しかし、特許文献1に記載の照明装置は、ホルダ81の勘合ピン86とフレーム2の壁部26に形成された位置決め穴26により、フレーム2に固定されているものの、原稿がフレーム2の上に取り付けられたカバーガラス93上を搬送される構成となっているので、導光体8から原稿までの高さの位置ばらつきが、導光体8・ホルダ81・フレーム2・カバーガラス93の部品寸法ばらつきの積み上げになり、結果、原稿に対する光源から照射する光量が不安定になる可能性があるという課題がある。また、特許文献2に記載の照明装置を用いた密着イメージセンサは、照明装置に効率のよい放熱構造を得るために、放熱板13と放熱板を固定するために板ばねを有する構造となっているので、その構造が複雑になるという課題がある。
この発明は、上記のような課題を解消するためになされたもので、照明装置を構成する部品寸法ばらつきの積み上げを少なくすることにより、光源(導光体)から原稿(読取対象)までの距離の精度を向上させた照明装置及びそれを用いたイメージセンサ並びにイメージセンサの製造方法を提供することを目的とする。
請求項1の発明に係る照明装置は、搬送される読取対象を読み取るイメージセンサに使用する照明装置であって、光源が端面に対向して配置され、主走査方向に延在し、筐体に収納された柱状の導光体の前記端面を含む端部が挿入されたホルダを具備し、前記ホルダは、前記導光体が挿入される挿入孔部と、この挿入孔部における前記導光体を挿入する開口が開けられた面と対向する面側に形成され、前記筐体の縁部分に載置されたホルダ被支持部とを備えたことを特徴とするものである。
請求項2の発明に係る照明装置は、搬送される読取対象を読み取るイメージセンサに使用する照明装置であって、光源が端面に対向して配置され、主走査方向に延在した柱状の導光体の前記端面を含む端部が挿入されたホルダを具備し、前記ホルダは、前記導光体が挿入される挿入孔部と、この挿入孔部における前記導光体を挿入する開口が開けられた面と連続した面であって、前記搬送される読取対象と対向する面に形成された平板状の透過板を載置する載置部とを備えたことを特徴とするものである。
請求項3の発明に係る照明装置は、搬送される読取対象を読み取るイメージセンサに使用する照明装置であって、光源が端面に対向して配置され、主走査方向に延在し、筐体に収納された柱状の導光体の前記端面を含む端部が挿入されたホルダを具備し、前記ホルダは、前記導光体が挿入される挿入孔部と、この挿入孔部における前記導光体を挿入する開口が開けられた面と連続した面であって、前記搬送される読取対象と対向する面に形成された平板状の透過板を載置する載置部と、前記挿入孔部における前記導光体を挿入する開口が開けられた面と対向する面側に形成され、前記筐体の縁部分に載置されたホルダ被支持部とを備えたことを特徴とするものである。
請求項4の発明に係る照明装置は、前記ホルダ被支持部が、前記載置部と連続した面に形成されるものである請求項3に記載のものである。
請求項5の発明に係る照明装置は、前記載置部が、前記透過板が載置された位置と異なる位置に突起部を有するものである請求項2〜4のいずれかに記載のものである。
請求項6の発明に係る照明装置は、前記載置部が、前記透明板の載置される部分の形状に合わせた窪み部分を有するものである請求項2〜5のいずれかに記載のものである。
請求項7の発明に係る照明装置は、前記載置部が、前記透過板を前記透過板との間に介在物を介させて載置するものである請求項2〜6のいずれかに記載のものである。
請求項8の発明に係るイメージセンサは、請求項1〜7のいずれかに記載の照明装置に用いたイメージセンサであって、前記導光体からの出射された光が前記読取対象に反射した反射光を収束するレンズ体と、このレンズ体を通過した光を受光するセンサとを備えたことを特徴とするものである。
請求項9の発明に係るイメージセンサは、請求項3又は4に記載の照明装置に用いたイメージセンサであって、前記導光体からの出射された光が前記読取対象に反射した反射光、又は、前記読取対象を透過した透過光を収束するレンズ体と、このレンズ体を通過した光を受光するセンサと、このセンサが形成されたセンサ基板とを備え、前記筐体は、前記レンズ体を支持し、前記センサ基板を前記レンズ体に対して前記透明板と反対側に支持されるものであることを特徴とするものである。
請求項10の発明に係るイメージセンサは、前記筐体が、前記レンズ体以外からの光から前記センサを遮光する遮光部を備えたものである請求項9に記載のものである。
請求項11の発明に係るイメージセンサは、前記筐体が、前記導光体に対して前記透明板と反対側に配置され、前記光源からの光を反射させる反射板を支持する溝を有し、前記レンズ体以外からの光から前記センサを遮光する遮光部を備えたものである請求項9に記載のものである。
請求項12の発明に係るイメージセンサは、前記導光体と前記反射板とが、所定の距離を離れて対向するものである請求項11に記載のものである。
請求項13の発明に係るイメージセンサの製造方法は、搬送される読取対象を読み取るイメージセンサの製造方法であって、センサが形成されたセンサ基板を筐体に固定する基板固定工程と、前記筐体に固定される前記センサに光を収束させるロッドレンズアレイを前記筐体に前記センサ基板が固定される位置よりも内側に固定するロッドレンズアレイ固定工程と、柱状の導光体の端面を含む端部を、前記導光体が挿入される挿入孔部、この挿入孔部における前記導光体を挿入する開口が開けられた面と対向する面側から迫り出したホルダ被支持部を具備するホルダに挿入し、前記導光体の前記端面に光源を対向して配置する照明装置組立工程と、前記筐体に固定される前記ロッドレンズアレイの位置に対して、前記筐体に固定される前記センサの位置と反対側の前記筐体における縁部分に前記ホルダ被支持部を載置し、前記導光体を主走査方向に延在して配置させる照明装置載置工程とを備えたことを特徴とするものである。
