本発明の一実施形態に係る発光装置によれば、前記複数の櫛歯部を、それぞれ同じ大きさ及び形状に形成することができる。
前記櫛歯部は、延長方向の幅を略等しくすることができる。
前記スリット部を、それぞれ同じ大きさ及び形状に形成することができる。上記構成により、配線基板を製造するにあたり、1枚のシートから櫛歯部を交互に配置した状態で2枚の配線基板を得ることができる。
さらに前記スリット部に配置された放熱板を備えることができる。上記構成により、配線基板の櫛歯部同士の間に交互に配置された放熱板でもって放熱性を向上できる。
前記放熱板を、前記スリット部に沿った形状に形成することができる。
前記放熱板を、短冊状に形成することができる。
前記放熱板を、前記櫛歯部と略等しい厚さに形成することができる。
前記放熱板を、金属製の板状に形成することができる。
前記発光モジュールは、その背面に、該発光モジュールに含まれる複数の発光素子を直列又は並列に接続した状態で、これら複数の発光素子を駆動する電流を供給するためのアノード側端子及びカソード側端子を設けており、各櫛歯部には、導電パターンが形成されており、前記配線基板の櫛歯部の導電パターンに、前記複数の発光モジュールのアノード側端子及びカソード側端子を接続することができる。上記構成により、マトリックス状に配置された発光モジュール同士の電気接続を、櫛歯状の配線基板を用いて容易に行うことができる。
前記発光モジュールは、外形を平面視矩形状とし、前記アノード側端子及びカソード側端子を、該矩形状の対向する二辺にそれぞれ設けることができる。上記構成により、発光モジュールの対向する二辺に設けたアノード側端子及びカソード側端子を設けることで、当該辺の任意の位置で櫛歯部の導電パターンと電気接続を確立できるので、設計の自由度が増す。
前記櫛歯部を、前記発光モジュールを複数並べた延長線の幅方向のほぼ中心に配置することができる。
前記櫛歯部は、その幅を前記発光モジュールの幅の1/2よりも小さくすることができる。
さらに前記複数の発光モジュールの駆動を制御する駆動回路を備え、前記配線基板は、前記複数の櫛歯部の一端を互いに接続すると共に、前記駆動回路と接続する回路接続部を有することができる。
前記複数の発光モジュールはそれぞれ、前記複数の発光素子をマトリックス状に配置することができる。
前記配線基板を、FPCで構成することができる。
前記発光モジュールが、さらに、前記複数の発光素子を含む透光性の導光板を備え、前記導光板は、外部に光を放射する発光面となる第一主面と、前記第一主面の反対側の面である第二主面とを有する。
前記導光板が、前記第二主面に複数の凹部を形成しており、前記複数の凹部のそれぞれに、前記発光素子の発光面を接合されている。
前記複数の発光素子が、その発光面に波長変換部材を設けることができる。
前記発光素子が、その主発光面を覆う透光性部材と、その側面を覆う第一光反射性部材とを備えることができる。
以下、図面に基づいて実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。なお、本明細書において「備える」とは、別部材として備えるもの、一体の部材として構成するものの何れをも含む意味で使用する。
さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための発光装置を例示するものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
以下、実施形態1に係る液晶ディスプレイのバックライトに用いた発光装置の例について説明する。なお本発明の発光装置は、液晶ディスプレイのバックライトに限らず、例えばLEDを画素として用いるLEDディスプレイや、表示板、照明等にも利用できる。
[実施形態1]
実施形態1に係る発光装置を用いたディスプレイ1000の模式平面図を図1に、分解斜視図を図2に、図2から液晶パネル120及びパネル体110を外した状態の模式平面図を図3に、それぞれ示す。これらの図に示すディスプレイ1000は、平面視を矩形状とし、パネル体110の裏面側、すなわち図3の発光画面に、多数の発光素子11を備える発光モジュール集合体100ASを配置している。このディスプレイ1000は、液晶パネル120の背面側に多数の発光素子11を配置した、いわゆる直下型のバックライトを採用している。また発光素子を一定の数でグループ分けして、グループ単位で発光素子のON/OFFを制御する、バックライトのいわゆるローカルディミングを行うことができる。
(ディスプレイ1000)
ディスプレイ1000は、図2の分解斜視図に示すように、液晶パネル120と、この液晶パネル120の裏面側に配置されるパネル体110と、このパネル体110の裏面側に配置される発光モジュール集合体100ASと、この発光モジュール集合体100ASの裏面側に配置される配線基板50と、配線基板50と接続される駆動回路40と、これらを配置するための枠体30とを備え、液晶ディスプレイ装置として機能する。
ディスプレイ1000は、発光モジュール100から照射される光を、パネル体110を介して液晶パネル120に照射する。パネル体110は、上側から順に、2枚のレンズシート110a、110b、拡散シート110cで構成される。またパネル体110は、これらの部材以外に、偏光フィルムやカラーフィルタ等を適宜追加してもよい。
(発光モジュール集合体100AS)
発光モジュール集合体100ASは、図2、図3に示すように複数の発光モジュール100を同一平面状にマトリックス状に並べて構成される。各発光モジュール100の発光面を同一面側(図2において上面側)として、マトリックス状に並べられた発光モジュール集合体100ASは、発光画面を構成する。
(発光モジュール100)
発光モジュール100の平面図を図4、底面図を図5に、それぞれ示す。これらの図に示すように発光モジュール100は、平面視を矩形状に形成している。また各発光モジュール100は、複数の発光素子11を実装している。発光素子11は、好ましくはマトリックス状に発光モジュール100の発光面に実装される。ただ、発光素子11の配置パターンは、マトリックス状に限られず、行毎に発光素子の配置をオフセットさせたり、斜め方向に配置したり、渦巻き状に配置するなど、任意のパターンが適宜利用できる。また図4の例では、4行×4列の計16個の発光素子を発光モジュール100の発光面に配列しているが、発光素子の総数や行数、列数も、任意の数に変更できる。好ましくは一定のピッチで発光素子を配置することにより、均一な輝度が得られる。
[変形例]
