JP2013015151A - すべり軸受 - Google Patents

すべり軸受 Download PDF

Info

Publication number
JP2013015151A
JP2013015151A JP2011146141A JP2011146141A JP2013015151A JP 2013015151 A JP2013015151 A JP 2013015151A JP 2011146141 A JP2011146141 A JP 2011146141A JP 2011146141 A JP2011146141 A JP 2011146141A JP 2013015151 A JP2013015151 A JP 2013015151A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
outer ring
inner ring
circumferential direction
bearing
ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2011146141A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichi Takada
声一 高田
Takashi Uchida
貴士 内田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2011146141A priority Critical patent/JP2013015151A/ja
Publication of JP2013015151A publication Critical patent/JP2013015151A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)
  • Mounting Of Bearings Or Others (AREA)
  • Sealing Of Bearings (AREA)
  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Abstract

【課題】 材質の選択範囲が広く、組立やハウジングへの取付けが容易なすべり軸受を提供する。
【解決手段】 軸の外周に嵌合する内輪2と、この内輪2の外周側にあって内輪2に対し円周方向に摺動自在に接する外輪3とを備える。外輪3は、円周方向に並ぶように分割された複数の外輪分割体3A,3Bからなる。隣合う外輪分割体3A,3B同士を、相互に弾性的に係止される係止部38と被係止部39とでなるスナップフィット方式の固定手段37で互いに固定する。内輪2は、内輪本体11と、この内輪本体11に対し円周方向に回り止めされ、かつ外輪3に対し円周方向にすべり接触するリング状の摺動部材52とを有する。
【選択図】 図5

