JP2013030519A - 球状体吸着ヘッド、球状体搭載装置および球状体吸着ヘッド製造方法 - Google Patents
球状体吸着ヘッド、球状体搭載装置および球状体吸着ヘッド製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】製造コストを低減する。
【解決手段】貫通孔62が形成された複数の板材61を積層して構成された吸着板22を備え、隣接する各板材61の各貫通孔62同士が連通して構成される複数の気体流路23からの吸気によって吸着板22の吸着面22aにおける各気体流路23の開口部23aの縁部に球状体をそれぞれ吸着可能に構成され、各板材61のうちの吸着面22aを形成する1つの板体61a(一面形成用板材)を含む一群の板材61には、貫通孔62a(第1貫通孔)が形成され、一群の板材61を除く他の板材61には、貫通孔62aよりも大径の貫通孔62b(第2貫通孔)が形成され、各貫通孔62bには、複数の貫通孔62aがそれぞれ連通し、各貫通孔62aには、1つの貫通孔62bのみが連通する。
【選択図】図4
【解決手段】貫通孔62が形成された複数の板材61を積層して構成された吸着板22を備え、隣接する各板材61の各貫通孔62同士が連通して構成される複数の気体流路23からの吸気によって吸着板22の吸着面22aにおける各気体流路23の開口部23aの縁部に球状体をそれぞれ吸着可能に構成され、各板材61のうちの吸着面22aを形成する1つの板体61a(一面形成用板材)を含む一群の板材61には、貫通孔62a(第1貫通孔)が形成され、一群の板材61を除く他の板材61には、貫通孔62aよりも大径の貫通孔62b(第2貫通孔)が形成され、各貫通孔62bには、複数の貫通孔62aがそれぞれ連通し、各貫通孔62aには、1つの貫通孔62bのみが連通する。
【選択図】図4
Description
本発明は、球状体を吸着する球状体吸着ヘッド、その球状体吸着ヘッドを備えて球状体を搭載対象体に搭載する球状体搭載装置、および球状体を吸着する球状体吸着ヘッドを製造する球状体吸着ヘッド製造方法に関するものである。
この種の球状体吸着ヘッドとして、特開2011−9591号公報において出願人が開示した吸着ヘッドが知られている。この吸着ヘッドは、内部に空隙が形成された箱状に構成され、この吸着ヘッドを構成する吸着板には複数の吸気孔が形成されている。この吸着ヘッドでは、排気によって空隙内が負圧状態となり、それに伴って吸気孔からの吸気が行われることにより、吸着面における吸気孔の縁部に球状体(半田ボール)を吸着することが可能となっている。また、この吸着ヘッドでは、硬質の材料によって薄板状に形成された複数の板体を積層することによって吸着板が構成されている。この場合、各板体には、貫通孔がそれぞれ形成され、これらの各貫通孔が連通して吸気孔が構成される。
ところが、上記した吸着ヘッドには、改善すべき以下の課題がある。すなわち、この吸着ヘッドでは、貫通孔がそれぞれ形成された複数の板体を積層することによって吸着板が構成され、各板体の各貫通孔が連通することによって吸気孔が構成される。一方、近年、パッケージの高密度化および半田ボールの微小化が進んでおり、これに伴って貫通孔(吸気孔)の小径化および狭ピッチ化が必要となっている。この場合、硬質の材料に小径の貫通孔を形成する方法として、エッチング加工による貫通孔の形成方法が知られている。この方法では、比較的小径で狭ピッチの貫通孔を安価に形成することが可能となっている。しかしながら、エッチング加工では、貫通孔の小径化および狭ピッチ化には限界があり、貫通孔のさらなる小径化および狭ピッチ化に対応するのが困難となっている。このため、近年では、さらに小径の貫通孔をさらに狭ピッチで形成するため、レーザーを用いた穿孔加工による貫通孔の形成方法が採用されている。しかしながら、この方法では、1枚の板体を製作するのに多くの時間を必要とし、これに起因して吸着ヘッドの製造コストが増加するという課題があり、この点の改善が望まれている。