一の発光モジュール100に含まれる複数の発光素子11は、直列又は並列に接続される。例えば図4に示す発光モジュール100は、図6に示すように、4個の発光素子11を直列に接続した発光素子列11Rを、4組並列に接続している。また接続状態はこの例に限られず、例えば図7に示す変形例に係る発光装置のように、2個の発光素子11を直列に繋いだ発光素子列11Rを8組、並列に接続してもよい。なお変形例は、実施形態1に限らず、後述する他の実施形態に対しても適宜適用できる。
このように複数の発光素子11を直列や並列、又はこれらの組み合わせで接続した発光モジュール100は、各発光素子11に給電するための電極端子として、アノード側端子26及びカソード側端子27を設けている。実施形態1の説明に戻って説明を続けると、アノード側端子26及びカソード側端子27は、発光モジュール100単位で全体の総端子として設けることにより、電気接続の柔軟性を増すことができる。例えば発光モジュール100の背面に、一対のアノード側端子26、カソード側端子27を設けることで、複数の発光素子11の電気接続のための配線をまとめて、電気接続を確立し易くなり、レイアウト上の制約も緩和される。
さらに図5の底面図に示すように、これらアノード側端子26及びカソード側端子27は、発光モジュール100の裏面側において、矩形状の対向する二辺にそれぞれ設けることが好ましい。これにより、発光モジュール100の対向する二辺に設けたアノード側端子26及びカソード側端子27を設けることで、辺の任意の位置で、後述する櫛歯部52の導電パターンと電気接続を確立できるので、設計の自由度が増す。
発光モジュール集合体100ASの裏面側には、配線基板50が配置されている。各発光モジュール100は、図8や図9、図10等に示すように、アノード側端子26及びカソード側端子27を介して、配線基板50と電気的に接続している。各発光モジュール100は、配線基板50を介して駆動回路40と接続される。駆動回路40は、各発光モジュール100の駆動を制御する。
(配線基板50)
配線基板50は、複数の発光モジュール100を電気的に接続するための部材である。この配線基板50は、可撓性を有する基板とする。好ましくは、FPC基板とする。配線基板50は、例えばポリイミド等の材質で構成される。配線基板50の表面には、図9に示すように発光モジュール100のアノード側端子26やカソード側端子27との電気接続のための導電パターンが設けられる。
(櫛歯部52)
また配線基板50は、マトリックス状に並べられた複数の発光モジュール100の行又は列方向に沿って延長された複数の櫛歯部52を有する櫛歯状に形成されている。この配線基板50は、複数の櫛歯部52の一端を互いに接続すると共に、駆動回路40と接続する回路接続部51を有している。櫛歯部52及び回路接続部51の表面には、発光モジュール100と電気接続するための導電パターンが形成されている。また櫛歯部52は、好ましくは発光モジュール100を複数並べた延長線の幅方向のほぼ中心に配置される。
(枠体30)
枠体30は、配線基板50と接続された発光モジュール集合体100ASや回路基板を保持するための部材であり、例えば上方を開口した有底箱状に形成される。この枠体30は、十分な強度を発揮できるよう、樹脂製や金属製等とする。
(ローカルディミング)
以上の構成を備える発光装置は、ローカルディミングを発光モジュール単位で行いつつ、発光モジュール間の接続にコネクタを用いることなく、近接して配置できる利点が得られる。液晶ディスプレイのバックライトに発光素子を用いる例においては、液晶ディスプレイの背面にバックライト光源として多数の発光素子を配置し、発光素子を常時点灯させるのでなく、部分的に消灯するローカルディミングを行うことで、高精細な画像表示を実現することが行われている。このため、発光素子を複数のブロックに分割して、ブロック単位で発光素子のON/OFFを制御することが一般的である。特に近年は液晶ディスプレイの大画面化が求められており、多数の発光素子を一枚の大きな実装基板に実装することは困難であることから、図19に示すように一定個数の発光素子11を実装した矩形状の発光モジュール100Xを複数個用意し、この発光モジュール100Xを敷き詰めて一枚の大きな発光画面を構成することが行われている。この場合は、制御の容易さを考慮し、発光モジュール100X単位でON/OFFの制御が行われることが多い。
一方、複数の発光モジュールを組み合わせてより大きな発光画面を構成する場合、発光モジュール同士を電気的に接続する必要がある。従来、接続の容易さを考慮してコネクタを各発光モジュールに設け、隣接するコネクタ同士を数珠つなぎに接続して給電や信号の授受を行うことが行われてきた。このような構成において、隣接する発光モジュール同士は隙間なく敷き詰めることが求められる。高精細な表示を実現するためには、発光素子同士の間隔を詰めることが求められているからである。一方で、コネクタの実装時の公差や接続の容易さを考慮すると、コネクタをケーブルを介して発光モジュールから引き出して接続することが好ましい。この場合において、発光モジュール同士が隣接する面においては、ケーブルを引き出すことが困難であることから、図20に示すように、発光モジュール100Yを並べて発光画面を構成した状態で、発光モジュール100Yの外周を構成する面や辺の内、何れかが他の発光モジュールと隣接せず、発光画面の外部に表出するように、発光モジュール100Yの切り分けを行っていた。
しかしながらこの方法では、発光画面を分割した発光モジュールの大きさや形状の制約を受け、より高精細な表示に対応できない。かといって図21に示すように、発光画面を細かく分割すると、中間の発光モジュール100Zは、すべての面が他の発光モジュールと隣接してしまい、コネクタでの接続ができなくなるおそれがある。
これに対して実施形態1に係る発光装置では、上述の通り可撓性を有する配線基板50を用いると共に、配線基板50に櫛歯部52を形成し、さらに各発光モジュール100の裏面側にアノード側端子26及びカソード側端子27を設けたことで、図8に示すように各発光モジュール100を配線基板50の櫛歯部52と直接接続することができる。この構成によって、コネクタやケーブル等の接続用の部材を用いることなく、またこれらの製造公差を考慮することなく、発光モジュール同士を比較的高い自由度でもって接続することができる。すなわち、コネクタやケーブル等を配置するために各発光モジュールの周囲の何れかの辺が発光画面の外縁に位置するような切り分けを行わずとも、言い換えると発光画面の外周に位置しない発光モジュールが存在しても、発光モジュール間の電気接続が可能となる。またコネクタ等を用いないため、コネクタ等を設けるためのスペースを発光モジュールの周囲に用意する必要がなく、隣接する発光モジュール同士の間隔を詰めて配置することが可能となり、この点においても発光モジュールの配置上有利となる。
