JP2015212719A - 電気光学装置、及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】時間経過等に起因する電気光学パネルの温度変化に伴う表示変化を抑制し、高品位な表示を長時間に渡り継続できる電気光学装置を提供する。【解決手段】電気光学装置200は、表示領域を有する電気光学パネルと、透光領域410を有する第一基板61と、を備える。第一基板61の第一面で透光領域410の外側の領域には、第一光学状態と第二光学状態とを取り得る調光装置60が形成される。前記表示領域と透光領域410とは、平面視にて、少なくとも部分的に重なり合うことにより、光照射に伴う前記電気光学パネルの温度変化を或る程度制御する事ができる。【選択図】図7

Description

本発明は、電気光学装置、及び電子機器に関する。
表示機能が付いた電子機器では、透過型電気光学パネルや反射型電気光学パネルが使用されている。これらの電気光学パネルに光が照射され、電気光学パネルにより変調された透過光や反射光が表示画像となったり、或いはスクリーンに投影されて投射画像となったりしている。この様な電気光学パネルとしては液晶パネルが知られており、これは液晶の誘電異方性と液晶に於ける光の旋光性とを利用して画像を形成する物である。液晶パネルは実装ケースに収容されて液晶装置となり、この液晶装置が投射型表示装置等の電子機器に組み込まれている。
液晶装置の一例は特許文献1に記載されている。特許文献1の図6に記載されている様に、液晶パネルは、LCDパネル固定枠にはめ込まれ、見切り板にて固定されている。LCDパネル固定枠はAl金属枠である。
特開2007−233069号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている液晶装置では、液晶パネルが本来有する高品位な表示を継続する事が困難であるという課題があった。即ち、液晶装置を使用し始めた当初は高品位な表示を行っていても、時間の経過と共にコントラスト比の低下等の表示品質の劣化が生ずる事があった。
本発明は、前述の課題の少なくとも一部を解決する為になされたものであり、以下の形態又は適用例として実現する事が可能である。
(適用例1) 本適用例に係わる電気光学装置は、表示領域を有する電気光学パネルと、透光領域を有する第一基板と、を備え、第一基板の第一面で透光領域の外側の領域には、第一光学状態と第二光学状態とを取り得る調光装置が形成されており、表示領域と透光領域とは、平面視にて、少なくとも部分的に重なり合う事を特徴とする。
この構成によれば、調光装置が電気光学パネルの非表示領域に照射される光量を調整するので、光照射に伴う電気光学パネルの温度変化を或る程度制御する事ができる。従って、時間経過等に起因する電気光学パネルの温度変化に伴う表示変化を抑制し、高品位な表示を長時間に渡り継続する事が可能となる。
(適用例2) 上記適用例1に記載の電気光学装置に於いて、第一基板の第二面側で、透光領域の外側の領域には遮光層が形成されている事が好ましい。
この構成によれば、見切り板を用いる必要性がないので、見切り板のエッジ等に埃が溜まり、表示不良を引き起こす事態が抑制される。即ち、電気光学装置の表面が平坦となっており、見切り板による段差が形成されていないので、表示領域に相当する空間に埃が溜まる事がなく、これに起因する表示不良が抑制される。換言すると、この構成によると、時間経過に伴うコントラスト比の低下等の表示品質の劣化が生じ難く、高品位な表示を継続する事ができる。
(適用例3) 上記適用例1又は2に記載の電気光学装置に於いて、電気光学パネルには光が入射され、調光装置は電気光学パネルよりも光の入射側に配置されている事が好ましい。
この構成によれば、調光装置は、電気光学パネルの非表示領域に到達する入射光の量を調整する事ができる。
(適用例4) 上記適用例1乃至3のいずれか一項に記載の電気光学装置に於いて、反射抑制層を更に備え、反射抑制層と調光装置とは透明導電膜を兼用している事が好ましい。
この構成によれば、透明導電膜が兼用されているので、製造が容易となり、同時に光の透過率を向上させる事ができる。
(適用例5) 上記適用例1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置に於いて、制御装置と計測装置とを更に備え、制御装置は、計測装置による物理量の計測結果に応じて、調光装置を第一光学状態又は第二光学状態とする事が好ましい。
この構成によれば、物理量の計測結果に応じて、調光装置は第一光学状態か第二光学状態とされるので、電気光学パネルの物理量を或る程度制御する事ができる。
(適用例6) 上記適用例1又は2に記載の電気光学装置に於いて、第一光学状態よりも第二光学状態の方が調光装置を透過する光量が小さい事が好ましい。
この構成によれば、電気光学パネルの物理量を増やした方が好ましい際には、調光装置を第一光学状態とし、電気光学パネルの物理量の増加を抑制した方が好ましい際には、調光装置を第二光学状態とし、電気光学パネルの物理量を或る程度制御する事ができる。
(適用例7) 上記適用例5又は6に記載の電気光学装置に於いて、物理量は温度であり、制御装置は、温度が閾値よりも低い際には調光装置を第一光学状態とし、温度が閾値よりも高い際には調光装置を第二光学状態とする事が好ましい。
この構成によれば、電気光学パネルの温度を上げた方が好ましい際には、調光装置を第一光学状態とし、電気光学パネルの温度上昇を抑制した方が好ましい際には、調光装置を第二光学状態とし、電気光学パネルの温度を或る程度制御する事ができる。
(適用例8) 上記適用例1乃至7のいずれか一項に記載の電気光学装置に於いて、第一光学状態と第二光学状態とはエレクトロクロミック方式により切り替わる事が好ましい。
この構成によれば、電気的な制御で容易に第一光学状態と第二光学状態とを切り替える事ができる。
(適用例9) 上記適用例1乃至8のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えた事を特徴とする電子機器。
この構成によれば、高い表示品位を長時間維持可能な電気光学装置を備えた電子機器を実現する事ができる。