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、製造コストを低減し得る球状体吸着ヘッド、球状体搭載装置および球状体吸着ヘッド製造方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の球状体吸着ヘッドは、貫通孔が形成された複数の板材を積層して構成された吸着板を備え、隣接する前記各板材の前記各貫通孔同士が連通して構成される複数の気体流路からの吸気によって前記吸着板の一面における当該各気体流路の開口部の縁部に球状体をそれぞれ吸着可能に構成された球状体吸着ヘッドであって、前記各板材のうちの前記一面を形成する1つの一面形成用板材を少なくとも含む一群の板材には、第1貫通孔が前記貫通孔として形成され、前記一群の板材を除く他の前記板材には、前記第1貫通孔よりも大径の第2貫通孔が前記貫通孔として形成され、前記複数の第2貫通孔の少なくとも一部には、複数の前記第1貫通孔がそれぞれ連通し、前記各第1貫通孔には、1つの前記第2貫通孔のみが連通する。
また、請求項2記載の球状体吸着ヘッドは、請求項1記載の球状体吸着ヘッドにおいて、前記一群の板材は、前記一面形成用板材のみで構成されている。
また、請求項3記載の球状体吸着ヘッドは、請求項1記載の球状体吸着ヘッドにおいて、前記一群の板材は、前記複数の板材のうちの一部であって前記一面形成用板材を含んで隣接する複数の板材で構成されている。
また、請求項4記載の球状体搭載装置は、請求項1から3のいずれかに記載の球状体吸着ヘッドと、前記球状体を吸着させる吸着位置に前記球状体吸着ヘッドを搬送すると共に前記球状体を吸着している前記球状体吸着ヘッドを搭載対象体の配置位置まで搬送する搬送装置とを備えて、前記球状体を前記搭載対象体に搭載する。
また、請求項5記載の球状体吸着ヘッド製造方法は、貫通孔を形成した複数の板材における隣接する当該各板材の当該各貫通孔同士を連通させるようにして当該各板材を積層して吸着板を構成し、前記連通した各貫通孔によって構成される複数の気体流路からの吸気によって前記吸着板の一面における当該各気体流路の開口部の縁部に球状体をそれぞれ吸着可能な球状体吸着ヘッドを製造する球状体吸着ヘッド製造方法であって、前記各板材のうちの前記一面を形成する1つの一面形成用板材を少なくとも含む一群の板材に、第1貫通孔を前記貫通孔として形成し、前記一群の板材を除く他の前記板材に、前記第1貫通孔よりも大径の第2貫通孔を前記貫通孔として形成し、前記複数の第2貫通孔の少なくとも一部に複数の前記第1貫通孔がそれぞれ連通し、前記各第1貫通孔に1つの前記第2貫通孔のみが連通するように前記各板材を積層して前記吸着板を構成する。
また、請求項6記載の球状体吸着ヘッド製造方法は、請求項5記載の球状体吸着ヘッド製造方法において、レーザーを用いた穿孔加工によって前記第1貫通孔を形成し、エッチング加工によって前記第2貫通孔を形成する。
請求項1記載の球状体吸着ヘッド、請求項4記載の球状体搭載装置、および請求項5記載の球状体吸着ヘッド製造方法では、吸着板の一面を形成する1つの一面形成用板材を少なくとも含む一群の板材に第1貫通孔を形成し、一群の板材を除く他の板材に第1貫通孔よりも大径の第2貫通孔を形成し、複数の第2貫通孔の少なくとも一部に複数の第1貫通孔をそれぞれ連通させ、各第1貫通孔に1つの第2貫通孔のみを連通させる。このため、この球状体吸着ヘッド、球状体搭載装置および球状体吸着ヘッド製造方法によれば、第1貫通孔を形成する板体を除く他の板体に対して、第1貫通孔よりも大径の第2貫通孔を加工効率の高い加工方法で形成することができるため、その分、吸着板の製造効率を十分に高めることができる結果、球状体吸着ヘッドの製造コストを十分に低減することができる。
請求項2記載の球状体吸着ヘッド、および請求項4記載の球状体搭載装置では、吸着板の一面を形成する一面形成用板材のみで一群の板材が構成されている。つまり、この球状体吸着ヘッドおよび球状体搭載装置では、一面を形成する1つの板体を除く他の全ての板体に第1貫通孔よりも大径の第2貫通孔を形成する。このため、一面を形成する1つの板体を除く他の全ての板体を効率的に作製することができる結果、複数の板体に第1貫通孔を形成する構成と比較して、球状体吸着ヘッドの製造コストをさらに低減することができる。
