JP2013028735A - 燃料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】BDFを高い割合で含有しても、内燃機関用燃料としての基本性能を損なわない燃料組成物を提供する。
【解決手段】(A)成分:下記一般式(I)で表される脂肪酸エステルと、(B)成分:軽油とを含有し、前記(A)成分と前記(B)成分との合計が85質量%以上であり、かつ(A)成分/[(A)成分+(B)成分]で表される質量比が0.45以下であることよりなる。
−COO−R ・・・(I)
[(I)式中、Rは炭素数7〜13のアルキル基であり、Rは分岐鎖を有する炭素数8〜18のアルキル基である。]
【選択図】なし

Description

本発明は、燃料組成物に関する。
内燃機関用燃料の分野では、燃費向上に貢献し、かつ二酸化炭素削減に効果的な燃料が求められている。その一つとして、再生可能エネルギーであるバイオディーゼル燃料(以下BDF)を化石燃料の代替とすることが検討されている。
BDFは、大豆油、菜種油、パーム油等の植物油を原料にした脂肪酸エステルの混合物が主とされ、芳香族分や硫黄分をほとんど含まず、それ自身が分子中に酸素を持った含酸素化合物である。このため、代替燃料の有力な候補として注目されている。また、多くのBDFは、植物由来であるため、再生可能エネルギーと位置づけられている。
BDFは、脂肪酸エステルの組成や不純物量によって、低温流動性が低くなり低温で固まりやすい、動粘度が高くなり増粘して燃料噴射系を不安定化させる、セタン価を低下させる等の問題を有する。また、燃料噴射系には、燃料を送液するホース、キャップ、フィルター等にゴム部材が用いられている。BDFには、ゴム部材の膨潤又は収縮等の劣化を生じやすいものがある。このため、内燃機関用燃料として使用する際には、高い割合で軽油と混合できないという問題があった。
こうした問題に対し、例えば、セタン価の高いステアリン酸メチルエステルと不飽和脂肪酸メチルエステルの配合比率を限定したディーゼル燃料が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1の発明によれば、低温特性を損なうことなく、セタン価等の燃料性能の改善が図られている。
また、遊離脂肪酸の少ない、特定の脂肪酸アルキルエステル混合物を含有する、軽油組成物が提案されている(例えば、特許文献2)。特許文献2の発明によれば、エンジンから排出される粒子状物質(PM)、窒素酸化物(NOX)の低減、燃費の向上、部材への影響の低減、低温始動性の向上が図られている。
また、例えば、飽和エステルは、不飽和エステルよりも高いセタン価を示すことが開示されている(例えば、非特許文献1)。
特開2007−169631号公報 特開2005−23139号公報
Gerhard Knothe et al.、「Cetane numbers of branched and straight−chain fatty esters determined in an ignition quality tester」、Fuel、82、2003年、971−975頁
しかしながら、従来の技術では、BDFを高い割合で含有させると、高セタン価、高い低温流動性、低動粘度、部材(特にゴム部材)の劣化抑制等の内燃機関用燃料としての基本性能を満足できないという問題があった。
そこで、BDFを高い割合で含有しても、内燃機関用燃料としての基本性能を損なわない燃料組成物を目的とする。
本発明の燃料組成物は、(A)成分:下記一般式(I)で表される脂肪酸エステルと、(B)成分:軽油とを含有し、前記(A)成分と前記(B)成分との合計が85質量%以上であり、かつ(A)成分/[(A)成分+(B)成分]で表される質量比が0.45以下であることを特徴とする。
−COO−R ・・・(I)
[(I)式中、Rは炭素数7〜13のアルキル基であり、Rは分岐鎖を有する炭素数8〜18のアルキル基である。]
酸価が0.05mgKOH/g以下であることが好ましい。
本発明の燃料組成物によれば、BDFを高い割合で含有しても、内燃機関用燃料としての基本性能を損なわない。
本発明の燃料組成物は、(A)成分:下記一般式(I)で表される脂肪酸エステルと、(B)成分:軽油とを含有するものである。
−COO−R ・・・(I)
[(I)式中、Rは炭素数7〜13のアルキル基であり、Rは分岐鎖を有する炭素数8〜18のアルキル基である。]
