JP2013039782A - タイヤ用トレッドの断面形状検定方法 - Google Patents

タイヤ用トレッドの断面形状検定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、精度良く行なうことが可能なトレッド厚みの検定方法を提供する。
【解決手段】本発明は、タイヤトレッドの幅および厚みの測定結果から、トレッド厚みをトレッド幅を変数とする関数で表し、この関数の二次導関数の極小値を与える実トレッド幅方向位置をトレッドの両サイドの2箇所で求め、この2箇所の間隔を実クラウン幅とした後、仕様クラウン幅および実クラウン幅からクラウン幅変化率を<実クラウン幅/仕様クラウン幅>として求め、このクラウン幅変化率を用いて仕様上のトレッド検定箇所に対応する実トレッド幅方向の検定位置を求め、トレッド検定箇所を補正し、さらに仕様上の検定箇所に対応する補正された実トレッド幅方向検定位置におけるトレッド厚みと仕様上の検定箇所における仕様上のトレッド厚みとを比較して検定することを特徴とするタイヤトレッド厚み検定方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤ用トレッドの断面形状の検定方法、特にトレッド幅が変動してもトレッドのゲージ(厚み)の検定を精度良く迅速に行なうことが可能な検定方法に関する。
タイヤトレッドは押出機から押し出されて連続したゴム状シートとして成型された後、裁断される。この裁断されたゴム状シートを生タイヤケーシングに巻き付けてトレッド部を形成した生タイヤ(グリーンタイヤ)を作製する。従って、裁断前後のゴム状シートのサイズが設計通り製作されているかどうかを把握することは極めて重要なことであり、規格から外れたものは排除するか、手直しする必要がある。さらに規格外のトレッドが連続して作製されたり異常値が出たりした場合には、押出機の口金の調整を行なったり、あるいはその原因を究明したりする必要がある。
タイヤトレッドのゴム状シートのサイズ、すなわちタイヤ用トレッドの断面形状は、断面形状測定装置等によって測定されている。従来は、この測定結果からグラフ作成ソフト等を用いて作図し、この作図結果から読み取ったトレッド幅および測定結果のゲージ(厚み)を用いてトレッド断面形状を決定している。図6は、仕様(設計)による断面形状および従来行なわれている作図結果を示す図である。図6の横軸(X軸)はトレッド幅方向で、縦軸はトレッドゲージ(厚み)である。図6(a)は仕様による断面形状を示す図で、図6(b)は作図による断面形状を示す図である。図6(a)において、トレッド幅の中心のX座標をX0とし、X0におけるトレッド厚み(仕様値=設計値)をY0とする。
図6(a)に示すように、厚みが急に変化する場所が2箇所(トレッドの両サイドで)存在するが、この間がクラウン幅に対応する。この2箇所がショルダーに相当する。この2箇所の一方の側のX座標をXn(一方のクラウン端に相当)とし、Xnにおけるトレッド厚み(設計値)をYnとする。他方の側のX座標をXm(他方のクラウン端に相当)とし、Xmにおけるトレッド厚み(設計値)をYmとする。仕様上のトレッドのクラウン幅WcrはXm−Xnとなる。仕様書で規定された任意の位置(トレッド幅方向)をXiとし、そのXiにおけるトレッド厚みをYiとする。また、トレッドの両端におけるX座標をXe、Xfとすると、仕様におけるトレッドの総幅WtはXf−Xeである。
図6(b)は、測定データからの作図結果を示す図で、断面形状測定装置によって測定したトレッド幅方向位置と当該位置におけるトレッド厚みを示す図である。トレッド幅の中心は、トレッド成型時にマーキングされ、このX座標はX0とし仕様上のトレッド中心位置に合わせてある。X0におけるトレッドの実際厚みをY0-1とする。このX0を基準にして測定結果に基づいて作図する。トレッドのクラウン幅Wcr-1はXm-1−Xn-1で、トレッドの総幅Wt-1はXf-1−Xe-1である。任意のトレッド位置Xi-1における測定したトレッドの実際厚みをYi-1とする。同様にXn-1における測定したトレッドの実際厚みをYn-1とし、Xm-1における測定したトレッドの実際厚みをYm-1とする。