請求項3記載の球状体吸着ヘッド、および請求項4記載の球状体搭載装置では、吸着板を構成する各板材のうちの一部であって吸着板の一面を形成する一面形成用板材を含んで隣接する複数の板材で一群の板材が構成されている。つまり、この球状体吸着ヘッドおよび球状体搭載装置では、第1貫通孔を形成した複数の板体が複数積層されている。このため、この球状体吸着ヘッドおよび球状体搭載装置によれば、例えば、一面を形成する1つの板体にのみ第1貫通孔を形成し、他の全ての板体に第2貫通孔を形成した構成と比較して、第1貫通孔が形成された各板体の湾曲を少なく抑えることができる。
請求項6記載の球状体吸着ヘッド製造方法によれば、レーザーを用いた穿孔加工によって第1貫通孔を形成し、エッチング加工によって第2貫通孔を形成することにより、微細な第1貫通孔を正確に形成することができると共に、第1貫通孔よりも大径の第2貫通孔を正確かつ効率的に形成することができる。
以下、本発明に係る球状体吸着ヘッド、球状体搭載装置および球状体吸着ヘッド製造方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、図1に示す半田ボール搭載装置1の構成について説明する。半田ボール搭載装置1は、球状体搭載装置の一例であって、同図に示すように、半田ボール吸着装置2、搬送装置3および制御部4を備えて、球状体の一例としての微小な球状体である半田ボール(マイクロボール)300(図6参照)を搭載対象体としての基板400の端子401上に搭載(載置)可能に構成されている。
この場合、半田ボール300は、直径L1(図6参照)が80μm程度の球状に構成されている。また、半田ボール300は、半田ボール搭載装置1によって基板400の各端子401上にそれぞれ搭載された後に加熱溶融されることにより、基板400上にボールグリッドアレイ(BGA)を構成する。
半田ボール吸着装置2は、図2に示すように、吸着ヘッド11、収容容器12、吸着保持部13、吸引部14、駆動機構15、吸気機構16および整列用プレート17を備えて構成されている。
吸着ヘッド11は、図3に示すように、一例として、本体部21および吸着板22を備えて構成されている。本体部21は、一例として、開口部21aを有する箱状に形成されている。また、本体部21には、吸着板22によって開口部21aが閉塞されることによって形成される空隙11a内の空気を排気するための排気孔24が形成されている。
吸着板22は、図3に示すように、板状に形成されて、本体部21の開口部21aを閉塞するように本体部21に取り付け可能に構成されている。また、吸着板22には、吸着板22の外面(一面に相当し、以下「吸着面22a」ともいう)から吸着板22の内面22b(他面に相当するもいう)まで繋がる複数の気体流路23が形成されている。なお、同図および吸着板22に関連する各図では、複数の気体流路23の一部のみを図示している。
この場合、図6に示すように、吸着板22の吸着面22aにおける各気体流路23の開口部23aの直径L2は、半田ボール300の直径L1(この例では、80μm)よりも短い40μm程度に規定されている。
また、吸着板22は、図4に示すように、硬質の材料(一例として、ステンレス等の金属)によって薄板状に形成された複数(この例では20枚)の板体61を積層することによって構成されている。この場合、各板体61には、貫通孔62が形成されて、各板体61を積層することで、隣接する各板体61の各貫通孔62同士が連通して、これによって吸着板22の内面22bから吸着面22aまで連通する複数の気体流路23が構成される。
ここで、この吸着ヘッド11では、吸着板22を構成する各板体61に形成されている貫通孔62の直径およびピッチが、吸着板22における板体61の配置位置によって異なっている。具体的には、図4,6に示すように、各板体61のうちの吸着面22aを形成する1つの板体61(一面形成用板材に相当し、両図において、最も下側に位置する板体61a)には、開口部23aを構成する貫通孔62(第1貫通孔の一例であって、以下、「貫通孔62a」ともいう)が形成されている。この場合、貫通孔62と開口部23aとは、互いに、その直径L2が等しく、また同じピッチで形成されることとなる。なお、この吸着ヘッド11では、図5に示すように、各開口部23aのピッチが吸着面22aの全域において同じ値(一定)に規定されている。
