JP2013023536A - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】コロイダル特性を制御したカーボンブラックを配合し発熱性を小さくしながら、耐久性を従来レベル以上に向上するようにしたタイヤ用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】ブタジエンゴム15〜80重量%を含むジエン系ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積N2SAが55〜95m2/g、DBP吸収量が110〜160ml/100gのカーボンブラックを60〜110重量部配合すると共に、前記カーボンブラックの凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dst(nm)と、前記N2SAとを、Dst=α(N2SA)-0.61の関係式で表わしたときの係数αが1979以上であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、コロイダル特性を制御したカーボンブラックを配合し、発熱性を低減しながら、耐久性を従来レベル以上に向上するようにしたタイヤ用ゴム組成物に関する。
空気入りタイヤのビード部には、タイヤをホイールにリム組みしたときリムに対して密着するように、その外層にガムフィニッシング及び/又はリムクッション(以下、単に「リムクッション」ということがある。)が設けられている。このリムクッションは、リムフランジに密着することにより、リムに対するリムずれを防止すると共に、エアシール性を保つようにするものでなければならない。しかし、リムクッションは、リムからの圧縮力や発熱等を受けるためクラックが発生したり、繰り返し変形による疲労が起きたりしてタイヤ耐久性が低下するという問題があった。
この対策として、特許文献1は、窒素吸着比表面積が90m2/g以上のカーボンブラックをゴム成分100重量部に対し40〜60重量部配合すると共に、スルフェンアミド系加硫促進剤を配合したゴム組成物を用いることにより、耐クラック性を改良することを提案している。しかし、窒素吸着比表面積が90m2/g以上のカーボンブラックの配合量を多くすると耐クラック性は向上するが、発熱性が大きくなるという問題があった。
発熱性の増大は、リムクッションが高温になり耐久性が低下する原因になると共に、空気入りタイヤの転がり抵抗が悪化する。特に地球環境問題への関心の高まりに伴い、燃費性能を向上することが求められていることから、発熱性を小さくすることが重要である。ゴム組成物の発熱性の指標としては一般に動的粘弾性測定による60℃のtanδが用いられ、ゴム組成物のtanδ(60℃)が小さいほど発熱性が小さくなる。
ゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくする方法として、カーボンブラックの配合量を少なくしたり、カーボンブラックの粒径を大きくしたりすることが挙げられる。しかし上述した通り、リムクッション等のビード部のリムを接触する部分を形成するゴム組成物にこのような処方を採用するとゴム硬度、引張り強度や破断伸びが低下し、タイヤにしたとき耐クラック性や耐疲労性等の耐久性が低下するという相反する問題になっていた。
特開2005−171016号公報
本発明の目的は、コロイダル特性を制御したカーボンブラックを配合し発熱性を小さくしながら、耐久性を従来レベル以上に向上するようにしたタイヤ用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ブタジエンゴム15〜80重量%を含むジエン系ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積N2SAが55〜95m2/g、DBP吸収量が110〜160ml/100gのカーボンブラックを60〜110重量部配合すると共に、前記カーボンブラックの凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dst(nm)と、前記N2SAとの関係を下記の式(1)
Dst=α(N2SA)-0.61 (1)
(ただし、Dstは凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径(nm)、N2SAは窒素吸着比表面積(m2/g)、αは係数である。)
で表わしたとき、係数αが1979以上であることを特徴とする。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ブタジエンゴム15〜80重量%を含むジエン系ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積N2SAが55〜95m2/g、DBP吸収量が110〜160ml/100g、かつ前記式(1)の関係で表わしたときの係数αが1979以上であるカーボンブラックを60〜110重量部配合するようにしたので、ゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくし低発熱性にしながら、ゴム硬度、強度及び破断伸びを確保するようにしたため、タイヤにしたときの耐クラック性や耐疲労性等の耐久性を従来レベル以上に向上することができる。