キャップトレッドの形状は、クラウン幅と特定箇所のゲージ(厚み)で検定を行なう。一般には、ゲージの実測値と設計値(仕様値)は異なる(Yi-1≠Yi)が、トレッド幅の変動が大きくなるとゲージの実測値と仕様値の差はさらに大きくなる。図7は仕様で規定されたトレッド断面形状および実際に測定したトレッド断面形状を示した模式図である。図7は図6(a)と図6(b)を重ねた図と考えて良い。実線は実際に測定したトレッドの断面形状(実際値)を示し、破線は仕様で規定された断面形状(仕様値)を示す。中心の座標(X0)は合わせているので一致するが、トレッド幅は実測値(実際値)と設計値は異なる。すなわち、設計値のX座標のある点Xiは実際はXi-1へ移動する。座標Xiにおいてトレッド厚みを測定するが、この時の値をYi-1とすると、設計値と実際値は一般には異なるのでYi-1≠Yiとなる可能性が高い。従って規格幅(許容値)を超える可能性も大きい。同様にしてクラウン幅も設計値(Xm−Xn)に対して、実際値(Xm-1−Xn-1)は異なる。トレッド総幅も設計値(Xf−Xe)に対して、実際値(Xf-1−Xe-1)は異なる。トレッド幅変化と厚みの変動の二重の変動により、実際の厚みは設計値とかなり異なってくる。
図8は、トレッド幅の変動による実際値との差異を別の角度から示した図である。図8(a)は仕様通りにトレッドが作製された場合を示す理想的な状態を示す図である。当然のように、トレッド幅(クラウン幅)およびゲージ(厚み)に関して仕様値と実際値は一致する。図8(b)は、トレッド幅が仕様より広くなった場合を示す。仕様状態を破線(■印)で示し、実測値(実際値)を実線(○印)で示す。中心は一致する(一致させている)が、中心から離れるに従い実際値と仕様値とのズレが大きくなる。図8(c)は、トレッド幅が仕様より狭くなった場合を示す。仕様状態を破線(■印)で示し、実測値(実際値)を実線(○印)で示す。中心は一致する(一致させている)が、中心から離れるに従い実際値と仕様値とのズレが大きくなる。このように、トレッド厚みが仕様通りできてもトレッド幅が変動すると、トレッド幅が広くなっても狭くなっても、トレッド厚みの仕様と実際とは異なってくる。トレッド厚みも当然変動するので、トレッド厚みにおける実際値と仕様値の差異はかなり大きくなる。
以上説明した様に、トレッドゲージ(厚み)の検定を行なう位置はトレッド幅やクラウン幅の増減により変化するが、従来(特に自動判定において)はトレッド幅やクラウン幅の変動などを考慮していないため、本来検定を行なうべき箇所と実際の検定箇所にずれが生じ、正確な検定ができていないという問題があった。その結果、本来規格外のものが規格内であると誤判定を行なう危険性が大きくなり、不良品タイヤを作製してしまう。(すなわち、第2種の誤りをする。)この状態が製造装置や製造条件等に起因する場合には、大量の不良品を作り歩留まりを大幅に低下させてしまう。あるいは本来規格内のものが規格外であると誤判定してしまう可能性もあり、この場合は良品を捨ててしまうので、見かけ上歩留まりが低下しコストの高いタイヤとなってしまう。(すなわち、第1種の誤りをする。)
本発明は、上記問題点を解消し、トレッド幅の変動を補正してトレッド厚みの検定を行なう。具体的にはクラウン幅をできるだけ正確に求めて(実クラウン幅)、仕様値としてのクラウン幅(仕様クラウン幅)を基準にして、仕様クラウン幅から実クラウン幅への変動率を算出する。次に、仕様で規定した幅方向の距離にこの変動率を乗じてトレッド断面の形状判定箇所を補正し、この補正した判定箇所におけるゲージ(厚み)の測定結果と仕様値とを比較して、断面形状の検定を行なう。クラウン幅は、たとえば好適には以下のようにして求める。断面形状測定装置等により得られた、トレッドの断面形状に関する一定の幅方向ごとのゲージの測定結果から、トレッドゲージ(トレッド厚み)は幅方向を変数とする関数で表し、この関数を幅方向を変数として微分することにより二次導関数を算出する。この二次導関数の極小値(変曲点)を求めることによりトレッドのショルダー位置を求めることができるので、トレッド総幅からショルダー位置より外側の領域(ウイングチップ部)を除いた部分がクラウン幅となる。