((A)成分:脂肪酸エステル)
(A)成分は、上記一般式(I)で表される脂肪酸エステルである。燃料組成物は、(A)成分を含有することで、高いセタン価を維持し、ゴム部材の劣化を抑制し、低温流動性を高めると共に動粘度を低位にできる。
(I)式中、Rはアルキル基である。Rがアルキル基、即ち飽和の炭化水素基であれば、燃料組成物の酸価を低減すると共に、ゴム部材の劣化を抑制できる。
の炭素数は、7〜13であり、7〜11が好ましい。上記下限値未満であると、ゴム部材を劣化しやすく、かつセタン価が低下する。上記上限値超であると、流動点が高くなって低温流動性が低下したり、(A)成分の分子量の増大に伴って燃料組成物の動粘度が高くなり、燃料噴射を不安定にするおそれがある。
−COO−で表される脂肪酸残基としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸が好ましく、中でも、低温流動性の観点からは、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸がより好ましい。これらのRは、(A)成分中に1種単独で又は2種以上が混在していてもよい。
(I)式中、Rは分岐鎖を有するアルキル基である。Rがアルキル基、即ち飽和の炭化水素基であれば、燃料組成物の酸価を低減すると共に、ゴム部材の劣化を抑制できる。加えて、分岐鎖を有することで、流動点を低くし低温流動性を高められる。
における分岐鎖の数は、特に限定されないが、分岐鎖を複数有する場合、特に4級炭素を有する場合には、(A)成分の生分解性が低下し、環境負荷が高まるおそれがある。このため、R中の分岐鎖は、1つが好ましい。
の炭素数は、8〜18であり、8〜12が好ましい。上記下限値未満であると、ゴム部材が劣化されやすく、かつセタン価が低下する。Rの炭素数が小さくなるほど、ゴム部材が劣化されやすくなり、特に炭素数が1の場合に、ゴム部材の劣化が顕著である。上記上限値超であると、流動点が高くなって低温流動性が低下したり、燃料組成物の動粘度が高くなり、燃料噴射を不安定にするおそれがある。
としては、ゴムの劣化抑制と低温流動性を両立するという観点から、例えば、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、2−エチルヘプチル基、2−エチルオクチル基、2−エチルノニル基、2−エチルデシル基、2−エチルウンデシル基、2−ブチルブチル基、2−ブチルオクチル基、2−ヘキシルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、3−エチルオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、イソトリデシル基、イソテトラデシル基、2−ヘキシルデシル基等が好ましく、中でも、燃料組成物の動粘度を低減でき、かつ低温流動性の向上を図る観点からは、イソオクチル基、イソノニル基、2−エチルヘキシル基、イソデシル基がより好ましい。これらのRは、(A)成分中に1種単独で又は2種以上が混在していてもよい。
(A)成分としては、例えば、カプリル酸2−エチルヘキシル、カプリン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−エチルヘキシル、カプリル酸イソオクチル、カプリン酸イソオクチル、ラウリン酸イソオクチル、ミリスチン酸イソオクチル、カプリル酸イソノニル、カプリン酸イソノニル、ラウリン酸イソノニル、ミリスチン酸イソノニル、カプリル酸イソデシル、カプリン酸イソデシル、ラウリン酸イソデシル、ミリスチン酸イソデシル、カプリル酸イソトリデシル、カプリン酸イソトリデシル、ラウリン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソトリデシル、ヤシ油由来のC8〜C12の混合脂肪酸2−エチルヘキシル、パーム核油由来のC8〜C12の混合脂肪酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。中でも、燃料組成物の動粘度の低減、低温流動性の向上の観点から、カプリル酸2−エチルヘキシル、カプリン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、カプリル酸イソオクチル、カプリン酸イソオクチル、ラウリン酸イソオクチル、カプリル酸イソノニル、カプリル酸イソデシルがより好ましく、漏洩時の環境負荷が低いという観点からは、カプリル酸2−エチルヘキシル、カプリン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸2−エチルヘキシルがさらに好ましい。