各発光モジュール100の対向する辺にそれぞれアノード側端子26及びカソード側端子27を配置する構成においては、発光モジュール100に沿って櫛歯部52を、アノード側端子26及びカソード側端子27を横切るように配置することで、電気接続が得られる。この結果、櫛歯部52の幅d1は発光モジュール100の横幅d2よりも狭くすることが可能となる。櫛歯部52を細長く形成することで、配線基板50の可撓性を高められると共に、部材コストも低減できる。また櫛歯部52に設けられる導電パターンは、櫛歯部52の幅とほぼ等しいか、これよりも若干狭くする。
好ましくは、櫛歯部52の横幅を、発光モジュール100の横幅の1/2以下とする。特に図8等に示すように発光モジュール100を碁盤目状に敷き詰めて配置する場合は、発光モジュール100の幅方向のほぼ中央に櫛歯部52を配置することで、製造公差によらず信頼性高く発光モジュール100と櫛歯部52の電気接続を実現できる。
さらに櫛歯部52の長さは、図8等に示すように櫛歯部52上に発光モジュール100を実装した状態で、櫛歯部52の端縁が、最端部に実装された発光モジュール100の端縁とほぼ重なるように設計することが好ましい。これによって、発光モジュール100の実装を広い面積で行いながら、外観の見栄えを向上できる。ただ、実装の公差等を考慮し、最端部の発光モジュール100を実装状態で、櫛歯部52の端縁が多少突出してもよい。あるいは逆に、櫛歯部52の端縁が最端部の発光モジュール100に隠れるように、櫛歯部52を短く形成してもよい。
[実施形態2]
図8の例では、一本の櫛歯部52上に沿って、複数の発光モジュール100を並べるように配置している。これにより、一本の櫛歯部52上に配置された発光モジュール100同士を直列に接続した発光モジュール列100Rを構成することが可能となる。この例では各櫛歯部52は並列に接続されているので、全体として、8本の発光モジュール列100Rを並列に接続している。いいかえると、櫛歯部52の幅方向においては任意の位置で一個の発光モジュール100のみを配置している。ただ、本発明はこの構成に限られず、一本の櫛歯部を複数の発光モジュール列を跨ぐように配置してもよい。例えば図10に示す実施形態2に係る発光装置では、発光モジュール100を配置した発光モジュール列100R同士の間に跨がって櫛歯部52を配置している。この配置では、一本の櫛歯部で2個の発光モジュール列100Rを並列に接続しながら、全体として実施形態1と同様、8本の発光モジュール列100Rを並列に接続している。この構成によれば、櫛歯部の数を減らすことができるので、構成を簡素化できる利点が得られる。なお実施形態2に係る発光装置において、他の構成は上述した実施形態1に係る発光装置と同様の構成を採用できる。
(スリット部53)
また配線基板50は、マトリックス状に並べられた複数の発光モジュール100の行又は列方向に沿って延長された複数のスリット部53を形成している。図2等に示す例では、スリット部53は隣接する櫛歯部52同士の間に形成されている。このスリット部53は、一方が開放された開放端としている。このような形状とすることで、櫛歯部52を細く長く形成したことと相俟って、後述するように発光画面を湾曲させ易くなる。
複数のスリット部53は、それぞれの幅を等しくすることが好ましい。また複数のスリット部53は、それぞれ櫛歯部52の延長方向に沿って略等間隔に形成することが好ましい。これにより、配線基板を製造するにあたり、1枚のシートから櫛歯部52を交互に配置した状態で2枚の配線基板を得ることができる。
[実施形態3]
このように、櫛歯部52同士のスリット部53を設けたことで、隣接する櫛歯部52を離間させて、放熱性を向上できる利点が得られる。さらに放熱性を向上させるため、スリット部53に放熱用の板材などの放熱板を配置してもよい。このような例を実施形態3として、図11の模式平面図に示す。このように配線基板50のスリット部53に放熱板60を配置することで、配線基板50に沿って接続された発光モジュール100を効率良く放熱することが可能となる。特に、発光モジュールをマトリックス状に複数並べて大画面のディスプレイ等を構成する場合は、発光モジュールを多数隣接させるため、放熱性の確保が難しくなる。さらに発光モジュールの高輝度化に伴って放熱量も大きくなる傾向にあることから、放熱対策は一層重要となる。そこで本実施形態に係る発光装置においては、配線基板50に形成されたスリット部53を、放熱板60の配置スペースとして利用することで、放熱性を向上できる。なお実施形態3に係る発光装置においても、他の構成は上述した実施形態1等に係る発光装置と同様の構成を採用できる。
(放熱板60)
放熱板60は、スリット部53に沿った形状に形成されている。例えば放熱板60は、スリット部53の幅d3とほぼ等しいか、これよりも若干小さい大きさに形成される。特に櫛歯部52の導電パターンと物理的に離間させることで、これらの間を効果的に絶縁できる。また放熱板60は、図12の断面図に示すように、櫛歯部52と略等しい厚さに形成されている。
さらに放熱板60は熱伝導性に優れた材質、例えば金属板やセラミック板とする。このように櫛歯部52同士の間に交互に放熱板60を配置することで、放熱性を向上できる。なお、放熱板60をスリット部53の幅d3よりも大きくして、放熱性能を高めることもできる。
[実施形態4]
図11の例では、各放熱板60は短冊状に形成されている。ただ本発明は、放熱板60の形状を短冊状に限定せず、スリット部53に配置可能な任意の形状とすることができる。例えば図13に示すように放熱板60Bを折れ線状としてもよい。また湾曲させたり正弦波状とするなど、曲線状とすることもできる。特に放熱板を直線状でなく折曲させることで、放熱板の距離の長くして放熱面の面積を稼いで放熱性能を向上できる。なお実施形態4に係る発光装置においても、他の構成は上述した実施形態1等に係る発光装置と同様の構成を採用できる。
[実施形態5]
