JP2013035010A - スラブ幅検出装置、スラブ幅検出方法、及び加熱炉内のスラブ配置制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スラブ30を加熱炉2の入側に搬送する際に使用するスラブローダー13によって、加熱炉装入前のスラブ幅であるスラブ幅掴み値LDを検出する。また、加熱炉2の抽出直後に設置したスラブ幅計14によって、加熱炉抽出後のスラブ幅であるスラブ幅実測値WAを測定する。このとき、同一スラブに対してスラブ幅掴み値LDとスラブ幅実測値WAとの偏差を算出し、当該偏差を学習する。そして、その学習結果をもとにスラブ幅掴み値LDを補正することで、加熱炉内スラブ幅SWを検出する。その加熱炉内スラブ幅SWは、加熱炉2内のスラブ配置制御に使用する。
【選択図】 図1
Description
このような板幅制御装置としては、加熱炉抽出直後にスラブ幅を測定するための幅測定装置(スラブ幅計)を設け、その実測値を用いて以降の設備(サイジングプレス装置、粗圧延機、仕上圧延機)の板幅に関する設定値(サイジングプレス装置の幅開度、粗圧延機に付帯されるエッジャ装置の幅開度、仕上圧延機の圧延張力など)を修正するものがある。
上記従来の板幅制御装置では、圧延後の鋼板の板幅精度向上を目的としているため、何れも加熱炉から抽出された後のスラブ幅を対象として検出精度向上を図っており、加熱炉から抽出される前のスラブ幅については特段の考慮は無い。すなわち、加熱炉内におけるスラブ幅については、事前に得られる製鋼工場での造り込み時の情報(製鋼幅)を採用せざるを得ない。したがって、この製鋼幅を用いて加熱炉内のスラブ配置制御を行うことになり、適切なスラブ配置制御を行うことができない。
そこで、本発明は、加熱炉内のスラブ幅を精度良く検出することができるスラブ幅検出装置、スラブ幅検出方法、及びこれらにより検出したスラブ幅を用いた加熱炉内のスラブ配置制御装置を提供することを課題としている。
このように、クレーンによるスラブの掴み幅を加熱炉装入前のスラブ幅として使用することができるので、加熱炉の直前に別途特別な幅測定装置を設置せずとも加熱炉装入前のスラブ幅を検出することができる。そのため、幅測定装置を設置するためのコストを削減することができる。
これにより、過去に算出されたスラブ幅偏差の影響も考慮して装入前スラブ幅を補正することができるので、精度の良い加熱炉内スラブ幅を安定して検出することができる。
このように、装入前スラブ幅と抽出後スラブ幅との偏差を算出し、そのスラブ偏差をもとに装入前スラブ幅を補正するので、精度良く加熱炉内スラブ幅を検出することができる。
これにより、精度良く検出された加熱炉内スラブ幅を用いて、加熱炉内のスラブ装入位置を適切に制御することができる。そのため、炉内でのスラブの重なりなどの問題が起こるのを防止することができる。さらに、炉内のスラブ配置を、極力隙間を詰めた配置とすることができるので、加熱炉の燃焼効率を向上させることができる。
これにより、適切なスラブ配置制御を行うことができる。
(構成)
図1は、本実施形態におけるスラブ幅検出装置及びスラブ配置制御装置を備える熱間圧延設備の構成を示す図である。
図中、符号1は熱間圧延設備である。この熱間圧延設備1は、熱間圧延ライン上流側から加熱炉2、サイジングプレス3、複数の粗圧延スタンド(R1〜R3)からなる粗圧延機4、複数の仕上圧延スタンド(F1〜F7)からなる仕上圧延機5、巻き取り設備6を備えている。加熱炉2には製鋼工場にて製造された鋼片(スラブ)が装入され、そのスラブは加熱炉2内で所望の温度まで昇温された後、熱間圧延ラインに抽出される。そして、粗圧延、仕上圧延を経て所望の寸法(板厚、板幅)に製造された後、巻き取り設備6にて巻き取られる。巻き取られたコイル状の鋼板は、その後コイルヤードに搬送され、冷間圧延設備や出荷先へと搬送される。