電子機器の一例である投射型表示装置の模式図。 電気光学装置の回路ブロック図。 画素の回路図。 実施形態1に係わる電気光学装置が備える電気光学パネルの全体構成を示す平面図。 実施形態1に係わる電気光学装置が備える電気光学パネルの全体構成を示す断面図。 実施形態1に係わる電気光学装置の入射光側からの平面図。 実施形態1に係わる電気光学装置を説明する断面図。 実施形態1に係わる電気光学装置の一部を説明する図。 実施形態2に係る電気光学装置を説明する断面図。 実施形態3に係わる電気光学装置の一部を説明する断面図。 実施形態4に係わる電気光学装置の一部を説明する断面図。 変形例1に係る電気光学装置の一部を説明する断面図。 変形例2に係る電気光学装置の一部を説明する断面図。 変形例3に係る電気光学装置の一部を説明する断面図。 変形例4に係る電気光学装置の一部を説明する断面図。 変形例5に係る電気光学装置の一部を説明する断面図。 変形例6に係る電気光学装置の一部を説明する断面図。 変形例7に係る電気光学装置の一部を説明する断面図。 変形例8に係る電気光学装置の一部を説明する断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。尚、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
(実施形態1)
「電子機器の概要」
図1は、電子機器の一例である投射型表示装置(3板式のプロジェクター)の模式図である。以下、図1を参照して電子機器の構成を説明する。
電子機器(投射型表示装置1000)は、3枚の電気光学装置200(図2参照、以下、第一表示装置201、第二表示装置202、第三表示装置203と略称する)と、これら電気光学装置200と各種の信号をやり取りする制御装置30と、を少なくとも有している。第一表示装置201と第二表示装置202と第三表示装置203とは、相異なる表示色(赤色や緑色、青色)に対応する3個の電気光学装置200である。以下、特に第一表示装置201と第二表示装置202と第三表示装置203とを区別する必要がなければ、これらを纏めて単に電気光学装置200と称する。
照明光学系1100は、照明装置(光源)1200からの出射光のうち赤色成分rを第一表示装置201に供給し、緑色成分gを第二表示装置202に供給し、青色成分bを第三表示装置203に供給する。各電気光学装置200は、照明光学系1100から供給される各色光を表示画像に応じて変調する光変調器(ライトバルブ)として機能する。投射光学系1300は、各電気光学装置200からの出射光を合成して投射面1400に投射する。
以下に説明する様に、本実施形態の電気光学装置200は、高い表示品位を長時間維持可能であるので、高い表示品位を長時間維持可能な電気光学装置を備えた電子機器が実現される事になる。
「電子機器の回路構成」
図2は、電気光学装置の回路ブロック図である。次に、図2を参照して電気光学装置200の回路ブロック構成を説明する。
電気光学装置200は、電気光学パネルと、電気光学パネルを収容する保持部材と、電気光学パネルと保持部材とを固定するフック390(図6参照)と、調光装置60と計測装置70とを備えている。本実施形態では、電気光学パネルは液晶パネル100であり、保持部材はフレーム310(図6参照)である。
電気回路としては、図2に示す様に、電気光学装置200は表示領域40と駆動部50と調光装置60と計測装置70とを少なくとも具備している。電気光学パネルの表示領域40には、相交差する複数の走査線22と複数の信号線23とが形成され、走査線22と信号線23との各交差に対応して画素21が行列状に配列されている。走査線22は行方向に延在しており、信号線23は列方向に延在している。尚、走査線22の内でi行目の走査線22を特定する際には、走査線Giと表記し、信号線23の内でj列目の信号線23を特定する際には、信号線Sjと表記する。表示領域40には、m本の走査線22とn本の信号線23とが形成されている(mは2以上の整数、nは2以上の整数)。尚、本実施形態では、m=2168で、n=4112を例として、電気光学装置200を説明する。この場合、2168行×4112列の表示領域40に対し、2160行×4096行の所謂4K画像が表示される。
計測装置70は表示領域40に付随して配置され、表示領域40近傍に於ける温度等の物理量を計測する。計測装置70が計測する物理量が温度である場合、計測装置70は温度センサーである。計測装置70が計測する物理量は、他には、例えば、電気光学装置200に照射される光量で有っても構わない。この場合、計測装置70はフォトセンサーとなる。
調光装置60は、調光ミラーデバイスとも呼ばれ、第一光学状態と第二光学状態とを取り得る。本実施形態で、第一光学状態とは、調光装置60に照射された光の反射率が低くなると共に、調光装置60を透過する光の透過率が高くなる状態である。一方、第二光学状態とは、調光装置60に照射された光の反射率が高くなると共に、調光装置60を透過する光の透過率が低くなる状態である。詳細は後述するが、制御装置30が、計測装置70による物理量の計測結果に応じて、調光装置60を第一光学状態(光の透過状態)と第二光学状態(光の反射状態)とで切り替える。その結果、電気光学パネルの物理量(温度や照射される光量)が或る程度制御され、光照射に伴う電気光学パネルの物理量変化(温度変化等)が或る程度制御される。
表示領域40には駆動部50から各種信号が供給され、画像が表示領域40に表示される。即ち、駆動部50は、制御装置30と駆動回路51とを含み、複数の走査線22と複数の信号線23とに駆動信号を供給する。具体的に、駆動部50は、各画素21を駆動する駆動回路51と、駆動回路51に表示用信号を供給する表示用信号供給回路32と、フレーム画像を一時的に記憶する記憶回路33と、調光装置60に調光用信号を供給する調光信号供給回路31と、を含んで構成される。記憶回路33に記憶されたフレーム画像から、表示用信号供給回路32は表示用信号(画像信号やクロック信号等)やプリチャージ信号等を作製し、これを駆動回路51に供給する。記憶回路33には、計測装置70にて計測された物理量に対する閾値等の情報も記憶されており、調光信号供給回路31との間で、これらの情報のやり取りを行う。調光信号供給回路31は計測された物理量に応じて、調光装置60の光学状態を制御する。
駆動回路51は走査線駆動回路52と信号線駆動回路53とを含んで構成される。走査線駆動回路52は画素を行方向に選択又は非選択する走査信号を各走査線22に出力し、走査線22はこの走査信号を画素21に伝える。言い換えると、走査信号は選択状態と非選択状態とを有しており、走査線22は、走査線駆動回路52からの走査信号を受けて、適宜選択され得る。走査線駆動回路52は不図示のシフトレジスター回路を備えており、シフトレジスター回路をシフトする信号が、一段毎にシフト出力信号として出力される。このシフト出力信号を用いて走査信号が形成される。信号線駆動回路53は、走査線22の選択に同期してn本の信号線23の各々にプリチャージ信号や画像信号を供給する事ができる。
