークを有していることが好ましいということが見出されている。インク受容層8中の空隙の細孔直径分布が40nmより大きい直径にピークを有している場合には、インク受容層8に印字をした場合の印字品質や画像を書き込んだ場合の画質が悪化し、好ましくない。
水銀ポロシメータ法で測定したときの空隙の細孔直径分布が30nm以上、40nm以下にピークを有するインク受容層8は、たとえば、無機微粒子として平均一次粒子径が17nm以上のアルミナ、バインダーとしてポリビニルアルコール、架橋剤としてホウ素化合物を含有した溶液に、さらに凝集剤を添加して混合し、得られたインク受容層用塗布液を、たとえば、スピンコーティング法などによって、着色された下地層7上に塗布して、塗膜を形成し、塗膜を乾燥することによって形成することができる。
具体的には、インク受容層8は、紫外線硬化性溶液やその他の樹脂溶液中に、樹脂に対して、200重量%ないし2000重量%、好ましくは、約500重量%の気相法アルミナを配合して、塗布液を調製し、得られた塗布液の粘度を300mPa・sないし14000mPa・s、好ましくは、350mPa・sないし8100mPa・s、とくに好ましくは、960mPa・sないし8100mPa・sに調製することが好ましい。この場合の塗布液中の固形分濃度、すなわち、不揮発分の濃度は、10重量%ないし50重量%で、粘度は、25℃における環境下でブルックフィールドB型粘度計によって測定される値である。
本発明者の研究によれば、インク受容層8の膜厚が10μm以下の場合には、インクが滲み、あるいは、インクがくすみ、印字品質が悪化することが見出されており、したがって、本実施態様においては、インク受容層8は膜厚が10μmを越えるように形成されている。
以上のようにして形成されたインク受容層8内には、多数の空隙が形成され、これらの空隙内に、インクが吸収され、保持されて、定着される。このように空隙が生じるのは、塗布膜が乾燥する過程や、紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂の塗膜では、その硬化の過程で、樹脂が収縮し、気相法アルミナなどの微粒子との間に空隙が形成されるためと考えられる。
本発明者の研究によれば、インク受容層8中に、細孔直径が20nm以下の空隙が多く形成されていると、光情報記録媒体1に反りが生じやすく、一方、インク受容層8の厚さT(μm)に、インク受容層18に含まれる空隙のうち、細孔直径が20nm以下の空隙の割り合いV(%)を乗じた値T×Vが100μm以下である場合には、光情報記録媒体1に反りが発生することを効果的に抑制し得るということが判明している。
ここに、光情報記録媒体の実施例インク受容層8の反り角は0.10deg未満であることが好ましい。
細孔直径が20nm以下の空隙の割り合いV(%)は、インク受容層8を形成する際の樹脂と無機微粒子とバインダーと架橋剤の分散時間をコントロールし、あるいは、インク受容層8を形成するために用いる無機微粒子の一次粒子径をコントロールすることにより、変化させることができる。
とくに、無機微粒子として、気相法アルミナ微粒子を用いた場合には、成膜した状態で、気相法アルミナ微粒子はプラスの電荷を帯びているため、インクジェット方式に用いられるインクとしてマイナスの電荷を帯びたインクを用いると、マイナスの電荷を帯びたインクがプラスの電荷を帯びた気相法アルミナ微粒子を含有する多孔質層に付着させると、気相法アルミナ微粒子とインクとが電気的に引き合うため、インクをインク受容層8中に所望のように保持することできる。
インク受容層8は、インクを吸収し、定着する機能を有しているが、その一方で、表面にインクが留まることを抑制ないし防止する必要がある。そのためには、たとえば、インク受容層8の表面に水性インクを滴下し、約30分後に、手で触れても、インクがにじまない程度に、インクが浸透して、表面に残るインクが少なく、インク受容層8内に定着するのに十分な親水性を有する気相法アルミナ含有樹脂膜を形成することが好ましい。すなわち、インク受容層8は、インクの乾燥により、単にインクが付着した状態ではなく、容易に消すことができない程度にインクが定着可能な膜であることが好ましい。
本発明によれば、インク受容層8が、水銀ポロシメータ法で測定したときの空隙の細孔直径分布が30nm以上、40nm以下にピークを有しているから、インク受容層8に印字をした場合の印字品質や画像を書き込んだ場合の画質を向上させることが可能になる。
また、本発明によれば、インク受容層8中に、細孔直径が20nm以下の空隙が少なく、インク受容層8の厚さT(μm)に、インク受容層8に含まれる空隙のうち、細孔直径が20nm以下の空隙の割り合いV(%)を乗じた値T×Vが100μm以下であるから、光情報記録媒体1に反りが発生することを効果的に抑制することが可能になる。
図3は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる光情報記録媒体の略一部断面図である。
図示されてはいないが、本実施態様にかかる光情報記録媒体11は円板状をなし、その中央部にセンターホール(図示せず)が形成されている。
図3に示されるように、光情報記録媒体11は、透光性の基板12を備え、基板12の一方の主面上には、トラッキングガイド用の案内溝13が形成されている。
透光性基板12の案内溝13が形成された側の表面上には、記録層14と反射層15とが、この順に積層されている。
反射層15の表面には、接着剤層19が形成され、接着剤層19の表面には、ダミー基板16の一方の主面が貼り合わされている。
接着剤層19と反対側のダミー基板16の他方の主面上には、着色された下地層17およびインク受容層18が、この順に積層されている。
本実施態様にかかる光情報記録媒体11においては、データを記録時あるいはデータの再生時に、レーザビームが透光性の基板12の側から照射されるように構成されている。
透光性の基板12は、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などの透明樹脂を用いて、射出成形法によって作製されている。