請求項14の発明に係るイメージセンサの製造方法は、搬送される読取対象を読み取るイメージセンサの製造方法であって、センサが形成されたセンサ基板を筐体に固定する基板固定工程と、前記筐体に、主走査方向に延在する反射板を載置する反射板載置工程と、前記筐体に固定される前記センサに光を収束させるロッドレンズアレイを、前記筐体に前記センサ基板が固定される位置よりも内側であって、前記反射板が載置される前記筐体の遮光部に主走査方向に延在した開口に固定するロッドレンズアレイ固定工程と、柱状の導光体の端面を含む端部を、前記導光体が挿入される挿入孔部、この挿入孔部における前記導光体を挿入する開口が開けられた面と対向する面側から迫り出したホルダ被支持部を具備するホルダに挿入し、前記導光体の前記端面に光源を対向して配置する照明装置組立工程と、前記筐体に固定される前記ロッドレンズアレイの位置に対して、前記筐体に固定される前記センサの位置と反対側の前記筐体の縁部分に前記ホルダ被支持部を載置し、前記導光体を前記反射板に対向して配置させる照明装置載置工程とを備えたことを特徴とするものである。
請求項15の発明に係るイメージセンサの製造方法は、前記照明装置載置工程が、前記導光体と前記反射板とを所定の距離を離して対向させるものである請求項14に記載のものである。
請求項16の発明に係るイメージセンサの製造方法は、前記挿入孔部における前記導光体を挿入する開口が開けられた面と連続した面であって、前記搬送される読取対象と対向し得る面に形成された載置部に、平板状の透過板を載置する透明板載置工程を備えた請求項13〜15のいずれかに記載のものである。
以上のように、請求項1に係る発明によれば、ホルダ及び筐体により、部品寸法ばらつきが少なくでき、導光体と読取対象との距離の精度が高い照明装置を得ることができる。
請求項2に係る発明によれば、ホルダ及び透明板により、部品寸法ばらつきが少なくでき、導光体と読取対象との距離の精度が高い照明装置を得ることができる。
請求項3に係る発明によれば、ホルダ、透明板及び筐体により、部品寸法ばらつきが少なくでき、導光体と読取対象との距離の精度が高い照明装置を得ることができる。
請求項4に係る発明によれば、請求項3に係る発明の効果に加え、筐体とホルダとで透明板を保持し易い照明装置を得ることができる。
請求項5に係る発明によれば、請求項2〜4に係る発明の効果に加え、照明装置を組み込む画像読取装置などに組み込む際に必要な位置決めピン又は固定ピンとしての突起部を、ホルダに形成することにより、筐体に位置決めピンを設ける必要がない照明装置を得ることができる。
請求項6に係る発明によれば、請求項2〜5に係る発明の効果に加え、ホルダと透明板とに段差が生じ難い照明装置を得ることができる。
請求項7に係る発明によれば、請求項2〜6に係る発明の効果に加え、直接、ホルダ上に透明板を載置する必要がない照明装置を得ることができる。
請求項8に係る発明によれば、請求項1〜7に係る発明の効果を有する照明装置を用いたイメージセンサを得ることができる。
請求項9に係る発明によれば、請求項3、4に係る発明の効果を有する照明装置を用いた反射光源型又は透過光源型のイメージセンサを得ることができる。
請求項10に係る発明によれば、請求項9に係る発明の効果に加え、レンズ体により収束された光以外を確実に遮光したイメージセンサを得ることができる。
請求項11に係る発明によれば、請求項9に係る発明の効果に加え、反射板により効率よく読取対象に光を照射し、レンズ体により収束された光以外を確実に遮光したイメージセンサを得ることができる。
請求項12に係る発明によれば、請求項11に係る発明の効果に加え、熱による導光体の膨張や収縮に耐え得るイメージセンサを得ることができる。
請求項13に係る発明によれば、ホルダ、透明板及び筐体により、部品寸法ばらつきが少なくでき、導光体と読取対象との距離の精度が高い、ロッドレンズアレイを用いたイメージセンサの製造方法を得ることができる。
請求項14に係る発明によれば、ホルダ、透明板及び筐体により、部品寸法ばらつきが少なくでき、導光体と読取対象との距離の精度が高く、反射板により効率よく読取対象に光を照射し、ロッドレンズアレイにより収束された光以外を確実に遮光したイメージセンサの製造方法を得ることができる。
請求項15に係る発明によれば、請求項14に係る発明の効果に加え、熱による導光体の膨張や収縮に耐え得るイメージセンサの製造方法を得ることができる。
請求項16に係る発明によれば、請求項13〜15に係る発明の効果に加え、ホルダと透明板とに段差が生じ難いイメージセンサの製造方法を得ることができる。
実施の形態1〜3(本願)に係る照明装置は、搬送される読取対象を読み取るイメージセンサに使用するものであり、実施の形態1では、この照明装置及びそれを用いたイメージセンサ並びにイメージセンサの製造方法を説明する。なお、本願において、搬送される読取対象(読取対象の搬送)とは、読取対象自体が搬送される場合に加え、読取対象は動かずに、イメージセンサ自体が副走査方向に動く場合も含むものとする。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について図1〜9を用いて説明する。図5(a)はイメージセンサにおける導光体(後述の導光体1)の中心を主走査方向に見た断面図、図5(b)はイメージセンサにおけるロッドレンズアレイ(後述のロッドアレイ15)の中心を主走査方向に見た断面図であり、図5(a)(b)は、後述のホルダ7の近傍のみを図示している。図6(a)はイメージセンサの副走査方向の断面図(主走査方向の中央部分)、図6(a)はイメージセンサの副走査方向の断面図(後述のホルダ7に導光体が挿入される手前部分)である。図7(a)(b)はイメージセンサの副走査方向の断面図(主走査方向の中央部分)である。但し、図7(a)は筐体に形成された第1の溝の形状が曲面状となっている。図7(b)は筐体に形成された第1の溝の形状が曲面状となっており、反射板の代わりに、表面が白色又は鏡面加工となっている。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