一枚の表示画像は1フレーム期間に形成される。1フレーム期間には各走査線22が少なくとも一度は選択される。通常は、各走査線22が一度ずつ選択される。一つの走査線が選択される期間を水平走査期間と呼ぶので、1フレーム期間には少なくともm個の水平走査期間が含まれる。1行目走査線G1から順にm行目の走査線Gmまで(或いは、m行目走査線Gmから順に1行目の走査線G1まで)順次走査線22が選択されて1フレーム期間が構成されるので、フレーム期間を垂直走査期間とも呼ぶ。
本実施形態で電気光学パネルは素子基板10(図5参照)を用いて形成され、駆動回路51や計測装置70はこの素子基板10に薄膜トランジスター(TFT)等の薄膜素子を用いて形成されている。又、表示用信号供給回路32と記憶回路33と調光信号供給回路31とが制御装置30に含まれており、制御装置30は単結晶半導体基板に形成される半導体集積回路で構成されている。表示用信号供給回路32と記憶回路33と調光信号供給回路31とは別々の半導体集積回路(個別の半導体チップ)で有っても構わないし、一つの半導体チップの中に集積されていても良い。この構成以外にも、表示領域40が素子基板10に形成され、駆動回路51は単結晶半導体基板に形成される集積回路としても良いし、表示領域40も駆動回路51も単結晶半導体基板に形成される構成としても良い。
「画素の構成」
図3は、各画素の回路図である。次に、図3を参照して画素21の構成を説明する。
本実施形態の電気光学装置200は液晶装置であり、電気光学材料は液晶26となる。図3に示す様に、各画素21は、液晶素子CLと画素トランジスター24とを含んで構成される。液晶素子CLは、相対向する画素電極25と共通電極27とを有し、これら両電極間に電気光学材料である液晶26が配置された電気光学素子である。画素電極25と共通電極27との間に印加される電界に応じて液晶26を通過する光の透過率が変化する。
より具体的には、表示領域40を構成する行列状に形成された複数の画素21の各々には、画素電極25及び画素トランジスター24が形成されている。画素トランジスター24は、画素電極25に電気的に接続されており、液晶パネル100の動作時に画素電極25と信号線23との導通及び遮断をスイッチング制御する。画像信号が供給される信号線23は、画素トランジスター24のソースに電気的に接続されている。信号線23に供給される画像信号は、信号線23毎に線順次で供給されても構わないし、相隣接する複数の信号線23同士に対して、グループ毎に供給されても良い。
画素トランジスター24のゲートには、走査線22が電気的に接続されており、走査線駆動回路52からは、所定のタイミングで、走査線22にパルス的に選択信号が供給される。画素電極25は、画素トランジスター24のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子である画素トランジスター24は一定期間だけ導通状態とされる事により、信号線23から供給される画像信号は所定のタイミングで画素電極25に書き込まれる。画素トランジスター24を介して画素電極25に書き込まれた画像信号は、対向基板20に形成された共通電極27との間で一定の期間保持される。尚、物理的に厳密には、トランジスターのソースとドレインとは電位に応じて入れ替わるが、本明細書では、説明を判り易くする為に、画素トランジスター24で信号線23と電気的に接続する方をソースと呼び、画素トランジスター24で画素電極25と電気的に接続する方をドレインと呼んでいる。
液晶26は、印加される電圧レベルに応じて分子集合の配向や秩序が変化する事により、光を変調し、階調表示を可能とする。例えば、ノーマリーホワイトモードであれば、画素電位が上昇するに連れて入射光の透過率は減少し、ノーマリーブラックモードであれば、画素電位が上昇するに連れて入射光の透過率は増加し、全体として液晶パネル100からは画像信号の電位に応じた輝度をもつ光が出射される。
「電気光学パネル」
図4は、実施形態1に係わる電気光学装置が備える電気光学パネル(液晶パネル)の全体構成を示す平面図である。図5は、実施形態1に係わる電気光学装置が備える電気光学パネル(液晶パネル)の全体構成を示す断面図で、図4のH−H´線に於ける断面に相当する。以下、図4と図5とを参照して電気光学パネルの全体構成を説明する。尚、以下の形態に於いて、「○○上に」或いは「○○の上層側に」と記載された場合、○○の上に接する様に配置される場合、或いは○○の上層側に接する様に配置される場合、又は、○○の上に他の構成物を介して配置される場合、或いは○○の上層側に他の構成物を介して配置される場合、又は、○○の上に一部が接する様に配置され一部が他の構成物を介して配置される場合、或いは○○の上層側に一部が接する様に配置され一部が他の構成物を介して配置される場合、を表すものとする。
図4に示す様に、電気光学パネルは、表示領域40を備え、本実施形態では、TN(Twisted Nematic)モードやVA(Vertical Alignment)モードの透過型の液晶パネル100である。液晶パネル100は、素子基板10と対向基板20とが対向配置されて構成されている。素子基板10は、例えば、ガラス基板若しくは石英基板等の透明基板からなり、対向基板20は、例えば、ガラス基板若しくは石英基板等の透明基板からなる。素子基板10と対向基板20との間には液晶26が封入されている。液晶26は、一種類又は数種類の液晶が混合され、一対の基板間で所定の配向状態を取っている。
素子基板10と対向基板20とは、表示領域40の周囲に位置するシール領域に設けられたシール材18により、相互に接着されている。表示領域40には複数の画素電極25が配置されている。シール材18は、両基板を貼り合わせると共に液晶26を維持する為の物であり、例えば紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂等からなる。シール材18は、製造時には、素子基板10上に塗布された後、対向基板20が配置され、その後紫外線照射や加熱等により硬化させられた物である。シール材18の中には、素子基板10と対向基板20との間隔(即ち、基板間ギャップ)を所定値とする為のグラスファイバーやガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。尚、ギャップ材をシール材18に混入する構成に加えて、若しくは代えて、表示領域40又は表示領域40の外周に位置する外周領域に、ギャップ材を配置する構成としても良い。
シール材18が配置されたシール領域の内側に並行して、表示領域40の額縁領域を部分的に規定する対向側遮光膜19が対向基板20側に設けられている。対向側遮光膜19は、対向基板20に遮光性材料が額縁状に形成されており、表示領域40を部分的に規定している。尚、平面視にて表示領域40以外の領域を非表示領域と称する。