基板12の一方の主面のセンターホール(図示せず)の外周側にクランピングエリア(図示せず)が設けられており、クランピングエリアの外周側にデータを記録するデータ記録領域が形成されている。データ記録領域には、案内溝13が形成されている。
図3に示されるように、図1および図2に示された光情報記録媒体1と同様に、透光性を有する基板12の表面には、記録層14が形成されている。記録層14は、たとえば、スピンコーティング法などによって、シアニン色素やメチン色素などの有機色素を含む色素溶液を基板12の案内溝13が形成された側の表面上に塗布し、乾燥させることによって形成されている。
図3に示されるように、記録層14の表面上には、反射層15が形成されている。反射層15は、金、アルミニウム、銀、銅、パラジウムなどの単体金属膜や、これら各々の合金膜、さらには、これらの単体金属や合金に微量成分が添加された微量成分含有金属の金属膜などによって形成されている。
図3に示されるように、反射層15の表面上には、紫外線硬化性樹脂からなる接着剤層19が形成されており、接着剤層19の表面には、ダミー基板16の一方の主面が貼り合わされている。
ダミー基板16を形成するための材料としては、透光性の基板12を形成するための材料を用いることができるが、データの記録時も記録されたデータの再生時も、レーザビームは、透光性を有する基板12の側から、光情報記録媒体11に照射され、レーザビームはダミー基板16を透過しないから、ダミー基板16が透明であることは要求されない。
図3に示されるように、接着剤層19とは反対側のダミー基板16の他方の主面上には、下地層17が形成されている。
図1および図2に示された光情報記録媒体1の下地層7と同様に、下地層17は、紫外線硬化性樹脂溶液中に、微粉シリカ、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、亜鉛華、コロイダルシリカ、カーボンブラック、ベンガラなどの無機顔料や、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、メチルセルロースなどの有機材料の微粉末を添加剤として配合し、さらに必要に応じて、溶剤を添加して、下地層溶液を作製し、スピンコーティング法やスクリーン印刷法を用いて、ダミー基板16の表面上に下地層溶液を塗布または印刷をすることによって形成されている。
下地層17を形成するために用いられる紫外線硬化性樹脂としては、たとえば、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルホルマール、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、ポリビニルピロリドンのうちの少なくとも一種が挙げられる。また、必要に応じて、溶剤などの添加剤を添加して用いられる。下地層17を形成するための材料は、通常は、上記紫外線硬化性樹脂のうちの少なくとも一種と、光重合性モノマーと、光重合開始剤を含んでいるが、これらに、必要に応じて、さらに他の添加剤を配合して得られる親水性紫外線硬化性樹脂も用いられる。
また、下地層17を形成するために、熱硬化性樹脂溶液を用いる場合には、光重合開始剤に代えて、熱重合開始剤が用いられる。
これらの樹脂溶液は、スピンコーティング法などによって、ダミー基板16の表面上に塗布される。塗布に際して、必要に応じて、溶剤を添加してもよい。
下地層17は、このように、顔料や染料によって着色されており、たとえば、白色に着色されている場合には、下地層17の表面に積層されたインク受容層18に吸着されたインクの発色性を向上させることができ、色彩を際立たせることができる。
図3に示されるように、下地層17の表面上には、インク受容層18が形成されている。
図1および図2に示された光情報記録媒体1のインク受容層8と同様に、インク受容層18を形成するための材料は、紫外線硬化性樹脂などの光硬化性樹脂あるいは熱硬化性樹脂と、無機微粒子とバインダーと架橋剤とを含んでいる。
インク受容層18に用いられる紫外線硬化性樹脂としては、たとえば、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルホルマール、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、ポリビニルピロリドンのうちの少なくとも一種が挙げられ、必要に応じて、溶剤などの添加剤を添加して用いられる。インク受容層18を形成するための樹脂は、紫外線硬化性の親水性樹脂材料あるいは熱硬化性の親水性樹脂材料である。インク受容層18を形成するための紫外線硬化性樹脂溶液としては、上記の樹脂のうちの少なくとも一種と、光重合性モノマーと、光重合開始剤を含んでいるが、これらに、必要に応じて、他の添加剤を配合して得られる親水性紫外線硬化性樹脂も用いられる。
また、インク受容層18を形成するために、熱硬化性樹脂溶液を用いる場合には、光重合開始剤に代えて、熱重合開始剤が用いられる。
これらの樹脂溶液は、スピンコーティング法などによって、下地層17の表面上に塗布される。塗布に際して、必要に応じて、溶剤を添加してもよい。
たとえば、インク受容層18を形成するための材料に含まれる無機微粒子としてアルミナを用い、バインダーとしてポリビニルアルコールを、架橋剤としてホウ素化合物を用いることができ、インク受容層18は、紫外線硬化性樹脂あるいは熱硬化性樹脂中に、気相法アルミナを含有させ、その他の添加剤を添加して得られる塗布液を下地層7上に、たとえば、スピンコーティング法によって塗布し、乾燥して形成される。気相法アルミナは、塩化アルミニウムや金属アルミニウムなどを気化させ、塩化アルミニウムや金属アルミニウムなどを気相で、酸化性ガスにより酸化して得られるアルミナ微粒子(酸化アルミニウム微粒子)において、結晶型が無定型、β型、γ型、δ型、θ型などのいわゆる遷移アルミナである。他の無機材料についても、これに準じて、気相法無機微粒子(気相法金属酸化物粉末等)を得ることができる。とくに、気相法無機微粒子としてアルミナ粒子のγ型の結晶型を用いると、この結晶型はインクを付着するのに適した形状を有しているため、この結晶型のアルミナ微粒子を含有した多孔質層は、インクを速やかに吸収させることができる。
