JP2011163487A - スラストころ軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1、第2の両軌道輪の内外径側の両鍔部の間に保持器が挟まれて損傷されることを防止することができるスラストころ軸受を提供する。
【解決手段】複数個のころ11と、これらころ11を転動可能に保持する保持器20と、ころ11が転動可能な軌道面31、41が対向面に形成された第1、第2の両軌道輪30、40とを備える。第1の軌道輪30の内径端には内径側鍔部32が形成され、第2の軌道輪40の外径端には外径側鍔部42が形成される。第1、第2の両軌道輪30、40のうち、少なくとも一方の軌道輪の鍔部には、他方の軌道輪の端部に当接可能に接近して第1、第2の両軌道輪30、40の径方向の相対的な移動を規制する規制部35が設けられている。
【選択図】図2

Description

この発明は、オートマチックトランスミッションのトルクコンバータ、空調用圧縮機等に用いられるスラストころ軸受に関する。
この種のラストころ軸受においては、例えば、特許文献1に開示されているように、複数個のころと、これら複数のころを転動可能に保持する保持器と、各ころが転動可能な軌道面が対向面に形成された第1、第2の両軌道輪とを備える。
また、第1の軌道輪の内径端には内径側鍔部が形成され、第2の軌道輪の外径端には外径側鍔部が形成されている。
さらに、第1、第2の両軌道輪と、複数個のころを保持した保持器とを一体化するために、第1、第2の両軌道輪の内外径側の鍔部に、保持器の内、外径側の両端部と所定の重なり代をもってかしめ加工等によって抜け止め用の係止爪が形成されている。
そして、一体化されたスラストころ軸受は、トルクコンバータや圧縮機等の回転軸側とハウジング側との間に組み付けられる。
特開2008−223995号公報
ところで、スラストころ軸受の軸受回転時において、第1の軌道輪と第2の軌道輪とが偏心して相対回転することがある。
この際、第1、第2の両軌道輪との偏心量が大きいと、外径側鍔部と内径側鍔部との間隔が狭くなす部分において、これら両鍔部の間に保持器が挟まれて損傷される恐れがある。
この発明の目的は、前記問題点に鑑み、第1、第2の両軌道輪の内外径側の両鍔部の間に保持器が挟まれて損傷されることを防止することができるスラストころ軸受を提供することである。
前記課題を解決するために、この発明の請求項1に係るスラストころ軸受は、複数個のころと、これらころを転動可能に保持する保持器と、前記ころが転動可能な軌道面が対向面に形成された第1、第2の両軌道輪とを備えたスラストころ軸受であって、
前記第1の軌道輪の内径端には内径側鍔部が形成され、前記第2の軌道輪の外径端には外径側鍔部が形成され、
前記第1、第2の両軌道輪のうち、少なくとも一方の軌道輪の鍔部には、他方の軌道輪の端部に当接可能に接近して前記第1、第2の両軌道輪の径方向の相対的な移動を規制する規制部が設けられていることを特徴とする。
前記構成によると、スラストころ軸受の軸受回転時において、第1の軌道輪と第2の軌道輪とが偏心して相対回転する際に、第1、第2の両軌道輪のうち、少なくとも一方の軌道輪の鍔部に設けられた規制部が他方の軌道輪の端部に当接することで、これ以上の第1、第2の両軌道輪の径方向の相対的な移動が止められる。
このため、第1、第2の両軌道輪の内径側鍔部と外径側鍔部との間に保持器が挟まれことを抑制することができ、保持器の損傷を防止して耐久性の向上を図ることができる。
また、第1、第2の両軌道輪の内、外径側の両鍔部と前記保持器の内、外径側の両環状部の端面との間の隙間寸法をAとし、規制部と他方の軌道輪の端部との間の隙間寸法をBとしたときに、A>Bの関係となるように設定することが望ましい。
この場合には、第1、第2の両軌道輪の内径側鍔部と外径側鍔部との間に保持器が挟まれことを解消することができ、保持器の損傷防止に効果が大きい。
請求項2に係るスラストころ軸受は、請求項1に記載のスラストころ軸受であって、
規制部は、弾性変形可能な弾性体によって形成されていることを特徴とする。
前記構成によると、一方の軌道輪の鍔部に設けられた弾性体よりなる規制部によって、両の軌道輪の衝突音等の異音の発生を防止することができる。