表示領域40の外周領域のうち、シール材18が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、素子基板10の一辺に沿って、信号線駆動回路53及び外部接続端子102が設けられている。走査線駆動回路52は、この一辺に交差する二辺に沿い、且つ、額縁状に形成された対向側遮光膜19に覆われる様に設けられている。更に、この様に表示領域40の両側に設けられた二つの走査線駆動回路52間を接続する為に、素子基板10の残る一辺に沿い、且つ、額縁状に形成された対向側遮光膜19に覆われる様にして複数の配線105が設けられている。
次に、図5を参照して、素子基板10と対向基板20とを説明する。尚、以下の説明にて、素子基板10に形成される層を説明する際、上層側或いは表面側とは素子基板10の基板本体が位置する側とは反対側(対向基板20が位置する側)を意味し、下層側或いは裏面側とは素子基板10の基板本体が位置する側を意味する。又、対向基板20に形成される層を説明する際、上層側或いは表面側とは対向基板20の基板本体が位置する側とは反対側(素子基板10が位置する側)を意味し、下層側或いは裏面側とは対向基板20の基板本体が位置する側を意味する。
素子基板10上で、対向基板20の4つの角部に対向する領域には、両基板間を上下導通材で接続する為の上下導通端子106が配置されている。これらにより、素子基板10と対向基板20との間で電気的な導通が取られている。
素子基板10上には、画素スイッチング素子である画素トランジスター24(図3参照)や走査線22(図3参照)、信号線23(図3参照)等の配線が作り込まれた積層構造が形成されている。この積層構造の詳細な構成については図5では図示を省略してあるが、この積層構造の上に、図5に示す様に、画素電極25が設けられている。画素電極25は典型的にはインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、ITO)等の透明導電膜により、画素21毎に所定のパターンで島状に形成され、入射光を透過させる。
画素電極25は、共通電極27に対向する様に、素子基板10上の表示領域40に形成されている。素子基板10における液晶26の面する側の表面、即ち画素電極25上には、配向膜16が画素電極25を覆う様に形成されている。
対向基板20で、素子基板10との対向面上には、ITO等の透明導電膜からなる共通電極27が複数の画素電極25と対向する様に形成されている。又、カラー表示を行う為に、開口領域及び非開口領域の一部を含む領域に、不図示のカラーフィルターを対向基板20に形成しても良い。共通電極27上には、配向膜17が形成されている。尚、対向基板20上に格子状又はストライプ状に遮光膜を形成し、画素21間に非開口領域を設けても良い。
尚、図4及び図5に示した素子基板10上には、上述した信号線駆動回路53、走査線駆動回路52等の駆動回路に加えて、画像信号をサンプリングして信号線23に供給する不図示のサンプリング回路や、複数の信号線23に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給する不図示のプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該液晶パネル100の品質、欠陥等を検査する為の不図示の検査回路等を形成しても良い。
「電気光学装置の全体構成」
図6は、実施形態1に係わる電気光学装置の入射光側からの平面図である。図7は、電気光学装置を説明する断面図であり、図7は図6のI−I’に於ける断面に相当している。以下、図6と図7とを参照して電気光学装置200の全体構成を説明する。尚、図6以降の図では、図4及び図5に示した液晶パネル100の詳細構造を適宜省略して図示している。
図6と図7とに示す様に、電気光学装置200は、表示領域40を有する電気光学パネル(液晶パネル100、素子基板10と対向基板20とを図7に図示)と、電気光学パネルを収容する保持部材(フレーム310)と、電気光学パネルの第一面(対向基板20の裏面)に配置された第一基板61(第一の表側保護基板)と第二基板62(第二の表側保護基板)と、電気光学パネルの第二面(素子基板10の裏面)に配置された第三基板63(裏側保護基板)と、電気光学パネルを保持部材に固定するフック390と、調光装置60と、を備えている。調光装置60は第一基板61と第二基板62との間に形成されている。電気光学装置200の外部接続端子102にはフレキシブル基板107が接続されている。液晶パネル100は、側面側からフレーム310によって保持されると共に、下方からフック390によって保持されて、保持部材に収容されている。又、電気光学パネルと第一基板61と第二基板62と第三基板63との側面は、接着剤500によって固定されている。
第一基板61と第二基板62と第三基板63とは、本実施形態では、ガラスであり、電気光学パネルを外力から保護すると共に、電気光学パネルに埃や塵が浸入するのを防ぐ役割を担っており、保護基板とも呼ばれる。又、保護基板は防塵ガラスとも呼ばれる。但し、保護基板は上述の機能を果たせば、ガラスに限られることはなく、シクロオレフィンポリマー等の透明樹脂基板等であっても良い。
図6に示す様に、電気光学装置200は、その中央部に透光領域410が形成されており、透光領域410の内側に表示領域40が配置されている。図7(a)に示す様に、透光領域410の外側の境界は調光装置60及び遮光層600で規定されている。即ち、平面視にて、調光装置60及び遮光層600とで囲まれた内側の領域が透光領域410で、透光領域410では、所定の光が透過する。要するに、第一基板61と第二基板62とは透光領域410を有し、第一基板61の第一面(入射光IL側の面)で透光領域410の外側の領域には、調光装置60が形成されている。又、第一基板61の第二面(第一面と反対の面)側で、透光領域の外側の領域には遮光層600が形成されている。更に、保護基板の入射光IL側の最表面には(本実施形態では、第二基板62の第二面(入射光IL側の面))には反射抑制層65が備えられており、第二基板62の第一面(第二面と反対の面)で透光領域410の外側の領域には、調光装置60が形成されている。調光装置60と遮光層600とは、平面視でほぼ同じ領域に重なり合って形成されている。この結果、調光装置60が形成された領域では、透光領域410を透過する光は遮光され、調光装置60の光学状態に応じて、入射光ILは調光装置60で反射されるか、或いは、遮光層600に照射される。本実施形態では、透光領域410は透明で、可視光を透過させるが、特別の色専用の電気光学パネルで有れば、透光領域410は少なくともその色を透過させる。従って、電気光学パネルが、例えば、赤色用の第一表示装置201に用いられていれば、透光領域410は少なくとも赤色光を透過させる。