さらに、以上の例では放熱板を複数、互いに離間させた島状に形成する例を説明したが、複数の放熱板を一つにまとめて配置してもよい。このような例を実施形態5として図14に示す。この図に示す発光装置は、櫛歯状の櫛歯部52を形成したことの反作用として、スリット部53も複数が離間して形成される。そこで、この櫛歯状のスリット部53に噛み合うように、同じく櫛歯状の放熱板60Dを形成することで、効率良く放熱板60Dを発光装置に配置できる。特にこの構成であれば、複数の放熱板60Dを位置に纏めることで、相対的な面積を大きくでき、放熱性の向上の観点からは有利となる。加えて、放熱板60Dを櫛歯状に形成したことで、放熱板60Dの製造工程において、上述した配線基板50と同様、一枚のシートからオフセット配置させた放熱板を取ることができ、歩留まりを向上できる利点も得られる。なお実施形態5に係る発光装置においても、他の構成は上述した実施形態1等に係る発光装置と同様の構成を採用できる。
[実施形態6]
以上の例では、発光画面を平板状に構成する例を説明した。ただ本発明はこの構成に限られず、発光画面を湾曲させることもできる。このような例を実施形態6に係る発光装置を示す図15の斜視図及び図16Aの平面図並びに図16Bの断面図に基づいて説明する。これらの図に示すディスプレイ2000は、複数の発光モジュール100を並べて大画面の発光画面を構成すると共に、発光画面を長手方向に湾曲させている。ここでは、複数の櫛歯部52の延長方向と直交する方向に、発光画面を湾曲させるよう、枠体30Bを湾曲させている。ここで、上述の通り配線基板50を、複数の櫛歯部52を有する櫛歯状とし、さらに櫛歯部52同士の間にスリット部53を設けたことで、櫛歯同士が平行に並んだ状態で自由度を付与して、隣り合う櫛歯同士をずらすようにして湾曲させ易くしている。これによって、発光ダイオード等の半導体発光素子を使用しながらも発光画面を湾曲させることが可能となる。すなわち、従来は有機ELのようなフレキシブル基板を用いるディスプレイでのみ発光画面を湾曲させることが可能で、液晶ディスプレイ装置では湾曲させることはできないとされていたところ、櫛歯状の配線基板50を用いることで発光ダイオードを用いた液晶ディスプレイ装置でも表示画面を湾曲させることが可能となる。加えて、必要に応じて上述した放熱板60などを付加できる。なお実施形態6に係る発光装置においても、他の構成は上述した実施形態1等に係る発光装置と同様の構成を採用できる。
(発光モジュール100の詳細)
以下、発光モジュール100の詳細について、上述した図2、図4及び発光モジュール100の一部拡大模式断面図である図17に基づいて説明する。
(導光板1)
発光モジュール100は図2、図4に示すように、内部に発光素子11を含む透光性の導光板1を備える。導光板1は、図2に示すように裏面側に封止樹脂部15を接合している。この導光板1は、図17に示すように、外部に光を放射する発光面となる第一主面1cと、第一主面1cの反対側の面である第二主面1dを有する。さらに導光板1は、第二主面1dに複数の凹部を形成している。また複数の凹部のそれぞれには、発光素子11の発光面を接合している。さらに複数の発光素子11は、その発光面に波長変換部材を設けることができる。各発光素子11は、その主発光面を覆う透光性部材と、その側面を覆う第一光反射性部材とを備える。
(封止樹脂部15)
各発光モジュール100は、導光板1の第二主面1dに封止樹脂部15を接合している。封止樹脂部15は、好ましくは光を反射する添加物である白色粉末等を透明樹脂に添加している白色樹脂である。白色樹脂の封止樹脂部15は、発光素子11からの光を反射させることで、導光板1の第一主面1cから外部に放射させる。
図17に示す発光モジュール100は、1枚の導光板1に複数の凹部1bを設けて、各々の凹部1bに対応して発光素子11を配置している。ただし、発光モジュール100は、図18の模式底面図に示すように、導光板1’に一つの凹部1bを設けて、凹部1bに発光素子11を配置して発光ビット5とし、複数の発光ビット5を配列して発光モジュール100’とすることもできる。
図17の発光モジュール100は、導光板1と、導光板1の凹部1bに配設された光拡散部13と、光拡散部13に積層している波長変換部12と、波長変換部12の表面に接合している発光素子11とを備える。図17の発光モジュール100Aは、波長変換部12と光拡散部13とを積層している光調整部10と発光素子11を一体構造とする発光素子ユニット3Aの状態で導光板1に固着している。さらに、図17に示す発光モジュール100Aの発光素子ユニット3Aは、発光素子11を埋設する第一封止樹脂部15Aを備えており、第一封止樹脂部15Aの外周面を、波長変換部12と光拡散部13とを積層している光調整部10の外周面と同一平面としている。さらに、この発光モジュール100Aは、発光素子ユニット3Aを固着している導光板1の第二主面1dに、発光素子ユニット3Aを埋設する第二封止樹脂部15Bを設けている。以下、図17に示すように、波長変換部12と光拡散部13とを積層している光調整部10と発光素子11を一体構造として発光素子ユニット3Aとし、この発光素子ユニット3Aを導光板1の凹部1bに固着してなる発光モジュール100Aについて詳述する。
図17の発光素子ユニット3Aは、波長変換部12と光拡散部13とを積層している光調整部10の表面に発光素子11を固着している。発光素子11は、上面を電極形成面11dとして、下面を光放射面11cとしている。発光素子11は、主として光放射面11cから光を放射して波長変換部12に光を照射する。図4と図17の発光モジュール100Aは、複数の発光素子ユニット3Aを、導光板1上にマトリクス状に設けた凹部1bに配置して導光板1に固着している。導光板1は、第一主面1cを光を外部に放射する発光面として、第二主面1dに、複数の凹部1bを設けている。この凹部1b内には、発光素子ユニット3Aの一部、図17において光拡散部13に波長変換部12を積層している光調整部10を配置している。光調整部10は、波長変換部12を発光素子11側に、光拡散部13を導光板1の凹部1bの底面側に接合している。この光調整部10は、波長変換部12を透過する光を光拡散部13で拡散して導光板1に照射して、導光板1から放射される光をより均一にできる。
各実施形態に係る発光モジュール100は、導光板1に凹部1bを設けて、この凹部1bに、発光素子ユニット3の光調整部10を配置するので、全体を薄型化できる。また、導光板1に凹部1bを設けて、凹部1bに発光素子ユニット3の光調整部10を配置するので、基板上に発光素子を実装して導光板を組み合わせる発光モジュールに比べて、発光素子ユニット3と導光板1との位置ずれを防止できる。さらに、発光素子11と波長変換部12とを一体構造とする発光素子ユニット3を導光板1の凹部1bに配置する発光モジュール100は、波長変換部12と発光素子11の両方を導光板1の正確な位置に配置して、良好な光学特性を実現できる。特に、発光素子11の光を波長変換部12に透過させて導光板1に案内して外部に放射する発光モジュール100においては、発光素子11と波長変換部12と導光板1とを位置ずれなく配置できることから、導光板1から外部に放射される光の色むらや輝度ムラ等の発光特性を改善して、特に優れた発光特性を実現する。