また、第2の軌道輪の外径側鍔部に弾性体よりなる規制部が設けられることによって、スラストころ軸受内をシールすることが可能となる。すなわち、弾性体よりなる規制部がシール部材としても機能する。
請求項3に係るスラストころ軸受は、複数個のころと、これらころを転動可能に保持する保持器と、前記ころが転動可能な軌道面が対向面に形成された第1、第2の両軌道輪とを備えたスラストころ軸受であって、
前記第1の軌道輪の内径端には内径側鍔部が形成され、前記第2の軌道輪の外径端には外径側鍔部が形成され、
前記第1、第2の両軌道輪の軌道面と前記ころの外周面には、相互に係合して前記第1、第2の両軌道輪の径方向の相対的な移動を前記ころを介して規制する規制凹部と規制凸部とが形成されていることを特徴とする。
前記構成によると、スラストころ軸受の軸受回転時において、第1の軌道輪と第2の軌道輪とが偏心して相対回転する際に、第1、第2の両軌道輪の軌道面ところの外周面とに形成された規制凹部と規制凸部とが係合することで、これ以上の第1、第2の両軌道輪の径方向の相対的な移動が止められる。
このため、第1、第2の両軌道輪の内径側鍔部と外径側鍔部との間に保持器が挟まれことを抑制することができ、保持器の損傷を防止して耐久性の向上を図ることができる。
この発明の実施例1に係るスラストころ軸受を示す縦断面図である。 同じくスラストころ軸受の第1、第2の両軌道輪と、ころと、保持器との関係を示す縦断面図である。 同じく第1の軌道輪を示す正面図である。 同じく第1の軌道輪の内径側鍔部に設けられた規制部に、第2の軌道輪の内径端が当接した状態を示す説明図である。 この発明の実施例2に係るスラストころ軸受の第1、第2の両軌道輪と、ころと、保持器との関係を示す縦断面図である。 同じく第2の軌道輪の外径側鍔部に設けられた弾性体よりなる規制部がオイルの流れによって開き方向へ弾性変形された状態を示す縦断面である。 この発明の実施例3に係るスラストころ軸受の第1、第2の両軌道輪と、ころと、保持器との関係を示す縦断面図である。 同じく実施例3の変更例を示す縦断面図である。 この発明の実施例4に係るスラストころ軸受の第1、第2の両軌道輪と、ころと、保持器との関係を示す縦断面図である。 この発明の実施例5に係るスラストころ軸受の第1、第2の両軌道輪と、ころと、保持器との関係を示す縦断面図である。 この発明の実施例6に係るスラストころ軸受の第1、第2の両軌道輪と、ころと、保持器との関係を示す縦断面図である。 同じく第1、第2の両軌道輪と、ころと、保持器との関係を示す正面図である。 同じく実施例6の変更例を示す縦断面図である。 この発明の実施例7に係るスラストころ軸受の第1、第2の両軌道輪と、ころと、保持器との関係を示す縦断面図である。
この発明を実施するための形態について実施例にしたがって説明する。
この発明の実施例1を図1〜図4にしたがって説明する。
図1に示すように、トルクコンバータや圧縮機等の回転軸1側とハウジング5側との間に組み付けられるスラストころ軸受10は、複数個のころ11と、保持器20と、第1、第2の両軌道輪30、40とを備えている。
図2に示すように、保持器20は、径方向に所定間隔を隔てる内、外径側の両環状部21、22と、これら両環状部21、22を連結すると共に、複数のころ11を転動可能に保持するポケット23を区画形成する複数の柱部24とを備えている。
複数の柱部24は、第1の軌道輪30の軌道面31に接近して突出する径方向中間部25と、第2の軌道輪40の軌道面41に接近して突出する径方向両側部27と、これら径方向中間部25と径方向両側部27とを連結する傾斜連結部26とを備えている。
また、この実施例1において、内径側環状部21は縦断面がL字状に形成され、外径側環状部22は、縦断面がU字状に形成されている。
なお、複数の柱部24の径方向中間部25及び径方向両側部27の対向面には、ポケット23内に向けて突出してころ11の抜け止めをなす抜止爪(図示しない)が形成されている。
図1と図2に示すように、第1、第2の両軌道輪30、40の対向面には、ころ11が転動される軌道面31、41がそれぞれ形成されている。
また、第1の軌道輪30の内径端には、回転軸1の外周面に遊嵌状態で挿入される内径側鍔部32が形成されている。
