JP7189828B2 - 表面検査装置および表面検査方法 - Google Patents

表面検査装置および表面検査方法 Download PDF

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Description

本発明は、被検査体の表面を検査する装置とその方法に関する。
ダイカスト鋳造は、アルミニウム合金などの溶融金属を精密な金型に圧入して、薄肉で強度の高い鋳物を成形する鋳造方式である。ダイカスト鋳造などの射出成形法により製造された成形品には、製品自体の反りや表面の傷など、製品の外観、形状、及び寸法に関わる不良が発生することがある。このため、ダイカスト鋳造の製造プロセスにおいては、一般に、外観検査や寸法検査が実施される。従来、このような成形品の外観検査は、検査員の目視検査や外観検査装置によって行われる。
特許文献1には、従来の外観検査装置の例が記載されている。特許文献1に記載の外観検査装置は、成形品の外観画像を取得し、得られた画像を予め定められたアルゴリズムで処理して成形品に生じている欠陥の位置や大きさ等の欠陥情報を数値化して出力するとともに、成形品の良、不良を判別する。
特開平4-177107号公報
ダイカスト鋳造では、高温高圧下で金型を使用するため、金型の使用回数の増加に伴い、金型に欠けなどの変形が生じて金型が損傷することがある。金型に変形が生じると、成形品は金型の変形を反映して理想形状と異なる形状になる。例えば、金型に欠けがあると、金型が欠けた部分に溶融金属が充填されるため、成形品は、理想形状に対して膨らんだ形状になる。金型に損傷があると成形品に大量の不良が連続して発生することがあるため、金型は定期的に点検される。また、外観検査や寸法検査において成形品の形状不良が発見した場合にも、金型が点検される。点検により金型の損傷が進んでいると判断された場合には、金型の補修や交換が行なわれる。
金型の損傷が生じてから金型の補修や交換を行うまでは、成形品に連続して不良が発生する。このため、金型の損傷を早期に発見し、金型の補修や交換を適切な時期に実施する必要がある。しかしながら、金型の点検周期を短くすると、点検の回数が増え、コストが増大するとともに、点検のために生産設備を停止する時間が増加し、成形品の生産数が低下する。生産性の向上のためには、生産設備を停止することなく、金型の損傷を自動で検知できることが望ましい。
金型は、健全な成形品(良品または健全品)を製造していても、損傷していることがある。このような金型を用いると、やがて成形品に大量の不良が発生する恐れがある。このため、不良が発生した成形品(不良品)の製造を未然に防止するには、金型の損傷を早期に検知するのが望ましい。
特許文献1に記載の外観検査装置は、成形品の良、不良を表す判別情報をリアルタイムでディスプレイに表示することで、生産設備を停止することなく成形品の不良発生を検知し、不良品の発生頻度が高くなった場合の対策を速やかに講じることができる。しかし、特許文献1に記載の外観検査装置は、金型の損傷を検知できず、不良品の発生を未然に防止することができない。
本発明は、生産設備を停止することなく、金型の損傷を自動で検知できる表面検査装置および表面検査方法を提供することを目的とする。
本発明による表面検査装置は、金型で製造された被検査体の表面形状を取得するデータ取得部と、前記被検査体の全ての表面について、前記被検査体の前記表面形状と前記被検査体の基準形状との差分値を求める形状差分演算部と、前記差分値を用いて前記被検査体が健全品であるか否かを判定する表面データ判定部と、健全品と判定された前記被検査体の全ての表面についての前記基準形状に対する前記表面形状のばらつきの大きさを示す値を前記差分値のばらつき指標とし、前記ばらつき指標を用いて前記金型に損傷があるか否かを判定する金型損傷判定部を備える。
本発明によると、生産設備を停止することなく、金型の損傷を自動で検知できる表面検査装置および表面検査方法を提供することができる。
本発明の実施例1による表面検査装置のシステム構成図である。 データ取得部の模式図である。 本発明の実施例1による表面検査方法の一連の手順を示すフローチャートである。 金型に損傷があるか否かの判定の手順を示すフローチャートである。 差分値のばらつき指標を説明する図である。 金型の使用回数に対する差分値のばらつき指標の変化を示す図である。 金型の損傷パターンと、それぞれの損傷パターンに対する被検査体の形状と差分値のヒストグラムを示す図である。
