JP2013040856A - 物理量センサー及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】検出感度を向上させることが可能な物理量センサーの提供。
【解決手段】加速度センサー1は、第1凹部11が設けられたベース基板10と、第1凹部11の上方に配置され、支持部23a,23bにより第1凹部11の深さ方向に揺動可能に支持されたセンサー部21と、を備え、センサー部21は、支持部23a,23bを境に第1部分21Aと第2部分21Bとに区分され、第1部分21A及び第2部分21Bに可動電極部を有し、且つ、第1部分21Aよりも質量が大きい第2部分21Bには、少なくとも先端側に貫通孔24が形成され、ベース基板10は、第1凹部11における可動電極部に対向する位置に固定電極部12,13を有し、且つ、固定電極部12,13よりもセンサー部21の先端寄りであって、センサー部21の先端側に対向する部分に、第1凹部11よりも深い第2凹部14が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、物理量センサー及びこの物理量センサーを備えた電子機器に関する。
従来、物理量センサーとしては、固定部にトーションバネなどの弾性要素を介して可動電極が支持された構造を形成し、作用した外力などに応じて可動電極が固定電極に対して近づくまたは離れるようにして、これら電極間の静電容量の変化を検出することで加速度や角速度などの種々の物理量を検出できるようにした静電容量型センサーが知られている。
このような静電容量型センサーとして、2つの半導体ウエハー間の中空空間にトーション棒(トーションバネ)によって搖動可能に支持され、印加された加速度などの物理量でシーソー状に搖動(変位)する搖動台(質量部)により、垂直軸方向の物理量を検出するように構成された超小型機械的加速度センサーが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−189716号公報
特許文献1の超小型機械的加速度センサー(以下、加速度センサーという)は、静電容量型センサーである。これにより、上記加速度センサーは、下記の静電容量の一般式(1)から、検出感度を高めるためには、例えば、可動電極である搖動台と、搖動台に対向する固定電極である第1の電極との距離を近づけて静電容量を大きくし、搖動台の微小な変位に対しても静電容量が相当程度変化し、微小な加速度でも検出できるように構成する必要がある。
C=εS/d・・・・・・・・(1)
(静電容量をC、対向電極の面積をS、対向電極間の距離をd、誘電率をεとする。)
しかしながら、上記加速度センサーは、第1の電極(固定電極)が形成された第1の半導体ウエハーの表面が平坦であり、且つ搖動台が平板状に形成されている。
このことから、上記加速度センサーは、例えば、印加された加速度の慣性力により搖動台変位したときに、搖動台と第1の半導体ウエハーの表面との間に存在する気体の流動抵抗(スクイーズフィルムダンピング)により変位が抑制され、応答が遅くなり検出帯域が狭くなる虞がある。
また、上記加速度センサーは、静電気などに起因した帯電により搖動台が第1の半導体ウエハーの表面に貼り付く虞がある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る物理量センサーは、第1凹部が設けられたベース基板と、前記第1凹部の上方に配置され、第1軸の方向に延びる支持部により前記第1凹部の深さ方向に揺動可能に支持されたセンサー部と、を備え、前記センサー部は、前記支持軸を境に第1部分と第2部分とに区分され、前記第1部分及び前記第2部分に可動電極部を有し、且つ、前記第1部分よりも前記第2部分は質量が大きく、前記第1部分および前記第2部分の少なくとも一方に貫通孔が設けられ、前記ベース基板は、前記可動電極部に平面視で重複する位置に固定電極部を有し、且つ、前記センサー部の先端に平面視で重複する位置に、前記第1凹部よりも深い第2凹部が設けられていることを特徴とする。
これによれば、物理量センサーは、センサー部の第2部分の先端側に貫通孔が形成され、ベース基板におけるセンサー部の第2部分の先端側に対向する部分に、第1凹部よりも深い第2凹部が設けられている。
これにより、物理量センサーは、例えば、印加された加速度の慣性力により支持部を支点(回転中心)にして、センサー部の第2部分が第1凹部の底面に近づく方向に揺動(変位)するときの、センサー部の第2部分と第1凹部の底面との間に存在する気体の流動抵抗を、貫通孔及び第2凹部がない場合と比較して、低減することができる。