スラブローダー13は、例えばスラブの長手方向2箇所において、図2に示すようにスラブ30の幅方向両端面を掴み、スラブ30を昇降可能とすると共に、スラブヤード11〜加熱炉入側の搬送ライン12間を走行可能とするクレーン設備である。また、スラブローダー13は、スラブ30の幅方向両端面を掴むことで、その掴み開度に応じたスラブ幅掴み値LD[mm]を取得可能となっている。このスラブ幅掴み値LDは、加熱炉2に装入する前の装入前スラブ幅である。スラブローダー13で取得したスラブ幅掴み値LDは、図1のスラブ幅検出装置21に入力される。
このスラブ幅計14は、加熱炉2から抽出され、粗圧延、仕上圧延が行われた後の被圧延材の板幅精度向上を目的として設置されているものであり、通常は、仕上圧延後の板幅を目標値に一致させるための板幅制御に用いられる。板幅制御は、スラブ幅計14で測定したスラブ幅実測値WAに基づいて、以降の設備(サイジングプレス3、粗圧延機4、仕上圧延機5)の板幅に関する設定値(サイジングプレス3の幅開度、粗圧延機4に付帯されるエッジャ装置の幅開度、仕上圧延機5の圧延張力など)を修正する制御であり、図示しない板幅制御装置にて行われる。
先ず、ステップS1で、スラブ幅検出装置21は、スラブローダー13で検出したスラブ幅掴み値LDを取得し、ステップS2に移行する。このとき、取得したスラブ幅掴み値LDは、メモリ(不図示)に保存しておく。
ステップS2では、スラブ幅検出装置21は、スラブ幅計14で測定したスラブ幅実測値WAを取得し、ステップS3に移行する。
KA=WA−LD ………(1)
KW(n)=A・KA+(1−A)・KW(n−1) ………(2)
ここで、Aは学習ゲインであり、0≦A≦1である。上記(2)式をもとに算出した最新のスラブ幅学習値KW(n)は、前回のスラブ幅学習値KW(n−1)としてメモリに記憶する。
SW=LD+KW(n) ………(3)
このように、スラブ幅掴み値LDとスラブ幅実測値WAとの偏差を学習し、その学習結果をもとに加熱炉装入前のスラブ幅測定値であるスラブ幅掴み値LDを補正することにより、加熱炉内スラブ幅SWを精度良く検出することができると共に、その検出精度を安定させることができる。上記(3)式をもとに算出した加熱炉内スラブ幅SWは、図1のスラブ配置制御装置22に出力する。
図4は、加熱炉2内を簡略化して示した平面図である。この図4に示すように、加熱炉2内には、複数のスラブ30が予め設定されたスラブ間隔Pで横並びに配置される。スラブ間隔Pは、隣り合うスラブ30が重なることを避けつつ極力隙間を詰めた配置となるように、加熱炉内スラブ幅SWの検出精度を考慮して設定する。本実施形態では、スラブ間隔Pを、例えば70mmに設定する。また、加熱炉2内では、装入側の端に装入側余裕代Rin、抽出側の端に抽出側余裕代Routを設けてスラブ30を配置するものとし、これら装入側余裕代Rin及び抽出側余裕代Routを、例えば500mmとする。
次に、本実施形態の動作について説明する。
連続鋳造設備にて製造されたスラブは、一旦スラブヤード11内に保管される。このスラブヤード11内では、複数のスラブ30が山積み状態で保管される。その後、これら複数のスラブ30に対して熱間圧延ラインにて圧延する順番等が考慮されて搬送順が定められ、その搬送順で加熱炉入側の搬送ライン12に搬送される。スラブヤード11から加熱炉入側の搬送ライン12への搬送は、スラブローダー13によって行われる。
このように、本実施形態では、スラブローダー13によってスラブ掴み時に検出したスラブ幅掴み値LDを加熱炉装入前のスラブ幅測定値として使用し、加熱炉内スラブ幅SWを検出するものとする。