本発明による表面検査装置と表面検査方法は、生産設備を停止することなく、成形品(被検査体)の検査をしつつ金型の損傷を自動で検知することができ、成形品に不良が発生するのを未然に防止できる。金型は、健全品を製造していても、損傷していることがある。本発明では、健全品と判定された成形品の形状から金型の損傷を検知するので、金型の損傷を早期に検知し、不良品の発生を未然に防止できる。また、本発明による表面検査装置と表面検査方法は、金型の補修や交換を検査員に適切に指示することができるので、金型に起因する不良品の発生を低減して、製品信頼性の向上とロスコストの低減が可能である。
本発明は、例えば、ダイカスト鋳造等により成形された鋳造品の表面を検査する装置と方法に用いることができる。
以下、本発明の実施例による表面検査装置と表面検査方法を、図面を用いて説明する。なお、本明細書で用いる図面において、同一のまたは対応する構成要素には同一の符号を付け、これらの構成要素については繰り返しの説明を省略する場合がある。
図1は、本発明の実施例1による表面検査装置のシステム構成図である。表面検査装置1は、データ取得部2、形状差分演算部3、表面データ判定部4、金型損傷判定部5、及び表示装置10を備え、被検査体の表面を検査するとともに、被検査体を製造した金型の損傷を自動で検知する。
データ取得部2は、金型で製造された被検査体の表面形状を取得し、取得した表面形状のデータである表面データ6を形状差分演算部3に出力する。データ取得部2は、被検査体の全ての表面についての表面形状を取得して表面データ6を得て、被検査体の全表面を検査する。
形状差分演算部3は、被検査体の全ての表面について、被検査体の表面データ6を用いて被検査体の表面形状と被検査体の基準形状との差分値7を求め、求めた差分値7を表面データ判定部4に出力する。差分値7は、被検査体の表面形状と被検査体の基準形状との差分の値の絶対値(大きさ)である。被検査体の基準形状のデータは、例えば健全品や設計データから得られた、被検査体の表面形状についての基準となるデータである。
表面データ判定部4は、被検査体の表面形状と被検査体の基準形状との差分値7を用いて被検査体が健全品であるか否か(すなわち、良品であるか不良品であるか)を判定し、判定結果を表示装置10に出力するとともに、健全品と判定された被検査体の差分値8を金型損傷判定部5に出力する。差分値8は、差分値7と同様に、差分の値の絶対値(大きさ)である。
金型損傷判定部5は、健全品と判定された被検査体の差分値8に基づいて、金型に損傷があるか否かを判定し、判定結果を表示装置10に出力する。
表示装置10は、表面データ判定部4と金型損傷判定部5の判定結果や、表面検査装置1が取得したデータや演算した結果を表示する。
図2は、データ取得部2の模式図である。データ取得部2は、撮像機201、ロボット202、検査ステージ203、及び搬送機構204を備える。
撮像機201は、例えば3Dスキャナー、レーザ変位計、及びカメラなどの光学測定機であり、ロボット202の先端に設置される。撮像機201は、被検査体101を撮像することにより、被検査体101の表面形状を検出して取得し、被検査体101の表面データ6を得ることができる。
ロボット202は、撮像機201が様々な角度から被検査体101を撮像できるように、撮像機201の位置と角度を調整できる。これにより、データ取得部2は、複数台の撮像機201を備える必要がない。
検査ステージ203は、被検査体101を載置する。被検査体101は、検査員の手によって、または被検査体101を把持するロボットや多関節アームなどを用いて、検査ステージ203に載置される。検査ステージ203は、撮像機201の位置と角度を固定したままで被検査体101の位置と角度を調整できる機構を備えることもできる。
搬送機構204は、検査ステージ203に載置された被検査体101を、撮像機201の撮像範囲内に移動させる。
撮像機201が、レーザ変位計などの、光切断法によって被検査体101の表面形状を取得する測定機である場合には、被検査体101に対して撮像機201を相対移動させて被検査体101を撮像する。このとき、ロボット202によって撮像機201を移動させてもよく、検査ステージ203に設けた走査機構によって被検査体101を移動させてもよい。
