近年、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の発光素子が実装され、その発光素子からの光を用いる光源基板や、この光源基板を光源として使用する光源モジュールの用途が広まっている。例えば照明分野では、従来の白熱電球や蛍光管の置き換えとして、このような光源モジュールが利用されており、光源の低消費電力化や、光源の長寿命化、光源の水銀フリー化が実現されている。
また、液晶用バックライトの光源としても、これまで主流だった冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)から、上で述べたような、照明分野と同様の長所を備える光源である、LED素子を用いた光源モジュールへの置き換えが急速に進んでいる。さらに、近年では、より鮮明で、自然な色調を再現するために赤色光、緑色光、青色光の3色のLED素子を用いたバックライトも注目されており、精力的に開発が進められている。
このような用途で使用される光源モジュールは、通常、LED素子が封止されたLEDパッケージを配線基板に実装した光源基板を、光源として使用することで実現される。
図17〜図19を用いて、従来技術に関する、LED素子を用いた光源モジュールについて説明する。図17に、LED素子を光源として用いる液晶バックライト用の光源モジュールの一構成例を示す。図17の(a)は、従来の光源モジュール50の概略構成を示す分解斜視図、図17の(b)は、光源モジュール50の概略構成を示す断面図である。
光源モジュール50は、図17の(a)に示すように、複数のLEDパッケージが直線状に実装された光源基板51を線状光源として利用している。光源基板51に実装されたLEDパッケージの各々は導光板3に向けて光を出射し、それら出射光が導光板3に入射する。
導光板3は、光源基板51のLEDパッケージから出射される光が入射されると、その入射光を適切な密度で拡散シート5側に向けて出射する。導光板3の拡散シート5に対向する光出射面からは均一に光が出射される。一方、拡散シート5に対向する光出射面と反対側の光漏れ面から漏れ出す光は、反射シート4により、導光板3側に向けて反射する。導光板3の光漏れ面から反射シート4側に漏れ出す光は、再び、導光板3の内部に戻され、拡散シート5側に向かう光となる。
反射シート4は、導光板3の光漏れ面から漏れ出す光を反射し、導光板3に再び戻すためのものである。導光板3から漏れ出す光を再び、導光板3に戻すことにより、光源基板51から出射された光の利用効率を高め、導光板3から面状に出射される光の均一化、輝度向上を図ることができる。
拡散シート5は、導光板3から出射される光のパターンを和らげ、均一化するためのものである。光の均一化をより高める観点からは、拡散シート5に代えて、望ましい光学的特性を備える光学シート等を配置してもよい。また、拡散シート5に加え、そのような光学シート等をさらに配置してもよい。
拡散シート5の拡散パターンは、例えば、印刷等により複数の乱反射領域を設け、光源基板51から遠ざかるにつれ、乱反射領域の密度を上げる、あるいは、乱反射領域の散乱度を上げるものを用いることができる。また、その拡散パターンは、凹凸であり、光源基板51から遠ざかるにつれ、その深さまたは高さが順次大きくなるものを用いてもよい。
図17の(b)に示すように、光源モジュール50は、筐体6をさらに備えており、筐体6は、導光板3、反射シート4、拡散シート5、および、光源基板51を収納する。筐体6は、その内部に収納する導光板3等を外力から保護し、強度が脆弱な導光板3等の劣化、破損を防止する。
このような光源モジュール50は液晶用バックライトを構成し、拡散シート5側に液晶パネルが配置されることにより、液晶モジュールが実現させる。
上で述べたような、光源基板51からの光を導光板3の縁(側面)から入射させ、導光板3の一方の面(光出射面)から光を出射させて、面光源を構成する光源モジュール50は“エッジ型”の光源モジュールと称される(例えば、特許文献1を参照)。
これに対し、導光板3のような光を面状に出射させる導光手段を用いずに、光源を照射面の直下に配置する“直下型”と呼ばれる光源モジュールもある。例えば、陰極蛍光管や、LED素子といった光源を平面状に並べるものである。
直下型光源モジュールは、エッジ型光源モジュールと比べ、薄型化が困難という課題があり、薄型化が要望される液晶表示装置への採用は困難である。一方、エッジ型光源モジュールは、大画面化すると十分な輝度が確保できないという課題はあるものの、光源の高輝度化により、液晶表示装置への適用の余地は残されている。
図18に、光源モジュール50に使用される光源基板51の一構成例を示す。図18の(a)は、光源基板51の斜視図、図18の(b)は、光源基板51に実装されたLEDパッケージ54の概略断面図である。
光源基板51は、図18の(a)に示すように、配線基板52、配線基板52上に実装されたコネクタ53、および、複数のLEDパッケージ54と、を有している。光源基板51は、コネクタ53を通じ、光源基板51の外部と接続され、外部からの電気的な制御に基づき、LEDパッケージ54が駆動される。
例えば、LEDパッケージ54は、配線基板52に配置された、複数の配線を通して、コネクタ53と電気的に接続されている。後述するように、LEDパッケージ54にはLED素子64が封止されている。LEDパッケージ54は、そのLED素子64と配線基板52の配線とを電気的に接続し、その結果、それら配線、コネクタ53を介して、光源基板51の外部からLED素子64に駆動電流が供給される。この駆動電流の供給制御により、LED素子64の発光状態を調節することが可能となる。
図18の(b)に示すように、配線基板52は、基材61、基材61上に形成された配線層62、および、配線層62上の、LEDパッケージ54等の部品が実装されていない領域上に塗布されたソルダーレジスト63を有している。
配線基板52は、アルミ基板等の金属基板や、セラミック基板が選択されることが多い。これらの基板は放熱性が高く、LEDパッケージ54から発せられる熱を効率よく放熱することができる。
コネクタ53は、半田を用いて、配線基板52に実装されている。上述したように、コネクタ53は、LEDパッケージ54の制御のため、LEDパッケージ54と光源モジュール50の外部とを電気的に接続するために使用される。
LEDパッケージ54は、LED素子64、ワイヤ65、封止樹脂66、パッケージ基板67、および、リードフレーム68を有している。