実際に作製されたトレッド幅は仕様値(設計値)から変動するが、その変動率に対応して仕様で規定されたトレッド厚みを検定するトレッド位置を補正するので、実際のトレッド厚みと仕様上のトレッド厚みとの比較が実際的になる。従って検定が、従来法に比較してより正確になる。また好適には、断面形状は関数曲線として表して、その関数の二次導関数の極小値からクラウン幅を求めるので、クラウン幅がより正確に算出できる。従ってクラウン幅の変動による誤差が小さくなるので、上記の検定すべきトレッド位置の補正もより精度が向上する。さらに、形状測定から検定までを自動化できるので、検定作業の高速化を実現でき、検定誤差を小さくすることが可能となる。
図1は、本発明のトレッド断面形状に関する補正方法を説明する図である。 図2は、実クラウン幅が仕様クラウン幅よりも狭い場合における補正方法を示す図である。 図3は、トレッド幅方向におけるトレッド厚みの測定結果とトレッド断面形状を示した図である。 図4は、本発明のトレッド厚みの変曲点を求める方法を説明する図である。 図5は、ショルダー位置における極小値を算出するための限定範囲を示す図である。 図6は、仕様による断面形状および従来行なわれている作図結果を示す図である。 図7は、仕様で規定されたトレッド断面形状および測定したトレッド断面形状を示した図である。 図8は、トレッド幅の変動による実際値との差異を示した図である。
本発明は、トレッドの断面形状測定結果から求めたクラウン幅を用いてトレッドのゲージ(厚み)を検定する箇所を補正し、補正後の検定箇所におけるトレッドのゲージ(厚み)と仕様値のゲージ(厚み)とを比較することにより、所定箇所におけるトレッドのゲージ(厚み)を検定するものである。本発明は、具体的には以下の(1)〜(3)の特徴を有する。
(1)本発明は、タイヤトレッドの所定位置におけるトレッド厚みを検定する方法において、(i)タイヤトレッドの幅方向の位置および当該位置におけるトレッド厚みの測定結果からタイヤトレッドのクラウン幅(実クラウン幅)を求めるステップ、(ii)仕様上のクラウン幅(仕様クラウン幅)および実クラウン幅からクラウン幅変化率を<実クラウン幅/仕様クラウン幅>として求めるステップ、(iii)クラウン幅変化率を用いて仕様上のトレッド検定箇所に対応するタイヤトレッドの幅方向位置(実トレッド幅方向検定位置)を求めて、トレッド検定箇所を補正するステップ、および(iv)仕様上の検定箇所に対応する補正された実トレッド幅方向検定位置におけるトレッド厚みと仕様上の検定箇所における仕様上のトレッド厚みとを比較し検定するステップを含むことを特徴とするタイヤトレッド厚み検定方法である。
(2)本発明は、(1)の(i)のステップにおいて、タイヤトレッドの幅および厚みの測定結果から、タイヤトレッドの厚みをタイヤトレッドの幅を変数とする関数で表し、この関数の二次導関数の極小値を与えるタイヤトレッド幅方向の位置(実トレッド幅方向位置)をトレッドの両サイドの2箇所で求め、さらにこの極小値となるタイヤトレッドの両サイドにおける2箇所の間隔を実クラウン幅とすることを特徴とするタイヤトレッド厚み検定方法である。
(3)本発明は、(1)または(2)に加えて、二次導関数の極小値を与えるタイヤトレッド幅方向の位置を求めるステップにおいて、極小値を求める範囲を仕様で規定したショルダー位置から±10mm以内とすることを特徴とし、また仕様上のトレッド中心位置と測定結果に基づくトレッド中心位置を一致させて実トレッド幅方向検定位置を求めることを特徴とし、さらに仕様上の検定箇所に対応する実トレッド幅方向検定位置は、仕様上のトレッド中心位置から仕様上の検定箇所までの距離に前記クラウン幅変化率を乗じて求めることを特徴とするタイヤトレッド厚み検定方法である。
