JP2013016657A - 電子デバイス用パッケージの製造方法、電子デバイスおよび電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のパッケージ3の製造方法は、接合部材64の蓋部材63との接合面には、内外を連通する溝80が形成され、ベース部材61と蓋部材63との接合は、ベース部材61と蓋部材63との接合予定部位のうち、溝80に対応する部分を除いた部分をシーム溶接により接合する第1の接合工程と、接合予定部位のうち、溝80に対応した部分を接合する第2の接合工程とを有する。
【選択図】図9
Description
特許文献1に記載の圧電デバイスは、電子部品である圧電振動片と、この圧電振動片を収納するパッケージとを備える。この圧電デバイスのパッケージは、凹部を有するパッケージ本体と、そのパッケージ本体の凹部の開口を覆う蓋体とを有する。
しかし、このようなパッケージは、パッケージ本体に貫通孔を形成しなければならないので、製造工程が煩雑になるという問題があった。また、パッケージ本体の貫通孔が形成された部分には部品を実装することができないため、パッケージの大型化を招くという問題もあった。
[適用例1]
本発明の電子デバイス用パッケージの製造方法は、ベース部材と蓋部材との間に電子部品が収納される内部空間を形成しつつ、環状の接合部材を介して前記ベース部材と前記蓋部材とを接合する電子デバイス用パッケージの製造方法であって、
前記接合部材の前記蓋部材との接合面には、内外を連通する溝が形成され、
前記ベース部材と前記蓋部材との接合は、
前記ベース部材と前記蓋部材との接合予定部位のうち、前記溝に対応する部分を除いた部分をシーム溶接により接合する第1の接合工程と、
前記接合予定部位のうち、前記溝に対応した部分を接合する第2の接合工程とを有することを特徴とする。
また、従来のような貫通孔を必要としないことから、製造工程が簡略化されるとともに、パッケージの小型化を図ることができる。
本発明の電子デバイス用パッケージの製造方法では、前記第2の接合工程での接合は、エネルギー線溶接により行うことが好ましい。
これにより、第2の接合工程において、シーム溶接後にベース部材と蓋部材との間に局所的に形成された隙間を減圧下または不活性ガス雰囲気下で簡単かつ確実に塞ぐことができる。
本発明の電子デバイス用パッケージの製造方法では、前記第2の接合工程での接合は、ろう材を用いたろう接により行うことが好ましい。
これにより、第2の接合工程において、接合部材に形成された溝が深かったり、蓋部材が肉厚であったりしても、シーム溶接後にベース部材と蓋部材との間に局所的に形成された隙間を簡単かつ確実に塞ぐことができる。
本発明の電子デバイス用パッケージの製造方法では、前記蓋部材の平面視での輪郭は、矩形状をなし、
前記溝は、前記蓋部材の平面視での角部に対応する位置に設けられ、
前記第1の接合工程では、前記蓋部材の平面視での各辺に沿ってシーム溶接を行うことが好ましい。
これにより、簡単かつ確実に、シーム溶接後にベース部材と蓋部材との間に局所的に隙間を形成することができる。
本発明の電子デバイス用パッケージの製造方法では、前記溝の壁面の横断面は、湾曲形状をなしていることが好ましい。
これにより、第1の接合工程後にベース部材と蓋部材との間に局所的に隙間を形成するとともに、かかる隙間を第2の接合工程において簡単かつ確実に塞ぐことができる。
本発明の電子デバイス用パッケージの製造方法では、前記溝の幅をL1とし、前記溝の深さをL2としたときに、
L1>L2なる関係を満たすことが好ましい。
これにより、第1の接合工程後にベース部材と蓋部材との間に局所的に隙間を形成するとともに、かかる隙間を第2の接合工程において簡単かつ確実に塞ぐことができる。
本発明の電子デバイス用パッケージの製造方法では、前記第2の接合工程は、減圧下または不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
これにより、シーム溶接により生じたガスや大気をパッケージ内から除去して、パッケージを気密封止することができる。
本発明の電子デバイス用パッケージの製造方法では、前記蓋部材は、平面視で、輪郭が全周に亘って前記接合部材に重なるように形成されていることが好ましい。
これにより、接合部材の全周に亘って、ベース部材と蓋部材とを簡単かつ確実に接合することができる。
本発明の電子デバイスは、本発明の製造方法を用いて製造された電子デバイス用パッケージと、
前記電子デバイス用パッケージ内に収納された電子部品とを有することを特徴とする。