図18の(b)に示すように、LEDパッケージ54を配線基板52に実装するため、配線層62とLEDパッケージ54のリードフレーム68とが半田69を用いて接着されている。LEDパッケージ54のリードフレーム68は、LED素子64が備える電極と、ワイヤ65によって接続されている。また、LED素子64は、パッケージ基板67上に配置、固定されている。この固定は、例えば、Au−Siペースト共晶接合を用いることができる。
LED素子64とワイヤ65とは、透光性の封止樹脂66により封止されている。例えば、LEDパッケージ54が白色を発光するLEDパッケージである場合、LED素子64は青色の光を発光するLED素子を用い、封止樹脂66は蛍光体を含有する封止樹脂を用いればよい。この場合、LED素子64から出射された青色の光の照射により、封止樹脂66に含まれる蛍光体が蛍光を発する。この蛍光(例えば、黄色の光)とLED素子64の青色の光との混色により、白色の光が発せられることになる。
ところで、このようなLEDパッケージ54の実装によると、LED素子64にて生じる熱は、ワイヤ65を通じてLEDパッケージ54のリードフレーム68に伝搬される。その熱はさらに、半田69を通じて配線基板52へと放熱される。あるいは、LED素子64の裏面からパッケージ基板67へと伝搬され、リードフレーム68と半田69とを通じて配線基板52へ放熱される。それ以外にも、LEDパッケージ54から直接外気へ放熱される成分もあるが、大半は、リードフレーム68や半田69を通じて配線基板52へ伝搬される。
このため、LED素子64の温度は配線基板52の表面温度と比較して上昇する。一般にLED素子64は、高温では発光効率の低下や寿命の低下を引き起こすため、放熱性を高め、温度を低下させることが望ましい。
また、LEDパッケージ54は、半田69を用いて、配線基板52に実装されるが、例えば鉛を含有しない半田にてリフロー実装するためには250〜260℃程度の高温を要する。この場合、LEDパッケージ54に使用するワイヤ65や、封止樹脂66、封止樹脂66に含有される蛍光体、パッケージ基板67等は、この高温に耐えられるものに制限される。配線基板52の材料も同様、リフロー温度に耐えられるものに制限される。
ここで、図19を用いて、エッジ型光源モジュールの構成例について説明する。図19は模式図であり、図18の光源基板51に相当する光源基板51a、光源基板51b、光源基板51c、および、光源基板51d、ならびに、導光板3のみが記載されている。図19では、上述した、導光板3の光出射面は、通常の液晶用バックライトのように、長方形であることを想定している。
図19の(a)、(b)、(c)、および、(d)に示す、4種類の構成はすべて、導光板3の4つの辺のうちの一辺から入光する構成である。もちろん、導光板3の一辺からの入光のみに限られることはなく、複数の辺からそろって入光する構成も可能である。入光する辺が少なければ少ないほど、光源モジュールの構成が簡単となり、コスト面で有利
である。一方、導光板3からの出射光の光量を増大させる、あるいは、光源基板51からの発熱を分散させる目的であれば、複数の辺から入光させる構成であることが好ましい。
図19の(a)に示す構成は、導光板3の長辺である一辺に対向するように1本の光源基板51aを配置し、この1本の光源基板51aから導光板3に入光する構成である。光源基板51aは1本であり、そのため、光源モジュールの構成は単純化され、光源モジュールに取り付けられるケーブルの数を最小限に抑えることができる。また、そのケーブルの取り付け工程自体が簡素化される。
図19の(b)に示す構成は、導光板3の長辺である一辺に対向するように2本の光源基板51bを配置し、この2本の光源基板51bから導光板3に入光する構成である。光源基板51bは、図19の(a)に示す光源基板51aと比較して、その長さを短くすることができる。
図19の(c)に示す構成は、導光板3の短辺である一辺に対向するように1本の光源基板51cを配置し、この1本の光源基板51cから導光板3に入光する構成である。光源基板51cは1本であり、そのため、光源モジュールの構成は単純化され、光源モジュールに取り付けられるケーブルの数を最小限に抑えることができる。また、そのケーブルの取り付け工程自体が簡素化される。
さらに、光源基板51cは、図19の(a)に示す光源基板51aと比較して、その長さを短くすることができる。
図19の(d)に示す構成は、導光板3の短辺である一辺に対向するように2本の光源基板51dを配置し、この2本の光源基板51dから導光板3に入光する構成である。光源基板51dは、図19の(a)に示す光源基板51aや、図19の(b)に示す光源基板51b、図19の(c)に示す光源基板51cと比較して、その長さを短くすることができる。
このように、エッジ型光源モジュールでは、通常、1本または2本の長い光源基板が使用される。例えば特許文献1では、図19の(b)に示す、導光板3の長辺である一辺に対向するように2本の光源基板51bを配置し、この2本の光源基板51bから導光板3に入光する構成と同様の構成が用いられている。特に、特許文献1では、長辺である二辺の各々に対し、2本の光源基板をそれぞれ、配置し、各々の二辺から入光するものである。そのため、光源基板は4本である。
一般に、光源基板の長さが短くなればなるほど、光源基板に用いられる基材も小口径となる。このため、大口径の基材を扱う必要はなくなり、大口径の基材を処理可能な大型の処理装置の使用が回避される。大型の処理装置は、装置価格は高く、その管理や稼動にも多大なコストが要求される。したがって、光源基板の短縮化により、このような大型の処理装置は不要となり、延いては、光源モジュールの製造コストの低減化を図ることができる。
さらに、導光板3の長辺側でなく短辺側から入光することは、光源基板をより短くすることができる。さらにまた、1本ではなく2本の光源基板を使うことは、1本あたりの長さをほぼ半減できるという効果がある。ただし、1本の場合と比較すると、光源基板への配線が増加するため、光源モジュールのコスト上昇や組み立て工程の増加は懸念される。
光源基板を実現する手段として、上で述べたような、配線基板にLEDパッケージを実装するもの以外に、チップオンボード(COB:Chip On Board)技術を用いることも可
能である(例えば、特許文献2を参照)。COBでは、ワイヤボンディング装置を用いてLED素子を基板上に直接実装する。
COBにより配線基板にLED素子を直接実装することで、LED素子の熱は半田を介さず配線基板に放熱され、熱抵抗が減少する。そのため、放熱の課題が緩和される。また、半田付けのためのリフローは不要となり、高温であるリフロー温度に耐えられない材料であっても使用可能となる。