これらの(A)成分は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
((B)成分:軽油)
(B)成分は、軽油である。
(B)成分としては、一般に軽油として販売され、入手できるものを用いることができる。一般に、軽油は原油の常圧蒸留装置から得られる直留軽油に水素化精製処理や水素化脱硫処理を施し、さらに灯油等を混合して適正な硫黄濃度、粘度、流動点にしたものであり、各種の炭化水素の混合物である。(B)成分中の硫黄濃度が高いとエンジンに装着されている排ガス後処理装置への悪影響が大きいため、硫黄濃度は500質量ppm未満が好ましく、50質量ppm未満がより好ましい。また、炭化水素の1環芳香族濃度は、10〜30質量%が好ましく、15〜25質量%がより好ましい。炭化水素の2環以上の芳香族はPMやNOX等に悪影響を及ぼすことが周知であるため、2環以上の芳香族濃度は、10質量%未満が好ましく、8質量%以下がより好ましい。
(B)成分の90%留出温度は、過度の蒸留性状の軽質化に伴う運転性能等への悪影響を抑制するために、280℃以上が好ましく、290℃以上がより好ましく、300℃以上がさらに好ましい。
エンジンから排出されるPMの増大を抑制する点から、90%留出温度は350℃以下が好ましく、340℃以下がより好ましく、330℃以下がさらに好ましい。なお、「90%留出温度」とは、JIS K2254「石油製品−蒸留試験方法」により測定される値である。
(B)成分のセタン価は、特に限定されないが、FIAセタン価で37以上が好ましい。セタン価が37未満の場合には、排出ガス中のPMやNOX及びアルデヒド類の濃度が高くなりやすい。また、排ガス中の黒煙低減の観点から、セタン価は80以下が好ましい。
燃料組成物中の(A)成分と(B)成分との合計の含有量は、85質量%以上であり、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましい。上記下限値未満であると、内燃機関用燃料としての本来の機能が低下する。
(A)成分/[(A)成分+(B)成分]で表される質量比(以下、(A)/[(A)+(B)]比ということがある)は、0.45以下であり、0.03〜0.45が好ましい。上記上限値超であると、(B)成分の燃料性能が損なわれる。上記下限値未満であると、(A)成分の添加効果が不十分になるおそれがある。低温流動性をさらに高め、燃料組成物の動粘度をより適切なものとする観点からは、(A)/[(A)+(B)]比0.1〜0.25がより好ましい。
(任意成分)
本発明の燃料組成物は、(A)成分及び(B)成分以外に、組成物全体の酸価を考慮しながら、(A)成分を除く脂肪酸アルキルエステル(任意脂肪酸エステル)、セタン価向上剤、潤滑性向上剤、清浄剤等の任意成分を含有できる。
任意脂肪酸エステルとしては、植物油由来の脂肪酸アルキルエステルが好ましく、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、大豆油、菜種油、オリーブ油、米ぬか油、とうもろこし油、ごま油等を原料とした脂肪酸混合メチルエステル及び脂肪酸混合エチルエステルが挙げられる。脂肪酸混合メチルエステル及び脂肪酸混合エチルエステルは、鉱油代替として汎用性が高く、入手が容易なためである。
セタン価向上剤としては、軽油のセタン価向上剤として知られる各種の化合物が挙げられ、例えば、硝酸エステルや有機過酸化物等が挙げられる。これらのセタン価向上剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
セタン価向上剤の中でも硝酸エステルを用いることが好ましい。硝酸エステルとしては、2−クロロエチルナイトレート、2−エトキシエチルナイトレート、イソプロピルナイトレート、ブチルナイトレート、第一アミルナイトレート、第二アミルナイトレート、イソアミルナイトレート、第一ヘキシルナイトレート、第二ヘキシルナイトレート、n−ヘプチルナイトレート、n−オクチルナイトレート、2−エチルヘキシルナイトレート、シクロヘキシルナイトレート、エチレングリコールジナイトレート等の種々のナイトレート等が包含される。