前記係数αとしては、1979≦α≦2450の範囲であることが好ましく、上述した優れた特性を確保しながら生産コストを抑制することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物でリムと接触するビード部の部分を構成した空気入りタイヤは、転がり抵抗を小さくし燃費性能を改良しながら、耐クラック性や耐疲労性等の耐久性を従来レベル以上に向上することができる。前記ビード部の部分としては、ガムフィニッシング及び/又はリムクッションが挙げられる。
乗用車用空気入りタイヤのビード部の構成を例示する断面図である。 トラック・バス用空気入りタイヤのビード部の構成を例示する断面図である。 本発明のタイヤ用ゴム組成物で使用するカーボンブラックのDstとN2SAの関係を示すグラフである。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、乗用車用やトラック・バス用の空気入りタイヤを構成するのに好適に使用することができる。特に空気入りタイヤのビード部のリムと接触する部分、すなわち、リムクッション及び/又はガムフィニッシングを構成するのに好適である。
図1は乗用車用空気入りタイヤのビード部、図2はトラック・バス用空気入りタイヤのビード部の断面構成を例示する説明図である。なお空気入りタイヤを装着するリムRを一点鎖線で示した。
図1において、乗用車用空気入りタイヤのビード部を1、サイドウォール部を2で示す。左右一対のビード部1間に、タイヤ周方向に対するコード角度が実質的に90°であるカーカス層5が装架され、カーカス層5の両端部がビード部1に埋設された左右のビードコア3の回りにビードフィラー4を包み込むようにタイヤ内側から外側へ巻き上げられている。またビード部1のタイヤ径方向内側の表面にはガムフィニッシング7、ビード部1のタイヤ幅方向外側の表面にはリムクッション6が配置され、それぞれタイヤをリム組みしたときにリムRと密着するように構成されている。
図2において、1はビード部、2はサイドウォール部を示す。トラック・バス用空気入りタイヤの左右のビード部1間には、複数本のスチールコードを配列してなるカーカス層5が装架されている。このカーカス層5は、ビード部1に埋設された左右一対のビードコア3の回りにタイヤ内側から外側へ巻き上げられている。ビード部1には、複数本のスチールコードを引揃えてなる繊維補強層8がカーカス層5に沿って配置されている。ビードコア3のタイヤ径方向外側には下側ビードフィラー4aが配置され、この下側ビードフィラー4aに隣接して上側ビードフィラー4bが配置されている。また、このビード部1のタイヤ径方向内側の表面にはガムフィニッシング7、ビード部1のタイヤ幅方向外側の表面にはリムクッション6がそれぞれ配置され、ガムフィニッシング7及びリムクッション6は、いずれもタイヤをリム組みしたときにリムRと密着するように構成されている。
なお、本明細書において、リムクッション及びガムフィニッシングは、このような呼び名の部材に限定されるものでなく、図1及び2に例示されたように、ビード部のリムと接触する部分についての他の呼び名の部材をも含むものとする。リムクッション及びガムフィニッシングは、上記例示のように独立して構成することができる。また、リムクッション及びガムフィニッシングを一体で構成することができる。リムクッション及びガムフィニッシングを一体で構成した部材の呼び名は、リムクッション、ガムフィニッシング或いは他の呼び名であってもよい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物において、ジエン系ゴムは、ブタジエンゴムを必須成分にする。ブタジエンゴムの含有量は、ジエン系ゴム100重量%中、15〜80重量%、好ましくは20〜70重量%である。ブタジエンゴムの含有量が15重量%未満であると、タイヤ耐久性、特に耐疲労性を十分に改良することができない。また、ブタジエンゴムの含有量が80重量%を超えると、ビード部を構成するタイヤ用ゴム組成物として必要なゴム硬度や強度が低下する虞がある。
ブタジエンゴム以外のジエン系ゴムとしては、タイヤ用ゴム組成物に通常用いられるものであればよく、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等が挙げられる。なかでも天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴムが好ましい。これらジエン系ゴムは、単独又は任意のブレンドとして使用することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物では、特定の窒素吸着比表面積N2SA及びDBP吸収量を有し、かつN2SAと凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dstとの関係を限定した新規のカーボンブラックを配合することにより、ゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくしながら、引張り強度、引張り破断伸び、ゴム硬度、耐摩耗性などの機械的特性を悪化させることがない。このカーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し60〜110重量部、好ましくは65〜100重量部にする。カーボンブラックの配合量が60重量部未満であると、ゴム組成物のゴム硬度及び弾性率が悪化する。またカーボンブラックの配合量が110重量部を超えると、tanδ(60℃)が大きくなると共に、引張り破断伸びが低下する。