Description

この発明は、例えば複写機、プリンタ等における加熱定着部の定着ローラの支持に用いられるすべり軸受に関する。
複写機やプリンタは、トナー粒子で現像した紙に定着ローラにより高温と高圧をかけて、紙にトナーを定着させる。トナーを定着させる定着部は、例えば特許文献1に開示されているような構造であって、定着ローラは、軸受によって回転自在に支持されて定着部のハウジングに組み込まれている。定着ローラを支持する軸受としては、一般的には転がり軸受が使用されているが、特許文献2にはすべり軸受を使用した例が開示されている。
特開平10−78717号公報 特開平7−168472号公報
転がり軸受とすべり軸受を比較した場合、一般的にはすべり軸受の方が安価に製作できる。よって、複写機やプリンタのような量産品にとって、可能であれば安価なすべり軸受を用いるのが望ましい。しかし、すべり軸受には、以下のような問題があった。
例えば、特許文献2の提案のように、すべり軸受が定着ローラの両端の軸部に直接嵌合している場合、すべり軸受は高温になった定着ローラの軸部に対して悪影響を与えない材質にする必要があり、材質が制限される。また、特許文献1の図5に示されているように、定着ローラの支持に用いられる軸受は、ハウジングに設けた半円形の取付凹部に嵌め込んで取り付けられるため、中心軸回りの半周部分には負荷が作用するが、残りの半周部分には負荷が作用しない。このような特殊な負荷の作用状況に合わせて、軸受をハウジングに適正に取付ける必要がある。
この発明の目的は、材質の選択範囲が広く、組立やハウジングへの取付けが容易なすべり軸受を提供することである。
この発明のすべり軸受は、軸の外周に嵌合する内輪と、この内輪の外周側にあって内輪に対し円周方向に摺動自在に接する外輪とを備え、前記外輪は、円周方向に並ぶように分割された複数の外輪分割体からなり、隣合う外輪分割体同士を、相互に弾性的に係止される係止部と被係止部とでなるスナップフィット方式の固定手段で互いに固定したことを特徴とする。
この構成によると、円周方向に並ぶように分割された複数の外輪分割体で内輪を挟み込み、隣合う外輪分割体同士をスナップフィット方式の固定手段で互いに固定することで、すべり軸受を組み立てる。スナップフィット方式の固定手段を用いることにより、別途に結合用の部材を用いなくて済み、組立が容易である。組み立てられたすべり軸受は、軸の外周に内輪が嵌合した内輪一体構造であり、内輪に対し外輪が円周方向に摺動自在に接することで、軸を回転自在に支持する。軸に対して内輪が回転しないため、軸の材質に関係なく、内輪等の軸受部品の材質を選定することが可能となる。例えば、内輪や外輪を比較的安価な樹脂製とすることができる。
この発明において、前記内輪は、内輪本体と、この内輪本体に対し円周方向に回り止めされ、かつ前記外輪に対し円周方向にすべり接触するリング状の摺動部材とを有していても良い。
この場合も、内輪に対し外輪を円周方向に摺動自在とすることができる。
この発明において、前記外輪を構成する複数の外輪分割体のうち負荷圏側に配置される外輪分割体は、外輪分割体本体と、この外輪分割体本体に対し円周方向に回り止めされ、かつ前記内輪に対し円周方向にすべり接触する円弧状の摺動部材とを有していても良い。
この場合も、内輪に対し外輪を円周方向に摺動自在とすることができる。負荷圏側に配置される外輪分割体本体にだけ摺動部材を設けても、すべり軸受に作用する負荷を十分に支持することができる。このように必要な一部の外輪分割体本体にだけ摺動部材を設けることで、材料の削減と軸受の軽量化とを図れる。
前記摺動部材は、例えば含油焼結金属からなっていても良い。
摺動部材が含油焼結金属からなっていると、含油焼結金属から漏れ出た油により、摺動部材と外輪または内輪との摺動抵抗を低減させることができる。
前記摺動部材は含油焼結金属以外の金属製からなっていても良く、その場合、前記内輪と前記外輪間の軸受内部空間にグリースを封入するのが望ましい。
この場合、軸受内部空間に封入したグリースの油分により、摺動部材と外輪または内輪との摺動抵抗を低減させることができる。
この発明において、前記内輪および前記外輪分割体がそれぞれ一体物であって、これら内輪と外輪分割体とが直接すべり接触していても良い。
この場合も、内輪に対し外輪を円周方向に摺動自在とすることができる。
この発明において、前記複数の外輪分割体のうち負荷圏側に配置される外輪分割体の外周面に、前記外輪の外周側に配置されるハウジングに対する回り止め用の凸部を設けても良い。
負荷圏側に位置する外輪分割体の外周面に回り止め用の凸部を設けることで、すべり軸受を組み立てた状態でも、円周方向の位相のどの方向を負荷圏側にするかが分かり易く、ハウジングへの組込みが容易である。ハウジングにすべり軸受を組込んだときに、上記回り止め用の凸部がハウジングに設けた凹部に係合して、すべり軸受が回り止めされる。
この発明において、前記固定手段の前記係止部は、隣合う一対の外輪分割体のうちの一方の外輪分割体の円周方向の両端面から円周方向に延び、その先端に内径側に突出する引っ掛け部が形成され、かつ先端側が径方向へ弾性変形可能な可撓性を有し、前記被係止部は、他方の外輪分割体の円周方向の両端面から外周面に沿って円周方向に形成されて前記係止部が嵌り込み可能な溝状で、その先端に前記係止部の引っ掛け部に引っ掛かり前記一対の外輪分割体が円周方向に相対移動するのを規制する被引っ掛け部が形成されたものとしても良い。その場合、前記係止部を前記ハウジングと接触する位置に設けるのが良い。