さらに、COBでは、LEDパッケージを実装する場合と比較し、同一面積の領域に、より多数のLED素子を実装することができる。そのため、より小さい光源基板にて必要な光量を確保することが可能になる。
ところで、エッジ型光源モジュールでは、導光板の光出射面が大きくなればなるほど、光源基板の長さも長くなるのが通常である。しかしながら、上で述べたように、光源基板の長さが長くなればなるほど、その光源基板の生産や実装に使用される処理装置は大型のものとなり、その対応可能な処理装置は必然的に限られたものとなる。したがって、光源モジュールの生産コストの上昇や生産能力の低下が懸念される。
また、光源基板が長いということは、1本の光源基板に多数の発光素子(例えば、LED素子)が実装されることを意味する。このため、1本の光源基板において、発光素子の不良や実装不良が発生する確率が大きくなり、延いては、光源基板の製造工程における製造歩留まりを低下させてしまう。さらに、光源基板の使用時における、不良発生の際の損失も大きい。さらにまた、導光板の出射面のサイズに応じて、個別に光源基板を設計する必要があり、多様なサイズの導光板に汎用可能である、部品としての光源基板の共通化が困難である。このような部品の共通化ができない場合、設計の工程が個別に必要なだけではなく、光源基板に用いられる配線基板の成形のための金型等も個別に必要となる。配線基板は、例えばプレス成形にて所望の形状に成形されるが、このプレス用の金型を、光源基板の所望のサイズごとに、個別に用意しなければならない。
一方、COBで用いるワイヤボンディングの技術は、ICやLSIの生産の後半工程(アセンブリ工程)で利用されている。リードフレームとシリコンチップをワイヤで接続することが本来の用途である。ICやLSIは、通常、チップ単価を削減するため可能な限り小さなサイズで製造されるため、ワイヤボンディング装置は一般的には比較的小型のデバイスに適している。光源モジュールとしてある程度のサイズが必要なもの、特に、家庭用TVや屋外デジタルサイネージの液晶用バックライトなどに要望されるサイズとは大きく隔たりがある。ワイヤボンディング装置は、比較的大きなリードフレームに対応した機種であっても、対応できるリードフレームやマガジンのサイズは、それらの長辺が270〜300mmのものが多く、300mm以下の仕様が普通である。代表的なワイヤボンディング装置メーカーの一般的な装置で扱えるリードフレームの長辺は、例えば、ASM Pacific Technology Ltd.社のEagle60-X2Lでは最大300mm、株式会社カイジョーのFB-900では最大270mm、Kulicke&Soffa社のConnX高速ワイヤボンダでは最大300mmとなっている。
図20に、画面の横と縦の寸法比が16:9の液晶画面の対角寸法に対し、エッジ型光源モジュールの光源基板に要望される長さの一覧を示す。実際には、光源基板の端部やコネクタの実装部などの長さを調整する必要があるため、図20に示す表の数値からは幾分か変化する。
図20に示す表から明らかなように、例えば導光板の短辺(図20の表における「画面の高さ」)から2本の光源基板で入光する場合、300mm以下の長さの光源基板であれば、46インチの画面サイズまでには対応することができるが、50インチ以上の画面サイズには対応することができない。300mm以下の長さである場合、2本の光源基板の全長は600mm以下である。50インチの画面サイズの場合、導光板の短辺は622.6mmであり、導光板の短辺の一部からは光が入射されないことになる。
同様に、導光板の長辺(図20の表における「画面の横幅」)から2本の光源基板で入光する場合であっても、300mm以下の長さの光源基板であれば、24インチの画面サイズまでは対応可能であるが、28インチ以上の画面サイズには対応することができない。28インチの画面サイズの場合、導光板の長辺は619.9mmであり、やはり、導光板の長辺の一部からは光が入射されないことになる。
このように、一般的なワイヤボンディング装置で実装できる300mm以下の光源基板を用いた場合、大型液晶用バックライト向けの光源モジュールを実現することが難しい。
また、図21に示す、本発明の後述する光源基板のように、60.0mmや100.0mmといった短い光源基板を用いた場合、光源基板の製造コストは削減され、各種の画面サイズに対応可能となる。しかし、光源基板には多くの本数が必要となり、上で述べた従来の光源基板であれば、それらをすべてケーブルにて取り付ける部材やその手間等が必要となり、光源モジュールの製造コストは増大してしまう。
また、COBを用いた場合、COBの光源基板は、例えば射出成形により樹脂を成形することやセラミックを焼成することで実現可能である。しかし、所望の樹脂形状を得るために金型が必要となる。これらの成形に必要な金型は、上述のような配線基板を成形するためのプレス用の金型と比較しても高価であることが多く、上で述べた部品としての共通化は、配線基板を使用する場合以上に要望される。
以上説明したように、従来技術においては、大型の液晶バックライト用光源モジュールに用いられる光源基板を実現するにあたり、その光源基板を生産する処理装置の制限やそれに起因する製造コストの増大、生産能力の低下といった課題がある。
また、光源基板の製造歩留まりの低下や部品としての共通化が困難といった課題もあった。特に、COBを用いて発光素子が実装される場合、ICやLSIの製造を目的としたワイヤボンディング装置を用いなければならないこと、および、その実装に用いられる金型が高価なことから、上で述べた課題が顕著になる。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、エッジ型の光源モジュールに用いられる光源基板に関し、製造コストの低減、生産能力の向上、製造歩留まりの向上、および、部品としての共通化を図ることができる光源モジュールを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る光源モジュールは、複数の発光素子、電気的連結手段および機構的連結手段を有する、複数の光源基板同士が、各々の上記電気的連結
手段および上記機構的連結手段を用いて、電気的に、且つ、機構的に連結された連結基板と、上記連結基板の上記複数の光源基板の各々が有する上記複数の発光素子から出射された光を導光する導光部とを備える。