本発明で使用するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積N2SAが55〜95m2/g、好ましくは55〜85m2/gである。N2SAが55m2/g未満であると、ゴム組成物のゴム硬度、動的弾性率などの機械的特性が低下する。N2SAが95m2/gを超えると、tanδ(60℃)が大きくなる。N2SAは、JIS K6217−2に準拠して、測定するものとする。
また、カーボンブラックのDBP吸収量は、110〜160ml/100gであり、好ましくは120〜150ml/100gである。DBP吸収量が110ml/100g未満であるとtanδ(60℃)が大きくなる。またゴム組成物の成形加工性が低下しカーボンブラックの分散性が悪化するのでカーボンブラックの補強性能が十分に得られない。DBP吸収量が160ml/100gを超えると、ゴム組成物の硬さが大きくなり過ぎて、引張り破断伸びが低下する。また粘度の上昇により加工性が悪化する。DBP吸収量は、JIS K6217−4吸油量A法に準拠して、測定するものとする。
本発明で使用するカーボンブラックは、上述したコロイダル特性を有すると共に、凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dstと窒素吸着比表面積N2SAとを下記の式(1)の関係式で表わしたとき、係数αが1979以上、好ましくは1979〜2450である。
Dst=α(N2SA)-0.61 (1)
(ただし、Dstは凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径(nm)、N2SAは窒素吸着比表面積(m2/g)、αは係数である。)
カーボンブラックが上述したN2SA及びDBP吸収量を有し、かつ係数αを1979以上にすることにより、ゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくしながら、ゴム硬度、動的弾性率などを維持・向上することができる。また係数αの上限は特に限定されるものではないが、カーボンブラックの収率やコストなどの生産性の観点から2450以下にするとよい。本発明において、凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dstとは、カーボンブラックを遠心沈降させ、光学的に得た凝集体のストークス径の質量分布曲線における最大頻度のモード径をいう。本発明において、DstはJIS K6217−6ディスク遠心光沈降法による凝集体分布の求め方に準拠して、測定するものとする。
図1は、本発明で使用するカーボンブラックのDstとN2SAの関係を示すグラフである。図1において、横軸はN2SA(m2/g)、縦軸はDst(nm)である。ASTM規格番号を有する代表的なカーボンブラックを四角印でプロットし、試作により得られたカーボンブラックを丸印及び三角印でプロットした。ここで各プロットに、後述する実施例及び比較例で使用したカーボンブラックCB1〜CB13をそれぞれ参照する数字1〜13を付している。図1に示す通り、従来の規格化されたカーボンブラックブラックのDstとN2SAは、概ね下記式(2)の関係を満たす。
Dst=1650×(N2SA)-0.61 (2)
(ただし、Dstは凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径(nm)、N2SAは窒素吸着比表面積(m2/g)を表わす。)
図1では、上記式(2)の関係を点線の曲線で表わした。
これに対し、本発明で使用するカーボンブラックでは、Dst及びN2SAは、下記式(3)の曲線(実線)より右上にプロットされる。
Dst=1979×(N2SA)-0.61 (3)
(ただし、Dstは凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径(nm)、N2SAは窒素吸着比表面積(m2/g)を表わす。)
すなわち本発明では、N2SAが55〜95m2/gの範囲において、Dstが従来のカーボンブラックのDstより大きくした新規のカーボンブラックを使用する。このようなカーボンブラックは、従来のカーボンブラックと比べ、N2SAが同レベルであっても、凝集体のストークス径が大きく、凝集体の形態が球形に近いことを意味する。これにより、ゴムに対する補強性能を高くするため、ゴム組成物のゴム硬度や動的弾性率などの機械的特性を従来レベル以上に向上することができる。
上述したコロイダル特性を有するカーボンブラックは、例えば、カーボンブラック製造炉における原料油導入条件、燃料油及び原料油の供給量、燃料油燃焼率、反応時間(最終原料油導入位置から反応停止までの燃焼ガスの滞留時間)などの製造条件を調整して製造することができる。
本発明において、上述した特定のコロイダル特性を有するカーボンブラック以外の補強性充てん剤を配合することができ、ゴム組成物のtanδとゴム硬度や強度などの機械的特性とのバランスを調整することができる。補強性充てん剤としては、例えば上述したカーボンブラック以外のその他のカーボンブラック、シリカ、クレー、炭酸カルシウム、タルク、マイカ等を例示することができる。とりわけ補強性充てん剤としてシリカを配合することが好ましい。上述した特定のコロイダル特性を有するカーボンブラックと共に、シリカを配合することにより、ゴム組成物の発熱性を一層小さくしタイヤにしたときの転がり抵抗をさらに低減することができる。