この結果、物理量センサーは、例えば、加速度の印加によるセンサー部の変位がスムーズとなることから、応答が速くなり検出帯域を広くできる。
また、物理量センサーは、センサー部の第2部分が第1部分よりも質量が大きい(重い)ことから、センサー部が第1部分と第2部分とでつり合うことなく、例えば、センサー部に印加される加速度に応じてセンサー部を効率的に変位(回動)させることができる。
この結果、物理量センサーは、加速度印加時の検出感度を、より向上させることができる。
[適用例2]上記適用例に係る物理量センサーにおいて、前記第2凹部内に導電部が設けられ、前記導電部は、前記可動電極部と接続されていることが好ましい。
これによれば、物理量センサーは、第2凹部内に導電部が設けられ、導電部と可動電極部とが接続されていることから、例えば、センサー部を反応性イオンエッチング等で加工する際に発生する電荷を、導電部を介してベース基板側からセンサー基板側へ逃がすことができる。
この結果、物理量センサーは、帯電によるセンサー部のベース基板への貼り付きを回避することができる。
[適用例3]上記適用例に係る物理量センサーにおいて、前記貫通孔は、前記第1軸の方向に帯状に複数並んでいることが好ましい。
これによれば、物理量センサーは、貫通孔が、第1軸の方向に帯状に複数並んでいることから、他の形状に比較して、センサー部の質量を確保しつつ、各貫通孔の内部空間を大きくすることができる。
この結果、物理量センサーは、センサー部の第2部分と第2凹部の底面との間に存在する気体の流動抵抗を更に低減することができる。
したがって、物理量センサーは、例えば、加速度の印加によるセンサー部の変位が更にスムーズとなることから、応答が速くなり検出帯域を更に向上させることができる。
[適用例4]上記適用例に係る物理量センサーにおいて、前記第1凹部は、前記センサー部の前記支持部から前記先端に向かうに連れて前記センサー部との空隙が大きくなるように設けられていることが好ましい。
これによれば、物理量センサーは、第1凹部が、センサー部の支持部側から先端側に向かうに連れてセンサー部との空隙が大きくなるように設けられていることから、センサー部の変位が小さい支持部側では、第1凹部の底面とセンサー部との空隙を小さくし、センサー部の変位が大きい先端側では、第1凹部の底面とセンサー部との空隙を大きくすることができる。
この結果、物理量センサーは、第1凹部の底面が、センサー部の変位が大きい先端側との空隙を基準にした平坦な平面で構成された場合よりも、検出感度を向上させることができる。
[適用例5]上記適用例に係る物理量センサーにおいて、前記ベース基板には、絶縁材料が用いられ、前記センサー部には、半導体材料が用いられていることが好ましい。
これによれば、物理量センサーは、ベース基板には絶縁材料が用いられ、センサー部には、半導体材料が用いられたことから、絶縁材料によってベース基板とセンサー部との間の絶縁分離を容易に行うことができる。
加えて、物理量センサーは、半導体材料である例えば、低抵抗のシリコンをセンサー部に用いることによって、センサー部と可動電極部とを一体化することができる。
これにより、物理量センサーは、センサー部に可動電極部を容易に設けることができる。
[適用例6]本適用例に係る電子機器は、上記適用例のいずれか一例に記載の物理量センサーを備えたことを特徴とする。
これによれば、本構成の電子機器は、上記適用例のいずれか一例に記載の物理量センサーを備えたことから、上記適用例のいずれか一例に記載された効果を奏する電子機器を提供できる。
第1実施形態の加速度センサーの概略構成を示す模式斜視図。 図1の加速度センサーの模式平断面図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線での断面図。 加速度センサーの動作について説明する模式断面図。 センサー部の貼り付きについて説明する模式断面図であり、(a)は導電部がない場合を示す断面図、(b)は導電部がある場合を示す断面図。 第2実施形態の加速度センサーの概略構成を示す模式平断面図であり、(a)は平面図、(b)は、(a)のA−A線での断面図。 加速度センサーを備えた電子機器(ノート型パーソナルコンピューター)の斜視図。 加速度センサーを備えた電子機器(携帯電話機)の斜視図。 加速度センサーを備えた電子機器(デジタルスチルカメラ)の斜視図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図において、説明の便宜上、各構成要素の寸法比率は、実際と異なる。
(第1実施形態)