検査ステージ203は、図2に示していないが、被検査体101の位置と角度を固定するための機構や、被検査体101が位置と角度が正しく載置されていることを確認するためのセンサを備えてもよい。検査ステージ203は、被検査体101の大きさと形状に合わせて被検査体101を固定する部材を、着脱可能に備えることもできる。検査ステージ203がこのような部材を着脱可能であることにより、データ取得部2は、複数品種の被検査体101に対して表面データ6を得ることができる。
なお、撮像機201が、被検査体101の検査ステージ203に接している表面を撮像できず、被検査体101のこの表面の表面データ6を取得できない場合がある。この場合には、被検査体101を把持するロボットや多関節アームなどを用いて、被検査体101の位置や角度を変更したり、被検査体101を持ち上げて検査ステージ203から離したりすることにより、被検査体101のこの表面を撮像して表面データ6を取得することができる。これにより、データ取得部2は、被検査体101の全表面の表面データ6を取得し、被検査体101の全表面を検査することができる。
形状差分演算部3、表面データ判定部4、及び金型損傷判定部5は、コンピュータで構成される。このコンピュータは、各種データ及び処理結果等を用いた演算を行うためのCPU等の演算装置と、各種データ及び処理結果等を記憶するためのHDD等の記憶装置を備える。演算装置は、記憶装置に記憶したプログラムに従ってデータ処理を行う。また、このコンピュータは、表面データ判定部4と金型損傷判定部5の判定結果など、演算装置のデータ処理結果を表示装置10に表示することができる。
形状差分演算部3は、被検査体101の表面データ6と記憶装置に記憶された被検査体101の基準形状のデータとの差分を求める演算処理を行うことで、被検査体101の表面形状と基準形状との差分値7を求める。形状差分演算部3は、求めた差分値7を表面データ判定部4に出力する。
表面データ判定部4は、形状差分演算部3が求めた、被検査体101の表面形状と基準形状との差分値7に基づいて、被検査体101に欠陥があるか否かを判定し、被検査体101が健全品か不良品かを判定する。表面データ判定部4は、健全品と判定した被検査体101の差分値8を金型損傷判定部5に出力する。
金型損傷判定部5は、表面データ判定部4が健全品と判定した被検査体101の差分値8を用いて、金型に損傷があるか否かを判定する。
図3は、本実施例による表面検査方法の一連の手順を示すフローチャートである。本実施例による表面検査方法は、本実施例による表面検査装置1が実行する。
ステップS11で、データ取得部2は、被検査体101の全表面の表面データ6を取得する。
ステップS12で、データ取得部2は、ステップS11で取得した表面データ6を記憶装置に記憶する。
ステップS13で、形状差分演算部3は、被検査体101の表面データ6と被検査体101の基準形状のデータとの差分を求める演算処理を行い、被検査体101の表面形状と基準形状との差分値7を求める。形状差分演算部3は、例えば、被検査体101の品種、被検査体101を特定するための番号、または被検査体101の表面の番号を用いて、それぞれの表面データ6に対応する基準形状のデータを記憶装置から取得し、被検査体101の全ての表面について、被検査体101の表面形状と基準形状との差分値7を求める。差分値7は、例えば、表面データ6とこれに対応する基準形状のデータとで最近傍点間距離を計算して求めることができる。
なお、差分値7を求める前には、被検査体101の表面形状と基準形状との間で表面の位置や姿勢のずれを調整するため、表面データ6と基準形状のデータとの間で表面の位置合わせを行う。位置合わせでは、例えばICPアルゴリズムを用いて、表面データ6の点群と基準形状のデータの点群との間の最近傍点間距離の二乗誤差を最小にするような処理を行う。
ステップS14で、表面データ判定部4は、ステップS13で求めた、被検査体101の表面形状と基準形状との差分値7を基に、被検査体101に欠陥があるか否かを判定する。表面データ判定部4は、被検査体101のそれぞれの表面について、差分値7が閾値より大きければ、その表面に欠陥があると判定し、差分値7が閾値以下であれば、その表面に欠陥がないと判定する。この閾値は、予め任意に定めることができる。表面データ判定部4は、被検査体101の全ての表面について欠陥の有無を判定し、全ての表面に欠陥がなければ、被検査体101に欠陥がないと判定し、少なくとも1つの表面に欠陥があれば、被検査体101に欠陥があると判定する。