タイヤ用ゴム組成物には、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。本発明のタイヤ用ゴム組成物は、通常のゴム用混練機械、例えばバンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、空気入りタイヤのビード部のリムと接触する部分、すなわちリムクッションやガムフィニッシングを構成するのに好適に使用される。本発明のタイヤ用ゴム組成物でビード部を構成した空気入りタイヤは、走行時の発熱性が小さいので、転がり抵抗を小さくし燃費性能を改良することができる。同時に、耐クラック性、耐疲労性などのタイヤ耐久性が優れ、タイヤの寿命を従来レベル以上に長くすることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
13種類のカーボンブラック(CB1〜CB13)を使用して16種類のゴム組成物(実施例1〜5、比較例1〜11)を調製した。このうち8種類のカーボンブラック(CB1,CB2,CB8〜CB13)は市販グレード、5種類のカーボンブラック(CB3〜CB7)は試作品であり、それぞれのコロイダル特性を表1,2に示した。また図1において、各カーボンブラックCB1〜CB13のDstとN2SAの関係をプロットすると共に、それぞれのカーボンブラックを参照する番号を付した。
Figure 2013023536
Figure 2013023536
表1,2において、各略号はそれぞれ下記のコロイダル特性を表わす。
・N2SA:JIS K6217−2に基づいて測定された窒素吸着比表面積
・IA:JIS K6217−1に基づいて測定されたよう素吸着量
・CTAB:JIS K6217−3に基づいて測定されたCTAB吸着比表面積
・DBP:JIS K6217−4(非圧縮試料)に基づいて測定されたDBP吸収量
・24M4:JIS K6217−4(圧縮試料)に基づいて測定された24M4−DBP吸収量
・TINT:JIS K6217−5に基づいて測定された比着色力
・Dst:JIS K6217−6に基づいて測定されたディスク遠心光沈降法による凝集体のストークス径の質量分布曲線の最大値であるモード径
・△D50:JIS K6217−6に基づいて測定されたディスク遠心光沈降法による凝集体のストークス径の質量分布曲線において、その質量頻度が最大点の半分の高さのときの分布の幅(半値幅)
・α:Dst及びN2SAを上述した式(1)の関係に当てはめたときの係数α
また表1,2において、カーボンブラックCB1,CB2,CB8〜CB13は、それぞれ以下の市販グレードを表わす。
・CB1:東海カーボン社製シーストKHP
・CB2:東海カーボン社製シーストKH
・CB8:東海カーボン社製シースト300
・CB9:キャボットジャパン社製ショウブラック330T
・CB10:新日化カーボン社製ニテロン#10N
・CB11:東海カーボン社製シースト3
・CB12:東海カーボン社製シーストNH
・CB13:東海カーボン社製シースト6
カーボンブラックCB3〜CB7の製造
円筒反応炉を使用して、表3に示すように全空気供給量、燃料油導入量、燃料油燃焼率、原料油導入量、反応時間を変えて、カーボンブラックCB3〜CB7を製造した。
Figure 2013023536
タイヤ用ゴム組成物の調製及び評価
上述した13種類のカーボンブラック(CB1〜CB13)を用いて、表4,5に示す配合からなる16種類のゴム組成物(実施例1〜5、比較例1〜11)を調製するに当たり、それぞれ硫黄及び加硫促進剤を除く成分を秤量し、55Lのニーダーで15分間混練した後、そのマスターバッチを放出し室温冷却した。このマスターバッチを55Lのニーダーに供し硫黄及び加硫促進剤を加え混合し、タイヤ用ゴム組成物を得た。
得られたタイヤ用ゴム組成物をそれぞれ所定形状の金型中で、150℃、30分間加硫して試験片を作製し、下記に示す方法により、耐疲労性及び耐クラック性を評価した。
耐疲労性
JIS K6270に準拠し、ダンベル状3号形(標線間距離20mm)の試験片を作製した。疲労特性は、各試験片に100%の歪みを繰り返し与え、試験片が破断するまでの繰り返し回数(以下、「破断回数」という)を測定した。破断回数の測定は、n=6で行い、それぞれの破断回数より正規確率分布による50%残存確率を求めた。得られた結果は比較例1を100にする指数とし、表4,5の「耐疲労性」の欄に示した。この指数が大きいほど疲労寿命が長く、耐疲労性が優れることを意味する。
耐クラック性
JIS K6260に準拠し、デマッチャ屈曲亀裂成長試験片を作製した。この試験片を用いて、ストローク57mm、速度300±10rpm、屈曲回数10万回後の亀裂成長[単位mm]を測定した。得られた結果は比較例1の逆数を100にする指数とし、表4,5の「耐クラック性」の欄に示した。この指数が大きいほど亀裂成長が小さく、耐クラック性が優れることを意味する。
また得られたタイヤ用ゴム組成物でリムクッション及びガムフィニッシングを構成したタイヤサイズが195/65R15の空気入りタイヤを加硫成形した。得られた16種類の空気入りタイヤの転がり抵抗を下記に示す方法により評価した。