上記構成によれば、複数の光源基板の各々が、電気的連結手段および機構的連結手段を有している。機構的連結手段は、例えば、光源基板全体を支持する基材の一方の端面に設けられた凹部と、他方の端面に設けられた凸部である。2つの光源基板間において、一方の光源基板の凸部と、他方の光源基板の凹部と、が嵌合する。このような嵌合により、2つの光源基板同士が機構的に連結される。
一方、電気的連結手段は、凹部の内部に設けられた棒状端子と、凸部14の内部に設けられた穴状端子である。一方の光源基板の凸部内に設けられた棒状端子と、他方の光源基板の凹部内に設けられた穴状端子と、が接触し、棒状端子と穴状端子と、が電気的に接続される。このような電気的な接続により、2つの光源基板同士が電気的に連結される。
このような電気的連結手段および機構的手段を備えることにより、導光部の多様なサイズに応じて、適切な長さの連結基板を実現することができる。
それゆえ、エッジ型の光源モジュールに用いられる光源基板に関し、製造コストの低減、生産能力の向上、製造歩留まりの向上、および、部品としての共通化を図ることができる。
上記光源基板は、上記光源基板を支持する基材をさらに有し、上記複数の発光素子は、チップオンボード技術を用いて、上記基材上に実装されることが好ましい。
上記光源基板の長辺の長さは、300mm以下であることが好ましい。
上記構成によれば、一般的なICのワイヤボンディング装置を用いて発光素子のCOB実装が可能となる。
上記複数の発光素子は、略等しい間隔で上記光源基板上に配置されることが好ましい。
上記構成によれば、均一な光を出射させることができる。
上記複数の発光素子は、各々の電気的特性に応じ、予め複数の素子電気的ランクに分類されており、上記複数の発光素子の各々が含まれる素子電気的ランクの各々は、上記光源基板に実装すべき発光素子が含まれるべき素子電気的ランクを表わす電気的実装規則に従うものであることが好ましい。
上記構成によれば、光源基板の電気的特性をより好ましい状態に設定することが可能となる。
上記複数の発光素子は、各々の光学的特性に応じ、予め複数の素子光学的ランクに分類されており、上記複数の発光素子の各々が含まれる素子光学的ランクの各々および当該複数の発光素子の配列のうちの少なくとも一方は、上記光源基板に実装すべき発光素子が含まれるべき素子光学的ランクおよび当該複数の発光素子が持つべき配列を表わす光学的実装規則に従うものであることが好ましい。
上記構成によれば、光源基板の光学的特性をより好ましい状態に設定することが可能となる。
上記複数の光源基板は、各々の電気的特性に応じ、予め複数の基板電気的ランクに分類されており、上記複数の光源基板の各々が含まれる基板電気的ランクの各々および当該複数の光源基板の配列のうちの少なくとも一方は、上記連結基板となる光源基板が含まれるべき基板電気的ランクおよび当該複数の光源基板が持つべき配列を表わす電気的基板規則に従うものであることが好ましい。
上記構成によれば、光源基板の電気的特性をより好ましい状態に設定することが可能となる。
上記複数の光源基板は、各々の光学的特性に応じ、予め複数の基板光学的ランクに分類されており、上記複数の光源基板の各々が含まれる基板光学的ランクの各々および当該複数の光源基板の配列のうちの少なくとも一方は、上記連結基板となる光源基板が含まれるべき基板光学的ランクおよび当該複数の光源基板が持つべき配列を表わす光学的基板規則に従うものであることが好ましい。
上記構成によれば、光源基板の光学的特性をより好ましい状態に設定することが可能となる。
上記光源基板は、複数の発光素子格納部をさらに有し、上記複数の発光素子は、上記複数の発光素子格納部のいずれかに格納されており、上記複数の発光素子格納部の各々に格納された2つ以上の発光素子および当該2つ以上の発光素子の配列は、上記光学的実装規則に従うものであることが好ましい。
上記構成によれば、各発光素子格納部から出射される光を均一にすることが可能となる。
上記複数の発光素子格納部は、略等しい間隔で上記光源基板上に配置されることが好ましい。
上記構成によれば、各発光素子格納部から出射される光を均一にすることが可能となる。
上記複数の発光素子格納部の各々においては、上記複数の発光素子は、略等しい間隔で上記光源基板上に配置されることが好ましい。
上記構成によれば、各発光素子格納部から出射される光を均一にすることが可能となる。
上記複数の発光素子の各々は、LED素子であり、上記発光素子の電気的特性は、上記LED素子の順電圧特性であることが好ましい。
上記構成によれば、順電圧を均一にすることで光源モジュールの構成や制御をより簡単化することができる。
上記発光素子の光学的特性は、上記発光素子の発光量特性および色特性のうちの少なくとも一方であることが好ましい。
上記構成によれば、これらの特性を均一化することにより、光源モジュールの輝度ムラや色ムラを低減することができる。
本発明の光源モジュールは、以上のように、複数の発光素子、電気的連結手段および機構的連結手段を有する、複数の光源基板同士が、各々の上記電気的連結手段および上記機構的連結手段を用いて、電気的に、且つ、機構的に連結された連結基板と、上記連結基板の上記複数の光源基板の各々が有する上記複数の発光素子から出射された光を導光する導光部とを備える。
それゆえ、エッジ型の光源モジュールに用いられる光源基板に関し、製造コストの低減、生産能力の向上、製造歩留まりの向上、および、部品としての共通化を図ることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
(光源モジュール1)
図3に、本発明の一実施形態に係る光源モジュールの構成を示す。図3の(a)は、本発明の一実施形態に係る光源モジュール1の概略構成を示す分解斜視図、図3の(b)は、光源モジュール1の概略構成を示す断面図である。
図3の(a)に示すように、光源モジュール1は、複数の光源基板100が連結された連結基板2と、導光板(導光部)3と、反射シート4と、拡散シート5と、筐体6と、を備えている。光源モジュール1は、複数の光源基板100の各々から出射される光を、導光板3の短辺である一辺から入射させるエッジ型光源モジュールである。
図3に示す導光板3、反射シート4、拡散シート5、および、筐体6は、図17に示した導光板3、反射シート4、拡散シート5、および、筐体6と同一の構成および効果を備えており、ここでは、繰り返し説明することはしない。
光源モジュール1と図17に示した光源モジュール50とが異なる点は、図17に示した光源基板51に代えて、複数の光源基板100が連結された連結基板2を備えた点にある。連結基板2は、お互いに、電気的に、且つ、機構的に連結可能な複数の光源基板100を有している。すなわち、連結基板2は、それら複数の光源基板100が直線状に連結され、一体化された基板であると言える。図3に示す連結基板2においては、4本の光源