直下型の液晶ディスプレイ装置では、液晶パネルと発光モジュールとの距離が近いため、発光モジュールの色ムラや輝度ムラが液晶ディスプレイ装置の色ムラや輝度ムラに影響を及ぼす可能性がある。そのため、直下型の液晶ディスプレイ装置の発光モジュールとして、色ムラや輝度ムラの少ない発光モジュールが望まれている。
本実施形態の発光モジュール100の構成をとれば、発光モジュール100の厚みを、5mm以下、3mm以下、1mm以下等と、薄くしながら、輝度ムラや色ムラを少なくできる。
本実施形態に係る発光モジュール100を構成する各部材および製造方法について以下に詳述する。
(導光板1の詳細)
導光板1は、光源から入射される光を面状にして外部に放射する透光性の部材である。本実施形態の導光板1は、図4に示すように、発光面となる第一主面1cと、第一主面1cと反対側の第二主面1dと、を備える。この導光板1は、第二主面1dに複数の凹部1bを設けて、隣接する凹部1bの間にはV溝1eを設けている。凹部1b内に発光素子ユニット3の一部を配置している。発光素子11の一部を導光板1の凹部1bに挿入することで、発光モジュール全体の薄型化が可能になる。導光板1は、図4及び図17に示すように、複数の凹部1bを設けて各々の凹部1bに発光素子ユニット3を配置して発光モジュール100とし、あるいは、図18に示すように、ひとつの凹部1bのある導光板1’にひとつの発光素子ユニット3を配置して発光ビット5とし、複数の発光ビット5を平面状に配置して発光モジュール100’とすることができる。複数の凹部1bを設けている導光板1は、図17に示すように、凹部1bの間に格子状のV溝1eを設けている。ひとつの凹部1bを設けている導光板1は、図18に示すように、第二主面1dの外周部に、外周縁に向かって下り勾配となる傾斜面1fを設けている。
V溝1eや傾斜面1fは、光を反射する、後述する封止樹脂部15が設けられる。V溝1eに充填される封止樹脂部15は、好ましくは光を反射する白色樹脂で、白色樹脂の封止樹脂部15は、発光素子11の発光が、V溝1eで区画された隣の導光板1に入射するのを防止して、各々の発光素子11の光が隣に漏れるのを防止する。ひとつの導光板1の第二主面1dの外周部に設けている傾斜面1fに接合される封止樹脂部15は、導光板1の周囲に光が漏れるのを防止して、導光板1の第一主面1cからの発光強度低下を防止する。
導光板1の大きさは、凹部1bの個数によって最適な大きさに設定されるが、例えば、複数の凹部1bのある導光板1にあっては、一辺が1cm~200cm程度とすることができ、3cm~30cm程度が好ましい。厚みは0.1mm~5mm程度とすることができ、0.5mm~3mmが好ましい。導光板1の平面形状は例えば、略矩形や略円形等とすることができる。
導光板1の材料としては、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ、シリコーン等の熱硬化性樹脂等の樹脂材料やガラスなどの光学的に透明な材料を用いることができる。特に、熱可塑性の樹脂材料は、射出成型によって効率よく製造することができるため、好ましい。中でも、透明性が高く、安価なポリカーボネートが好ましい。製造工程において、リフロー半田のような高温環境にさらされることなく製造される発光モジュールは、ポリカーボネートのような熱可塑性であり耐熱性の低い材料であっても用いることができる。
導光板1は、例えば、射出成型やトランスファーモールドで成形することができる。導光板1は、凹部1bのある形状に金型で形成して、凹部1bの位置ずれを低減しながら、安価に多量生産できる。ただし、導光板は、板状に成形した後、NC加工機等で切削加工して凹部を設けることもできる。
本実施形態の導光板1は単層で形成されていてもよく、複数の透光性の層が積層されて形成されていてもよい。複数の透光性の層が積層されている場合には、任意の層間に屈折率の異なる層、例えば空気の層等を設けることが好ましい。これにより、光をより拡散させやすくなり、輝度ムラを低減した発光モジュールとすることができる。このような構成は、例えば、任意の複数の透光性の層の間にスペーサを設けて離間させ、空気の層を設けることで実現することができる。また、導光板1の第一主面1c上に透光性の層と、導光板1の第一主面1cと該透光性の層の間に屈折率の異なる層、例えば空気の層等を設けてもよい。これにより、光をより拡散させやすくなり、輝度ムラを低減した液晶ディスプレイ装置とすることができる。このような構成は、例えば、任意の導光板1と透光性の層の間にスペーサを設けて離間させ、空気の層を設けることで実現することができる。
(光学機能部1a)
導光板1は、第一主面1c側に光学機能部1aを備えていてもよい。光学機能部1aは、例えば、光を導光板1の面内で広げる機能を有することができる。例えば、導光板1の材料と屈折率の異なる材料が設けられている。具体的には、第一主面1c側に設けられた逆円錐台や逆多角錐台等の凹み、あるいは、逆円錐や逆四角錐、逆六角錐等の逆多角錐形等の凹みであって、導光板1と屈折率の異なる材料(例えば空気)と凹みの傾斜面との界面で照射された光を発光素子ユニット3の側方方向に反射するものを用いることができる。また、例えば、傾斜面を有する凹部1bに光反射性の材料(例えば金属等の反射膜や白色の樹脂)等を設けたものであってもよい。光学機能部1aの傾斜面は、断面視において直線でもよく、曲線でもよい。光学機能部1aは、後述するように、それぞれの発光素子ユニット3に対応する、つまり、第二主面1d側に配置された発光素子ユニット3と反対側の位置に設けられることが好ましい。特に、発光素子ユニット3の光軸と、光学機能部1aの光軸とが略一致することが好ましい。光学機能部1aの大きさは、適宜設定することができる。
(凹部1b)