転がり抵抗
得られた空気入りタイヤを標準リム(サイズ15×6Jのホイール)に組み付け、空気圧210kPaの空気を充填して、JIS D4230に準拠する室内ドラム試験機(ドラム径1707mm)に取り付け、JIS D4230の「6.4高速性能試験A」に記載される高速耐久性の試験に準拠して高速耐久性試験を実施し、試験荷重4.82kN、速度50km/時の抵抗力を測定し、転がり抵抗とした。得られた結果は、それぞれ転がり抵抗の逆数を求め、比較例1を100とし、表4,5の「転がり抵抗」の欄に示した。この指数が大きいほど転がり抵抗が小さく燃費性能が優れていることを意味する。
Figure 2013023536
Figure 2013023536
なお、表4,5において使用した原材料の種類を下記に示す。
NR:天然ゴム、RSS#3
SBR:スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol 1502
BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol BR1220
CB1〜CB13:上述した表1,2に示したカーボンブラック
アロマオイル:ジャパンエナジー社製プロセスX−140
亜鉛華:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸
ワックス:大内新興化学工業社製サンノック
老化防止剤:フレキシス社製SANTOFLEX6PPD
加硫促進剤:大内新興化学工業社製ノクセラーNS−P
硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄
表4から明らかなように実施例1〜5の空気入りタイヤは、転がり抵抗が小さく、耐疲労性、耐クラック性からなる耐久性が従来レベル以上に向上することが確認された。
表4から明らかなように、比較例1の空気入りタイヤは、カーボンブラックCB9のDBP吸収量が110ml/100g未満かつ式(1)の係数αが1979未満であるため、実施例1〜4の空気入りタイヤに比べ転がり抵抗が大きく、耐疲労性及び耐クラック性が劣る。比較例2,3の空気入りタイヤは、ブタジエンゴムの含有量が15重量%未満であるため、耐疲労性が劣る。
表5から明らかなように、比較例4,5及び10の空気入りタイヤは、カーボンブラックCB1,CB2及びCB12の式(1)の係数αが1979未満であるため、転がり抵抗性の低減と耐疲労性、耐クラック性からなる耐久性の改良とを両立することが出来ない。
比較例6の空気入りタイヤは、カーボンブラックCB3のDBP吸収量が160ml/100gを超えかつ式(1)の係数αが1979未満であるため、ゴム組成物の強度が不足し、耐疲労性及び耐クラック性が劣る。
比較例7,9の空気入りタイヤは、カーボンブラックCB8,CB11のDBP吸収量が110ml/100g未満かつ式(1)の係数αが1979未満であるため、転がり抵抗性の低減と耐疲労性、耐クラック性からなる耐久性の改良とを両立することが出来ない。
比較例8の空気入りタイヤは、CB10のN2SAが55m2/g未満かつ式(1)の係数αが1979未満であるため、耐疲労性、耐クラック性が悪化してしまう。
比較例11の空気入りタイヤは、カーボンブラックCB13のN2SAが95m2/gを超えかつ係数αが1979未満であるため、転がり抵抗性の低減と耐疲労性、耐クラック性からなる耐久性の改良とを両立することができない。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 ビードコア
4,4a,4b ビードフィラー
5 カーカス
6 リムクッション
7 ガムフィニッシング
R リム

Claims (4)

  1. ブタジエンゴム15〜80重量%を含むジエン系ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積N2SAが55〜95m2/g、DBP吸収量が110〜160ml/100gのカーボンブラックを60〜110重量部配合すると共に、前記カーボンブラックの凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dst(nm)と、前記N2SAとの関係を下記の式(1)
    Dst=α(N2SA)-0.61 (1)
    (ただし、Dstは凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径(nm)、N2SAは窒素吸着比表面積(m2/g)、αは係数である。)
    で表わしたとき、係数αが1979以上であることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記係数αが、1979≦α≦2450であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物で、ビード部のリムと接触する部分を構成したことを特徴とする空気入りタイヤ。
  4. 前記ビード部のリムと接触する部分が、ガムフィニッシング及び/又はリムクッションであることを特徴とする請求項3に記載の空気入りタイヤ。
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