この構成であると、以下のように操作することで、固定手段により隣合う一対の外輪分割体を互いに固定することができる。すなわち、一方の外輪分割体の円周方向の両端面から円周方向に延びる2本の係止部を、その可撓性を利用して互いに径方向の間隔を拡げた状態にして、他方の外輪分割体の被係合部にそれぞれ挿入する。そして、2本の係止部を拡げていた力を解放すると、2本の係止部は、自らの弾性復帰力により互いの径方向の間隔が狭まり、他方の外輪分割体の被係合部に嵌まり込む。係止部が被係止部に嵌り込んだ状態では、係止部の引っ掛け部が被係止部の被引っ掛け部に引っ掛かり、一対の外輪分割体の円周方向の相対移動が規制される。これにより、隣合う一対の外輪分割体が互いに固定される。ハウジングに組み込んだ状態で、係止部がハウジングと接触する位置に設けられていると、ハウジングにより係止部が保護されるため、係止部の長さを長くすることが可能で、それにより一対の外輪分割体を互いに確実に固定することができる。また、ハウジングにすべり軸受を組込んだ後、係止部が拡がって被係止部から外れることを防止できる。
この発明において、隣合う一対の外輪分割体の互いに当接する端面に位置決め用の凸部および凹部がそれぞれ設けられ、これら位置決め用の凸部と凹部の嵌め合いにより隣合う一対の外輪分割体を互いに位置決めするようになっていても良い。
これにより、隣合う一対の外輪分割体が互いに位置ずれすることを防止できる。
この発明において、前記内輪および前記外輪の互いに対向する周面における軸方向両端部において、一方の周面に他方の周面側へ突出する凸面部を設け、かつ他方の周面に一方の周面に対して後退する凹面部を設け、これら凸面部と凹面部とはそれぞれの側壁面が互いに微小な隙間を持って対向し、この隙間が、前記内輪と前記外輪間の軸受内部空間と軸受外部空間とを遮蔽するラビリンスとされていても良い。
これにより、内輪と外輪間の軸受内部空間のシール性が向上し、この軸受内部空間内に潤滑用やグリースを密封状態で保持することができる。
この発明において、前記内輪の内周面に、軸に係合して軸に対する内輪の円周方向の回転を規制する回り止めを設けてもよい。
内輪の内周面に回り止めを設けることで、内輪が軸に対して円周方向に回転することを確実に防止できる。それにより、内輪の材質の選択範囲を広げることができる。
この発明のすべり軸受は、軸の外周に嵌合する内輪と、この内輪の外周側にあって内輪に対し円周方向に摺動自在に接する外輪とを備え、前記外輪は、円周方向に並ぶように分割された複数の外輪分割体からなり、隣合う外輪分割体同士を、相互に弾性的に係止される係止部と被係止部とでなるスナップフィット方式の固定手段で互いに固定したため、材質の選択範囲が広く、組立やハウジングへの取付けが容易である。
この発明の第1の実施形態にかかるすべり軸受の組立状態を示す破断正面図である。 図1の部分拡大図である。 同すべり軸受の背面図である。 同すべり軸受を分解して示した破断正面図である。 同すべり軸受を分解して示した側面図である。 この発明の第2の実施形態にかかるすべり軸受の組立状態を示す破断正面図である。 同すべり軸受の背面図である。 同すべり軸受を分解して示した破断正面図である。 同すべり軸受を分解して示した側面面図である。 この発明の第3の実施形態にかかるすべり軸受の組立状態を示す破断正面図である。 同すべり軸受の背面図である。 同すべり軸受を分解して示した破断正面図である。 同すべり軸受を分解して示した側面図である。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図5と共に説明する。このすべり軸受1Aは、例えば複写機、プリンタ等の定着ローラを支持するために使用されるものであり、図1の組立図、および図4、図5の各分解図に示すように、定着ローラの軸4の外周に嵌合する内輪2と、この内輪2の外周側にあってハウジング5に組み込まれる外輪3とでなる。内輪2と外輪3とは、互いに円周方向に摺動自在に接する。
この実施形態の場合、内輪2は、内輪本体11と、この内輪本体11に対し円周方向に回り止めされ、かつ外輪3に対し円周方向にすべり接触するリング状の摺動部材12とで構成される。内輪本体11は合成樹脂からなり、摺動部材12は含油焼結金属からなる。
内輪本体11は、円筒状の内周面13を有し、この内周面13に軸4が嵌合する。内周面13には、軸4に対して内輪本体11の円周方向の回転を規制する回り止め14が設けられている。回り止め14は、例えば内径側へ突出する凸部であり、この凸部が軸4に設けた凹部(図示せず)に係合することで、内輪本体11と軸4の相互回転を規制する。
図4に示すように、内輪本体11の外周面の軸方向中央部は、摺動部材12が装着される摺動部材装着部15とされている。摺動部材装着部15は、摺動部材12が嵌合する円筒面部分16と、この円筒面部分16の両側に位置する環状突起17とでなる。円筒面部分16の円周方向の一箇所には、後記摺動部材12の係合部21が係合する凹状の被係合部18が形成されている。なお、片方の環状突起17の円周方向の一箇所も、前記被係合部18に対応して切り欠かかれている。また、内輪本体11の外周面における摺動部材装着部15の軸方向両側部分は、摺動部材装着部15よりも外径が小さい凹面部19となっている。