基板100が連結されている。もちろん、本発明は、4本の光源基板100が連結される形態に限られるものではないことは言うまでもない。
(光源基板100)
図1は、光源基板100の概略構成を示す図であり、図1の(a)は、光源基板100の側面図、図1の(b)は、光源基板100の平面図、図1の(c)は、光源基板100の側面図、図1の(d)は、光源基板100の断面図である。
光源基板100は、図1に示すように、基材10と、配線層11と、格納部側壁12と、凹部13と、凸部14と、棒状端子15aおよび15bと、穴状端子16aおよび16bと、LED素子20と、ワイヤ21と、封止樹脂22と、を備えている。
基材10は、光源基板100全体を支持するための支持部材である。基材10は、例えば、シリコン基板等の半導体基板を用いることができる。このような半導体基板を切断し、所望のサイズの基材10を同時に複数個、作製することができる。
配線層11は、例えば、基材10上に堆積された、アルミニウム等の金属膜が所望のパターンに形成されたものである。金属膜のパターンは配線を構成し、各々の配線は配線層11上に実装されたLED素子20と電気的に接続されている。例えば、異なるLED素子20同士は、互いが接続された配線を通して、電気的に接続される。また、LED素子20は、このような配線を通して、光源基板100の外部と電気的に接続されており、光源基板100の外部からの駆動電流の供給を受けることができる。
配線層11は、単層構造であってもよいし、複数の配線層が積層された多層構造であってもよい。多層構造であれば、配線の引き回しが容易となり、金属膜のパターン形成を効率よく行なうことができる。
格納部側壁12は、LED素子20が実装された領域を囲むように、基材10上に配置されている。格納部側壁12は、例えば、基材10上に、別途用意された格納部側壁12を構成するための部材を配置すればよい。この場合、この部材は、例えば、基材10と同様、シリコン等の半導体材料を用いればよい。同一の材料であれば、それらの接着を強固に行なうことができる。
また、格納部側壁12は、基材10自体を加工し、基材10の一部として、格納部側壁12を形成してもよい。この場合、基材10と格納部側壁は同一の部材から構成されることになり、別途、格納部側壁12を構成するための部材を用意する必要がない。
このような格納部側壁12は、LED素子290を格納する格納部の機能を担っている。その機能の観点から言えば、格納部側壁12に囲まれた空間は、LED素子20を格納するLED素子格納部(発光素子格納部)であると言える。
光源基板100は、LED素子格納部となる格納部側壁12を2個、備えているが、1個であっても、3個以上であっても構わない。3個以上であれば、同じサイズのLED素子格納部を基材10上において等間隔で並べることにより、光源基板100から出射される光の均一化を図ることができる。
凹部13は、基材10の短手方向に沿った一方の端面に設けられた凹形状の部分である。また、凹部13の内部には、2本の棒状端子15aおよび15bが設けられている。通常、これら棒状端子15aおよび15bは、オス端子と称される。この2本の棒状端子15aおよび15bは、配線層11の配線と電気的に接続されている。配線層11の配線は
、棒状端子15aおよび15bを通して、光源基板100の外部とを電気的に接続可能となっている。
凸部14は、基材10の短手方向に沿った他方の端面に設けられた凸形状の部分である。また、凸部14の内部には、2本の穴状端子16aおよび16bが設けられている。通常、これら穴状端子16aおよび16bは、メス端子と称される。この2本の穴状端子16aおよび16bは、上で述べた棒状端子15aおよび15bと同様、配線層11の配線と電気的に接続されている。配線層11の配線は、穴状端子16aおよび16bを通して、光源基板100の外部とを電気的に接続可能となっている。
ここで、図2を用いて、2つの光源基板100を連結する場合について説明する。図2は、2つの光源基板100を連結する場合を説明するための説明図であり、図2の(a)は、連結前の側面図、図2の(b)は、連結後の側面図、図2の(c)は、連結前の平面図、図2の(d)は、連結後の平面図である。
図2に示すように、2つの光源基板100の間において、一方の光源基板100の凸部14と、他方の光源基板100の凹部13と、が嵌合する。このような嵌合により、2つの光源基板100同士が機構的に連結され、連結基板2が実現される。
また、このような機構的な連結の際、一方の光源基板100の凸部14内に設けられた棒状端子15aおよび15bと、他方の光源基板100の凹部13内に設けられた穴状端子16aおよび16bと、が接触し、棒状端子15aおよび15bと、各々に対応する穴状端子16aおよび16bと、が電気的に接続される。このような電気的な接続により、2つの光源基板100同士が電気的に連結される。
このようにして、2つの光源基板100同士は、機構的に、且つ、電気的に連結される。すなわち、光源基板100は、このような機構的に、且つ、電気的に連結可能となる連結機能を備えるものである。特に、機構的な連結は、凹部13および凸部14を用いて実現され、電気的な連結は、棒状端子15aおよび15b、ならびに、穴状端子16aおよび16bを用いて、それぞれ実現されている。それゆえ、凹部13および凸部14は、機構的連結手段であると言え、棒状端子15aおよび15b、ならびに、穴状端子16aおよび16bは、電気的連結手段であると言える。
LED素子20は、基材10上の配線層11にチップオンボード(COB:Chip On Board)技術を用いて実装されている。LED素子20は、種々の色(波長)のLED素子が使用可能である。ただし、照明目的のためには、白色LED素子が人間の目には自然であるので好ましい。
白色LED素子としては、種々の構造のものが使用できる。例えば、蛍光を発する蛍光材を青色や紫外光等のLED素子で励起するタイプが使用可能である。また、赤(R)、緑(G)、および、青(B)の3つのLED素子を隣接させ、配置してもよい。あるいは、赤、緑、および、青の3つのLED素子を縦に積層し、配置してもよい。
特に、LED素子20に青色または紫外線の単一波長のものを使用し、封止樹脂22に蛍光体を含有させることで、効率的に白色の光源を実現できる。
