JP2013035963A - タイヤ用ゴム組成物及び二輪車用タイヤ - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物及び二輪車用タイヤ Download PDF

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JP2013035963A
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Yumi Suzuki
祐美 鈴木
Takayuki Nagase
隆行 永瀬
Koji Fujisawa
浩二 藤澤
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Abstract

【課題】グリップ性能、グリップ性能の持続性、耐チャンキング性をバランスよく改善できるタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた二輪車用タイヤを提供する。
【解決手段】下記式(I)で表される化合物と、下記式(T)で表される化合物とを含み、硫黄を実質的に配合しないタイヤ用ゴム組成物。
Figure 2013035963

Figure 2013035963

【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた二輪車用タイヤに関する。
二輪車用タイヤに使用されるゴム組成物(特に、トレッド用ゴム組成物)は、走行時におけるチャンキング(部分的なゴムの剥離)の発生を抑制するため、高い機械的強度(耐チャンキング性)が求められる。二輪車用タイヤに使用されるゴム組成物には、他にもグリップ性能、グリップ性能の持続性等、種々の性能が要求され、これらの性能を確保するため、従来より様々な工夫がなされている。
例えば、グリップ性能の持続性の向上を図るため、硫黄の配合量を減らし、加硫促進剤の配合量を増やすことによって、モノスルフィド構造が多い架橋構造を作製することが知られている(EV加硫)。しかし、このようなモノスルフィド架橋構造では、ポリマー分子の運動性が拘束されるため、耐チャンキング性、グリップ性能そのものが大きく低下してしまうという問題がある。
一方、硫黄の配合量を増やし、加硫促進剤の配合量を減らすことによって得られる(CV加硫)、ポリスルフィド構造が多い架橋構造では、優れた耐チャンキング性、グリップ性能が得られる一方、S−S結合が熱的に弱いため、一般に耐熱性に劣るために、グリップ性能の持続性が劣ることが分かっている。このように、耐チャンキング性及びグリップ性能の持続性を両立すること、更に良好なグリップ性能をも得ることは、非常に困難であり、耐チャンキング性、グリップ性能の持続性及びグリップ性能のすべての性能を充分に満足させるゴム組成物は未だに得られていないのが現状である。
特許文献1には、天然ゴム及び/又はイソプレンゴム、エポキシ化天然ゴム、硫黄並びに1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン等のリバージョン防止剤からなるゴム組成物を使用することで、リバージョン及び熱老化によるゴム物性の低下を抑制し、低燃費性及び耐チャンキング性を向上できることが開示されている。しかしながら、グリップ性能、グリップ性能の持続性、耐チャンキング性をバランスよく改善するという点については、未だに改善の余地を残している。
特開2006−45471号公報
本発明は、前記課題を解決し、グリップ性能、グリップ性能の持続性、耐チャンキング性をバランスよく改善できるタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた二輪車用タイヤを提供することを目的とする。
本発明は、下記式(I)で表される化合物と、下記式(T)で表される化合物とを含み、加硫剤としての硫黄を実質的に配合しないタイヤ用ゴム組成物に関する。
Figure 2013035963
(式(I)において、Aは炭素数1〜15の炭化水素基を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、アルキル置換アミノ基、アラルキル置換アミノ基、又は環状アミノ基を表す。nは1〜12の整数を表す。x及びxは、同一若しくは異なって、1〜12の整数を表す。)
Figure 2013035963
(式(T)において、R及びRは、同一若しくは異なって、アルキル置換アミノ基、アラルキル置換アミノ基、又は環状アミノ基を表す。xは、1〜4の整数を表す。)
上記式(I)のAが炭素数4〜12のアルキレン基であることが好ましい。
上記式(I)の環状アミノ基が下記式(II)で表される基であることが好ましい。
Figure 2013035963
(式(II)において、Rは、ヘテロ原子を含む炭素数1〜15の炭化水素基であり、ヘテロ原子を含む官能基及び/又は芳香族置換基を有してもよい。)
上記式(I)で表される化合物100質量%中、n=1の化合物の含有量が2質量%以上、n=2の化合物の含有量が2質量%以上、n=3の化合物の含有量が2質量%以上であることが好ましい。
上記式(I)で表される化合物100質量%中、n=2以下の化合物の含有量が50質量%以下、x及びx=1の化合物の含有量が80質量%以上、x及びx=2の化合物の含有量が10質量%以上であることが好ましい。
ゴム成分100質量部に対して、加硫剤としての硫黄の配合量が0.05質量部以下であることが好ましい。
ゴム成分100質量部に対して、充填剤を20〜150質量部、上記式(I)で表される化合物を0.1〜20質量部、上記式(T)で表される化合物を0.1〜20質量部含むことが好ましい。
上記充填剤として、シリカ及び/又はカーボンブラックを含むことが好ましい。
上記ゴム組成物は、JIS K6251:2010に基づいて、試験片としてダンベル状3号形試験片を使用し、25℃雰囲気下において引張試験を実施して測定した破断強度TB(MPa)、破断時伸びEB(%)から算出されるTB×EB/2が3500以上であることが好ましい。
上記ゴム組成物は、トレッド用ゴム組成物として用いられることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いた二輪車用タイヤに関する。
上記二輪車用タイヤは、モトクロス用タイヤであることが好ましい。
本発明によれば、上記式(I)で表される化合物と、上記式(T)で表される化合物とを含み、加硫剤としての硫黄を実質的に配合しないタイヤ用ゴム組成物であるので、該ゴム組成物をタイヤ部材(特に、トレッド)に使用することにより、グリップ性能、グリップ性能の持続性、耐チャンキング性がバランスよく優れた二輪車用タイヤを提供できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上記式(I)で表される化合物(高分子架橋剤)と、上記式(T)で表される化合物(サルファードナー系促進剤)とを含み、加硫剤としての硫黄を実質的に配合しない。
従来から、タイヤ用ゴム組成物には、加硫剤として硫黄が使用されている。この場合には、スルフィド結合(ポリスルフィド結合、モノスルフィド結合)によりゴム成分が架橋されることになる。ポリスルフィド結合は、熱により結合が切れやすく、耐熱性が低いため、タイヤの使用により物性が変化し、タイヤの使用に伴いグリップ性能が低下する(グリップ性能の持続性が低い)という問題があった。また、スルフィド結合の長さが短い(例えば、モノスルフィド結合)場合には、ポリマーネットワークの柔軟性が乏しく、グリップ性能に必要なゴム組成物の柔軟性が低下する問題があった。また、力(応力)が集中し、疲労によりスルフィド結合が切れやすいために、耐チャンキング性が低下する問題があった。
一方、上記式(I)で表される化合物を加硫剤として用いると、上記式(I)で表される化合物中の構造−(Sx−A−Sx−により、ゴム成分が架橋され、該構造はポリスルフィド結合よりも結合が強いため、熱により結合が切れにくく、耐熱性を向上し、グリップ性能の持続性を向上できるものと推測される。また、スルフィド結合の長さが短い(例えば、モノスルフィド結合)場合よりも、架橋点間の距離を長くすることができ、フレキシブルな架橋を実現できるものと推測される。そのため、ポリマーネットワークの柔軟性に富み、グリップ性能に必要な、ゴム組成物の柔軟性を確保することが出来る。さらに、このフレキシブルな架橋は応力を分散でき、結合が切れにくいため、耐チャンキング性を向上できるものと推測される。