なお、図中で、X,Y,Zと記されている3軸は、XがX軸を指し、イメージセンサの主走査方向(イメージセンサ及び照明装置の長手方向)を示す。YがY軸を指し、イメージセンサの副走査方向(搬送される読取対象の搬送方向、イメージセンサ及び照明装置の短手方向)を示す。ZがZ軸を指し、イメージセンサの焦点深度方向(イメージセンサ及び照明装置の厚み方向、イメージセンサが密着イメージセンサである場合は、ロッドレンズアレイの光軸方向でもある)を示す。さらに、本願では、イメージセンサの読取幅方向とは、イメージセンサの主走査方向のみの読取幅を指すとする。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
図1〜9において、導光体1は、透明な樹脂で成形され、長手方向方向(「導光体の長手方向」は、イメージセンサの主走査方向に相当する)に延在し、側面形状が円筒状で端面が円形の柱状のものである。導光体2は、導光体1と長手方向に、ほぼ平行に配列され、照明装置の発光部を構成するものであって、透明な樹脂で成形され、長手方向方向に延在し、側面形状が円筒状で端面が円形の柱状のものである。導光体1及び導光体2の側面形状は円筒に限ったものではなく、導光体1及び導光体2の端面は円形に限らない。光源3は導光体1の一方の端面に光を入射するLED光源などの光源素子である。光源4は導光体1の他方の端面に光を入射するLED光源などの光源素子である。光源5は導光体2の一方の端面に光を入射するLED光源などの光源素子である。光源6は導光体2の他方の端面に光を入射するLED光源などの光源素子である。
光源3及び光源4から入射した光は、導光体1の内部で導光され、導光体1の壁面において反射を繰り返して進み、導光体1の長手方向に沿って形成された白色の印刷パターン又は凹凸形状の散乱領域1aにより、散乱領域1aと対向する部分(導光体1の表面上の部分)からライン状の光として出射される。同じく、光源5及び光源6から入射した光は、導光体2の内部で導光され、導光体2の壁面において反射を繰り返して進み、導光体2の長手方向に沿って形成された白色の印刷パターン又は凹凸形状の散乱領域2aにより、散乱領域2aと対向する部分(導光体1の表面上の部分)からライン状の光として出射される。図5(a)に記載の導光体1(散乱領域1a)及び導光体2(散乱領域2a)から読取対象に向かう矢印(点線)は、それぞれ、散乱領域1a,散乱領域2aにより反射した光が読取対象に照射される主な光路を示している。これは、実施の形態2の図10及び図11でも同様である。
図1〜9において、ホルダ7は、光源3が導光体1の一方の端面に対向して配置され、長手方向に延在し、導光体1の一方の端面を含む端部が挿入され、光源5が導光体2の一方の端面に対向して配置され、長手方向に延在し、導光体2の一方の端面を含む端部が挿入されたものである。ホルダ8は、光源4が導光体1の他方の端面に対向して配置され、主走査方向に延在し、導光体1の他方の端面を含む端部が挿入され、光源6が導光体2の他方の端面に対向して配置され、主走査方向に延在し、導光体2の他方の端面を含む端部が挿入されたものである。透明板9はガラスや透明な樹脂で成形された照明装置又はイメージセンサのカバーとなるものである。反射型の密着イメージセンサの場合は、このカバーに接して、原稿や紙幣などの読取対象が搬送される。筐体10は、枠体からなるもので、一方の開口における縁部分に、少なくとも長手方向(「筐体の長手方向」は、イメージセンサの主走査方向に相当する)に沿って透明板9を支持する段差部分が形成されている。つまり、段差部分の段差は短手方向(「筐体の短手方向」は、イメージセンサの副走査方向(読取対象の搬送方向)に相当する)に階段状で形成される。
なお、透明板9は、実施の形態1に係るイメージセンサが搭載されるコピー機や複合機などの画像読取装置側に用意されている場合は、必要でないこともある。また、筐体10は、光源3,光源4,光源5,光源6の放熱効率を重視すると金属が好適である。さらに、イメージセンサの主走査方向における読取幅方向の外側、具体的には、筐体10の長手方向の両端部であって、ホルダ7及びホルダ8のさらに外側に、筐体10には、取り付け部10a及び取り付け部10bが形成されている。取り付け部10a及び取り付け部10bには、それぞれ、ネジやボルトなどで、筐体10をコピー機や複合機などの画像読取装置に取り付けるための穴が開いている。
図1〜9において、ホルダ7は、導光体1及び導光体2がそれぞれ挿入される挿入孔部7a及び挿入孔部7bを有し、ホルダ8は、導光体1及び導光体2がそれぞれ挿入される挿入孔部8a及び挿入孔部8bを有する。挿入孔部7a,挿入孔部7b,挿入孔部7a,挿入孔部7bの内径には、それぞれ切り欠き部7f,切り欠き部7g,切り欠き部8f,切り欠き部8gが形成されている。この切り欠き部7f及び切り欠き部7g(切り欠き部8f及び切り欠き部8g)は、それぞれ導光体1の端部の円周状に形成された突起部1b及び導光体2の端部の円周状に形成された突起部2b(導光体1の端部の円周状に形成された突起部1c及び導光体2の端部の円周状に形成された突起部2c)と嵌合する可能な形状をしている。これらの構成は、導光体1及び導光体2をホルダ7(挿入孔部7a及び挿入孔部7b)に挿入したときに、導光体1及び導光体2をホルダ7に固定する機能を有する。同じく、導光体1及び導光体2をホルダ8(挿入孔部8a及び挿入孔部8b)に挿入したときに、導光体1及び導光体2をホルダ8に固定する機能を有する。突起部1b,突起部1c,突起部2b,突起部2cは嵌合部といえる。
なお、挿入孔部7a,挿入孔部7b(挿入孔部8a,挿入孔部8b)は、導光体1,導光体2が挿入されるホルダ7(ホルダ8)の面とその面に対向する面に貫通(連通)した貫通孔(開口)となっており、導光体1,導光体2を固定するために、挿入孔部7a,挿入孔部7b(挿入孔部8a,挿入孔部8b)に、導光体1,導光体2を挿入する面から途中まで、挿入孔部7a,挿入孔部7b(挿入孔部8a,挿入孔部8b)の内壁に、切り欠き部7f,切り欠き部7g(切り欠き部8f,切り欠き部8g)が形成されている。しかし、挿入孔部7a,挿入孔部7b(挿入孔部8a,挿入孔部8b)は、切り欠き部7f,切り欠き部7g(切り欠き部8f,切り欠き部8g)の代わりに、途中で内径を狭めて、導光体1,導光体2を固定するようにしてもよい。