ところが、上記のように加熱炉抽出直後のみにスラブ幅計が設置されている場合、加熱炉装入前のスラブ幅については製鋼工場にて製造された際の作りこみ時の情報(製鋼幅)を使用せざるを得ない。しかしながら、製鋼幅は、実際の加熱炉装入前のスラブ幅に対して若干の変動が発生する場合が多く、この製鋼幅を用いると、加熱炉内のスラブ配置制御を精度良く行うことができない。
スラブ幅計を加熱炉抽出直後ではなく加熱炉装入直前のみに設置することもできるが、この場合、加熱炉内での昇温による熱膨張量や加熱より発生するスケール(酸化膜)分が正確に把握できていないと、加熱炉装入前のスラブ幅から加熱炉抽出後のスラブ幅を精度良く求めることができないため、板幅制御を精度良く行うことができない。
さらに、スラブローダー13で検出したスラブ幅掴み値LDを加熱炉装入前のスラブの幅測定値として使用し、加熱炉内スラブ幅SWを検出するものとし、さらに精度良く加熱炉内スラブ幅SWを検出するために、スラブ幅掴み値LDとスラブ幅計14で測定したスラブ幅実測値WAとの偏差を学習し、その学習結果をもとにスラブ幅掴み値LDを補正する。したがって、加熱炉装入直前にスラブ幅計を設置せずとも加熱炉内スラブ幅SWを精度良く検出することができる。
このように、加熱炉内スラブ幅SWを精度良く検出することができるので、加熱炉2内のスラブ間隔Pを極力小さな値に設定することができる。
平均的なスラブ幅は1000mm、加熱炉2の炉長(加熱炉2の装入側から抽出側までの長さ)は51000mmである。また、加熱炉2内の装入側余裕代Rin及び抽出側余裕代Routは、本実施形態ではそれぞれ500mmに設定している。したがって、スラブ間隔Pを、比較的広めに100mmとした場合、
1000×45+100×(45−1)+500+500=50400<51000 ………(4)
1000×46+100×(46−1)+500+500=51500>51000 ………(5)
となり、上記(4)及び(5)式より、加熱炉2内にはスラブ30が46本は入らず、45本が限界となる。
1000×46+70×(46−1)+500+500=50150<51000 ………(6)
1000×47+70×(47−1)+500+500=51220>51000 ………(7)
となるため、上記(6)及び(7)式より、加熱炉2内にはスラブ30が46本まで入ることになる。
したがって、スラブ間隔Pを100mmから70mmに変更することで、(46−45)÷45≒0.022より、約2%分の炉内スラブが増加されることになり、約2%の燃焼効率の増加を見込める。
このように、上記実施形態では、スラブローダーで検出したスラブ幅掴み値と加熱炉から抽出された後に別途板幅制御用に設置されているスラブ幅計にて測定して得られたスラブ幅実測値との偏差を用いて、スラブ幅掴み値を補正し、加熱炉内スラブ幅として使用する。そのため、製鋼工場から指示された製鋼幅をそのまま加熱炉内スラブ幅として使用する場合や、スラブ幅掴み値をそのまま加熱炉内スラブ幅として使用する場合、更には加熱炉装入前にスラブ幅計を設置し、当該スラブ幅計にて測定した加熱炉装入前のスラブ幅をそのまま加熱炉内スラブ幅として使用する場合と比較して、加熱炉内スラブ幅を精度良く取得することができる。
さらに、スラブをスラブヤードから加熱炉入側へ搬送するスラブローダーが、加熱炉装入前のスラブ幅を測定する機能を有するので、加熱炉装入前のスラブ幅を測定するために別途スラブ幅計等を設置する必要がない。そのため、スラブ幅計の設置コストを削減しつつ製鋼幅よりも安定した精度で加熱炉装入前のスラブ幅を取得することができる。
さらに、板幅制御用のスラブ幅計により得られるスラブ幅実測値が、ノイズ等の影響により異常な数値となった場合には、スラブ幅実測値に代えて加熱炉内スラブ幅を用いて板幅制御を継続することができる。このように、板幅制御用のスラブ幅計の代替機能としての役割を持たせることができる。