しかし、上記式(I)で表される化合物を使用するだけでは、グリップ性能の持続性が十分と言えるレベルではなかった。そこで、本発明者らは、耐熱性に優れるモノスルフィド結合を増やすことでグリップ性能の持続性を補うことを考えた。
モノスルフィド結合を増やす手法としては、従来から、加硫剤として使用される硫黄と加硫促進剤の配合量を調整する手法がとられていた。例えば硫黄の配合量を減らして、加硫促進剤の配合量を増やすことで、モノスルフィド結合を増やす手法がとられている。しかし、この手法では、硫黄を配合しているために、耐熱性に劣るポリスルフィド架橋の生成を低減させることには限界があった。
一方、加硫剤としての硫黄を実質的に配合せずに上記式(T)で表される化合物を用いると、上記式(T)で表される化合物の構造−Sx−(1≦x≦4)から明らかなように、スルフィド結合を形成する硫黄の数は、最大で4個である。これは従来手法である硫黄を配合した場合に生成されるスルフィド結合の硫黄の最大数である8個に対して、大幅に少ない。従って、加硫剤としての硫黄を実質的に配合せずに上記式(T)で表される化合物を配合することにより、耐熱性を向上させる、モノスルフィド架橋の比率を大幅に高めることができ、グリップ性能の持続性を十分に向上させることが可能となる。
また、モノスルフィド架橋のみでは、グリップ性能の持続性は向上できるものの、耐チャンキング性、グリップ性能が劣る傾向がある。一方、上記式(I)で表される化合物による架橋(高分子架橋)のみでは、耐チャンキング性、グリップ性能を向上できるものの、グリップ性能の持続性が不充分である傾向がある。
これに対して、本発明では、加硫剤としての硫黄を実質的に配合しないゴム組成物において、上記式(I)で表される化合物、上記式(T)で表される化合物を併用するため、モノスルフィド架橋と高分子架橋を組み合わせることができ、グリップ性能、耐チャンキング性、グリップ性能の持続性を相乗的に改善でき、従来技術では達成できなかった、これら3性能をバランスよく得られる。
本発明で使用できるゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴムが挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、グリップ性能及び耐チャンキング性がバランスよく得られるという理由からNR、BR、SBRが好ましく、SBRがより好ましい。
SBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。
SBRのスチレン含有量は、好ましくは25質量%以上、より好ましくは35質量%以上である。25質量%未満であると、充分なグリップ性能が得られない傾向がある。また、上記スチレン含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。60質量%を超えると、耐チャンキング性が低下するだけでなく、温度依存性が増大し、温度変化に対する性能変化が大きくなってしまう傾向がある。なお、本発明において、SBRのスチレン含有量は、H−NMR測定により算出される。
ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは60質量%以上である。10質量%未満であると、十分なグリップ性能、耐熱性(グリップ性能の持続性)が得られない傾向がある。また、SBRの含有量の上限は特に限定されず、100質量%でもよい。
本発明では、下記式(I)で表される化合物が加硫剤として使用される。
Figure 2013035963
(式(I)において、Aは炭素数1〜15の炭化水素基を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、アルキル置換アミノ基、アラルキル置換アミノ基、又は環状アミノ基を表す。nは1〜12の整数を表す。x及びxは、同一若しくは異なって、1〜12の整数を表す。)
上記式(I)で表される化合物中のAの炭素数は、3以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましく、5以上であることが更に好ましい。炭素数が1未満であると、グリップ性能の持続性、耐チャンキング性の向上効果が充分に得られないおそれがある。また、Aの炭素数は、12以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましく、8以下であることが更に好ましい。炭素数が15を超えると、コストが高くなる傾向がある。
Aの炭化水素基としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基等のアルキレン基等が挙げられる。なかでも、炭素数4〜12のアルキレン基が好ましく、炭素数4〜8のアルキレン基がより好ましく、ヘキシレン基が更に好ましい。
本明細書において、アルキル置換アミノ基とは、アミノ基に含まれる水素原子がアルキル基により置換されたアミノ基(モノアルキル置換アミノ基、ジアルキル置換アミノ基)をいい、ジアルキル置換アミノ基が好ましい。なお、アルキル基には、シクロアルキル基も含まれる。
及びRのアルキル置換アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジn−ブチルアミノ基、ジsec−ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジtert−ブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジヘプチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、ジノニルアミノ基、ジデシルアミノ基、ジウンデシルアミノ基、ジドデシルアミノ基、ジトリデシルアミノ基、ジテトラデシルアミノ基、ジペンタデシルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘプチルアミノ基、ジシクロオクチルアミノ基、ジシクロノニルアミノ基、N,N−メチルエチルアミノ基、N,N−メチルプロピルアミノ基、N,N−メチルブチルアミノ基、N,N−エチルプロピルアミノ基、N,N−エチルブチルアミノ基、N,N−エチルオクチルアミノ基、N,N−メチルシクロペンチルアミノ基、N,N−メチルシクロヘキシルアミノ基、N,N−メチルヘプチルアミノ基、N,N−エチルシクロペンチルアミノ基、N,N−エチルシクロヘキシルアミノ基、N,N−プロピルシクロペンチルアミノ基、N,N−プロピルシクロヘキシルアミノ基、N,N−ブチルシクロペンチルアミノ基、N,N−ブチルシクロヘキシルアミノ基、ジ(2−エチルヘキシル)アミノ基等が挙げられる。アミノ基に含まれる水素原子を置換するアルキル基の炭素数は、本発明の効果が好適に得られるという理由から、1〜4が好ましい。
本明細書において、アラルキル置換アミノ基とは、アミノ基に含まれる水素原子がアラルキル基により置換されたアミノ基(モノアラルキル置換アミノ基、ジアラルキル置換アミノ基)をいい、ジアラルキル置換アミノ基が好ましい。
及びRのアラルキル置換アミノ基としては、例えば、ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基、ジトリチルアミノ基等が挙げられる。また、上述のアルキル置換アミノ基中のアルキル基にフェニル基などのアリール基が結合した基であってもよい。アミノ基に含まれる水素原子を置換するアラルキル基の炭素数は、本発明の効果が好適に得られるという理由から、7〜10が好ましく、7〜8がより好ましい。
本明細書において、環状アミノ基とは、環内に1以上の窒素原子を有する環状のアミノ基をいう。環状アミノ基は、ヘテロ原子を含む官能基及び/又は芳香族置換基を有してもよい。
本明細書において、ヘテロ原子を含む官能基とは、炭素原子以外の原子(例えば、酸素原子、窒素原子等)を含む官能基であり、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、アミノ基、アセチル基、アミド基、イミド基等が挙げられる。
また、本明細書において、芳香族置換基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