最初に、第1実施形態に係る物理量センサーの一例としての加速度センサーについて説明する。この加速度センサーは、Z軸方向(厚さ方向)の加速度を検出することができる。
図1は、第1実施形態の加速度センサーの概略構成を示す模式斜視図である。図2は、図1の加速度センサーの模式平断面図であり、図2(a)は平面図、図2(b)は、図2(a)のA−A線での断面図である。
図1、図2に示すように、加速度センサー1は、ベース基板10と、センサー基板20と、を備えている。
ベース基板10は、平面形状が略矩形であって、中央部に平面形状が略矩形の第1凹部11が設けられている。ベース基板10には、ガラスなどの絶縁材料を用いることが好ましい。例えば、ベース基板10には、アルカリ金属イオン(可動イオン)を含むガラス(例えば、パイレックス(登録商標)ガラスのような硼珪酸ガラス)を用いることが好ましい。
なお、ベース基板10には、高抵抗のシリコン材料を用いることも可能である。
センサー基板20は、平面形状が略矩形であって、ベース基板10の第1凹部11が設けられた主面10aに接合されている。
センサー基板20は、ベース基板10の第1凹部11の上方に配置された、平面形状が略矩形のセンサー部21と、センサー部21を囲む額縁状の枠部22と、センサー部21と枠部22とを繋ぐ一対の梁状の支持部23a,23bと、を備えている。なお、枠部22は、支持部23a,23bがベース基板10に接合され、センサー部21を確実に支持できる構成であれば、なくてもよい。
センサー部21は、支持部23a,23bにより第1凹部11の深さ方向(Z軸方向)に揺動可能に支持されている。詳述すると、センサー部21は、支持部23a,23bを通る軸線Bを回転中心にして、支持部23a,23bが弾性変形範囲内で捩れる(トーションバネ作用)ことによりZ軸方向にシーソー状に回動可能に支持されている。
センサー部21は、支持部23a,23b(軸線B)を境にして−X側の第1部分21Aと+X側の第2部分21Bとに区分されている。
センサー部21は、第1部分21A及び第2部分21Bの、ベース基板10の第1凹部11に対向する側に可動電極部を有している。
センサー部21は、第1部分21Aと第2部分21Bとで質量が異なる。詳述すると、第1部分21Aよりも第2部分21Bの方がX軸方向の長さが長くなるように形成されている。そして、第1部分21Aよりも質量が大きい第2部分21Bには、少なくとも先端側にZ軸方向に貫通する貫通孔24が形成されている。なお、本実施形態では、センサー部21の全域に貫通孔24が形成されている。
貫通孔24は、支持部23a,23bの延在方向(Y軸方向)に延びる帯状(細長い長方形状)に形成されている。複数の貫通孔24は、帯の幅方向であるX軸方向に並んで配置されている。
センサー基板20には、低抵抗のシリコンなどの半導体材料を用いることが好ましい。
これにより、加速度センサー1は、可動電極部とセンサー部21とが一体化される(センサー部21全域が可動電極部となる)。
ベース基板10は、第1凹部11においてセンサー部21の第1部分21A及び第2部分21Bの可動電極部に対向する位置に固定電極部12,13を有している。固定電極部12,13は、平面形状が略矩形であって互いに等面積であり、平面視において、支持部23a,23b(軸線B)に対して線対称形状となっている。
なお、センサー部21の複数の貫通孔24は、固定電極部12,13に対向する部分では、平面視において、支持部23a,23b(軸線B)に対して線対称形状となるように配置されている。これにより、加速度センサー1は、センサー部21の第1部分21Aと第2部分21Bとにおいて、可動電極部と固定電極部12,13との対向面積が等しくなるように構成されている。
ベース基板10は、固定電極部13よりもセンサー部21の第2部分21Bの先端寄り(+X方向)であって、センサー部21の第2部分21Bの先端側に対向する部分に、第1凹部11に接し、平面形状が略矩形の第2凹部14が設けられている。
ここで、主面10aから第2凹部14の底面14aまでの深さD2は、主面10aから第1凹部11の底面11aまでの深さD1よりも深くなっている(D2>D1)。
第2凹部14の底面14aには、平面形状が略矩形の導電部15が設けられ、導電部15は、図示しない配線を経由してセンサー部21の可動電極部と接続されている(可動電極部と接続されているセンサー基板20の枠部22とも接続されている)。なお、導電部15と固定電極部12,13とは、互いに電気的に独立して形成されている。
なお、図1、図2(a)、後述の図5(a)において、固定電極部12,13、導電部15には、説明の便宜上、ハッチングを施してある。