また、挿入孔部7a,挿入孔部7b(挿入孔部8a,挿入孔部8b)は、導光体1,導光体2が挿入されるホルダ7(ホルダ8)の面とその面に対向する面が光学的に貫通(連通)しておればよく、光源3,光源4(光源5,光源6)からの光を導光体1,導光体2に伝播させるものであれば、物理的に閉鎖されていてもよい。つまり、導光体1の端面と光源3(光源4)との間が全て空間である必要はない(導光体2の端面と光源5(光源6)との間が全て空間である必要はない)。なお、挿入孔部7a,挿入孔部7bが貫通孔(開口)であっても、内部に導光体1,導光体2へ光を伝播させる透過物質を挿入してもよい。導光体1(導光体2)は、両方の端面である「両端面」に、それぞれ光源3及び光源4(光源5及び光源6)を配置させているが、いずれか片方でもよい。
図1〜9において、ホルダ7において、挿入孔部7a及び挿入孔部7bにおける導光体1及び導光体2を挿入する開口が開けられた面と連続した面であって、搬送される読取対象と対向する面に形成された平板状の透過板9を載置する載置部7cを有し、ホルダ8において、挿入孔部8a及び挿入孔部8bにおける導光体1及び導光体2を挿入する開口が開けられた面と連続した面であって、搬送される読取対象と対向する面に形成された平板状の透過板9を載置する載置部8cを有する。詳しくは、載置部7c及び載置部8cは、少なくとも短手方向(筐体の短手方向)に沿って、透明板9を支持する段差部分がホルダ7及びホルダ8に形成されている。この段差部分の段差は長手方向(筐体の長手方向)に階段状で形成される。ホルダ7及びホルダ8の短手方向(筐体の短手方向)に沿って形成した段差部分は、ホルダ7及びホルダ8に長手方向(筐体の長手方向)に沿った段差部分を形成し、短手方向に形成した段差部分と連続させてもよい。
これらのことを換言すると、載置部7c(載置部8c)は、透明板9の載置される部分の形状に合わせた窪み部分を有するものであるといえる。よって、透明板9の支持は、「透明板9を載置する前述の長手方向に沿って形成された筐体10の段差部分」と「載置部7c及び載置部8c」とにより、透明板9の外形と一致し、透明体9が保持できる形状の階段状の段差が形成されておればよいので、載置部7c(載置部8c)には、窪み部分(段差部分)を設けずに、単に、透過板を載置するものとして、透明板9の外形と一致し、透明体9が保持できる形状の階段状の段差を筐体10の一方の開口における縁部分に形成してもよい。また、載置部7c(載置部8c)は、透過板9との間に、透過板9の保護用の緩衝用シートや透過板9の固定用の両面テープ(介在物)などを介させて透過板9を載置させてもよい。
図1〜9において、ホルダ7(ホルダ8)は、挿入孔部7a及び挿入孔部7b(挿入孔部8a及び挿入孔部8b)における導光体1及び導光体2を挿入する開口が開けられた面と対向する面側に形成され、筐体10の一方の開口における縁部分に載置されたホルダ被支持部7d(ホルダ被支持部8d)を有する。ホルダ被支持部7d(ホルダ被支持部8d)は、載置部7c(載置部8c)と連続した面に形成することで、筐体10の一方の開口における縁部分の形状(段差部分を除く)を平坦にし易くなるので、筐体10とホルダ7(ホルダ8)とで透明板を保持し易くなる。筐体10は、一方の開口側に径が狭まった状態の段差部分を有している(ロ字状の絞りのような形状)。換言すると、主走査方向に沿って形成された段差部分(副走査方向に階段状で形成)と副走査方向に沿って形成された段差部分(主走査方向に階段状で形成)とが連続しているといえる。この段差部分(筐体10の一方の開口側に径が狭まった状態の段差部分)における副走査方向に沿って形成された段差部分には、ホルダ被支持部7d及びホルダ被支持部8dを載置することが可能となっており、主走査方向に沿って形成された段差部分には、透明板9の主走査方向の端部を載置することが可能となっている。
また、ホルダ被支持部7d及びホルダ被支持部8dの形状をコ字状とすることで、筐体10の一方の開口側に径が狭まった状態の段差部分(前述)における副走査方向に沿って形成された段差部分に加え、筐体10の一方の開口側に径が狭まった状態の段差部分における主走査方向に沿って形成された段差部分の、それぞれ、取り付け部10a及び取り付け部10b寄りの部分(位置)にも、ホルダ被支持部7d及びホルダ被支持部8dを載置させることができる。この場合は、透明板9は、ホルダ被支持部7d及びホルダ被支持部8dが載置された部分(位置)以外の、筐体10の一方の開口側に径が狭まった状態の段差部分における主走査方向に沿って形成された段差部分に、載置されることになる。
さらに、ホルダ7(ホルダ8)は、載置部7c(載置部8c)に透過板9が載置された位置と異なる位置に突起部7e(突起部8e)を有するものである。この突起部7e(突起部8e)は、取り付け部10a及び取り付け部10bとともに、照明装置(イメージセンサ)を組み込む画像読取装置などに組み込む際に必要な位置決めピン又は固定ピンとして機能する読取対象搬送面突き当て部である。読取対象搬送面とは、読取対象が搬送される面を指し、実施の形態1に係るイメージセンサが、透明板9を有しており、かつ、読取対象が透明板9に接触して搬送される場合は、透明板9の面(透明体9の筐体10に収納された面と反対の面)を指す。光源基板11は、光源3及び光源5が形成されたフレキシブル基板であり、光源基板12は、光源4及び光源6が形成されたフレキシブル基板である。放熱シート13は、光源基板11の光源3及び光源5が形成された面と反対の面に接触して配置され、光源基板11から発せられる熱を放熱するシートである。