摺動部材12は、内周面20が円筒状で、この内周面20の円周方向の一箇所に前記被係合部18に係合する凸状の係合部21が形成されている。摺動部材12の外周面である内輪軌道面22は、径方向に切断した断面形状が、中央部22aは直線状で、両端部22bは円弧状とされている。
摺動部材12の摺動部材装着部15への装着は、摺動部材12の係合部21と摺動部材装着部15の被係合部18との円周方向の位相を揃えた状態で、環状突起17の弾性変形を利用して、この環状突起17を乗り越えて摺動部材12を円筒面部分16に嵌合させることにより行う。装着状態では、両側の環状突起17により摺動部材12の軸方向の位置決めがなされると共に、係合部21と被係合部18との係合により、摺動部材12の円周方向の回転が規制される。
外輪3は合成樹脂からなる。外輪3は、内周面の軸方向の中央部が円弧状に凹む外輪軌道面31とされ、この外輪軌道面31が摺動部材12の内輪軌道面22と摺動自在に接する(図1)。正確には、内輪軌道面22のうちの円弧状の両端部22bと接する。外輪軌道面31の軸方向両側は、外輪軌道面31よりも内径が小さい凸面部32とされている。
図2に示すように、凸面部32の内側の側壁面32aと前記凹面部19の側壁面19aとは、微小な隙間を持って対向しており、この隙間が、内輪2と外輪3間の軸受内部空間と軸受外部空間とを遮断するラビリンスLになっている。凸面部32の内側の側壁面32aは外輪軌道面31の一部であり、凹面部19の側壁面19aは環状突起17の外側の側壁面でもある。
図4および図5に示すように、外輪3の外周面は、軸方向の一方側は大径面部33で、他方側は小径面部34となっている。つまり、大径面部33がフランジ状に外径側へ突出している。内輪軌道面22および外輪軌道面31の軸方向の中心位置Cは、小径面部34の軸方向範囲内にある。小径面部34における円周方向の一箇所に、ハウジング5(図1、図3)に対する回り止め用の凸部35が設けられている。
外輪3は、円周方向に並ぶように分割された複数個、例えば2個の外輪分割体3A,3Bからなる。前記回り止め用の凸部35は、外輪分割体3Bに設けられている。各外輪分割体3A,3Bは、スナップフィット方式の固定手段37で互いに固定される。スナップフィット方式の固定手段37は、一方の外輪分割体3Aの円周方向の両端面に設けた係止部38と、他方の外輪分割体3Bの円周方向の両端面に設けた被係止部39とを相互に弾性的に係止させる構造である。
詳しくは、前記係止部38は、外輪分割体3Aの端面から円周方向へ腕のように延び、その先端に内径側に突出する引っ掛け部38aが形成されている。係止部38は、先端側が径方向へ弾性変形可能な可撓性を有する。また、前記被係止部39は、外輪分割体3Bの端面から外周面の小径面部34に沿って円周方向に形成されて前記係止部36が嵌り込み可能な溝状で、その先端に前記引っ掛け部38aが引っ掛かり可能な被引っ掛け部39aが形成されている。
また、一方の外輪分割体3Aの両端面には、位置決め用の凹部41がそれぞれ設けられ、他方の外輪分割体3Bの両端面には、前記凹部41に嵌り合う位置決め用の凸部42がそれぞれ設けられている。
このすべり軸受1Aは、以下のようにして組み立てられる。すなわち、先に説明したように、内輪本体11の摺動部材装着部15に摺動部材12を装着して、内輪2とする。この内輪2を2個の外輪分割体3A,3Bで上下両側から挟み込み、両外輪分割体3A,3Bを固定手段37により互いに固定する。
その固定の方法は、外輪分割体3Aの2本の係止部38を、その可撓性を利用して互いに径方向の間隔を拡げた状態にして、外輪分割体3Bの各被係合部39にそれぞれ挿入するだけである。係止部38が被係合部39に挿入されるのに伴い、位置決め用の凹部41に凸部42が嵌り込む。各係止部38は、自らの弾性復帰力により互いの径方向の間隔が狭まり、被係合部39に嵌まり込む。係止部38が被係止部39に嵌り込んだ状態では、係止部38の引っ掛け部38aが被係止部39の被引っ掛け部39aに引っ掛かり、両外輪分割体3A,3Bの円周方向の相対移動が規制される。また、置決め用の凹部41に凸部42が嵌り込むことで、両外輪分割体3A,3Bの位置ずれが防止される。
このように、内輪本体11と摺動部材12とは嵌め込み式であり、2個の外輪分割体3A,3Bは、スナップフィット方式の固定手段37で互いに固定される。そのため、別途に結合部材を用いなくて済み、組立が容易である。
組み立てられたすべり軸受1Aは、図1および図3に示すように、内輪2の内周面を定着ローラ等の軸4の外周に嵌合させ、かつ外輪3の外周面の小径面部34をハウジング5の軸受取付部(図示せず)に嵌合させて、複写機、プリンタ等の機器に組込まれる。その際、両外輪分割体3A,3Bのうち、固定手段37の被係止部39が設けられている方の外輪分割体3Bを、荷重の負荷圏側に配置させる。図の例では、上方側が負荷圏側である。外輪分割体3Bの外周面には回り止め用の凸部35が設けられているため、この凸部35が目印となって、負荷圏側に配置させる外輪分割体3Bを容易に判別できる。