及びRの環状アミノ基としては、例えば、ピロリジル基、3−メチルピロリジル基、3−エチルピロリジル基、3−フェニルピロリジル基、3−ヒドロキシピロリジル基、2−メチルピロリジル基、2−エチルピロリジル基、2−フェニルピロリジル基、2−ヒドロキシピロリジル基、ピローリル基、3−アセチルピローリル基、3−メチルピローリル基、3−エチルピローリル基、3−ブチルピローリル基、2−アセチルピローリル基、2−メチルピローリル基、2−エチルピローリル基、2−ブチルピローリル基、イミダゾリル基、2−メチルイミダゾリル基、2−エチルイミダゾリル基、2−プロピルイミダゾリル基、2−ブチルイミダゾリル基、2−アセチルイミダゾリル基、2−フェニルイミダゾリル基、2−ベンジルイミダゾリル基、2−ヒドロキシルイミダゾリル基、2−アミノイミダゾリル基、2−クロロイミダゾリル基、2−ブロモイミダゾリル基、4−メチルイミダゾリル基、4−エチルイミダゾリル基、4−プロピルイミダゾリル基、4−ブチルイミダゾリル基、4−アセチルイミダゾリル基、4−フェニルイミダゾリル基、4−ベンジルイミダゾリル基、4−ヒドロキシルイミダゾリル基、4−アミノイミダゾリル基、4−クロロイミダゾリル基、4−ブロモイミダゾリル基、5−メチルイミダゾリル基、5−エチルイミダゾリル基、5−プロピルイミダゾリル基、5−ブチルイミダゾリル基、5−アセチルイミダゾリル基、5−フェニルイミダゾリル基、5−ベンジルイミダゾリル基、5−ヒドロキシルイミダゾリル基、5−アミノイミダゾリル基、5−クロロイミダゾリル基、5−ブロモイミダゾリル基、2,4−ジヒドロイミダゾリル基、2,5−ジヒドロイミダゾリル基、ピラゾリル基、5−メチルピラゾリル基、5−エチルピラゾリル基、5−プロピルピラゾリル基、5−ブチルピラゾリル基、5−アセチルピラゾリル基、5−フェニルピラゾリル基、5−ベンジルピラゾリル基、5−ヒドロキシルピラゾリル基、5−アミノピラゾリル基、5−クロロピラゾリル基、5−ブロモピラゾリル基、4−メチルピラゾリル基、4−エチルピラゾリル基、4−プロピルピラゾリル基、4−ブチルピラゾリル基、4−アセチルピラゾリル基、4−フェニルピラゾリル基、4−ベンジルピラゾリル基、4−ヒドロキシルピラゾリル基、4−アミノピラゾリル基、4−クロロピラゾリル基、4−ブロモピラゾリル基、3−メチルピラゾリル基、3−エチルピラゾリル基、3−プロピルピラゾリル基、3−ブチルピラゾリル基、3−アセチルピラゾリル基、3−フェニルピラゾリル基、3−ベンジルピラゾリル基、3−ヒドロキシルピラゾリル基、3−アミノピラゾリル基、3−クロロピラゾリル基、3−ブロモピラゾリル基、3,4−ジヒドロピラゾリル基、4,5−ジヒドロピラゾリル基、ピペリジニル基、2−メチルピペリジニル基、2−エチルピペリジニル基、2−プロピルピペリジニル基、2−ブチルピペリジニル基、2−アセチルピペリジニル基、2−フェニルピペリジニル基、2−ベンジルピペリジニル基、2−ヒドロキシルピペリジニル基、2−アミノピペリジニル基、2−クロロピペリジニル基、2−ブロモピペリジニル基、3−メチルピペリジニル基、3−エチルピペリジニル基、3−プロピルピペリジニル基、3−ブチルピペリジニル基、3−アセチルピペリジニル基、3−フェニルピペリジニル基、3−ベンジルピペリジニル基、3−ヒドロキシルピペリジニル基、3−アミノピペリジニル基、3−クロロピペリジニル基、3−ブロモピペリジニル基、4−メチルピペリジニル基、4−エチルピペリジニル基、4−プロピルピペリジニル基、4−ブチルピペリジニル基、4−アセチルピペリジニル基、4−フェニルピペリジニル基、4−ベンジルピペリジニル基、4−ヒドロキシルピペリジニル基、4−アミノピペリジニル基、4−クロロピペリジニル基、4−ブロモピペリジニル基、2,3−ジヒドロピペリジニル基、3,4−ジヒドロキシルピペリジニル基、ピペラジニル基、N−メチルピペラジニル基、2−メチルピペラジニル基、2−エチルピペラジニル基、2−プロピルピペラジニル基、2−ブチルピペラジニル基、2−アセチルピペラジニル基、2−フェニルピペラジニル基、2−ベンジルピペラジニル基、2−ヒドロキシルピペラジニル基、2−アミノピペラジニル基、2−クロロピペラジニル基、2−ブロモピペラジニル基、3−メチルピペラジニル基、3−エチルピペラジニル基、3−プロピルピペラジニル基、3−ブチルピペラジニル基、3−アセチルピペラジニル基、3−フェニルピペラジニル基、3−ベンジルピペラジニル基、3−ヒドロキシルピペラジニル基、3−アミノピペラジニル基、3−クロロピペラジニル基、3−ブロモピペラジニル基、2,3−ジヒドロキシルピペラジニル基、N−メチル−ピペラジニル基、N−メチル−2−メチルピペラジニル基、N−メチル−2−エチルピペラジニル基、N−メチル−2−プロピルピペラジニル基、N−メチル−2−ブチルピペラジニル基、N−メチル−2−アセチルピペラジニル基、N−メチル−2−フェニルピペラジニル基、N−メチル−2−ベンジルピペラジニル基、N−メチル−2−ヒドロキシルピペラジニル基、N−メチル−2−アミノピペラジニル基、N−メチル−2−クロロピペラジニル基、N−メチル−2−ブロモピペラジニル基、N−メチル−3−メチルピペラジニル基、N−メチル−3−エチルピペラジニル基、N−メチル−3−プロピルピペラジニル基、N−メチル−3−ブチルピペラジニル基、N−メチル−3−アセチルピペラジニル基、N−メチル−3−フェニルピペラジニル基、N−メチル−3−ベンジルピペラジニル基、N−メチル−3−ヒドロキシルピペラジニル基、N−メチル−3−アミノピペラジニル基、N−メチル−3−クロロピペラジニル基、N−メチル−3−ブロモピペラジニル基、N−メチル−2,3−ジヒドロキシルピペラジニル基、N−エチル−ピペラジニル基、N−エチル−2−メチルピペラジニル基、N−エチル−2−エチルピペラジニル基、N−エチル−2−プロピルピペラジニル基、N−エチル−2−ブチルピペラジニル基、N−エチル−2−アセチルピペラジニル基、N−エチル−2−フェニルピペラジニル基、N−エチル−2−ベンジルピペラジニル基、N−エチル−2−ヒドロキシルピペラジニル基、N−エチル−2−アミノピペラジニル基、N−エチル−2−クロロピペラジニル基、N−エチル−2−ブロモピペラジニル基、N−エチル−3−メチルピペラジニル基、N−エチル−3−エチルピペラジニル基、N−エチル−3−プロピルピペラジニル基、N−エチル−3−ブチルピペラジニル基、N−エチル−3−アセチルピペラジニル基、N−エチル−3−フェニルピペラジニル基、N−エチル−3−ベンジルピペラジニル基、N−エチル−3−ヒドロキシルピペラジニル基、N−エチル−3−アミノピペラジニル基、N−エチル−3−クロロピペラジニル基、N−エチル−3−ブロモピペラジニル基、2,3−ジヒドロキシルピペラジニル基、N−フェニル−ピペラジニル基、N−フェニル−2−メチルピペラジニル基、N−フェニル−2−エチルピペラジニル基、N−フェニル−2−プロピルピペラジニル基、N−フェニル−2−ブチルピペラジニル基、N−フェニル−2−アセチルピペラジニル基、N−フェニル−2−フェニルピペラジニル基、N−フェニル−2−ベンジルピペラジニル基、N−フェニル−2−ヒドロキシルピペラジニル基、N−フェニル−2−アミノピペラジニル基、N−フェニル−2−クロロピペラジニル基、N−フェニル−2−ブロモピペラジニル基、N−フェニル−3−メチルピペラジニル基、N−フェニル−3−エチルピペラジニル基、N−フェニル−3−プロピルピペラジニル基、N−フェニル−3−ブチルピペラジニル基、N−フェニル−3−アセチルピペラジニル基、N−フェニル−3−フェニルピペラジニル基、N−フェニル−3−ベンジルピペラジニル基、N−フェニル−3−ヒドロキシルピペラジニル基、N−フェニル−3−アミノピペラジニル基、N−フェニル−3−クロロピペラジニル基、N−フェニル−3−ブロモピペラジニル基、N−フェニル−2,3−ジヒドロキシルピペラジニル基、N−ベンゾイル−ピペラジニル基、N−ベンゾイル−2−メチルピペラジニル基、N−ベンゾイル−2−エチルピペラジニル基、N−ベンゾイル−2−プロピルピペラジニル基、N−ベンゾイル−2−ブチルピペラジニル基、N−ベンゾイル−2−アセチルピペラジニル基、N−ベンゾイル−2−フェニルピペラジニル基、N−ベンゾイル−2−ベンジルピペラジニル基、N−ベンゾイル−2−ヒドロキシルピペラジニル基、N−ベンゾイル−2−アミノピペラジニル基、N−ベンゾイル−2−クロロピペラジニル基、N−ベンゾイル−2−ブロモピペラジニル基、N−ベンゾイル−3−メチルピペラジニル基、N−ベンゾイル−3−エチルピペラジニル基、N−ベンゾイル−3−プロピルピペラジニル基、N−ベンゾイル−3−ブチルピペラジニル基、N−ベンゾイル−3−アセチルピペラジニル基、N−ベンゾイル−3−フェニルピペラジニル基、N−ベンゾイル−3−ベンジルピペラジニル基、N−ベンゾイル−3−ヒドロキシルピペラジニル基、N−ベンゾイル−3−アミノピペラジニル基、N−ベンゾイル−3−クロロピペラジニル基、N−ベンゾイル−3−ブロモピペラジニル基、N−ベンゾイル−2,3−ジヒドロキシルピペラジニル基、N−アセチルフェニルピペラジニル基、テトラヒドロキノリノ基、テトラヒドロイソキノリノ基、スクシンイミジル基、モルホリル基等が挙げられる。