このような電子デバイスによれば、小型化を図るとともに、高品質な気密封止を簡単に実現することができる。
[適用例10]
本発明の電子機器は、本発明の電子デバイスを備えることを特徴とする。
このような電子機器によれば、信頼性を優れたものとすることができる。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るセンサーデバイス(電子デバイス)の概略構成を示す模式的側面図、図2は、図1に示すセンサーデバイスの平面図、図3は、図1に示すセンサーデバイスのセンサーモジュール(電子部品モジュール)に備えられた支持部材を示す斜視図、図4は、図1に示すセンサーデバイスのセンサーモジュールに備えられたセンサー素子(電子部品)の平面図、図5は、図1に示すセンサーデバイスのパッケージの平面図、図6は、図5に示すパッケージの部分拡大平面図、図7は、図5に示すパッケージの接合部材を示す部分拡大斜視図、図8は、図6のA方向からみた部分拡大側面図である。
なお、以下では、説明の便宜上、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、説明の便宜上、図1〜3、5〜7では、互いに直交する3つの軸として、x軸、y軸およびz軸を図示しており、x軸に平行な方向を「x軸方向」、y軸に平行な方向を「y軸方向」、z軸に平行な方向(上下方向)を「z軸方向」と言う。
図1に示すセンサーデバイス(電子デバイス)1は、互いに直交するx軸、y軸およびz軸の3軸まわりの角速度をそれぞれ検出するジャイロセンサーである。
このようなセンサーデバイス1は、例えば、撮像機器の手ぶれ補正や、GPS(Global Positioning System)衛星信号を用いた移動体ナビケーションシステムにおける車両などの姿勢検出、姿勢制御等に用いることができる。
このセンサーデバイス1は、図1に示すように、センサーモジュール2と、センサーモジュール2を収納するパッケージ3とを有する。
(センサーモジュール2)
図1および図2に示すように、センサーモジュール2は、支持部材10と、z軸まわりの角速度を検知するセンサーユニット101と、x軸まわりの角速度を検知するセンサーユニット102と、y軸まわりの角速度を検知するセンサーユニット103とを備える。
このように、センサーモジュール2は、支持部材10と、3つのICチップ20と、3つのセンサー素子30と、3つのフレキシブル配線基板41、42、43とを備える。
支持部材10は、3つのセンサーユニット101、102、103を支持する機能を有する。
この支持部材10は、図3に示すように、z軸に直交する第1の支持面11と、x軸に直交する第2の支持面12と、y軸に直交する第3の支持面13とを有する。
また、支持部材10は、前述したような金属で構成された場合、かかる金属で構成された金属板を折り曲げ加工することにより形成することができる。なお、支持部材10の形状は、図3に示すものに限定されず、例えば、直方体、多角形柱状、多角錘状等のブロック体で構成されていてもよい。
図1および図2に示すICチップ20は、センサー素子30を駆動する機能と、センサー素子30からの信号を検出する機能とを有する。
このICチップ20は、板状をなし、その一方の面が能動面を構成し、他方の面が非能動面を構成する。
また、ICチップ20の能動面側には、図示しないが、前述した集積回路に電気的に接続された接続端子および外部接続端子が設けられている。
また、この接続端子は、センサー素子30をICチップ20に対して固定・支持する機能をも有する。ここで、この接続端子は、突起電極であることから、センサー素子30とICチップ20との間に隙間を形成するスペーサとしても機能する。これにより、センサー素子30の駆動振動や検出振動を許容する空間を確保することができる。
センサー素子30は、1つの軸まわりの角速度を検出するジャイロセンサー素子である。
このセンサー素子30は、その主要部分(基材)が圧電材料である水晶で構成されている。
また、センサー素子30における水晶のX軸、Y軸およびZ軸の向きは、それぞれ、水晶からの切り出し時における誤差を多少の範囲(0度〜7度)で許容することができる。
また、センサー素子30は、フォトリングラフィー技術を用いたエッチング(ウェットエッチングまたはドライエッチング)により形成されている。