なお、筐体10が金属で形成された金属筐体10であれば、放熱シート13の光源基板11と接触させた面と反対の面に金属筐体10を押し当てることで、放熱の効率がさらに上がる。放熱シート14は、光源基板12の光源4及び光源6が形成された面と反対の面に接触して配置され、光源基板12から発せられる熱を放熱するシートである。筐体10が金属で形成された金属筐体10であれば、放熱シート14の光源基板12と接触させた面と反対の面に金属筐体10を押し当てることで、放熱の効率がさらに上がる。光源基板11及び放熱シート13は、それぞれ、孔を有し、ホルダ7から突出ピンに連通させることで、ホルダ7へ光源基板11及び放熱シート13が固定される(仮止め状態を含む)。光源基板12及び放熱シート14は、それぞれ、孔を有し、ホルダ8から突出ピンに連通させることで、ホルダ8へ光源基板12及び放熱シート14が固定される(仮止め状態を含む)。光源基板11(光源基板12)に取り付けた放熱シート13(放熱シート14)を熱伝導率のよい金属筐体10に直接取り付けることで、光源基板11(光源基板12)で発生したジュール熱はイメージセンサの外部で放散され、熱放散効率が高いイメージセンサの放熱構造を得ることができる。
図1〜9において、レンズ体15は、導光体1及び導光体2からの出射された光が読取対象に反射した反射光を収束する光学部材(例えば、ロッドレンズアレイ、マクロレンズアレイなどのラインセンサ(センサアレイ)上に光を収束させるレンズアレイ)又は光学部材を複合したもの(例えば、縮小光学系のイメージセンサ(画像読取装置)を構成するレンズやミラー)である。これは、実施の形態1に係るイメージセンサが反射光源型のものである場合で、後述する実施の形態2に係るイメージセンサでは、透過光源型のイメージセンサであるので(厳密には、透過光源型のイメージセンサと透過光源型のイメージセンサとの併用)、レンズ体15は、導光体1(導光体2)からの出射された光が読取対象を透過した透過光を収束するものでもある。センサ16は、レンズ体15を通過した光を受光するセンサIC(受光素子)からなるセンサアレイである。
なお、レンズ体15の焦点は、読取対象搬送面に合わせている。本願では、レンズ体15がロッドレンズアレイ15であるものを用いて説明を行うが、ロッドレンズアレイは、正立等倍のロッドレンズがイメージセンサの主走査方向に多数配列して枠体などで固定したものであるので、本願では、簡略化のため、主走査方向に細長い箱状の外形だけを図示する。また、ロッドレンズ15の焦点は、読取対象搬送面に合わせている。図5(a)に記載の読取対象からロッドレンズ15を経由してセンサ16に向かう矢印(点線)は、ロッドレンズ15の光軸であり、導光体1(散乱領域1a)及び導光体2(散乱領域2a)から照射された光が読取対象に反射した反射光を示している。これは、実施の形態2の図10及び図11でも同様であるが、図11に関しては、導光体1(散乱領域1a)及び導光体2(散乱領域2a)から照射された光が読取対象に反射した反射光に加えて、導光体1(散乱領域1a)から照射された光が読取対象を透過した透過光も示している。
図1〜9において、センサ基板17はセンサ16が形成された回路基板であり、図示が省略するが、外部と接続可能なコネクタを有しており、レンズアレイ15で収束された光を受光して光電変換するセンサ16を主走査方向に読み取り長さだけ搭載しておる。また、コネクタは、センサ基板17はセンサIC(センサ16)から光電変換された電気信号を画像信号として外部に出力するものである。また、センサ基板17は、筐体10の他方の開口における縁部分にネジなどの固定手段によって固定されるものである。固定手段はネジに限らず、特許文献1に記載のようなアタッチメントを用いてもよい。前述した筐体10の一方の開口側に径が狭まった状態の段差部分と同じような段差部分を、筐体10の他方の開口側に形成して(筐体10の他方の開口側に径が狭まった状態の段差部分)、この段差部分にセンサ基板17を嵌め込んで固定してもよい。固定手段は、前述のネジやアタッチメントなどでよい。
図1〜9において、反射板18は、主走査方向に延在し、光源3及び光源4からの光を反射させるものであり、筐体10は、導光体1に対して透明板9と反対側に配置され、反射板18を支持する第1の溝を有している。同じく、反射板19は、主走査方向に延在し、光源5及び光源6からの光を反射させるものであり、導光体2に対して透明板9と反対側に配置され、反射板19を支持する第2の溝を有している。遮光部20は、筐体10の内部構造であり、ロッドレンズアレイ15以外からの光からセンサ16を遮光するものである。つまり、ロッドレンズアレイ15は、筐体10の主走査方向に延在する第1の溝及び第2の溝との間の筐体10に固定されて、センサ17に光を収束させるものである。また、ロッドレンズアレイ15は、筐体10にセンサ基板17が固定される位置よりも内側であって、反射板18が載置される筐体の遮光部に主走査方向に延在した細長い開口に固定される。筐体10において、この開口以外に、筐体10内部の照明装置が配置される側とセンサ基板17が配置される側と光学的に連通する部分が無く、この機能を担っている部分は全て筐体10の遮光部20といえる。
図3及び図5は、ホルダ8周辺の構成を示したものであるが、ホルダ7周辺の構成も同様の構成となっている。図4及び図6(b)は、ホルダ7周辺の構成を示したものであるが、ホルダ8周辺の構成も同様の構成となっている。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
図1、図3、図4に記載されるイメージセンサの分解図のうち、照明装置は、導光体1、導光体2、光源3、光源4、光源5、光源6、ホルダ7、ホルダ8、光源基板11(放熱シート13)、光源基板12(放熱シート14)から構成されている。ホルダ7及びホルダ8は、筐体10、導光体1及び導光体2、光源基板11、光源基板12、透明板9、読取対象の高さ方向(主走査方向と副走査方向に垂直な方向)の配置を決めるものである。照明装置を収納する筐体10は、本願で説明するように、イメージセンサの筐体として共用してもよいが、照明装置用筐体とセンサ用筐体との二つの筐体に分けてもよい。また、照明装置に筐体10を設けずに、イメージセンサの筐体に筐体無しの照明装置を固定する形式でもよいが、この場合でも、照明装置のホルダ7(ホルダ8)には、載置部7c(載置部8c)及びホルダ被支持部7d(ホルダ被支持部8d)が形成されている。