及びRとしては、上記アルキル置換アミノ基、アラルキル置換アミノ基、環状アミノ基のなかでも、イミダゾリル基、2−メチルイミダゾリル基、2−エチルイミダゾリル基、2−プロピルイミダゾリル基、2−ブチルイミダゾリル基、2−アセチルイミダゾリル基、2−フェニルイミダゾリル基、2−ベンジルイミダゾリル基、2−ヒドロキシルイミダゾリル基、2−アミノイミダゾリル基、2−クロロイミダゾリル基、2−ブロモイミダゾリル基、4−メチルイミダゾリル基、4−エチルイミダゾリル基、4−プロピルイミダゾリル基、4−ブチルイミダゾリル基、4−アセチルイミダゾリル基、4−フェニルイミダゾリル基、4−ベンジルイミダゾリル基、4−ヒドロキシルイミダゾリル基、4−アミノイミダゾリル基、4−クロロイミダゾリル基、4−ブロモイミダゾリル基、5−メチルイミダゾリル基、5−エチルイミダゾリル基、5−プロピルイミダゾリル基、5−ブチルイミダゾリル基、5−アセチルイミダゾリル基、5−フェニルイミダゾリル基、5−ベンジルイミダゾリル基、5−ヒドロキシルイミダゾリル基、5−アミノイミダゾリル基、5−クロロイミダゾリル基、5−ブロモイミダゾリル基、2,4−ジヒドロイミダゾリル基、2,5−ジヒドロイミダゾリル基、ピラゾリル基、5−メチルピラゾリル基、5−エチルピラゾリル基、5−プロピルピラゾリル基、5−ブチルピラゾリル基、5−アセチルピラゾリル基、5−フェニルピラゾリル基、5−ベンジルピラゾリル基、5−ヒドロキシルピラゾリル基、5−アミノピラゾリル基、5−クロロピラゾリル基、5−ブロモピラゾリル基、4−メチルピラゾリル基、4−エチルピラゾリル基、4−プロピルピラゾリル基、4−ブチルピラゾリル基、4−アセチルピラゾリル基、4−フェニルピラゾリル基、4−ベンジルピラゾリル基、4−ヒドロキシルピラゾリル基、4−アミノピラゾリル基、4−クロロピラゾリル基、4−ブロモピラゾリル基、3−メチルピラゾリル基、3−エチルピラゾリル基、3−プロピルピラゾリル基、3−ブチルピラゾリル基、3−アセチルピラゾリル基、3−フェニルピラゾリル基、3−ベンジルピラゾリル基、3−ヒドロキシルピラゾリル基、3−アミノピラゾリル基、3−クロロピラゾリル基、3−ブロモピラゾリル基、3,4−ジヒドロピラゾリル基、4,5−ジヒドロピラゾリル基、ピペラジニル基、2−メチルピペラジニル基、2−エチルピペラジニル基、2−プロピルピペラジニル基、2−ブチルピペラジニル基、2−アセチルピペラジニル基、2−フェニルピペラジニル基、2−ベンジルピペラジニル基、2−ヒドロキシルピペラジニル基、2−アミノピペラジニル基、2−クロロピペラジニル基、2−ブロモピペラジニル基、3−メチルピペラジニル基、3−エチルピペラジニル基、3−プロピルピペラジニル基、3−ブチルピペラジニル基、3−アセチルピペラジニル基、3−フェニルピペラジニル基、3−ベンジルピペラジニル基、3−ヒドロキシルピペラジニル基、3−アミノピペラジニル基、3−クロロピペラジニル基、3−ブロモピペラジニル基、2,3−ジヒドロキシルピペラジニル基、N−メチル−ピペラジニル基、N−メチル−2−メチルピペラジニル基、N−メチル−2−エチルピペラジニル基、N−メチル−2−プロピルピペラジニル基、N−メチル−2−ブチルピペラジニル基、N−メチル−2−アセチルピペラジニル基、N−メチル−2−フェニルピペラジニル基、N−メチル−2−ベンジルピペラジニル基、N−メチル−2−ヒドロキシルピペラジニル基、N−メチル−2−アミノピペラジニル基、N−メチル−2−クロロピペラジニル基、N−メチル−2−ブロモピペラジニル基、N−メチル−3−メチルピペラジニル基、N−メチル−3−エチルピペラジニル基、N−メチル−3−プロピルピペラジニル基、N−メチル−3−ブチルピペラジニル基、N−メチル−3−アセチルピペラジニル基、N−メチル−3−フェニルピペラジニル基、N−メチル−3−ベンジルピペラジニル基、N−メチル−3−ヒドロキシルピペラジニル基、N−メチル−3−アミノピペラジニル基、N−メチル−3−クロロピペラジニル基、N−メチル−3−ブロモピペラジニル基、N−メチル−2,3−ジヒドロキシルピペラジニル基、N−エチル−ピペラジニル基、N−エチル−2−メチルピペラジニル基、N−エチル−2−エチルピペラジニル基、N−エチル−2−プロピルピペラジニル基、N−エチル−2−ブチルピペラジニル基、N−エチル−2−アセチルピペラジニル基、N−エチル−2−フェニルピペラジニル基、N−エチル−2−ベンジルピペラジニル基、N−エチル−2−ヒドロキシルピペラジニル基、N−エチル−2−アミノピペラジニル基、N−エチル−2−クロロピペラジニル基、N−エチル−2−ブロモピペラジニル基、N−エチル−3−メチルピペラジニル基、N−エチル−3−エチルピペラジニル基、N−エチル−3−プロピルピペラジニル基、N−エチル−3−ブチルピペラジニル基、N−エチル−3−アセチルピペラジニル基、N−エチル−3−フェニルピペラジニル基、N−エチル−3−ベンジルピペラジニル基、N−エチル−3−ヒドロキシルピペラジニル基、N−エチル−3−アミノピペラジニル基、N−エチル−3−クロロピペラジニル基、N−エチル−3−ブロモピペラジニル基、2,3−ジヒドロキシルピペラジニル基、N−フェニル−ピペラジニル基、N−フェニル−2−メチルピペラジニル基、N−フェニル−2−エチルピペラジニル基、N−フェニル−2−プロピルピペラジニル基、N−フェニル−2−ブチルピペラジニル基、N−フェニル−2−アセチルピペラジニル基、N−フェニル−2−フェニルピペラジニル基、N−フェニル−2−ベンジルピペラジニル基、N−フェニル−2−ヒドロキシルピペラジニル基、N−フェニル−2−アミノピペラジニル基、N−フェニル−2−クロロピペラジニル基、N−フェニル−2−ブロモピペラジニル基、N−フェニル−3−メチルピペラジニル基、N−フェニル−3−エチルピペラジニル基、N−フェニル−3−プロピルピペラジニル基、N−フェニル−3−ブチルピペラジニル基、N−フェニル−3−アセチルピペラジニル基、N−フェニル−3−フェニルピペラジニル基、N−フェニル−3−ベンジルピペラジニル基、N−フェニル−3−ヒドロキシルピペラジニル基、N−フェニル−3−アミノピペラジニル基、N−フェニル−3−クロロピペラジニル基、N−フェニル−3−ブロモピペラジニル基、N−フェニル−2,3−ジヒドロキシルピペラジニル基、N−ベンゾイル−ピペラジニル基、N−ベンゾイル−2−メチルピペラジニル基、N−ベンゾイル−2−エチルピペラジニル基、N−ベンゾイル−2−プロピルピペラジニル基、N−ベンゾイル−2−ブチルピペラジニル基、N−ベンゾイル−2−アセチルピペラジニル基、N−ベンゾイル−2−フェニルピペラジニル基、N−ベンゾイル−2−ベンジルピペラジニル基、N−ベンゾイル−2−ヒドロキシルピペラジニル基、N−ベンゾイル−2−アミノピペラジニル基、N−ベンゾイル−2−クロロピペラジニル基、N−ベンゾイル−2−ブロモピペラジニル基、N−ベンゾイル−3−メチルピペラジニル基、N−ベンゾイル−3−エチルピペラジニル基、N−ベンゾイル−3−プロピルピペラジニル基、N−ベンゾイル−3−ブチルピペラジニル基、N−ベンゾイル−3−アセチルピペラジニル基、N−ベンゾイル−3−フェニルピペラジニル基、N−ベンゾイル−3−ベンジルピペラジニル基、N−ベンゾイル−3−ヒドロキシルピペラジニル基、N−ベンゾイル−3−アミノピペラジニル基、N−ベンゾイル−3−クロロピペラジニル基、N−ベンゾイル−3−ブロモピペラジニル基、N−ベンゾイル−2,3−ジヒドロキシルピペラジニル基、N−アセチルフェニルピペラジニル基、ジn−ブチルアミノ基、ジデシルアミノ基、ピロリジル基、モルホリル基、N−メチルピペラジニル基、ジベンジルアミノ基が好ましく、ジベンジルアミノ基、ピロリジル基、N−メチルピペラジニル基がより好ましい。