また、第2の軌道輪40の外径端には、外径側鍔部42が形成されている。
また、この実施例1において、第1、第2の両軌道輪30、40と、複数個のころ11を保持した保持器20とを一体化するために、第1の軌道輪30の内径側鍔部32と、第2の軌道輪40の外径側鍔部42の各先端部の周方向の複数箇所には、抜け止め用の各複数の係止爪33、43が、保持器20の内、外径側の両環状部21、22の端部と所定の重なり代をもってかしめ加工等によって形成されている。
第1、第2の両軌道輪30、40のうち、少なくとも一方の軌道輪の鍔部には、他方の軌道輪の端部に当接可能に接近して第1、第2の両軌道輪30、40の径方向の相対的な移動を規制する規制部35が設けられている。
図2と図3に示すように、この実施例1においては、第1の軌道輪30の内径側鍔部32の周方向の複数箇所(図3では四箇所)に規制部35が一体延長状に設けられている。
また、第1、第2の両軌道輪30、40とが同一中心線上に配置された状態において、図2に示すように、第1、第2の両軌道輪30、40の内、外径側の両鍔部32、42と保持器20の内、外径側の両環状部21、22の端面との間の隙間寸法(第1の軌道輪30の内径側鍔部32と保持器20の内径側環状部21との間の隙間寸法S1に第2の軌道輪40の外径側鍔部42と保持器20の外径側環状部22との間の隙間寸法S2を加えた隙間寸法)をAとし、第1の軌道輪30の規制部35と第2の軌道輪40の端部との間の隙間寸法をBとしたときに、「A>B」の関係となるように設定されることが望ましい。
この実施例1に係るスラストころ軸受は上述したように構成される。
したがって、図1に示すように、回転軸1側に第1の軌道輪30が配置され、トルクコンバータや圧縮機等のハウジング5側に第2の軌道輪40が配置された状態で組み付けられる。
スラストころ軸受10の組付状態の軸受回転時において、ハウジング5と回転軸1とが偏心して相対回転することがある。これに伴って、スラストころ軸受の第1の軌道輪30と第2の軌道輪40とが偏心して相対回転する。
この際、図4に示すように、第1の軌道輪30の内径側鍔部32に設けられた規制部35が第2の軌道輪40の内径端部に当接することで、これ以上の第1、第2の両軌道輪30、40の径方向の相対的な移動が止められる。
このため、第1、第2の両軌道輪30、40の内、外径側鍔部32、42の間に保持器20が挟まれことを抑制することができ、保持器20の損傷を防止して耐久性の向上を図ることができる。
また、第1、第2の両軌道輪30、40の内、外径側の両鍔部32、42と保持器20の内、外径側の両環状部21、22の端面との間の隙間寸法(S1+S2)をAとし、第1の軌道輪30の規制部35と第2の軌道輪40の端部との間の隙間寸法をBとしたときに、「A>B」の関係となるように設定された場合には、第1、第2の両軌道輪30、40の内、外径側鍔部32、42の間に保持器20が挟まれことを解消することができ、保持器20の損傷防止に効果が大きい。
次に、この発明の実施例2に係るスラストころ軸受を図5と図6にしたがって説明する。
図5に示すように、この実施例2に係るスラストころ軸受110においてもは、複数個のころ111と、保持器120と、第1、第2の両軌道輪130、140とを備えている。
また、第1の軌道輪130の内径端には内径側鍔部132が形成され、第2の軌道輪140の外径端には外径側鍔部142が形成されている。
また、この実施例2において、第2の軌道輪140の外径側鍔部142の全周に、軟質樹脂、ゴム等の弾性変形可能な弾性体よりなる環状の規制部145が一体状に接着(規制部145がゴムである場合には加硫接着)されている。
図5に示すように、第2の軌道輪140の規制部145の先端部は、第1の軌道輪130の外径側端部に弾性的に当接しており、この規制部145の弾性によって、第1、第2の両軌道輪130、140が同一中心線上に弾性的に保持されるようになっている。
また、第2の軌道輪140の外径側鍔部142の全周に設けられた弾性体よりなる規制部145は、スラストころ軸受110内をシールするシール部材としても機能する。
さらに、図6に示すように、弾性体よりなる規制部145は、スラストころ軸受110内のオイルの流れによって開き方向へ弾性変形され、第1の軌道輪130の外径側端部に対し、規制部145の先端部が非接触の状態となる。