固定電極部12,13及び導電部15の構成材料としては、導電性を有するものであれば、特に限定されず、各種電極材料を用いることができる。具体的には、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、In33、SnO2、Sb含有SnO2、Al含有ZnOなどの酸化物(透明電極材料)、Au、Pt、Ag、Cu、Al、またはこれらを含む合金などが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
固定電極部12,13及び導電部15の形成方法(成膜方法)としては、特に限定されないが、例えば、真空蒸着、スパッタリング(低温スパッタリング)、イオンプレーティングなどの乾式メッキ法、電解メッキ、無電解メッキなどの湿式メッキ法、溶射法、薄膜の接合などが挙げられる。
ベース基板10及びセンサー基板20の形状形成には、フォトリソグラフィー、エッチングなどの技術が用いられ、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)などにより垂直エッチング加工をすることで、例えば、ベース基板10の第1凹部11、第2凹部14の内壁面や、センサー部21の側面、貫通孔24の内面が、センサー部21の主面と垂直になるように形成される。
反応性イオンエッチングとしては、例えば、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)を備えたエッチング装置による加工方法を用いることができる。
加速度センサー1は、ベース基板10にアルカリ金属イオン(可動イオン)を含むガラス(例えば、パイレックス(登録商標)ガラスのような硼珪酸ガラス)を用い、センサー基板20にシリコン材料を用いることにより、両者を陽極接合法(ベース基板10とセンサー基板20とを密着させ、約400℃の温度下で約1KVの電圧を印加し、両者の境界面近傍に静電引力を生じさせて両者を共有結合によって接合する方法)により接合することができる。
ここで、加速度センサー1の動作について説明する。
図3は、加速度センサーの動作について説明する模式断面図であり、Z軸方向に物理量としての加速度が印加された状態を表している。
図3に示すように、加速度センサー1は、例えば、センサー部21の主面と直交する+Z方向に加速度Gが印加されると、慣性力によって、センサー部21が軸線B回りにシーソー状に回転(回動)し、ベース基板10に対して傾斜する。
詳述すると、加速度センサー1は、センサー部21の第1部分21Aが固定電極部12から離れるとともに、センサー部21の第2部分21Bが固定電極部13に近づく。
このとき、固定電極部12とセンサー部21の第1部分21A(可動電極部)との空隙S1は大きくなり、固定電極部13とセンサー部21の第2部分21B(可動電極部)との空隙S2は小さくなることから、第1部分21A及び固定電極部12間の静電容量は小さくなり、第2部分21B及び固定電極部13間の静電容量は大きくなる。
したがって、加速度センサー1は、センサー部21の第1部分21Aと固定電極部12との空隙S1で発生する静電容量と、センサー部21の第2部分21Bと固定電極部13との空隙S2で発生する静電容量との違い(差動容量)から、C−V変換することで得られる電圧波形を求めることにより、加速度センサー1に加わる加速度を検出することができる。
このとき、センサー部21の複数の貫通孔24の内部空間は、それぞれ、センサー部21の回動に際し、空隙S1または空隙S2に存在する気体(例えば、空気、または窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス)を流動させる流路となる。
これにより、加速度センサー1は、センサー部21の回動に際し、空隙S1または空隙S2に存在する気体を複数の貫通孔24を通じて逃すことができる。
加えて、加速度センサー1は、ベース基板10における固定電極部13よりもセンサー部21の第2部分21Bの先端寄り(+X方向)であって、センサー部21の第2部分21Bの先端側に対向する部分に、第1凹部11よりも深い第2凹部14が設けられている。
これにより、加速度センサー1は、センサー部21の回動に際し、センサー部21の第2部分21Bの先端側と第2凹部14の底面14aとの間に存在する気体の圧縮の度合いが、第2凹部14がない場合(第1凹部11のみの場合)と比較して緩和される(低くなる)。
これらにより、加速度センサー1は、センサー部21の第2部分21Bの先端側と第2凹部14の底面14aとの間に存在する気体の流動抵抗が低減される。