なお、照明装置用筐体とセンサ用筐体との二つの筐体に分けてもよいが、照明装置用筐体とセンサ用筐体とを接続することにより、筐体10としての機能を有している必要があると説明したが、これは、あくまでも、実施の形態1に係る照明装置を反射型光源のイメージセンサに適用する場合であって、後述する実施の形態2に係る照明装置は、透過型光源のイメージセンサに適用するものもあるので、この場合は、照明装置用筐体とセンサ用筐体とは二つの別の筐体である必要がある。
実施の形態1に係るイメージセンサ(照明装置)においては、「照明装置のホルダ7に形成された突起部(読取対象搬送面突き当て部)7e、及び、照明装置のホルダ8に形成された突起部(読取対象搬送面突き当て部)8e」、又は、「突起部7e,突起部8eの少なくとも一方」は、「イメージセンサに組み込まれた後に、そのイメージセンサを、取り付け部10a及び取り付け部10bを介して、コピー機や複合機などの画像読取装置に取り付けるとき」の取り付け基準となる。このように、筐体10ではなく、ホルダ7及びホルダ8に突起部7e及び突起部8e(読取対象搬送面突き当て部)を設けたので、コピー機や複合機などの画像読取装置が求める読取対象搬送面突き当て部が変更された場合でも、筐体10を変更することなく、ホルダ7及びホルダ8に形成された突起部7e及び突起部8eを変更することで容易に対応できるという効果を奏する。
図2は実施の形態1に係るイメージセンサの完成状態(透明板9を有している場合)の外観を示している。実施の形態1に係るイメージセンサが透明板9を有し、透明板9に接して原稿などの読取対象が搬送される場合は、透明板9の表面が読取対象搬送面となる。図5(a)(b)には、ホルダ8の近傍付近で上記説明の構成のうち、イメージセンサ側のものを図示している。
図6(a)(b)に示すように、透明板9は、導光体1(導光体2)と読取対象の間に配置され、筐体10内部に異物の混入を防止し、かつ、導光体1(導光体1)から照射される光(ライン光源)及び読取対象から反射された光の減衰を抑えるために透明な材料で構成されている。筐体10の内部に配置された主走査方向(読取幅方向)に光を伝達する透明部材で構成された導光体1及び導光体2は、ライン状の光を主走査方向において読取対象に照明するように、透明板9での光の屈折を考慮して、導光体1及び散乱領域1a(導光体2及び散乱領域2a)の設計と筐体10内での配置が決定されることはいうまでもない(光学設計)。なお、導光体1(導光体2)の下側であって、筐体10内に配置される反射板18(反射板19)は、導光体1(導光体2)から読取対象方向側に放射される光と逆方向に放射される光を反射させ、読取対象面側に照射される光量を増やすためのものであるため、上記説明の光学設計に含めて考慮されるものである。反射板18(反射板19)は、シート状の反射材が一般的である。また、反射板18及び反射板19(筐体10の第1の溝及び第2の溝)の形状は、平坦なものに限らない。また、筐体10の第1の溝及び第2の溝の表面が、反射効率のよい白色又は鏡面加工となっていてもよい。
これらの例に関して、図7を用いて説明する。図7(a)に記載のイメージセンサは、反射板18及び反射板19(筐体10の第1の溝及び第2の溝)の形状が曲面となっている。図7(b)に記載のイメージセンサは、筐体10の第1の溝及び第2の溝の形状が曲面で、筐体10の第1の溝及び第2の溝の表面が白色又は鏡面加工となっている。図7(a)(b)に示す構造でも、図1〜6に示す構造と同じ方向性の効果を得ることが可能である。また、筐体10の第1の溝及び第2の溝の形状を曲面としたときに、導光体1及び導光体2の外形と合わせた設計を行い、導光体1及び導光体2の嵌め当て面としてもよいが、導光体1及び導光体2の熱による膨張・縮小を考慮する必要がある場合は、実施の形態1に係るイメージセンサにおいて、導光体1(導光体2)と反射板18(反射板19)とを所定の距離(膨張・縮小を考慮した距離)を離して対向させるとよい。なお、反射板18(反射板19)がない場合は、導光体1(導光体2)と筐体10の第1の溝(筐体10の第2の溝)とを所定の距離(膨張・縮小を考慮した距離)を離して対向させるとよい。導光体1及び導光体2は、ホルダ7及びホルダ8によって、支持及び位置決めされているので、反射板18及び反射板19(筐体10の第1の溝,筐体10の第2の溝)から、所定の距離(膨張・縮小を考慮した距離)を離して配置することは容易である。
次に、図8及び図9を用いて、実施の形態1に係る照明装置及びイメージセンサの製造法(搬送される読取対象を読み取るイメージセンサの製造方法)を説明する。この製造方法の基本構成(基本工程)は、以下のとおりである。照明装置(光源ユニット)組立工程、基板固定工程、ロッドレンズアレイ固定工程、照明装置載置工程。これらの工程のうち、照明装置(光源ユニット)組立工程は、照明装置載置工程の前に行う必要がある。また、ロッドレンズアレイ固定工程は、ロッドレンズ15を照明装置載置工程の後に取り付けることが困難である場合は、照明装置載置工程の前に行う必要がある。基板固定工程は、センサ16が形成されたセンサ基板17を筐体10の他方の開口における縁部分にネジなどで固定するものである。基板固定工程を行う順序は特に問わない。各工程の説明は、実施の形態1に係るイメージセンサの主走査方向における対象性及び副走査方向における対象性から、一部の説明は、片側の構成要素を用いて説明する。
照明装置(光源ユニット)組立工程は、導光体1が挿入される挿入孔部、この挿入孔部における導光体1を挿入する開口が開けられた面と対向する面側から迫り出したホルダ被支持部7dを具備するホルダ7に、柱状の導光体1の端面を含む端部を挿入し、導光体1の端面に光源3を対向して配置するものであり、導光体2はホルダ7の挿入孔部7bに挿入されると共に導光体2の突起部1bはホルダ7の切り欠き部7bで嵌め合わされる。突起部1bと切り欠き部7bと嵌め合わすことにより導光体1の光照射角度を一定角度に固定し、回転ずれによる導光体1の照射ずれを防止する。導光体1の突起部1bはホルダ7の切り欠き部7bに設けた導光体取り付け面である端部まで挿入する。この照明装置(光源ユニット)組立工程は、照明装置の製造方法ともいえる。この照明装置の製造方法は、後述する透明板載置工程や、後述する照明装置載置工程(センサ基板17やロッドレンズ15を設けていない筐体10への載置、この場合、筐体10は前述の照明装置用筐体となる)を含んでいてもよい。