ステップS14で、被検査体101に欠陥がある(すなわち、被検査体101は不良品である)と判定した場合は、ステップS15に進み、被検査体101に欠陥がない(すなわち、被検査体101は健全品である)と判定した場合は、ステップS16とステップS17に進む。
ステップS15は、表面データ判定部4が被検査体101に欠陥があると判定した場合の処理である。ステップS15で、表面データ判定部4は、被検査体101に欠陥があり、被検査体101は不良品であるという判定結果を表示装置10に出力する。
ステップS16は、表面データ判定部4が被検査体101に欠陥がないと判定した場合の処理である。ステップS16で、表面データ判定部4は、被検査体101に欠陥がなく、被検査体101は健全品であるという判定結果を表示装置10に出力する。
ステップS17は、表面データ判定部4が被検査体101に欠陥がないと判定した場合の処理である。ステップS17で、金型損傷判定部5は、S13で取得した被検査体101の表面形状と基準形状との差分値7、すなわち健全品と判定された被検査体101の差分値8を基に、金型に損傷があるか否かを判定する。金型損傷判定部5が行う判定については、図4を用いて後述する。
ステップS18で、表面データ判定部4と金型損傷判定部5は、それぞれの判定結果を記憶装置に記憶する。記憶装置は、表面検査装置1のその他の演算結果も記憶することができる。
図4は、金型損傷判定部5が行う、金型に損傷があるか否かの判定の手順を示すフローチャートである。
ステップS21で、金型損傷判定部5は、健全品と判定された被検査体101の全ての表面についての差分値8から、差分値8のばらつき指標を演算して求める。このばらつき指標については、図5を用いて後述する。
ステップS22で、金型損傷判定部5は、ステップS21で求めた差分値8のばらつき指標を用いて、金型に損傷があるか否かを判定する。この判定については、図6を用いて後述する。
ステップS22で、金型に損傷があると判定した場合は、ステップS23とステップS24に進み、金型に損傷がないと判定した場合は、ステップS25に進む。
ステップS23は、金型損傷判定部5が金型に損傷があると判定した場合の処理である。ステップS23で、金型損傷判定部5は、金型に損傷があるという判定結果を表示装置10に出力する。
ステップS24は、金型損傷判定部5が金型に損傷があると判定した場合の処理である。金型損傷判定部5は、金型の補修または交換の指示を表示装置10に出力する。
ステップS25は、金型損傷判定部5が金型に損傷がないと判定した場合の処理である。ステップS25で、金型損傷判定部5は、金型に損傷がないという判定結果を表示装置10に出力する。
図5は、金型損傷判定部5が求める、差分値8のばらつき指標を説明する図である。
図5の上段には、健全品と判定された被検査体101の全ての表面についての、表面形状と基準形状との差分値8の分布を、金型に損傷がないと判定された被検査体101と、金型に損傷があると判定された被検査体101に対して示している。金型に損傷がないと判定された被検査体101では、被検査体101の全体に値の比較的小さい差分値8aが分布している。一方、金型に損傷があると判定された被検査体101では、金型の形状を反映して、損傷がない部分に値の比較的小さい差分値8aが分布しており、損傷がある部分に値の比較的大きい差分値8bが分布している。
図5の下段には、健全品と判定された被検査体101の全ての表面についての、表面形状と基準形状との差分値8の度数分布を示すヒストグラムを、金型に損傷がないと判定された被検査体101と、金型に損傷があると判定された被検査体101に対して示している。ヒストグラムの横軸は、差分値8であり、縦軸は、データの数(度数)でる。
差分値8のばらつき指標は、健全品と判定された被検査体101の全ての表面についての、表面形状と基準形状との差分値8のばらつきの大きさ、すなわち、基準形状(基準形状のデータ)に対する表面形状(表面データ6)のばらつきの大きさを示す値である。このばらつきの大きさは、例えば、ヒストグラムの幅で表すことができる。
そこで、本実施例では、差分値8のばらつき指標として、差分値8の度数分布を示すヒストグラムの幅で表す。ヒストグラムの幅は、例えば、差分値8の標準偏差、分散、半値幅、及び95%信頼区間の長さなどを用いて、任意に定めることができる。本実施例では、図5の下段に示すように、差分値8のばらつき指標であるヒストグラムの幅として標準偏差σを用いる。