ハウジング5の前記軸受取付部は、円形の孔であっても、半円形の凹部であってもよい。いずれであっても、負荷圏側に位置する外輪分割体3Bの被係止部39に嵌り込んだ係止部38の外面にハウジング5が接する。ハウジング5により係止部38が保護されるため、係止部38の長さを長くすることが可能で、それにより一対の外輪分割体3A,3Bを互いに確実に固定することができる。また、ハウジング5にすべり軸受1Aを組込んだ後、係止部38が拡がって被係止部39から外れることが防止される。
内輪2と軸4とは、内輪本体11の回り止め14と軸4の凹部(図示せず)とが互いに係合することで、相互回転が規制される。また、外輪3とハウジング5とは、外輪3の回り止め用の凸部35がハウジング5の一部に係合することで、相互回転が規制される。内輪2と外輪3とは、それぞれの軌道面22,31で円周方向にすべり接触する。これにより、すべり軸受1Aを介して、ハウジング5に軸4が回転自在に支持される。
なお、図1には、上方側が負荷圏であり下方側が反負荷圏であることを強調するために、軸4の中心Oよりも下側では内輪軌道面22と外輪軌道面31とを離して表示しているが、実際にはこのように離れているのではなく、荷重の伝達がない程度にほぼ接している。
このように、すべり軸受1Aの内部に円周方向のすべり接触部が設けられ、軸4に対して内輪2が、ならびにハウジング5に対して外輪5がそれぞれ回転しないため、軸4やハウジング5の材質に関係なく、内輪2や外輪3の材質を選定することが可能である。そのため、内輪2や外輪3を比較的安価な合成樹脂製とすることができる。
運転時には、含油焼結金属からなる摺動部材12から漏れ出た油により、内輪2および外輪3の各軌道面22,31間が潤滑される。内輪2と外輪3間の軸受内部空間が、ラビリンスLにより軸受外部空間と遮蔽されているため、軸受内部空間のシール性が向上し、この軸受内部空間内に潤滑油を密封状態で保持することができる。それにより、摺動部材12と外輪3との摺動抵抗を低減させることができる。
この実施形態では、摺動部材12が含油焼結金属とされているが、摺動部材12を含油焼結金属以外の金属製でとしてもよい。その場合、軸受内部にグリースを封入し、このグリースの油分により、摺動部材12と外輪3との摺動抵抗を低減させる。
図6ないし図9は、この発明の第2の実施形態を示す。図6の組立図、および図8、図9の各分解図に示すように、このすべり軸受1Bは、前記実施形態と異なり、内輪2は一体物であり、外輪3に摺動部材52が設けられている。以下、前記実施形態と異なる点についてのみ説明する。同一構成の箇所については、同じ符号を付してある。
内輪2は、外周面の軸方向中央部が、円弧状に凹む内輪軌道面53とされる。内輪軌道面53の両側部分は、内輪軌道面53よりも外径が大きい凸面部54となっている。内輪2は合成樹脂からなる。
外輪3は、円周方向に並ぶように分割された複数個、例えば2個の外輪分割体3A,3Bからなる。ハウジング5に軸受を組み込んだ状態で負荷圏側に配置される外輪分割体3Bは、外輪分割体本体51と摺動部材52とでなる。外輪分割体本体51は合成樹脂からなり、摺動部材52は含油焼結金属からなる。
図8に示すように、前記外輪分割体本体51の内周面の軸方向中央部は、摺動部材52が装着される摺動部材装着部55とされている。摺動部材装着部55は、摺動部材52が嵌まる半円筒面部分56と、この半円筒面部分56の両側に位置する円弧状突起57とでなる。半円筒面部分56および片側の円弧状突起57の円周方向の一箇所には、後記摺動部材52の係合部61が係合する凹状の被係合部58が形成されている。また、外輪分割体本体51の外周面における摺動部材装着部55の軸方向両側部分は、摺動部材装着部55よりも外径が大きい凹面部59となっている。
摺動部材52は、外周側の面60が半円筒状で、この外周側の面60の円周方向中央部に前記被係合部58に係合する凸状の係合部61が形成されている。摺動部材52の内周側の面である外輪軌道面62は、径方向に切断した断面形状が、中央部62aは直線状で、両端部62bは円弧状である。
各外輪分割体3A,3Bは、図8および図9に示すスナップフィット方式の固定手段37で互いに固定される。この実施形態の固定手段37も、前記実施形態の固定手段37と同じ構成であるので、説明は省略する。また、前記実施形態と同様に、一方の外輪分割体3Aの両端面には、位置決め用の凹部41がそれぞれ設けられ、他方の外輪分割体3Bの両端面には、前記凹部41に嵌り合う位置決め用の凸部42がそれぞれ設けられている。さらに、このすべり軸受1Bには、摺動部材52が設けられない方の外輪分割体3Aにおける円周方向両側端部の内周側の面に、組立状態において前記摺動部材52の円周方向端を受け止める受止め部材63が設けられている。
このすべり軸受1Bは、以下のようにして組み立てられる。すなわち、外輪分割体本体51の摺動部材装着部55に摺動部材52を装着して外輪分割体3Bとし、この摺動部材52付きの外輪分割体3Bと摺動部材52無しの外輪分割体3Aとで内輪2を上下両側から挟み込み、両外輪分割体3A,3Bを固定手段37により互いに固定する。その固定の方法は、前記実施形態の場合と同じであるので、説明を省略する。これにより、外輪分割体3A,3Bが互いに固定される。摺動部材52は、その係合部61が外輪分割体3Bの外輪分割体本体51の被係合部58に係合すると共に、円周方向の両端が外輪分割体3Aの受け止め部材63に受け止められることにより、円周方向位置が固定される。前記実施形態と同様に、組立は容易である。