なお、ホルダ7には、光源基板11と放熱シート13が装着されている。光源基板11は、光源基板11のホルダ取り付け面をホルダ7の基板取り付け面基準に取り付ける。光源基板11の高さ方向と副走査方向の位置は光源基板11の孔をホルダ7の基板位置決め部(突出ピン)に嵌め合わせることで決定する。基板位置決め部(突出ピン)は2箇所設けることで、光源基板11の主走査方向を軸とした回転を抑制している(図4参照)。放熱シート13は光源基板取り付け面を光源基板11の放熱シート取り付け面基準に取り付ける。放熱シート13の逃げ穴はホルダ6の基板位置決め部(突出ピン)との干渉を避けるために設けている(図4参照)。
ロッドレンズアレイ固定工程は、筐体10に固定されるセンサ16に光を収束させるロッドレンズアレイ15を筐体10にセンサ基板17が固定される位置よりも筐体10の内側に固定するものである。ロッドレンズアレイ15は、筐体10の内部に形成された遮光部20に設けられ、主走査方向に延在した開口に固定される。ロッドレンズアレイ15の主走査方向及び副走査方向の位置決めは、主走査方向に延在した開口によって決定してもよいが、筐体10に調整機構を別途設けてよい。この調整機構は、遮光部20に対して、センサ基板17が取り付けられる側と反対側において、筐体10に形成すると、センサ基板17の遮光が容易となる。
照明装置載置工程は、筐体10に固定されるロッドレンズアレイ15(遮光部20に形成された主走査方向に延在した開口)の位置に対して、筐体10に固定されるセンサ16の位置と反対側の筐体における縁部分(筐体10の一方の開口における縁部分)にホルダ被支持部7dを載置し、筐体10に固定されるセンサ16の位置と反対側の筐体における縁部分(筐体10の一方の開口における縁部分)にホルダ被支持部8dを載置して、導光体1及び導光体2を主走査方向に延在して配置させるものである。図8は、ロッドレンズアレイ固定工程の後に、照明装置載置工程を行う場合を示した図である。
図9は、実施の形態1に係るイメージセンサ(照明装置)に透明板9を設ける場合に、少なくとも、照明装置(光源ユニット)組立工程、ロッドレンズアレイ固定工程、照明装置載置工程の後に行う必要がある透明板載置工程を示すものである。透明板載置工程は、載置部7c及び載置部8c並びに筐体10へ透明体9を載置するものである。つまり、透明板載置工程は、挿入孔部7b(挿入孔部8b)における導光体1(導光体2)を挿入する開口が開けられた面と連続した面であって、搬送される読取対象と対向し得る面に形成された載置部7c(載置部8c)に、平板状の透過板を載置するものである。また、この工程は、載置部7c及び載置部8c並びに筐体10の複合形状よって、透明板9の載置される部分の形状に合わせた窪み部分を有するようにしたものであることから、前述のように、載置部7c(載置部8c)には、窪み部分(段差部分)を設けずに、単に、透過板を載置するものとして、透明板9の外形と一致し、透明体9が保持できる形状の階段状の段差を筐体10の一方の開口における縁部分に形成してもよい。
以上が実施の形態1に係るイメージセンサ(照明装置)の製造方法の各工程の説明であるが、実施の形態1に係るイメージセンサの筐体10に反射板18(反射板19)を設ける場合は、筐体10に、主走査方向に延在する反射板18(反射板19)を載置する反射板載置工程を行ってもよい。また、ロッドレンズアレイ固定工程を、反射板18(反射板19)が載置される筐体10の遮光部20に主走査方向に延在した開口に固定するものとしてもよい。さらに、照明装置載置工程を、導光体1(導光体2)と反射板18(反射板19)とを所定の距離を離して対向させるものであるとしてもよい。但し、筐体10の第1の溝(筐体10の第2の溝)に導光体1(導光体2)を嵌合させたり、嵌め当てたりする場合は除く。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2は実施の形態1と共通する部分の説明は省略する。実施の形態2について図10〜12を用いて説明する。図10はイメージセンサの副走査方向の断面図(主走査方向の中央部分)、図10(a)は片灯の照明装置(導光体一本)の副走査方向の断面図(主走査方向の中央部分)、図10(b)は片灯の照明装置(導光体二本)の副走査方向の断面図(主走査方向の中央部分)、図11はイメージセンサの副走査方向の断面図(主走査方向の中央部分)、図12は筐体10及び透明板9を伴っていない照明装置(光源ユニット)の斜視図である。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
実施の形態1では、導光体1と導光体2とのを有するいわゆる両灯の照明装置及びそれを用いたイメージセンサとそのイメージセンサが反射光源型のものを説明したが、まず、導光体1のみ有するいわゆる片灯の照明装置及びそれを用いたイメージセンサに関して、図10(a)を用いて説明する。図10(a)に記載のイメージセンサは、導光体1のみを有する構成となっており、それ以外は、実施の形態1で説明した照明装置及びそれを用いたイメージセンサと同じ構成と機能(動作)を有するものであるので、構成と機能(動作)に関する説明は、省略する。
図10(a)に記載のイメージセンサ(照明装置)は、片灯で導光体1が一本のものであったが、図10(b)に記載の記載のイメージセンサ(照明装置)のように、導光体1を複数本(図10(b)では例として二本のものを図示している)有するものとしてもよい。この場合、導光体1の本数に合わせて、ホルダ7及びホルダ8に、挿入孔部7a(切り欠き部7f)及び挿入孔部8a(切り欠き部8f)形成し、光源基板11及び光源基板12にも、導光体1の本数に合わせて、光源3,光源4を形成する必要がある。もちろん
、ライン光源としての光学設計は、光学設計は異なったものであることはいうまでもない。また、同様に、実施の形態1に係るイメージセンサ(照明装置)である両灯のイメージセンサ(照明装置)においても、それぞれ、導光体1を複数本有し、導光体2も複数本有するものとしてもよい。