また、図4に示すように、第1貫通孔としての貫通孔62aが形成された板体61aを除く他の板体61(この例では、同図に示す板体61b〜61t)には、その直径L3が貫通孔62aの直径L2(第1貫通孔の直径)よりも大きい(大径の)貫通孔62(第2貫通孔の一例であって、以下、「貫通孔62b」ともいう)が開口部23aのピッチよりも広いピッチで形成されている(図5も参照)。この場合、この吸着ヘッド11では、各板体61を積層した状態において、図5に示すように、複数(一例として4つ)の貫通孔62aに1つの貫通孔62bが連通するように、一例として、貫通孔62bの直径L3が130μm程度に規定され、ピッチが180μm程度に規定されている。このように、この吸着ヘッド11では、第1貫通孔が形成された一群の板材が、一面形成用板材に相当する1つの板体61aのみで構成されている。
この吸着ヘッド11では、本体部21と吸着板22とによって形成される空隙11a内の空気の排気によって空隙11a内が負圧状態となり、それに伴って気体流路23からの吸気が行われることにより、吸着板22の吸着面22aにおける開口部23aの縁部に半田ボール300を吸着することが可能となっている(図6,7参照)。
収容容器12は、図8に示すように、半田ボール300を収容可能に構成されている。吸着保持部13は、基端部13bを中心として回動可能に構成されて、収容容器12の内部に配設されている。また、吸着保持部13は、収容容器12に収容されている半田ボール300を吸気経路13cからの吸気によって先端部13aで吸着して保持可能に構成されている。吸引部14は、吸引経路14aからの吸気によって半田ボール300を吸引可能に構成されて、収容容器12に配設されている。なお、以下の説明において、収容容器12、吸着保持部13および吸引部14を全体として「供給部100」ともいう。
駆動機構15は、制御部4の制御に従って供給部100(収容容器12、吸着保持部13および吸引部14)を移動させる。また、駆動機構15は、制御部4の制御に従って吸着保持部13を回動させる。吸気機構16は、吸気ポンプおよび電磁バルブ(いずれも図示せず)を備えて構成されている。また、吸気機構16は、吸気管を介して、吸着ヘッド11の排気孔24、吸着保持部13の吸気経路13c、および吸引部14の吸引経路14aに繋がれている。この場合、吸気機構16は、制御部4の制御に従って作動して、吸着ヘッド11における空隙11aからの吸気、吸着保持部13における吸気経路13cからの吸気、および吸引部14における吸引経路14aからの吸気を行う。
整列用プレート17は、半田ボール300を整列させる機能を有している。この場合、整列用プレート17には、図6に示すように、吸着ヘッド11における吸着板22の吸着面22aと上面17aとが密着した状態において吸着ヘッド11の開口部23aに連通する挿通孔17cが形成されている(図7も参照)。また、図6に示すように、整列用プレート17の厚みL4は、開口部23aの縁部に吸着された半田ボール300が下面17bから突出しない75μm程度に規定されている。また、挿通孔17cの直径L5は、半田ボール300が通過可能な95μm程度に規定されている。また、整列用プレート17は、供給部100の配置位置の上方の位置であって、吸着ヘッド11に半田ボール300を吸着させる吸着位置に配置されている。
搬送装置3は、制御部4の制御に従い、整列用プレート17の配置位置(供給部100の配置位置の上方の位置であって、吸着ヘッド11に半田ボール300を吸着させる吸着位置)と基板400の配置位置との間で吸着ヘッド11を搬送する。
制御部4は、半田ボール吸着装置2(駆動機構15および吸気機構16)、並びに搬送装置3を制御する。