燃料組成物中の任意成分の含有量は、15質量%以下であり、任意成分の種類等を勘案して決定できる。
本発明の燃料組成物の酸価は、0.30mgKOH/g以下が好ましく、0.05mgKOH/g以下がより好ましい。酸価が小さいほど、ゴム部材の劣化を抑制できる。
酸価は、JIS K2501「石油製品及び潤滑油−中和価試験方法」により測定される値である。
例えば、ディーゼル車用の燃料組成物としては、低温における流動性、即ち、流動点の低さが求められる。燃料組成物の低温流動性を確保するために、従来、高分子系の流動点降下剤が添加されているが、流動点降下剤を添加すると、燃料組成物の動粘度が増大するため、流動点降下剤を大量に添加できない。
JIS K2390には、混合用のBDFの品質が定められており、流動点の項目に関しては「受渡当事者間合意」と記されている。また、軽油のJIS規格(JIS K2204)では、流動点の違いにより5種類に分類され、冬期の規格である2号は流動点が−7.5℃以下となっている。
そこで燃料組成物の流動点は、−7.5℃以下が好ましく、−12℃以下がより好ましく、−15℃以下がさらに好ましく、−17.5℃以下が特に好ましい。流動点が上記上限値超であると、燃料組成物は、低温時に凝固したり析出物を生じやすくなり、流動性が低下して、寒冷地でのエンジン始動性や運転連続性を悪化させる場合がある。具体的には、始動時に未燃炭化水素を排出したり、NOXを排出したりして排ガス性能が悪化する。また、ディーゼル車のプレフィルター閉塞を起こしやすくなる。
例えば、ディーゼル車用の燃料制御システムは、JIS K2204で軽油の動粘度に最適化されている。従って、燃料組成物の動粘度が高すぎると、燃料噴射システム内部の抵抗が増大して燃料噴射系が不安定化したり、噴射時の燃料組成物の粒径が大きくなって排出ガス中のPMやNOXの濃度を高めたりする。さらに、燃焼性能が悪化する。
一方、燃料組成物の動粘度が低すぎると、燃料噴射時期の制御が困難になったり、エンジンに搭載された燃料噴射ポンプの各部における潤滑性が損なわれるおそれがある。
従って、30℃における燃料組成物の動粘度は、2〜4.3mm/sが好ましく、2〜3.4mm/sがより好ましい。30℃における動粘度は、JIS K2204に準じて測定される値である。
本発明の燃料組成物のセタン価は、FIAセタン価37以上が好ましく、40以上がより好ましい。上記下限値未満であると、排出ガス中のPM、NOX、アルデヒド類の濃度が高くなりやすい。
FIAセタン価は、着火性を示す指標である。FIAセタン価は、定容燃焼試験装置(Fueltech社 FIA−100 Ver.3)を用い、初期圧力20bar(2MPa)、初期温度450℃で燃料を噴射した際の着火遅れ時間(基準圧力よりも0.2bar上昇した時の時間)を測定する。さらに、試験燃料の着火遅れ時間とセタン価標準燃料の着火遅れ時間とを比較することによって、セタン価が求められる。
上述した燃料組成物は、(A)成分を含有するため、低温流動性に優れ、動粘度が適切であり、セタン価が高く、かつゴムの劣化を抑制できる。
加えて、(A)/[(A)+(B)]比が0.45までであれば、内燃機関用燃料としての基本性能を損なうことがない。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
(使用原料)
各例の燃料組成物に用いた原料は、以下の通りである。
<(A)成分>
A−1:カプリル酸2−エチルヘキシル(C8−2EH)(商品名:パステル2H−08、ライオン株式会社製)
A−2:カプリル酸2−エチルヘキシル(上記A−1を60℃、6ヶ月恒温槽にて保存し、酸価を0.4mgKOH/gとしたもの。)
A−3:ラウリン酸2−エチルヘキシル(C12−2EH)(商品名:パステル2H−12、ライオン株式会社製)
A−4:ラウリン酸2−エチルヘキシル(上記A−3を60℃、6ヶ月恒温槽にて保存し、酸価を0.5mgKOH/gとしたもの。)
A−5:ラウリン酸イソトリデシル(C12−iTD)(以下の調製例1で調製したもの)
≪調製例1≫A−5の調製