このすべり軸受1Bも、図6および図7に示すように、内輪2の内周面を定着ローラ等の軸4の外周に嵌合させ、かつ外輪3の外周面の小径面部34をハウジング5の内周に嵌合させて、複写機、プリンタ等の機器に組込まれる。その際、摺動部材52が設けられている方の外輪分割体3Bを、荷重の負荷圏側すなわち上方側に配置させる。
内輪2と軸4とは、内輪2の回り止め14と軸4の凹部(図示せず)とが互いに係合することで、相互回転が規制される。また、外輪3とハウジング5とは、外輪3の回り止め用の凸部35がハウジング5の一部に係合することで、相互回転が規制される。内輪2と外輪分割体3Bの摺動部材52とが、それぞれの軌道面53,62で円周方向にすべり接触する。これにより、すべり軸受1Bを介して、ハウジング5に軸4が回転自在に支持される。摺動部材52は負荷圏側に配置される外輪分割体3Bにのみ設けられているが、それでもすべり軸受1に作用する負荷を十分に支持することができる。このように、摺動部材52を全周にではなく円周方向の必要な一部にだけ設けることにより、材料の削減と軸受の軽量化とを図れる。
このすべり軸受1Bも、軸受の内部に円周方向のすべり接触部が設けられ、軸4に対して内輪2が、ならびにハウジング5に対して外輪5がそれぞれ回転しないため、軸4やハウジング5の材質に関係なく、内輪2や外輪3の材質を選定することが可能である。そのため、内輪2や外輪3を比較的安価な合成樹脂製とすることができる。
運転時には、含油焼結金属からなる摺動部材52から漏れ出た油により、内輪2および外輪3の各軌道面63,62間が潤滑される。それにより、摺動部材52と内輪2との摺動抵抗を低減させることができる。
図10ないし図13は、この発明の第3の実施形態を示す。このすべり軸受1Cは、図10の組立図、および図12、図13の各分解図に示すように、前記各実施形態のような摺動部材12,52は存在せず、内輪2および外輪3がそれぞれ一体物である。そして、内輪2と外輪3とが直接に摺動自在に接する。内輪2および外輪3は合成樹脂からなる。以下、前記各実施形態と異なる点についてのみ説明する。同一構成の箇所については、同じ符号を付してある。
内輪2の外周面の軸方向中央部が内輪軌道面71とされ、この内輪軌道面71は、径方向に切断した断面形状が、外径側に凸の円弧状である。また、外輪3の内周面の軸方向中央部が外輪軌道面72とされ、この外輪軌道面72は、径方向に切断した断面形状が、外径側に凹んだ円弧状である。
外輪3は、円周方向に並ぶように分割された複数個、例えば2個の外輪分割体3A,3Bからなり、両外輪分割体3A,3Bは、前記同様のスナップフィット方式の固定手段37により互いに固定される。
このすべり軸受1Cは、以下のようにして組み立てられる。すなわち、2個の外輪分割体3A,3Bで内輪2を上下両側から挟み込み、両外輪分割体3A,3Bを固定手段37により互いに固定する。その固定の方法は、前記実施形態の場合と同じであるので、説明を省略する。これにより、外輪分割体3A,3Bが互いに固定される。この実施形態のすべり軸受1Cは、摺動部材12,52を有しないので、前記各実施形態と比べて組立工数が少なくて済み、組立がより一層容易である。
このすべり軸受1も、図10および図11に示すように、内輪2の内周面を定着ローラ等の軸4の外周に嵌合させ、かつ外輪3の外周面の小径面部34がハウジング5の内周に嵌合させて、複写機、プリンタ等の機器に組込まれる。内輪2と軸4とは、内輪2の回り止め14と軸4の凹部(図示せず)とが互いに係合することで、相互回転が規制される。また、外輪3とハウジング5とは、外輪3の回り止め用の凸部35がハウジング5の一部に係合することで、相互回転が規制される。内輪2と外輪3とが、それぞれの軌道面71,72で円周方向にすべり接触する。これにより、すべり軸受1を介して、ハウジング5に軸4が回転自在に支持される。
なお、図10には、上方側が負荷圏であり下方側が非負荷圏であることを強調するために、軸4の中心Oよりも下側では内輪2の軌道面71と外輪3の軌道面72とが離して表示しているが、実際にはこのように離れているのではなく、荷重の伝達がない程度にほぼ接している。
運転時における内輪軌道面71および外輪軌道面72の潤滑には、合成樹脂からなる内輪2および外輪3の自己潤滑性が利用される。内輪2および外輪3の軸方向端にシール部材(図示せず)を設けて軸受内部空間を密封し、この密封した軸受内部空間に潤滑油を封入してもよい。
1A,1B,1C…すべり軸受
2…内輪
3…外輪
3A,3B…外輪分割体
4…軸
5…ハウジング
11…内輪本体
12,52…摺動部材
14…回り止め
18,58…被係合部
19…凹面部
21,61…係合部
22,53,71…内輪軌道面
31,62,72…外輪軌道面
32…凸面部
35…回り止め用の凸部
37…固定手段
38…係止部
39…被係止部
41…位置決め用の凹部
42…位置決め用の凸部
51…外輪分割体本体
L…ラビリンス