なかでも、加硫速度においてより優位性が得られるという理由から、環状アミノ基が更に好ましく、ヘテロ原子を含む官能基若しくは芳香族置換基を有している環状アミノ基、1以上のヘテロ原子をその環内に含む環状アミノ基が特に好ましい。また、環状アミノ基としては、加硫速度において更なる優位性が得られるという理由から、下記式(II)で表される基が最も好ましい。
Figure 2013035963
(式(II)において、Rは、ヘテロ原子を含む炭素数1〜15の炭化水素基であり、ヘテロ原子を含む官能基及び/又は芳香族置換基を有してもよい。)
上記式(II)で表される化合物中のRの炭素数は、1以上であり、2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましい。また、Rの炭素数は、15以下であり、10以下であることが好ましい。炭素数が15を超えるとコストが高くなる傾向がある。
の炭化水素基としては、例えば、上記Aの炭化水素基と同様の基の一以上の炭素原子がヘテロ原子に置換した基、上記Aの炭化水素基と同様の基の1以上のメチレン基に、アミノ基等のヘテロ原子団や酸素原子等のヘテロ原子が結合した基、上記Aの炭化水素基と同様の基の一以上の炭素原子がヘテロ原子に置換した基の1以上のメチレン基に、アミノ基等のヘテロ原子団や酸素原子等のヘテロ原子が結合した基等が挙げられる。
上記式(II)で表される基としては、例えば、上記ピペラジニル基およびその誘導体(例えば、N−メチル−ピペラジニル基、N−メチル−2−メチルピペラジニル基等)、モルホリル基等が挙げられる。なかでも、原料が比較的安価であるという理由から、N−メチル−ピペラジニル基、モルホリル基が好ましい。
上記式(I)で表される化合物中のnは、12以下、好ましくは8以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは4以下、特に好ましくは3以下である。12を超えると、コストが高くなる傾向がある。また、nは、1以上である。n=0であると、グリップ性能、耐熱性(グリップ性能の持続性)、耐チャンキング性の向上効果が充分に得られないおそれがある。
本発明では、上記式(I)で表される化合物として、nが同一の化合物のみを配合した場合よりも、nが異なる複数の上記式(I)で表される化合物を配合した場合の方が、各性能の改善効果をより高めることができる。
上記式(I)で表される化合物100質量%中、n=1の化合物の含有量は、好ましくは2質量%以上、より好ましくは5質量%以上である。2質量%未満であると、充分な耐チャンキング性、耐熱性が得られないおそれがある。また、上記式(I)で表される化合物100質量%中、n=1の化合物の含有量は、好ましくは96質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。96質量%を超えると、充分な柔軟性が得られないおそれがある。
上記式(I)で表される化合物100質量%中、n=2の化合物の含有量は、好ましくは2質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。2質量%未満であると、充分な耐チャンキング性が得られないおそれがある。また、上記式(I)で表される化合物100質量%中、n=2の化合物の含有量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。80質量%を超えると、充分な耐チャンキング性が得られないおそれがある。
上記式(I)で表される化合物100質量%中、n=3の化合物の含有量は、好ましくは2質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは50質量%以上である。2質量%未満であると、充分な耐チャンキング性、柔軟性、グリップ性能が得られないおそれがある。また、上記式(I)で表される化合物100質量%中、n=3の化合物の含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。90質量%を超えると、充分な耐チャンキング性が得られないおそれがある。
上記式(I)で表される化合物100質量%中、n=2以下の化合物の含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。50質量%を超えると、充分な柔軟性が得られないおそれがある。また、上記式(I)で表される化合物100質量%中、n=2以下の化合物の含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。10質量%未満であると、充分な耐チャンキング性、耐熱性(グリップ性能の持続性)が得られないおそれがある。
上記式(I)で表される化合物中のxは、12以下、好ましくは10以下、より好ましくは8以下、更に好ましくは4以下である。12を超えると、耐熱性(グリップ性能の持続性)が悪化するおそれがある。また、xは、1以上である。x=0であると、グリップ性能、耐熱性(グリップ性能の持続性)及び耐チャンキング性の向上効果が充分に得られないおそれがある。
上記式(I)で表される化合物中のxは、12以下、好ましくは10以下、より好ましくは8以下、更に好ましくは4以下である。12を超えると、耐熱性(グリップ性能の持続性)が悪化するおそれがある。また、xは、1以上である。x=0であると、グリップ性能、耐熱性(グリップ性能の持続性)及び耐チャンキング性の向上効果が充分に得られないおそれがある。
上記式(I)で表される化合物100質量%中、x及びx=1である化合物の含有量は、好ましくは80質量%以上である。80質量%未満であると、充分な耐熱性(グリップ性能の持続性)が得られないおそれがある。また、上記式(I)で表される化合物100質量%中、x及びx=1である化合物の含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下である。90質量%を超えると、充分な耐チャンキング性が得られないおそれがある。
上記式(I)で表される化合物100質量%中、x及びx=2である化合物の含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。10質量%未満であると、充分な柔軟性、グリップ性能が得られないおそれがある。また、上記式(I)で表される化合物100質量%中、x及びx=2である化合物の含有量は、好ましくは20質量%以下である。20質量%を超えると、充分な耐熱性(グリップ性能の持続性)が得られないおそれがある。
上記式(I)で表される化合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上、更に好ましくは4.0質量部以上である。0.1質量部未満では、上記式(I)で表される化合物を配合したことにより得られる効果が充分に得られないおそれがある。また、上記式(I)で表される化合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。20質量部を超えると、コストの増加に見合った効果が得られない傾向がある。
本発明では、下記式(T)で表される化合物が使用される。下記式(T)で表される化合物は、いわゆるチウラム系加硫促進剤である。
Figure 2013035963
(式(T)において、R及びRは、同一若しくは異なって、アルキル置換アミノ基、アラルキル置換アミノ基、又は環状アミノ基を表す。xは、1〜4の整数を表す。)
上記式(T)におけるR及びRのアルキル置換アミノ基としては、上記R及びRのアルキル置換アミノ基と同様の基が挙げられる。アミノ基に含まれる水素原子を置換するアルキル基の炭素数は、本発明の効果が好適に得られるという理由から、1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい。
上記式(T)におけるR及びRのアラルキル置換アミノ基としては、上記R及びRのアラルキル置換アミノ基と同様の基が挙げられる。アミノ基に含まれる水素原子を置換するアラルキル基の炭素数は、本発明の効果が好適に得られるという理由から、7〜10が好ましく、7〜8がより好ましい。
上記式(T)におけるR及びRの環状アミノ基としては、上記R及びRの環状アミノ基と同様の基が挙げられる。