フレキシブル基板107は、液晶パネル100の外部接続端子102に接合されている。フレキシブル基板107は、上述の液晶パネル100の電気光学動作に要する種々の制御信号を送る為の信号配線を含む基板であり、例えばポリイミド等の基材に信号配線等がパターニングされている。フレキシブル基板107上には、液晶パネル100や調光装置60を駆動する駆動部50の少なくとも一部を含む半導体集積回路が配置されていても良い。本実施形態では、フレキシブル基板107の液晶パネル100に接続された一端とは反対側の他端は、フレーム310の外側に引き出されており、液晶パネル100の電気光学動作に要する種々の制御信号を供給する表示用信号供給回路32に接続されている。又、フレキシブル基板107を介して調光信号供給回路31は調光装置60に調光用信号を供給する。
フレーム310は、液晶パネル100を上方及び側面側から保持する。フレーム310は、例えば鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム等の熱導電性に優れた金属を含んで構成されており、液晶パネル100を保持すると共に、液晶パネル100からの放熱を行う。フレーム310により、液晶パネル100に熱が蓄積して、温度が上昇するのが或る程度抑制される。温度上昇は、液晶パネル100に動作不良等の種々の不具合をもたらすので、フレーム310を介した放熱作用によって、これらの不具合は或る程度抑制される。又、熱に伴う電気光学装置200の構成部材の歪みを軽減する事によって、装置内に生じる応力を軽減する事ができる。
図6に示す様に、フレーム310には複数のネジ穴750が設けられている。ネジ穴750にはボルト760が貫通可能であり、このボルト760を締め付ける事によってフレーム310を不図示の外部部材に固定する。不図示の外部部材とは、一例としては、電気光学装置200を具備する電子機器(例えば、投射型表示装置1000)に、電気光学装置200が取り付けられる際に、投射型表示装置1000の内壁に取り付ける為の治具部材である。
フック390は、入射光IL側の反対側に位置する背面側から、液晶パネル100を保持する。フック390は、側面に設けられた不図示の開口部を、フレーム310に設けられた不図示の凸部に引っ掛ける事で、フレーム310と電気光学パネルとを固定する。
調光装置60は、図7(a)に示す様に、透明な第一基板61と透明な第二基板62との間にエレクトロクロミック層64を挟持してなる。より具体的には、第一基板61の第一面(入射光IL側の面)には第一透明導電膜611が形成されており、第二基板62の第一面(入射光IL側の反対の面)には第二透明導電膜621が形成されており、第一透明導電膜611と第二透明導電膜621とにエレクトロクロミック層64が挟まれている。本実施形態では第一基板61も第二基板62も透明なガラス基板であり、具体的には石英ガラスが用いられている。エレクトロクロミック層64に関しては後述するが、これにより、調光装置60では、第一光学状態(光の透過状態)と第二光学状態(光の反射状態)とがエレクトロクロミック方式により切り替わる。即ち、電気的な制御で容易に調光装置60の第一光学状態(光の透過状態)と第二光学状態(光の反射状態)とが切り替えられる。
第一光学状態(光の透過状態)よりも第二光学状態(光の反射状態)の方が調光装置60を透過する光量が小さいので、電気光学パネルの物理量を増やした方が好ましい際には(例えば、温度を上昇させた方が好ましい際には)、調光装置60を第一光学状態(光の透過状態)として入射光ILを遮光層600に照射する。その反対に、電気光学パネルの物理量の増加を抑制した方が好ましい際には(例えば、温度上昇を抑制した方が好ましい際には)、調光装置60を第二光学状態(光の反射状態)として入射光ILを調光装置60にて反射させる。この様にして、電気光学パネルの物理量(温度や照射される光量)は調光装置60により或る程度制御される。
具体的には、制御装置30は、記憶回路33に記憶されている閾値の温度(閾値温度)と計測装置70により計測された温度(計測温度)とを比較し、計測温度が閾値温度よりも低い際には調光装置60を第一光学状態(光の透過状態)として、電気光学装置200の温度上昇を促進する。一方、計測温度が閾値温度よりも高い際には調光装置60を第二光学状態(光の反射状態)として、電気光学装置200の温度上昇を抑制する。この様にして、調光装置60が電気光学パネルの非表示領域に照射される光量を調整し、電気光学パネルの温度を或る程度制御する。
本願発明者が鋭意研究した所によると、従来の液晶装置で時間の経過と共に表示品質が劣化する原因は、時間経過に伴う大きな温度変化にある事が判明した。従来の液晶装置では、調光装置60を有さぬが故、時間経過等に起因する液晶パネルの温度変化は非常に大きかった。大きな温度変化は、液晶26の応答速度や画素トランジスター24のオフ電流値などを大きく変化させる。この為に、従来の液晶装置では、液晶装置を使用し始めた直後と長時間使用した後とでは、表示品位が異なっていた。これに対して、本実施形態の電気光学装置200では、調光装置60が電気光学パネルの非表示領域に照射される光量を調整するので、時間経過に伴う電気光学装置200の温度変化が抑制される。この結果、表示品質の変化も抑制され、高品位な表示を長時間に渡り継続する事が可能となっている。
又、従来の液晶装置は防塵ガラス(本実施形態の第二基板62に相当)を見切り板が固定していた。本願発明人が鋭意研究した所によると、従来の液晶装置が時間の経過と共に表示品質を劣化させる原因は、見切り板のエッジに埃が溜まる為である。これにより、コントラスト比の低下や薄暗いぼやけが発生して、表示品質を低下させていた。取り分け、液晶装置が液晶プロジェクターに適応された場合、ファンによる冷却風が防塵ガラスや見切り板に平行して流れるので、見切り板のエッジには埃が溜まりやすく、それ故に、表示品位の経時劣化が生じていた。
これに対して、本実施形態の電気光学装置200では、図7(a)に示す様に、第一基板61が遮光層600を含んでいるので、従来技術で使用されていた見切り板を用いる必要性がない。見切り板が用いられていないので、当然、見切り板のエッジ等に埃が溜まり、表示不良を引き起こす事態は発生し得ない。要するに、第二基板62の第二面(入射光IL側の面、裏面)が平坦となっており、第二基板62の裏面で、透光領域410とその近傍には段差が形成されていないので、表示領域40に相当する空間に埃が溜まる事が抑制され、これに起因する表示不良も抑制される。斯うして電気光学装置200は、時間経過に伴うコントラスト比の低下等の表示品質の劣化が生じ難く、高品位な表示を継続する事ができる様になる。
尚、対向基板20の非開口領域には対向側遮光膜19が形成されているので、図7(b)に示す様に、遮光層600を形成しない構成としても良い。
「調光装置」