次に、吸着ヘッド11の製造方法について、図面を参照して説明する。
まず、吸着板22を構成する複数(この例では20枚)の板体61を製作する。具体的には、金属製(一例として、ステンレス製)の薄板に貫通孔62を形成する。この場合、吸着面22aを形成する板体61a(図4参照)を製作する際には、レーザーを用いた穿孔加工(レーザー穿孔加工)によって第1貫通孔としての貫通孔62aを形成する。このレーザー穿孔加工は、加工対象体に照射して孔を形成する方法であって、レーザーの照射径を絞ることで、微細な孔を形成することができる。このため、このレーザー穿孔加工を用いることで、直径L2が短い貫通孔62aを狭いピッチで正確かつ確実に形成することが可能となっている。
一方、第1貫通孔を形成した板体61aを除く他の板体61b〜61t(図4参照)、つまり、貫通孔62bの直径L3が貫通孔62aの直径L2よりも大きく規定されている板体61を製作する際には、エッチング加工(一例として、ドライエッチング加工)によって貫通孔62bを形成する。このエッチング加工は、レーザー穿孔加工ほど微細な孔を形成することはできないものの、短時間で孔を形成することができる(つまり、加工効率が高い)ため、板体61b〜61tを効率よく製作することが可能となっている。
次いで、製作した各板体61を拡散接合によって接合する。具体的には、図4に示すように、各板体61を重ね合わせる。この場合、図5に示すように、4つの貫通孔62aに1つの貫通孔62bが連通するように、各板体61同士を位置合わせしつつ重ね合わせを行う。次いで、重ね合わせた各板体61に対して予め決められた圧力で加圧をした状態で、各板体61を予め決められた温度に加熱する。この際に、各板体61の接合面(互いに接触している面)において原子の拡散が生じ、これによって各板体61が互いに接合する。以上により、吸着板22が完成する。この状態では、図4,5に示すように、各貫通孔62bに4つの貫通孔62aがそれぞれ連通すると共に、各貫通孔62aには1つの貫通孔62bのみが連通し、これによって気体流路23が構成される。
続いて、図3に示すように、本体部21の開口部21aを閉塞するようにして、吸着板22を本体部21の開口部21a側に取り付ける。以上により、吸着ヘッド11が完成する。この場合、上記したように、吸着板22の一部を構成する板体61b〜61tが効率よく製作されるため、吸着板22の製造効率、ひいては吸着ヘッド11の製造効率が全体として十分に高められている。このため、この吸着ヘッド11および球状体吸着ヘッド製造方法では、製造効率が高い分、製造コストを十分に低減することが可能となっている。
次に、半田ボール搭載装置1を用いて、半田ボール吸着装置2に半田ボール300を吸着させ、その半田ボール300を基板400の端子401に搭載する工程、およびその際の半田ボール搭載装置1の動作について、図面を参照して説明する。
この半田ボール搭載装置1では、開始操作がされたときに、制御部4が、搬送装置3を制御して、図7に示すように、整列用プレート17の配置位置に吸着ヘッド11を搬送させる。この際に、図6,7に示すように、吸着ヘッド11における吸着板22の吸着面22aと整列用プレート17の上面17aとが密着する。
次いで、制御部4は、吸気機構16の電磁バルブを制御して、吸着ヘッド11の空隙11aからの吸気を開始させる。この際に、吸着ヘッド11の空隙11a内が負圧状態となって開口部23aからの吸気が開始される。また、制御部4は、吸気機構16の電磁バルブを制御して、吸着保持部13における吸気経路13cからの吸気、および吸引部14における吸引経路14aからの吸気を開始させる。
続いて、制御部4は、駆動機構15における図外の駆動機構を制御して、図8に示すように、吸気経路13cからの吸気に伴って先端部13aに半田ボール300を吸着している吸着保持部13を回動させ、次いで、整列用プレート17の下面17bに先端部13aを近接させた状態で供給部100を下面17bに沿って移動させる。この際に、先端部13aに保持されている半田ボール300が、吸着ヘッド11の吸引力によって吸着保持部13の吸引力に抗して吸着ヘッド11に引き寄せられて吸着ヘッド11に供給され、供給された半田ボール300の一部が整列用プレート17の各挿通孔17cを通って吸着ヘッド11の吸着面22aにおける各開口部23aの縁部に1つずつ吸着される(図10参照)。