気相法アルミナを含有する塗布液は、この気相法アルミナの代わりに、通常の湿式法アルミナ(水性無機粉末)を含有する以外は、同様にして得られる塗布液に比べて、その粘度を高くすることができ、これにより、スピンコーティング法などによる塗布膜の膜厚を厚くすることができ、その塗布膜の多孔質膜だけで、インクを吸収させ、保持させて、定着させることができる。
本発明者の研究によれば、インク受容層18が、水銀ポロシメータ法で測定したときの空隙の細孔直径分布が30nm以上、40nm以下にピークを有していることが好ましく、インク受容層18中の空隙の細孔直径分布が40nmより大きい直径にピークを有している場合には、インク受容層18に印字をした場合の印字品質や画像を書き込んだ場合の画質が悪化することが見出されている。
水銀ポロシメータ法で測定したときの空隙の細孔直径分布が30nm以上、40nm以下にピークを有するインク受容層18は、たとえば、無機微粒子として平均一次粒子径が17nm以上のアルミナ、バインダーとしてポリビニルアルコール、架橋剤としてホウ素化合物を含有する溶液に、さらに凝集剤を添加して混合し、得られたインク受容層用塗布液を、たとえば、スピンコーティング法などによって、着色された下地層17上に塗布して、塗膜を形成し、塗膜を乾燥することによって形成することができる。
具体的には、図1および図2に示された光情報記録媒体1のインク受容層8と同様にして、インク受容層18を形成することができる。
本発明の研究によれば、インク受容層18中に、細孔直径が20nm以下の空隙が多く形成されていると、光情報記録媒体11に反りが生じやすく、一方、インク受容層18の厚さT(μm)に、インク受容層18に含まれる空隙のうち、細孔直径が20nm以下の空隙の割り合いV(%)を乗じた値T×Vが100μm以下である場合には、光情報記録媒体11に反りが発生することを抑制し得ることが判明している。
また、本発明者の研究によれば、インク受容層18の膜厚が10μm以下の場合には、インクが滲み、あるいは、インクがくすみ、印字品質が悪化することが見出されており、したがって、本実施態様においては、インク受容層18は膜厚が10μmを越えるように形成されている。
以上のようにして形成されたインク受容層18内には、多数の空隙が形成され、これらの空隙内に、インクが吸収され、保持されて、定着される。このように空隙が生じるのは、塗布膜が乾燥する過程や、紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂の塗膜では、その硬化の過程で、樹脂が収縮し、気相法アルミナなどの微粒子との間に空隙が形成されるためと考えられる。
とくに、無機微粒子として、気相法アルミナ微粒子を用いた場合には、成膜した状態で、気相法アルミナ微粒子はプラスの電荷を帯びているため、インクジェット方式に用いられるインクとしてマイナスの電荷を帯びたインクを用いると、マイナスの電荷を帯びたインクがプラスの電荷を帯びた気相法アルミナ微粒子を含有する多孔質層に付着させると、気相法アルミナ微粒子とインクとが電気的に引き合うため、インクをインク受容層18中に所望のように保持することできる。
インク受容層18は、インクを吸収し、定着する機能を有しているが、その一方で、表面にインクが留まることを抑制ないし防止する必要がある。そのためには、たとえば、インク受容層18の表面に水性インクを滴下し、約30分後に、手で触れても、インクがにじまない程度に、インクが浸透して、表面に残るインクが少なく、インク受容層18内に定着するのに十分な親水性を有する気相法アルミナ含有樹脂膜を形成することが好ましい。すなわち、インク受容層18は、インクの乾燥により、単にインクが付着した状態ではなく、容易に消すことができない程度にインクが定着可能な膜であることが好ましい。
本実施態様によれば、インク受容層18が、水銀ポロシメータ法で測定したときの空隙の細孔直径分布が30nm以上、40nm以下にピークを有しているから、インク受容層18に印字をした場合の印字品質や画像を書き込んだ場合の画質を向上させることが可能になる。
ここに、光情報記録媒体のインク受容層18の反り角は0.10deg未満であることが好ましい。
また、本実施態様発明によれば、インク受容層18中に、細孔直径が20nm以下の空隙が少なく、インク受容層18の厚さT(μm)に、インク受容層18に含まれる空隙のうち、細孔直径が20nm以下の空隙の割り合いV(%)を乗じた値TVが100以下であるから、光情報記録媒体11に反りが発生することを効果的に抑制することが可能になる。
以下、本発明の効果をより一層明らかにするため、実施例および比較例を掲げる。
実施例1
平均重合度が2、400で、平均ケン化度88mol%のポリビニルアルコールの6重量%水溶液80.0部に、20重量%の硝酸水溶液を1.0部と乳酸を0.2部加え、水溶液を良く振り混ぜながら、気相法シリカ粉末として、日本アエロジル株式会社製「アエロジル200」(登録商標)を17.8部加え、ボールミルで、1日間にわたって分散させた。
その後、塩化酸化ジルコニウム八水和物0.25部を溶解させた水溶液1.0部を加え、ボールミルで1日分散させて、塗工液Aを調製した。
次に、一方の主面に、半値幅0.2μm、深さ0.15μm、トラックピッチ0.74μmの溝状のトラッキングガイドが直径の46mmφないし117mmφの範囲に形成された外形120mmφ、内径15mmφ、厚み0.6mmのポリカーボネート製の透光性基板を用意した。
この透光性基板のトラッキングガイドが形成された側の主面に、溶剤に溶解したシアニン色素を、スピンコーティング法によって塗布して、塗膜を形成し、乾燥させて、平均膜厚70nmの色素膜からなる記録層を形成した。