この実施例2に係るスラストころ軸受は上述したように構成される。
したがって、図5に示すように、第2の軌道輪140の弾性体よりなる規制部145の先端部が、第1の軌道輪130の外径側端部に弾性的に当接することによって、第1、第2の両軌道輪130、140が同一中心線上に弾性的に保持される。
このため、スラストころ軸受110の軸受回転時において、第1、第2の両軌道輪130、140の相対的な偏心回転が弾性体よりなる規制部145によって抑制される。
この結果、第1、第2の両軌道輪130、140の内、外径側の両鍔部132、142の間に保持器120が挟まれことを抑制することができ、保持器120の損傷を防止して耐久性の向上を図ることができる。
また、この実施例2において、弾性体よりなる規制部145によって、第1、第2の両軌道輪130、140の衝突音等の異音の発生を防止することができる。
また、第2の軌道輪140の外径側鍔部142に弾性体よりなる規制部145が設けられることによって、スラストころ軸受110内をシールすることが可能となる。すなわち、弾性体よりなる規制部145がシール部材としても機能する。
さらに、図6に示すように、弾性体よりなる規制部145は、スラストころ軸受110内のオイルの流れによって開き方向へ弾性変形され、第1の軌道輪130の外径側端部に対し、規制部145の先端部が非接触の状態となる。この状態では接触摩擦によるトルク損失が生じない。
次に、この発明の実施例3に係るスラストころ軸受を図7にしたがって説明する。
図7に示すように、この実施例3に係るスラストころ軸受210においても、複数個のころ211と、保持器220と、第1、第2の両軌道輪230、240とを備えている。
また、第1の軌道輪230の内径端には内径側鍔部232が形成され、第2の軌道輪240の外径端には外径側鍔部242が形成されている。
また、この実施例3において、第1の軌道輪230の外径端と、第2の軌道輪240の外径側鍔部242とに、規制部235、245を構成する永久磁石235a、245aがそれぞれ同極の磁極(S極又はN極)を対面させて設けられ、これら永久磁石235a、245aの磁力の反発力によって、第1、第2の両軌道輪230、240の径方向の相対的な移動を規制するようになっている。
また、第1の軌道輪230の外径端と、第2の軌道輪240の外径側鍔部242とに永久磁石235a、245aを配設するために、第1の軌道輪30の外径端は、周方向に環状に折り曲げられた折曲部235bが形成されている一方、第2の軌道輪240の外径側鍔部242の先端には、前記折曲部235bの外周面に沿って延長された延長筒部245bが形成されている。
そして、折曲部235bの外周面と延長筒部245bの内周面に永久磁石235a、245aがそれぞれ同極の磁極(S極又はN極)を対面させて設けられている。
すなわち、この実施例3においては、一方の規制部235は、折曲部235bと永久磁石235aによって構成され、他方の規制部245は、延長筒部245b、永久磁石245aによって構成されている。
この実施例3に係るスラストころ軸受は上述したように構成される。
したがって、永久磁石235a、245aの磁力の反発力によって、第1、第2の両軌道輪230、240が同一中心線上に保持される。
このため、スラストころ軸受210の軸受回転時において、第1、第2の両軌道輪230、240の相対的な偏心回転が抑制される。
この結果、第1、第2の両軌道輪230、240の内、外径側の両鍔部232、242の間に保持器220が挟まれことを抑制することができ、保持器220の損傷を防止して耐久性の向上を図ることができる。
なお、前記実施例3においては、第1の軌道輪230の外径端に筒状の折曲部235bを形成し、その折曲部235bの外周面に永久磁石235aを配設して一方の規制部235を形成したが、例えば、図8に示すように、第1の軌道輪330の外径端の板厚内に、一方の規制部335を構成する永久磁石335aを配置することも可能である。
但し、この場合においても、第2の軌道輪340の外径側鍔部342の先端に、延長筒部345bを形成し、この延長筒部345bの内周面に、同延長筒部345bと協働して他方の規制部345を構成する永久磁石345aを配設してもよい。