続いて、制御部4は、駆動機構15を制御して、図9に示すように、供給部100を整列用プレート17の下面17bに沿ってさらに移動させる。この際に、同図に示すように、吸引部14の先端部が下面17bに沿って移動させられて、吸引部14における吸引経路14aからの吸気によって余剰な半田ボール300が吸引されて除去される。
次いで、制御部4は、搬送装置3を制御して、吸着ヘッド11を整列用プレート17から離反させる。続いて、制御部4は、搬送装置3を制御して、吸着ヘッド11を基板400の配置位置に搬送させ、次いで、図10に示すように、吸着ヘッド11によって吸着されている半田ボール300が基板400における各端子401に近接(接触)するように吸着ヘッド11を基板400に向けて移動させる。続いて、制御部4は、吸気機構16の電磁バルブを制御して、吸着ヘッド11における空隙11aからの吸気を停止させる。この際に、吸着ヘッド11による吸着が解除されて、図11に示すように、半田ボール300が基板400における端子401上に搭載される。次いで、制御部4は、搬送装置3を制御して、吸着ヘッド11を初期位置に移動させる。以上により、基板400における端子401への半田ボール300の搭載が完了する。
このように、この吸着ヘッド11、半田ボール搭載装置1、および球状体吸着ヘッド製造方法では、吸着板22の吸着面22aを形成する1つの板体61を少なくとも含む一群の板材61に第1貫通孔を形成し、一群の板材61を除く他の板材61に第1貫通孔よりも大径の第2貫通孔を形成し、各第2貫通孔に複数の第1貫通孔をそれぞれ連通させ、各第1貫通孔に1つの第2貫通孔のみを連通させる。このため、この吸着ヘッド11、半田ボール搭載装置1、および球状体吸着ヘッド製造方法によれば、第1貫通孔を形成する板体61を除く他の板体61に対して、第1貫通孔よりも大径の第2貫通孔を加工効率の高い加工方法で形成することができるため、その分、吸着板22の製造効率を十分に高めることができる結果、吸着ヘッド11の製造コストを十分に低減することができる。
また、この吸着ヘッド11、半田ボール搭載装置1、および球状体吸着ヘッド製造方法では、吸着面22aを形成する一面形成用板材(板体61a)のみで一群の板材を構成している。つまり、この構成および方法では、吸着面22aを形成する1つの板体61を除く他の全ての板体61に第1貫通孔よりも大径の第2貫通孔を形成する。このため、吸着面22aを形成する1つの板体61を除く他の全ての板体61を効率的に作製することができる結果、複数の板体61に第1貫通孔を形成する構成および方法と比較して、吸着ヘッド11の製造コストをさらに低減することができる。
また、この吸着ヘッド11、半田ボール搭載装置1、および球状体吸着ヘッド製造方法によれば、レーザーを用いた穿孔加工によって第1貫通孔を形成し、エッチング加工によって第2貫通孔を形成することにより、微細な第1貫通孔を正確に形成することができると共に、第1貫通孔よりも大径の第2貫通孔を正確かつ効率的に形成することができる。
なお、球状体吸着ヘッド、球状体搭載装置および球状体吸着ヘッド製造方法は上記の構成および方法に限定されない、例えば、上記した吸着板22に代えて、図12に示す吸着板122を採用することができる。なお、以下の説明において、上記した吸着板22と同じ構成要素については、同じ符号を付して、重複する説明を省略する。この吸着板122は、同図に示すように、複数(例えば、20枚)の板体61を積層することによって構成されている。この場合、各板体61のうちの吸着面122aを形成する板体61a(一面形成用板材)には、上記した吸着板22と同様にして、貫通孔62a(第1貫通孔)が形成されている。また、この吸着板122においても、各開口部23aのピッチが吸着面122aの全域において同じ値(一定)に規定され、貫通孔62と開口部23aとは、互いに、その直径L2が等しくまた同じピッチで形成されている。