及びRとしては、上記アルキル置換アミノ基、アラルキル置換アミノ基、環状アミノ基のなかでも、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジn−ブチルアミノ基、ジsec−ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジtert−ブチルアミノ基、ピペリジニル基、ジベンジルアミノ基、ジ(2−エチルヘキシル)アミノ基が好ましく、ピペリジニル基、ジベンジルアミノ基、ジ(2−エチルヘキシル)アミノ基がより好ましい。
上記式(T)で表される化合物中のxは、4以下、より好ましくは3以下である。4を超えると、モノスルフィド架橋比率が低下し、充分なグリップ性能の持続性が得られないおそれがある。また、xは、1以上である。x=0であると、グリップ性能、グリップ性能の持続性、耐チャンキング性の向上効果が充分に得られないおそれがある。
上記式(T)で表される化合物としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィドなどが挙げられる。
上記式(T)で表される化合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上である。0.1質量部未満では、上記式(T)で表される化合物を配合したことにより得られる効果が充分に得られないおそれがある。また、上記式(T)で表される化合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは3.5質量部以下である。20質量部を超えると、加硫速度が速くなりすぎるおそれがある。
本発明のゴム組成物には、加硫剤として硫黄を実質的に配合しない。
ここで、硫黄とは、タイヤ工業において一般的に用いられる加硫剤用硫黄を意味し、上記式(I)で表される化合物、上記式(T)で表される化合物中に含まれる硫黄原子を意味するものではない。上記加硫剤用硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などが挙げられる。
加硫剤用硫黄の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.05質量部以下、より好ましくは0.01質量部以下、更に好ましくは0.001質量部以下、最も好ましくは0質量部(配合しない)である。硫黄を配合すると、グリップ性能、グリップ性能の持続性、耐チャンキング性(特に、グリップ性能の持続性)が低下する。
本発明のゴム組成物は、充填剤(補強用充填剤)を配合してもよい。充填剤としては、カーボンブラック、シリカ、クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク等が使用できる。なかでも、カーボンブラック及び/又はシリカが好ましく、カーボンブラックがより好ましい。
充填剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは45質量部以上、更に好ましくは65質量部以上である。20質量部未満では、補強性が低いため、充分な耐屈曲疲労性、耐チャンキング性が得られない傾向がある。また、充分なグリップ性能が得られない傾向がある。また、充填剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは150質量部以下、より好ましくは120質量部以下、更に好ましくは100質量部以下である。150質量部を超えると、加工性や充填剤の分散性が悪く、耐チャンキング性が低下する傾向がある。
使用できるカーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されない。なお、カーボンブラックは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は好ましくは50m/g以上、より好ましくは100m/g以上である。NSAが50m/g未満では、充分な耐チャンキング性、グリップ性能が得られない傾向がある。また、カーボンブラックのNSAは好ましくは200m/g以下、より好ましくは150m/g以下である。NSAが200m/gを超えると、カーボンブラックの分散性が悪く、耐チャンキング性が低下する傾向がある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは60質量部以上、より好ましくは70質量部以上である。60質量部未満では、充分な耐チャンキング性、グリップ性能が得られない傾向がある。また、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは200質量部以下、より好ましくは180質量部以下、更に好ましくは100質量部以下である。200質量部を超えると、加工性やカーボンブラックの分散性が悪く、耐チャンキング性が低下する傾向がある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、粘着付与剤、芳香族系石油樹脂、ワックス、軟化剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
本発明で使用できる軟化剤としては、特に限定するものではないが、例えば、オイルであればアロマチックオイル、プロセスオイル、パラフィンオイル等の鉱物油が挙げられる。また、軟化剤としては、耐熱性(グリップ性能の持続性)とグリップ性能のバランスに優れるという点から、液状ジエン系重合体を軟化剤として使用することがより好ましい。これら軟化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液状ジエン系重合体は、液体状態のジエン系重合体であれば特に限定されず、例えば、液状のスチレンブタジエン共重合体(ゴム)、ブタジエン重合体(ゴム)、イソプレン重合体(ゴム)、アクリロニトリルブタジエン共重合体(ゴム)等が挙げられる。なかでも、耐熱性(グリップ性能の持続性)とグリップ性能がバランスよく得られるという理由から、液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)が好ましい。
液状ジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)は好ましくは2000以上、より好ましくは3000以上である。Mwが2000未満では、耐チャンキング性が低下する傾向がある。また、液状ジエン系重合体のMwは好ましくは50000以下、より好ましくは40000以下、更に好ましくは15000以下である。Mwが50000を超えると、ゴム成分との分子量の差が小さくなり、可塑剤としての効果が発揮されにくい傾向がある。
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めた値である。
液状ジエン系重合体の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは8質量部以上である。5質量部未満では、充分なグリップ性能が得られない傾向がある。また、液状ジエン系重合体の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは50質量部以下、より好ましくは20質量部以下である。50質量部を超えると、耐チャンキング性が悪化するおそれがある。
本発明では、本発明の効果が好適に得られるという理由から、鉱物油の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは0.5質量部以下である。
充填剤の配合量と、軟化剤の配合量の質量比(充填剤の配合量(質量部)/軟化剤の配合量(質量部))は、本発明の効果が好適に得られるという理由から、1〜20が好ましく、5〜12がより好ましい。
本発明では、本発明の効果が好適に得られるという理由から、芳香族系石油樹脂を配合することが好ましい。芳香族系石油樹脂としては、フェノール系樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン樹脂、ロジン樹脂、DCPD樹脂などがあげられる。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、クマロンインデン樹脂が好ましい。
クマロンインデン樹脂は、樹脂の骨格(主鎖)を構成するモノマー成分として、クマロン及びインデンを含む樹脂であり、クマロン、インデン以外に骨格に含まれるモノマー成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルインデン、ビニルトルエンなどが挙げられる。