図8は、実施形態1に係わる電気光学装置の一部を説明する図で、(a)は電気光学装置で用いられている調光装置等の一部の断面構造を説明する図で、(b)はその製造方法の一例を説明する図である。次に、図8を参照して、実施形態1に係わる調光装置60を説明する。
図8(a)に示す様に、反射抑制層65は異なった屈折率を有する膜が積層されており、入射光ILの反射を抑制し、透過率を高める。本実施形態では、酸化珪素膜(SiO2)651と酸化ジルコニウム膜(ZrO2)652とが交互に積層されている。
遮光層600は、保護基板で電気光学パネルに接する側の面に(本実施形態では、第一基板の裏面に)形成され、電気光学パネルの第一面(対向基板20の裏面)と保護基板の一つの面とが対面して配置される。遮光層600は、上方からの入射光を遮光する物であれば、如何なる材料であっても構わない。例えば、金属膜を遮光層600として用い、上方からの入射光を反射して、電気光学パネルの外周領域を遮光しても良い。この場合、遮光層600は反射により非遮光体を遮光する。或いは、黒色の顔料インクをインクジェット法等の塗布法で保護基板に塗布して遮光層600としても良い。この場合、遮光層600は光の吸収により非遮光体を遮光する。本実施形態では、防塵ガラスにクロム膜(Cr)601と酸化クロム膜(CrO2)602とを蒸着して、遮光層600を形成した。斯うすると、蒸着法と言った簡単な製造方法で遮光層600を形成する事ができる。
調光装置60は第一基板61と第二基板62との間にエレクトロクロミック層64を挟持している。エレクトロクロミック層64は、第一透明導電膜611の表面に形成されたイオン貯蔵層642と、イオン貯蔵層642の表面に形成された固体電解質層643と、固体電解質層643の表面に形成された触媒層644と、触媒層644の表面に形成された調光ミラー層645とを含んでいる。本実施形態では、更に第二基板62の表面に第二透明導電膜621が形成されており、第二透明導電膜621は調光ミラー層645に接している。調光ミラー層645の電気伝導性が高い場合、第二透明導電膜621を省いても良い。第二透明導電膜621は、調光ミラー層645の平面視に於ける電位分布を均一化する為に設けられている。
第一透明導電膜611と第二透明導電膜621はITO等の透明導電膜からなる。イオン貯蔵層642は、第一光学状態(光の透過状態)では酸化タングステン(WO3)であるが、第二光学状態(光の反射状態)ではエレクトロクロミック現象を担うイオンを貯蔵する。本実施形態ではエレクトロクロミック現象を担うイオンは水素イオンであり、イオン貯蔵層642は第二光学状態(光の反射状態)では水素化酸化タングステン(HxWO3)である。固体電解質層643はエレクトロクロミック現象を担うイオンを選択的に通過させる。本実施形態では、固体電解質層643は有機電解質であり、プロトンを通過させるが、この機能を有せば、酸化タンタル(Ta25)等の無機電解質で有っても構わない。調光ミラー層645は、第一光学状態(光の透過状態)では金属水素化物で透明となり、第二光学状態(光の反射状態)では金属で光を反射させる。この様に、調光ミラー層645は、エレクトロクロミック現象を担うイオンを受け入れた際に第一光学状態を取り、エレクトロクロミック現象を担うイオンを放出した際に第二光学状態を取る。本実施形態では、調光ミラー層645は、第一光学状態(光の透過状態)ではマグネシウムニッケル水素化物であり、第二光学状態(光の反射状態)ではマグネシウムニッケル合金(Mg−Ni)である。触媒層644は、斯うした調光ミラー層645での化学反応を触媒し、本実施形態ではパラジウム(Pd)である。
調光装置60では第一透明導電膜611の電位に対して調光ミラー層645(又は第二透明導電膜621)を高電位(例えば+5V)とすると、イオン貯蔵層642(水素化酸化タングステン)の水素イオンが固体電解質層643を通り抜けて、触媒層644(パラジウム)の触媒作用で調光ミラー層645の金属(マグネシウムニッケル合金)を金属水素化物(マグネシウムニッケル水素化物)に変えて、第一光学状態へと変わる。一方、第一透明導電膜611の電位に対して調光ミラー層645(又は第二透明導電膜621)を低電位(例えば−5V)とすると、調光ミラー層645の金属水素化物(マグネシウムニッケル水素化物)の水素イオンがイオン貯蔵層642(酸化タングステン)に戻り、調光ミラー層645は金属(マグネシウムニッケル合金)に復帰して第二光学状態へと変わる。これがエレクトロクロミック方式による光学状態の遷移原理である。
次に、図8(b)を参照して、調光装置60の製造方法を説明する。まず、第一基板61の第一面(表面)に第一透明導電膜611を成膜する。次いで第一透明導電膜611にイオン貯蔵層642を成膜する。一方、第二基板62の第一面(表面)に第二透明導電膜621を成膜する。次いで第二透明導電膜621に調光ミラー層645を成膜し、更に連続して触媒層644を成膜する。これらの成膜は蒸着法やスパッター法等の物理気相堆積法(PVD法)が適応される。斯うした状態で、イオン貯蔵層642の表面に、接着後は固体電解質層643となる接着性電解液543を塗布する。接着性電解液543は、溶媒と混合する事でゲル状に変化するゲル化剤を、支持電解質を溶媒に分散させた電解液と混合し攪拌した後に、紫外線照射で硬化する紫外線硬化樹脂と混合して攪拌する事で得られる。接着性電解液543をイオン貯蔵層642の表面に塗布した後(或いは触媒層644の表面に塗布した後)、第一基板61の第一面と第二基板62の第一面とが対面する様に貼り合わせ、紫外線を照射する事で、接着性電解液543は固体電解質層643へと変わり、調光装置60が製造される。
以上述べた様に、本実施形態に係る電気光学装置200では、温度や電気光学パネルに照射される光量が制御されるので、表示品位の経時劣化が抑制される。又、斯うした優れた電気光学装置200を備えた電子機器が実現される。
(実施形態2)
「計測装置を備えた形態」
図9は、実施形態2に係る電気光学装置を説明する断面図である。以下、図9を参照して実施形態2に係わる電気光学装置200を説明する。尚、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
図7に示される実施形態1では、計測装置70は電気光学パネルにTFTを用いて内蔵されていた。これに対して、図9に示す様に、本実施形態の電気光学装置200では、計測装置70が第一基板61と第二基板62との間に形成されている点が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様である。
図9(a)に示す様に、本実施形態の電気光学装置200では、計測装置70(熱電対の計測部)が第一基板61と第二基板62との間に配置されている。これにより高精度に温度を計測する事が可能となっている。