Claims (12)

  1. 軸の外周に嵌合する内輪と、この内輪の外周側にあって内輪に対し円周方向に摺動自在に接する外輪とを備え、前記外輪は、円周方向に並ぶように分割された複数の外輪分割体からなり、隣合う外輪分割体同士を、相互に弾性的に係止される係止部と被係止部とでなるスナップフィット方式の固定手段で互いに固定したことを特徴とするすべり軸受。
  2. 請求項1において、前記内輪は、内輪本体と、この内輪本体に対し円周方向に回り止めされ、かつ前記外輪に対し円周方向にすべり接触するリング状の摺動部材とを有するすべり軸受。
  3. 請求項1において、前記外輪を構成する複数の外輪分割体のうち負荷圏側に配置される外輪分割体は、外輪分割体本体と、この外輪分割体本体に対し円周方向に回り止めされ、かつ前記内輪に対し円周方向にすべり接触する円弧状の摺動部材とを有するすべり軸受。
  4. 請求項2または請求項3において、前記摺動部材は含油焼結金属からなるすべり軸受。
  5. 請求項2または請求項3において、前記摺動部材は含油焼結金属以外の金属製からなり、前記内輪と前記外輪間の軸受内部空間にグリースを封入したすべり軸受。
  6. 請求項1において、前記内輪および前記外輪分割体がそれぞれ一体物であって、これら内輪と外輪分割体とが直接すべり接触するすべり軸受。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに1項において、前記複数の外輪分割体のうち負荷圏側に配置される外輪分割体の外周面に、前記外輪の外周側に配置されるハウジングに対する回り止め用の凸部を設けたすべり軸受。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに1項において、前記固定手段の前記係止部は、隣合う一対の外輪分割体のうちの一方の外輪分割体の円周方向の両端面から円周方向に延び、その先端に内径側に突出する引っ掛け部が形成され、かつ先端側が径方向へ弾性変形可能な可撓性を有し、前記被係止部は、他方の外輪分割体の円周方向の両端面から外周面に沿って円周方向に形成されて前記係止部が嵌り込み可能な溝状で、その先端に前記係止部の引っ掛け部に引っ掛かり前記一対の外輪分割体が円周方向に相対移動するのを規制する被引っ掛け部が形成されたすべり軸受。
  9. 請求項8において、前記係止部を前記ハウジングと接触する位置に設けたすべり軸受。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項において、隣合う一対の外輪分割体の互いに当接する端面に位置決め用の凸部および凹部がそれぞれ設けられ、これら位置決め用の凸部と凹部の嵌め合いにより隣合う一対の外輪分割体を互いに位置決めするすべり軸受。
  11. 請求項1ないし請求項10において、前記内輪および前記外輪の互いに対向する周面における軸方向両端部において、一方の周面に他方の周面側へ突出する凸面部を設け、かつ他方の周面に一方の周面に対して後退する凹面部を設け、これら凸面部と凹面部とはそれぞれの側壁面が互いに微小な隙間を持って対向し、この隙間が、前記内輪と前記外輪間の軸受内部空間と軸受外部空間とを遮蔽するラビリンスとされたすべり軸受。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれか1項において、前記内輪の内周面に、軸に係合して軸に対する内輪の円周方向の回転を規制する回り止めを設けたすべり軸受。
JP2011146141A 2011-06-30 2011-06-30 すべり軸受 Withdrawn JP2013015151A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011146141A JP2013015151A (ja) 2011-06-30 2011-06-30 すべり軸受