また、板体61aに隣接する複数の板体61(この例では、図12に示す板体61u〜61w)には、その直径L6が貫通孔62aの直径L2よりも大きい(一例として、60μm程度の)貫通孔62(第1貫通孔の他の一例であって、以下、「貫通孔62c」ともいう)が、開口部23aと同じピッチ(板体61aにおける貫通孔62aのピッチと同じピッチ)で形成されている。つまり、この吸着ヘッド11では、吸着板122を構成する各板体61のうちの一部であって、吸着面122aを形成する板体61aを少なくとも含んで隣接する複数の板体61(一群の板体に相当し、この例では、4つの板体61a,61u〜61w)には、第1貫通孔としての貫通孔62a,62cが開口部23aのピッチと同じピッチで形成されている。なお、板体61u〜61wに貫通孔62cを形成する際には、板体61aに対する貫通孔62aの形成と同様にして、レーザーを用いた穿孔加工を採用することができる。また、この例では、貫通孔62cの直径L6が貫通孔62aの直径L2よりも大径としたが、直径L6を直径L2と同径としてもよいし、直径L6を直径L2よりも小径としてもよい。
また、図12に示すように、第1貫通孔としての貫通孔62a,62cが形成された4つの板体61a,61u〜61wを除く他の板体61(この例では、同図に示す板体61b〜61q)には、その直径L3が貫通孔62cの直径L6(つまり、第1貫通孔の直径)よりも大きい(大径の)貫通孔62cが開口部23aのピッチよりも広いピッチで形成されている。この場合、この吸着ヘッド11では、図13に示すように、各板体61を積層した状態において、1つの貫通孔62aに1つの貫通孔62cが連通し、かつ1つの貫通孔62bに複数(一例として4つ)の貫通孔62cが連通するように、貫通孔62bの直径L3が、一例として、130μm程度に規定され、ピッチが180μm程度に規定されている。
この吸着板122では、吸着板122を構成する各板材61のうちの一部であって吸着面122aを形成する一面形成用板材(板体61a)を含んで隣接する複数の板材61(図12に示す板体61a,61u〜61w)で一群の板材が構成されている。つまり、この吸着板122では、第1貫通孔を形成した複数の板体61が複数積層されている。このため、この吸着板122を備えた球状体吸着ヘッド、球状体搭載装置、およびこの球状体吸着ヘッドを製造する球状体吸着ヘッド製造方法によれば、例えば、吸着面122aを形成する1つの板体61にのみ第1貫通孔を形成し、他の全ての板体61に第2貫通孔を形成した構成(上記した吸着板22)と比較して、第1貫通孔が形成された各板体61の湾曲を少なく抑えることができる。
また、各板体61を積層した状態において複数(一例として4つ)の第1貫通孔に1つの第2貫通孔を連通させる構成および方法について上記したが、各第2貫通孔の少なくとも一部に複数(2つ以上)の第1貫通孔を連通させ、各第1貫通孔に1つの第2貫通孔のみを連通させる限り、第1貫通孔と第2貫通孔とを連通させる態様は任意に変更することができる。また、上記の例では、貫通孔62bのすべてに複数の貫通孔62aを連通させた例について説明したが、貫通孔62b(第2貫通孔)の少なくとも一部に複数の貫通孔62a(第1貫通孔)を連通させる構成を採用することもできる。また、各開口部23aのピッチを吸着面22a,122aの全域において同じ値(一定)に規定した場合に適用した例について上記したが、各開口部23aのピッチが一定でない構成に適用することもできる。
また、第1貫通孔としての貫通孔62a,62cをレーザーを用いた穿孔加工によって形成し、第2貫通孔としての貫通孔62bをエッチング加工によって形成する例について上記したが、各貫通孔62を形成する際の加工方法は、これらに限定されない。例えば、第2貫通孔としての貫通孔62bの直径L3が大きく規定されているときには、ドリルを用いた穿孔加工などのように、エッチング加工よりもさらに安価な加工方法で貫通孔62bを形成することもでき、これによって吸着ヘッド11の製造コストをさらに低減することができる。