脂肪酸としてラウリン酸(鹿1級、Mw:200.3、関東化学株式会社製)1774.4gと、アルコールとしてイソトリデシルアルコール(Exxal13、エクソンモービル社製)2130gと、p−トルエンスルホン酸(東京化成工業株式会社製)10gとを仕込み、窒素置換を行った。その後、窒素を1mL/分の流量で流通させながら、液温が125℃になるまで昇温してエステル化反応を行い、反応により生成した水を蒸留により除去した。水を除去した後、さらに0.6KPaまで徐々に減圧しながら220℃まで昇温し、未反応のラウリン酸とイソトリデシルアルコールを1質量%以下として粗製物を得た。次いで、粗製物1500gに対し、キョーワード500SH(合成吸着剤)を30g(粗製物に対して2質量%に相当)添加し、液温を100℃に維持しつつ1時間攪拌し、触媒の吸着処理を行った。その後、さらにろ過助剤としてハイフロスーパーセルを22.5g(粗製物に対し1.5質量%に相当)添加し、10分攪拌して均一に分散させた後、80℃で加圧ろ過してラウリン酸イソトリデシルを得た。
A−6:ミリスチン酸イソトリデシル(以下の調製例2で調製したもの)
≪調製例2≫A−6の調製
脂肪酸として、ミリスチン酸(鹿一級、Mw:228.4、関東化学製)2023.3gを使用した以外は、調製例1と同様にしてA−6を得た。
A−7:カプリル酸2−ヘキシルデシル(以下の調製例3で調製したもの)
≪調製例3≫A−7の調製
脂肪酸としてカプリル酸(鹿特級、Mw:144.2、関東化学株式会社製)1277.5g、アルコールとして2−ヘキシルデカノール(Guerbitol(登録商標)16、コグニス社製)2578.1gを使用した以外は、調製例1と同様にしてA−7を得た。
<(B)成分>
B−1:JIS軽油2号(密度(15℃);0.835g/cm、硫黄濃度;30質量ppm、1環の芳香族;22.7質量%、2環の芳香族;6.2質量%、2環超の芳香族;0.6質量%、蒸留性状;初留点170℃、10%留出;210℃、50%留出;280℃、90%留出;330℃、出光興産株式会社製)
<任意成分>
≪任意脂肪酸エステル≫
a−1:カプリル酸メチル(C8−ME)(商品名:パステルM8、ライオン株式会社製)
a−2:C18混合脂肪酸メチル(M182−ME)(商品名:パステルM182、ライオン株式会社製)
a−3:ステアリン酸ブチル(C180−n−But)(商品名:エキセパールBS、花王株式会社製)
a−4:パーム油由来の脂肪酸メチルエステル(パルミチン酸(C16)エステル;44.1質量%、オレイン酸(C18:1)エステル;43.3質量%、リノール酸(C18:2)エステル;9.2質量%、リノレン酸(C18:3)エステル;1質量%、C20以上のエステル;2.4質量%)
a−5:菜種油由来の脂肪酸メチルエステル(パルミチン酸(C16)エステル;4.9質量%、オレイン酸(C18:1)エステル;58.1質量%、リノール酸(C18:2)エステル;24.2質量%、リノレン酸(C18:3)エステル;11質量%、C20以上のエステル;1.8質量%)
a−6:大豆油由来の脂肪酸メチルエステル(パルミチン酸(C16)エステル;10.8質量%、オレイン酸(C18:1)エステル;26.4質量%、リノール酸(C18:2)エステル;53.3質量%、リノレン酸(C18:3)エステル;9質量%、C20以上のエステル;0.5質量%)
a−7:ラウリン酸n−オクチル(C12−n−оctyl)(以下の調製例4で調製したもの)
≪調製例4≫a−7の調製
アルコールとしてn−オクタノール(鹿一級、関東化学株式会社製)1380gを用いた以外は、調製例1と同様にしてa−7を得た。
(評価方法)
<低温流動性>
測定した流動点を下記評価基準に分類し、低温流動性を評価した。
≪評価基準≫
◎:流動点が−17.5℃以下。
○:流動点が−17.5℃超−15℃以下。
△:流動点が−15℃超−12℃以下。
×:流動点が−12℃超。
<動粘度>
測定した動粘度(30℃)を下記評価基準に分類し、動粘度を評価した。
≪評価基準≫
◎:動粘度が2〜3.4mm/s。
○:動粘度が3.4mm/s超4.3mm/s以下。
×:動粘度が2mm/s未満、又は動粘度が4.3mm/s超。
<セタン価>
測定したFIAセタン価を下記評価基準に分類し、セタン価を評価した。
≪評価基準≫
◎:FIAセタン価が40以上。
○:FIAセタン価が37以上40未満。
×:FIAセタン価が37未満。
<ゴム劣化抑制>