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明のトレッド断面形状に関する補正方法を説明する図である。図1(a)に示すように、トレッド幅(X方向)におけるトレッド厚み(Y方向)などを測定しトレッド断面形状を求める。この測定は、たとえばレーザー光や可視光等を用いた光学式等の非接触式トレッド断面形状測定装置や触針式の接触式トレッド断面形状測定装置などを使用して行なうことができる。あるいはノギスやスケールを用いて直接的に測定することができる。次にこの測定結果を元にしてクラウン幅を求める。クラウン幅とはトレッドの両サイドのショルダー間の距離である。クラウン幅を決定する方法は種々あるが、トレッドのショルダー位置はトレッドの変曲点であるという点に着目して、後述の二次導関数から求める方法や、作図して直接的に求める方法などがある。
図1において、実線および菱形印(◆)は測定結果であり、破線および丸印(○)は仕様を表す。図1は、クラウン幅に関して測定結果の方が仕様よりも広い場合の補正方法を示す図である。図1(a)は、補正前の測定結果および仕様の両方を示したものである。測定結果から求めたクラウン幅をWcr-1、仕様によるクラウン幅をWcr-0とする。トレッドの中心はトレッド作製時にマーキング等を施しているので、仕様による中心と一致させることができる。マーキングがない場合には、クラウン幅(Wcr-1)の中心をトレッドの中心としても良い。Wcr-1>Wcr-0であるから、両方の中心を合わせて、仕様上のクラウンの両端を引き伸ばして実際のクラウン(実クラウン)の両端に合わせる。すなわち、仕様上のクラウンの一端の座標Xn-0を実クラウンの一端Xnに一致させる。当然その間の任意の座標Xi-0も伸びて、Xi-1となる。この伸び率は一定とすれば、中心から仕様上の任意の位置Xi-0と実際の製品の位置Xi-1との関係は、Xi-1=Xi-0*(Xn-1−X0)/(Xn-0−X0)=Xi-0*(Wcr-1/Wcr-0)となる。すなわち、伸び率(変化率)は測定結果から求めたクラウン幅を仕様によるクラウン幅で割った値となる。同様に他端側についても同様であり、Xi-1=Xi-0*(Xm-1−X0)/(Xm-0−X0)=Xi-0*(Wcr-1/Wcr-0)となる。従って、図1(a)に示すように矢印方向へ仕様の座標を伸ばしていけば良く、トレッドの中心は移動しない(トレッド中心を仕様と実際を合わせているので)が、トレッド中心から離れるにつれて移動距離は大きくなる。
図1(b)は、測定結果および補正後の仕様を示したものである。当然仕様のX座標は測定結果と一致する。トレッド厚みは測定結果と仕様は一般には一致しない。たとえば、図1(b)に示すように、仕様の任意の座標(Xi-0、Yi-0)は補正後に(Xi-1、Yi-0)となり、仕様のクラウン端(Xm-0、Ym-0)および(Xn-0、Yn-0)は補正後にそれぞれ(Xm-1、Ym-0)および(Xn-1、Yn-0)となる。これらの推定は、クラウン幅はトレッド作製時に変動し、クラウン内部の状態はクラウン幅の変動率(伸び率)に比例しているという作製上の事実に基づく。
以上の操作により仕様上の検定すべき位置(X座標)と測定結果の位置(X座標)を合わせることができたので、この位置において実際のトレッド厚みと仕様上のトレッド厚みとの比較(検定)を行なうことができる。すなわち、任意の位置Xi-1において測定データはYi-1であり、仕様厚みはYi-0である。すなわち、これらの値の差(Yi-1―Yi-0)またはこれらの値の割合{(Yi-1/Yi-0)または(Yi-1―Yi-0)/Yi-0など}等が規格内に入っているかどうかを判定すれば良い。クラウン端についても同様に検定することができる。たとえば、一方のクラウン端では、測定結果がYn-1で、仕様がYn-0である。他方のクラウン端では、測定結果がYm-1で、仕様がYm-0である。