また、金属(ステンレス)によって形成された板体61を用いて吸着板22を構成した例について上記したが、板体61の材料は任意に選択することができる。また、20枚の板体61を積層して吸着板22を構成した例について上記したが、板体61の数は任意の複数に規定することができる。
1 半田ボール搭載装置
3 搬送装置
4 制御部
11 吸着ヘッド
22 吸着板
22a 吸着面
22b 内面
23 気体流路
23a 開口部
61 板体
62 貫通孔
300 半田ボール
400 基板
401 端子
3 搬送装置
4 制御部
11 吸着ヘッド
22 吸着板
22a 吸着面
22b 内面
23 気体流路
23a 開口部
61 板体
62 貫通孔
300 半田ボール
400 基板
401 端子
Claims (6)
- 貫通孔が形成された複数の板材を積層して構成された吸着板を備え、隣接する前記各板材の前記各貫通孔同士が連通して構成される複数の気体流路からの吸気によって前記吸着板の一面における当該各気体流路の開口部の縁部に球状体をそれぞれ吸着可能に構成された球状体吸着ヘッドであって、
前記各板材のうちの前記一面を形成する1つの一面形成用板材を少なくとも含む一群の板材には、第1貫通孔が前記貫通孔として形成され、
前記一群の板材を除く他の前記板材には、前記第1貫通孔よりも大径の第2貫通孔が前記貫通孔として形成され、
前記複数の第2貫通孔の少なくとも一部には、複数の前記第1貫通孔がそれぞれ連通し、前記各第1貫通孔には、1つの前記第2貫通孔のみが連通する球状体吸着ヘッド。 - 前記一群の板材は、前記一面形成用板材のみで構成されている請求項1記載の球状体吸着ヘッド。
- 前記一群の板材は、前記複数の板材のうちの一部であって前記一面形成用板材を含んで隣接する複数の板材で構成されている請求項1記載の球状体吸着ヘッド。
- 請求項1から3のいずれかに記載の球状体吸着ヘッドと、前記球状体を吸着させる吸着位置に前記球状体吸着ヘッドを搬送すると共に前記球状体を吸着している前記球状体吸着ヘッドを搭載対象体の配置位置まで搬送する搬送装置とを備えて、前記球状体を前記搭載対象体に搭載する球状体搭載装置。
- 貫通孔を形成した複数の板材における隣接する当該各板材の当該各貫通孔同士を連通させるようにして当該各板材を積層して吸着板を構成し、前記連通した各貫通孔によって構成される複数の気体流路からの吸気によって前記吸着板の一面における当該各気体流路の開口部の縁部に球状体をそれぞれ吸着可能な球状体吸着ヘッドを製造する球状体吸着ヘッド製造方法であって、
前記各板材のうちの前記一面を形成する1つの一面形成用板材を少なくとも含む一群の板材に、第1貫通孔を前記貫通孔として形成し、
前記一群の板材を除く他の前記板材に、前記第1貫通孔よりも大径の第2貫通孔を前記貫通孔として形成し、
前記複数の第2貫通孔の少なくとも一部に複数の前記第1貫通孔がそれぞれ連通し、前記各第1貫通孔に1つの前記第2貫通孔のみが連通するように前記各板材を積層して前記吸着板を構成する球状体吸着ヘッド製造方法。 - レーザーを用いた穿孔加工によって前記第1貫通孔を形成し、エッチング加工によって前記第2貫通孔を形成する請求項5記載の球状体吸着ヘッド製造方法。
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JP2011163792A JP2013030519A (ja) | 2011-07-27 | 2011-07-27 | 球状体吸着ヘッド、球状体搭載装置および球状体吸着ヘッド製造方法 |
TW101123177A TW201325360A (zh) | 2011-07-27 | 2012-06-28 | 球狀體吸附頭、球狀體搭載裝置及球狀體吸附頭製造方法 |
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- 2012-06-28 TW TW101123177A patent/TW201325360A/zh unknown
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