尚、対向基板20の非開口領域には対向側遮光膜19が形成されているので、図9(b)に示す様に、遮光層600を形成しない構成としても良い。
(実施形態3)
「透明導電膜を共用する形態」
図10は、実施形態3に係わる電気光学装置の一部を説明する断面図である。以下、図10を参照して実施形態3に係わる電気光学装置200を説明する。尚、実施形態1乃至2と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
図7(a)に示される実施形態1では、第二基板62が第一基板61よりも入射光IL側に配置されていた。これに対して、図10に示す様に、本実施形態の電気光学装置200では、第一基板61が第二基板62よりも入射光IL側に配置され、調光装置60等の断面視に於ける位置関係が多少異なっている。それ以外の構成は、実施形態1乃至2とほぼ同様である。
図10に示す様に、本実施形態の電気光学装置200では、第二基板62の第一面(入射光IL側の反対の面)に遮光層600が形成されており、第二基板62の第二面(入射光IL側の面)と第一基板61の第二面とが不図示の接着剤で接着されている。更に、第一基板61の第一面(入射光IL側の面)には調光装置60と反射抑制層65とが形成されている。図8(a)に示す実施形態1では、反射抑制層65は酸化珪素膜(SiO2)651と酸化ジルコニウム膜(ZrO2)652とが交互に積層されていたが、本実施形態では、反射抑制層65は酸化珪素膜(SiO2)651と透明導電膜(ITO)653とが交互に積層されている。そして、反射抑制層65と調光装置60とは少なくとも一つの透明導電膜を兼用している。本実施形態では、調光装置60を構成する第二透明導電膜621と反射抑制層65を構成する透明導電膜653とが兼用されている。即ち、この透明導電膜は、透光領域410では反射抑制層65の一部として機能しており、透光領域410の外側の領域では調光装置60に利用されている。この様に、透明導電膜が兼用されていると、製造が容易となり、同時に光の透過率も向上される。
(実施形態4)
「基板を兼用する形態」
図11は、実施形態4に係わる電気光学装置の一部を説明する断面図である。以下、図11を参照して実施形態4に係わる電気光学装置200を説明する。尚、実施形態3と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
図10に示される実施形態3では、第一基板61と第二基板62とが用いられていた。これに対して、図11に示す様に、本実施形態の電気光学装置200では、第一基板61が第二基板62を兼用している点が異なっている。それ以外の構成は、実施形態3とほぼ同様である。
図11に示す様に、本実施形態の電気光学装置200では、第一基板61の第一面(入射光IL側の面)に調光装置60と反射抑制層65とが形成され、第一基板61の第二面(入射光IL側の反対の面)に遮光層600が形成されている。斯うした構成としても、実施形態3と同じ効果が得られる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置200、及び該電気光学装置200を備えた電子機器も又本発明の技術的範囲に含まれるものである。又、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加える事も可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
「製造方法が異なる形態1」
図12は、変形例1に係る電気光学装置の一部を説明する断面図である。本変形例は実施形態1乃至2の変形例であり、実施形態1乃至2と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
図8(b)に示される実施形態1では、接着性電解液543を用いて調光装置60が製造されていた。これに対して、本変形例では、図12に示す様に、第二基板62に第二透明導電膜621とエレクトロクロミック層64とを形成し、第一基板61に第一透明導電膜611を形成し、その後に両基板を接合して調光装置60を製造している。斯うした方法としても実施形態1乃至2と同じ効果が得られる。
(変形例2)
「製造方法が異なる形態2」
図13は、変形例2に係る電気光学装置の一部を説明する断面図である。本変形例は実施形態1乃至2の変形例であり、実施形態1乃至2と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
図8(b)に示される実施形態1では、接着性電解液543を用いて調光装置60が製造されていた。これに対して、本変形例では、図13に示す様に、第二基板62に第二透明導電膜621を形成し、第一基板61に第一透明導電膜611とエレクトロクロミック層64とを形成し、その後に両基板を接合して調光装置60を製造している。斯うした方法としても実施形態1乃至2と同じ効果が得られる。
(変形例3)
「製造方法が異なる形態3」
図14は、変形例3に係る電気光学装置の一部を説明する断面図である。本変形例は実施形態1乃至2の変形例であり、実施形態1乃至2と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
図8(b)に示される実施形態1では、接着性電解液543を用いて調光装置60が製造されていた。又、第二透明導電膜621は調光装置60が形成される部位に配置されていた。これに対して、本変形例では、図14に示す様に、第二基板62に第二透明導電膜621とエレクトロクロミック層64とを形成し、第一基板61に第一透明導電膜611を形成し、その後に両基板を接合して調光装置60を製造している。又、第二透明導電膜621は透光領域410にも形成されている。斯うした方法としても実施形態1乃至2と同じ効果が得られる。
(変形例4)
「製造方法が異なる形態4」
図15は、変形例4に係る電気光学装置の一部を説明する断面図である。本変形例は実施形態1乃至2の変形例であり、実施形態1乃至2と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
図8(b)に示される実施形態1では、接着性電解液543を用いて調光装置60が製造されていた。又、第二透明導電膜621は調光装置60が形成される部位に配置されていた。これに対して、本変形例では、図15に示す様に、第二基板62のほぼ全面に第二透明導電膜621を形成し、第一基板61に第一透明導電膜611とエレクトロクロミック層64とを形成し、その後に両基板を接合して調光装置60を製造している。又、第二透明導電膜621は透光領域410にも形成されている。斯うした方法としても実施形態1乃至2と同じ効果が得られる。