また、LED素子20を、LED素子格納部の各々において、あるいは、基材10の全体において、等間隔で実装することにより、光源基板100から出射される光の均一化を図ることができる。
ワイヤ21は、隣接し合うLED素子20同士の間において、各々が備える電極同士を接続するボンディングワイヤである。また、ワイヤ21は、LED素子20の電極と、配線層11の配線とを接続するボンディングワイヤである。
封止樹脂22は、格納部側壁12に囲まれたLED素子格納部に充填されている。封止樹脂22は、LED素子格納部に格納されたLED素子20およびワイヤ21を封止して、LED素子20およびワイヤ21を湿気や外気等から保護するものである。このような保護により、LED素子20やワイヤ21の経時的な劣化を抑制する。封止樹脂22は、透光性材料、例えば透光性樹脂、具体的には熱硬化性のシリコーン樹脂を用いることができる。封止樹脂22は、未硬化の液状状態でLED素子格納部に注入され、例えば、加熱炉で加熱されることにより硬化される。格納部側壁12に囲まれたLED素子格納部に封止樹脂22を流し込むことで、容易に封止樹脂22を所望の位置および形状に形成することができる。
封止樹脂22には、例えば、蛍光体が分散されている。この蛍光体は、LED素子20からの光が照射されることにより、励起され、LED素子20の光とは異なる色の蛍光を放射する。それによって、光源基板100から出射される光の色を調節することができる。例えば、光源基板100から出射される光の色を白色光とするために、LED素子20が放出する青色の光に対し、補色の関係にある黄色の光を放射する蛍光体を使用すればよい。封止樹脂22は、例えば、シリコーン樹脂を用いることができる。また、エポキシ系の透光性樹脂や透光性の低融点ガラス等も用いることができる。
(LED素子20の等価回路図)
図4に、光源基板100に実装された6個のLED素子20の等価回路図を示す。ここでは、光源基板100に6個のLED素子20(LED1〜LED6)が実装される例を挙げている。
先ず、図4の(a)の光源基板100aでは、6個のLED素子20(LED1〜LED6)は、棒状端子15aと穴状端子16bとの間において、配線32および配線33を通して、直列接続されている。棒状端子15aと穴状端子16aとは、配線30を通して、短絡されており、棒状端子15bと穴状端子16bとは、配線31を通して、短絡されている。
次に、図4の(b)の光源基板100bでは、6個のLED素子20(LED1〜LED6)は、3個ずつが直列接続された2つのLED列(LED1〜3とLED4〜6)に分けられる。一方のLED列(LED1〜3)は、棒状端子15aと穴状端子16bとの間において、配線34、配線36、配線37および配線35を通して、直列接続されている。他方のLED列(LED4〜6)は、棒状端子15aと穴状端子16bとの間において、配線34、配線38、配線39および配線35を通して、直列接続されている。棒状端子15aと穴状端子16aとは、配線34を通して、短絡されており、棒状端子15bと穴状端子16bとは、配線35を通して、短絡されている。
最後に、図4の(c)の光源基板100cでは、6個のLED素子20(LED1〜LED6)は、棒状端子15aと穴状端子16bとの間において、配線40および配線41を通して、直列接続されている。棒状端子15bと穴状端子16bとは、配線42を通して、短絡されている。
次に、図5に、これらの図4の(a)〜(c)に示す光源基板100a〜100cをそれぞれ、4個連結した場合における連結基板2の回路図を示す。
先ず、図5の(a)は、図4の(a)の光源基板100aを4個、連結したときの連結基板2の等価回路図である。この連結基板2では、6個のLED素子20が直列接続された、4個のLED列が形成されている。
次に、図5の(b)は、図4の(b)の光源基板100bを4個、連結したときの連結基板2の等価回路図である。この連結基板2では、3個のLED素子20が直列接続された、8個のLED列が形成されている。
次に、図5の(c)は、図4の(c)の光源基板100cを4個、連結したときの連結基板2の等価回路図である。この連結基板2では、24個のLED素子20がすべて、直列接続されている。
図5の(a)〜(b)に示した連結基板2のいずれであっても、連結基板2の両端のいずれか一端の2つの端子(棒状端子15aおよび棒状端子15b、あるいは、穴状端子16aおよび穴状端子16b)を外部から電気的に制御するだけで、24個すべてのLED素子20を駆動することができる。図5の(c)に示した連結基板2は、いずれか一方の2つの端子を短絡させることで、他方の2つの端子の制御で24個すべてのLED素子20を駆動することができる。例えば穴状端子16aと穴状端子16bを短絡すると、棒状端子15aおよび棒状端子15bを制御することで24個すべてのLED素子20を駆動することができる。
図5の(c)の連結基板2では、すべてのLED素子20が直列接続されている。このため、すべてのLED素子20に等しい電流が流れる。一方、図5の(a)および(b)の連結基板2では、複数のLED列が並列に接続されている。このため、各LED列間に流れる電流の差異が生じる。これを最小限に抑えるため、後述する実施の形態3および4における電気的特性を揃える手法を採用することが望ましい。
〔実施の形態2〕
上記の実施の形態1では、光源基板100にLED素子20がCOBにて実装される場合について説明したが、本発明はこの例に限定されることはない。本発明の実施の形態2では、図18に示した従来技術と同様、配線基板上にLEDパッケージを実装する形態である。本実施形態の場合、例えば、上記の実施の形態1における機構的連結手段(凹部13および凸部14)と電気的連結手段(棒状端子15aおよび15b、ならびに、穴状端子16aおよび16b)を兼ねたコネクタを光源基板の両端に実装し、このコネクタを用いて光源基板同士を連結し、連結基板を構成することができる。
〔実施の形態3〕
次に、LED素子20の順電圧のランク分けについて、具体例を説明する。図6は、LED素子20の順電圧のランク分けの一例である。通常、液晶バックライト用光源等のLED素子には青色LED素子が使われることが多く、蛍光体と組み合わせることで白色LEDとして機能させる。青色LED素子の順電圧は、通常3.5V程度である。ここでは3.5Vをセンター値として説明する。また、順電圧の仕様範囲を3.15〜3.85Vとし、0.1V刻みの等間隔で7ランク(ランク1〜ランク7)(素子電気的ランク)に分類されるものとする。
