JP2013037209A - 電気光学装置および電子機器、電気光学装置の駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電気光学装置は、第1基板としての素子基板10と、第2基板としての対向基板と、素子基板10と対向基板との間に電気光学物質と、素子基板10に温度検出用抵抗体13と、を備え、温度検出用抵抗体13は、素子基板10上において異なる配線層に形成された第1抵抗体11と第2抵抗体12とが電気的に直列接続されたものである。
【選択図】図3
Description
具体的には、該2点間に基準電圧を印加した際の降下電圧値を検出し、降下電圧値と基準電圧値とを比較して電圧降下量を求め、該電圧降下量から遮光マスクにおける該2点間の電気抵抗変化を求めて液晶温度を検出するとしている。
このような液晶駆動方法によれば、液晶表示パネルとは別にサーミスターなどの温度検出素子を設けて液晶駆動電圧を制御する場合に比べて、液晶により近く配置された遮光マスクを利用して液晶温度を検出するので、応答性がよく、より適切な液晶駆動電圧を供給することができるとしている。
したがって、単一の抵抗体に比べて、任意の2点の取り方によっては、温度と抵抗との関係が必ずしもリニア(直線的)にならず、温度変化に対して複雑な抵抗変化となるおそれがある。言い換えれば、抵抗変化を温度変化に置き換えるにあたり複雑なデータテーブルが必要となるおそれがある。
また、温度と抵抗との関係がリニアでなく、例えば液晶駆動電圧を変えたい閾値の温度に対してわずかな変化で抵抗が急激に変化する場合には、液晶駆動電圧が頻繁に変化して反って見難い表示状態になるおそれがあった。
この構成によれば、画素領域に温度検出用抵抗体が配置されるので、画素における電気光学物質の実際の温度変化に対応して適正な駆動が可能な電気光学装置を提供できる。
この構成によれば、画素領域における画素の構成の配置に係らず温度検出用抵抗体を配置できるので、例えば画素が高精細になっても温度変化に対応して適正な駆動が可能な電気光学装置を提供できる。
一般に熱容量を有する物体はその中心よりも外側の方が熱の放出が効率的に行われる。したがって、温度分布は中心と外側とで異なる場合が多い。
この構成によれば、温度検出用抵抗体を画素領域の中央領域とそれ以外の領域とに分けて形成しておくことで、画素領域における温度分布に対応して適正な駆動が可能な電気光学装置を提供できる。
この構成によれば、第1抵抗体および第2抵抗体を例えば遮光性を有する金属などの導電材料を用いて形成すれば、画素を区画する遮光部いわゆるブラックマトリックス(BM)として温度検出用抵抗体を機能させることができる。言い換えれば、温度検出用抵抗体とBMとを別々に形成する必要がないので、簡素な構成で温度変化に対応して適正な駆動が可能であると共に、見栄えのよい電気光学装置を提供できる。
この構成によれば、基板上において、第1抵抗体と第2抵抗体のうち少なくとも一方を直線的に引き回す場合に比べて、上記蛇行した部分を設けることにより電気抵抗をさらに高めることができる。
この構成によれば、蛇行した部分からの光漏れを遮光部によって遮光することができる。とりわけ、画素間に温度検出用抵抗体を配置する場合には、画素間からの光漏れによる表示品質の低下を防止することができる。
この構成によれば、電気光学物質(つまりは周囲)の温度変化に対応して適正な駆動が可能な電気光学装置を備えた電子機器を提供できる。
この方法によれば、電気光学物質(つまりは周囲)の温度変化に対応して適正な駆動が可能な電気光学装置の駆動方法を提供できる。
この方法によれば、温度変化に応じて適宜に駆動条件を切り替えることが可能になるので、駆動条件の頻繁な切り替えによって生じる例えばフリッカーなどの表示不具合を抑制することができる。
電気光学物質は温度によりその光学特性が必ずしもリニアに変化するとは限らない。したがって、階調表示を行わせる場合にも温度によって階調表示を行わせる駆動電圧の補正が必要となる。
この方法によれば、駆動用半導体装置が温度に対応して切り替える駆動条件のうちの一つとして駆動電圧の階調補正係数を採用することで、温度が変化しても適正な階調表示が可能な電気光学装置の駆動方法を提供することができる。
本実施形態では、電気光学装置として、薄膜トランジスター(Thin Film Transistor;TFT)を画素のスイッチング素子として備えたアクティブマトリックス型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)の光変調素子(液晶ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