次に、この発明の実施例4に係るスラストころ軸受を図9にしたがって説明する。
図9に示すように、この実施例4に係るスラストころ軸受410においても、複数個のころ411と、保持器420と、第1、第2の両軌道輪430、440とを備えている。
また、第1の軌道輪430の内径端には内径側鍔部432が形成され、第2の軌道輪440の外径端には外径側鍔部442が形成されている。
また、この実施例4において、第1、第2の両軌道輪430、440の径方向の相対的な移動をころ411を介して規制するために、第1、第2の両軌道輪430、440の軌道面431、441には、回転軸(図示しない)の軸回りに沿って環状をなす規制凸部435a、445aがそれぞれ形成されている。
また、ころ411の外周面には、規制凸部435a、445aに係合可能な環状の規制凹部411aが形成されている。
そして、この実施例4においては、規制凸部435a、445aと、規制凹部411aによって、規制部435が構成されている。
この実施例4に係るスラストころ軸受は上述したように構成される。
したがって、スラストころ軸受410の軸受回転時において、第1、第2の両軌道輪430、440が偏心して相対回転する際に、これら第1、第2の両軌道輪430、440の軌道面431、441ところ411の外周面とに形成された規制凸部435a、445aと規制凹部411aとが係合することで、これ以上の第1、第2の両軌道輪430、440の径方向の相対的な移動が止められる。
このため、第1、第2の両軌道輪430、440の内径側鍔部432と外径側鍔部442との間に保持器420が挟まれことを抑制することができ、保持器420の損傷を防止して耐久性の向上を図ることができる。
なお、前記実施例4においては、第1、第2の両軌道輪430、440の軌道面431、441に規制凸部435a、445aが、ころ411の外周面に規制凹部411aが形成されている場合を例示したが、第1、第2の両軌道輪430、440の軌道面431、441に規制凹部を、ころ411の外周面に規制凸部を形成してもよい。
次に、この発明の実施例5に係るスラストころ軸受を図10にしたがって説明する。
図10に示すように、この実施例5に係るスラストころ軸受510においても、複数個のころ511と、保持器520と、第1、第2の両軌道輪530、540とを備えている。
また、第1の軌道輪530の内径端には内径側鍔部532が形成され、第2の軌道輪540の外径端には外径側鍔部542が形成されている。
また、この実施例5において、第1、第2の両軌道輪530、540の径方向の相対的な移動をころ511を介して規制するために、第1の軌道輪530には、その軌道面531の内径端部にころ511の一端面(内径側端面)に当接可能な規制面535aが段差状に形成されている。さらに、第2の軌道輪540の軌道面541の外径側端部には、ころ511の他端面(外径側端面)に当接可能な規制面545aが段差状に形成されている。
そして、この実施例5においては、規制面535a、545aところ511の両端面によって、規制部535が構成されている。
また、この実施例5において、第1、第2の両軌道輪530、540を鋼板を材料としてプレス加工して形成する際に、第1、第2の両軌道輪530、540の各軌道面側が段差状にプレス成形されることによって、軌道面531、541及び規制面535a、545aが形成されている。
また、第1、第2の両軌道輪530、540の内、外径側の両鍔部532、542と保持器520の内、外径側の両環状部521、522の端面との間の隙間寸法(S3+S4)をCとし、第1、第2の両軌道輪530、540の規制面535a、545aところ511の両端面との間の隙間寸法(S5+S6)をDとしたときに、「C>D」の関係となるように設定される。
この実施例5に係るスラストころ軸受は上述したように構成される。
したがって、スラストころ軸受510の軸受回転時において、第1、第2の両軌道輪530、540が偏心して相対回転する際に、これら第1、第2の両軌道輪530、540の規制面535a、545aところ411の両端面が当接することで、これ以上の第1、第2の両軌道輪530、540の径方向の相対的な移動が止められる。