このように順電圧によりランク分けされたLED素子20は、一定の実装ルール(電気的実装規則)に従って、光源基板100に実装される。具体的なルールを例示する。LED素子20が直列接続されたLED列について、i番目のLED素子20のランクをNiとすると、Niの合計が図7に示す表のNi総和の欄に記載の値になるよう選択する。
順電圧によるランク分けを実施しない場合、LED素子20の1個当たりの順電圧は0.7Vの範囲で変動する。複数のLED素子20を直列接続した場合におけるトータルの順電圧のばらつきは、上記の0.7Vに、LED列のLED素子20の数を乗じたものになる。すなわち、図7の表における、ランク分け未実施の欄に記載する範囲で、順電圧がばらつく。
一方、0.1V刻みのランク分けを実施し、上記の実装ルールに準じてLED素子20を実装した場合、LED列の順電圧のばらつきは、0.1Vに、直列接続するLED素子の数を乗じたものになる。すなわち、図7の表における、ランク分け実施の欄に記載する範囲で、順電圧がばらつく。
以上から明らかなように、各LED素子20を順電圧によりランク分けし、上で述べたような一定の実装ルールに従って、LED素子20を実装することによって、光源基板100で直列接続されるLED列の順電圧のバラツキを小さく抑制することが可能である。
光源モジュール1のLED素子20の接続方法については、上記の実施の形態1にて説明したように、直列接続されたLED列の順電圧を複数列、並列に接続することが効果的である。しかしながら、このようなLED列間で順電圧のばらつきが大きければ、不具合が生じる。順電圧が低いLED列には順電圧が高いLED列よりも大きな電流が流れ、温度上昇、寿命低下、輝度のばらつきといった不都合が生じる。これを防ぐため、LED列間の順電圧を可能な限り揃えることが望ましい。本実施形態にて例示した手法は、そのために有効である。
順電圧のバラツキを緩和できる場合、Niの総和を決まった1つの値とせず、ある程度の幅を持った範囲に許容することで対応できる。逆に、順電圧のバラツキをさらに低減するには、ランク分けを細かくすることで対応できる。
〔実施の形態4〕
次に、LED素子20の順電圧のランク分けについて、他の具体例を説明する。上記の実施の形態3で例示した順電圧をセンター値付近に揃える手法は、使用するLED素子20が平均するとセンター値付近の特性を持つことを前提としており、LED素子20の製造時の傾向的な変動などがあった場合は対応できなくなる可能性がある。
より具体的には、低い順電圧のLED素子20を使用する場合、高い順電圧のLED素子20と組み合わせるという方法であるので、例えば傾向的に低い順電圧のLED素子20が大量に生産された場合、高い順電圧のLED素子20が供給されるまでは使用できない。
上記のような状況を回避するため、本実施形態では、光源基板100を、実装するLED列の順電圧に応じて複数の基板ランク(基板電気的ランク)に分類し、同一の基板ランクのものを使用して光源モジュール1を構成する。
図8に、実装ルール(電気的基板規則)の一例を示す。この例では、光源基板100は順電圧により4種類の基板ランクに分類される。例えば基板ランク1は、Ni総和が直列数の2倍となっているので、出荷されるLED素子20の順電圧のランクが、ランク2が平均となるように推移しても基板ランク1の光源基板を生産することができる。同様に、基板ランク4は、Ni総和が直列数の5倍となっているので、出荷されるLED素子20の順電圧のランクが、ランク5が平均で推移しても基板ランク4の光源基板を生産することができる。
以上のように各光源基板100はいずれかの基板ランクに分類されるよう製造され、さらに、光源モジュール1を構成する連結基板2を構成するに当たり、使用する光源基板100の基板ランクを制限する。例えば、同一の基板ランクのもののみ連結する。
このように、本実施形態によれば、LED素子20の順電圧が非常に偏っていても、それに柔軟に対応して光源モジュール1を生産できる。
〔実施の形態5〕
次に、LED素子20の全光束のランク分けについて、具体例を説明する。図9は、LED素子20の全光束のランク分けの一例である。LED素子20の発光の明るさを表現する手段はいくつかあるが、ここでは、全光束で表わすものとする。
この例では、全光束の仕様はセンター値が50lm、仕様範囲が45〜55lmである。それを等間隔に2lm刻みで5ランク(ランク1〜5)(素子光学的ランク)に分類する。もし無作為にこのLED素子20を実装した場合、使用されるLED素子20の全光束はLED素子20の1個あたり、センター値が50lm、仕様範囲が45〜55lmとなる。
全光束によりランク分けされたLED素子20について、i番目のLED素子の全光束をIiとした場合、実装されるLED素子20のIiの総和が図10に示す表に示すものになるよう制限する。この制限(光学的実装規則)により、使用されるLED素子20の全光束は、LED素子20の1個あたり、図10の表に記載する値になる。図10の表から明らかなように、1個あたりの全光束は、49〜51lmとなり、ランク分けを実施しない場合のバラツキ範囲である45〜55lmと比較して均一化できている。
上記の実施の形態3にて説明した順電圧のランク分けの場合は、直列接続されたLED素子20間であれば接続される順序はトータルの順電圧には影響しなかった。しかし、全光束といった、光学的特性の場合、例えば光源基板100の中で極端に他と異なる特性のものが混じっていたり、光源基板100上の位置による偏りが大きかったりすると、光源モジュール1の光学的特性に影響を与える可能性がある。そこで、さらに別の制限を設け、上述の制限と同時に適用することで改善できる。
例えば、ある程度近い特性のものを選択すること、具体的な例としては、同一の光源基板100に実装されるIiの差が2以下である、などの制限を加えることで、極端に異なる特性のものが同じ光源モジュール1に実装されることを防ぐことができる。また、光源基板100単位でIiの総和を規制するのではなく、光源基板100を複数の領域に分けて制限する、具体的には12個のLED素子20を実装する場合、12個でIiの総和を規制するのではなく、4個ずつ3箇所でIiの総和を規制するなどの手段で、光源基板100上の偏りを防止することができる。
順電圧のランク分けの場合と同様、全光束のバラツキを緩和できる場合、Iiの総和を決まった1つの値とせず、ある程度の幅を持った範囲に許容することで対応できる。逆に、全光束のバラツキをさらに低減するには、ランク分けを細かくすることで対応できる。