芳香族系石油樹脂の軟化点は、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上である。70℃未満であると、充分な耐チャンキング性が得られないおそれがある。また、該軟化点は、好ましくは170℃以下、より好ましくは140℃以下である。170℃を超えると、グリップ性能が悪化する傾向がある。
なお、芳香族系石油樹脂の軟化点は、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
芳香族系石油樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは5質量部以上である。2質量部未満では、グリップ性能の改善効果が充分に得られないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは25質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。25質量部を超えると、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。また、温度依存性が増大し、温度変化に対する性能変化が大きくなる傾向がある。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。該ゴム組成物は、タイヤの各部材に使用でき、なかでも、トレッドに好適に使用できる。
本発明のゴム組成物(加硫後)は、JIS K6251:2010に基づいて、試験片としてダンベル状3号形試験片を使用し、25℃雰囲気下において引張試験を実施して測定した破断強度TB(MPa)、破断時伸びEB(%)から算出されるTB×EB/2(MPa・%)が、3500以上であることが好ましく、4000以上であることがより好ましい。該TB×EB/2の上限は特に限定されず、高ければ高いほどよい。
TB×EB/2が上記範囲内であると、良好な耐チャンキング性を確保できる。
本発明の二輪車用タイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの各タイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。また、ストリップを巻きつけて作製するSTW工法により二輪車用タイヤを製造してもよい。
本発明の二輪車用タイヤは、自動二輪車用タイヤとして用いられ、特に、モトクロス用タイヤとして好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下に、化合物の合成で使用した薬品についてまとめて説明する。
Duralink HTS:Flexsys社製のDuralink HTS(ヘキサメチレン−1,6−ビス(チオスルフェイト)2ナトリウム塩2水和物)
ピロリジン:東京化成工業(株)製
モルホリン:東京化成工業(株)製
N−メチルピペラジン:東京化成工業(株)製
ジベンジルアミン:東京化成工業(株)製
炭酸水素ナトリウム:東京化成工業(株)製
水酸化ナトリウム:東京化成工業(株)製
二硫化炭素:和光純薬工業(株)製
エタノール:和光純薬工業(株)製
ホルムアルデヒド:和光純薬工業(株)製
チオ硫酸ナトリウム5水和物:和光純薬工業(株)製
クロロホルム:和光純薬工業(株)製
酢酸ナトリウム:関東化学(株)製
硫酸マグネシウム:和光純薬工業(株)製
(化合物の分析及び分離)
化合物の構造は、日本電子(株)製JNM−ECAシリーズのNMR装置、及び(株)島津製作所製のLC/MS(逆相カラム、溶出液:水/アセトニトリル)を用いて分析した。分析結果は表1に記載した。また、化合物の分離は、(株)島津製作所製のHPLC(逆相カラム、溶出液:水/アセトニトリル)を用いて行った。
(合成例1)
三ツ口フラスコにジベンジルアミン78.9g、水酸化ナトリウム16g(0.4mol)、炭酸水素ナトリウム2g(0.02mmol)を含む水溶液をいれ、室温下で撹拌しながら、二硫化炭素60.9g(0.8mol)を滴下した。滴下後、反応混合物を40℃で2時間撹拌した後、室温に戻し、Duralink HTS78.1g、酢酸ナトリウム27.2g(0.2mol)、35%ホルムアルデヒド4g(0.05mol)を含む水溶液を滴下した。反応混合物を室温で20時間撹拌後、クロロホルムにて抽出し、溶媒を留去して生成物(下記式(A)で表される化合物を複数種含む混合物)(化合物1)を得た。
Figure 2013035963
(合成例2)
Duralink HTSを156.2g、酢酸ナトリウムを54.4gにした以外は合成例1と同様にして合成を行った。生成物は上記式(A)で表される化合物を複数種含む混合物(化合物2)であった。
(合成例3)
Duralink HTSを234.3g、酢酸ナトリウムを81.6gにした以外は合成例1と同様にして合成を行った。生成物は上記式(A)で表される化合物を複数種含む混合物(化合物3)であった。
(合成例4)
三ツ口フラスコにピロリジン28.4g(0.4mol)、水酸化ナトリウム16g(0.4mol)、炭酸水素ナトリウム2g(0.02mmol)を含む水溶液をいれ、室温下で撹拌しながら、二硫化炭素60.9g(0.8mol)を滴下した。滴下後、反応混合物を40℃で2時間撹拌した後、室温に戻し、Duralink HTS79.1g(0.2mol)、酢酸ナトリウム27.2g(0.2mol)、35%ホルムアルデヒド4g(0.05mol)を含む水溶液を滴下した。反応混合物を室温で20時間撹拌後、クロロホルムにて抽出し、溶媒を留去して生成物(下記式(B)で表される化合物を複数種含む混合物)(化合物4)を得た。
Figure 2013035963
(合成例5)
Duralink HTSを156.2g、酢酸ナトリウムを54.4gにした以外は合成例4と同様にして合成を行った。生成物は上記式(B)で表される化合物を複数種含む混合物(化合物5)であった。
(合成例6)
ピロリジンの代わりにN−メチルピペラジン40.1gを使用し、Duralink HTSを234.3g、酢酸ナトリウムを81.6gにした以外は合成例4と同様にして合成を行った。生成物は下記式(C)で表される化合物を複数種含む混合物(化合物6)であった。
Figure 2013035963
Figure 2013035963
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR1:旭化成(株)製のタフデン4850(S−SBR、スチレン含有量:40質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分50質量部含有)
SBR2:日本ゼオン(株)製のNipol9548(E−SBR、スチレン含有量:35質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分37.5質量部含有)
カーボンブラック1:三菱化学(株)製のダイアブラックSA(NSA:137m/g)
カーボンブラック2:東海カーボン(株)製のシースト9SAF(NSA:142m/g)
液状SBR:サートマー社製のRICON100(Mw:5000)
レジン1:日塗化学(株)製のエスクロンV120(クマロンインデン樹脂、軟化点:120℃)
レジン2:日塗化学(株)製のエスクロンG90(クマロンインデン樹脂、軟化点:90℃)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
KA9188:ランクセス社製のKA9188(1,6ービス(ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン)
化合物1〜6:上記合成例1〜6で得られた化合物1〜6
TRA:大内新興化学工業(株)製のノクセラーTRA(ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(加硫促進剤))
TBzTD:大内新興化学工業(株)製のノクセラーTBzTD(テトラベンジルチウラムジスルフィド(加硫促進剤))
TOT−N:大内新興化学工業(株)製のノクセラーTOT−N(テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(加硫促進剤))
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