次いで、記録層の表面上に、銀をスパッタリングし、厚さ100nmの反射層を形成した。
さらに、スピンコーティング法によって、紫外線硬化樹脂を反射層の表面に塗布して、塗膜を形成し、塗膜に外形120mmφ、内径15mmφ、厚み0.6mmのポリカーボネート製の透光性基板を貼り合わせた後に、紫外線を照射して、塗膜を硬化させて、厚さ1.2mmのいわゆるDVD−Rを得た。
次に、反射層側の透光性基板の中心から11mmないし59mmの領域の表面に、帝国インキ製造株式会社製の白色塗料「UVSP20404WH」(商品名)をスクリーン印刷法によって印刷し、紫外線を照射して、白色塗料を硬化させて、厚さ10μmの白色インク下地層を形成した。
さらに、白色インク下地層の中心から11mmないし59mmの領域の表面に、スクリーン印刷法によって、塗工液Aを塗布して、塗膜を形成し、次いで、60℃の温度で、得られた塗膜を乾燥して、膜厚Tが15μmの多孔質膜からなるインク受容層を形成した。
こうして、光情報記録媒体サンプル#1を作製した。
Quantachrome Corporation製の「Pore
Master 60GT(PM60GT−11)」(商品名)を用いて、水銀ポロシメータ法によって、得られた光情報記録媒体サンプル#1のインク受容層中の空隙の細孔直径分布を測定したところ、20nm以下の空隙の割合Vは5.1%で、空隙の細孔直径が最大になるピーク直径は34.6nmであった。
さらに、株式会社日本電子光学製の光ディスク反り自動測定装置「S2HH−20N」(商品名)を用いて、光情報記録媒体サンプル#1の中心から半径55mmにおける反り角を10°ごとに、36点で測定し、平均値を求めた。ここに、反り角とは、多孔質膜よりなるインク受容層を形成する前の状態を0(ゼロ)degとしたときの多孔質膜よりなるインク受容層を形成する前後の反り角の変化量を示すものである。合計で10枚の光情報記録媒体サンプル#1につき、同様にして、反り角を測定し、その平均値を反り角としたところ、0.09degであった。
このように、光情報記録媒体サンプル#1のインク受容層の反り角は0.09degであり、許容上限値である0.10deg以下で、許容範囲内であった。
他方、光情報記録媒体サンプル#1の情報記録面とは反対側の面(レーベル面)に、セイコーエプソン株式会社製プリンター「EP−803A」(商品名)を用いて、印字を行ったところ、精細な印字が可能で、印字の品質は銀塩写真と同等であった。
また、多孔質膜よりなるインク受容層中の20nm以下の空隙の割り合いを示す指標として、多孔質膜よりなるインク受容層の膜厚Tと細孔直径が20nm以下の空隙の割合Vとを乗算した値を求めたところ、T×Vは77μmであった。
比較例1
平均重合度が2、400で、平均ケン化度88mol%のポリビニルアルコール6重量%水溶液80.0部に、20重量%の硝酸水溶液を1.0部と乳酸を0.2部加え、水溶液を良く振り混ぜながら、気相法シリカ粉末として、日本アエロジル株式会社製「アエロジル200」(登録商標)を17.8部加え、ボールミルで、5日間にわたって分散させた点を除いて、実施例1と全く同様にして、膜厚Tが15μmの多孔質膜よりなるインク受容層が形成された光情報記録媒体比較サンプル#1を作製した。
こうして作製した光情報記録媒体比較サンプル#1につき、光情報記録媒体サンプル#1について測定したのと同様の特性を測定した。
その結果、多孔質膜よりなるインク受容層内に形成された20nm以下の空隙の割合V1は8.8%、空隙の細孔直径が最大になるピーク直径は31.5nm、反り角は0.16degで、T×Vは132μmであった。
また、実施例1と同様にして、光情報記録媒体比較サンプル#1の情報記録面とは反対側の面(レーベル面)に印字を行ったところ、高精細な印字が可能で、印字の品質は銀塩写真よりも優れていたが、光情報記録媒体比較サンプル#1のインク受容層の反り角が0.16degで、許容上限値0.10degを越えており、情報記録再生特性に悪影響を及ぼすおそれがあることが判明した。
比較例2
膜厚Tが20μmの多孔質膜よりなるインク受容層を形成した点を除いて、実施例1と同様にして、光情報記録媒体比較サンプル#2を作製した。
こうして作製した光情報記録媒体比較サンプル#2につき、光情報記録媒体比較サンプル#1について測定したのと同様の特性を測定した。
その結果、多孔質膜よりなるインク受容層内に形成された20nm以下の空隙の割合V1は5.1%、空隙の細孔直径が最大になるピーク直径は34.6nm、反り角は0.12degで、T×Vは102μmであった。
したがって、光情報記録媒体のインク受容層の反り角が0.12degで、許容上限値である0.10degを越えており、情報記録再生特性に悪影響を及ぼすおそれがあることが判明した。
また、実施例1と同様にして、光情報記録媒体比較サンプル#2の情報記録面とは反対側の面(レーベル面)に印字を行ったところ、精細な印字が可能で、印字の品質は銀塩写真と同等であった。
比較例3
膜厚Tが10μmの多孔質膜よりなるインク受容層を形成した点を除いて、実施例1と同様にして、光情報記録媒体比較サンプル#3作製した。
こうして作製した光情報記録媒体比較サンプル#3につき、光情報記録媒体サンプル#1について測定したのと同様の特性を測定した。
その結果、多孔質膜よりなるインク受容層内に形成された20nm以下の空隙の割合Vは5.1%、空隙の細孔直径が最大になるピーク直径は34.6nm、反り角は0.05degで、T×Vは51μmであった。
このように、光情報記録媒体比較サンプル#3のインク受容層の反り角は0.05degで、許容上限値である0.10deg以下であったが、実施例1と同様にして、光情報記録媒体比較サンプル#2の情報記録面とは反対側の面(レーベル面)に印字を行ったところ、印字がわずかに滲み、わずかにくすんでいた。
比較例4
膜厚Tが5μmの多孔質膜からなるインク受容層を形成した点を除いて、実施例1と同様にして、光情報記録媒体比較サンプル#4を作製した。