センサー素子30は、基部31と、基部31からY軸に沿って延出した1対の検出用振動腕32a、32bと、基部31からX軸に沿って延出した1対の連結腕33a、33bと、連結腕33aの先端部からY軸に沿って延出した1対の駆動用振動腕34a、34bと、連結部33bの先端部からY軸に沿って延出した1対の駆動用振動腕35a、35bとを備えている。
さらに、センサー素子30は、検出用振動腕32a、32b上にそれぞれ設けられた検出電極(図示せず)と、駆動用振動腕34a、34b、35a、35b上にそれぞれ設けられた駆動電極(図示せず)と、支持部38a、38bの一方の面上に設けられ、検出電極および駆動電極に電気的に接続された複数の接続電極39とを備えている。
ここで、センサー素子30は、接続電極39がICチップ20の各接続端子に電気的および機械的に接続されることにより、ICチップ20上に実装されている。
また、センサー素子30は、その板面がICチップ20の板面に沿う(略平行になる)ように設置されている。これにより、センサーユニット101では、センサー素子30の板面がz軸に直交する。また、センサーユニット102では、センサー素子30の板面がx軸に直交する。また、センサーユニット103では、センサー素子30の板面がy軸に直交する。
具体的には、センサーユニット101のセンサー素子30は、その板面がz軸に直交することから、z軸まわりの角速度を検出することができる。また、センサーユニット102のセンサー素子30は、その板面がx軸に直交することから、x軸まわりの角速度を検出することができる。また、センサーユニット103のセンサー素子30は、その板面がy軸に直交することから、y軸まわりの角速度を検出することができる。
図1、2に示すフレキシブル配線基板41、42、43は、それぞれ、例えば、ポリイミド等の可撓性を有する樹脂を主体としたベース層(図示せず)と、そのベース層に接合された配線パターン層(図示せず)とを備えている。
そして、フレキシブル配線基板41は、配線パターン層の一方の端部が第1の支持面11に支持されたICチップ20の外部接続端子(図示せず)に取り付けられ(接合され)、配線パターン層の他方の端部が後述するパッケージ3の内部端子71に電気的に接続されている。同様に、フレキシブル配線基板42は、配線パターン層の一方の端部が第2の支持面12に支持されたICチップ20の外部接続端子(図示せず)に取り付けられ(接合され)、配線パターン層の他方の端部が後述するパッケージ3の内部端子72に電気的に接続されている。また、フレキシブル配線基板43は、配線パターン層の一方の端部が第3の支持面13に支持されたICチップ20の外部接続端子(図示せず)に取り付けられ(接合され)、配線パターン層の他方の端部が後述するパッケージ3の内部端子73に電気的に接続されている。
このようなセンサーモジュール2は、パッケージ3内に収納されることにより、x軸、y軸およびz軸まわりのそれぞれの角速度を検出可能なセンサーデバイス1を提供することができる。
また、センサーモジュール2は、1つの軸まわりの角速度を検出するセンサーデバイスを3つ組み合わせたものと比較して、取付姿勢を本来の安定なものとすることができることから、耐衝撃性を向上させることが可能となる。
図1および図5に示すように、パッケージ3は、平板状のベース部材61と、凹部62を有する蓋部材63(キャップ)とを備える。
本実施形態では、ベース部材61は、z軸方向からみた平面視(以下、単に「平面視」ともいう)にて矩形状をなしている。
このベース部材61は、例えば、酸化アルニウム質焼結体、水晶、ガラス等で構成されている。
また、ベース部材61の上面65には、内部端子71、72、73が設けられている。この内部端子71、72、73には、導電性接着剤、異方性導電膜、ハンダ等の導電性を有する接合部材(図示せず)を介して、センサーモジュール2のフレキシブル配線基板41、42、43が電気的に接続されている。
この複数の外部端子74は、図示しない内部配線を介して、前述した内部端子71、72、73に電気的に接続されている。これにより、センサーモジュール2の各センサーユニット101、102、103と複数の外部端子74とが電気的に接続されている。
このような内部端子71、72、73および各外部端子74は、それぞれ、例えば、タングステン(W)等のメタライズ層にニッケル(Ni)、金(Au)等の被膜をメッキ等により積層した金属被膜からなる。
蓋部材63は、ベース部材61側に開口する凹部62を有する。これにより、ベース部材61との間にセンサーモジュール2が収納される内部空間を形成されている。
蓋部材63の凹部62の開口の外周部には、フランジ67が形成されている。