ゴム部材は、BDFの分子構造、初期に含まれる酸、BDFの酸化劣化により生じる酸、BDFに残留したグリセリンや金属等の不純物に起因して劣化を生じる。このため、JIS2390では、全グリセリン(0.20質量%以下)、金属分(Na、K:5mg/kg以下)等の品質規格が定められている。
本稿において燃料組成物のゴム劣化抑制は、燃料噴射系の部材の材質として一般的なアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)に対する体積変化率により評価したものである。
各例の燃料組成物80mLにNBR製Oリング(直径32mm、φ0.2mm、株式会社森清化工製)を70℃で1週間浸漬した。浸漬前後のOリングの質量を測定し、下記(1)式により体積変化率を求めた。求めた体積変化率が3%未満を「◎」、体積変化率が3%以上6%未満を「○」、体積変化率が6%以上を「×」と判定した。
体積変化率(%)={|(浸漬後の体積−浸漬前の体積)|÷浸漬前の体積}×100 ・・・(1)
(|(浸漬後の体積−浸漬前の体積)|は、絶対値を表す。)
なお、浸漬前後の体積は、25℃で測定した質量と比重とから、下記(2)式又は(3)式により算出した。
浸漬前の体積=浸漬前の質量(g)÷浸漬前の比重 ・・・(2)
浸漬後の体積=浸漬後の質量(g)÷浸漬後の比重 ・・・(3)
(実施例1〜15、参考例1、比較例1〜8)
表1〜2に示す組成に従い、(A)成分と(B)成分と任意脂肪酸エステルとを室温(25℃)にてマグネチックスターラーで20分間攪拌し、各例の燃料組成物を得た。得られた燃料組成物について、酸価、動粘度、流動点、セタン価及びゴム劣化抑制を評価し、その結果を表1〜2に示した。
なお、参考として、各例の原料として用いた(A)成分、(B)成分及び任意脂肪酸エステルについて、酸価、動粘度、流動点、セタン価及びゴム劣化抑制を評価し、その結果を表3に示す。
Figure 2013028735
Figure 2013028735
Figure 2013028735
表1〜2に示すように、本発明を適用した実施例1〜15は、いずれも動粘度、低温流動性、セタン価及びゴム劣化抑制が参考例1(軽油)と同等以上であった。中でも、(A)/[(A)+(B)]比を0.05以上とした実施例1〜14は、参考例1に比べて、動粘度及び低温流動性の改善が図られていた。
従来、内燃機関用燃料としての基本性能を損なわないように、燃料組成物中のBDFの割合は、5質量%以下、即ち、(A)/[(A)+(B)]比が0.05以下とされるのが一般的である。実施例2〜3,5〜14は、(A)/[(A)+(B)]比が0.1〜0.4であり(A)成分の割合が高いものであるが、セタン価、ゴム劣化抑制、動粘度及び低温流動性が参考例1と同等以上であった。
さらに、実施例2と3との比較、実施例5と6との比較において、酸化が0.05mgKOH/g以下の実施例2と5は、ゴム劣化抑制に優れていた。
一方、(A)成分を含有しない比較例1〜5は、ゴム劣化抑制が「×」であり、かつ低温流動性及びセタン価のいずれかが「×」であった。
(A)/[(A)+(B)]比が0.5である比較例6は、動粘度が「×」であった。
(A)成分と(B)成分との合計量が82質量%である比較例7は、セタン価及びゴム劣化抑制が「×」であった。
(A)成分に換えて、(I)式中のRが直鎖のアルキル基であるa−7を用いた比較例8は、低温流動性が「×」であった。
これらの結果から、本発明を適用した燃料組成物は、BDFを高い割合で含有しても、内燃機関用燃料としての基本性能を損なわないことが判った。

Claims (2)

  1. (A)成分:下記一般式(I)で表される脂肪酸エステルと、(B)成分:軽油とを含有し、
    前記(A)成分と前記(B)成分との合計が85質量%以上であり、かつ(A)成分/[(A)成分+(B)成分]で表される質量比が0.45以下であることを特徴とする燃料組成物。
    −COO−R ・・・(I)
    [(I)式中、Rは炭素数7〜13のアルキル基であり、Rは分岐鎖を有する炭素数8〜18のアルキル基である。]
  2. 酸価が0.05mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項1に記載の燃料組成物。
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