トレッド断面形状測定を行なった後に、この断面形状のX座標(トレッド幅方向)に仕様のトレッド断面形状のX座標を合わせるので、仕様におけるゲージ検定箇所の所に測定データがない場合がある。そのときは補正後の仕様におけるゲージ検定箇所の両側にある測定データから検定箇所のゲージを比例法により算出すれば良い。あるいは、測定データのある箇所における補正後の仕様のゲージを読み取る方法もある。光学的な測定方法や触針式測定方法などで連続的にトレッド厚みを測定した場合には、トレッド幅全体のデータを持っているので、このような問題は発生しないから生データを用いて仕様値と比較することができる。離散した測定でも測定数を増やしていけば連続したデータと近くなるので、上記した計算値を用いなくても良くなる。尚、クラウン幅についても規格を設けて判定することができる。最初にクラウン幅が規格外であれば、次の段階におけるゲージの検定は行なわなくても良い場合もあるので、検定効率を高めることができる。
図2は、クラウン幅に関して測定結果の方が仕様よりも狭い場合の補正方法を示す図である。図1において、実線および菱形印(◆)は測定結果であり、点線および丸印(○)は仕様を表す。図2(a)は、測定結果および(補正前の)仕様の両方を示したものである。トレッド中心X0を一致させている。測定結果によるクラウン幅Wcr-1は仕様によるクラウン幅Wcr-0より狭い(Wcr-1<Wcr-0)ので、図1に示す場合とは逆に仕様におけるクラウン幅を縮小して測定結果によるクラウン幅に合わせる。すなわち、図2に示すように矢印方向へ縮小し、図2(b)に示すようにトレッド幅方向(X軸)を合わせて、測定結果のトレッド厚みを補正後の仕様のトレッド厚みと比較する。その方法は、図1において説明したものと同様である。
次にクラウン幅の求め方について説明する。ある間隔でトレッド幅方向(X方向)におけるトレッド厚みを測定した場合、トレッドの両サイドにおいてトレッドの傾斜が急に変化する所がある。トレッドのショルダー位置はトレッドの変曲点であり、トレッド両サイドのショルダー間の距離がクラウン幅であるから、トレッドの傾斜が急に変化する所がショルダーである。従って、この境界(ショルダー位置)を求めて、これらの境界間距離がクラウン幅となる。
たとえば、図3はトレッド幅方向におけるトレッド厚みの測定結果とトレッド断面形状を示した図である。図3における下の曲線において、菱形印(◆)が測定データであり、それらを実線で結んでいる。また、上図はこれらのデータから近似したトレッド断面形状曲線である。上述したように、トレッドの傾斜が急に変化する所は作図すると分かるので、図3に示すようにクラウン幅Wcr-1を決定することができる。すなわち、座標Xn〜座標Xmの間がクラウン領域(キャップ部)となり、クラウン幅はXm−Xnである。その外側の領域がウイングチップ部となる。概略はこのような求め方でも良いが、データをもっと詳細に取るとクラウン幅Wcr-1は少し異なって来る。たとえば、トレッドタイヤの両側における座標Xiにおけるトレッド厚みYiが所定厚みY0と等しくなる所をクラウン端と定義しても良い。
もし図3において、トレッドの一方の端部である座標Xnにおけるトレッド厚みYnがY0より大きくて、座標Xnの外側における隣の座標Xn+1におけるトレッド厚みYn+1がY0より小さい場合には、その中間の座標をクラウン端と定義することもできる。この中間座標は単純比例計算で求めても良い。トレッドの他端部である座標Xmについても同様で、座標Xmにおけるトレッド厚みYmがY0より大きくて、座標Xmの隣の座標Xm+1におけるトレッド厚みYm+1がY0より小さい場合には、その中間の座標をクラウン端と定義することもできる。この中間座標は単純比例計算で求めても良い。あるいは、近似曲線(第3図上の曲線)を用いて、Y0と等しくなる所(X座標)をクラウン端と定めてその間の領域か、あるいはY0より大きくなる領域をキャップ部としてクラウン幅Wcr-1を求めても良い。測定データを連続的に取れる場合には、最初から連続曲線を描けるので、この連続曲線の中で、Y0と等しくなる所(X座標)をクラウン端と定めてその間の領域か、あるいはY0より大きくなる領域をキャップ部としてクラウン幅Wcr-1を求めることもできる。