こうして作製した光情報記録媒体比較サンプル#4につき、光情報記録媒体サンプル#1について測定したのと同様の特性を測定した。
その結果、多孔質膜よりなるインク受容層内に形成された20nm以下の空隙の割合Vは5.1%、空隙の細孔直径が最大になるピーク直径は34.6nm、反り角は0.03degで、T×Vは26μmであった。
このように、光情報記録媒体比較サンプル#4のインク受容層の反り角は0.03degで、許容上限値である0.10deg以下であったが、実施例1と同様にして、光情報記録媒体比較サンプル#4の情報記録面とは反対側の面(レーベル面)に印字を行ったところ、印字が滲み、くすんでいた。
比較例5
平均重合度が2、400で、平均ケン化度88mol%のポリビニルアルコールの6重量%の水溶液80.0部に、20重量%の硝酸水溶液を1.0部と乳酸を0.2部加え、水溶液を良く振り混ぜながら、気相法シリカ粉末として、日本アエロジル株式会社製「アエロジル200」(登録商標)を17.8部加え、ボールミルで、0.1日間にわたって分散させた点を除いて、実施例1と全く同様にして、膜厚Tが15μmの多孔質膜よりなるインク受容層が形成された光情報記録媒体比較サンプル#5を作製した。
こうして作製した光情報記録媒体比較サンプル#5につき、光情報記録媒体サンプル#1について測定したのと同様の特性を測定した。
その結果、多孔質膜よりなるインク受容層内に形成された20nm以下の空隙の割合Vは3.0%、空隙の細孔直径が最大になるピーク直径は41.3nm、反り角は0.05degで、T×Vは45μmであった。
このように、光情報記録媒体比較サンプル#5のインク受容層の反り角は0.05degで、許容上限値である0.10deg以下であったが、実施例1と同様にして、光情報記録媒体比較サンプル#5の情報記録面とは反対側の面(レーベル面)に印字を行ったところ、印字がわずかに滲み、わずかにくすんでいた。
比較例6
平均重合度が2、400で、平均ケン化度88mol%のポリビニルアルコールの6重量%の水溶液80.0部に、20重量%の硝酸水溶液を1.0部と乳酸を0.2部加え、水溶液を良く振り混ぜながら、気相法シリカ粉末として、日本アエロジル株式会社製「アエロジル300」(登録商標)を17.8部加え、ボールミルで、1日間にわたって分散させた点を除いて、実施例1と全く同様にして、膜厚Tが15μmの多孔質膜よりなるインク受容層が形成された光情報記録媒体比較サンプル#6を作製した。
こうして作製した光情報記録媒体比較サンプル#6につき、光情報記録媒体サンプル#1について測定したのと同様の特性を測定した。
その結果、多孔質膜よりなるインク受容層内に形成された20nm以下の空隙の割合Vは12.1%、空隙の細孔直径が最大になるピーク直径は30.3nm、反り角は0.19degで、T×Vは182μmであった。
また、実施例1と同様にして、光情報記録媒体比較サンプル#6の情報記録面とは反対側の面(レーベル面)に印字を行ったところ、高精細な印字が可能で、印字の品質は銀塩写真よりも優れていたが、光情報記録媒体比較サンプル#6のインク受容層の反り角は0.19degで、許容上限値である0.10degを越えており、情報記録再生特性に悪影響を及ぼすおそれがあることが判明した。
比較例7
膜厚Tが10μmの多孔質膜よりなるインク受容層を形成した点を除いて、比較例6と同様にして、光情報記録媒体比較サンプル#7を作製した。
こうして作製した光情報記録媒体比較サンプル#7につき、光情報記録媒体サンプル#1について測定したのと同様の特性を測定した。
その結果、多孔質膜よりなるインク受容層内に形成された20nm以下の空隙の割合Vは12.1%、空隙の細孔直径が最大になるピーク直径は30.3nm、反り角は0.12degで、T×Vは121μmであった。
このように、光情報記録媒体比較サンプル#7のインク受容層の反り角は0.12degで、許容上限値である0.10degを越えており、情報記録再生特性に悪影響を及ぼすおそれがあることが判明した。
実施例1と同様にして、光情報記録媒体比較サンプル#7の情報記録面とは反対側の面(レーベル面)に印字を行ったところ、印字が滲み、くすんでいた。
実施例2
平均重合度が2、400で、平均ケン化度88mol%のポリビニルアルコールの6重量%の水溶液80.0部に、20重量%の硝酸水溶液を1.0部と乳酸を0.2部加え、水溶液を良く振り混ぜながら、気相法シリカ粉末として、日本アエロジル株式会社製「アエロジル300」(登録商標)を17.8部加え、ボールミルで、0.1日間にわたって分散させた点を除いて、実施例1と全く同様にして、膜厚Tが15μmの多孔質膜よりなるインク受容層形成された光情報記録媒体サンプル#2を作製した。
こうして作製した光情報記録媒体サンプル#2につき、光情報記録媒体サンプル#1について測定したのと同様の特性を測定した。
その結果、多孔質膜よりなるインク受容層内に形成された20nm以下の空隙の割合Vは5.9%、空隙の細孔直径が最大になるピーク直径は33.8nm、反り角は0.05degで、T×Vは89μmであった。
このように、光情報記録媒体サンプル#2のインク受容層の反り角は0.05degで、許容上限値である0.10deg以下であった。
また、実施例1と同様にして、光情報記録媒体サンプル#2の情報記録面とは反対側の面(レーベル面)に印字を行ったところ、高精細な印字が可能で、印字の品質は銀塩写真よりも優れていた。
比較例8
平均重合度が2、400で、平均ケン化度88mol%のポリビニルアルコールの6重量%の水溶液80.0部に、20重量%の硝酸水溶液を1.0部と乳酸を0.2部加え、水溶液を良く振り混ぜながら、気相法シリカ粉末として、日本アエロジル株式会社製「アエロジル380」(登録商標)を17.8部加え、ボールミルで、1日間にわたって分散させた点を除いて、実施例1と全く同様にして、膜厚Tが15μmの多孔質膜よりなるインク受容層が形成された光情報記録媒体比較サンプル#8を作製した。
こうして作製した光情報記録媒体比較サンプル#8につき、光情報記録媒体サンプル#1について測定したのと同様の特性を測定した。