この結果、加速度センサー1は、加速度の印加によるセンサー部21の変位(回動)がスムーズとなる。
上述したように、第1実施形態の加速度センサー1は、センサー部21の第2部分21Bの少なくとも先端側に貫通孔24が形成され、ベース基板10におけるセンサー部21の第2部分21Bの先端側に対向する部分に、第1凹部11よりも深い第2凹部14が設けられている。
これにより、加速度センサー1は、例えば、印加された加速度の慣性力により支持部23a,23b(軸線B)を回転中心にして、センサー部21の第2部分21Bが変位するときの、センサー部21の第2部分21Bと第1凹部11の底面11a及び第2凹部14の底面14aとの間に存在する気体の流動抵抗を、貫通孔24及び第2凹部14がない場合と比較して、低減することができる。
この結果、加速度センサー1は、加速度の印加によるセンサー部21の変位がスムーズとなることから、加速度の検出帯域を広くできる。
また、加速度センサー1は、センサー部21の第2部分21Bが第1部分21Aよりも質量が大きい(重い)ことから、センサー部21が第1部分21Aと第2部分21Bとでつり合うことなく、センサー部21に印加される加速度に応じてセンサー部21を効率的に回転(回動)させることができる。
この結果、加速度センサー1は、加速度印加時の検出感度を、より向上させることができる。
また、加速度センサー1は、センサー部21の貫通孔24が、支持部23a,23bの延在方向(Y軸方向)に延びる帯状(細長い長方形状)に形成され、複数の貫通孔24が帯の幅方向(X軸方向)に並んでいることから、他の形状と比較して、センサー部21の質量を確保しつつ、各貫通孔24の内部空間を大きくすることができる。
この結果、加速度センサー1は、センサー部21の回動に際し、センサー部21の第2部分21Bと第1凹部11の底面11a及び第2凹部14の底面14aとの間に存在する気体の流動抵抗を更に低減することができる。
したがって、加速度センサー1は、加速度の印加によるセンサー部21の変位が更にスムーズとなることから、加速度の検出帯域を更に向上させることができる。
また、加速度センサー1は、第2凹部14内に導電部15が設けられ、導電部15と可動電極部(可動電極部と接続されているセンサー基板20の枠部22)とが接続されていることから、例えば、センサー部21を含むセンサー基板20を反応性イオンエッチング等で加工する際に発生する電荷を、導電部15を介してベース基板10側からセンサー基板20側に逃がすことができる。
この結果、加速度センサー1は、帯電によるセンサー部21のベース基板10への貼り付きを回避できる。
ここで、図を用いて、センサー部21の貼り付きについて詳述する。図4は、センサー部の貼り付きについて説明する模式断面図であり、図4(a)は導電部がない場合を示す断面図、図4(b)は本実施形態のように導電部がある場合を示す断面図である。
図4(a)に示すように、ベース基板10に導電部15がない場合には、シリコンを用いたセンサー基板20を反応性イオンエッチング等で加工し、センサー部21を形成した時に、ベース基板側に電荷が溜まりセンサー部21とベース基板10との間に電位差が生じる。これにより、導電部15がない場合には、センサー部21がベース基板10に貼り付く虞がある。
これに対し、図4(b)に示すように、本実施形態では、ベース基板10の第2凹部14内に設けられた導電部15とセンサー基板20とを、互いに電気的に接続されている状態(具体的には、導電部15から主面10aまで延びた配線が、センサー基板20の枠部22になる部分に接している状態)で反応性イオンエッチング等によりセンサー部21を形成する。
これにより、本実施形態では、反応性イオンエッチング時に発生した電荷を、導電部15を介してベース基板10側からセンサー基板20側に逃がすことができる。
この結果、本実施形態では、反応性イオンエッチング時に電荷が溜まるのを低減することができ、センサー部21を形成したときに、センサー部21とベース基板10(導電部15)とが同電位となり、センサー部21がベース基板10に貼り付くことを回避できる。
また、加速度センサー1は、ベース基板10に硼珪酸ガラスなどのガラスが用いられ、センサー部21にシリコンなどの半導体材料が用いられたことから、絶縁性を有するガラスによってベース基板10とセンサー部21との間の絶縁分離を容易に行うことができる。
加えて、加速度センサー1は、半導体材料である低抵抗のシリコンをセンサー部21に用いることによって、センサー部21と可動電極部とを一体化することができる。