本発明では、さらに好適にはトレッドの変曲点を二次導関数の極小値となる所として自動的に計算する方法により、クラウン幅を決定する。トレッド断面形状測定装置等によって測定したトレッド幅方向におけるトレッド厚みの測定結果から、トレッド厚み(Y座標)を幅方向(X座標)を変数とする関数{Y=f(X)}を求め、この関数を2回微分して二次導関数を算出し、この二次導関数の特定範囲(トレッドのサイド領域すなわちウイングチップ部とキャップ部の境界領域)において極小値を取る部分をトレッドの変曲点として求める。この変曲点をウイングチップ部とキャップ部の境界点として、両側の境界点の間がキャップ部であり、両側の境界点間距離がクラウン幅となる。
図4は、本発明のトレッド厚みの変曲点を求める方法を説明する図で、トレッド断面形状、一次導関数および二次導関数をまとめた図である。横軸(X軸)はトレッド幅方向であり、縦軸(Y軸)はトレッド厚みを示す。Aの曲線は、トレッド断面形状測定装置等によってトレッド幅方向におけるトレッド厚みの測定結果から求めたトレッド断面形状曲線であり、複数の測定データから求めた近似曲線である。測定データを増やすことにより実際の曲線に近い関数を得ることができる。従って連続曲線ならさらに良い近似曲線を求めることが可能である。この曲線をY=f(X)とする。この曲線を微分したものがBの曲線であり一次導関数曲線である。(すなわち、曲線Bは、dY/dx=df(X)/dxである。)トレッドの両サイドに大きな変化が出ていることが分かるが、この曲線だけからはどの部分で大きく変曲しているか正確には分かりにくい。尚、トレッドの中心付近の大きな極小値を示す変曲点は中心位置確認のためにトレッド中心位置に施したマーキングである。
そこで、この一次導関数をさらに微分した二次導関数曲線がCである。(すなわち、曲線Cは、dY/dx=df(X) /dxである。)二次導関数では移動平均をとっているので、この二次導関数曲線Cから変曲点を求めることができる。すなわち、ショルダー位置になる部分(ウイングチップ部とキャップ部の境界点)において二次導関数は極小値をとる。曲線A、B、Cを並べて見れば、トレッド断面形状曲線Aの変曲点はEおよびFであることは即座に分かるが、曲線C全体だけから判別するには他の変曲点もあるのでどの極小点か判別が難しい。すなわち、二次導関数の極小値を求める範囲をトレッドの全範囲にすると、トレッドパターン等の凹凸やマーキングのための凹凸により別の極小値が幾つか存在し、ショルダー位置における極小値との判別が難しい。
そこで、図5はショルダー位置における極小値を算出するための限定範囲を示す図であるが、この図5に示すように、上記のショルダー位置とは無関係な凹凸によって生じる極小値を除くため、予め仕様で規定したウイングチップ部とキャップ部との境界からX方向に一定範囲(たとえば、±10mm)に限定して二次導関数の極小値を求める。図5において曲線Aは測定結果から描いた曲線である。実際に仕様値からの境界のズレはこの範囲内(たとえば、±10mm)におさまるので、測定結果から得られた近似曲線Aの二次導関数Cにおける極小値EおよびFもこの範囲内(たとえば、±10mm)に入り、正確な境界を求めることができる。
以上のような方法で、自動計算により二次導関数曲線Cから変曲点EおよびFを求めることができ、クラウン幅Wcr-1を正確に求めることができる。実際に光学方式や触針式のトレッド断面形状測定装置を用いれば、測定から変曲点算出しクラウン幅決定、さらにはクラウン幅の判定やトレッド厚みの仕様との比較まで、すべての検定処理は自動的にコンピューター等を用いて行なうことができる。従って検定処理が極めて迅速にしかも正確に行なうことができるので、トレッドの検定効率も向上し、トレッドの生産性も上がる。