本実施形態の液晶装置について、図1および図2を参照して説明する。図1(a)は液晶装置の構成を示す概略平面図、同図(b)は同図(a)のH−H’線で切った概略断面図、図2は液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。
なお、一対の基板間に液晶を封入する方法は、シール材40に設けられた注入口を利用する真空注入法に限らず、額縁状に配置されたシール材40の内側に所定量の液晶を滴下して、減圧下でシール材40を介して一対の基板を貼り合わせるODF(One Drop Fill)方式を採用することもできる。
以降、該1辺部に沿った方向をX方向とし、該1辺部と直交し互いに対向する他の2辺部に沿った方向をY方向として説明する。
また、TFT30における半導体層に光が入射して光リーク電流が流れ、不適切なスイッチング動作となることを防ぐ遮光構造が採用されている。
また、図1(b)では図示を省略しているが、画素電極15をスイッチング制御するTFT30と素子基板10との間には複数の配線層を有しており、該複数の配線層に跨って液晶層50の温度を検出するための温度検出用抵抗体13(図3参照)が設けられている。本実施形態における温度検出用抵抗体13の詳しい構成については後述する。
データ線6aはデータ線駆動回路101(図1参照)に接続されており、データ線駆動回路101から供給される画像信号D1,D2,…,Dnを画素Pに供給する。走査線3aは走査線駆動回路102(図1参照)に接続されており、走査線駆動回路102から供給される走査信号SC1,SC2,…,SCmを各画素Pに供給する。データ線駆動回路101からデータ線6aに供給される画像信号D1〜Dnは、この順に線順次で供給してもよく、互いに隣り合う複数のデータ線6a同士に対してグループごとに供給してもよい。走査線駆動回路102は、走査線3aに対して、走査信号SC1〜SCmを所定のタイミングでパルス的に線順次で供給する。
保持された画像信号D1〜Dnがリークするのを防止するため、画素電極15と対向電極23との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量16が接続されている。蓄積容量16は、TFT30のドレインと容量線3bとの間に設けられている。
また、第1抵抗体11と第2抵抗体12に用いられる金属材料は、同一であることが温度による抵抗変化をリニアとする点で好ましいが、異なる金属材料を用いてもよい。特に隣り合う画素Pの隙間がX方向とY方向とで同じであれば、第1抵抗体11と第2抵抗体12とをそれぞれ同じ幅で形成して、単位長さ当たりの電気抵抗を同じにすることができる。一方で該隙間がX方向とY方向とで異なる場合には、温度検出用抵抗体13をBMとして機能させると、第1抵抗体11と第2抵抗体12とでは幅が異なることになり、単位長さ当たりの電気抵抗が異なるおそれがある。その場合には、単位長さ当たりの電気抵抗が同じになるように、第1抵抗体11と第2抵抗体12とを構成する金属材料を異ならせることが挙げられる。
次に図4および図5を参照して液晶装置100の駆動方法について説明する。図4(a)は温度検出用抵抗体を利用して、液晶装置を駆動制御する電気的な構成を示す概略図、同図(b)は駆動用半導体装置におけるレジスタのアドレスと参照データとの関係を示す図である。図5は温度検出用抵抗体の実施例と比較例の温度と電気抵抗との関係を示すグラフである。
また、温度によって駆動電圧と画素Pにおける透過率との関係を示すVth曲線の傾きも変化する。したがって、液晶装置100(より好ましくは液晶層50)の温度によって、画素Pの画素電極15と対向電極23との間に適正な駆動電圧を与える必要がある。
本実施形態の液晶装置100では、温度検出用抵抗体13を構成する第1抵抗体11および第2抵抗体12として、Al(アルミニウム)を用い、各抵抗体(配線)の幅を3μm、厚みを300nmとして第1抵抗体11、第2抵抗体12をそれぞれ形成した。これにより各抵抗体(配線)の単位長さ当たりの電気抵抗は、33kΩ/mmとなった。
Alを用い、同一配線層において、その線幅を実施例と同じく3μm、厚みを300nmとして画素Pを区画する格子状の温度検出用抵抗体を形成した。比較例の温度検出用抵抗体における最も離れた2点間における電気抵抗は、実施例の温度検出用抵抗体13における電気抵抗の半分以下であった。