金型損傷判定部5は、健全品と判定された被検査体101の全ての表面についての差分値8のヒストグラムから、標準偏差σを求める。
図5の下段に示すように、金型に損傷があると判定された被検査体101では、金型に損傷がないと判定された被検査体101に比べて、差分値8のばらつき指標(ヒストグラムの幅)である標準偏差σが大きい。これは、図5の上段に示したように、金型に損傷があると判定された被検査体101では、損傷がある部分に値の比較的大きい差分値8bが分布しているためである。
図6は、金型の使用回数に対する差分値8のばらつき指標の変化を示す図である。図6では、一例として、ばらつき指標に標準偏差σを用いている。金型の使用回数が増加すると、金型に摩耗や欠けなどの変形が生じたり変形が大きくなったりして金型が損傷することがある。このため、金型の使用回数の増加とともに、健全品と判定された被検査体101でも表面形状と基準形状との差分値8が大きくなり、差分値8のばらつき指標(標準偏差σ)が大きくなっていく。
金型損傷判定部5は、金型の使用回数に対する差分値8のばらつき指標(標準偏差σ)の変化を連続的に監視し、ばらつき指標が閾値より大きくなったら、金型に損傷があると判定する。この閾値は、予め任意に定めることができる。図6に示す例では、金型損傷判定部5は、金型の使用回数がNのときに、金型に損傷があると判定する。
金型損傷判定部5は、差分値8のばらつき指標の変化を連続的に監視し、ばらつき指標が閾値を超えたタイミングを検知することで、金型の損傷を早期に発見し、金型の補修または交換を検査員に指示することができる。検査員は、この指示に従い、金型の補修または交換を適切な時期に実施することができる。
本実施例による表面検査装置と表面検査方法は、このようにして、生産設備を停止することなく、被検査体101の検査をしつつ金型の損傷を自動で検知することができ、成形品に不良が発生するのを未然に防止できる。したがって、本実施例による表面検査装置と表面検査方法は、金型に起因する不良品の発生と金型の点検コストを低減でき、製品信頼性の向上とロスコストの低減が可能である。
本発明の実施例2による表面検査装置と表面検査方法を、図7を参照して説明する。本実施例が実施例1と異なるのは、金型損傷判定部5が、金型に損傷があると判定した場合に、健全品と判定された被検査体101の全ての表面についての差分値8の度数分布を示すヒストグラムを用いて、金型の損傷パターン(損傷の種類)を求める点である。
実施例1で説明したように、金型に損傷があると、損傷パターンによらず、金型に損傷がない場合に比べて差分値8のばらつき指標(ヒストグラムの幅)が大きくなる。本実施例では、金型の損傷パターンによって、差分値8のヒストグラムの形状が異なることに着目し、差分値8のヒストグラムの形状に基づいて金型の損傷パターンを求める。具体的には、差分値8のヒストグラムのピークを検出し、検出したピークの数、高さ、幅、間隔、位置、半値幅、及びベースラインのうちの少なくとも1つを用いて、金型の損傷パターンを判定する。
金型損傷判定部5は、図4に示したステップS23で、差分値8のヒストグラムのピークを検出し、検出したピークの数、高さ、幅、間隔、位置、半値幅、及びベースラインのうちの少なくとも1つを用いて金型の損傷パターンを判定する。金型損傷判定部5は、求めた金型の損傷パターンを記憶装置に記憶し、表示装置10に出力する。
金型損傷判定部5は、差分値8のヒストグラムのピークを、ヒストグラムをガウス関数などの関数でフィッティングすることにより検出する。例えば、金型損傷判定部5は、ガウス関数でヒストグラムをフィッティングする場合には、ピークの位置、ピークの半値幅、及びピークのベースラインをフィッティング関数の変数とし、差分値8のヒストグラムとフィッティング関数の差の最小二乗和が最小になるように変数を決定する。フィッティングには複数のガウス関数を用いてもよい。
金型損傷判定部5は、フィッティングの結果得られた、ピークの数、ピークの幅、ピークの高さ、及びピークの間隔のうちの少なくとも1つを用いて、金型の損傷パターンを判定する。例えば、金型損傷判定部5は、検出したピークの数が1個の場合、ピークの幅を算出し、ピークの幅が予め定めた閾値より大きい場合に、金型の損傷パターンを反りと判定する。また、金型損傷判定部5は、検出したピークの数が複数個の場合、高さが最大のピークを除く各ピークについて高さを算出し、このピークの高さの最大値が予め定めた閾値を超えた場合に、金型の損傷パターンを摩耗または欠けと判定する。