このため、第1、第2の両軌道輪530、540の内径側鍔部532と外径側鍔部542との間に保持器520が挟まれことを抑制することができ、保持器520の損傷を防止して耐久性の向上を図ることができる。
また、この実施例5において、第1、第2の両軌道輪530、540の各軌道面531、541側が段差状にプレス成形されることによって、軌道面531、541及び規制面535a、545aを形成することができる。このため、後工程で第1、第2の両軌道輪530、540の軌道面531、541及び規制面535a、545aを旋削加工等によって段差状に形成する手間を省くことができ、コスト低減に効果が大きい。
次に、この発明の実施例6に係るスラストころ軸受を図11と図12にしたがって説明する。
図11と図12に示すように、この実施例6に係るスラストころ軸受610においても、複数個のころ611と、保持器620と、第1、第2の両軌道輪630、640とを備えている。
また、第1の軌道輪630の内径端には内径側鍔部632が形成され、第2の軌道輪640の外径端には外径側鍔部642が形成されている。
また、この実施例6において、保持器620は、内径側環状部がない構造となっており、外径側環状部622と、この外径側環状部622の内周面から中心に向けて延出され複数のポケット623を区画する複数の柱部624とを備えると共に、各ポケット623の内径側が開放されている。
この実施例6に係るスラストころ軸受は上述したように構成される。
したがって、スラストころ軸受610の軸受回転時において、第1、第2の両軌道輪630、640が偏心して相対回転する際に、第1、第2の両軌道輪630、640の内径側鍔部632と外径側鍔部642との間に保持器620が挟まれことを解消することができ、保持器620の損傷を防止して耐久性の向上を図ることができる。
すなわち、保持器620は、内径側環状部がない構造となっており、各ポケット623の内径側が開放されている。このため、第1、第2の両軌道輪630、640が偏心して相対回転する際に、第1、第2の両軌道輪630、640の内径側鍔部632と外径側鍔部642との間隔が狭くなる部分においては、ころ611と、保持器620の外径側環状部622において荷重を受け、柱部624に対しては圧縮荷重が作用することがない。
この結果、保持器620の損傷を防止して耐久性の向上を図ることができる。
なお、前記実施例6においては、第1、第2の両軌道輪630、640が分離可能となっているが、図13に示すように、第1の軌道輪630の内径側鍔部632を第2の軌道輪640の外径端まで延長し、当該延長部分の先端に第2の軌道輪640の外径端の傾斜状の面取り部640aに係合可能な係合爪633をかしめ等によって形成することで、第1、第2の両軌道輪630、640を一体化することも可能である。
この場合には、第1の軌道輪630の内径側鍔部632の延長部が第1、第2の両軌道輪630、640の径方向の相対的な移動を規制する規制部635としても機能する。
次に、この発明の実施例7に係るスラストころ軸受を図14にしたがって説明する。
図14に示すように、この実施例7に係るスラストころ軸受710は、複数個のころ711と、保持器720と、第1、第2の両軌道輪730、740と、内径側連結部材750と、転がり軸受760とを備えている。
また、第1の軌道輪730の内径端には内径側鍔部732が形成され、第2の軌道輪740の外径端には外径側鍔部742が形成されている。
さらに、第2の軌道輪740の外面側内径部には周方向に環状をなす凹部746が形成されている。
内径側連結部材750は、回転軸(図示しない)の外周に嵌挿される円筒部751と、この円筒部751の一端部外周面に一体に形成されたフランジ部752とを備えている。 そして、円筒部751の外周面には、第1の軌道輪730の内径側鍔部732が圧入等によって嵌込まれて一体状に固定されると共に、フランジ部752が第2の軌道輪740の凹部746内に配置されている。
転がり軸受760は、内径側連結部材750の円筒部751の外周面と、フランジ部752と、第1の軌道輪730の内径側鍔部732の先端面と、第2の両軌道輪740の内径端とで囲まれた環状空間内に配置されており、内径側連結部材750の円筒部751の外周面を軌道面として組み付けられた複数の転動体(図では玉)761と、これら転動体761を保持する保持器762とを備えている。