導光板1は、第二主面1d側に、凹部1bを設けている。凹部1bは、発光素子ユニット3の一部を内側に配置して定位置に配置する。図17に示す凹部1bは、第二主面1dの一部を切除する形状の凹部1bを設けている。ただ、図示しないが、凹部は、第二主面に環状に凸条を設けて、凸条の内側に設けることもできる。凹部1bの内形は、発光素子ユニット3を凹部1bに配置する挿入部17の外形よりも大きく、発光素子ユニット3の挿入部17を配置する状態で、凹部1bの内周と発光素子ユニット3の挿入部17の外周との間にリング隙間18を設ける。リング隙間18は、接合剤14が充填されて接合壁19となる。凹部1bの内形は、リング隙間18の容積が、発光素子ユニット3の挿入部17の体積よりも大きくなる形状とする。本実施形態の発光モジュール100は、導光板1の凹部1bに光調整部10を配置しているので、光調整部10を発光素子ユニット3の挿入部17としている。ただ、発光素子ユニット3の挿入部17は光調整部10に特定されず、たとえば、光調整部10と発光素子11の一部を凹部1b内に配置する挿入部17とすることもできる。
(発光素子ユニット3)
発光素子ユニット3は、発光モジュール100の光源である。発光素子ユニット3Aは、図17に示すように、発光素子11に光拡散部と波長変換部12とを積層している光調整部10を接合している。さらに、本実施形態の発光素子ユニット3Aは、外周面を光調整部10の外周面と同一平面とし、かつ発光素子11を埋設する第一封止樹脂部15Aを設けている。発光素子ユニット3Aは、導光板1の凹部1bに配置されて、導光板1を介して発光を外部に放射する。図の発光素子ユニット3Aは、光調整部10を導光板1の凹部1b内に配置する挿入部17として、凹部1bの内側に配置している。発光素子ユニット3Aは、光調整部10を凹部1bの底面に接合して、導光板1に設けた凹部1bに固着される。
図17の発光素子ユニット3Aは、光調整部10を発光素子11の光放射面11cに接合している。発光素子11は、電極形成面11dの反対側を光放射面11cとして、この表面に光調整部10を接合している。本実施形態の発光モジュール100は、電極形成面11dの反対側を光放射面11cとして、光放射面11cを主発光面とするフェイスダウンタイプを使用しているが、フェイスアップタイプの発光素子も使用できる。図17の発光素子11は、光放射面11cと反対側を電極形成面11dとして、電極形成面11dには一対の電極11bを設けている。一対の電極11bは後述する構造で配線されて電気接続される。発光素子ユニット3Aと導光板1とは透光性樹脂等の透光性を有する接合剤14を介して接合される。
発光素子11は、例えば、サファイア等の透光性基板と、透光性基板の上に積層された半導体積層構造とを有する。半導体積層構造は、発光層と、発光層を挟むn型半導体層およびp型半導体層とを含み、n型半導体層およびp型半導体層にn側電極およびp側電極11bがそれぞれ電気的に接続される。発光素子11は、例えば透光性基板を備える光放射面11cが導光板1と対向して配置され、光放射面11cと反対側の電極形成面11dに一対の電極11bを有する。
発光素子11としては、縦、横および高さの寸法に特に制限は無いが、好ましくは平面視において縦および横の寸法が1000μm以下の半導体発光素子11を用い、より好ましくは縦および横の寸法が500μm以下であり、さらに好ましくは、縦および横の寸法が200μm以下の発光素子11を用いる。このような発光素子11を用いると、ディスプレイ1000のローカルディミングを行った際に、高精細な映像を実現することができる。また、縦および横の寸法が500μm以下の発光素子11を用いると、発光素子11を安価に調達することができるため、発光モジュール100を安価にすることができる。なお、縦および横の寸法の両方が250μm以下である発光素子11は、発光素子11の上面の面積が小さくなるため、相対的に発光素子11の側面からの光の出射量が多くなる。つまり、このような発光素子11は発光がバットウィング形状になりやすくなるため、発光素子11が導光板1に接合され、発光素子11と導光板1との距離がごく短い本実施形態の発光モジュール100に好ましく用いられる。
さらに、導光板1は、レンズ等の反射や拡散機能を有する光学機能部1aを設けることができる。この導光板1は、発光素子11からの光を側方に広げ、導光板1の面内における発光強度を平均化させることができる。しかし、複数の発光素子11の対応位置に複数の光学機能部1aを形成した導光板1は、全ての発光素子11と光学機能部1aとの相対位置を正確に維持することが難しくなる場合がある。とくに、小さい発光素子11を多数設ける構造にあっては、全ての発光素子11と光学機能部1aとの相対位置を正確に維持するのが難しい。発光素子11と光学機能部1aの相対位置のずれは、光学機能部1aによって光を十分に広げることができず、明るさが面内において部分的に低下するなどして、輝度のムラになるという問題がある。特に、配線基板に発光素子11を実装した後に導光板1を組み合わせる方法においては、配線基板と発光素子11との位置ずれと、導光板1の光学機能部1aとの位置ずれとを、それぞれ平面方向及び積層方向において考慮に入れる必要があるため、発光素子11と光学機能部1aとを良好に光学的に結合することが一層困難となる場合がある。
本実施形態における発光モジュール100は、導光板1に複数の凹部1bと光学機能部1aとを設けて、凹部1bに発光素子ユニット3を配置する構造によって、発光素子11と光学機能部1aとの両方を高い位置精度で配置できる。このことにより、発光素子11からの光を光学機能部1aで精度よく均一化させ、輝度ムラや色ムラの少ない良質なバックライト用光源とすることができる。
発光素子11を配置する凹部1bの反対側の面に光学機能部1aを設ける導光板1は、平面透視において、発光素子11を配置する凹部1bの位置に光学機能部1aを設けることで、発光素子11と光学機能部1aとの位置決めをより容易にして、高い位置精度で両者を相対的に位置ずれすることなく配置できる。
発光素子11としては、平面視において正方形又は長方形である方形状の発光素子11を用いる。高精細なディスプレイに使用される発光素子11は、好ましくは、長方形の発光素子を使用して、その上面形状が長手と短手を有することが好ましい。高精細なディスプレイの場合、使用する発光素子の数は数千個以上となり、発光素子の実装工程は重要な工程となる。発光素子の実装工程において、複数の発光素子の一部の発光素子に回転ずれ(例えば±90度方向のずれ)が発生したとしても、平面視において長方形の発光素子を用いることで目視での確認が容易となる。また、p型電極とn型電極の距離を離して形成することができるため、後述する配線21の形成を容易に行うことができる。一方、平面視において正方形の発光素子11を用いる場合は、小さい発光素子11を量産性良く製造することができる。発光素子11の密度(配列ピッチ)、すなわち発光素子11間の距離は、例えば、0.05mm~20mm程度とすることができ、1mm~10mm程度が好ましい。