(変形例5)
「製造方法が異なる形態5」
図16は、変形例5に係る電気光学装置の一部を説明する断面図である。本変形例は実施形態1乃至2の変形例であり、実施形態1乃至2と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
図8(b)に示される実施形態1では、接着性電解液543を用いて調光装置60が製造されていた。又、第一透明導電膜611は調光装置60が形成される部位に配置されていた。これに対して、本変形例では、図16に示す様に、第二基板62に第二透明導電膜621とエレクトロクロミック層64とを形成し、第一基板61のほぼ全面に第一透明導電膜611を形成し、その後に両基板を接合して調光装置60を製造している。又、第一透明導電膜611は透光領域410にも形成されている。斯うした方法としても実施形態1乃至2と同じ効果が得られる。
(変形例6)
「製造方法が異なる形態6」
図17は、変形例6に係る電気光学装置の一部を説明する断面図である。本変形例は実施形態1乃至2の変形例であり、実施形態1乃至2と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
図8(b)に示される実施形態1では、接着性電解液543を用いて調光装置60が製造されていた。又、第一透明導電膜611は調光装置60が形成される部位に配置されていた。これに対して、本変形例では、図17に示す様に、第二基板62に第二透明導電膜621を形成し、第一基板61に第一透明導電膜611とエレクトロクロミック層64とを形成し、その後に両基板を接合して調光装置60を製造している。又、第一透明導電膜611は透光領域410にも形成されている。斯うした方法としても実施形態1乃至2と同じ効果が得られる。
(変形例7)
「透明導電膜が異なる形態1」
図18は、変形例7に係る電気光学装置の一部を説明する断面図である。本変形例は実施形態3の変形例であり、実施形態3と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
図10に示される実施形態3では、第一透明導電膜611は調光装置60が形成される部位に配置されていた。これに対して、本変形例では、図18に示す様に、第一透明導電膜611は第一基板61の第一面のほぼ総ての領域に形成されている。即ち、第一透明導電膜611は透光領域410にも形成されている。斯うした方法としても実施形態3と同じ効果が得られる。
(変形例8)
「透明導電膜が異なる形態2」
図19は、変形例8に係る電気光学装置の一部を説明する断面図である。本変形例は実施形態4の変形例であり、実施形態4と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
図11に示される実施形態4では、第一透明導電膜611は調光装置60が形成される部位に配置されていた。これに対して、本変形例では、図19に示す様に、第一透明導電膜611は第一基板61の第一面のほぼ総ての領域に形成されている。即ち、第一透明導電膜611は透光領域410にも形成されている。斯うした方法としても実施形態4と同じ効果が得られる。
10…素子基板、16…配向膜、17…配向膜、18…シール材、19…対向側遮光膜、20…対向基板、21…画素、22…走査線、23…信号線、24…画素トランジスター、25…画素電極、26…液晶、27…共通電極、30…制御装置、31…調光信号供給回路、32…表示用信号供給回路、33…記憶回路、40…表示領域、50…駆動部、51…駆動回路、52…走査線駆動回路、53…信号線駆動回路、60…調光装置、61…第一基板、62…第二基板、63…第三基板、64…エレクトロクロミック層、65…反射抑制層、70…計測装置、100…液晶パネル、102…外部接続端子、105…配線、106…上下導通端子、107…フレキシブル基板、200…電気光学装置、201…第一表示装置、202…第二表示装置、203…第三表示装置、310…フレーム、390…フック、410…透光領域、500…接着剤、543…接着性電解液、600…遮光層、611…第一透明導電膜、621…第二透明導電膜、642…イオン貯蔵層、643…固体電解質層、644…触媒層、645…調光ミラー層、653…透明導電膜、750…ネジ穴、760…ボルト、1000…投射型表示装置、1100…照明光学系、1300…投射光学系、1400…投射面。

Claims (9)

  1. 表示領域を有する電気光学パネルと、
    透光領域を有する第一基板と、
    を備え、
    前記第一基板の第一面で前記透光領域の外側の領域には、第一光学状態と第二光学状態とを取り得る調光装置が形成されており、
    前記表示領域と前記透光領域とは、平面視にて、少なくとも部分的に重なり合う事を特徴とする電気光学装置。
  2. 前記第一基板の第二面側で、前記透光領域の外側の領域には遮光層が形成されている事を特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記電気光学パネルには光が入射され、
    前記調光装置は前記電気光学パネルよりも前記光の入射側に配置されている事を特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  4. 反射抑制層を更に備え、
    前記反射抑制層と前記調光装置とは透明導電膜を兼用している事を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  5. 制御装置と計測装置とを更に備え、
    前記制御装置は、前記計測装置による物理量の計測結果に応じて、前記調光装置を前記第一光学状態又は前記第二光学状態とする事を特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記第一光学状態よりも前記第二光学状態の方が前記調光装置を透過する光量が小さい事を特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  7. 前記物理量は温度であり、
    前記制御装置は、前記温度が閾値よりも低い際には前記調光装置を前記第一光学状態とし、前記温度が前記閾値よりも高い際には前記調光装置を前記第二光学状態とする事を特徴とする請求項5又は6に記載の電気光学装置。
  8. 前記第一光学状態と前記第二光学状態とはエレクトロクロミック方式により切り替わる事を特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えた事を特徴とする電子機器。
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