次に、透過光源型の照明装置及びそれを用いたイメージセンサに関して、図11を用いて説明する。図11は、透過光源型の照明装置及びそれを用いたイメージセンサと反射光源型の照明装置及びそれを用いたイメージセンサとを併用したものを図示している。読取対象の上部に配置されたものが、透過光源型の照明装置である。この透過光源型の照明装置は、読取対象の下部に配置された反射光源型の照明装置及びそれを用いたイメージセンサ(実施の形態1に係るもの)のセンサ部分を共用しているので、透過光源型の照明装置の光軸は、ロッドレンズアレイ15の光軸と一致させる必要がある。もちろん、読取対象の下部に配置されるものは、反射光源型の照明装置を有していなくてもよい。その場合は、読取対象の上部に配置された筐体10は、透過光源用筐体となり、読取対象の下部に配置された筐体10は、センサ用筐体となる。
図示は省略するが、図11のように、反射光源型と透過光源型とのイメージセンサ(照明装置)を読取対象(読取装置が搬送される搬送経路)を介して対向した配置でなく、しれぞれ、読取対象(読取装置が搬送される搬送経路)に対して同じ側に設置してもよい。但し、読取対象(読取装置が搬送される搬送経路)を介して対向した側に、透過光源型のイメージセンサ(照明装置)からの光を受光するセンサ16(センサ基板17)を設ける必要がある。
図12に示す照明装置(光源ユニット)は、実施の形態2で説明した片灯の照明装置及び透過光源型の照明装置に使用されるものである。この照明装置をセンサ用筐体に週のすると、片灯の反射光源型のイメージセンサとなり、この照明装置を透過光源用筐体に収納すると、透過光源型の照明装置となる。なお、透過光源型の照明装置は筐体がなくてもよい。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3は実施の形態1及び2と共通する部分の説明は省略する。実施の形態3について図13を用いて説明する。図13(a)は比較用の実施の形態1及び2に係るイメージセンサ(照明装置)の上面図(X軸方向から見たもので、ホルダ8周辺の構成を示したもの)、図13(b)は実施の形態3に係るイメージセンサ(照明装置)の上面図(X軸方向から見たもので、ホルダ8周辺の構成を示したもの)、図13(c)は実施の形態3に係るイメージセンサ(照明装置)の上面図(X軸方向から見たもので、ホルダ8周辺の構成を示したもの)である。図13は、ホルダ8周辺の構成を示したものであるが、ホルダ7周辺の構成も同様の構成となっている。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
実施の形態1及び2おいて、載置部7c(載置部8c)は、透明板9の載置される部分の形状に合わせた窪み部分を有するものであるといえる。よって、透明板9の支持は、「透明板9を載置する前述の長手方向に沿って形成された筐体10の段差部分」と「載置部7c及び載置部8c」とにより、透明板9の外形と一致し、透明体9が保持できる形状の階段状の段差が形成されておればよいと、図13(a)に記載のような構成を用いて説明した。
実施の形態3では、上記説明を満たす構成の例として、まず、図13(b)に記載の構成を説明する。図13(b)の記載の筐体10から、ホルダ8(ホルダ7)の副走査方向の長さが、透明板9の副走査方向の長さよりも長いものであってもよいことが分かる。この構成であれば、照明装置のみで透明体9を支持する場合の位置決めが優位となる効果を奏する。実施の形態3に係る照明装置(イメージセンサ)では、照明装置(光源ユニット)組立工程の後に、透明板載置工程を行う順序で、照明装置又はイメージセンサを製造することになっても、ホルダ7及びホルダ8に透明板9を載置した状態をより維持し易いという効果を奏する。なお、図13(b)では、ホルダ被支持部8d(ホルダ被支持部7d)の形状をコ字状のものを図示しているが、図13(a)に記載のホルダ被支持部8d(ホルダ被支持部7d)の形状でもよい。なお、図13(b)に記載の載置部8c(載置部7c)は、コ字状を成している。
次に、図13(c)に記載の構成を説明する。図13(a)(b)に記載の透明体9を含め、これまでは、透明体9を主走査方向が長辺、副走査方向を短辺とした長方形状のものを用いて説明してきたが、透明体9は、図13(c)では外形の大半は、長方形であるが、副走査方向の短辺(両端部)に凸部を有するものでもよい。なお、凸部が載置部8c(載置部7c)に載置される透明体9の該当部分となる。図13(c)から、透明体9が完全な長方形でなくてもよいことが分かる。この構成であれば、照明装置のみで透明体9を支持する場合の位置決めが優位となる効果を奏するだけでなく、筐体10から、ホルダ8(ホルダ7)の副走査方向の長さが、透明板9の副走査方向の長さよりも長いものでなくてもよいので、透明板9及びホルダ被支持部8d(ホルダ被支持部7d)を載置する筐体10の段差部分をロ字状のものをそのまま使用できるという効果も奏する。もちろん、筐体10の段差部分をロ字状でないものを使用してもよいことはいうまでもない。
このように、実施の形態3に係る照明装置(イメージセンサ)では、照明装置(光源ユニット)組立工程の後に、透明板載置工程を行う順序で、照明装置又はイメージセンサを製造することになっても、ホルダ7及びホルダ8に透明板9を載置した状態をより維持し易いという効果を奏する。なお、図13(c)に記載のホルダ被支持部8d(ホルダ被支持部7d)においても、図13(b)に記載のコ字状のホルダ被支持部8d(ホルダ被支持部7d)を採用してもよい。なお、図13(c)に記載の載置部8c(載置部7c)は、図13(b)と同様にコ字状を成している。
実施の形態3に係るイメージセンサ(光源装置)は、実施の形態1及び2に係るイメージセンサ(光源装置)に適用できる。なお、実施の形態1(実施の形態2)に係るイメージセンサ(光源装置)に関して説明した反射型光源のイメージセンサだけでなく、実施の形態2に係るイメージセンサ(光源装置)に関して説明した透過型光源のイメージセンサにも適用できることはいうまでもない。