比較例の場合、温度変化に対する抵抗変化の割合が実施例に比べて小さいので、精度よく温度変化に対応して駆動条件を選択することが難しい。言い換えれば、実施例は、温度変化に対応して適正な駆動条件に切り替えることができる。
(1)液晶装置100は、素子基板10側の画素領域Eに温度検出用抵抗体13を備えている。温度検出用抵抗体13は、素子基板10の異なる配線層に形成された第1抵抗体11と第2抵抗体12とがコンタクトホールCNT1によって電気的に直列接続されたものである。したがって、同一配線層に第1抵抗体11と第2抵抗体12とを重ねた場合に比べて、温度検出用抵抗体13の電気抵抗が高くなり、温度変化に対する電気抵抗の変化の割合を高くできる。ゆえに、精度よく温度に対応して駆動条件を設定することができる。また、温度検出用抵抗体13における温度と電気抵抗との関係はリニア(直線的)であり、温度によって駆動条件を設定する場合の上記電気抵抗との関係が単純なため、従来に比べてコントロールIC107が参照するデータ構成が複雑にならずに済む。
(2)温度検出用抵抗体13を構成する第1抵抗体11と第2抵抗体12とは、画素Pを区画するように平面的に配置されている。例えば、第1抵抗体11と第2抵抗体12とを遮光性のAlなどの金属材料を用いて形成すれば、温度検出用抵抗体13をブラックマトリックス(BM)として機能させることができる。言い換えれば、別途BMを形成する必要が無く、簡素な構成で精度よく駆動条件を設定可能であると共に、見栄えがよい液晶装置100を提供できる。
(3)液晶装置100の駆動方法は、コントロールIC107が温度検出用抵抗体13によって検出された温度に対応したレジスタを参照して、駆動条件を自動的に切り替えるので、温度変化に対応させて安定した表示状態を維持することができる。
また、コントロールIC107は、駆動条件を切り替える温度変化の範囲を有しているので、温度変化を検出して頻繁に駆動条件を切り替える場合に比べて、駆動条件の切り替えによる例えばフリッカーなどの表示不具合が発生し難い。
(4)液晶装置100の駆動方法は、駆動条件の1つに階調表示における駆動電圧の温度に対応した階調補正係数を用いているので、見栄えのよい階調表示を行うことができる。
次に、第2実施形態の液晶装置について、図6を参照して説明する。図6(a)〜(d)は第2実施形態の液晶装置における温度検出用抵抗体の配置を示す概略平面図である。
第2実施形態は、第1実施形態に対して温度検出用抵抗体13の形成方法を異ならせたものである。したがって、第1実施形態と同じ構成は、同じ符号を付して詳細の説明は省略する。
その一方で、図6(b)に示すように、第1抵抗体11は、Y方向と直交するX方向に蛇行した部分11aを有している。第1抵抗体11の蛇行した部分11aに生じた隙間11bの位置と大きさに対応して、第2抵抗体12が設けられた配線層には、図6(c)に示すようなX方向に延在する遮光部12aが設けられている。したがって、図6(d)に示すように、平面視では蛇行した部分11aと遮光部12aとが重なり合う事によって、上記隙間11bから漏れる光は、遮光部12aによって遮光される。このような、蛇行した部分11aと遮光部12aとを有する構成は、第1抵抗体11に対してだけではなく、第2抵抗体12に対しても同様に行われている。すなわち、第1抵抗体11と第2抵抗体12とは、それぞれが延在する方向と交差する方向に蛇行した部分を有している。また、蛇行した部分に生じた隙間から漏れる光を遮光する遮光部が、蛇行した部分を有する抵抗体が設けられた配線層と異なる配線層に設けられている。
(4)第1抵抗体11および第2抵抗体12にそれぞれ蛇行した部分を設けることにより、上記第1実施形態に比べて温度検出用抵抗体13の電気抵抗をさらに高めることができる。すなわち、より精度よく温度に対応して駆動条件を選択可能な液晶装置100を実現できる。
(5)第1抵抗体11および第2抵抗体12のそれぞれを蛇行させることによって生ずる隙間は、蛇行した部分と異なる配線層に設けられた遮光部によって遮光されるので、当該隙間からの光漏れが防止される。
次に、第3実施形態の液晶装置について、図7を参照して説明する。図7は第3実施形態の液晶装置における温度検出用抵抗体の配置を示す概略平面図である。
第3実施形態は、第1実施形態に対して複数の温度検出用抵抗体を備えた例を示すものである。したがって、第1実施形態と同じ構成は、同じ符号を付して詳細の説明は省略する。