図7は、金型の損傷パターンと、それぞれの損傷パターンに対する被検査体101の形状と差分値8のヒストグラムを示す図である。図7には、比較のために、金型に損傷がないと判定された被検査体101についても、被検査体101の形状と差分値8のヒストグラムを示している。
金型の損傷が反りである場合には、金型の形状を反映して被検査体101(成形品)も反りを持つ形状になる。したがって、反りのある金型で成形された被検査体101では、表面形状の基準形状との差分値8が反りによって大きくなり、金型に損傷がない場合に比べて、差分値8のばらつき指標(例えば、標準偏差σで表されたヒストグラムの幅)が大きい。この場合には、差分値8のヒストグラムは、1個のピークを持つ。
金型損傷判定部5は、上述したように、差分値8のヒストグラムが1個のピークを持つ場合には、ピークの幅が予め定めた閾値より大きいと、金型の損傷パターンを反りと判定する。
金型の損傷が摩耗または欠けである場合には、金型の摩耗または欠けが発生した部分に溶融金属が充填されるため、被検査体101(成形品)は基準形状に対して膨らんだ部分を持つ形状となる。したがって、摩耗または欠けのある金型で成形された被検査体101では、表面形状の基準形状との差分値8が摩耗または欠けの発生箇所で局所的に大きくなり、差分値8のヒストグラムは、幅(例えば、差分値8のばらつき指標である標準偏差σ)が金型に損傷がない場合に比べて大きく、金型に損傷がない場合には見られなかったピークを持つ。すなわち、金型の損傷が摩耗または欠けである場合には、差分値8のヒストグラムは、複数のピークを持つ。
金型損傷判定部5は、上述したように、差分値8のヒストグラムが複数のピークを持つ場合には、高さが最大のピークを除くピークの高さの最大値が予め定めた閾値を超えた場合に、金型の損傷パターンを摩耗または欠けと判定する。
さらに、金型損傷判定部5は、差分値8のヒストグラムが複数のピークを持つ場合には、ピークの間隔を用いて、金型の損傷が欠けであると判定することもできる。ピークの間隔が大きいと、被検査体101には差分値8が不連続に大きくなる部分があるので、金型には不連続に大きな変形が起きている部分、すなわち欠けている部分がある可能性が高い。したがって、金型損傷判定部5は、ピークの間隔が予め定めた閾値より大きい場合には、金型の損傷が欠けであると判定することもできる。ピークの間隔が予め定めた閾値より小さいと、金型に変形が連続的に起きているので、金型の損傷が摩耗または欠けであると推測できる。
本実施例による表面検査装置と表面検査方法は、以上のようにして、差分値8のヒストグラムのピークを検出し、得られたピークの数、ピークの幅、ピークの高さ、及びピークの間隔のうちの少なくとも1つを用いて、金型の損傷パターンを自動的に求めることができる。これにより、検査員は、金型の損傷を発見したときに金型の損傷パターンも把握できるので、金型の補修や修理を実施する際に適切な処置を迅速に行うことができる。
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記の実施例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、本発明は、必ずしも説明した全ての構成を備える態様に限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、削除したり、他の構成を追加・置換したりすることが可能である。
1…表面検査装置、2…データ取得部、3…形状差分演算部、4…表面データ判定部、5…金型損傷判定部、6…被検査体の表面データ、7…被検査体の表面形状と基準形状との差分値、8…健全品と判定された被検査体の差分値、8a…値の比較的小さい差分値、8b…値の比較的大きい差分値、10…表示装置、101…被検査体、201…撮像機、202…ロボット、203…検査ステージ、204…搬送機構。

Claims (6)

  1. 金型で製造された被検査体の表面形状を取得するデータ取得部と、
    前記被検査体の全ての表面について、前記被検査体の前記表面形状と前記被検査体の基準形状との差分値を求める形状差分演算部と、
    前記差分値を用いて前記被検査体が健全品であるか否かを判定する表面データ判定部と、
    健全品と判定された前記被検査体の全ての表面についての前記基準形状に対する前記表面形状のばらつきの大きさを示す値を前記差分値のばらつき指標とし、前記ばらつき指標を用いて前記金型に損傷があるか否かを判定する金型損傷判定部と、