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011146141A JP2013015151A (ja) 2011-06-30 2011-06-30 すべり軸受

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013015151A true JP2013015151A (ja) 2013-01-24

Family

ID=47688014

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011146141A Withdrawn JP2013015151A (ja) 2011-06-30 2011-06-30 すべり軸受

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013015151A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101485494B1 (ko) * 2014-08-11 2015-01-28 정희철 미끄럼 베어링
JP2016169861A (ja) * 2015-03-13 2016-09-23 キヤノン株式会社 摺動部材、摺動機構及び搬送装置
JP2017145937A (ja) * 2016-02-19 2017-08-24 日立建機株式会社 減速装置
CN109488684A (zh) * 2018-11-27 2019-03-19 瓦房店冶金轴承集团有限公司 承载轴向力的双列圆锥滚子新型轴承
JP2021528601A (ja) * 2018-06-06 2021-10-21 ビブラコースティック エスイー アセンブリベアリング

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101485494B1 (ko) * 2014-08-11 2015-01-28 정희철 미끄럼 베어링
WO2016024683A1 (ko) * 2014-08-11 2016-02-18 정희철 미끄럼 베어링
JP2016169861A (ja) * 2015-03-13 2016-09-23 キヤノン株式会社 摺動部材、摺動機構及び搬送装置
JP2017145937A (ja) * 2016-02-19 2017-08-24 日立建機株式会社 減速装置
JP2021528601A (ja) * 2018-06-06 2021-10-21 ビブラコースティック エスイー アセンブリベアリング
JP7239617B2 (ja) 2018-06-06 2023-03-14 ビブラコースティック エスイー アセンブリベアリング
CN109488684A (zh) * 2018-11-27 2019-03-19 瓦房店冶金轴承集团有限公司 承载轴向力的双列圆锥滚子新型轴承

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2016044810A (ja) 低摩擦動的シール
JP2013015151A (ja) すべり軸受
JP2006336734A (ja) 密封装置付き転がり軸受
EP3674575A1 (en) Clutch release bearing device
CN102105705A (zh) 具有法兰的滚动轴承
JP5371230B2 (ja) オルタネータ用軸受
CA2780928C (en) External bearing shroud
JP7118566B2 (ja) メカニカルシール
JP2014119029A (ja) 転がり軸受
US20170030410A1 (en) Rolling Bearing Assembly
US9080607B2 (en) Thrust bearing snap ring retainer
US10563698B2 (en) Bearing assembly with an integrated seal
US10495227B2 (en) Dynamic seal
JP2004263771A (ja) スラスト滑り軸受
JP2008175301A (ja) シール装置付き転がり軸受
JP2009192005A (ja) 逆入力防止クラッチ
JP7171694B2 (ja) メカニカルシール
RU101133U1 (ru) Лабиринтное уплотнение подшипника качения
JP6328810B1 (ja) 一方向クラッチ
CN108150524B (zh) 推力轴承及用于推力轴承的保持架
JP2023030822A (ja) 転がり軸受及び転がり軸受ユニット
JP2009299873A (ja) 密封装置
JPWO2018074254A1 (ja) 滑り軸受
JP2011163487A (ja) スラストころ軸受
JP7401990B2 (ja) 玉軸受

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20140902