これにより、加速度センサー1は、センサー部21に可動電極部を容易に設けることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る加速度センサーについて説明する。第2実施形態の加速度センサーは、上述した第1実施形態の加速度センサーの第1凹部が、階段状に形成された構成である。
図5は、第2実施形態の加速度センサーの概略構成を示す模式平断面図であり、図5(a)は平面図、図5(b)は、図5(a)のA−A線での断面図である。なお、第1実施形態との共通部分については、同一符号を付して詳細な説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図5に示すように、加速度センサー2は、ベース基板10の第1凹部111が、センサー部21の支持部23a,23b(軸線B)側から先端側に向かうに連れてセンサー部21との空隙が大きくなるように階段状に形成されている。
具体的には、加速度センサー2は、センサー部21の支持部23a,23b(軸線B)側における第1凹部111の底面111bとの空隙が、センサー部21の先端側における第1凹部111の底面111aとの空隙よりも小さくなるように、第1凹部111の底面111aと底面111bとが段差を有して形成されている。
換言すれば、加速度センサー2は、ベース基板10の主面10aから第1凹部111の底面111bまでの深さD3が、ベース基板10の主面10aから第1凹部111の底面111aまでの深さD1よりも浅くなるように形成されている(D3<D1)。
これによれば、加速度センサー2は、シーソー状に回動するセンサー部21の変位が小さい支持部23a,23b側では、第1凹部111の底面111bとセンサー部21との空隙(D3)を小さくし、センサー部21の変位が大きい先端側では、第1凹部111の底面111aとセンサー部21との空隙(D1)を大きくすることができる。
この結果、加速度センサー2は、第1凹部111の底面111bが、センサー部21の変位が大きい先端側との空隙(D1)を基準にした平坦な平面(底面111a)で構成された場合(D3=D1)よりも、センサー部21(可動電極部)及び固定電極部12,13間の静電容量を大きくすることが可能となることから、第1実施形態と比較して、検出感度を更に向上させることができる。
なお、図5において、固定電極部12,13は、それぞれ底面111aから底面111bに跨って一体で設けられているが、底面111aの部分と底面111bの部分とに分割して設けてもよい。
これにより、加速度センサー2は、固定電極部12,13がそれぞれ一体の場合に起こり得る段差部分における静電容量の検出誤差の発生を回避できることから、静電容量の変化をより高精度に検出することが可能となる。
なお、ベース基板10の第1凹部111は、階段状に代えて斜面状に形成されていてもよく、上記と同様の効果を奏することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る上記各実施形態の加速度センサーを備えた電子機器について説明する。
図6は、加速度センサーを備えた電子機器としてのモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。
図6に示すように、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部100を有する表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このようなパーソナルコンピューター1100には、加速度センサー1が内蔵されている。
なお、パーソナルコンピューター1100には、加速度センサー1に代えて加速度センサー2が内蔵されていてもよい。
図7は、加速度センサーを備えた電子機器としての携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
図7に示すように、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部100が配置されている。
このような携帯電話機1200には、加速度センサー1が内蔵されている。
なお、携帯電話機1200には、加速度センサー1に代えて加速度センサー2が内蔵されていてもよい。
図8は、加速度センサーを備えた電子機器としてのデジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、図8には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、デジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
デジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部1310が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1310は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。
また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部1310に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。
また、このデジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、ビデオ信号出力端子1312には、テレビモニター1430が、データ通信用の入出力端子1314には、パーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。
このようなデジタルスチルカメラ1300には、加速度センサー1が内蔵されている。
なお、デジタルスチルカメラ1300には、加速度センサー1に代えて加速度センサー2が内蔵されていてもよい。
このような構成の電子機器は、加速度センサー1または加速度センサー2を備えることから、上記各実施形態に記載の効果を奏する優れた電子機器となり得る。
なお、上記加速度センサーを備えた電子機器は、図6のパーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図7の携帯電話機、図8のデジタルスチルカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、各種ナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーターなどに適用することができる。
1,2…物理量センサーとしての加速度センサー、10…ベース基板、10a…主面、11…第1凹部、11a…底面、12,13…固定電極部、14…第2凹部、14a…底面、15…導電部、20…センサー基板、21…センサー部、21A…第1部分、21B…第2部分、22…枠部、23a,23b…支持部、24…貫通孔、111…第1凹部、111a,111b…底面、B…軸線。

Claims (6)

  1. 第1凹部が設けられたベース基板と、
    前記第1凹部の上方に配置され、第1軸の方向に延びる支持部により前記第1凹部の深さ方向に揺動可能に支持されたセンサー部と、を備え、
    前記センサー部は、前記支持軸を境に第1部分と第2部分とに区分され、前記第1部分及び前記第2部分に可動電極部を有し、
    且つ、前記第1部分よりも前記第2部分は質量が大きく、前記第1部分および前記第2部分の少なくとも一方に貫通孔が設けられ、
    前記ベース基板は、前記可動電極部に平面視で重複する位置に固定電極部を有し、
    且つ、前記センサー部の先端に平面視で重複する位置に、前記第1凹部よりも深い第2凹部が設けられていることを特徴とする物理量センサー。
  2. 請求項1に記載の物理量センサーにおいて、
    前記第2凹部内に導電部が設けられ、
    前記導電部は、前記可動電極部と接続されていることを特徴とする物理量センサー。
  3. 請求項1または請求項2に記載の物理量センサーにおいて、
    前記貫通孔は、前記第1軸の方向に帯状に複数並んでいることを特徴とする物理量センサー。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の物理量センサーにおいて、
    前記第1凹部は、前記センサー部の前記支持部から前記先端に向かうに連れて前記センサー部との空隙が大きくなるように設けられていることを特徴とする物理量センサー。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の物理量センサーにおいて、
    前記ベース基板には、絶縁材料が用いられ、
    前記センサー部には、半導体材料が用いられていることを特徴とする物理量センサー。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の物理量センサーを備えたことを特徴とする電子機器。
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