このフランジ67は、平面視にて四角環状をなす。また、フランジ67は、平面視における外側の輪郭が矩形状をなしている。なお、ここで、「矩形状」とは、幾何学的に正確な矩形状のみならず、その矩形状の少なくとも1つの角部68をR面取りやC面取り等により欠損した形状をも含む概念である。
また、蓋部材63の平面視での輪郭の各角部68には、R面取りが施されている。
この蓋部材63は、例えば、ベース部材61と同材料、または、コバール、42アロイ、ステンレス鋼等の金属で構成されている。
具体的には、フランジ67とベース部材61とが金属で構成された接合部材64を介して接合されている。この接合部材64は、ベース部材61の上面65に対してろう接により接合されるとともに、蓋部材63のフランジ67に対して後述するシーム溶接およびエネルギー線溶接(レーザー溶接、電子線溶接等)により接合されている。
この溝80は、後述するパッケージ3の製造における第1の接合工程後に蓋部材63と接合部材64との間に隙間を形成するためのものである。なお、溝80の構成については、後述するパッケージ3の製造方法の説明において、詳述する。
具体的に説明すると、図5に示すように、蓋部材63と接合部材64との接合部90は、x軸方向に延在する1対の溶接部91、92(第1の溶接部)と、y軸方向に延在する1対の溶接部93、94(第2の溶接部)と、蓋部材63の1つの角部68に対応して局所的に設けられた溶接部95(第3の溶接部)とを有する。これにより、かかる接合部90は、平面視にて、蓋部材63の外形(輪郭)に沿ってその全周に亘って形成されている。
ここで、溶接部91〜94は、フランジ67の平面視での1つの角部68(溝80に対応する部分)を除いて形成されている。また、溶接部91〜94は、フランジ67の平面視での他の3つの角部68において互いに重なるように形成されている。
ここで、溶接部95は、互いに隣り合う2つの溶接部91、93の間を埋めるように形成され、その形成領域の一部は、溶接部91、93の形成領域の一部と重複している。
このようなフランジ67の肉厚は、後述する第2の接合工程においてエネルギー線溶接により溝80内を埋めることができるものであれば、特に限定されないが、例えば、0.01mm以上2mm以下程度であるのが好ましい。
本実施形態では、フランジ67の幅(すなわち、蓋部材63の本体部の外周から突出した長さ)をmとし、溶接部91、93の幅をそれぞれWとしたとき、W<mなる関係を満たす。
このように構成されたパッケージ3の内部は、各センサーユニット101、102、103のセンサー素子30の振動が阻害されないように、減圧状態に保持されていることが好ましい。
次に、本発明の電子デバイス用パッケージの製造方法について、前述したパッケージ3の製造方法(センサーデバイス1)を製造する場合を例に説明する。
図9は、本発明の第1実施形態に係る電子デバイス用パッケージの製造方法(センサーデバイスの製造方法)における第1の接合工程を説明する図、図10は、図9に示す第1の接合工程に用いるシーム溶接を説明する図、図11は、図10の部分拡大図、図12は、図9に示す第1の接合工程後のパッケージの部分拡大平面図、図13は、図12のA方向からみた部分拡大側面図、図14は、本発明の第1実施形態に係る電子デバイス用パッケージの製造方法(センサーデバイスの製造方法)における第2の接合工程を説明する図である。
以下、パッケージ3の製造方法の各工程を順次詳細に説明する。
1−1
まず、図9(a)に示すように、ベース部材61および蓋部材63を用意し、ベース部材61の上面65側に蓋部材63を重ね合わせる。
このとき、ベース部材61の上面65には、接合部材64がろう接により予め接合されている。また、図示しないが、ベース部材61の接合部材64が設けられた側の面、すなわち上面65上には、前述したセンサーモジュール2が取り付けられている。
また、前述したように接合部材64の上面には、溝80が形成されており、蓋部材63は、平面視で、接合部材64上の溝80がフランジ67の内外を跨るように、接合部材64上に載置される。
次に、図9(b)に示すように、フランジ67の平面視における互いに平行な1対の辺に沿ってフランジ67と接合部材64とをシーム溶接により接合することにより、1対の溶接部91、92を形成する。
かかるシーム溶接(シーム接合)は、例えば、図10に示すような溶接機300を用いる。
1対のローラー電極301、302は、それぞれ、中心軸を中心として軸線aまわりに回転可能に設けられている。
また、1対のローラー電極301、302は、軸線aに平行な方向に互いに離間している。