CZ:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(加硫促進剤))
実施例及び比較例
表2及び3に示す配合処方にしたがい、1.7Lのバンバリーミキサーを用いて、加硫剤(合成例1〜6で得られた生成物、硫黄)および加硫促進剤以外のものを130℃で5分間混練りした。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に加硫剤および加硫促進剤を添加して120℃で2分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を150℃の条件下で30分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
また、得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、150℃の条件下で30分間プレス加硫し、試験用タイヤ(モトクロス用タイヤ)(タイヤサイズ:120/80−19)を得た。
得られた加硫ゴム組成物、試験用タイヤを使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表2及び3に示す。なお、表2、3の基準比較例をそれぞれ比較例1、11とした。
(グリップ性能)
上記試験用タイヤをモトクロス用自動二輪車(本田技研工業(株)製のCRF450R)の全輪に装着し、モトクロス用テストコースにて10周の実車走行を行なった。その際における、操舵時のコントロールの安定性をテストドライバーが評価し、基準比較例を100として指数表示をした。数値が大きいほどグリップ性能に優れることを示す。
(グリップ性能の持続性)
上記試験用タイヤをモトクロス用自動二輪車(本田技研工業(株)製のCRF450R)の全輪に装着し、モトクロス用テストコースにて10周の実車走行を行なった。その際に、走行3周目における操舵時のコントロールの安定性と、走行10周目における操舵時のコントロールの安定性をテストドライバーが比較評価し、基準比較例を100として指数表示をした。数値が大きいほどグリップ性能の持続性に優れることを示す。
基準比較例のグリップ性能の持続性=(基準比較例の10周目の操舵時のコントロール安定性)/(基準比較例の3周目の操舵時のコントロール安定性)
グリップ性能の持続性=((各例の10周目の操舵時のコントロール安定性)/(各例の3周目の操舵時のコントロール安定性))/(基準比較例のグリップ性能の持続性)×100
(耐チャンキング性)
JIS K6251:2010に基づいて、得られた加硫ゴム組成物からダンベル状3号形試験片を作製し、該試験片を用いて25℃雰囲気下において引張試験を実施して破断強度TB(MPa)、破断時伸びEB(%)を測定した。そして、TB×EB/2(MPa・%)を算出した。結果は、実測値を示すと共に、基準比較例の結果を100として指数表示した。TB×EB/2、指数が大きいほど、耐チャンキング性に優れることを示す。
Figure 2013035963
Figure 2013035963
上記式(I)で表される化合物と、上記式(T)で表される化合物とを含み、加硫剤としての硫黄を実質的に配合しない実施例は、グリップ性能、耐チャンキング性、グリップ性能の持続性がバランスよく得られた。
実施例7と実施例1〜3、実施例14と実施例8〜10の比較より、上記式(I)で表される化合物として、nが同一の化合物のみを配合した場合よりも、nが異なる複数の上記式(I)で表される化合物を配合した場合の方が、各性能の改善効果をより高めることができることが分かった。
比較例1、3、6、実施例1の比較、比較例1、4、6、実施例2の比較、比較例1、5、6、実施例3の比較、比較例1、5、7、実施例4の比較、比較例11、13、16、実施例8の比較、比較例11、14、16、実施例9の比較、比較例11、15、16、実施例10の比較、比較例11、15、16、実施例11の比較により、加硫剤としての硫黄を実質的に配合しないゴム組成物において、上記式(I)で表される化合物、上記式(T)で表される化合物を併用することにより、グリップ性能、耐チャンキング性、グリップ性能の持続性を相乗的に改善できることが分かった。
比較例10、実施例1の比較、比較例20、実施例8の比較より、硫黄を配合した場合には、グリップ性能、耐チャンキング性、グリップ性能の持続性(特に、グリップ性能の持続性)が劣ることが分かった。

Claims (12)

  1. 下記式(I)で表される化合物と、下記式(T)で表される化合物とを含み、
    加硫剤としての硫黄を実質的に配合しないタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 2013035963
    (式(I)において、Aは炭素数1〜15の炭化水素基を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、アルキル置換アミノ基、アラルキル置換アミノ基、又は環状アミノ基を表す。nは1〜12の整数を表す。x及びxは、同一若しくは異なって、1〜12の整数を表す。)
    Figure 2013035963
    (式(T)において、R及びRは、同一若しくは異なって、アルキル置換アミノ基、アラルキル置換アミノ基、又は環状アミノ基を表す。xは、1〜4の整数を表す。)
  2. 前記式(I)のAが炭素数4〜12のアルキレン基である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記式(I)の環状アミノ基が下記式(II)で表される基である請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 2013035963
    (式(II)において、Rは、ヘテロ原子を含む炭素数1〜15の炭化水素基であり、ヘテロ原子を含む官能基及び/又は芳香族置換基を有してもよい。)
  4. 前記式(I)で表される化合物100質量%中、n=1の化合物の含有量が2質量%以上、n=2の化合物の含有量が2質量%以上、n=3の化合物の含有量が2質量%以上である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 前記式(I)で表される化合物100質量%中、n=2以下の化合物の含有量が50質量%以下、x及びx=1の化合物の含有量が80質量%以上、x及びx=2の化合物の含有量が10質量%以上である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. ゴム成分100質量部に対して、加硫剤としての硫黄の配合量が0.05質量部以下である請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. ゴム成分100質量部に対して、充填剤を20〜150質量部、前記式(I)で表される化合物を0.1〜20質量部、前記式(T)で表される化合物を0.1〜20質量部含む請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. 前記充填剤として、シリカ及び/又はカーボンブラックを含む請求項7記載のタイヤ用ゴム組成物。
  9. JIS K6251:2010に基づいて、試験片としてダンベル状3号形試験片を使用し、25℃雰囲気下において引張試験を実施して測定した破断強度TB(MPa)、破断時伸びEB(%)から算出されるTB×EB/2が3500以上である請求項1〜8のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  10. トレッド用ゴム組成物として用いられる請求項1〜9のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のゴム組成物を用いた二輪車用タイヤ。
  12. モトクロス用タイヤである請求項11記載の二輪車用タイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102250837B1 (ko) * 2019-11-13 2021-05-11 넥센타이어 주식회사 경주용 타이어 트레드 고무 조성물 및 이를 포함하는 경주용 타이어

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