その結果、多孔質膜よりなるインク受容層内に形成された20nm以下の空隙の割合Vは18.6%、空隙の細孔直径が最大になるピーク直径は27.1nm、反り角は0.27degで、T×Vは279μmであった。
このように、光情報記録媒体比較サンプル#8のインク受容層の反り角は0.27degで、許容上限値である0.10degを越えており、情報記録再生特性に悪影響を及ぼすおそれがあることが判明した。
一方、実施例1と同様にして、光情報記録媒体比較サンプル#8の情報記録面とは反対側の面(レーベル面)に印字を行ったところ、印字がわずかに滲み、わずかにくすんでいた。
比較例9
平均重合度が2、400で、平均ケン化度88mol%のポリビニルアルコールの6重量%の水溶液80.0部に、20重量%の硝酸水溶液を1.0部と乳酸を0.2部加え、水溶液を良く振り混ぜながら、気相法シリカ粉末として、日本アエロジル株式会社製「アエロジル380」(登録商標)を17.8部加え、ボールミルで、0.1日間にわたって分散させた点を除いて、実施例1と全く同様にして、膜厚Tが15μmの多孔質膜よりなるインク受容層が形成された光情報記録媒体比較サンプル#9を作製した。
こうして作製した光情報記録媒体比較サンプル#9につき、光情報記録媒体サンプル#1について測定したのと同様の特性を測定した。
その結果、多孔質膜よりなるインク受容層内に形成された20nm以下の空隙の割合Vは10.5%、空隙の細孔直径が最大になるピーク直径は31.4nm、反り角は0.15degで、T×Vは158μmであった。
また、実施例1と同様にして、光情報記録媒体比較サンプル#9の情報記録面とは反対側の面(レーベル面)に印字を行ったところ、高精細な印字が可能で、印字の品質は銀塩写真よりも優れていたが、光情報記録媒体比較サンプル#9のインク受容層の反り角は0.15degで、許容上限値である0.10degを越えており、情報記録再生特性に悪影響を及ぼすおそれがあることが判明した。
実施例3
平均重合度が2、400で、平均ケン化度88mol%のポリビニルアルコールの6重量%の水溶液80.0部に、20重量%の硝酸水溶液を1.0部と乳酸を0.2部加え、水溶液を良く振り混ぜながら、気相法シリカ粉末として、日本アエロジル株式会社製「Alu−C」(商品名)を17.8部加え、ボールミルで、1日間にわたって分散させた点を除いて、実施例1と全く同様にして、膜厚Tが15μmの多孔質膜よりなるインク受容層が形成された光情報記録媒体サンプル#3を作製した。
こうして作製した光情報記録媒体サンプル#3につき、光情報記録媒体サンプル#1について測定したのと同様の特性を測定した。
その結果、多孔質膜よりなるインク受容層内に形成された20nm以下の空隙の割合Vは3.9%、空隙の細孔直径が最大になるピーク直径は37.6nm、反り角は0.07degで、T×Vは59μmであった。
このように、光情報記録媒体サンプル#3のインク受容層の反り角は0.07degで、許容上限値である0.10deg以下であり、許容範囲内であることが判明した。
また、実施例1と同様にして、光情報記録媒体サンプル#3の情報記録面とは反対側の面(レーベル面)に印字を行ったところ、精細な印字が可能で、印字の品質は銀塩写真と同等であった。
比較例10
平均重合度が2、400で、平均ケン化度88mol%のポリビニルアルコールの6重量%の水溶液80.0部に、20重量%の硝酸水溶液を1.0部と乳酸を0.2部加え、水溶液を良く振り混ぜながら、気相法シリカ粉末として、日本アエロジル株式会社製「Alu−C」(商品名)を17.8部加え、ボールミルで、5日間にわたって分散させた点を除いて、実施例1と全く同様にして、膜厚Tが15μmの多孔質膜よりなるインク受容層が形成された光情報記録媒体比較サンプル#10を作製した。
こうして作製した光情報記録媒体比較サンプル#10につき、光情報記録媒体サンプル#1について測定したのと同様の特性を測定した。
その結果、多孔質膜よりなるインク受容層内に形成された20nm以下の空隙の割合Vは7.6%、空隙の細孔直径が最大になるピーク直径は33.5nm、反り角は0.13degで、T×Vは114μmであった。
このように、光情報記録媒体サンプル#10のインク受容層の反り角は0.13degで、許容上限値である0.10degを越えており、情報記録再生特性に悪影響を及ぼすおそれがあることが判明した。
また、実施例1と同様にして、光情報記録媒体比較サンプル#10の情報記録面とは反対側の面(レーベル面)に印字を行ったところ、高精細な印字が可能で、印字の品質は銀塩写真よりも優れていた。
比較例11
膜厚が10μmの多孔質膜よりなるインク受容層を形成した点を除き、実施例3と同様にして、光情報記録媒体比較サンプル#11を作製した。
こうして作製した光情報記録媒体比較サンプル#11につき、光情報記録媒体サンプル#1について測定したのと同様の特性を測定した。
その結果、多孔質膜よりなるインク受容層内に形成された20nm以下の空隙の割合Vは3.9%、空隙の細孔直径が最大になるピーク直径は37.6nm、反り角は0.04degで、T×Vは39μmであった。
このように、光情報記録媒体比較サンプル#11のインク受容層の反り角は0.04degで、許容上限値である0.10deg以下であったが、実施例1と同様にして、光情報記録媒体比較サンプル#11の情報記録面とは反対側の面(レーベル面)に印字を行ったところ、印字がわずかに滲み、わずかにくすんでいた。
実施例4
膜厚が20μmの多孔質膜よりなるインク受容層を形成した点を除き、実施例3と同様にして、光情報記録媒体サンプル#4を作製した。
こうして作製した光情報記録媒体サンプル#4につき、光情報記録媒体サンプル#1について測定したのと同様の特性を測定した。
その結果、多孔質膜よりなるインク受容層内に形成された20nm以下の空隙の割合Vは3.9%、空隙の細孔直径が最大になるピーク直径は37.6nm、反り角は0.09degで、T×Vは78μmであった。