このテーパー角θ4は、特に限定されないが、5°以上25°以下であるのが好ましい。これにより、ローラー電極301、302とフランジ67との接触状態の安定化を図り、その結果、溶接不良を防止することができる。
このとき、電源装置303は、蓋部材63および接合部材64を介してローラー電極301とローラー電極302との間に電流を流す。これにより、接合部材64をジュール熱により溶融させ、蓋部材63のフランジ67と接合部材64とを接合する。
また、接合部材64の上面には溝80が形成されているので、蓋部材63および接合部材64は、蓋部材63の平面視での1つの角部68(溝80)に対応する部分がシーム溶接されずに未溶接状態となる。
次いで、図9(c)に示すように、フランジ67の平面視における互いに平行な残りの1対の辺に沿ってフランジ67と接合部材64とをシーム溶接により接合することにより、1対の溶接部93、94を形成する。
かかるシーム溶接は、前述した1対の溶接部91、92の形成と同様にして行うことができる。
また、本工程においても、蓋部材63および接合部材64は、蓋部材63の平面視での1つの角部68(溝80)に対応する部分がシーム溶接されずに未溶接状態となる。
また、図13に示すように、第1の接合工程後のフランジ67と接合部材64との間には、溝80によって隙間69が形成される。
特に、前述したように、溝80は、蓋部材63の平面視での角部68に対応する位置に設けられているので、第1の接合工程において、蓋部材63の平面視での各辺に沿ってシーム溶接を行うことにより、簡単かつ確実に、シーム溶接後にベース部材61と蓋部材63との間に局所的に隙間69を形成することができる。
また、溝80の幅をL1とし、溝80の深さをL2としたときに、L1>L2なる関係を満たす。これにより、第1の接合工程後にベース部材61と蓋部材63との間に局所的に隙間69するとともに、かかる隙間69を第2の接合工程において簡単かつ確実に塞ぐことができる。
また、溝80の幅L1は、特に限定されないが、1μm以上1000μm以下程度であるのが好ましい。
また、溝80の深さL2は、特に限定されないが、0.1μm以上500μm以下程度であるのが好ましい。
2−1
次に、図14に示すように、フランジ67の1つの角部68(溝80に対応する角部)と接合部材64とをエネルギー線溶接により接合することにより、溶接部95を形成する。これにより、前述した隙間69が溶接により塞がれる。
かかるエネルギー線溶接は、エネルギー線を連続発振するものであってもパルス発振するものであってもよい。
以上、第2の接合工程では、ベース部材61と蓋部材63との接合予定部位のうち、溝80に対応した部分をエネルギー線溶接により接合する。
以上説明したような第1実施形態に係るセンサーデバイス1によれば、小型化を図るとともに、高品質な気密封止を簡単に実現することができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図15は、本発明の第2実施形態に係るセンサーデバイス(電子デバイス)のパッケージの部分拡大平面図、図16は、図15のA方向からみた部分拡大側面図である。
本実施形態にかかるセンサーデバイスは、溝80の封止方法が異なる以外は、前述した第1実施形態にかかるセンサーデバイスと同様である。
なお、以下の説明では、第2実施形態のセンサーデバイスに関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図15および図16において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
このパッケージ3Aでは、蓋部材63と接合部材64との接合部90Aが、蓋部材63の角部68(溝80)に対応して局所的に設けられたろう材95Aを有する。
このろう材95Aは、ろう接により蓋部材63と接合部材64とを接合することにより形成されたものである。このようなろう材95Aは、溝80内を塞ぐように設けられている。
なお、本実施形態では、溝80の壁面の横断面が湾曲形状をなしているが、前述したようなろう材95Aを用いた場合、溝の横断面が矩形形状やV字形状等の角を有する場合であっても、接合部材64の溝80が形成された部分と蓋部材63との気密的な接合を容易に行うことができる。
以上説明したような各実施形態のセンサーデバイスは、各種の電子機器に組み込んで使用することができる。
このような電子機器によれば、信頼性を優れたものとすることができる。