(6)画素領域Eにおいて、中央領域E1に対応して第1温度検出用抵抗体13cが設けられ、中央領域E1以外の周辺領域E2に対応して第2温度検出用抵抗体13dが設けられている。これにより、画素領域Eの温度分布に対応して、中央領域E1と周辺領域E2とをそれぞれ独立して駆動制御することができる。
(7)また、中央領域E1を囲む部分のうち、第1温度検出用抵抗体13cや第2温度検出用抵抗体13dによって画素Pを区画できない部分に遮光部14a,14bが設けられているので、画素Pは平面的に確実に区画される。
<電子機器>
図8は電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図である。図8に示すように、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置1000は、システム光軸Lに沿って配置された偏光照明装置1100と、光分離素子としての2つのダイクロイックミラー1104,1105と、3つの反射ミラー1106,1107,1108と、5つのリレーレンズ1201,1202,1203,1204,1205と、3つの光変調手段としての透過型の液晶ライトバルブ1210,1220,1230と、光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム1206と、投射レンズ1207とを備えている。
ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。
ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
Claims (11)
- 第1基板と、
第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に電気光学物質と、
前記第1基板および前記第2基板のうち少なくとも一方に温度検出用抵抗体と、を備え、
前記温度検出用抵抗体は、基板上において異なる配線層に形成された第1抵抗体と第2抵抗体とが電気的に直列接続されたものであることを特徴とする電気光学装置。 - 前記温度検出用抵抗体は、複数の画素を有する画素領域に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
- 前記温度検出用抵抗体は、複数の画素を有する画素領域以外の領域に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
- 前記温度検出用抵抗体は、複数の画素を有する画素領域のうち中央領域に形成された第1温度検出用抵抗体と、中央領域以外の領域に形成された第2温度検出用抵抗体とを含むことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
- 前記第1抵抗体と前記第2抵抗体とは、平面視で前記複数の画素をそれぞれ区画するように配置されていることを特徴とする請求項2または4に記載の電気光学装置。
- 前記第1抵抗体と前記第2抵抗体のうち少なくとも一方は、延在方向に対して交差する方向に蛇行した部分を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 前記第1抵抗体と前記第2抵抗体のうち少なくとも一方の前記蛇行した部分に生じた隙間を遮光する遮光部が基板上に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の電気光学装置。
- 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電気光学装置を備え、
前記電気光学装置は、前記温度検出用抵抗体によって検出された温度に対応して設定された駆動条件を参照し、参照した駆動条件と現在の駆動条件とが異なる場合には前記参照した駆動条件に自動的に切換えることを特徴とする電子機器。 - 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電気光学装置を備え、
前記温度検出用抵抗体によって検出された温度に対応して設定された駆動条件を参照し、参照した駆動条件と現在の駆動条件とが異なる場合には前記参照した駆動条件に自動的に切換えることを特徴とする電気光学装置の駆動方法。 - 前記駆動条件を切り替える温度変化の範囲を有していることを特徴とする請求項9に記載の電気光学装置の駆動方法。
- 前記駆動条件の一つが温度に応じた駆動電圧の階調補正係数であることを特徴とする請求項9または10に記載の電気光学装置の駆動方法。
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