このように、光情報記録媒体サンプル#4のインク受容層の反り角は0.09degで、許容上限値である0.10deg以下であり、許容範囲内であることが判明した。
一方、実施例1と同様にして、光情報記録媒体サンプル#4の情報記録面とは反対側の面(レーベル面)に印字を行ったところ、精細な印字が可能で、印字の品質は銀塩写真と同等であった。
比較例12
日本アエロジル株式会社製「アエロジル200」(商品名)に代えて、日本アエロジル株式会社製「Alu−65」(商品名)を用いた点を除き、実施例1と同様にして、膜厚Tが15μmの多孔質膜よりなるインク受容層が形成された光情報記録媒体比較サンプル#12を作製した。
こうして作製した光情報記録媒体比較サンプル#12につき、光情報記録媒体サンプル#1について測定したのと同様の特性を測定した。
その結果、多孔質膜よりなるインク受容層内に形成された20nm以下の空隙の割合Vは2.3%、空隙の細孔直径が最大になるピーク直径は40.5nm、反り角は0.03degで、T×Vは35μmであった。
このように、光情報記録媒体比較サンプル#12のインク受容層の反り角は0.03degで、許容上限値である0.10deg以下であったが、実施例1と同様にして、光情報記録媒体比較サンプル#12の情報記録面とは反対側の面(レーベル面)に印字を行ったところ、印字がわずかに滲み、わずかにくすんでいた。
実施例5
日本アエロジル株式会社製「Alu−C」(商品名)に代えて、日本アエロジル株式会社製「Alu−65」(商品名)を用いた点を除き、比較例10と同様にして、膜厚Tが15μmの多孔質膜よりなるインク受容層が形成された光情報記録媒体サンプル#5を作製した。
こうして作製した光情報記録媒体サンプル#5につき、光情報記録媒体サンプル#1について測定したのと同様の特性を測定した。
その結果、多孔質膜よりなるインク受容層内に形成された20nm以下の空隙の割合Vは3.1%、空隙の細孔直径が最大になるピーク直径は38.8nm、反り角は0.05degで、T×Vは47μmであった。
このように、光情報記録媒体サンプル#5のインク受容層の反り角は0.05degで、許容上限値である0.10deg以下であり、許容範囲内であることが判明した。
一方、実施例1と同様にして、光情報記録媒体サンプル#5の情報記録面とは反対側の面(レーベル面)に印字を行ったところ、精細な印字が可能で、印字の品質は銀塩写真と同等であった。
実施例6
日本アエロジル株式会社製「Alu−65」(商品名)に代えて、日本アエロジル株式会社製「Alu−C」(商品名)を用い、膜厚Tが12μmの多孔質膜よりなるインク受容層を形成した点を除き、実施例5と同様にして、光情報記録媒体サンプル#6を作製した。
こうして作製した光情報記録媒体サンプル#6につき、光情報記録媒体サンプル#1について測定したのと同様の特性を測定した。
その結果、多孔質膜よりなるインク受容層内に形成された20nm以下の空隙の割合Vは7.6%、空隙の細孔直径が最大になるピーク直径は33.5nm、反り角は0.09degで、T×Vは91μmであった。
このように、光情報記録媒体サンプル#6のインク受容層の反り角は0.09degで、許容上限値である0.10deg以下であり、許容範囲内であることが判明した。
一方、実施例1と同様にして、光情報記録媒体サンプル#6の情報記録面とは反対側の面(レーベル面)に印字を行ったところ、高精細な印字が可能で、印字の品質は銀塩写真よりも優れていた。
実施例7
日本アエロジル株式会社製「Alu−C」(商品名)に代えて、日本アエロジル株式会社製「Alu−65」(商品名)を用い、膜厚Tが30μmの多孔質膜よりなるインク受容層を形成した点を除き、実施例5と同様にして、光情報記録媒体サンプル#7を作製した。
こうして作製した光情報記録媒体サンプル#7につき、光情報記録媒体サンプル#1について測定したのと同様の特性を測定した。
その結果、多孔質膜よりなるインク受容層内に形成された20nm以下の空隙の割合Vは3.1%、空隙の細孔直径が最大になるピーク直径は38.8nm、反り角は0.10degで、T×Vは93μmであった。
このように、光情報記録媒体サンプル#7のインク受容層の反り角は0.10degで、許容上限値である0.10degに等しく、許容範囲内であることが判明した。
一方、実施例1と同様にして、光情報記録媒体サンプル#7の情報記録面とは反対側の面(レーベル面)に印字を行ったところ、精細な印字が可能で、印字の品質は銀塩写真と同等であった。
比較例13
日本アエロジル株式会社製「Alu−65」(商品名)に代えて、日本アエロジル株式会社製「Alu−C」(商品名)を用い、膜厚Tが30μmの多孔質膜よりなるインク受容層を形成した点を除き、比較例12と同様にして、光情報記録媒体比較サンプル#13を作製した。
こうして作製した光情報記録媒体比較サンプル#13につき、光情報記録媒体サンプル#1について測定したのと同様の特性を測定した。
その結果、多孔質膜よりなるインク受容層内に形成された20nm以下の空隙の割合Vは3.9%、空隙の細孔直径が最大になるピーク直径は37.6nm、反り角は0.13degで、T×Vは117μmであった。
このように、光情報記録媒体比較サンプル#13のインク受容層の反り角は0.13degで、許容上限値である0.10degを越えており、情報記録再生特性に悪影響を及ぼすおそれがあることが判明した。
一方、実施例1と同様にして、光情報記録媒体比較サンプル#13の情報記録面とは反対側の面(レーベル面)に印字を行ったところ、精細な印字が可能で、印字の品質は銀塩写真と同等であった。
比較例14
膜厚Tが40μmの多孔質膜よりなるインク受容層を形成した点を除き、実施例5と同様にして、光情報記録媒体比較サンプル#14を作製した。
こうして作製した光情報記録媒体比較サンプル#14につき、光情報記録媒体サンプル#1について測定したのと同様の特性を測定した。
その結果、多孔質膜よりなるインク受容層内に形成された20nm以下の空隙の割合Vは3.1%、空隙の細孔直径が最大になるピーク直径は38.8nm、反り角は0.14degで、T×Vは124μmであった。