ここで、本発明の電子デバイスを備える電子機器の一例について、図17〜図19に基づき、詳細に説明する。
図17は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
このようなパーソナルコンピュータ1100には、ジャイロセンサーとして機能する前述したセンサーデバイス1が内蔵されている。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部100が配置されている。
このような携帯電話機1200には、ジャイロセンサーとして機能する前述したセンサーデバイス1が内蔵されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリ1308に転送・格納される。
このようなディジタルスチルカメラ1300には、ジャイロセンサーとして機能する前述したセンサーデバイス1が内蔵されている。
また、本発明の電子デバイスおよび電子機器では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、本発明の電子デバイスおよび電子機器は、前述した各実施形態の任意の構成同士を組み合わせるようにしてもよい。
また、本発明の電子デバイス用パッケージの製造方法では、任意の工程を追加することができる。
また、センサー素子30は、振動型以外のジャイロセンサー素子であってもよい。
また、センサー素子30の振動の駆動方法や検出方法は、圧電体の圧電効果を用いた圧電型によるものの他に、クーロンカを利用した静電型によるものや、磁力を利用したローレンツ型によるもの等であってもよい。
また、センサー素子の検出軸は、センサー素子の主面(板面)生面に直交する軸のほかに、センサー素子の主面に平行な軸であってもよい。
また、前述した実施形態では、支持部材を介して電子部品をパッケージに固定・支持した構成を例に説明したが、この支持部材を省略し、電子部品を直接的にパッケージに固定・支持した構成であってもよい。
また、前述した実施形態では、電子部品とパッケージとをフレキシブル配線基板を介して電気的に接続した構成を例に説明したが、電子部品とパッケージとの電気的接続は、これに限定されず、例えば、ボンディングワイヤーを介した接続、フェイスダウン実装による接続等であってもよい。
Claims (10)
- ベース部材と蓋部材との間に電子部品が収納される内部空間を形成しつつ、環状の接合部材を介して前記ベース部材と前記蓋部材とを接合する電子デバイス用パッケージの製造方法であって、
前記接合部材の前記蓋部材との接合面には、内外を連通する溝が形成され、
前記ベース部材と前記蓋部材との接合は、
前記ベース部材と前記蓋部材との接合予定部位のうち、前記溝に対応する部分を除いた部分をシーム溶接により接合する第1の接合工程と、
前記接合予定部位のうち、前記溝に対応した部分を接合する第2の接合工程とを有することを特徴とする電子デバイス用パッケージの製造方法。 - 前記第2の接合工程での接合は、エネルギー線溶接により行う請求項1に記載の電子デバイス用パッケージの製造方法。
- 前記第2の接合工程での接合は、ろう材を用いたろう接により行う請求項1に記載の電子デバイス用パッケージの製造方法。
- 前記蓋部材の平面視での輪郭は、矩形状をなし、
前記溝は、前記蓋部材の平面視での角部に対応する位置に設けられ、
前記第1の接合工程では、前記蓋部材の平面視での各辺に沿ってシーム溶接を行う請求項1ないし3のいずれかに記載の電子デバイス用パッケージの製造方法。 - 前記溝の壁面の横断面は、湾曲形状をなしている請求項1ないし4のいずれかに記載の電子デバイス用パッケージの製造方法。
- 前記溝の幅をL1とし、前記溝の深さをL2としたときに、
L1>L2なる関係を満たす請求項1ないし5のいずれかに記載の電子デバイス用パッケージの製造方法。 - 前記第2の接合工程は、減圧下または不活性ガス雰囲気下で行う請求項1ないし6のいずれかに記載の電子デバイス用パッケージの製造方法。
- 前記蓋部材は、平面視で、輪郭が全周に亘って前記接合部材に重なるように形成されている請求項1ないし7のいずれかに記載の電子デバイス用パッケージの製造方法。
- 請求項1ないし8のいずれかに記載の製造方法を用いて製造された電子デバイス用パッケージと、
前記電子デバイス用パッケージ内に収納された電子部品とを有することを特徴とする電子デバイス。 - 請求項9に記載の電子デバイスを備えることを特徴とする電子機器。
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