    を備え、
    前記金型損傷判定部は、前記金型に損傷があると判定した場合に、健全品と判定された前記被検査体の全ての表面についての前記差分値の度数分布を示すヒストグラムの形状に基づき、前記金型の損傷パターンを求め、
    前記金型損傷判定部は、前記ヒストグラムのピークの数が1個で、前記ピークの幅が予め定めた閾値より大きい場合には、前記金型の損傷パターンを反りと判定する、
    ことを特徴とする表面検査装置。
  2. 金型で製造された被検査体の表面形状を取得するデータ取得部と、
    前記被検査体の全ての表面について、前記被検査体の前記表面形状と前記被検査体の基準形状との差分値を求める形状差分演算部と、
    前記差分値を用いて前記被検査体が健全品であるか否かを判定する表面データ判定部と、
    健全品と判定された前記被検査体の全ての表面についての前記基準形状に対する前記表面形状のばらつきの大きさを示す値を前記差分値のばらつき指標とし、前記ばらつき指標を用いて前記金型に損傷があるか否かを判定する金型損傷判定部と、
    を備え、
    前記金型損傷判定部は、前記金型に損傷があると判定した場合に、健全品と判定された前記被検査体の全ての表面についての前記差分値の度数分布を示すヒストグラムの形状に基づき、前記金型の損傷パターンを求め、
    前記金型損傷判定部は、前記ヒストグラムのピークの数が複数で、高さが最大の前記ピークを除く前記ピークの高さの最大値が予め定めた閾値を超えた場合には、前記金型の損傷パターンを摩耗または欠けと判定する、
    ことを特徴とする表面検査装置。
  3. 前記金型損傷判定部は、前記ばらつき指標が予め定めた閾値より大きいと、前記金型に損傷があると判定する、
    請求項1または2に記載の表面検査装置。
  4. 金型で製造された被検査体の表面形状を取得するデータ取得ステップと、
    前記被検査体の全ての表面について、前記被検査体の前記表面形状と前記被検査体の基準形状との差分値を求める形状差分演算ステップと、
    前記差分値を用いて前記被検査体が健全品であるか否かを判定する表面データ判定ステップと、
    健全品と判定された前記被検査体の全ての表面についての前記基準形状に対する前記表面形状のばらつきの大きさを示す値を前記差分値のばらつき指標とし、前記ばらつき指標を用いて前記金型に損傷があるか否かを判定する金型損傷判定ステップと、
    を備え、
    前記金型損傷判定ステップでは、前記金型に損傷があると判定した場合に、健全品と判定された前記被検査体の全ての表面についての前記差分値の度数分布を示すヒストグラムの形状に基づき、前記金型の損傷パターンを求め、
    前記金型損傷判定ステップでは、前記ヒストグラムのピークの数が1個で、前記ピークの幅が予め定めた閾値より大きい場合には、前記金型の損傷パターンを反りと判定する、
    ことを特徴とする表面検査方法。
  5. 金型で製造された被検査体の表面形状を取得するデータ取得ステップと、
    前記被検査体の全ての表面について、前記被検査体の前記表面形状と前記被検査体の基準形状との差分値を求める形状差分演算ステップと
    前記差分値を用いて前記被検査体が健全品であるか否かを判定する表面データ判定ステップと、
    健全品と判定された前記被検査体の全ての表面についての前記基準形状に対する前記表面形状のばらつきの大きさを示す値を前記差分値のばらつき指標とし、前記ばらつき指標を用いて前記金型に損傷があるか否かを判定する金型損傷判定ステップと、
    を備え、
    前記金型損傷判定ステップでは、前記金型に損傷があると判定した場合に、健全品と判定された前記被検査体の全ての表面についての前記差分値の度数分布を示すヒストグラムの形状に基づき、前記金型の損傷パターンを求め、
    前記金型損傷判定ステップでは、前記ヒストグラムのピークの数が複数個で、高さが最大の前記ピークを除く前記ピークの高さの最大値が予め定めた閾値を超えた場合には、前記金型の損傷パターンを摩耗または欠けと判定する、
    ことを特徴とする表面検査方法。
  6. 前記金型損傷判定ステップでは、前記ばらつき指標が予め定めた閾値より大きいと、前記金型に損傷があると判定する、
    請求項4または5に記載の表面検査方法。
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