このように、光情報記録媒体比較サンプル#14のインク受容層の反り角は0.14degで、許容上限値である0.10degを越えており、情報記録再生特性に悪影響を及ぼすおそれがあることが判明した。
一方、実施例1と同様にして、光情報記録媒体比較サンプル#14の情報記録面とは反対側の面(レーベル面)に印字を行ったところ、精細な印字が可能で、印字の品質は銀塩写真と同等であった。
実施例1ならびに比較例1ないし5から、顔料として日本アエロジル株式会社製「アエロジル200」(商品名)を用いた場合には、インク受容層の膜厚が10μm以下である比較例3および4では、反り角は10deg未満であるものの、印字品質が不可であり、膜厚が15μmで、T×Vが45μmであっても、空隙の細孔直径が最大になるピーク直径が40nmを越えた41.3nmである比較例5においては、光情報記録媒体の反り角は10deg未満であるものの、印字品質が不可であることが判明した。さらに、実施例1ならびに比較例1ないし5から、膜厚が20μmで、10μmを越えていても、T×Vが102μmで、100μm以上のときは、反り角が0.12degで、許容上限値である0.10degを越えていることがわかった。
比較例6および7ならびに実施例2から、顔料として日本アエロジル株式会社製「アエロジル300」(商品名)を用いた場合には、インク受容層の膜厚が10μmである比較例7では印字品質が悪く、インク受容層の膜厚が15μmであっても、分散時間が1日と長く、T×Vが100μm以上の182μmである比較例6では、印字品質は銀塩写真よりも優れていたが、インク受容層の反り角が大きすぎ、情報記録再生特性に悪影響を及ぼすのに対し、インク受容層の膜厚が同じ15μmであっても、分散時間が0.1日と短く、T×Vが100μm以下の89μmである実施例2においては、インク受容層の反り角が0.005degできわめて小さく、印字画質が銀塩写真よりも優れていたことが判明した。
また、比較例8および9から、顔料として日本アエロジル株式会社製「アエロジル380」(商品名)を用いた場合には、インクインク受容層の膜厚が15μmで、10μmよりも厚い場合でも、T×Vが100μm以上であるときは、インク受容層の反り角がきわめて大きく、情報記録再生特性に悪影響を及ぶことが判明し、さらに、空隙の細孔直径が最大になるピーク直径が27.1nmで、30nm以下の場合(比較例8)には、光情報記録媒体の反り角が著しく大きく、情報記録再生特性に悪影響を及ぶことがわかった。
さらに、実施例3、4および5ならびに比較例10、11および13から、顔料として、日本アエロジル株式会社製「Alu−C」(商品名)を用いた場合には、インク受容層の膜厚が10μmの比較例11においては、インク受容層の反り角は小さいが、印字品質が悪いこと、インク受容層の膜厚が12μmである実施例6の場合ならびにインク受容層の膜厚が15μmである実施例3、4の場合には、インク受容層の反り角は、それぞれ、0.09deg、0.07degおよび0.09degで、反り角も小さく、印字品質も銀塩写真以上であった。これに対して、インク受容層の膜厚が15μmで、10μmを越えていても、ボールミルでの分散時間が5日の比較例10ならびにインク受容層の膜厚が30μmで、10μmを越えていても、ボールミルでの分散時間が1日の比較例13においては、T×Vが、それぞれ、114μmおよび117μmで、100μmを越えているため、インク受容層の反り角が0.13degおよび0.13degで、許容上限値である0.10degを越えており、情報記録再生特性に悪影響を及ぶことがわかった。
また、実施例5、7ならびに比較例12、14から、顔料として日本アエロジル株式会社製「Alu−65」(商品名)を用いた場合には、インク受容層の膜厚が15μmで、T×Vが35μmで、100μm以下であっても、空隙の細孔直径が最大になるピーク直径が40.5nmのときは、印字特性が悪く、実用的でないことが判明した。さらに、実施例7から、インク受容層の膜厚が30μmで、T×Vが93μmである場合には、光情報記録媒体の反り角が許容上限値である0.10degに等しく、印字品質も銀塩写真と同等であったが、比較例14から、インク受容層の膜厚が40μmであっても、T×Vが124μmであるときは、印字品質は銀塩写真と同等であるものの、インク受容層の反り角が0.14degで、許容上限値である0.10μmを越えており、情報記録再生特性に悪影響を及ぶことがわかった。
本発明は、以上の実施態様および実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
1 光情報記録媒体
2 透光性の基板
3 案内溝
4 記録層
5 反射層
6 保護層
7 下地層
8 インク受容層
9 センターホール
11 光情報記録媒体
12 透光性の基板
13 案内溝
14 記録層
15 反射層
16 ダミー基板
17 下地層
18 インク受容層
19 接着剤層

Claims (2)

  1. 透光性を有する基板の一方の主面上に、着色された下地層と樹脂と無機微粒子とバインダーと架橋剤とを含むインク受容層とがこの順に積層された光情報記録媒体であって、前記インク受容層の膜厚が10μmを越え、前記インク受容層を水銀ポロシメータ法で測定したときの空隙の細孔直径分布が、30nm以上、40nm以下に最大ピークを有しており、前記インク受容層の膜厚と、前記インク受容層に含まれた20nm以下の細孔のパーセンテージとを乗じた値が100μm以下であることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 前記インク受容層を形成する前後の反り角の変化量が0.10deg未満であることを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体。
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