また、第1、第2の両軌道輪730、740とが同一中心線上に配置された状態において、図14に示すように、第1、第2の両軌道輪730、740の内、外径側の両鍔部732、742と保持器720の内、外径側の両環状部721、722の端面との間の隙間寸法(第1の軌道輪730の内径側鍔部732と保持器720の内径側環状部721との間の隙間寸法S7に第2の軌道輪740の外径側鍔部742と保持器720の外径側環状部722との間の隙間寸法S8を加えた隙間寸法)をEとし、第2の軌道輪740の外径側鍔部742の端面と、転がり軸受760の転動体761との間の隙間寸法をFとしたときに、「E>F」の関係となるように設定される。これによって、第1、第2の両軌道輪630、640が径方向へ相対的に移動したときには、第2の軌道輪740の外径側鍔部742の端面が、転がり軸受760の転動体761に当接することで、第1、第2の両軌道輪630、640の内径側鍔部632と外径側鍔部642との間隔が狭くなる部分において保持器620が挟まれることがないようになっている。
さらに、内径側連結部材750のフランジ部752の外径端と第2の軌道輪740の凹部746との間の径方向の隙間寸法をGとし、内径側連結部材750のフランジ部752と第2の軌道輪740の凹部746との径方向の重ね代寸法をHとしたときに、「G>F」及び「H>F」の関係となるように設定される。これによって、第1、第2の両軌道輪630、640が軸方向に分離されることなく一体化されて保持されるようになっている。
この実施例7に係るスラストころ軸受は上述したように構成される。
したがって、スラストころ軸受710の軸受回転時において、第1、第2の両軌道輪730、740が偏心して相対回転する際に、第2の軌道輪740の外径側鍔部742の端面が転がり軸受760の転動体761に当接することで、これ以上の第1、第2の両軌道輪730、740の径方向の相対的な移動が止められる。
このため、第1、第2の両軌道輪730、740の内径側鍔部732と外径側鍔部742との間に保持器720が挟まれことを抑制することができ、保持器720の損傷を防止して耐久性の向上を図ることができる。
なお、この発明は前記実施例1〜7に限定するものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。
10 スラストころ軸受
11 ころ
20 保持器
21 内径側環状部
22 外径側環状部
23 ポケット
24 柱部
30 第1の軌道輪
32 内径側鍔部
35 規制部
40 第2の軌道輪
42 外径側鍔部

Claims (3)

  1. 複数個のころと、これらころを転動可能に保持する保持器と、前記ころが転動可能な軌道面が対向面に形成された第1、第2の両軌道輪とを備えたスラストころ軸受であって、
    前記第1の軌道輪の内径端には内径側鍔部が形成され、前記第2の軌道輪の外径端には外径側鍔部が形成され、
    前記第1、第2の両軌道輪のうち、少なくとも一方の軌道輪の鍔部には、他方の軌道輪の端部に当接可能に接近して前記第1、第2の両軌道輪の径方向の相対的な移動を規制する規制部が設けられていることを特徴とするスラストころ軸受。
  2. 請求項1に記載のスラストころ軸受であって、
    規制部は、弾性変形可能な弾性体によって形成されていることを特徴とするスラストころ軸受。
  3. 複数個のころと、これらころを転動可能に保持する保持器と、前記ころが転動可能な軌道面が対向面に形成された第1、第2の両軌道輪とを備えたスラストころ軸受であって、
    前記第1の軌道輪の内径端には内径側鍔部が形成され、前記第2の軌道輪の外径端には外径側鍔部が形成され、
    前記第1、第2の両軌道輪の軌道面と前記ころの外周面には、相互に係合して前記第1、第2の両軌道輪の径方向の相対的な移動を前記ころを介して規制する規制凹部と規制凸部とが形成されていることを特徴とするスラストころ軸受。
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