以上説明したように、本発明は、タイヤトレッドの所定位置におけるトレッド厚みを検定する方法において、タイヤトレッドの幅方向の位置および当該位置におけるトレッド厚みの測定結果からタイヤトレッドのクラウン幅(実クラウン幅)を求めるステップ、仕様上のクラウン幅(仕様クラウン幅)および実クラウン幅からクラウン幅変化率を<実クラウン幅/仕様クラウン幅>として求めるステップ、クラウン幅変化率を用いて仕様上のトレッド検定箇所に対応するタイヤトレッドの幅方向の検定位置(実トレッド幅方向検定位置)を求めて、トレッド検定箇所を補正するステップ、および仕様上の検定箇所に対応する補正された実トレッド幅方向検定位置におけるトレッド厚みと仕様上の検定箇所における仕様上のトレッド厚みとを比較し検定するステップを含むことを特徴とするタイヤトレッド厚み検定方法であり、さらに実クラウン幅を求めるステップは、タイヤトレッドの幅および厚みの測定結果から、タイヤトレッドの厚みをタイヤトレッドの幅を変数とする関数で表し、この関数の二次導関数の極小値を与えるタイヤトレッド幅方向の位置(実トレッド幅方向位置)をトレッドの両サイドの2箇所で求め、さらにこの極小値となるタイヤトレッドの両サイドにおける2箇所の間隔を実クラウン幅とすることを特徴とする。
本発明のタイヤトレッド厚み検定方法を用いることにより、作製したトレッドにおけるクラウン幅と仕様のクラウン幅との間に差があっても誤判定を行なうことがなくなり、また形状測定装置を用いたトレッド断面形状の判定を高精度で行なうことが可能となる。尚、明細書のある部分に記載し説明した内容を記載しなかった他の部分においても矛盾なく適用できることに関しては、当該他の部分に当該内容を適用できることも言うまでもない。さらに、上記に説明した実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施でき、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことも言うまでもない。
本発明は、タイヤトレッドの厚み検定方法以外にもタイヤに使用される帯状部材の厚み検定に適用することができる。

Claims (5)

  1. タイヤトレッドの所定位置におけるトレッド厚みを検定する方法において、
    タイヤトレッドの幅方向の位置および当該位置におけるトレッド厚みの測定結果から前記タイヤトレッドのクラウン幅(実クラウン幅)を求めるステップ、
    仕様上のクラウン幅(仕様クラウン幅)および前記実クラウン幅からクラウン幅変化率を<実クラウン幅/仕様クラウン幅>として求めるステップ、
    前記クラウン幅変化率を用いて仕様上のトレッド検定箇所に対応する前記タイヤトレッドの幅方向における検定位置(実トレッド幅方向検定位置)を求めて、トレッド検定箇所を補正するステップ、および
    前記仕様上の検定箇所に対応する補正された実トレッド幅方向検定位置におけるトレッド厚みと前記仕様上の検定箇所における仕様上のトレッド厚みとを比較し検定するステップ、
    を含むことを特徴とする、タイヤトレッド厚み検定方法。
  2. 前記実クラウン幅を求めるステップにおいて、
    タイヤトレッドの幅および厚みの前記測定結果から、タイヤトレッドの厚みをタイヤトレッドの幅を変数とする関数で表し、前記関数の二次導関数の極小値を与えるタイヤトレッド幅方向の位置をトレッドの両サイドの2箇所で求め、さらに前記極小値となるタイヤトレッドの両サイドにおける前記2箇所の間隔を実クラウン幅とすることを特徴とする、請求項1に記載のタイヤトレッド厚み検定方法。
  3. 前記関数の二次導関数の極小値を与えるタイヤトレッド幅方向の位置を求めるステップにおいて、極小値を求める範囲を仕様で規定したショルダー位置から±10mm以内とすることを特徴とする、請求項2に記載のタイヤトレッド厚み検定方法。
  4. 仕様上のトレッド中心位置と測定結果に基づくトレッド中心位置を一致させて実トレッド幅方向検定位置を求めることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかの項に記載のタイヤトレッド厚み検定方法。
  5. 前記仕様上の検定箇所に対応する実トレッド幅方向検定位置は、仕様上のトレッド中心位置から仕様上の検定箇所までの距離に前記クラウン幅変化率を乗じて求めることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかの項に記載のタイヤトレッド厚み検定方法。



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