上記の実施の形態4にて順電圧の特性について説明した場合と同様、光源基板100単位で複数の基板ランクに分類することで、LED素子20の特性に傾向的なバラツキが生じたときも柔軟に対応できる。この例を図11に示す。全光束の特性により光源基板100を3段階の基板ランク(基板光学的ランク)に分類し、光源モジュール1内では同一ランクあるいは近いランクの基板ランクのものを選択・連結して連結基板2を構成する。この方法により、光源基板100間の明るさの差異を抑制でき、光源モジュール1の輝度ム
ラを低減する効果が得られる。
また、別の制限方法として、同一の光源基板100上に、同一の全光束のランクのLED素子20のみを実装し、1つの基板ランクとする方法も可能である。
〔実施の形態6〕
次に、LED素子20の全光束のランク分けについて、他の具体例を説明する。図12および図13は、LED素子20の発光色を、CIEのxy色度によりランク分けする例である。図12の表に記載される4点を結んだ4角形の内部が、各ランクの色度となる。図13は、各ランクの色度をグラフ化したものである。ランクBと比較し、ランクAは青色側、ランクCは赤色側へ偏っている。
ランク分けをせずにLED素子20を実装した場合、光源基板100内、あるいは光源基板100間で、照射される光の色に差異が生じ、光源モジュール1として色ムラが生じる可能性がある。LED素子20から発光される色を近いものに揃える、あるいは異なる色を混ぜ合わせて均すことで、このような色ムラを防止または低減することができる。
例えば、ある領域内に実装されるLED素子20について、その色度のランクを図14に示すように制限する。ここで示す制限方法では、ランクAとランクCのLED素子20について、どちらか一方が極端に多くならないよう、制限している。したがって、色度は平均的にはランクAとランクCの間の、ランクB寄りになる。ランク分けを実施しない場合、これらのランクA〜Cの範囲内に広く分布するが、ランク分けによる制限のため、中央寄りに分布を狭くすることができる。以上の方法にて、光源基板100から照射される光の色を均一化し、光源モジュール1の色ムラを低減する。
色度のランク分けについても、上記の実施の形態5にて示した全光束によるランク分けと同様、光源基板100を複数の基板ランクに分類し、連結基板2として用いるものを、光源基板100の基板ランクにより制限してもよい。基板ランクを分類するための実装の制限(光学的基板規則)例を、図15に示す。上記の実施の形態5と同様、光源モジュール1により発生する光の色度を均一化でき、LED素子20の特性が偏っていても効率的に利用することができる。
また、別の制限方法として、同一の光源基板100上には同一の色度ランクのLED素子20のみを実装し、1つの基板ランクとする方法も可能である。
本実施形態で説明した色度による基板ランク分けと、上記の実施の形態5で説明した全光束による基板ランク分けは、併用することが可能である。図16に示すように、例えば全光束により3ランク、色度により3ランクに分類されるとき、これら2種類の基板ランクの組み合わせにより9種類の基板ランク(A〜I)に分類できる。上記の実施の形態4で説明した、順電圧による基板ランク分類をも組み合わせても良い。ただし、光源基板100のランク数が増えると管理が煩雑になったり、組み合わせる相手が生産されずに使用できない光源基板が生じやすくなったりするので、それぞれの特性のランク数を適度な数に抑え、必要最低限の基板ランクの種類に収めることが好ましい。
〔実施の形態7〕
次に、光源モジュール1の光学的ランク分けについて、具体例を説明する。図1にて、光源モジュール1を構成する光源基板100を例示したが、この例による光源基板100はLED素子20を格納するためのLED素子格納部が複数に分けられ、複数の格納部側壁12によりそれぞれのLED素子格納部が形成される。このような構成では、各LED素子格納部でLED素子20から発生した光が混ざることができるので、LED素子格納
部内に実装するLED素子20の光学的特性をLED素子格納部単位で規制することが有効である。
各LED素子格納部に実装されるLED素子20について、上記の実施の形態5および6にて説明したように光学的特性を規制することにより、各LED素子格納部から生じる光の特性が均一化できる。上記の実施の形態5および6にて説明した基板ランクは、LED素子格納部のランクと読み替えることで同じ手法が適用できる。LED素子格納部のランクは同一の光源基板100内では統一、あるいは差異が小さいものに制限され、さらに、そのような制限を設けて作られた光源基板100を連結する際にも、このランクの組み合わせを制限することで、光源モジュール1として均一な特性の照射を得ることが可能になる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、本発明は、以下のようにも表現することができる。すなわち、本発明は、複数の発光素子と、電気的連結手段と、機構的連結手段と、を有する光源基板を複数連結した連結基板と、該複数の発光素子から照射された光が入射される導光手段と、を備える光源モジュールである。
前記複数の発光素子は前記光源基板にCOBにて実装されることが好ましい。
前記光源基板は長辺の長さが300mm以下であることが好ましい。
前記複数の発光素子は略等しい間隔で前記光源基板上に実装されることが好ましい。
前記複数の発光素子は予め個別に電気的特性に応じて複数の電気的ランクに分類され、前記光源基板に実装される発光素子またはその配列が該電気的ランクにより制限されることが好ましい。
前記複数の発光素子は予め個別に光学的特性に応じて複数の光学的ランクに分類され、前記光源基板に実装される発光素子またはその配列が該光学的ランクにより制限されることが好ましい。
前記光源基板は予め電気的特性に応じて複数の電気的ランクに分類され、前記連結基板に使用される光源基板またはその配列が該電気的ランクにより制限されることが好ましい。
前記光源基板は予め光学的特性に応じて複数の光学的ランクに分類され、前記連結基板に使用される光源基板またはその配列が該光学的ランクにより制限されることが好ましい。
前記基材に複数の発光素子格納部が設けられ、前記複数の発光素子は該複数の発光素子格納部に格納され、各発光素子格納部に格納される発光素子またはその配列が前記光学的ランクにより制限されることが好ましい。
前記複数の発光素子格納部は略等しい間隔で前記光源基板に設けられることが好ましい。
前記発光素子格納部内に複数の発光素子が略等しい間隔で実装されることが好ましい。
前記発光素子はLEDであり、前記電気的特性は順電圧であることが好ましい。
前記光学的特性は発光量、色のいずれか、あるいは両方の組み合わせであることが好ましい。