なお、上記実施形態においては、スラブ幅掴み値LD及びスラブ幅実測値WAを、それぞれ所定のスラブ単位毎に取得し、同一のスラブ単位毎にスラブ偏差KAを算出するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、スラブ幅学習値KW(n)を、スラブローダー13の設備修理のタイミングで初期値にリセットするようにしてもよい。スラブローダー13で検出したスラブ幅掴み値LDは、設備修理のタイミングで開度ゼロ調が行われることによりステップ状の数値変化が発生する可能性がある。そのため、このタイミングでスラブ幅学習値KW(n)を初期値にリセットすることで、ゼロ調による数値変動にも追従可能となる。
Claims (6)
- 熱間圧延設備における加熱炉内のスラブ幅を検出するスラブ幅検出装置であって、
前記加熱炉に装入する前のスラブ幅を、装入前スラブ幅として検出する装入前スラブ幅検出手段と、
前記加熱炉から抽出された後のスラブ幅を、抽出後スラブ幅として検出する抽出後スラブ幅検出手段と、
同一スラブに対して、前記装入前スラブ幅と前記抽出後スラブ幅との偏差であるスラブ幅偏差を算出するスラブ偏差算出手段と、
前記スラブ幅偏差算出手段で算出したスラブ偏差に基づいて前記装入前スラブ幅検出手段で検出した前記装入前スラブ幅を補正し、前記加熱炉内のスラブ幅として検出するスラブ幅検出手段と、を備えることを特徴とするスラブ幅検出装置。 - 前記装入前スラブ幅検出手段は、スラブをその幅方向からアームで狭持して掴み出し、スラブヤード内から前記加熱炉の入側へ搬送する際に、前記アームの開度に応じた掴み幅を前記装入前スラブ幅として検出可能なクレーンであることを特徴とする請求項1に記載のスラブ幅検出装置。
- 前記スラブ幅検出手段は、
前記スラブ幅偏差算出手段で算出したスラブ幅偏差を学習するスラブ幅偏差学習手段を備え、
前記スラブ幅偏差学習手段で学習したスラブ偏差学習値に基づいて前記装入前スラブ幅を補正し、前記加熱炉内のスラブ幅として検出することを特徴とする請求項1又は2に記載のスラブ幅検出装置。 - 熱間圧延設備における加熱炉内のスラブ幅を検出するスラブ幅検出方法であって、
前記加熱炉に装入する前のスラブ幅を、装入前スラブ幅として検出し、
前記加熱炉から抽出された後のスラブ幅を、抽出後スラブ幅として検出し、
同一スラブに対して、前記装入前スラブ幅と前記抽出後スラブ幅との偏差であるスラブ幅偏差を算出し、
算出したスラブ偏差に基づいて前記装入前スラブ幅を補正することで、前記加熱炉内のスラブ幅を検出することを特徴とするスラブ幅検出方法。 - 熱間圧延設備における加熱炉内のスラブの配置位置を制御する加熱炉内のスラブ配置制御装置であって、
前記請求項1〜3の何れか1項に記載のスラブ幅検出装置と、
前記スラブ幅検出装置で検出した加熱炉内のスラブ幅に基づいて、加熱炉内の複数のスラブが所定のスラブ間隔をもって配置されるように制御する配置制御手段と、を備えることを特徴とする加熱炉内のスラブ配置制御装置。 - 前記配置制御手段は、
前記スラブ幅検出装置で検出した加熱炉への次装入スラブの加熱炉内のスラブ幅と、加熱炉内の空き状況とに基づいて、前記次装入スラブの加熱炉への装入可否を判断する装入可否判断手段と、
前記装入可否判断手段で前記次装入スラブが加熱炉に装入可能であると判断したとき、前記次装入スラブを、加熱炉内のスラブとの間隔が前記スラブ間隔となる位置に装入するスラブ装入手段と、を備えることを特徴とする請求項5に記載の加熱炉内のスラブ配置制御装置。
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- 2011-08-05 JP JP2011172309A patent/JP5807435B2/ja active Active
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