複数の凹部1bのある導光板1に複数の発光素子ユニット3を配置する発光モジュール100Aは、導光板1の平面視において、発光素子ユニット3を二次元に配列する。好ましくは、複数の発光素子ユニット3は、図4に示すように、直交する二方向、つまり、x方向およびy方向に沿って二次元的に配列される凹部1bに配設される。複数の発光素子ユニット3を配置する凹部1bのx方向の配列ピッチpxと、y方向の配列ピッチpyは、図4の例に示すように、x方向およびy方向の間でピッチが同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、配列の二方向は必ずしも直交していなくてもよい。また、x方向またはy方向の配列ピッチは等間隔に限られず、不等間隔であってもよい。例えば、導光板1の中央から周辺に向かって間隔が広くなるように発光素子ユニット3を配置する凹部1bが配列されていてもよい。なお、凹部1bに配置される発光素子ユニット3間のピッチとは、発光素子ユニット3の光軸間の距離、すなわち中心間の距離である。
発光素子11には、公知の半導体発光素子を利用することができる。本実施形態においては、発光素子11としてフェイスダウンタイプの発光ダイオードを例示する。発光素子11は、例えば青色光を出射する。発光素子11には、青色以外の光を出射する素子も使用でき、またフェイスアップタイプの発光素子も使用できる。また、複数の発光素子11として異なる色の光を発する発光素子を用いてもよい。発光素子11から出射される光は、波長変換部12で外部に放射される発光色が調整される。
発光素子11として、任意の波長の光を出射する素子を選択することができる。例えば、青色、緑色の光を出射する素子としては、窒化物系半導体(InXAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)またはGaPを用いた発光素子を用いることができる。また、赤色の光を出射する素子としては、GaAlAs、AlInGaPなどの半導体を含む発光素子を用いることができる。さらに、これら以外の材料からなる半導体発光素子を用いることもできる。半導体層の材料およびその混晶度によって発光波長を種々選択することができる。用いる発光素子の組成、発光色、大きさ、個数などは、目的に応じて適宜選択すればよい。
(光調整部10)
本実施形態において、発光素子ユニット3Aは、発光素子11からの発光色を調整して導光板1に入射する光調整部10を設けている。光調整部10は発光素子11の発光色を調整する波長変換部12に、光を拡散する光拡散部13を積層している。波長変換部12は、発光素子11の光放射面11cに接合されて、発光素子11の発光色を調整する。光拡散部13は、発光素子11の発光を拡散して導光板1に入射させる。波長変換部12と光拡散部13を接合する光調整部10は、波長変換部12を発光素子11側に配置して、光拡散部を凹部1bの底面に配置している。光調整部10は、複数の波長変換部12や光拡散部13を積層することもできる。本実施形態の発光モジュール100Aは、光調整部10を導光板1の凹部1bに配置して、発光素子ユニット3Aの挿入部17としている。光調整部10は、発光素子11から入射される光を透過させて導光板1に入射する。光調整部10は、発光モジュール100Aの薄型化等の目的から、好ましくは、図17に示すように、導光板1の凹部1bの内側にあって、第二主面1dから表面側にはみ出ることなく凹部1b内に配置される。図17の光調整部10は、凹部1bの深さに等しい厚さとして、その表面を第二主面1dと同一平面に配置している。したがって、この発光モジュール100Aは、光調整部10が凹部1b内に配置されて、発光素子11が凹部1bの外部に配置される。ただ、図示しないが光調整部は、凹部の内側にあって、導光板の第二主面からわずかに表面側に出る厚さとすることもできる。
図17の発光素子ユニット3は、光調整部10の外形を発光素子11の外形よりも大きくしている。この発光素子ユニット3は、発光素子11の光放射面11cから出射される全ての光を光調整部10に透過させて導光板1に入射して色ムラを少なくできる。
波長変換部12は、母材に波長変換材を添加しており、光拡散部13は母材に拡散材を添加している。母材の材料は、たとえば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、これらを混合した樹脂、または、ガラスなどの透光性材料を用いることができる。光調整部10の耐光性および成形容易性の観点からは、母材としてシリコーン樹脂を選択すると有益である。光調整部10の母材としては、導光板1の材料よりも高い屈折率を有する材料が好ましい。
波長変換部12が含有する波長変換材としては、YAG蛍光体、βサイアロン蛍光体またはKSF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体などが挙げられる。特に、複数種類の波長変換部材を1つの波長変換部12において用いること、より好ましくは、波長変換部12が緑色系の発光をするβサイアロン蛍光体と赤色系の発光をするKSF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体とを含むことにより、発光モジュールの色再現範囲を広げることができる。この場合、発光素子11は、波長変換部材を効率良く励起できる短波長の光を出射することが可能な窒化物半導体(InXAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を備えることが好ましい。また、例えば、青色系の光を出射する発光素子11を用いた際に、赤色系の光を得ることができるように、波長変換部12にKSF系蛍光体(赤色蛍光体)を60重量%以上、好ましくは90重量%以上含有させてもよい。つまり、特定の色の光を出射する波長変換部材を波長変換部12に含有させることで、特定の色の光を出射するようにしてもよい。また、波長変換材は量子ドットであってもよい。波長変換部12内において、波長変換材はどのように配置されていてもよい。例えば、略均一に分布していてもよく、一部に偏在してもよい。また、波長変換部材をそれぞれ含有する複数の層が積層されて設けられていてもよい。
光拡散部13は、例えば上述した樹脂材料を母材として、これに白色粉末を分散状態に添加している。白色粉末には、好ましくはSiO2やTiO2等の無機微粒子を使用する。
(封止樹脂部15)
図17の発光モジュール100は、導光板1の第二主面1dに封止樹脂部15を接合して設けている。封止樹脂部15は、好ましくは光を反射する添加物である白色粉末等を透明樹脂に添加している白色樹脂である。白色樹脂の封止樹脂部15は、発光素子11の外周部や電極面から放射される光と、光調整部10の裏面から放射される光と、接合壁19の裏面から放射される光と、導光板1の第二主面1dから放射される光を反射して、発光素子11の発光を有効に導光板1の第一主面1cから外部に放射させる。図17の発光モジュール100は、封止樹脂部15を、第一封止樹脂部15Aと第二封止樹脂部15Bとに区画している。この図の発光モジュール100は、封止樹脂部15を、発光素子ユニット3と一体構造の第一封止樹脂部15Aと、導光板1の第二主面1dに接合してなる第二封止樹脂部15Bとに区間するが、封止樹脂部は、第一封止樹脂部と第二封止樹脂部とを区画することなく一体構造とすることもできる。この発光モジュール100は、第一封止樹脂部を設けていない発光素子ユニットを導光板に固着した後、導光板の第二主面に封止樹脂部を接合して製作される。
第一封止樹脂部15Aと第二封止樹脂部15Bとを区画する発光モジュール100は、発光モジュール100の製造工程において、発光素子11と光調整部10に第一封止樹脂部15Aを接合して、第一封止樹脂部15Aを発光素子11と光調整部10を一体構造のブロックとする状態で製作される。第二封止樹脂部15Bは、第一封止樹脂部15Aを設けてなる発光素子ユニット3を導光板1に接合する状態で、導光板1の第二主面1dに接合されて、第一封止樹脂部15Aの隙間に充填される。
第一封止樹脂部15Aと第二封止樹脂部15Bは互いに密着される。さらに、第一封止樹脂部15Aは、発光素子11にも密着される。第一封止樹脂部15Aは、発光素子11の周囲にあって発光素子11を埋設して、発光素子11の電極11bを表面に露出させている。第一封止樹脂部15Aは、外周面を光調整部10の外周面と同一平面として、光調整部10にも密着している。第一封止樹脂部15Aは、発光素子11と光調整部10と一体構造に接合された発光素子ユニット3として製作されて導光板1に固着される。また、第一封止樹脂部15Aは、好ましくは白色樹脂で、この第一封止樹脂部15Aは、発光素子11の外周面方向に出射された光を反射して、発光モジュール100の発光効率を高めることができる。第二封止樹脂部15Bは、導光板1の第二主面1dと接合壁19の裏面との境界で密着される。第二封止樹脂部15Bは、第一封止樹脂部15Aの電極11bを露出させている面と同一平面に設けられる。第二封止樹脂部15Bは、第一封止樹脂部15Aを一体構造とする発光素子ユニット3が固着された導光板1の第二主面1dに接合されて、第一封止樹脂部15Aの間に設けられる。
第二封止樹脂部15Bは、導光板1に積層されて導光板1を補強する。また、第二封止樹脂部15Bは、好ましくは白色樹脂で、この封止樹脂部15は発光素子11からの発光を導光板1に効率よく取り入れて導光板1の第一主面1cの発光出力を大きくできる。さらにまた、白色樹脂である第二封止樹脂部15Bは、発光素子11を保護する部材と導光板1の第二主面1dの表面を反射する層とを兼ねることにより、発光モジュール100の薄型化を図ることができる。
封止樹脂部15は、発光素子11から出射される光に対して60%以上の反射率を有し、好ましくは90%以上の反射率を有する白色樹脂が適している。この封止樹脂部15は、白色粉末等の白色の顔料を含有させた樹脂であることが好ましい。特に、酸化チタン等の無機白色粉末を含有させたシリコーン樹脂が好ましい。これにより、導光板1の一面を被覆するために比較的大量に用いられる材料として酸化チタンのような安価な原材料を多く用いることで、発光モジュール100を安価にすることができる。
(透光性接合部材)
図17の発光モジュール100は、波長変換部12と光拡散部13、光調整部10と発光素子11、発光素子ユニット3と導光板1を透光性接合部材で接合している。透光性接合部材は、波長変換部12と光拡散部13と接合して光調整部10とし、光調整部10と発光素子11とを接合して発光素子ユニット3としている。発光素子ユニット3と導光板1の凹部1bの底面とを接合する接合剤14である透光性接合部材16は、発光素子ユニット3を導光板1に固着し、凹部1bと発光素子ユニット3の挿入部17との間のリング隙間18に充填してなる接合剤14である透光性接合部材16は、接合壁19を構成して、光調整部10を凹部1bの内面に接合している。
透光性接合部材は、光の透過率を60%以上とし、好ましくは90%以上とする。透光性接合部材16は、発光素子11から出射される光を導光板1に伝播する。この透光性接合部材16は、拡散部材等を含み、あるいは光を反射する添加物である白色粉末等を含むことは可能であるが、拡散部材や白色粉末等を含まない透光性の樹脂材料のみで構成されてもよい。
透光性接合部材の材料としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の透光性の熱硬化性の樹脂材料等を用いることができる。
以上の実施形態の発光モジュール100において、複数の発光素子ユニット3は、それぞれが独立で駆動するように配線されてもよい。また、導光板1を複数の範囲に分割し、1つの範囲内に実装された複数の発光素子ユニット3を1つのグループとし、該1つのグループ内の複数の発光素子ユニット3同士を直列又は並列に電気的に接続することで同じ回路に接続し、このような発光素子ユニットグループを複数備えるようにしてもよい。このようなグループ分けを行うことで、ローカルディミング可能な発光モジュールとすることができる。
本実施形態の発光モジュール100は、1つが1つの液晶ディスプレイ装置のバックライトとして用いられてもよい。また、複数の発光モジュール100が並べられて1つのディスプレイ1000のバックライトとして用いられてもよい。小さい発光モジュール100を複数作り、それぞれ検査等を行うことで、大きく実装される発光素子11の数が多い発光モジュール100を作成する場合と比べて、歩留まりを向上させることができる。
なお、導光板1上には、拡散等の機能を有する透光性の部材をさらに積層してもよい。その場合、光学機能部1aが凹みである場合には、凹みの開口(つまり、導光板1の第一主面1cに近い部分)を塞ぐが、凹みを埋めないように、透光性の部材を設けることが好ましい。これにより、光学機能部1aの凹み内に空気の層を設けることができ、発光素子11からの光を良好に広げることができる。